JP3346321B2 - 高強度Fe基焼結バルブシート - Google Patents
高強度Fe基焼結バルブシートInfo
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- C22C—ALLOYS
- C22C33/00—Making ferrous alloys
- C22C33/02—Making ferrous alloys by powder metallurgy
- C22C33/0207—Using a mixture of prealloyed powders or a master alloy
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F3/00—Manufacture of workpieces or articles from metallic powder characterised by the manner of compacting or sintering; Apparatus specially adapted therefor ; Presses and furnaces
- B22F3/10—Sintering only
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01L—CYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
- F01L3/00—Lift-valve, i.e. cut-off apparatus with closure members having at least a component of their opening and closing motion perpendicular to the closing faces; Parts or accessories thereof
- F01L3/02—Selecting particular materials for valve-members or valve-seats; Valve-members or valve-seats composed of two or more materials
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Description
【0001】
【発明の属する分野】この発明は、耐摩耗性に優れかつ
相手攻撃性の少ない鉄基焼結合金製バルブシートに関す
るものである。
相手攻撃性の少ない鉄基焼結合金製バルブシートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】焼結技術が進歩し、鉄基焼結合金からな
る各種機械部品を精度良く大量に生産できるようにな
り、バルブシートも焼結により製造するようになってき
た。鉄基焼結合金からなるバルブシートの一例として、
Cr:1〜3重量%、Mo:0.5〜3重量%、Ni:
0.5〜3重量%、Co:2〜8重量%、C:0.6〜
1.5重量%、Nb:0.2〜1重量%を含有し、残り
がFeおよび不可避不純物からなる組成並びにパーライ
ト相およびベーナイト相を主体とした組織からなる鉄基
合金組織を有する素地中に、Cr:25〜45重量%、
W:20〜30重量%、Co:20〜30重量%、C:
1〜3重量%、Si:0.2〜2重量%、Nb:0.2
〜2重量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物か
らなる組成を有する硬質粒子と、Mo:25〜32重量
%、Cr:7〜10重量%、Si:1.5〜3.5重量
%を含有し、残りがCoおよび不可避不純物からなる組
成の硬質粒子が合計で10〜25容量%が均一に分散し
た組織を有する鉄基焼結合金製バルブシートが知られて
いる(特開平3−158445号公報参照)。
る各種機械部品を精度良く大量に生産できるようにな
り、バルブシートも焼結により製造するようになってき
た。鉄基焼結合金からなるバルブシートの一例として、
Cr:1〜3重量%、Mo:0.5〜3重量%、Ni:
0.5〜3重量%、Co:2〜8重量%、C:0.6〜
1.5重量%、Nb:0.2〜1重量%を含有し、残り
がFeおよび不可避不純物からなる組成並びにパーライ
ト相およびベーナイト相を主体とした組織からなる鉄基
合金組織を有する素地中に、Cr:25〜45重量%、
W:20〜30重量%、Co:20〜30重量%、C:
1〜3重量%、Si:0.2〜2重量%、Nb:0.2
〜2重量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物か
らなる組成を有する硬質粒子と、Mo:25〜32重量
%、Cr:7〜10重量%、Si:1.5〜3.5重量
%を含有し、残りがCoおよび不可避不純物からなる組
成の硬質粒子が合計で10〜25容量%が均一に分散し
た組織を有する鉄基焼結合金製バルブシートが知られて
いる(特開平3−158445号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、高性能
化、高燃費化、軽量化を追及して開発され実用化されて
いる燃料を燃焼室内に直接噴射する直噴射エンジンや空
