JP3376002B2 - インクジェット捺染インク、インクジェット捺染方法、記録ユニット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、捺染された布帛および布帛の加工品 - Google Patents
インクジェット捺染インク、インクジェット捺染方法、記録ユニット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、捺染された布帛および布帛の加工品Info
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Description
可能な主としてセルロース繊維及び/又はポリアミド繊
維から構成される木綿、絹等の織布または不織布あるい
はこれらの繊維と他の繊維からなる混紡織布あるいは混
紡不織布の捺染に適したインクジェット捺染インク、こ
れを用いたインクジェット捺染方法及びかかるインクを
用いた機器に関する。
ローラー捺染である。しかし、これらの方式は、多品種
少量生産には不向きであり、流行への迅速な対応も困難
であることから、最近では、無製版の電子捺染システム
が要望されている。
る捺染方法が数多く提案されており各方面からの期待も
大きくなっている。
(1)十分な濃度で発色すること、(2)吐出ノズルを
目詰りさせないこと、(3)インクが布帛上で速やかに
乾燥すること、(4)布帛上で不規則なにじみが少ない
こと、(5)保存中に物性や吐出特性の変化、固形分の
析出がないこと、及び、(6)長期間にわたる耐久にお
いても吐出特性に変化のないこと、特に熱エネルギーを
利用した方式による場合は、発熱ヘッド上での断線や異
物の沈着が生じないこと、等の性能が要求される。これ
らの要求性能を満足させるために、従来からは以下のよ
うな手段が提案されてきた。
は、染料の濃度を高くすることで十分な濃度を与えると
いうのが一般的な手段であり、特に、200p1以下の
小液滴を用いたり、吸収力の強い布帛に対する場合には
必須の技術である。しかしながら、こうしたインクは、
ノズル先端からのインク中の水分の蒸発の為に、増粘し
たり、固形分である染料が析出して上記(2)の問題を
引き起こすに至る。
は、グリセリン等の多価アルコールを添加する等の手段
がとられてきたが、染料濃度が5%を越えるような場合
には特に解決策とはならず、染料と溶剤の極めて特異的
な組み合わせ以外は、満足な結果は得られない。
の撥水度の影響が大きいが、例えば、セルロース繊維及
び/又はポリアミド繊維を主体とした布帛に対して水系
インクを用いる場合は特に問題はない。
に数多くの提案がされており、例えば、特開昭61−2
31289号公報におけるタンニンの添加、特開昭62
−283174号公報におけるカルボン酸基含有ポリマ
ーのインクへの添加が挙げられるが、いずれもインクに
基づく(1)、(2)の問題は避けられない。
ては、染料の構造に起因する場合もあるが、添加物によ
り改善する場合もあり、詳しい検討がなされていないと
いうのが現状である。
対しての染色が要望されており、布帛ごとに最適なイン
ク組成は異なる。即ち、染料と布帛の染色機構がイオン
結合であるか、共有結合であるか、単なる繊維内への拡
散によるものかで用いる染料の種類から、固着条件まで
大きく異なるし、ポリエステルとセルロース系繊維で
は、水系インクを用いる場合、水に対する親和性がかな
り違う為、添加剤を含めた液媒体設計に工夫が必要であ
る。
められる技術課題が少しずつ異なり、個別のインク設計
が必要とされている。
独で満足させる手段は見出せても、これらの性能を同時
に満足させ、上記した一連の問題を解決する捺染インク
及びインクジェット捺染方法は今迄のところ知られてい
ない。
目的は、セルロース繊維及び/又はポリアミド繊維を主
体として構成される布帛上で、上記のごとき従来の一般
的な捺染インク及びインクジェット捺染の問題、すなわ
ち、鮮明で且つ高濃度の染色物を得るという染色上の問
題と、短期あるいは長期にわたって安定し、常温で保存
しても染色特性に変化がなく、インクを吐出させる時に
熱エネルギーを使用する場合、信頼性の高い印捺を可能
とする等の吐出性能上の問題とを同時に満足するイン
