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JP3528875B2 - 共重合ポリアミドの製造法 - Google Patents

共重合ポリアミドの製造法

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JP3528875B2
JP3528875B2 JP06406095A JP6406095A JP3528875B2 JP 3528875 B2 JP3528875 B2 JP 3528875B2 JP 06406095 A JP06406095 A JP 06406095A JP 6406095 A JP6406095 A JP 6406095A JP 3528875 B2 JP3528875 B2 JP 3528875B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一定の温度条件下にジ
アミンとジカルボン酸とを直接重縮合させる共重合ポリ
アミドの製造法に関する。さらに詳しくは、共重合の反
応原料として、メタキシリレンジアミンおよびパラキシ
リレンジアミンとアジピン酸を主に使用して、結晶性で
優れた耐熱性を有し、かつ着色のない均質な共重合ポリ
アミドの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】特公平1−14925公報には、ジカル
ボン酸とジアミンとを直接混合し、常圧下で重縮合反応
を行うに当たり、反応開始温度をジカルボン酸の融点以
上とし、原料混合物を含む反応系を実質的に均一溶融状
態に保ち得るように昇温しつつ反応を進行させ、反応率
が95%に達する以前に反応系の温度を生成する共重合
ポリアミドの融点より30℃低い温度以上に昇温し、系
内が流動性を失うことなく、均一系で反応を進め得るよ
うに反応温度を制御して共重合ポリアミドを製造法する
方法が開示されている。上記製造法は、生成するオリゴ
アミド/ポリアミドを含む反応系を均一溶融状態に保ち
つつ、ジアミンを反応系に連続的に添加するところに特
徴があり、常圧で反応を行うため重縮合反応装置は、耐
圧容器であることを要しない。
【0003】また、この製造法は、従来法のポリアミド
製造法と比較して、反応系の加圧および降圧などの操作
に要する時間、および水溶液法の場合に、溶媒として使
用する水の留去に要する時間を全く必要としないため、
重縮合に必要な時間を著しく短縮することができ、さら
には、水溶液濃縮に必要であった熱量を全く必要としな
いうえ、一回の反応に仕込み得る量を多くとることがで
きて生産性が高められ、共重合ポリアミドの製造法とし
て極めて有利な方法である。
【0004】しかしながら、この製造法により、パラキ
シリレンジアミン含有率が30モル%を超えるメタ/パ
ラ混合キシリレンジアミンをジアミンとして高融点の共
重合ポリアミドを製造する場合、比較的揮発性の低いパ
ラキシリレンジアミンが反応系に優先的に取り込まれ、
パラキシリレン基含有率の高い、より高融点の共重合ポ
リアミドを生成するため、これが反応系に局部的に固化
・析出し、均一な溶融状態を保持し得なくなり、安定し
た性能の製品を得ることができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】既存の常圧直接重縮合
法ではパラキシリレンジアミンとメタキシリレンジアミ
ンとの混合ジアミンとアジピン酸を主成分とするジカル
ボン酸から得られる高融点の共重合ポリアミドを合成し
ようとすると、生成共重合ポリアミドを含む反応系を均
一溶融状態に保ち得ることが困難であった。本発明者ら
は、鋭意検討した結果、ジカルボン酸とジアミンとを常
圧下に直接重縮合させて共重合ポリアミドを製造する際
に、特定の温度条件に保ちつつ、共重合反応の後半にジ
アミン中のパラキシリレンジアミン濃度を低下させるこ
とにより、上記課題を解決できることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、メタキシリレンジア
ミン35〜65モル%、パラキシリレンジアミン65〜
35モル%含有するジアミンとアジピン酸を40モル%
以上含有するジカルボン酸とを重縮合反応させる共重合
ポリアミドの製造法であって、 前記ジカルボン酸をアジピン酸の融点以上でかつ生成
する共重合ポリアミドの融点より30℃低い温度よりも
低い温度に加熱し、 加熱したジカルボン酸中にパラキシリレンジアミンの
含有率が35〜70モル%であるジアミンの滴下を開始
して、滴下を継続した後、 ジカルボン酸の反応率が90%に達する以前に、パラ
キシリレンジアミンの含有率が35〜70モル%である
ジアミンに代えて、パラキシリレンジアミンの含有率が
0〜30モル%であるジアミンの滴下を行い、 ジカルボン酸に対するジアミン成分のモル比が、0.
