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JP3535583B2 - 透明化粧水 - Google Patents

透明化粧水

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JP3535583B2
JP3535583B2 JP25300594A JP25300594A JP3535583B2 JP 3535583 B2 JP3535583 B2 JP 3535583B2 JP 25300594 A JP25300594 A JP 25300594A JP 25300594 A JP25300594 A JP 25300594A JP 3535583 B2 JP3535583 B2 JP 3535583B2
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surfactant
oil
emulsion
alcohol
amount
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JP25300594A
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忠司 中村
宏之 鹿子木
建三 伊藤
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Shiseido Co Ltd
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Shiseido Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明化粧水、特にその透
明性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水系に油性微細エマルションを配
合し、外観上半透明を呈する化粧水が各種開発されてい
る。例えば、特開昭63−132813には、アルコー
ル/(水+アルコール)の重量比が0.01〜0.4で
ある水・アルコール系において、HLB7以下の親油性
界面活性剤と、HLB10以上のポリオキシエチレン付
加非イオン活性剤と、油分からなる微細エマルションを
用いたものが開示されている。また、特開昭59−33
206には、水・アルコール系において、常温で液状又
はペースト状のポリグリセリン脂肪酸エステルを0.0
1〜5重量%加えてなる微細エマルションが開示されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の微細エマルションを用いた化粧料は半透明であり、し
かも油分配合によるコクのある使用性を有する反面、上
記配合活性剤によるべたつきが強く、使用感触をさらに
向上させることが望まれていた。本発明は前記従来技術
の課題に鑑みなされたものであり、その目的は油分配合
にもかかわらず透明性が高く、しかも使用感に優れた透
明化粧料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者等が鋭意検討進めた結果、水相中に油分を
微細エマルションとして分散させる際、該エマルション
の構成に特定の両親媒性物質及び界面活性剤を用い、さ
らに水相中に多価アルコールを配合することにより、優
れた透明性、使用性が得られることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明にかかる透明化粧水は、
両親媒性物質−界面活性剤−水系において常温以上でゲ
ルを形成し、ゲルの転移温度が67℃以上であるものの
中から選択された両親媒性物質及び界面活性剤と、油
と、水と、を含み、前記両親媒性物質は炭素鎖長が16
以上である高級アルコール及び/又は高級脂肪酸よりな
り、前記界面活性剤はカチオン界面活性剤又はアニオン
界面活性剤よりなり、前記両親媒性物質及び前記界面活
性剤の合計量に対し油相が1/2量以上配合され、前記
両親媒性物質、界面活性剤、油で形成される微細エマル
ション0.01〜5重量%が水中に分散されてなり、前
記水中には多価アルコールが1〜40重量%含有されて
いることを特徴とする。
【0006】以下、本発明の構成を更に詳細に説明す
る。両親媒性物質及び界面活性剤本発明において用いら
れる両親媒性物質及び界面活性剤は、両親媒性物質−界
面活性剤−水系において特異的にゲルを形成する必要が
あり、前記両親媒性物質は炭素鎖長が16以上である高
級アルコール及び/又は高級脂肪酸よりなり、前記界面
活性剤はカチオン界面活性剤又はアニオン界面活性剤よ
りなる。特に乳化安定性を考慮する場合には、ゲルがα
−typeであると、その安定性が良好であり、さらに
ゲルの転移温度が67℃以上であることが好適である。
なお、ゲルがα−typeであることはX線回折での2
1.4゜の強い単一のピークにより判別できる。
【0007】このように水系で且つ常温以上でゲルを形
成する両親媒性物質−界面活性剤の組合せとして、ベヘ
ン酸及び/又はベヘニルアルコール(両親媒性物質)−
ベヘン酸/水酸化カリウム脂肪酸石鹸(界面活性剤)、
あるいはステアリン酸及び/又はステアリルアルコ−ル
(両親媒性物質)−ステアリン酸/水酸化カリウム脂肪
酸石鹸(界面活性剤)、ステアリルアルコール(両親媒
性物質)−セチル硫酸ナトリウム(界面活性剤)、ベヘ
ニルアルコール(両親媒性物質)−塩化ベヘニルトリメ
チルアンモニウム(界面活性剤)、ベヘニルアルコール
(両親媒性物質)−塩化ステアリルトリメチルアンモニ
ウム(界面活性剤)の組み合わせが好適である。なお、
例えばベヘン酸及びステアリン酸等の様に、炭素鎖長が
長く、かつ鎖長の異なる組み合わせを用いることによ
り、乳化安定性をより向上させることができる。
【0008】なお、両親媒性物質とは界面活性を有する
が、それ自体は疎水性が強く一般の界面活性剤ほど界面
活性を有さないものであり、本発明においては炭素鎖長
