JP3506824B2 - グラフト共重合体およびそれを含有した熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
グラフト共重合体およびそれを含有した熱可塑性樹脂組成物Info
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Description
色性に優れた耐衝撃性樹脂に関する。
合、成形加工後の外観、機械強度、さらに無塗装で使用
する場合には太陽光や降雨によって変色、物性低下の少
ない、いわゆる耐候性が良好であると同時に、顔料等の
着色剤を混合した際の発色性、顔料着色性が良好でなけ
ればならない。
いては、成形外観、衝撃強度および顔料着色性が高いレ
ベルである必要がある。このうち、衝撃強度は一般にA
STM D256試験法に準拠したアイゾット衝撃強度
で評価されるが、例えば自動車外装用材料に使用可能か
どうかの見極めは室温での衝撃強度に加え、−30℃あ
るいは−40℃といった低温雰囲気下での衝撃強度をも
って判断される。自動車外装部品用樹脂材料として必要
な低温雰囲気下でのアイゾット衝撃強度は、それぞれの
用途によって異なるが、一般的には−30℃さらには−
40℃の温度雰囲気下で10kgcm/cm以上の衝撃
強度を有する樹脂材料は、材料の耐久性に関する信頼度
が高いために、工業的価値が高い。
れる顔料着色性は、用途や所望する色相によって異なる
ものの、一般には最も代表的な色調である黒色の発色性
をもって評価される。この場合、評価法としてはカーボ
ンブラック等の着色剤を一定量添加した樹脂成形品の明
度(L*)を色相色差分析より求めることによって行わ
れ、L* 値が小さい樹脂材料ほど顔料着色性が優れて
いると判断される。例えば自動車ドアハンドル、ホイー
ルカバー等の自動車外装材料等の高度な意匠性が必要な
用途では、例えばカーボンブラックを0.8重量部添加
したときの樹脂成形品のL*値が13あるいはそれ以下
を示す優れた漆黒性、透明性を有した材料が用いられ
る。
料着色性が要求される用途に対応する方法としては、例
えば耐衝撃性の高い樹脂材料表面に耐候性および顔料着
色性に優れた樹脂材料を積層する方法、塗装する方法あ
るいは被覆する方法等が用いられているが、これらは煩
雑な工程を要するため高いコストとなり、工業的に好ま
しい方法とはいえない。
来方法として、ガラス転移温度(Tg)や弾性率の低い
ゴム成分を樹脂マトリックス中に分散させた樹脂材料が
知られている。
樹脂材料の耐衝撃性を向上させるために、ゴム成分とし
てTgや弾性率のより低いポリオルガノシロキサンを利
用することが特開昭60−252613号公報および特
開昭61−138654号公報に提案されている。
ガノシロキサンに由来する艶消し状の成形外観不良が発
生し、また添加するゴムグラフト共重合体の粒子径を小
さくして成形外観を改良すると耐衝撃性が低下してしま
い高い耐衝撃性と良好な成形外観を両立することができ
ないため工業的価値が低い。
樹脂成形物の表面外観を改良するためにポリオルガノシ
ロキサンゴムとポリ(メタ)アクリレートゴムからなる
複合ゴムにビニル単量体をグラフト重合させたグラフト
共重合体を熱可塑性樹脂にブレンドした樹脂組成物が提
案されている。
衝撃性樹脂の顔料着色性を改良する方法として、ポリオ
ルガノシロキサンと(メタ)アクリレートからなる複合
ゴムにビニル単量体をグラフト重合させた数平均粒子径
0.01〜0.07μmで0.10μmより大きい粒子
が20体積%以下のグラフト共重合体を用いることが提
案されている。
には、架橋シリコーンの芯、架橋アクリレートゴムの第
一の殻、ビニル重合体成分からなる第二の殻で構成され
たグラフト共重合体を熱可塑性樹脂と組み合わせた樹脂
組成物が提案されている。
特定のポリオルガノシロキサン微粒子にアルキル(メ
タ)アクリレートを含浸させた後、重合させ複合ゴムと
しこれにビニル系単量体をグラフト重合させるグラフト
共重合体の製造方法が提案されている。
1−190746号公報ではポリオルガノシロキサンと
ポリアルキル(メタ)アクリレートとからなる平均粒子
径0.08〜0.6μmの複合ゴムにビニル系単量体が
グラフト重合したグラフト共重合体について、耐衝撃性
を発現させるための複合ゴム中のポリオルガノシロキサ
ンとポリアルキル(メタ)アクリレートの比率およびグ
ラフト成分量については言及しているものの、実施例に
はグラフト成分量が30重量%のグラフト共重合体およ
びグラフト成分量が50重量%でかつ複合ゴム中のポリ
オルガノシロキサン含有量が50重量%であるグラフト
共重合体しか記載されておらず、これらのグラフト共重
合体および該グラフト共重合体を含む樹脂組成物の顔料
着色性は不良となるためその工業的利用価値が低い。
法においては、グラフト共重合体および該グラフト共重
合体を含む樹脂組成物の顔料着色性に関する記述はな
く、またグラフト共重合体中のシリコーンゴム量および
アクリレートゴム量については言及しているものの、実
施例にはシリコーンゴムよりなる芯とアクリレートゴム
よりなる第一の殻との比率は48:12であり、さらに
ビニル単量体の重合物よりなる第二の殻の重量分率は全
グラフト共重合体を100重量部としたときに40重量
部の場合だけしか記載されておらず、このグラフト共重
合体および該グラフト共重合体を含む樹脂組成物の顔料
着色性は不良となるため工業的利用価値が低い。
案されている数平均粒子径0.01〜0.07μmで
0.10μmより大きい粒子が20体積%以下のグラフ
ト共重合体を用いる方法では、顔料着色性には優れるも
のの自動車外装部品等で要求される−30℃あるいは−
40℃といった低温雰囲気下での耐衝撃性が低いため、
使用できる用途が限られるため工業的利用価値が低い。
法においては、ポリオルガノシロキサンとアルキル(メ
タ)アクリレートゴムからなる複合ゴム中のポリオルガ
ノシロキサンの含有量については言及しているものの実
施例には0.29重量%〜13.5重量%であるグラフ
ト共重合体しか記載されておらず、これらのグラフト共
重合体を含む樹脂組成物の低温雰囲気下での耐衝撃性が
低いため、工業的利用価値が低い。
とアルキル(メタ)アクリレートゴムとからなる複合ゴ
ムにビニル単量体がグラフト重合されたグラフト共重合
体および該グラフト共重合体を含む樹脂組成物におい
て、低温雰囲気下での耐衝撃性と顔料着色性を同時に満
足させる方法は見出されておらず、これらを同時に満足
させ自動車外装部品等特に要求性能のレベルの高い用途
でも使用することのできるグラフト共重合体の開発が強
く望まれていた。
重合体を構成するポリオルガノシロキサンのポリマー構
造およびグラフト共重合体のポリマー組成とこれを含む
樹脂組成物の低温雰囲気下での耐衝撃性および顔料着色
性について鋭意検討した結果、驚くべきことに、ポリオ
ルガノシロキサンの架橋密度および複合ゴム中のポリオ
ルガノシロキサン量、アルキル(メタ)アクリレートゴ
