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JP3586696B2 - 薄型ロードセル - Google Patents

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JP3586696B2 JP14729894A JP14729894A JP3586696B2 JP 3586696 B2 JP3586696 B2 JP 3586696B2 JP 14729894 A JP14729894 A JP 14729894A JP 14729894 A JP14729894 A JP 14729894A JP 3586696 B2 JP3586696 B2 JP 3586696B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、車両の輪重や全重量の計重をはじめとして、厚みの薄さを利用してその他の台はかり等に1個又は複数個使用して計重機を構成するストレインゲージ式薄型ロードセルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のストレインゲージ式の薄型ロードセルとしては図7、図8に示すものがあった。図7Aはこのロードセルの外観斜視図で、41は剛性のある外枠、42は矢印の負荷Wを受ける剛性のある受圧台、43A〜43Dは上記外枠41と受圧台42との間の四方に配置連結された撓み易い形状の荷重検出部であり、これら41〜43は一体構造となっている。又上記43A〜43Dの検出部にはそれぞれストレインゲージ44が貼付されている。図7Bは大容量用として採用された上記検出部でのせん断歪検出構造の図で、一般に長辺aと短辺bの矩形断面を形成し、一方の面45は外枠41に、他方の面46は受圧台42につながっており、上記面45、46の両側面にはストレインゲージ44が貼付され、矢印の負荷Wによりストレインゲージ44の貼付された面にせん断歪を発生し、その歪をストレインゲージが検知して電気信号に変換して取り出すようになっている。図7Cは図7Aの負荷検出部43A〜43Dに替わって小容量用として採用された曲げ歪検出構造の図で、一般に短辺C長辺dの矩形断面を形成し、一方の面55は外枠41に、他方の面56は受圧台42につながった負荷検出部53A〜53Dを形成している。この負荷検出部の上下面は図7Cに示すように、短辺Cの方向がそれぞれ2ヶ所ずつ厚みが薄くなって57、57’、58、58’の面を形成し、ここにストレインゲージ54が4ヶ所貼付され、図7Aの矢印の負荷Wによりストレインゲージ54の貼付された面に曲げ歪を発生し、その歪をストレインゲージが検知して電気信号に変換して取り出すようになっている。
【0003】
図8は図7AのX−X’断面を示し、実線は矢印で示す負荷Wがかかる前の状態を表し、点線は負荷により各部材が歪んだ状態を示している。この図で示すように、負荷がかかると受圧台42及び荷重検出部43A、43Cが点線の如く撓み、受圧台42の長さLは矢印の横方向に少し縮み、外枠41はその矢印の方向に引っ張られ、外枠41の底面47と床面48との間に接触力に応じた滑り及び歪が生じる。
【0004】
更に従来の技術として、特開昭63−30734に開示されているようなものがある。この発明は一つのホルダーに結合された板形状の伸長部材の中央部を負荷点とし、その中央に対して同心的に延びる一つの円弧に対して接線的に撓みビームが配置され曲げ歪を検出し、撓みビームに誤変換を生ぜしめないようにされている。又特開平6−43045、特開平6−43046に開示されているようなものもある。この発明は上述と同じように板形状素材を使用し、前後一対の長溝を設け中央部を荷重受部とし、受圧部と固定部の構造を工夫して受感部のフレームの撓みによる固定部の滑りを緩和してせん断歪を検出するようにされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図7、図8に示すものでは外枠41が歪んで床面との接触点の変化及び滑りが生じてロードセル出力の非直線性及びヒステリシス特性が悪くなる。