97〜1.03となるまでジアミンの滴下を行いなが
ら、ジカルボン酸の反応率が95%に達する以前に、反
応系の温度を最終的に生成する共重合ポリアミドの融点
より30℃低い温度よりも高い温度に加熱し、 ジアミンの滴下終了時に、反応系の温度を最終的に生
成する共重合ポリアミドの融点よりも高くする ことを特徴とする共重合ポリアミドの製造法に関する発
明である。
【0007】本発明において、下記のジアミンおよびジ
カルボン酸を使用する。 (1)ジアミン ジアミンは、35〜65モル%のメタキシリレンジアミ
ンと65〜35モル%のパラキシリレンジアミンを含有
するジアミンを使用する。ここで、ジアミンのメタキシ
リレンジアミンとパラキシリレンジアミンの濃度は、そ
れぞれ上記濃度範囲であればよい。ジアミン中のパラキ
シリレンジアミンの含有率が35モル%未満では、従来
の共重合ポリアミド製造法で製造できる。又、ジカルボ
ン酸成分が二種以上のモノマーからなる場合に、得られ
る共重合ポリアミドの結晶性が低下してしまうことが多
い。
【0008】ジアミン中のパラキシリレンジアミンの含
有率が65モル%を超えると、得られる共重合ポリアミ
ドの融点が300℃を超えてしまう場合があり、その共
重合ポリアミドを用いたときの成形性が著しく低下して
しまう。尚、本発明において、上記該混合キシリレンジ
アミン中にさらに他のジアミンとしては、テトラメチレ
ンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジア
ミン等の脂肪族ジアミン、パラフェニレンジアミン等の
芳香族ジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキ
サン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂
環族ジアミン類等を全ジアミン成分中に20モル%以下
の範囲で使用することができる。
【0009】(2)ジカルボン酸 ジカルボン酸は、アジピン酸を40モル%以上、好まし
くは60モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上
含有するジカルボン酸を使用する。アジピン酸以外の他
のジカルボン酸としては、例えばコハク酸、グルタル
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類を挙げること
ができる。ジカルボン酸成分中のアジピン酸含有率が4
0モル%未満であると、特に高融点の芳香族ジカルボン
酸成分との混合物であるとき、ジアミン滴下開始以前に
ジカルボン酸の流動性を確保することが困難になるた
め、望ましくない。
【0010】本発明の製造法によれば、溶媒を使用する
ことなく、また反応圧力にも特に制約を受けず、ジカル
ボン酸とジアミンとから、直接共重合ポリアミドを製造
することが可能である。しかし、装置の製作上および操
作上、常圧下または減圧下で行うことが望ましい。
【0011】尚、本発明の製造法を実施するに際し、次
の装置を使用し、および操作条件で行うのが望ましい。 (A)反応缶は撹拌機および分縮器を備えたものを使用
する。 (B)着色のない均質な共重合ポリアミドを製造するた
めには、反応缶へジカルボン酸成分を仕込むに先立っ
て、反応缶内を予め不活性ガスで十分に置換する。本発
明の共重合ポリアミドの製造に際し、反応缶にジカルボ
ン酸成分を仕込んだ後、下記の条件下に共重合ポリアミ
ドの製造を行う。
【0012】ジカルボン酸をアジピン酸の融点以上で
かつ生成する共重合ポリアミドの融点より30℃低い温
度よりも低い温度に加熱し、 加熱したジカルボン酸中にパラキシリレンジアミンの
含有率が35〜70モル%であるジアミンの滴下を開始
して、滴下を継続した後、 ジカルボン酸の反応率が90%に達する以前に、パラ
キシリレンジアミンの含有率が35〜70モル%である