ム量およびグラフト共重合体中のグラフト成分量さらに
グラフト共重合体の重量平均粒子径を限定して製造する
ことによって、このグラフト共重合体を含む樹脂組成物
が従来にない優れた低温雰囲気下での耐衝撃性と顔料着
色性を示すことを見出し本発明に到達した。
(A)ビニル重合性官能基を有し、ゲル含有率が60〜
90重量%、トルエン溶媒中で測定した膨潤度が10〜
30であるポリオルガノシロキサンと(B)アルキル
(メタ)アクリレートゴムとからなる複合ゴムに、
(C)芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステ
ル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物か
ら選ばれた少なくとも一種の単量体がグラフト重合され
たグラフト共重合体であって、複合ゴム((A)+
(B))中にポリシロキサン(A)を20〜40重量
%、アルキル(メタ)アクリレートゴムを60〜80重
量%含有し、かつグラフト共重合体に基づくグラフト成
分(C)を50〜80重量%であり、グラフト共重合体
の重量平均粒子径が0.10〜0.20μmであること
を特徴とするグラフト共重合体と、それを含有して成る
熱可塑性樹脂組成物にある。
ポリオルガノシロキサン(A)は、ジメチルシロキサン
に架橋剤およびグラフト交叉剤であるビニル重合性官能
基含有シロキサンを添加して縮合させることによって製
造することができる。
のジメチルシロキサンが挙げられ、3〜6員環のものが
好ましい。具体的にはヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルテトラシクロシロキサン、デカメチル
ペンタシクロシロキサン、ドデカメチルヘキサシクロシ
ロキサン等が挙げられるが、これらは単独でまたは二種
以上混合して用いられる。
としては、ビニル重合性官能基を含有しかつジメチルシ
ロキサンとシロキサン結合を介して結合しうるものであ
れば特に限定されないが、ジメチルシロキサンとの反応
性を考慮するとビニル重合性官能基を有する各種アルコ
キシシラン化合物が好ましい。具体的には、βーメタク
リロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γーメ
タクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、
γーメタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシ
ラン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シラン、γーメタクリロイルオキシプロピルエトキシジ
エチルシラン、γーメタクリロイルオキシプロピルジエ
トキシメチルシランおよびδーメタクリロイルオキシブ
チルジエトキシメチルシラン等のメタクリロイルオキシ
シロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシ
ロキサン等のビニルシロキサン、p−ビニルフェニルジ
メトキシメチルシランさらにγーメルカプトプロピルジ
メトキシメチルシラン、γーメルカプトプロピルトリメ
トキシシラン等のメルカプトシロキサンが挙げられる。
キサンは、一種または二種以上の混合物として用いるこ
とができるが、その使用量は得られるグラフト共重合体
を含む樹脂組成物の耐衝撃性および成形外観を考慮する
と、ポリオルガノシロキサンのシロキサン単位を基にビ
ニル重合性官能基含有シロキサン単位が0.2〜3モル
%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜2モ
ル%、さらに好ましくは0.3〜1モル%である。
官能性のシロキサン系架橋剤、例えばトリメトキシメチ
ルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシランおよびテトラブトキシ
シラン等が用いられる。
上の混合物として用いることができるが、その使用量は
得られるポリオルガノシロキサンのゲル含量が60〜9
5重量%かつトルエン溶媒中で測定した膨潤度が10〜
30の範囲に調製する必要がある。ゲル含量が60重量
%未満の場合は、ポリオルガノシロキサンを含むグラフ
ト共重合体およびこれを含有した樹脂組成物の低温雰囲
気下での耐衝撃性が低くなり好ましくない。また膨潤度
が10未満の場合は、ポリオルガノシロキサンの架橋密
度が高くなることでゴム弾性が失われ、このポリオルガ
ノシロキサンを含むグラフト共重合体およびこれを含有
した樹脂組成物の常温での耐衝撃性が低くなってしま
う。一方、膨潤度が30を超えた場合、ポリオルガノシ
ロキサンを含有するグラフト共重合体および該グラフト
共重合体を含む樹脂組成物の低温雰囲気下での耐衝撃性
が低くなってしまう。常温での耐衝撃性と低温雰囲気下
での耐衝撃性の両方を考慮すると、ポリオルガノシロキ
サンの膨潤度は、10〜20であることがより好まし
い。
法で測定され、ポリオルガノシロキサンの架橋密度の指
標となる値である。作製したポリオルガノシロキサンラ
テックスを、約3〜5倍量のイソプロピルアルコール中
に撹拌しながら添加し、該エマルジョンを破壊し凝固す
ることによってシロキサンポリマーを得る。こうして得
られたポリマーを80℃で10時間減圧乾燥する。乾燥
後、約1gのポリマーを精秤し、約30gのトルエン中
に浸漬し、25℃で100時間放置し、ポリマー中にト
ルエンを膨潤させる。次いで残余のトルエンをデカンテ
ーションにより分離除去し、精秤した後、80℃で16
時間減圧乾燥し、吸収されたトルエンを蒸発除去し、再
び精秤する。膨潤度は、次式により算出される。
(乾燥ポリマー重量))/(乾燥ポリマー重量) 本発明に係るポリオルガノシロキサンの製法としては、
上述のジメチルシロキサン、ビニル重合性官能基含有シ
ロキサンおよび架橋剤からなる混合物を乳化剤と水によ
って乳化させたラテックスを高速回転によるせん断力で
微粒化するホモミキサーや、高圧発生器による噴出力で
微粒化するホモジナイザー等を使用して微粒化した後、
酸触媒を用いて高温下で重合させ、次いでアルカリ性物
質により酸を中和するものである。
シロキサン混合物、乳化剤および水とともに混合する方
法と、シロキサン混合物が微粒化したラテックスを高温
の酸水溶液中に一定速度で滴下する方法等があるが、ポ
リオルガノシロキサンの粒子径の制御のしやすさを考慮
するとシロキサン混合物が微粒化したラテックスを高温
の酸水溶液中に一定速度で滴下する方法が好ましい。
乳化剤としては、アニオン系乳化剤が好ましく、アルキ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムなどの
中から選ばれた乳化剤が使用される。特にアルキルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリ
ウムなどのスルホン酸系の乳化剤が好ましい。
0重量部に対して0.05〜5重量部程度の範囲で使用
される。使用量が少ないと分散状態が不安定となり微小
な粒子径の乳化状態を保てなくなる。また使用量が多い
とこの乳化剤に起因する樹脂組成物成型品の着色が甚だ
しくなり不都合である。
触媒としては、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼン
スルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸などのス
ルホン酸類および硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸類が挙げ
られる。これらの酸触媒は一種でまたは二種以上を組み
合わせて用いられる。また、これらの中では、ポリオル
ガノシロキサンラテックスの安定化作用にも優れている
点で脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、n−ド
デシルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。また、ポリ
オルガノシロキサンの製造に用いる酸触媒の使用量とし
ては、特に限定されるものではないが、得られるグラフ
ト共重合体およびこれを含む樹脂組成物の顔料着色性お
よび低温衝撃特性を考慮するとシロキサン混合物100
重量部に対し0.5〜10重量部が好ましく、より好ま
しくは1〜5重量部、さらに好ましくは1〜3重量部で
ある。
0℃以上が好ましく、さらに好ましくは80℃以上であ
る。
重合した後、重合温度以下の温度で放置することによっ
て、ポリオルガノシロキサンの架橋反応が進行し、得ら
れるポリオルガノシロキサンのゲル含量は上昇し、また
トルエン溶媒中での膨潤度は低下する。重合反応および
架橋反応の停止は、反応液を冷却した後、重合ラテック
スを苛性ソーダ、苛性カリおよび炭酸ナトリウム等のア
ルカリ性物質で中和することによって行うことができ
る。
サン混合物、乳化剤および水とともに混合、微粒化させ
て重合する場合には2時間以上、さらに好ましくは5時
間以上であり、酸触媒の水溶液にシロキサン混合物が微
粒化したラテックスを滴下する方法では、ラテックスの
滴下終了後1時間以上保持することが好ましい。
温度で放置する時間は、得られるポリオルガノシロキサ
ンのゲル含量が60〜95重量%、トルエン溶媒中で測
定した膨潤度が10〜30になる条件でなければならな
く、この放置時間は使用する架橋剤の量によって適宜選
択される。
該ポリオルガノシロキサンを用いたグラフト共重合体の
重量平均粒子径が0.10μm〜0.20μmの範囲で
あれば特に限定されるものではないが、好ましくは重量
平均粒子径が0.05〜0.13μmの範囲である。
ロキサンラテックスに、アルキル(メタ)アクリレート
と多官能アルキル(メタ)アクリレートとからなるアル
キル(メタ)アクリレート成分を含浸させた後重合させ
ることによって複合ゴムを得ることができる。
例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−
プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2ー
エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート
およびヘキシルメタクリレート、2ーエチルヘキシルメ
タクリレート、n−ラウリルメタクリレート等のアルキ
ルメタクリレートが挙げられ、特にn−ブチルアクリレ
ートの使用が好ましい。 多官能アルキル(メタ)アク
リレートとしては、例えばアリルメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、プロピレングリコー
ルジメタクリレート、1、3ーブチレングリコールジメ
タクリレート、1、4ーブチレングリコールジメタクリ
レート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシア
ヌレート等が挙げられる。また、多官能アルキル(メ
タ)アルリレートの使用量は、アルキル(メタ)アクリ
レート成分中0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜
1重量%である。
ルキル(メタ)アクリレートは単独でまたは二種以上併
用して用いられる。
ルキル(メタ)アクリレートゴムからなる複合ゴムは、
ポリオルガノシロキサン成分のラテックス中へ上記アル
キル(メタ)アクリレート成分を添加し、通常のラジカ
ル重合開始剤を作用させて重合することによって製造で
きる。アルキル(メタ)アクリレートを添加する方法と
しては、ポリオルガノシロキサン成分のラテックスと一
括で混合する方法とポリオルガノシロキサン成分のラテ
ックス中に一定速度で滴下する方法がある。なお、得ら
れるグラフト共重合体およびこれを含む樹脂組成物の耐
衝撃性を考慮するとポリオルガノシロキサン成分のラテ
ックスを一括で混合する方法が好ましい。また、重合に
用いるラジカル重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系
開始剤または酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス
系開始剤が用いられる。この中では、レドックス系開始
剤が好ましく、特に硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム塩・ロンガリッド・ヒドロパーオキサイ
ドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が好まし
い。
ルキル(メタ)アクリレートゴムとからなる複合ゴムに
おいて、ポリオルガノシロキサンの量は20〜40重量
%、アルキル(メタ)アクリレートゴムの量は60〜8
0重量%である。複合ゴム中のポリオルガノシロキサン
の量が20重量%未満ではポリオルガノシロキサンの含
量が少ないために得られるグラフト共重合体およびこれ
を含む樹脂組成物の低温雰囲気下での耐衝撃性が低くな
り、40重量%を超えるとグラフト共重合体およびこれ
を含む樹脂組成物の顔料着色性が悪く工業的価値が低
い。また、グラフト共重合体およびこれを含む樹脂組成
物の低温雰囲気下での耐衝撃性と顔料着色性の両方を考
慮すると、複合ゴム中のポリオルガノシロキサンの量は
好ましくは22〜35重量%、アルキル(メタ)アクリ
レートゴムの量が65〜78重量%、さらに好ましくは
複合ゴム中のポリオルガノシロキサンが25〜30重量
%、アルキル(メタ)アクリレートゴムの量が70〜7
5重量%である。
ごとく乳化重合によって製造された複合ゴムに芳香族ア
ルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エ
ステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれる少なく
とも一種の単量体をグラフト重合することによって製造
できる。グラフト重合に用いる単量体のうち芳香族アル
ケニル化合物としては例えばスチレン、αーメチルスチ
レン、ビニルトルエン等であり、メタクリル酸エステル
としては例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、2ーエチルヘキシルメタクリレート等であり、
アクリル酸エステルとしては例えばメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等であ
り、シアン化ビニル化合物としては例えばアクリロニト
リル、メタクリロニトリル等である。これらのうち、該
グラフト共重合体と後述する芳香族アルケニル化合物お
よびシアン化ビニル化合物から得られる共重合体との相
溶性を考慮するとグラフト重合に用いる単量体として
は、芳香族アルケニル化合物とアシアン化ビニル化合物
が好ましく、さらにスチレンとアクリロニトリルの混合
物が好ましい。
芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アク
リル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれ
た少なくとも一種の単量体を加え、ラジカル重合技術に
より一段であるいは多段で重合を行うことができるが、
得られるグラフト共重合体およびこれを含む樹脂組成物
の耐衝撃性および顔料着色性を考慮すると二段以上で重
合を行うことが好ましい。
中にはグラフト共重合体の分子量やグラフト率を調整す
るための各種連鎖移動剤を添加することができる。
アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸
エステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれた少な
くとも一種の単量体がグラフト重合したグラフト重合成
分の量は、全グラフト共重合体に対し50〜80重量%
である。グラフト重合成分が50重量%未満ではグラフ
ト共重合体およびこれを含む樹脂組成物の顔料着色性が
悪く、また、80重量%を超えるとゴム量が低くなるた
め耐衝撃性が低くなり好ましくない。また、グラフト共
重合体およびこれを含む樹脂組成物の耐衝撃性と顔料着
色性の両方を考慮するとグラフト共重合体中の芳香族ア
ルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エ
ステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なく
とも一種の単量体がグラフト重合したグラフト重合成分
の量は、全グラフト共重合体に対し好ましくは50〜7
0重量%、さらに好ましくは50〜60重量%である。
粒子径は0.10〜0.20μmであり、0.10μm
未満では該グラフト共重合体を含む樹脂組成物の低温雰
囲気下での耐衝撃性が低くなり、また0.20μmを超
えた範囲では該グラフト共重合体を含む樹脂組成物の顔
料着色性が悪く工業的価値が低い。グラフト共重合体を
含む樹脂組成物の低温雰囲気下での耐衝撃性と顔料着色
性の両方を考慮すると、グラフト共重合体の重量平均粒
子径が0.10〜0.15μmであることがより好まし
い。
ごとく製造したグラフト共重合体ラテックスを塩化カル
シウム、酢酸カルシウムまたは硫酸アルミニウム等の金
属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固することに
よりグラフト共重合体を分離し、回収することができ
る。
合体には、さらに芳香族アルケニル化合物、シアン化ビ
ニル化合物およびこれらと共重合可能なビニル単量体か
ら選ばれた少なくとも一種から得られる共重合体を配合
することができる。
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、モノ
クロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロモスチレ
ン、p−ターシャリ−ブチルスチレン、エチルスチレ
ン、ビニルナフタレン等であり、好ましくはスチレン、
α−メチルスチレンである。またシアン化ビニル化合物
としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等が挙げられ、好ましくはアクリロニトリルである。
また共重合可能なビニル単量体としては、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタク
リル酸エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル、N
−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド等のマレ
イミド化合物、無水マレイン酸等が挙げられる。
−アクリロニトリル共重合体(SAN樹脂)およびスチ
レン−アクリロニトリル−N−フェニルマレイミド共重
合体が挙げられる。
合、溶液重合、縣濁重合、乳化重合等の通常公知の方法
が用いられる。
て、任意に選択することができる。
樹脂組成物は通常の公知の混練装置によって押し出し成
形することができる。また、混練に用いる成形機として
は押出機、射出成形機、ブロー成形機、カレンダー成形
機およびインフレーシュン成形機等が挙げられる。
可塑性樹脂組成物には、必要に応じて染料、顔料、安定
剤、補強剤、充填材、難燃剤等を配合することができ
る。
参考例、実施例および比較例において『部』および
『%』は特に断らない限り『重量部』および『重量%』
を意味する。
ノシロキサンおよび実施例におけるグラフト共重合体の
重量平均粒子径は、大塚電子(株)社製DLS−700
型を用いた動的光散乱法により求めた。
撃強度の測定は、ASTM D258に準拠した方法に
より行い、特に低温雰囲気下でのアイゾット衝撃強度の
測定は−30℃または−40℃雰囲気下で12時間以上
アイゾット試験片を放置した後、測定を行うことにより
行った。
ックウェル硬度)の測定は、ASTM D785に準拠
する方法により行った。
成物の顔料着色性評価は、東芝機械(株)社製射出成形
機IS−100ENを用いて成形した100mm*10
0mm*3mm板のJIS Z8729に準拠した色相
測定によって行った。
ックスL−1の製造 オクタメチルテトラシクロシロキサン96部、γーメタ
クリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン2部
およびエチルオルソシリケート2部を混合してシロキサ
ン系混合物100部を得た。これにドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム0.67部を溶解した蒸留水300