又図7Bに示すせん断歪検出構造で小容量を実現しようとすれば、重量を検出する検出部の厚さbを極端に薄くしなければならず、そのために加工性が悪く、従って加工精度も難しくなり又検出方向に対する直角方向の機械的強度も弱くなるという問題があった。又図7Aで示す外枠の厚みtを薄くしてコンパクトな小容量型を実現しようとすると、図7Cで示す曲げ歪検出構造ではストレインゲージを受圧面側とその反対側に貼付するので、ゲージ表面の絶縁保護膜を接触しないようにするために厚みの制限を受ける上、前記のせん断歪検出構造と同様検出部の剛性を強くできないので機械加工が非常に難しくなるという問題点があった。更に特開昭63−30734では荷重点を中心としているが、荷重点が中心よりはずれたときは片撓みが大きく、その上荷重による負荷板は上下方向の撓みに加えて僅かに回転する。又ストレインゲージが上面に貼っているため荷重の載せ降ろし時に荷重でゲージを傷つけないように保護が必要となり、そのため厚みが厚くなる等の問題があり、特開平6−43045及び特開平6−43046でも荷重受部に負荷がかかると、検出部から自由端部を経て固定部へと荷重が伝達されるので、固定部には負荷方向と同じ下向きの力に加えて若干の曲げ及び捩れの力が加えられるので、若干の悪影響は避けられず特に小容量のロードセルはこれらの構造では実用上製作し難い等の問題点があった。そこでこの発明は、受圧台の撓みによる横方向の撓みを吸収でき、小容量にも対応するためにロードセルの厚さを極限にまで薄くしながら機械加工がしやすい構造としてコンパクトで高精度なロードセルを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、方形状または円形状をした板状体の素材を利用して、この板状体の外周近傍を外枠1として、中央部に荷重を負荷するための受圧部2を設け、その外枠1と受圧部2との間に該受圧部を囲むように上記の板状体を上下に貫通した複数の長溝4を設け、貫通した複数の長溝4にはその両端に該長溝より連続して幅広の貫通した終端溝6及び他の幅広の貫通した終端溝6'をほぼ突き合わせ状に設け、その終端溝6及び他の終端溝6'によりほぼ突き合わせ状に構成された両方の上記終端溝に渡り上記の板状体を貫通して設けた複数の短溝7及び他の貫通した短溝7'を上記の終端溝6及び他の終端溝6'の両側に設け、上記の終端溝6及び他の終端溝6'との両側に設けた複数の貫通した短溝とにより形成された薄肉b'の起歪部8,8'及び他の薄肉b'の起歪部9、9'から成る複数のH字形状の起歪部を設けると共に、上記複数のH字形状の起歪部における矩形断面の内、長辺a'は上記板状体の板厚を加工することにより所定の長辺a'を形成したものである。つまり、長溝の両端に設けた幅広の終端溝6と他の長溝の両端に設けた幅広の終端溝6'はほぼ突き合わせ状態になっており、これらの終端溝の一部と上記の短溝7及び7'の一部は重複(ラップ)しており、この重複(ラップ)した部分が薄肉部を形成しており、この部分を平面的に見ればH字形状となっている。このH字形状部分の長辺a'は素材の板厚方向の長さであり、上記の板状体を板厚方向に加工することにより所定のロードセル容量を決定することを特徴としている。そして上記複数のH字形状の起歪部長辺a'の側面にそれぞれストレインゲージを貼付して荷重検出部としたことを特徴とした薄型ロードセルである。
【0007】
【作用】
図1〜図4にて説明する。これらの図で荷重Wが受圧台2に加えられると、起歪部のつなぎ梁10に受圧台2が下がる方向の右回りのトルクが発生し、起歪部8、8’、9、9’の捻れ応力を発生するトルクの反力とが釣り合って捻れ歪が発生し、図4に示すストレインゲージの結線によって荷重Wに比例した出力電圧が発生する。この場合、たとえ図3Cに示すように荷重によって受圧台2が曲げられたときでもH型の起歪部を構成する左側の起歪部8、8’と、右側の起歪部9、9’とはそれぞれ反対方向に捻れるので、図4Aに示すようにストレインゲージのブリッジ内で相殺されて受圧台の曲がりによる誤差としては表れず、薄型でも小容量から大容量の高精度なロードセルが実現できる。
【0008】
【実施例】