ク、捺染方法及びかかるインクを用いた機器を提供する
ことである。
によって達成される。即ち、本発明は、反応染料と、水
性液媒体と、ジカルボン酸及びそのアルカリ金属塩から
選ばれる少なくとも1種の物質と、を含有し、pHが4
〜9であることを特徴とするインクジェット捺染インク
である。
と、トリカルボン酸及びそのアルカリ金属塩から選ばれ
る少なくとも1種の物質と、を含有し、pHが4〜9で
あることを特徴とするインクジェット捺染インクであ
る。
液媒体と、ジカルボン酸及びそのアルカリ金属塩から選
ばれる少なくとも1種の物質と、を含有し、pHが4〜
9のインクを、インクジェット方式によってセルロース
繊維及び/又はポリアミド繊維を含有する布帛に付与す
る工程; (ii)該布帛に付与したインク中の該反応性染料とセ
ルロース繊維及び/又はポリアミド繊維との反応定着処
理を行なう工程;及び (iii)前記工程(ii)によって得られた布帛を洗
浄し、セルロース繊維及び/又はポリアミド繊維と未反
応の染料を除去する工程、を有することを特徴とするイ
ンクジェット捺染方法、係る方法に用いるインクジェッ
ト機器、及びかかる方法によって得られた捺染布帛とそ
の加工品である。
液媒体と、トリカルボン酸及びそのアルカリ金属塩から
選ばれる少なくとも1種の物質と、を含有し、pHが4
〜9のインクをインクジェット方式によってセルロース
繊維及び/又はポリアミド繊維を含有する布帛に付与す
る工程; (ii)該布帛に付与したインク中の該反応性染料と、
セルロース繊維及び/又はポリアミド繊維との反応定着
処理を行う工程;及び (iii)前記工程(ii)によって得られた布帛を洗
浄し、セルロース繊維及び/又はポリアミド繊維と未反
応の反応染料を除去する工程、を有することを特徴とす
るインクジェット捺染方法、係る方法に用いるインクジ
ェット機器、及びかかる方法によって得られた捺染布帛
とその加工品である。
て、前述の如き種々の要求性能を同時に満足させるべく
インクの改良を行った結果、反応染料を使用したインク
中に、ジカルボン酸及び/又はそのアルカリ金属塩、又
は、トリカルボン酸及び/又はそのアルカリ金属塩を含
有させることによって、セルロース繊維及び/又はポリ
アミド繊維を含有する布帛に対して、均染性、染着性、
発色性、彩度等の染色特性が格段に改善され、しかも長
時間にわたって安定した吐出が得られ、長期間保存した
インクを用いても吐出特性、発色特性に何ら変化がない
ことを知見した。
インクジェットヘッドを使用した場合、特に顕著であっ
た。
ルボン酸及び/又はそのアルカリ金属塩、トリカルボン
酸及び/又はそのアルカリ金属塩の存在によって、水性
液媒体中において染料間の相互作用が抑制され、分子レ
ベルでの染料の繊維に対する反応特性が飛躍的に向上し
た為と思われる。
安定化は、本発明で用いるカルボン酸類による緩衝効果
と染料の凝集防止効果に基づくものと思われる。
用いた場合、本発明のインクは染料によるヘッドヒータ
ー上への沈着物の堆積が、抑制されることが確認され
た。
上の沈着物による発泡力の低下や、ノズル先端部のカル
ボン酸類の析出を引き起こすが、適度の添加による沈着
物の形成は、発泡力の低下を引き起こすことなしに消泡
時におけるキャビテーションを緩和し、断線を防ぐこと
も確認された。
ット捺染インクは、反応染料と水性液媒体を含み、ジカ
ルボン酸、そのアルカリ金属塩、トリカルボン酸、及び
そのアルカリ金属塩の少なくとも一種以上を含むことを
主に特徴としている。
が、好ましくは酸の形で示すと、マロン酸、コハク酸、
マレイン酸、イタコン酸、より好ましくは、マロン酸、
コハク酸が挙げられる。トリカルボン酸としては、特に
形は問わないが、好ましくはクエン酸が挙げられる。
は、好ましくは、Li、Na、Kが挙げられる。
0.01〜10%、好ましくは、0.02〜5%、より
好ましくは、0.03〜3%の範囲である。この範囲で
あれば、通常懸念される目詰まり性の問題は、捺染分野
での使用においては対応可能である。
せる際は、あらかじめ、これらを混合した後、インク中
へ加えることが好ましい。
加減することにより特定pHに調整することができる。
pHは、pH4〜9、好ましくは、pH4.5〜8.