燃費を高め希薄燃焼させるリーンバーンエンジンなどで
は燃焼室内が従来のエンジンよりも高温になり、かかる
高温下では前記従来のバルブシートでは十分な耐摩耗性
が得られず、さらに相手材であるバルブを激しく摩耗さ
せるという欠点があった。
化、高燃費化、軽量化を追及して開発され実用化されて
いる燃料を燃焼室内に直接噴射する直噴射エンジンや空
燃費を高め希薄燃焼させるリーンバーンエンジンなどで
は燃焼室内が従来のエンジンよりも高温になり、かかる
高温下では前記従来のバルブシートでは十分な耐摩耗性
が得られず、さらに相手材であるバルブを激しく摩耗さ
せるという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述のような観点から、高温下で従来よりも耐摩耗性に
優れかつ相手材であるバルブに対する相手攻撃性の少な
い鉄基焼結合金製バルブシートを得るべく研究を行なっ
ていたところ、 (a)Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜1
2重量%、C:0.0005〜0.8重量%を含有し、
残りがFeおよび不可避不純物からなる組成を有しかつ
Feを主成分とするFe基合金相をCuを主成分とする
Cu基合金相により結合してなる組織を有する素地中に
マイクロビッカース硬さ(以下、MHVという):50
0〜1700の硬質粒子相が5〜30容量%の割合で分
散しており、この硬質粒子相は半団子状をした前記Fe
基合金相により包囲された状態で分散している鉄基焼結
合金で構成された鉄基焼結合金製バルブシートは、従来
の鉄基焼結合金製バルブシートよりも一層強度および耐
摩耗性が優れ、かつ相手攻撃性が少ない、 (b)Coまたは/およびCrを含有する硬質粒子を、
Fe粉末、C粉末およびNi−Cu合金粉末と共に混合
し、成形し、焼結すると、硬質粒子成分のCoまたは/
およびCrの一部が素地に拡散して、Cu:21.8〜
28重量%、Ni:0.3〜12重量%、C:0.00
05〜0.8重量%、Co:0.1〜10重量%または
/およびCr:0.1〜10重量%を含有する素地が形
成され、かかる成分組成の素地を有する鉄基焼結合金製
バルブシートは、従来の鉄基焼結合金製バルブシートよ
りもさらに一層強度および耐摩耗性が優れ、かつ相手攻
撃性が一層少なくなる、という知見を得たのである。
上述のような観点から、高温下で従来よりも耐摩耗性に
優れかつ相手材であるバルブに対する相手攻撃性の少な
い鉄基焼結合金製バルブシートを得るべく研究を行なっ
ていたところ、 (a)Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜1
2重量%、C:0.0005〜0.8重量%を含有し、
残りがFeおよび不可避不純物からなる組成を有しかつ
Feを主成分とするFe基合金相をCuを主成分とする
Cu基合金相により結合してなる組織を有する素地中に
マイクロビッカース硬さ(以下、MHVという):50
0〜1700の硬質粒子相が5〜30容量%の割合で分
散しており、この硬質粒子相は半団子状をした前記Fe
基合金相により包囲された状態で分散している鉄基焼結
合金で構成された鉄基焼結合金製バルブシートは、従来
の鉄基焼結合金製バルブシートよりも一層強度および耐
摩耗性が優れ、かつ相手攻撃性が少ない、 (b)Coまたは/およびCrを含有する硬質粒子を、
Fe粉末、C粉末およびNi−Cu合金粉末と共に混合
し、成形し、焼結すると、硬質粒子成分のCoまたは/
およびCrの一部が素地に拡散して、Cu:21.8〜
28重量%、Ni:0.3〜12重量%、C:0.00
05〜0.8重量%、Co:0.1〜10重量%または
/およびCr:0.1〜10重量%を含有する素地が形
成され、かかる成分組成の素地を有する鉄基焼結合金製
バルブシートは、従来の鉄基焼結合金製バルブシートよ
りもさらに一層強度および耐摩耗性が優れ、かつ相手攻
撃性が一層少なくなる、という知見を得たのである。
【0005】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、 (1)Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜1
2重量%、C:0.0005〜0.8重量%を含有し、
残りがFeおよび不可避不純物からなる組成を有し、か
つFe基合金相をCu基合金相により結合してなる素地
中にマイクロビッカース硬さ(以下、MHVという):
500〜1700の硬質粒子相が5〜30容量%の割合
で分散しており、前記硬質粒子相は半団子状をした前記
Fe基合金相により包囲された状態で分散している組織
を有する鉄基焼結合金製バルブシート、 (2)Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜1
2重量%、C:0.0005〜0.8重量%、Co:
0.1〜10重量%を含有し、残りがFeおよび不可避
不純物からなる組成を有し、かつFe基合金相をCu基
合金相により結合してなる素地中にMHV:500〜1
700の硬質粒子相が5〜30容量%の割合で分散して
おり、前記硬質粒子相は半団子状をした前記Fe基合金
相により包囲された状態で分散している組織を有する鉄