ジアミンに代えて、パラキシリレンジアミンの含有率が
0〜30モル%であるジアミンの滴下を行い、 ジカルボン酸に対するジアミンのモル比が、0.97
〜1.03となるまでジアミンの滴下を行いながら、ジ
カルボン酸の反応率が95%に達する以前に、反応系の
温度を最終的に生成する共重合ポリアミドの融点よりも
30℃低い温度よりも高い温度に加熱し、 ジアミンの滴下終了時に、反応系の温度を最終的に生
成する共重合ポリアミドの融点以上の温度に制御する。
【0013】工程1 ジカルボン酸をアジピン酸の融点以上でかつ生成する共
重合ポリアミドの融点より30℃低い温度よりも低い温
度に加熱する。すなわち、反応温度をアジピン酸の融点
以上で、かつ反応系が終始流動状態を保持するため、ア
ジピン酸の融点以上で、かつ生成する共重合ポリアミド
の融点よりさらに30℃低い温度以下にする。この場
合、反応系の流動状態を保持し得るため、必ずしもジカ
ルボン酸を全て溶融状態とする必要はなく、スラリー状
態のものが含まれていても良い。
【0014】工程2 加熱したジカルボン酸中にパラキシリレンジアミンの含
有率が35〜70モル%であるジアミンの滴下を開始し
て、滴下を継続する。すなわち、上記ジアミンの滴下に
より、ジカルボン酸とジアミンとが混合され、アジピン
酸の融点以上の温度に保たれて重縮合反応を開始する
が、実質的な速度でアミド化反応が生起するためには、
160℃以上の温度に昇温されることが望ましく、かつ
中間体として生成するオリゴアミドおよび/またはポリ
アミドが溶融状態となって反応系全体が均一な流動状態
を保持し得る温度に設定されていることが望ましい。好
ましい重合操作は、反応缶中で溶融状態にあるジカルボ
ン酸を撹拌し、これにジアミンを常圧下に添加し、反応
混合物を生成するオリゴアミド、ポリアミドの融点以上
の温度に保持することによって行われる。
【0015】ジアミンの滴下は、上記の通り、連続的に
又は段階的に行われるが、ジアミンの添加速度は、アミ
ド化反応の生成熱、縮合生成水の留去に消費される熱
量、縮合生成水と原料化合物とを分離する分縮器および
冷却器の構造等を勘案し、所定の反応温度、すなわち、
原料化合物を含有する反応系を均一な溶融状態に保持し
得る温度を考慮して選定される。通常、ジアミンの滴下
に要する時間は、反応缶の規模によって変化するが、
0.5〜10時間の範囲内である。この間、反応の進行
と共に生成する縮合水は、塔頂部の蒸気の温度が100
〜120℃に制御されている分縮器と冷却器を通して、
反応系外に留去される。飛散するメタキシリレンジアミ
ン、アジピン酸等の原料は、分縮器で回収され、反応缶
に再度戻される。
【0016】工程3 ジカルボン酸の反応率が90%に達する以前に、パラキ
シリレンジアミンの含有率が35〜70モル%であるジ
アミンに代えて、パラキシリレンジアミンの含有率が0
〜30モル%であるジアミンの滴下を行う。すなわち、
本発明においては、反応率が90%に達する以前におい
てはパラキシリレンジアミンの含有率を35〜70モル
%としたジアミンを滴下し、反応率が90%に達する以
前に、パラキシリレンジアミンの含有率を0〜30モル
%としたジアミンの滴下を開始する。
【0017】反応率が90%に達した後に、パラキシリ
レンジアミンの含有率が30モル%を超えたジアミンを
滴下すると、比較的揮発性の低いパラキシリレンジアミ
ンが反応系に優先的に取り込まれ、パラキシリレンジア
ミン含有率の高い高融点の共重合ポリアミドが生成し
て、反応系に局部的に固化・析出し、均一な溶融状態を
保持し得なくなり、安定した性能の製品を得ることがで
きなくなる。
【0018】工程4 ジカルボン酸に対するジアミンのモル比が、0.97〜
1.03となるまでジアミンの滴下を行いながら、ジカ
ルボン酸の反応率が95モル%に達する以前に、反応系
の温度を最終的に生成する共重合ポリアミドの融点より
も30℃低い温度よりも高い温度に加熱し、