5、より好ましくは、pH5〜8である。これらの物質
のインク中への合計含有量が0.01%未満の場合は、
発色性の改善効果が、不十分であることは勿論、インク
の吐出性劣化を引き起こす場合もある。さらに、熱エネ
ルギーを利用したインクジェットヘッドを使用した場
合、1×108 パルス程度の駆動によりヒーター破壊が
起こり得る。
題以外に、ノズル径がかなり大きい場合でも、インク組
成によっては、ノズル先端付近でカルボン酸類の析出に
よる目詰まりを起こす場合がある。さらに、熱エネルギ
ーを利用したヘッドを使用した場合、ヘッドヒーター上
に沈着物の堆積が起こり、発泡力の低下による不吐出が
発生する。
ないが、ビニルスルフォン基及び/又はモノクロルトリ
アジン基を有する反応染料がよい。より好ましい反応基
が特定されるのは、本発明が対象とするシステムを考え
た場合、反応性の強弱において、上記の2反応基がバラ
ンス的に優れている為である。例えば、反応性の強いジ
クロルトリアジンでは本発明の効果は得られにくく、反
応性の弱い、トリクロロピリジンでは効果が顕著ではな
い。
リアクティブイエロー2、15、37、42、76、9
5 C.I.リアクティブレッド21、22、24、3
1、33、45、58、111、112、114、18
0、218、226 C.I.リアクティブブルー15
、19、21、38、49、72、77、176、2
03、220 C.I.リアクティブオレンジ5、1
2、13、35 C.I.リアクティブブラウン7、1
1、33、46 C.I.リアクティブグリーン8、1
9 C.I.リアクティブバイオレット2、6、22
C.I.リアクティブブラック5、8、31、39等が
挙げられるが以上の染料に限定されるものではない。こ
れらの染料は、インク中に1種以上含有され、色相の異
なったものと併用することも可能であり、その使用量と
しては、一般的にはインク全量に対して合計で2〜30
重量%、好ましくは3〜25重量%、より好ましくは5
〜20重量%の範囲である。2重量%未満では発色濃度
が不十分であり、一方、30重量%を越えるとインクの
吐出適性が十分ではなくなる。
水については、インク全量に対して30〜95重量%、
好ましくは40〜90重量%、より好ましくは50〜8
5重量%の範囲である。
が、インクの液媒体として一般的な有機溶剤も併用する
ことができる。例えば、アセトン、ジアセトンアルコー
ル等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合
体;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレン
グリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含
むアルキレングリコール類;1,2,6−ヘキサントリ
オール等のトリオール類;チオジグリコール;グリセリ
ン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エー
テル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)
エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエ
チル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類;トリエチレングリコールジメチル(又はエチ
ル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又
はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキ
ルエーテル類;スルホラン、N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げ
られる。
インクの全重量に対して重量%で3〜60%、好ましく
は5〜50%の範囲である。
混合物として使用できるが、好ましい液媒体組成は、該
溶剤としてチオジグリコール、重合度2〜4のオキシエ
チレンまたはオキシプロピレンの重合体及びそのモノま
たはジアルキルエーテルを含有するものである。中で
も、チオジグリコール単独もしくはジエチレングリコー
ル、チオジグリコール混合系は特に良好なものである。
あるが、その他水性液媒体の構成成分として、各種の分
散剤、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、蛍光
増白剤等を必要に応じて添加することができる。
脂等の粘度調整剤;アニオンあるいはノニオン系の各種
界面活性剤;ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン等の表面張力調整剤;アルカリ金属によるpH調整
剤、防カビ剤等を挙げることができる。
リ性物質を少なくとも含有するセルロース繊維及び/又
はポリアミド繊維を主体とするものが好ましい。布帛の
製造方法については特に規定はないが、特開昭63−1
68382号公報、特公平3−46589号公報等に記