部を添加し、ホモミキサーにて10000回転/分で2
分間撹拌した後、ホモジナイザーに300kg/cm2
の圧力で1回通し、安定な予備混合オルガノシロキサン
ラテックスを得た。
加熱器および撹拌装置を備えた反応器内に、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸2部と蒸留水98部とを注入し、2重
量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を調製した。
備混合オルガノシロキサンラテックスを4時間に亘って
滴下し、滴下終了後1時間温度を維持し、冷却した。こ
の反応液を室温で48時間放置した後、苛性ソーダ水溶
液で中和した。
1)を170℃で30分間乾燥して固形分を求めたとこ
ろ、17.3%であった。また、ラテックス中のポリオ
ルガノシロキサンの重量平均粒子径は、0.08μmで
あった。また、ポリオルガノシロキサンのゲル含量は8
5%、トルエン溶媒中で測定した膨潤度は14.5であ
った。
2の製造 オクタメチルテトラシクロシロキサン95部、γーメタ
クリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン2部
およびエチルオルソシリケート3部を混合してシロキサ
ン系混合物100部を得た。これにドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム0.67部を溶解した蒸留水300
部を添加し、ホモミキサーにて10000回転/分で2
分間撹拌した後、ホモジナイザーに300kg/cm2
の圧力で1回通し、安定な予備混合オルガノシロキサン
ラテックスを得た。
加熱器および撹拌装置を備えた反応器内に、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸2部と蒸留水98部とを注入し、2%
のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を調製した。
備混合オルガノシロキサンラテックスを4時間に亘って
滴下し、滴下終了後1時間温度を維持し、冷却した。反
応液の温度が40℃まで低下した後、この反応液を苛性
ソーダ水溶液で中和した。
2)の固形分は17.7%、ラテックス中のポリオルガ
ノシロキサンの重量平均粒子径は、0.08μmであっ
た。また、ポリオルガノシロキサンのゲル含量は80
%、トルエン溶媒中で測定した膨潤度は17.7であっ
た。
3の製造 参考例1におけるシロキサン系混合物をオクタメチルテ
トラシクロシロキサン98部、γーメタクリロイルオキ
シプロピルジメトキシメチルシラン2部に変更する以外
は参考例1と同様にしてラテックス(L−3)を調製し
た。得られたポリオルガノシロキサンラテックスの固形
分は17.5%、重量平均粒子径は、0.08μmであ
った。また、ポリオルガノシロキサンは、トルエン溶媒
に可溶であり、ゲル成分は観察されなかった。
4の製造 参考例1におけるシロキサン系混合物をオクタメチルテ
トラシクロシロキサン93部、γーメタクリロイルオキ
シプロピルジメトキシメチルシラン2部およびエチルオ
ルソシリケート5部に変更する以外は参考例1と同様に
してラテックス(L−4)を調製した。得られたポリオ
ルガノシロキサンラテックスの固形分は17.5%、重
量平均粒子径は、0.08μmであった。また、ポリオ
ルガノシロキサンのゲル含量は95%、トルエン溶媒中
で測定した膨潤度は7.0であった。
5の製造 参考例1におけて、用いるドデシルベンゼンスルホン酸
の量を10部に変更する以外は参考例1と同様にしてポ
リオルガノシロキサンラテックス(L−5)を調製し
た。得られたポリオルガノシロキサンラテックスの固形
分は17.5%、重量平均粒子径は、0.05μmであ
った。また、ポリオルガノシロキサンのゲル含量は10
%、トルエン溶媒中で測定した膨潤度は25.0であっ
た。
6の製造 オクタメチルテトラシクロシロキサン96部、γーメタ
クリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン2部
およびエチルオルソシリケート2部を混合してシロキサ
ン系混合物100部を得た。これにドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム0.67部およびドデシルベンゼン
スルホン酸0.67部を溶解した蒸留水200部を添加
し、ホモミキサーにて10000回転/分で2分間撹拌
した後、ホモジナイザーに300kg/cm2 の圧力で
1回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテック
スを得た。このオルガノシロキサンラテックスを冷却
管、ジャケット加熱器および撹拌装置を備えた反応器内
に移し撹拌混合しながら85℃で5時間過熱した後、冷
却した。この反応液を室温で48時間放置した後、苛性
ソーダ水溶液で中和した。得られたポリオルガノシロキ
サンラテックス(L−6)の固形分は29.0%、重量
平均粒子径は、0.19μmであった。また、ポリオル
ガノシロキサンのゲル含量は95%、トルエン溶媒中で
測定した膨潤度は7.0であった。
調製条件および結果を表1に示す。
造 試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱器および撹拌装
置を備えた反応器内に、参考例1にて得たポリオルガノ
シロキサンラテックス(L−1)119.5部、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム
(花王(株)社製エマールNC−35)0.8部を採取
し、蒸留水203部添加混合した後、n−ブチルアクリ
レート53.2部、アリルメタクリレート0.21部、
1、3−ブチレングリコールジメタクリレート0.11
部およびターシャリーブチルハイドロパーオキサイド
0.13部からなる混合物を添加した。
て、雰囲気の窒素置換を行い、60℃まで昇温した。内
部の液温が60℃となった時点で、硫酸第一鉄0.00
01部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.0
003部およびロンガリット0.24部を蒸留水10部
に溶解させた水溶液を添加し、ラジカル重合を開始せし
めた。アクリレート成分の重合により、液温は78℃ま
で上昇した。1時間この状態を維持し、アクリレート成
分の重合を完結させポリオルガノシロキサンとブチルア
クリレートゴムとの複合ゴムのラテックスを得た。
ロンガリット0.4部を蒸留水10部に溶解した水溶液
を添加し、次いでアクリロニトリル11.1部、スチレ
ン33.2部およびターシャリーブチルハイドロパーオ
キサイド0.2部の混合液を約1時間に亘って滴下し重
合した。滴下終了後1時間保持した後、硫酸第一鉄0.