が16以上である高級脂肪酸及び/又は高級脂肪族アル
コールである
【0009】油相 本発明において、系中に配合する油状成分は液状油分、
固型油分、半固型油分又は水に難溶性の物質のいずれで
もよく、例えばアボガド油、ツバキ油、タートル油、マ
カデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリー
ブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦
胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー
油、綿実油、月見草油、エノ油、大豆油、落花生油、茶
実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、
ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グ
リセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油
脂、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、
牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モ
クロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油
等の固型油脂、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カ
ルナバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モ
ンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カボックロウ、酢酸
ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂
肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリ
ン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、P
OEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアル
コールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコ
ール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等の
ロウ類、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、
プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセ
リン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素、ミ
リスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチ
ン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ス
テアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸
ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘ
キシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノ
リン、ステアリン酸イソセチル、イソステアレン酸イソ
セチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、
ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペン
タエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン
酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチル
グリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプ
チルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシ
ル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸ト
リメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸
ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グ
リセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパ
ン、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘ
キシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、ト
リ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油
脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステア
リルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸−
2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソプロピル、
N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデ
シルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシ
ル、エチルラウレート、セパチン酸ジ−2−エチルヘキ
シル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン
酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデ
シル、セバチル酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチ
ルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ク
エン酸トリエチル等の合成エステル、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸(ベ
ヘニル)酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン
酸、ウンデシレン酸、トール酸、ラノリン脂肪酸、イソ
ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペ
ンタエン酸等の高級脂肪酸、ラウリンアルコール、セチ
ルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコ
ール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セ
トステアリルアルコール、モノステアリルグリセレンエ
ーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノ
ール、ラノリンアルコール、コレステロール、ヘキシル
ドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルド
デカノール等の直鎖、分岐高級アルコール、ジメチルポ
リシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリ
コーン油、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンD及び
その誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンK及
びその誘導体等のビタミン類、ステロール類、天然及び
合成の香料等が挙げられ、このうち融点が常温以下を液
状油分、融点が常温以上を固型、半固型油分と区別され
る。
【0010】また、水に難溶性の物質としては、ユビキ
ノン、ビタミンP等のビタミン類、塩酸クロルヘキシジ
ン、トリクロロカルバニリド、イメガッサンDP300
等の殺菌剤、酢酸デキサメタゾン等の薬剤、パラアミノ
安息香酸(以下PABAと略す)、N,N−ジメチルPAB
Aオクチルエステルなどの紫外線吸収剤、パラベン等の
防腐剤等が挙げられる。なお、油相量は両親媒性物質−
界面活性剤の合計量に対し1/2倍以上、好ましくは等
量以上である。油相量が両親媒性物質−界面活性剤の合
計量の1/2より少ない場合には、乳化状態の経時安定
性が悪化する傾向にある。
【0011】微細エマルションの形成 本発明において、微細エマルションの粒子径は0.15
μm以下、特に0.10μm以下が好適である。粒子径
が0.15μmを越えると、低粘度ではクリーミングを
生じる恐れがある。ここで用いられるエマルションの平
均粒子径は、動的光散乱法により測定されたものであ
り、具体的にはNICOMP−270(HIAC/RO
YCO社製)によって測定したものである。
【0012】本発明の透明化粧水は、前記必須成分を有
する混合分散液をホモミキサーよりも強力な剪断力をか
けられる乳化機、例えばマントンゴウリン、フレンチプ
レス、コロイドミル、マイクロフルイダイザー、超音波
乳化機など、強力な剪断力で処理することにより、その
透明性、安定性を向上させることができる。また、マン
トンゴウリン、フレンチプレス、マイクロフルイダイザ
ー等の高圧ホモジナイザーを用いる場合には、1000
psi以上の圧力下で乳化するのが好ましいが、さらに好
ましくは3000psi以上が好適である。
【0013】本発明にかかる乳化処理は、系全量を行っ
てもよいし、場合によっては一部を処理し、その後に水
あるいは多価アルコール等の他の配合物により希釈して
もよい。また乳化時の温度は、系中の界面活性剤と両親
媒性物質が水とともに形成するゲルの転移温度以上で行
なうのが望ましい。本発明において、安定で特異な使用
感を有する微細エマルションの現出機構は以下のように
考えられる。
【0014】すなわち、本発明においては、(1)両親
媒性物質−界面活性剤−水系において常温以上でゲルを
形成し得るものの中から選択された両親媒性物質及び界
面活性剤と、(2)油と、(3)水と、を少なくとも含
み、前記両親媒性物質及び界面活性剤は、その実質的全
量が油滴界面に存在していることが好適である。ここ
で、一般に水中油型乳化組成物では、両親媒性物質と界
面活性剤が水相中でゲルを形成し、基剤を固化させてい
ると考えられている(Barry,B.W., J.C
olloid Interface Sci.,28,
82−91(1968)等)。この水中油型乳化組成物
におけるゲル形成状態は、以下のように記述される(福
島正二,セチルアルコールの物理化学,フレグランスジ
ャーナル社,1992,p112〜116)。図1にお
いて、水相10中には油相12が分散されており、該水
相10と油相12の境界面には界面活性剤14及び両親
媒性物質16が存在し、水相10内での油相12の分散
状態安定化が図られている。
【0015】そして、水相10内にはさらに界面活性剤
14及び両親媒性物質16が存在しており、該界面活性
剤14及び両親媒性物質16の一部はラメラ構造18を
水相中で形成し、ゲル構造が構築される。このような水
中油型乳化組成物は、強力な剪断力を有する乳化機で処