この発明の第一と第二の実施例を図1〜図4に示す。図1A及び図1Bは薄型ロードセルの外観を示す斜視図で、図1Aは第一実施例を示し、1は方形状をした外枠で、その内側は中央部に負荷Wを受ける受圧台2であり、対角の四隅には荷重検出部3を設けて全体を一体構造として薄型ロードセルを構成している。上記荷重検出部3は受圧台2の周辺に4本の溝5とその両端の終端溝6、6’で構成された長溝4を貫通して設け、上記終端溝6、6’を挟んで短溝7、7’を同様に貫通して設けて薄肉部を形成して起歪部としている。従って矢印で示す負荷Wを受圧台2にかけると四隅の検出部3は歪を発生し、上記薄肉部に貼付したストレインゲージにより負荷Wに比例した出力を発生するようになっている。図1Bは第二実施例を示し、1は方形状をした外枠で、2は上記と同様の受圧台であり、第一実施例と異なるのは3の荷重検出部が受圧台を挟んだ対辺の4箇所に設置したところである。
【0009】
図2〜図4の詳細については図1Aを対比して説明するが、図2Aは一つの検出部3を拡大した平面図、図2Bは図2AのX−X’断面図、図2Cは図2AのY−Y’断面図である。これらの図において8、8’は短溝7と長溝4の終端溝6、6’の間に位置する起歪部で、短辺がb’、長辺がa’の矩形断面で、短辺b’の水平方向には撓み易く、図1Aの矢印で示す負荷Wの方向に対しては長辺a’は撓み難い適当な剛性のある形状とされている。同様に9、9’は短溝7’と上記と同じ終端溝6、6’の間に位置する起歪部であり、上記の8、8’とは距離d’を隔てて平行に位置し、断面形状は上記の8、8’と同一となっている。上記終端溝6と6’の間にはつなぎ梁10があり、8、8’と9、9’及び10にてH形状となっている。上記起歪部8、8’、9、9’の側面には捻れ応力検出用ストレインゲージ11、12、13、14、15、16、17、18が図に示されているようにそれぞれ貼付され、上面を防湿と絶縁を保護する材料19でコーティングされ、長期安定するよう処理されている。
【0010】
図3Aは図2AのZ−Z’断面で無負荷状態を示す図で、図3Bは受圧台2に矢印で示す負荷Wがかかった状態で、検出部3の撓みにより受圧台2がe寸法の垂直撓みを発生している状態を示す図であり、又図3Cは同じく負荷状態で受圧台2自身が撓んで曲がり、上記の検出部3の撓みが加算された状態を示す図である。これらの図において、受圧台2に負荷Wがかかると、図2Aに示すつなぎ梁10には図3Bの矢印で示す方向のトルクT(=W×d’)が発生し、このトルクTと起歪部8、8’9、9’の捻れ応力τを発生するトルクの反力TR とが釣り合って捻れ応力τ(=T/4×K)が求められる。但しKは形状による定数である。又図3Cで示すように受圧台2が負荷Wによって曲げられた場合でも、起歪部8、8’と9、9’とはそれぞれ反対の矢印の方向に捻れるため、ストレインゲージのブリッジ内で相殺されて出力としては表れず、受圧台2の曲がりによる誤差は発生しない。又図3Bの受圧台2が図8の負荷台42のように撓むと点線で示す矢印の方向に少し縮むが、その量は図2Aで示す起歪部8、8’、9、9’が水平方向に撓んで殆ど吸収され外枠1に大きな横荷重がかからず、外枠1と床面との滑りが少なくなる。ここで上記起歪部の短辺b’が薄すぎると機械加工時に工具の力で撓んで加工し難く精度も出し難いのでロードセルの容量に応じて距離d’を選択して短辺b’を加工のしやすい寸法にすることができる。
【0011】
図4Aは図2Aで示すように一つの検出部3において捻れ応力検出用のストレインゲージ11〜18の8枚を全て貼付してブリッジ状に結線した図であり、kをゲージファクタ、Gを起歪部の横弾性係数、ei をブリッジ入力電圧とすると負荷Wに比例する歪に対応する電気出力e0 はe0 =k×τ×ei /2Gとなり、上記e0 から負荷Wが求められる。図4Bはブリッジ回路のストレインゲージ枚数を少なくしてコストを下げるため、それぞれ11、13、16、18又は()内で示す12、14、15、17の4枚で構成した図であり上記の8枚構成と同様の効果が得られる。又図3Bに示すように受圧台2の曲がり歪が少ない場合又は図3Cで示すように受圧台2の曲がり歪があってもその誤差を許容する場合は、ストレインゲージをそれぞれ11、12、13、14又は15、16、17、18の4枚構成としてもよい。図4Cは図1A、図1Bに示すように検出部3が4ヶ所のときのブリッジ回路の結線図である。但しストレインゲージの記載は省略している。