0002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩
0.0006部およびロンガリット0.25部を蒸留水
10部に溶解させた水溶液を添加し、次いでアクリロニ
トリル7.4部、スチレン22.2部およびターシャリ
ーブチルハイドロパーオキサイド0.1部の混合液を約
40分間に亘って滴下し重合した。滴下終了後1時間保
持した後冷却し、ポリオルガノシロキサンとブチルアク
リレートゴムとからなる複合ゴムに、アクリロニトリル
とスチレンをグラフト重合させたグラフト共重合体のラ
テックスを得た。動的光散乱法で求めたラテックス中の
グラフト共重合体の重量平均粒子径は、0.13μmで
あった。
合で溶解した水溶液150部を60℃に加熱し撹拌し
た。この中へグラフト共重合体のラテックス100部を
徐々に滴下し凝固した。次いで析出物を分離し、洗浄し
た後乾燥し、グラフト共重合体(S−1)を得た。
合法によって調製したアクリロニトリル−スチレン共重
合体(SAN−1と略する、スチレン70部およびアク
リロニトリル30部の混合物を懸濁重合によって重合
し、ジメチルホルムアミド溶液中(25℃)で測定した
還元粘度(ηsp/c)が0.60)52部さらに助剤とし
てホスファイト系抗酸化剤アデカスタブルC(旭電化工
業(株)社製)0.3部、ステアリン酸バリウム0.4
部およびエチレンビスステアリルアミド0.4部をヘン
シェルミキサーを用いて混合し、この混合物を230℃
に加熱した脱気式押出機に供給し、混練りして後ストラ
ンド状に賦形し、これをカッターで切断することで混合
樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットをシリ
ンダ温度230℃、金型温度60℃に設定した射出成形
機によって試験片を成形した。この試験片により常温下
および低温雰囲気下でのアイゾット衝撃強度、ロックウ
ェル硬度を測定した。
強度は、38.0kgcm/cm、−30℃雰囲気下で
のアイゾット衝撃強度は、15.6kgcm/cm、−
40℃雰囲気下でのアイゾット衝撃強度は、10.6k
gcm/cmおよびロックウェル硬度(Rスケール)
は、95.2であった。
AN−1 52部さらに助剤としてホスファイト系抗酸
化剤アデカスタブルC(旭電化工業(株)社製)0.3
部、ステアリン酸バリウム0.4部、エチレンビスステ
アリルアミド0.4部およびカーボンブラック(三菱化
学(株)社製CB−960)0.8部をヘンシェルミキ
サーを用いて混合し、この混合物を230℃に加熱した
脱気式押出機に供給し、混練りして後ストランド状に賦
形し、これをカッターで切断することで混合樹脂組成物
のペレットを得た。得られたペレットをシリンダ温度2
30℃、金型温度60℃に設定した射出成形機によって
寸法100mm*100mm*3mmの板を成形した。
得られた成形板の外観は光沢度の高い非常に良好なもの
であった。また、成形板の色相測定を行ったところ、L
*は12と明度が低く漆黒性のある顔料着色性を示し
た。
造 参考例2にて得られたポリオルガノシロキサンラテック
ス(L−2)を用いて実施例1と同様の複合ゴム化反応
およびグラフト共重合体の調製を実施した。得られたラ
テックス中のグラフト共重合体の重量平均粒子径は、
0.13μmであった。
AN−1の混合物を押出・成形を行い試験片を得た。2
3℃でのアイゾット衝撃強度は、38.6kgcm/c
m、−30℃でのアイゾット衝撃強度は、15.3kg
cm/cm、−40℃でのアイゾット衝撃強度は10.
7kgcm/cmおよびロックウェル硬度(Rスケー
ル)は、95.3であった。 また、実施例1同様カー
ボンブラックを添加して押出・成形を行い、顔料着色性
評価用成形板を得た。得られた成形板の外観は光沢度の
高い非常に良好なものであった。また、成形板の色相測
定を行ったところ、L*は12と明度が低く漆黒性が高
い、良好な顔料着色性を示した。
造 参考例3にて得られたポリオルガノシロキサンラテック
ス(L−3)を用いて実施例1と同様の複合ゴム化反応
およびグラフト共重合体の調製を実施した。得られたラ
テックス中のグラフト共重合体の重量平均粒子径は、
0.13μmであった。
AN−1の混合物を押出・成形を行い試験片を得た。2
3℃でのアイゾット衝撃強度は、37.6kgcm/c
m、−30℃でのアイゾット衝撃強度は、9.1kgc
m/cm、−40℃でのアイゾット衝撃強度は5.0k
gcm/cmおよびロックウェル硬度(Rスケール)
は、95.2であった。 また、実施例1同様カーボン
ブラックを添加して押出・成形を行い、顔料着色性評価
用成形板を得た。成形板の色相測定を行ったところ、L
*は12であった。
造 参考例4にて得られたポリオルガノシロキサンラテック
ス(L−4)を用いて実施例1と同様の複合ゴム化反応
およびグラフト共重合体の調製を実施した。得られたラ
テックス中のグラフト共重合体の重量平均粒子径は、
0.13μmであった。
AN−1の混合物を押出・成形を行い試験片を得た。2
3℃でのアイゾット衝撃強度は、25.1kgcm/c
m、−30℃でのアイゾット衝撃強度は、8.7kgc
m/cm、−40℃でのアイゾット衝撃強度は4.3k
gcm/cmおよびロックウェル硬度(Rスケール)
は、95.4であった。 また、実施例1同様カーボン
ブラックを添加して押出・成形を行い、顔料着色性評価
用成形板を得た。成形板の色相測定を行ったところ、L
*は12であった。
造 参考例5にて得られたポリオルガノシロキサンラテック
ス(L−5)を用いて実施例1と同様の複合ゴム化反応
およびグラフト共重合体の調製を実施した。得られたラ
テックス中のグラフト共重合体の重量平均粒子径は、
0.08μmであった。
AN−1の混合物を押出・成形を行い試験片を得た。2
3℃でのアイゾット衝撃強度は、25.3kgcm/c
m、−30℃でのアイゾット衝撃強度は、6.1kgc
m/cm、−40℃でのアイゾット衝撃強度は4.0k
gcm/cmおよびロックウェル硬度(Rスケール)
は、94.3であった。 また、実施例1同様カーボン
ブラックを添加して押出・成形を行い、顔料着色性評価
用成形板を得た。成形板の色相測定を行ったところ、L
* は11であった。
造 実施例1において反応器中に仕込むポリオルガノシロキ
サンラテックスを参考例6にて調製したL−6に変更
し、さらにこのポリオルガノシロキサンラテックス(L
−6)の仕込量を71.3部に、蒸留水の量を251.