理を行い、基剤を固化させているゲル構造体を破壊し、
例えば図2に示すようにラメラ構造が微細な分散系(ベ
シクル)20となることにより、低粘度の液状の基剤を
得ることができる(山口道広,野田 章,日化,26−
32(1989))。しかしながら、ラメラ構造が微細
に分散した系は、凝集によるブツの発生やゲル構造の再
構築による粘度上昇等の不安定化の問題がある。
【0016】そこで、本発明者らは、両親媒性物質16
−界面活性剤14−水10−油12で構成される水中油
型乳化組成物のエマルション粒子を微細化し、水相中で
ゲルを形成している両親媒性物質16及び界面活性剤1
4をエマルション粒子界面に移行させ水相中のゲルの量
を減少させること、及び安定なゲルを形成しゲル構造を
破壊した後再びゲル構造を形成しにくい両親媒性物質及
び界面活性剤の組合せを選択することにより、商品レベ
ルでの安定性の保証を可能したものである。即ち、図3
に示す様に両親媒性物質16及び界面活性剤14をほぼ
全量油滴12の界面に移行させることにより、前記両親
媒性物質16及び界面活性剤14はそれぞれエマルショ
ン粒子界面において安定に保持されることとなり、更に
水相10中にはラメラ構造の微細に分散したもの等が存
在しないため、その凝集によるブツの発生やゲル構造の
再構築も生じ得ない。従って本発明に係る水中油型乳化
組成物は、その保存状態においては、極めて低粘度であ
り、優れた製造適性及び容器からの取り出し時の使用性
を備えている。
【0017】以上のようなエマルションを構成するた
め、本発明においては、前記両親媒性物質及び界面活性
剤の境界面存在量がDSCによる面積比で90%以上で
あることが好適である。又、前記両親媒性物質及び界面
活性剤が、両親媒性物質−界面活性剤−水系において形
成されるゲルの転移温度が67℃以上であるものの中か
ら選択されたことが好適である。
【0018】又、微細エマルション粒子径が0.15μ
m以下であることが好適である。又、両親媒性物質及び
界面活性剤の合計量に対し、油相が1/2量以上配合さ
れることが好適である。又、両親媒性物質及び界面活性
剤の合計量が水相に対して0.2重量%以上であること
が好適である。又、両親媒性物質は炭素鎖長が16以上
である高級アルコール及び/又は高級脂肪酸よりなるこ
とが好適である。又、界面活性剤がカチオン界面活性剤
又はアニオン界面活性剤よりなることが好適である。
【0019】多価アルコール 本発明において、多価アルコールは前記特異な微細エマ
ルションを分散させた化粧水の透明度を高めるために配
合される。この多価アルコールとしては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリグ
リセリン、テトラグリセリン等が好ましい。その配合量
は、前記両親媒性物質−界面活性剤−油分で構成された
微細エマルションの濃度に依存し、化粧水中1〜40重
量%であることが好ましい。40重量%以上配合する
と、べたつきを生じる場合がある。また、前記微細エマ
ルションとの関係では、該微細エマルション量の7倍以
上であることが好ましい。7倍以下だと、透明性の改善
が不十分なことがある。
【0020】なお、多価アルコールと同様に保湿剤とし
て化粧水等に添加されるものとして、グルコース、マル
トース、マルチトール、フルクトース、ソルビトール、
澱粉、分解糖、澱粉分解糖還元アルコール等も挙げられ
るが、これらは微細エマルションとの共存下で安定性が
悪く、劣化を生じやすい。
【0021】なお、本発明において水相には、例えばビ
タミンB群、ビタミンC及びその誘導体、パントテン酸
及びその誘導体、ビオチン等のビタミン類などの水溶性
活性物質、グルタミン酸ナトリウム、アルギニン、アス
パラギン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸などの緩衝剤、E
DTAなどのキレート剤などの他、紫外線吸収剤、各種
色素の一種または二種以上を配合することが可能であ
る。
【0022】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げつつ、本発明を
さらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に
限定されるものではない。両親媒性物質及び界面活性剤の油滴界面における存在量 前述したように、本発明において界面活性剤及び両親媒
性物質の油滴界面における存在量及び水相中への残存量
は、保存中の水溶液状物性に極めて重大な影響を与え
る。そこで、本発明者らはまず、次のエマルション1,
2,3及び4を製造し、完成時の物性及びその経時変化
について検討を行った。即ち、両親媒性物質及び界面活
性剤の油滴界面における存在量は、ゲルの転移のピーク
面積変化により見積もることができる。そこで、転移温
度の測定を示唆走査熱量計(DSC)、具体的にはDS
C120(セイコー電子工業株式会社製)を用いて行
い、得られたDSC昇温曲線に於て観測された吸熱ピー
クの頂点の温度を転移温度とした。
【0023】
【表1】 ──────────────────────────────────── エマルション 1 2 3 4 ──────────────────────────────────── 1)ベヘニルアルコール 1.0 1.0 1.0 1.0 2)ステアリルアルコール 0.5 0.5 0.5 0.5 3)ベヘニン酸 0.5 0.5 0.5 0.5 4)ステアリン酸 0.5 0.5 0.5 0.5 5)流動パラフィン − 5.0 5.0 5.0 6)KOH 0.15 0.15 0.15 0.15 7)1,3−フ゛チレンク゛リコール 10.0 10.0 10.0 10.0 8)イオン交換水 15.0 15.0 15.0 15.0 9)イオン交換水 残量 残量 残量 残量 ────────────────────────────────────
【0024】(製法) エマルション1:(1)〜(4)を80℃で撹拌混合す