載の布帛を用いることができる。
ては、一般に繊維長が長く、糸や繊維の太さが細く、か
つ、より数が多いものほど良い。
の場合は、平均繊維長が25〜60mm、平均繊維太さ
が0.6〜2.2d、平均より数が70〜150/cm
の繊維から構成される布帛、ポリアミド繊維である絹繊
維を主体として含有する布帛の場合は、平均繊維太さ
2.5〜3.5dで構成される平均糸太さ14〜147
dの絹糸による布帛が好適である。
来の前処理方法を併用することができる。特に、布帛に
0.01〜5重量%のアルカリ性物質を含有させたも
の、または、水溶性金属塩、水溶性高分子、尿素、及び
チオ尿素の群から選ばれる物質を0.01〜20重量%
含有させたものがより好ましい場合がある。
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アル
カリ金属、モノ、ジ、トリエタノールアミン等のアミン
類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム
等の炭酸もしくは重炭酸アルカリ金属塩が挙げられる。
酢酸カルシウム、酢酸バリウム等の有機酸金属塩やアン
モニア及びアンモニア化合物がある。また、スチーミン
グ及び乾熱下でアルカリ性物質となるトリクロロ酢酸ナ
トリウム等も用い得る。特に好ましいアルカリ性物質と
しては、反応染料の染色に用いられる炭酸ナトリウム及
び重炭酸ナトリウムである。
ロコシ、小麦等のデンプン物質、カルボキシメチルセル
ロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス等のセルロース系物質、アルギン酸ナトリウム、アラ
ビヤゴム、ローカスイトビーンガム、トラガントガム、
グアーガム、タマリンド種子等の多糖類、ゼラチン、カ
ゼイン等の蛋白質物質、タンニン系物質、リグニン系物
質等の天然水溶性高分子が挙げられる。
ビニルアルコール系化合物、ポリエチレンオキサイド系
化合物、アクリル酸系水溶性高分子、無水マレイン酸系
水溶性高分子等が挙げられる。これらの中でも多糖類系
高分子やセルロース系高分子が好ましい。
リ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、典
型的なイオン結晶を作るものであって、pH4〜10で
ある化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例と
しては、例えば、アルカリ金属では、NaCl、Na2
SO4 、KCl、CH3 COONa等が挙げられ、ま
た、アルカリ土類金属としては、CaCl2 、MgCl
2 等が挙げられる。中でもNa、K、Caの塩類が好ま
しい。
維の公定水分率(セルロース繊維8.5%、絹繊維12
%)の5〜100%増し、より好ましくは、6〜80%
増しに調整した布帛が好適である。
記前処理剤の水溶液に浸せき後、ローラで絞り、必要に
応じて乾燥させる工程が一般的であるが限定されるもの
ではない。
る。
の重量、W″は水洗後絶乾した布帛の重量を表す。
の本発明のインクを使用する方法であり、使用するイン
クジェット記録方式は、従来公知のいずれのインクジェ
ット記録方式でもよいが、例えば、特開昭54−599
36号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作
用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変
化による作用力によって、インクをノズルから吐出させ
る方式が最も有効である。このような方式において本発
明のインクを使用することにより、長時間連続的に記録
を行ってもその発熱ヘッドでの異物の沈着や断線が発生
せず、安定した印捺が可能である。
適な装置の一例として、記録ヘッドの室内のインクに記
録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネルギー
より液滴を発生させる装置が挙げられる。
1、図2及び図3に示す。
ガラス、セラミックスまたはプラスチック板等と、感熱
記録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示さ
れているが、これに限定されるものではない)とを接着
して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成
される保護膜16、アルミニウム電極17−1、17−
2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、畜熱層
19、アルミナ等の放熱性のよい基盤20よりなってい
る。
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。
加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出
し、オリフィス22より記録小滴24となり、セルロー
ス繊維/又はポリアミド繊維を含有する布帛25に向か
って飛翔する。図3には図1に示すヘッドを多数並べた
マルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ
溝26を有するガラス板27と、図1に説明したものと
同様な発熱ヘッド28を密着して製作されている。尚、
図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であ
り、図2は図1のA−B線での切断面である。
ェット記録装置の一例を示す。
てのブレードであり、その一端はブレード保持部材によ
って保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をな
す。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接し
た位置に配設され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動
経路中に突出した形態で保持される。62はキャップで
あり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設
され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐
出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更
に63はブレード61に隣接して設けられる吸収体であ
り、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突
出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ
62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、
ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面に
水分、塵埃等の除去が行われる。
出口を配した吐出口面に対向する布帛にインクを吐出し
て記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載
して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジであ
る。キャリッジ66はガイド軸67と慴動可能に係合
し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動さ
れるベルト69と接続(不図示)している。これにより
キャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能とな
り、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領
域の移動が可能となる。
不図示のモータにより駆動される布送りローラである。
これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する
位置へ布帛が給布され記録が進行するにつれて排布ロー
ラ53を配した排布部へ排布される。
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出する様に移動する。
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で
記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移
動に伴って上記ワイピングが行われる。
チューブを介して供給されるインクを収容したインクカ
ートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用
インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であ
り、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。こ
の栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク
袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44
は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部とし
ては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエ
チレンで形成されているものが本発明にとって好まし
い。上記の如きそれらが一体になったものにも好適に用
いられる。
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタンを用いることが
本発明にとって好ましい。72は記録ユニット内部を大
気に連通させる為の大気連通口である。この記録ユニッ
ト70は、図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるも
のであって、キャリッジ66に対し着脱自在になってい
る。