2部に変更する以外は実施例1と同様にしてグラフト共
重合体を製造した。得られたラテックス中のグラフト共
重合体の重量平均粒子径は、0.25μmであった。
AN−1の混合物を押出・成形を行い試験片を得た。2
3℃でのアイゾット衝撃強度は、32.2kgcm/c
m、−30℃でのアイゾット衝撃強度は、14.6kg
cm/cm、−40℃でのアイゾット衝撃強度は10.
1kgcm/cmおよびロックウェル硬度(Rスケー
ル)は、96.0であった。 また、実施例1同様カー
ボンブラックを添加して押出・成形を行い、顔料着色性
評価用成形板を得た。成形板の色相測定を行ったとこ
ろ、L*は16であった。
造 試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱器および撹拌装
置を備えた反応器内に、参考例1にて得たポリオルガノ
シロキサンラテックス(L−1)167.3部、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム
(花王(株)社製エマールNC−35)0.8部を採取
し、蒸留水163.4部添加混合した後、n−ブチルア
クリレート74.4部、アリルメタクリレート0.30
部、1、3ーブチレングリコールジメタクリレート0.
15部およびターシャリーブチルハイドロパーオキサイ
ド0.19部からなる混合物を添加した。
て、雰囲気の窒素置換を行い、60℃まで昇温した。内
部の液温が60℃となった時点で、硫酸第一鉄0.00
01部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.0
003部およびロンガリット0.24部を蒸留水10部
に溶解させた水溶液を添加し、ラジカル重合を開始せし
めた。アクリレート成分の重合により、液温は82℃ま
で上昇した。1時間この状態を維持し、アクリレート成
分の重合を完結させポリオルガノシロキサンとブチルア
クリレートゴムとの複合ゴムのラテックスを得た。
ロンガリット0.4部を蒸留水10部に溶解した水溶液
を添加し、次いでアクリロニトリル7.4部、スチレン
22.1部およびターシャリーブチルハイドロパーオキ
サイド0.13部の混合液を約40分間に亘って滴下し
重合した。滴下終了後1時間保持した後、硫酸第一鉄
0.0002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
塩0.0006部およびロンガリット0.25部を蒸留
水10部に溶解させた水溶液を添加し、次いでアクリロ
ニトリル3.7部、スチレン11.1部およびターシャ
リーブチルハイドロパーオキサイド0.1部の混合液を
約10分間に亘って滴下し重合した。滴下終了後1時間
保持した後冷却し、ポリオルガノシロキサンとブチルア
クリレートゴムとからなる複合ゴムに、アクリロニトリ
ルとスチレンをグラフト重合させたグラフト共重合体の
ラテックスを得た。動的光散乱法で求めたラテックス中
のグラフト共重合体の重量平均粒子径は、0.11μm
であった。
合で溶解した水溶液150部を60℃に加熱し撹拌し
た。この中へグラフト共重合体のラテックス100部を
徐々に滴下し凝固した。次いで析出物を分離し、洗浄し
た後乾燥し、グラフト共重合体(T−5)を得た。
AN−1 65.7部さらに助剤としてホスファイト系
抗酸化剤アデカスタブルC(旭電化工業(株)社製)
0.3部、ステアリン酸バリウム0.4部およびエチレ
ンビスステアリルアミド0.4部をヘンシェルミキサー
を用いて混合し、この混合物を230℃に加熱した脱気
式押出機に供給し、混練りして後ストランド状に賦形
し、これをカッターで切断することで混合樹脂組成物の
ペレットを得た。得られたペレットをシリンダ温度23
0℃、金型温度60℃に設定した射出成形機によって試
験片を成形した。この試験片により常温下および低温雰
囲気下でのアイゾット衝撃強度、ロックウェル硬度を測
定した。
強度は、32.1kgcm/cm、−30℃雰囲気下で
のアイゾット衝撃強度は、14.2kgcm/cm、−
40℃雰囲気下でのアイゾット衝撃強度は、8.4kg
cm/cmおよびロックウェル硬度(Rスケール)は、
95.2であった。
よびSAN−1 65.7部さらに助剤としてホスファ
イト系抗酸化剤アデカスタブルC(旭電化工業(株)社
製)0.3部、ステアリン酸バリウム0.4部、エチレ
ンビスステアリルアミド0.4部およびカーボンブラッ
ク(三菱化学(株)社製CB−960)0.8部をヘン
シェルミキサーを用いて混合し、この混合物を230℃
に加熱した脱気式押出機に供給し、混練りして後ストラ
ンド状に賦形し、これをカッターで切断することで混合
樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットをシリ
ンダ温度230℃、金型温度60℃に設定した射出成形
機によって寸法100mmX100mmX3mmの板を
成形した。また、成形板の色相測定を行ったところ、L
*は15であった。
造 実施例1において反応器中に仕込むポリオルガノシロキ
サンラテックス(L−1)の量を59.8部に、蒸留水
の量を252.3部に、n−ブチルアクリレートを6
3.5部、アリルメタクリレートを0.25部、1,3
−ブチレングリコールジメタクリレートを0.13部お
よびターシャリーブチルハイドロパーオキサイドを0.