る。これを(6)〜(9)の混合液を70℃で加熱溶解
したものに撹拌しながら混合し、80℃においてホモミ
キサーで処理する。 エマルション2〜4:(1)〜(5)を80℃で撹拌混
合する。これを(6)〜(8)の混合液を70℃で加熱
溶解したものに撹拌しながら混合し、80℃において、
エマルション2はホモミキサーで乳化した後(9)を撹
拌混合、エマルション3は500psiの圧力下で高圧ホ
モジナイザーを用い乳化した後(9)を撹拌混合、エマ
ルション4は7000psiの圧力下で高圧ホモジナイザ
ーを用い乳化した後(9)を撹拌混合し、それぞれ微細エ
マルション粒子径の異なる試料を得た。
【0025】図4にはエマルションの微細化に伴うDS
C昇温曲線の変化が示されている。同図においてエマル
ション1は油分を抜去した系であるが、75℃に単一の
転移ピークが観察された。油分を抜去した系ではエマル
ションの形成が行なわれないことから、前記両親媒性物
質及び界面活性剤は水相中でゲルを形成しこの状態が同
図に示されることとなる。エマルション2、3及び4は
油分を配合した系で、微細エマルション粒子径は、それ
ぞれ1〜10μm,0.24μm,0.07μmであっ
た。乳化粒子の微細化とともにDSC曲線は高温側のピ
ークが減少し、エマルション4では最も低温のピークの
みとなっており、粒子径が小さくなる過程において水相
中のゲルを構成する両親媒性物質及び界面活性剤がエマ
ルションの界面積の増大にともない界面に移行し、水相
中の両成分が減少することを示唆している。
【0026】なお、ここでエマルションの平均粒子径測
定は、粒子径が1μm以上の場合は顕微鏡観察により行
なった。平均粒子径が、1μm以下の場合は動的光散乱
法により測定を行い、具体的にはNICOMP−270
(HYAC/ROYCO社製)を用いた。平均粒子径が
0.07μmのエマルション4のDSC曲線は、63℃
に単一の転移ピークのみとなっていることから、両親媒
性物質及び界面活性剤はそのほとんどがエマルションの
界面に移行している状態を示しており、粒子径が増大し
ていくにつれて高温側のピークの割合が大きくなってい
ることは水相中のゲル構成物質の量即ち両親媒性物質及
び界面活性剤の量が増大していることを示している。こ
こで、水溶液状の外観と商品レベルでの安定性を保証す
る上で、DSC曲線が低温側ピークのみとなることが望
ましいが、高温側ピークの面積が全体の10%程度存在
していても良い。
【0027】以上のように製造されたエマルション1,
2,3及び4にかかる乳化組成物は、下記のような物性
を有していた。
【表2】 ──────────────────────────────────── エマルション 1 2 3 4 ──────────────────────────────────── 微細エマルション粒子径 − 1〜10μm 0.24nm 0.07nm ──────────────────────────────────── 直後粘度 55cps 220cps 25cps 12cps 外観 白濁 白濁 やや白濁 半透明 ──────────────────────────────────── 40℃1か月後 − ○ △ ○ 安定性 (濁度上昇・クリーミング) ────────────────────────────────────
【0028】前記表2より明らかなように、エマルショ
ン2はクリームの使用感触は得られるが、粘度が高く水
溶液状の物性は得られない。さらにエマルション3は、
透明性が増し粘度も低くなり水溶液状の物性に近づく
が、両親媒性物質及び界面活性剤が水相中に残存するこ
とから安定性(経時でブツの発生や濁度上昇、クリーミ
ング等)は悪化する。これに対してエマルション4は、
低粘度で比較的透明性も高く水溶液状の物性を有し、且
つその安定性も良好であった。
【0029】多価アルコールによる透明度向上 本発明者らは、以上のような微細エマルションを用い
て、さらに透明性の向上について検討を行なった。すな
わち、前記エマルション4は比較的透明度の高いもので
はあるが、いまだ半透明の域を出ず、化粧水としての商
品性を高めるためにはさらに透明度を高める必要があ
る。
【0030】そこで、以下のような微細エマルションを
形成し、これを水系に添加するとともに多価アルコール
による透明度の向上について検討した。本検討で用いた
微細エマルション処方は以下の通りである。 (1)ベヘニルアルコール 3.0重量% (2)ベヘニン酸 2.0 (3)流動パラフィン 16.0 (4)ブチルパラベン 0.4 (5)KOH 0.26 (6)エタノール 10.0 (7)イオン交換水 残 部 <製法>(1)〜(4)を70℃で攪拌混合する。これ
を(5)〜(7)の混合液を70℃で加熱溶解したもの
に攪拌しながら添加し、予備乳化を行なう。この乳液を
5000psiの圧力下、75℃で高圧ホモジナイザーを
用いた乳化を行ない、微細エマルションを製造した。こ
の微細エマルションをイオン交換水で希釈し、透明度と
多価アルコール添加の関係について試験を行なった。
【0031】結果を表3に示す。なお、表3において、
微細エマルション量は、前記(1)〜(5)の両親媒性
物質、界面活性剤及び油分量で示し、成分(6),
(7)はイオン交換水量に合算した。成分(5)は微細
エマルション中の界面活性剤の生成に消費されている。
また、経日安定性は、50℃で1ヵ月貯蔵して検査し
た。
【表3】 ────────────────────────────────── 微細エマルション 0.005 0.01 0.1 1.0 5.0 イオン交換水 残 量 ────────────────────────────────── 外観(透明性) ○ △ △ △ × 使用感 べたつきのなさ ○ ○ ○ ○ △ コク △ ○ ○ ○ ○ 経日安定性 ○ ○ ○ ○ ○ ──────────────────────────────────
【0032】上記表3より明らかなように、外観と使用