【0012】
図5はこの発明の第三実施例を示し、外枠21と受圧台22の対辺の2ヶ所に細長い検出部23を形成し、ストレインゲージの枚数も検出部数の半減に応じて半減するようになっているが機能は第一及び第二実施例と同様である。更にこの発明の第四の実施例を図6に示す。この実施例は前述の実施例における方形状の外枠を円形の外枠31とし、受圧台32、検出部33を第三の実施例と同様2ヶ所としているが、ストレインゲージ枚数を更に半減したもので機能は前述の各実施例と同様である。
【0013】
【発明の効果】
本発明による薄型ロードセルは、方形状又は円形状の板状体素材により加工して作るロードセルであって、その板状体の外周近傍に貫通した長溝を設けると共に、その長溝の両端の各々出合の両側にラップして起歪部を設け、更にこの起歪部を板厚方向に加工することによりロードセルの容量を決定する方法としたので、加工精度が安定するばかりでなく加工能率も向上し生産性がよい。従来のように起歪部に形成される薄肉部b'を慎重に加工しなければならないと言う煩わしさから解放される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一の実施例になる外観斜視図A及び第二の実施例になる外観斜視図Bである。
【図2】この発明の第一、第二実施例における検出部の拡大平面図A、X−X’断面図B及びY−Y’断面図Cである。
【図3】図2AのZ−Z’断面で無負荷状態を示す図A、負荷により受圧台が垂直撓みを発生した状態を示す図B及び負荷により受圧台自身が撓んで曲がった状態を示す図Cである。
【図4】図2Aで示す一つの検出部において起歪部の側面に全てストレインゲージを貼付したときの結線図A、H型起歪部の片側起歪部のみにストレインゲージを貼付してゲージ枚数を半減したときの結線図B及び検出部が4ヶ所のときの結線図Cである。
【図5】この発明の第三の実施例になる外観斜視図である。
【図6】この発明の第四の実施例になる外観斜視図である。
【図7】従来のロードセル外観斜視図A、大容量用としたせん断歪検出構造の図B及び小容量用の曲げ歪検出構造の図Cである。
【図8】従来のロードセル図7AのX−X’断面図で負荷Wがかかったときの歪状態を表した図である。
【符号の説明】
1、21、31、41 外枠
2、22、32、42 受圧台
3、23、33、43A〜43D、53A〜53D 荷重検出部
4 長溝
5 溝
6、6’ 終端溝
7、7’ 短溝
8、8’、9、9’ 起歪部
10 つなぎ梁
11、12、13、14、15、16、17、18、44、54 ストレインゲージ
19 絶縁保護材料

Claims (1)

  1. 方形状又は円形状をした板状体より成り、該板状体の外周近傍を外枠1として、中央部に位置して荷重を負荷する受圧部2を設け、上記外枠1と上記受圧部2との間に該受圧部2を囲むように上記板状体を上下に貫通した複数の長溝4を設け、該貫通した複数の長溝4にはその両端に該長溝4より連続して幅広の貫通した終端溝6及び他の幅広の貫通した終端溝6'をほぼ突き合わせ状に設け、上記終端溝6及び他の終端溝6'によりほぼ突き合わせ状に構成された両方の上記終端溝に渡り上記板状体を貫通して設けた複数の短溝7及び他の貫通した短溝7'を上記終端溝6及び他の終端溝6'の両側に設け、上記終端溝6及び他の終端溝6'との両側に設けた上記複数の貫通した短溝7、7'とにより形成された薄肉b'の起歪部8、8'及び他の薄肉b'の起歪部9、9'から成る複数のH字形状の起歪部を上記長溝4の両端ごとに設けると共に、上記複数のH字形状の起歪部における矩形断面の内、長辺a'は、上記板状体を板厚方向に加工することにより所定の長辺a'を形成することを特徴として、上記複数のH字形状の起歪部長辺a'の側面にそれぞれストレインゲージを貼付して荷重検出部としたことを特徴とする薄型ロードセル。
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