16部に変更する以外は、実施例1と同様にしてグラフ
ト共重合体(T−6)を製造した。動的光散乱法で求め
たラテックス中のグラフト共重合体の重量平均粒子径
は、0.15μmであった。
AN−1の混合物を押出・成形を行い試験片を得た。2
3℃でのアイゾット衝撃強度は、36.4kgcm/c
m、−30℃でのアイゾット衝撃強度は、8.5kgc
m/cm、−40℃でのアイゾット衝撃強度は5.1k
gcm/cmおよびロックウェル硬度(Rスケール)
は、95.1であった。 また、実施例1同様カーボン
ブラックを添加して押出・成形を行い、顔料着色性評価
用成形板を得た。成形板の色相測定を行ったところ、L
*は11であった。
造 実施例1において反応器中に仕込むポリオルガノシロキ
サンラテックス(L−1)の量を192.1部に、蒸留
水の量を142.9部に、n−ブチルアクリレートを4
0.6部、アリルメタクリレートを0.16部、1,3
−ブチレングリコールジメタクリレートを0.08部お
よびターシャリーブチルハイドロパーオキサイドを0.
10部に変更する以外は、実施例1と同様にしてグラフ
ト共重合体(T−7)を製造した。動的光散乱法で求め
たラテックス中のグラフト共重合体の重量平均粒子径
は、0.11μmであった。
AN−1の混合物を押出・成形を行い試験片を得た。2
3℃でのアイゾット衝撃強度は、27.8kgcm/c
m、−30℃でのアイゾット衝撃強度は、13.8kg
cm/cm、−40℃でのアイゾット衝撃強度は9.8
kgcm/cmおよびロックウェル硬度(Rスケール)
は、94.7であった。 また、実施例1同様カーボン
ブラックを添加して押出・成形を行い、顔料着色性評価
用成形板を得た。成形板の色相測定を行ったところ、L
*は15であった。
かとなった。
む樹脂組成物は、常温での高いアイゾット衝撃強度を示
すとともに、−30℃および−40℃といった低温雰囲
気下でも10kgcm/cm以上の自動車外装部品用材
料に好適な衝撃強度を有し、さらに、黒着色板のL*値
が低く、無塗装で使用可能な優れた顔料着色性を同時に
満足する。
脂組成物は、架橋構造を有さないポリオルガノシロキサ
ンを複合ゴムに用いているため、常温でのアイゾット衝
撃強度および顔料着色性には優れるものの、−30℃お
よび−40℃といった低温雰囲気下でのアイゾット衝撃
強度が低いために、例えば自動車外装部品といった高度
な低温雰囲気下での耐衝撃性が要求される用途には使用
できないため好ましくない。
脂組成物は、トルエン溶媒中で測定した膨潤度が10未
満の架橋密度が高く、堅いポリオルガノシロキサンを複
合ゴム中に含むため、常温および低温雰囲気下でのアイ
ゾット衝撃強度が低く、工業材料としては好ましくな
い。
脂組成物は、重量平均粒子径が0.08μmと小さな平
均粒子径のグラフト共重合体を含有しているため、低温
雰囲気下でのアイゾット衝撃強度が低く、好ましくな
い。
脂組成物は、重量平均粒子径が0.25μmと大きな平
均粒子径のグラフト共重合体を含有しているため、黒着
色板のL*値が高く、例えば自動車外装部品を無塗装で
使用する場合のように高度な顔料着色性が要求される用
途には使用することができない。
脂組成物は、グラフト成分量が30部と少ないグラフト
共重合体を用いているため、顔料着色性が悪い。
脂組成物は、複合ゴム中のポリオルガノシロキサン含量
が20%未満であるグラフト共重合体を用いているた
め、顔料着色性には優れるものの、−30℃および−4
0℃といった低温雰囲気下でのアイゾット衝撃強度が低
いために、例えば自動車外装部品といった高度な低温雰
囲気下での耐衝撃性が要求される用途には使用できない
ため好ましくない。
脂組成物は、複合ゴム中のポリオルガノシロキサン含量
が40%を超えたグラフト共重合体を用いているため、
黒着色板のL*値が高く、例えば自動車外装部品を無塗
装で使用する場合のように高度な顔料着色性が要求され
る用途には使用することができない。
のように特別に顕著な効果を奏し、その産業上の利用価
値は極めて大である。
該グラフト共重合体を含む樹脂組成物は、耐衝撃性特に
低温雰囲気下での耐衝撃性、表面硬度および顔料着色性
のバランスに優れる。
強度と顔料着色性のバランスは、従来知られているポリ
オルガノシロキサンとアクリレートゴムとからなる複合
ゴムをゴム源とした樹脂組成物では得られない非常に高
いレベルであり、各種工業材料とりわけ自動車外装部品
用材料としての利用価値は極めて高い。
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)ビニル重合性官能基を有し、ゲル
含有率が60〜95重量%、トルエン溶媒中で測定した
膨潤度が10〜30であるポリオルガノシロキサンと
(B)アルキル(メタ)アクリレートゴムとからなる複
合ゴムに、(C)芳香族アルケニル化合物、メタクリル
酸エステル、アクリル酸エステルまたはシアン化ビニル
化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体がグラフト
重合されたグラフト共重合体であって、複合ゴム
((A)+(B))中にポリオルガノシロキサン(A)
を20〜40重量%、アルキル(メタ)アクリレートゴ
ム(B)を60〜80重量%含有し、かつグラフト共重
合体に基づくグラフト成分(C)の含有量が50〜80
重量%であり、グラフト共重合体の重量平均粒子径が
0.10〜0.20μmであることを特徴とするグラフ
ト共重合体。 - 【請求項2】 請求項1記載のグラフト共重合体と芳香
族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物およびこれ
らと共重合可能なビニル単量体から選ばれた少なくとも
一種から得られる共重合体とからなる熱可塑性樹脂組成
物。
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