感は二律排反の関係にあり、外観の優れた微細エマルシ
ョン0.005%の系ではコクがなく、また優れたコク
を出すことのできる微細エマルション0.01%以上の
系では透明性が低下する傾向にある。
【0033】そこで、本発明者らは多価アルコールの添
加による透明性の改善について検討を行なった。その結
果を表4に示す。
【表4】 ────────────────────────────────── 微細エマルション 0.01 0.1 1.0 1.0 5.0 5.0 7.0タ゛イナマイトク゛リセリン 3.0 3.0 5.0 10.0 20.0 25.0 40.0 1,3-フ゛チレンク゛リコール - - - 5.0 10.0 10.0 10.0 イオン交換水 残 量 ────────────────────────────────── 外観(透明性) ○ ○ △ ○ △ ○ ○ 使用感 べたつきのなさ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × コク ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 経日安定性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ──────────────────────────────────
【0034】上記表4より明らかなように、微細エマル
ションが0.01%以上であっても、ダイナマイトグリ
セリン、或いは1,3−ブチレングリコール等の多価ア
ルコールの添加により透明性を改善することができる。
但し40%以上多価アルコールを配合すると、べたつき
を生じるため好ましくない。ここで、例えば同じ微細エ
マルション0.1%或いは5.0%を見ても、多価アル
コールの量に依存して透明度が変ることが理解される。
そこで、微細エマルション量を1.0%に固定し、多価
アルコール量を変化させた。
【0035】結果を表5に示す。
【表5】 ────────────────────────────────── 微細エマルション 1.0タ゛イナマイトク゛リセリン 0.0 2.0 5.0 10.0 20.0 30.0 40.0 1,3-フ゛チレンク゛リコール 5.0 イオン交換水 残 量 ────────────────────────────────── 外観(透明性) △ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 使用感 べたつきのなさ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × コク ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 経日安定性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ──────────────────────────────────
【0036】上記表から明らかなように、微細エマルシ
ョンの配合量と多価アルコールの必要配合量は密接に関
連しており、表4より微細エマルション5.0%以下の
系では、多価アルコールの必要配合量は微細エマルショ
ンの配合量の7倍以上であることが理解される。
【0037】微細エマルション粒子径 次に、本発明者等は本発明にかかる油相の微細エマルシ
ョン粒子径と安定性、外観の相関についての検討を行っ
た。即ち、本発明に係る乳化組成物の内相にあたる油相
の微細エマルション粒子径が大きい場合には、濁度の上
昇、粘度の上昇により水溶液状の物性が損なわれるとと
もに、安定性(クリーミング等)を悪化させる恐れがあ
る。
【0038】そこで、本発明者らは、次の処方に基づき
エマルションを製造した。この際、マントンゴーリンを
用い乳化を行ったが、その剪断力を調整し、各微細エマ
ルション粒子径を調整した。 (1)ベヘニルアルコール 1.0% (2)ステアリルアルコール 0.5% (3)ベヘニン酸 0.5% (4)ステアリン酸 0.5% (5)流動パラフィン 5.0% (6)水酸化カリウム 0.15% (7)1,3−ブチレングリコール 10.0% (8)イオン交換水 10.0% (9)イオン交換水 残 量 (製法)(1)〜(5)を80℃で攪拌混合する。これ
を、(6)〜(8)の混合液を80℃で加熱溶解したも
のに攪拌しながら混合し、80℃においてホモミキサー
及び種々の圧力下において高圧ホモジナイザーを用い乳
化したのち、(9)を攪拌混合し、それぞれの微細エマ
ルション粒子径の異なる試料を得た。なお、前記処方に
おいて、ベヘン酸及びステアリン酸と水酸化カリウムで
脂肪酸石鹸を作り、これが界面活性剤として機能する。
また、未中和のベヘン酸、ステアリン酸と、ベヘニルア
ルコール及びステアリルアルコールが両親媒性物質とし
て機能する。
【0039】次の表6に結果を示す。
【表6】 ──────────────────────────── 微細エマルション粒子径 粘 度 安定性 ──────────────────────────── 0.05μ 13.5cps ○ 0.06μ 13.5cps ○ 0.09μ 14.5cps ○ 0.11μ 13.0cps ○ 0.14μ 15.2cps ○ ──────────────────────────── 0.17μ 17.1cps △ 0.20μ 18.5cps △ 1〜5μ 37.0cps × ──────────────────────────── 安定性:1ヶ月後の安定性を視覚的に評価した。
【0040】前記表6より明らかなように、微細エマル
ション粒子径が0.1μm程度までは安定性が極めて良
好である。そして、粒子径が0.15μmを越えると安
定性が悪化(クリーミング)し、また外観も白濁の傾向
を強くする。従って、本発明にかかる乳化組成物におい
て好適な微細エマルション粒子径は、0.15μm以
下、特に0.10μm以下であることが理解される。
【0041】両親媒性物質と界面活性剤の合計量と油の