【0019】すなわち、重縮合反応において生成するオ
リゴアミドまたはポリアミドは反応の進行に伴い分子量
が高くなると、反応生成物の融点が高くなり、反応混合
物の粘度が上昇して内容物の昇温が妨げられ、結果とし
て反応混合物は固化し易くなる。したがって、反応温度
は、反応の進行に合わせて昇温するように制御し、反応
系、すなわち反応生成物を常に均一な流動状態にしなけ
ればならない。本発明の方法においては、この温度制御
は反応原料の反応率が95モル%に達する以前に反応系
の温度を最終的に生成する共重合ポリアミドの融点より
30℃低い温度よりも高い温度に加熱して実施される。
ここで、反応率は最初に存在した官能基の内、反応を起
こしたものの割合で表される。反応率は重縮合反応によ
り生成する水の量で確認することができる。また、反応
率が95モル%以下では添加されたジアミンは反応系で
短時間の内に反応するので、実際的には反応率はジアミ
ンの滴下割合からも推定できる。
【0020】本発明の製造法を実施した場合、従来公知
の水溶液加圧法の場合と同様に、ジアミンの反応系外へ
の留出は避け難い。したがって、重縮合反応装置には分
縮器を備えることが必要である。分縮器を備えることに
より、反応中にメタキシリレンジアミンを含むジアミン
が留出することを効果的に防ぎ得、その結果、アジピン
酸を含むジカルボン酸に対するジアミンの仕込みモル比
を、到達分子量を考慮した上で、0.97〜1.03の
範囲に設定することにより、再現性よく、一定の分子量
を有する共重合ポリアミドを製造することができる。
【0021】制御されるべき反応系の温度の上限は、特
に限定される必要はないが、生成物に与える熱履歴を考
慮すると、最終的に生成する共重合ポリアミドの融点よ
り50℃高い温度を超えない温度が望ましい。反応率が
95モル%を超えてから反応系の温度を上記所定の温度
に設定すると、昇温前に、反応生成物である共重合ポリ
アミドは一部結晶化を見せ始め、反応生成物を均一な流
動状態にすることを極めて困難にする。反応生成物に生
ずる固化現象は、反応系の増粘、熱伝導の低下を招き、
時として反応生成物全体を固化させる危険すらあり、こ
のような条件下では、工業的規模で共重合ポリアミドを
製造することは実質的に不可能である。
【0022】工程5 ジアミン成分の滴下終了時に、反応系の温度を最終的に
生成する共重合ポリアミドの融点よりも高い温度に制御
する。すなわち、反応率が95モル%を超え、上記本発
明で規定する温度以上に昇温した反応系を、反応が完結
するまでの間共重合ポリアミドを含む反応生成物が実質
的に均一な流動状態を保ち得るように、逐次昇温してい
く。前述のごとく、反応は、原料ジカルボン酸の融点以
上であって、実質的な速度でアミド化が生起する160
℃以上の温度で開始するが、反応開始時から最終的に生
成する共重合ポリアミドの融点より30℃低い温度より
も高い温度以上に反応系を昇温しておくことも可能であ
る。
【0023】しかし、熱経済的見地からもあるいは反応
生成物の熱履歴の点からも、反応初期から反応系を高温
に保持することは必ずしも得策ではない。したがって、
通常、反応率が40モル%を超えてから、本発明の最終
的に生成する共重合ポリアミドの融点より30℃低い温
度よりも高い温度に反応系を保持するのが好ましい。
【0024】本発明の方法で用いられる重縮合反応装置
は、耐圧容器であることを要しないため、極めて安価に
設置できる。加えて、本発明の方法では、加圧および降
圧等の操作に要する時間、および公知の水溶液法の場合
に必要な溶媒である水の留去に要する時間を全く必要と
しないため、重合に必要な時間を著しく短縮することが
でき、さらには、従来法では水溶液濃縮に必要であった
熱量を全く必要としないうえ、一回の反応に仕込み得る
量を多くとることができて生産性が高められ、共重合ポ
リアミドの製造法として極めて経済的な方法が提供され