高い捺染方法が得られる条件としては、吐出液滴が20
〜200pl、インク打込量が4〜40nl/mm2 、
駆動周波数1.5KHz以上、ヘッド温度35〜60℃
の条件が好ましい。
帛上に付与されるが、この状態では単に付着しているに
過ぎないので、引続き繊維への染料の反応定着及び未定
着の染料の除去工程を施すのが好ましい。このような反
応定着及び未反応の染料の除去方法は、従来公知の方法
で良く、例えば、スチーミング法、HTスチーミング
法、サーモフィックス法、あらかじめアルカリ処理した
布帛を用いない場合は、アルカリパッドスチーム法、ア
ルカリブロッチスチーム法、アルカリショック法、アル
カリコールドフィックス法等による処理をする。なかで
も、スチーミング法、HTスチーミング法は、本発明の
効果を一層高めるので好ましい。その後の洗浄は、従来
公知の方法に準じて行うことができる。
の後所望の大きさに切り離され、切り離された片は縫
着、接着、溶着等、最終的な加工品を得るための工程が
施され、ワンピース、ドレス、ネクタイ、水着等の衣類
や布団カバー、ソファカバー、ハンカチ、カーテン等が
得られる。布帛を縫製等により加工して衣類やその他の
日用品とする方法は、例えば「最新ニット縫製マニュア
ル」:センイジャーナル社発行や月刊誌「装苑」:文化
出版局発行等、公知の書籍に多数記載されている。
具体的に説明する。なお文中部及び%とあるのは重量基
準である。
pH7に調整し下記の成分を加えて2時間攪拌した後、
フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工
製)にて濾過し、本発明のインクジェット捺染インク
(A)(pH6.2)を得た。
pH7に調整し下記の成分を加えて2時間攪拌した後、
フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工
製)にて濾過し、本発明のインクジェット捺染インク
(B)(pH6.7)を得た。
pH7に調整し下記の成分を加えて2時間攪拌した後、
フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工
製)にて濾過し、本発明のインクジェット捺染インク
(C)(pH6.0)を得た。
pH7に調整し下記の成分を加えて2時間攪拌した後、
フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工
製)にて濾過し、本発明のインクジェット捺染インク
(D)(pH6.1)を得た。
pH7に調整し下記の成分を加えて2時間攪拌した後、
フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工
製)にて濾過し、本発明のインクジェット捺染インク
(E)(pH6.2)を得た。
pH7に調整し下記の成分を加えて2時間攪拌した後、
フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工
製)にて濾過し、本発明のインクジェット捺染インク
(F)(pH6.1)を得た。
pH7に調整し下記の成分を加えて2時間攪拌した後、
フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工
製)にて濾過し、本発明のインクジェット捺染インク
(G)(pH6.8)を得た。
pH7に調整した後、フロロポアフィルターFP−10
0(商品名、住友電工製)にて濾過し、比較の為のイン
クジェット捺染インク(H)を得た。
pH7に調整し下記の成分を加えて2時間攪拌した後、
フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工
製)にて濾過し、比較の為のインクジェット捺染インク
(I)(pH6.5)を得た。
インク(A〜I)を、熱エネルギーを使ったカラーバブ
ルジェットコピアPIXEL PRO(商品名、キヤノ
ン製)用ヘッド(ノズル数256、飛翔液滴20〜40
pl)を利用して、10本のノズルで2×108 パルス
の連続印字を行ったときの、ノズルの目詰り、吐出液滴
量や吐出速度の減少等の有無を調べた。
字を印字した後印字を停止し、キャップをしない状態で
7日間放置して、ノズルの先端付近での固形物の付着に
よる目詰りを調べた(ヘッドはいずれも35〜60℃の
範囲に昇温して使用した。)。
I)100ccをガラスビンに入れ、50℃に20日間
保存し、インクの保存安定性を調べた。インクの性質及
び評価結果を表1に示す。
ンクジェット捺染インク(A〜I)をカラーバブルジェ
ットコピアPIXEL PRO(商品名、キヤノン製)
に搭載し、予めアルカリ処理した綿100%の敷布(平
地細布、エジプト綿100%、水分率15%)、及び絹
100%の敷布(羽二重8匁付、水分率18%)にプリ
ントを行い、104℃で10分間の蒸熱処理による定着
を行い、その後、中性洗剤で洗浄して、染色品の均染性
について評価した。その結果を表2に示す(プリントは
2×10cmのベタサンプルをインク打込量16nl/
mm2 の条件で作成した)。
インクジェット捺染インクを用いた場合より比較例のイ