量の比 次に、本発明者らは両親媒性物質と界面活性剤の合計量
と油の量の比について検討を行った。即ち、前述したよ
うに本発明に係る化粧水においては、両親媒性物質及び
界面活性剤の実質的全量が油滴界面に移行させることが
好適がある。乳化粒子の微細化には限界が有り、油の配
合量が少ないと相対的に界面積量は小さくなる。このた
め、両親媒性物質と界面活性剤を十分に界面に移行させ
ることが困難となり、結果としてゲル構成成分が残存
し、乳化組成物の安定性を著しく悪化させる恐れがあ
る。
【0042】そこで、次の処方に基づきエマルションを
製造し、それぞれの粒子径及び経時安定性について検討
を行った。
【表7】 ──────────────────────────────────── 1)ベヘニルアルコール 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 2)ステアリルアルコール 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 3)塩化ベヘニル トリメチルアンモニウム 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 4)流動パラフィン 1.0 1.25 2.5 5 10 20 5)1,3−フ゛チレンク゛リコール 15.0 15.0 15.0 15.0 15.0 15.0 6)イオン交換水 15.0 15.0 15.0 15.0 15.0 15.0 7)イオン交換水 残量 残量 残量 残量 残量 残量 ──────────────────────────────────── 微細エマルション粒子径 0.020 0.023 0.025 0.035 0.070 0.140 経時安定性 × ○ ○ ○ ○ ○ ────────────────────────────────────
【0043】(製法)(1),(2),(4)を80℃
で撹拌混合する。これを、(3),(5),(6)の混
合液を80℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合
し、80℃において、5000psiの圧力下において、
高圧ホモジナイザーを用い乳化した後(7)を撹拌混合
して試料を得た。前記表7より明らかなように、界面活
性剤−両親媒性物質の合計量(2.5%)に対し、油相
である流動パラフィンを2.0〜10.0%に変化させ
ると、該流動パラフィンの量が少ないほど微細エマルシ
ョン粒子径は小さくなるにもかかわらず、経時安定性は
むしろ低下することが理解され、界面活性剤−両親媒性
物質の合計量と油相の比は1/0.5以上、好ましくは
1/1以上であることが示唆される。
【0044】両親媒性物質ないし界面活性剤の組成 次に、本発明者等は界面活性剤及び両親媒性物質の組成
について検討を行った。すなわち、本発明において用い
られる界面活性剤及び両親媒性物質は、界面活性剤−両
親媒性物質−水系で、少なくとも水相の凝固点から常温
の温度範囲でゲルを形成することが必要であり、好まし
くはゲルの転移温度は60℃以上である。ここで、一般
に界面活性剤−両親媒性物質−水系で形成されるゲルの
転移温度はゲルを形成しなくなる(流動を始める)温度
の10ないし20℃高い温度であり、60℃以上の転移
温度を示す場合、常温ではゲルを形成し得るものと考え
られる。
【0045】そこで、次のような基本組成に対し界面活
性剤及び両親媒性物質の組み合わせによる特性の変化に
ついて検討を行った。 乳化組成物 (1)流動パラフィン 5.0 (2)界面活性剤 1.0 (3)両親媒性物質 1.5 (4)1.3−BG 10.0 (5)イオン交換水 20.0 (6)イオン交換水 残 量 ゲル (1)界面活性剤 1.0 (2)両親媒性物質 1.5 (3)イオン交換水 残 量 (製法) 乳化組成物:(1),(3)を70〜80℃で撹拌混合
する。これを(2),(4),(5)の混合液を80℃
で加熱溶解したものに撹拌しながら添加し、乳化する。
この乳液を7000psiの圧力下、70〜80℃におい
て高圧ホモジナイザーを用いて乳化した後(6)を撹拌
混合して試料とした。 ゲル:(2)を80℃で撹拌混合する。これを(1),
(3)の混合液を80℃で加熱溶解したものに撹拌しな
がら添加し、ホモミキサーで処理し試料とした。
【0046】結果を表8〜表10に示す。各表におい
て、2種類の界面活性剤あるいは両親媒性物質の記述が
ある場合は、それぞれ重量比で1:1の組成で配合して
いる。
【表8】 ──────────────────────────────────── 界面活性剤 セチル硫酸ナトリウム ラウリル硫酸ナトリウム 塩化ヘ゛ヘニル 塩化ステアリル トリメチルアンモニウム トリメチルアンモニウム 両親媒性物質 ヘ゛ヘニルアルコール ヘ゛ヘニルアルコール ヘ゛ヘニルアルコール ヘ゛ヘニルアルコール ステアリルアルコール ──────────────────────────────────── ゲルの転移温度 75℃ 68℃ 79℃ 77℃ 乳化組成物(40℃・1M) ○ ○ ○ ○ の安定性 (5℃・1M) ○ ○ ○ ○ ────────────────────────────────────
【表9】 ──────────────────────────────────── 界面活性剤 POE(15) ヘ゛ヘニン酸カリウム ステアリン酸カリウム ステアリン酸カリウム オレイルエーテル ステアリン酸カリウム 両親媒性物質 セチルアルコール ヘ゛ヘニルアルコール ヘ゛ヘニルアルコール セチルアルコール ステアリルアルコール ステアリルアルコール ステアリルアルコール ステアリルアルコール ──────────────────────────────────── ゲルの転移温度 57℃ 78℃ 73℃ 67℃ 乳化組成物(40℃・1M) × ○ ○ △ の安定性 (5℃・1M) △ ○ ○ ○ ────────────────────────────────────