る。
【0025】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。 実施例1 撹拌機、分縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素ガス導
入管を備えた内容積50リットルのフラスコに、精秤し
たアジピン酸10.000kgを入れ、十分窒素置換
し、さらに少量の窒素気流下に170℃でアジピン酸を
溶解させ均一な流動状態とした。これに、メタキシリレ
ンジアミンとパラキシリレンジアミンとの混合キシリレ
ンジアミン(モル比5/5)7.411kgを撹拌下に
91分を要して滴下した。この間、内温を連続的に25
5℃まで昇温させた。引き続き、メタキシリレンジアミ
ン1.853kgを撹拌下76分で連続的に滴下した。
この間、反応温度を255℃から270℃に連続的に昇
温させた。
【0026】混合キシリレンジアミンまたはメタキシリ
レンジアミンの滴下とともに留出する水は分縮器および
冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミン
滴下終了後、内温を連続的に277℃まで昇温し、32
分間反応を継続した。その後、反応系内圧を600mm
Hgまで10分間で連続的に減圧し、その後、10分間
反応を継続した。この間、反応温度を277℃から28
2℃まで連続的に昇温させた。反応の全過程で、生成す
るオリゴマーまたはポリアミドが固化、析出して、反応
系が均一な流動状態を失う現象は全く認められなかっ
た。 得られた共重合ポリアミドの相対粘度(96%硫
酸溶液1g/100mL)は2.09、融点は269℃
であった。
【0027】実施例2 撹拌機、分縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素ガス導
入管を備えた内容積50リットルのフラスコに、精秤し
たアジピン酸7.000kgおよびテレフタル酸3.4
10kgを入れ、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気
流下に170℃でアジピン酸を溶解させ均一な流動状態
とした。これに、メタキシリレンジアミンとパラキシリ
レンジアミンとの混合キシリレンジアミン(モル比5/
5)7.343kgを撹拌下に93分を要して滴下し
た。この間、内温を連続的に245℃まで昇温させた。
引き続き、メタキシリレンジアミン1.836kgを撹
拌下74分で連続的に滴下した。この間、反応温度を2
45℃から260℃に連続的に昇温させた。
【0028】混合キシリレンジアミンまたはメタキシリ
レンジアミンの滴下とともに留出する水は分縮器および
冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミン
滴下終了後、内温を連続的に265℃まで昇温し、32
分間反応を継続した。その後、反応系内圧を600mm
Hgまで10分間で連続的に減圧し、その後、14分間
反応を継続した。この間、反応温度を265℃から27
1℃まで連続的に昇温させた。反応の全過程で、生成す
るオリゴマーまたはポリアミドが固化、析出して、反応
系が均一な流動状態を失う現象は全く認められなかっ
た。得られた共重合ポリアミドの相対粘度(96%硫酸
溶液1g/100mL)は1.98、融点は257℃で
あった。
【0029】比較例1 撹拌機、分縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素ガス導
入管を備えた内容積50リットルのフラスコに、精秤し
たアジピン酸10.000kgを入れ、十分窒素置換
し、さらに少量の窒素気流下に170℃でアジピン酸を
溶解させ均一な流動状態とした。これに、メタキシリレ
ンジアミンとパラキシリレンジアミンとの混合キシリレ
ンジアミン(モル比6/4)7.967kgを撹拌下に