ンクジェット捺染インクを用いた方が、劣る結果となっ
た。
行ったときに、ノズルの目詰り、吐出液滴量や吐出速度
の減少等がおこらなかったノズル数を測定し、下記の基
準で評価。
置した時のノズルの先端付近での固形物の付着による目
詰りの状態を下記の基準で評価。
ン内に異物が発生するか否かを目視し、判定した。ま
た、保存インクを16ml/mm2 の打込量で印字し発
色させ、保存前のインクを用いた場合のプリント物との
発色濃度の比較をした。
れば、被染色布帛をセルロース繊維及び/又はポリアミ
ド繊維を主体として構成される布帛に対して、滲みがな
く鮮明で、且つ、高濃度の染色物を得ることが可能とな
る。
期にわたって安定し、常温で保存しても染色特性に変化
がない。
ット捺染において、長時間にわたってヘッドノズルにお
ける目詰り等の発生しない吐出性能が信頼性の高い印捺
を行うことができる。特に、熱エネルギーによるインク
の発泡現象によってインクを吐出させるタイプの記録に
おいては、格段に良好である。
図。
図。
観斜視図。
Claims (15)
- 【請求項1】 反応染料と、水性液媒体と、ジカルボン
酸及びそのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1種
の物質と、を含有し、pHが4〜9であることを特徴とす
るインクジェット捺染インク。 - 【請求項2】 反応染料と、水性液媒体と、トリカルボ
ン酸及びそのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1
種の物質と、を含有し、pHが4〜9であることを特徴と
するインクジェット捺染インク。 - 【請求項3】 前記ジカルボン酸、トリカルボン酸及び
これらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1種の
物質の合計含有量がインク全重量に対して0.01〜1
0重量%である請求項1又は2記載のインクジェット捺
染インク。 - 【請求項4】 前記ジカルボン酸及びそのアルカリ金属
塩がマロン酸、コハク酸及びそのアルカリ金属塩から選
ばれる少なくとも1種の物質である請求項1記載のイン
クジェット捺染インク。 - 【請求項5】 前記トリカルボン酸及びそのアルカリ金
属塩が、クエン酸及びそのアルカリ金属塩から選ばれる
少なくとも1種の物質である請求項2記載のインクジェ
ット捺染インク。 - 【請求項6】 前記反応染料がビニルスルホン及び/又
はモノクロルトリアジン基を有している請求項1又は2
記載のインクジェット捺染インク。 - 【請求項7】 (i)反応性染料と、水性液媒体と、ジ
カルボン酸及びそのアルカリ金属塩から選ばれる少なく
とも1種の物質と、を含有し、pHが4〜9のインク
を、インクジェット方式によってセルロース繊維及び/
又はポリアミド繊維を含有する布帛に付与する工程; (ii)該布帛に付与したインク中の該反応性染料とセ
ルロース繊維及び/又はポリアミド繊維との 反応定着処
理を行なう工程;及び (iii)前記工程(ii)によって得られた布帛を洗
浄し、セルロース繊維及び/又はポリアミド繊維と未反
応の染料を除去する工程、を有することを 特徴とするイ
ンクジェット捺染方法。 - 【請求項8】 (i)反応性染料と、水性液媒体と、ト
リカルボン酸及びそのアルカリ金属塩から選ばれる少な
くとも1種の物質と、を含有し、pHが4〜 9のインク
をインクジェット方式によってセルロース繊維及び/又
はポリアミド繊維を含有する布帛に付与する工程; (ii)該布帛に付与したインク中の該反応性染料と、
セルロース繊維及び/又はポリアミド繊維との反応定着
処理を行う工程;及び (iii)前記工程(ii)によって得られた布帛を洗
浄し、セルロース繊維及び/又はポリアミド繊維と未反
応の反応染料を除去する工程、を有することを特徴とす
るインクジェット捺染方法。 - 【請求項9】 前記布帛に予め前処理をした後、前記イ
ンクを付与する請求項7又は8記載のインクジェット捺
染方法。 - 【請求項10】 請求項1〜6の何れかに記載のインク
を収容しているインク収容部、前記インクをインク滴と
して吐出させるためのヘッド部を備えていることを特徴
とする記録ユニット。 - 【請求項11】 請求項1〜6の何れかに記載のインク
を収容しているインク収容部を備えていることを特徴と
するインクカートリッジ。 - 【請求項12】 請求項10に記載の記録ユニットを備
えていることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項13】 請求項11に記載のインクカートリッ
ジと、前記インクをインク滴として吐出させるための記
録ヘッドを備えていることを特徴とするインクジェット
記録装置。 - 【請求項14】 請求項7〜9のいずれかに記載のイン
クジェット捺染方法により捺染されたことを特徴とする
捺染布帛。 - 【請求項15】 請求項14に記載の捺染布帛を更に加
工して得られた加工品。
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