【0047】
【表10】 ──────────────────────────────────── 界面活性剤 ステアリン酸カリウム ステアリン酸カリウム ステアリン酸カリウム ハ゜ルミチン酸カリウム 両親媒性物質 セチルアルコール ステアリルアルコール セチルアルコール ステアリルアルコール ──────────────────────────────────── ゲルの転移温度 64℃ 69℃ 64℃ 乳化組成物(40℃・1M) △ △ × の安定性 (5℃・1M) ○ ○ △ ──────────────────────────────────── 安定性の評価: ○ 良好 △ 濁度の上昇又は凝集物の生成 × 固化
【0048】上記表8〜表10より明らかなように、界
面活性剤及び両親媒性物質の組合せは、ゲルの転移温度
の高い組み合せが安定性は良好で、しかも炭素鎖長の異
なる組合せを用いた場合に、極めて良好な安定性を得る
ことが出来る。以下に、本発明にかかる組成物の具体例
を示す。実施例1 透明化粧水 (1)ベヘニルアルコール 0.6 (2)ベヘニン酸 0.4 (3)流動パラフィン 2.0 (4)ビタミンEアセテート 適 量 (5)ブチルパラベン 0.1 (6)KOH 0.04 (7)エタノール 5.0 (8)香料 0.03 (9)イオン交換水 15.0 (10)1,3−ブチレングリコール 10.0 (11)エデト酸三ナトリウム 0.01 (12)イオン交換水 残 量 (1)〜(5)を70℃で攪拌混合する。これを(6)
〜(9)の混合液を70℃で加熱溶解したものに攪拌し
ながら添加し、乳化する。この乳液を4000psiの圧
力下、75℃において高圧ホモジナイザ−を用いた乳化
した後(10)〜(12)を攪拌混合し透明化粧水を得
た。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる透
明化粧水によれば、両親媒性物質(高級脂肪酸及び/又
は高級アルコール)及び界面活性剤(カチオン界面活性
剤又はアニオン界面活性剤)と油相により形成された微
細エマルションと、水相の多価アルコールにより、透明
性、使用性を両立させた透明化粧料を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な水中油型乳化組成物の乳化状態の概念
図である。
【図2】一般的な水中油型乳化組成物の乳化安定性の悪
化要因の説明図である。
【図3】本発明にかかる透明化粧水の乳化状態の説明図
である。
【図4】本発明にかかる透明化粧水のDSC昇温曲線の
説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 建三 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社 資生堂 第一リサーチセンタ ー内 (56)参考文献 特開 平2−78432(JP,A) 特開 昭64−85906(JP,A) 特開 昭63−154606(JP,A) 特開 平1−176446(JP,A) 特開 昭62−234540(JP,A) 特開 昭59−203633(JP,A) 特開 平4−149112(JP,A) 特開 平4−48925(JP,A) 特開 平6−40849(JP,A) 特開 平5−279651(JP,A) 特開 昭63−126542(JP,A) 特開 昭63−270533(JP,A) 特開 平5−194274(JP,A) 特開 平6−271421(JP,A) 特開 平7−267814(JP,A) 特開 平7−26244(JP,A) 特開 平4−193814(JP,A) 特開 平4−11939(JP,A) 特開 昭61−271029(JP,A) 特開 昭63−154605(JP,A) 特開 昭61−54231(JP,A) 特開 昭63−305930(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両親媒性物質−界面活性剤−水系におい
    て常温以上でゲルを形成し、ゲルの転移温度が67℃以
    上であるものの中から選択された両親媒性物質及び界面
    活性剤と、 油と、 水と、 を含み、前記両親媒性物質は炭素鎖長が16以上である高級アル
    コール及び/又は高級脂肪酸よりなり、 前記界面活性剤はカチオン界面活性剤又はアニオン界面
    活性剤よりなり、 前記両親媒性物質及び前記界面活性剤の合計量に対し油
    相が1/2量以上配合され、 前記両親媒性物質、界面活性剤、油で形成される微細エ
    マルション0.01〜5重量%が水中に分散されてな
    り、 前記水中には多価アルコールが1〜40重量%含有され
    ていることを特徴とする透明化粧水。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化粧水において、多価ア
    ルコール量は微細エマルション量の7倍以上であること
    を特徴とする透明化粧水。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の化粧水において、
    前記両親媒性物質及び界面活性剤は、その実質的全量が
    エマルション界面に存在していることを特徴とする透明
    化粧水。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の化粧水
    において、両親媒性物質及び界面活性剤の境界面存在量
    は、DSCによるピーク面積比で90%以上であること
    を特徴とする透明化粧水。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の化粧水
    において、微細エマルション粒子径が0.15μm以下
    であることを特徴とする透明化粧水。
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