110分を要して滴下した。この間、内温を連続的に2
62℃まで昇温させた。引き続き、混合キシリレンジア
ミン1.297kgを撹拌下68分で連続的に滴下し
た。この間、反応温度を262℃から270℃に連続的
に昇温させた。
【0030】混合キシリレンジアミンの滴下とともに留
出する水は分縮器および冷却器を通して系外に除いた。
混合キシリレンジアミン滴下終了後、内温を連続的に2
75℃まで昇温し、32分間反応を継続した。その後、
反応系内圧を540mmHgまで10分間で連続的に減
圧し、その後、10分間反応を継続した。この間、反応
温度を275℃から282℃まで連続的に昇温させた。
反応の滴下過程後期で、生成するオリゴマーまたはポリ
アミドが一部固化、析出して、反応系が均一な流動状態
を失う現象を認めた。得られた共重合ポリアミドは、不
均一な製品となってしまい、その主成分の相対粘度(9
6%硫酸溶液1g/100mL)は2.39、融点は2
69℃であった。
【0031】
【発明の効果】メタキシリレンジアミンおよびパラキシ
リレンジアミンとアジピン酸を主に使用して共重合ポリ
アミドを製造する際、本発明の製造法を採用することに
より、結晶性で優れた耐熱性を有し、かつ着色のない均
質な共重合ポリアミドを得ることができる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタキシリレンジアミン35〜65モル
    %、パラキシリレンジアミン65〜35モル%含有する
    ジアミンとアジピン酸を40モル%以上含有するジカル
    ボン酸とを重縮合反応させる共重合ポリアミドの製造法
    であって、 前記ジカルボン酸をアジピン酸の融点以上でかつ生成
    する共重合ポリアミドの融点より30℃低い温度よりも
    低い温度に加熱し、 加熱したジカルボン酸中にパラキシリレンジアミンの
    含有率が35〜70モル%であるジアミンの滴下を開始
    して、滴下を継続した後、 ジカルボン酸の反応率が90%に達する以前に、パラ
    キシリレンジアミンの含有率が35〜70モル%である
    ジアミンに代えて、パラキシリレンジアミンの含有率が
    0〜30モル%であるジアミンの滴下を行い、 ジカルボン酸に対するジアミンのモル比が、0.97
    〜1.03となるまでジアミンの滴下を行いながら、ジ
    カルボン酸の反応率が95%に達する以前に、反応系の
    温度を最終的に生成する共重合ポリアミドの融点より3
    0℃低い温度よりも高い温度に加熱し、 ジアミンの滴下終了時に、反応系の温度を最終的に生
    成する共重合ポリアミドの融点よりも高くする ことを特徴とする共重合ポリアミドの製造法。
  2. 【請求項2】 ジカルボン酸がアジピン酸を60モル%
    以上含有するジカルボン酸である請求項1に記載の共重
    合ポリアミドの製造法。
  3. 【請求項3】 ジカルボン酸がアジピン酸を80モル%
    以上含有するジカルボン酸である請求項1に記載の共重
    合ポリアミドの製造法。
  4. 【請求項4】 アジピン酸以外のジカルボン酸がテレフ
    タル酸を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の共重合ポリアミドの製造法。
  5. 【請求項5】 ジアミンとジカルボン酸とを常圧下また
    は加圧下に反応させることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の共重合ポリアミドの製造法。
JP06406095A 1994-04-07 1995-03-23 共重合ポリアミドの製造法 Expired - Fee Related JP3528875B2 (ja)

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