基焼結合金製バルブシート、 (3)Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜1
2重量%、C:0.0005〜0.8重量%、Co:
0.1〜10重量%を含有し、残りがFeおよび不可避
不純物からなる組成を有し、かつFe基合金相をCu基
合金相により結合してなる素地中に、MHV:500〜
1700の硬質粒子相が5〜30容量%の割合で分散し
ており、前記硬質粒子相は半団子状をした前記Fe基合
金相により包囲された状態で分散している組織を有する
鉄基焼結合金製バルブシート、 (4)Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜1
2重量%、C:0.0005〜8重量%、Co:0.1
〜10重量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物
からなる組成を有し、かつFe基合金相をCu基合金相
により結合してなる素地中に、MHV:500〜170
0の硬質粒子相が5〜30容量%の割合で分散してお
り、前記硬質粒子相は半団子状をした前記Fe基合金相
により包囲された状態で分散している組織を有する鉄基
焼結合金製バルブシート、に特徴を有するものである。
れたものであって、 (1)Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜1
2重量%、C:0.0005〜0.8重量%を含有し、
残りがFeおよび不可避不純物からなる組成を有し、か
つFe基合金相をCu基合金相により結合してなる素地
中にマイクロビッカース硬さ(以下、MHVという):
500〜1700の硬質粒子相が5〜30容量%の割合
で分散しており、前記硬質粒子相は半団子状をした前記
Fe基合金相により包囲された状態で分散している組織
を有する鉄基焼結合金製バルブシート、 (2)Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜1
2重量%、C:0.0005〜0.8重量%、Co:
0.1〜10重量%を含有し、残りがFeおよび不可避
不純物からなる組成を有し、かつFe基合金相をCu基
合金相により結合してなる素地中にMHV:500〜1
700の硬質粒子相が5〜30容量%の割合で分散して
おり、前記硬質粒子相は半団子状をした前記Fe基合金
相により包囲された状態で分散している組織を有する鉄
基焼結合金製バルブシート、 (3)Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜1
2重量%、C:0.0005〜0.8重量%、Co:
0.1〜10重量%を含有し、残りがFeおよび不可避
不純物からなる組成を有し、かつFe基合金相をCu基
合金相により結合してなる素地中に、MHV:500〜
1700の硬質粒子相が5〜30容量%の割合で分散し
ており、前記硬質粒子相は半団子状をした前記Fe基合
金相により包囲された状態で分散している組織を有する
鉄基焼結合金製バルブシート、 (4)Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜1
2重量%、C:0.0005〜8重量%、Co:0.1
〜10重量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物
からなる組成を有し、かつFe基合金相をCu基合金相
により結合してなる素地中に、MHV:500〜170
0の硬質粒子相が5〜30容量%の割合で分散してお
り、前記硬質粒子相は半団子状をした前記Fe基合金相
により包囲された状態で分散している組織を有する鉄基
焼結合金製バルブシート、に特徴を有するものである。
【0006】例えば、前記硬質粉末としてFe:10〜
50重量%を含有し、残部がMoである組成のMo基合
金からなる硬質粉末を添加し焼結すると、硬質粉末に含
まれるMoは焼結中に素地にほとんど拡散せず、したが
って、Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜1
2重量%、C:0.0005〜0.8重量%を含有し、
残りがFeおよび不可避不純物からなる組成を有しかつ
Fe基合金相をCu基合金相で結合してなる素地を形成
し、一方、Fe:10〜50重量%を含有し、さらに素
地から拡散したNi:0.01〜5%、Cu:0.01
〜5%およびC:0.1〜3%を含有するMo基合金か
らなるMHV:500〜1700の硬質粒子相がこの素
地中に形成され、前記(1)記載のこの発明の鉄基焼結
合金製バルブシートが作られる。
50重量%を含有し、残部がMoである組成のMo基合
金からなる硬質粉末を添加し焼結すると、硬質粉末に含
まれるMoは焼結中に素地にほとんど拡散せず、したが
って、Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜1
2重量%、C:0.0005〜0.8重量%を含有し、
残りがFeおよび不可避不純物からなる組成を有しかつ
Fe基合金相をCu基合金相で結合してなる素地を形成
し、一方、Fe:10〜50重量%を含有し、さらに素
地から拡散したNi:0.01〜5%、Cu:0.01
〜5%およびC:0.1〜3%を含有するMo基合金か
らなるMHV:500〜1700の硬質粒子相がこの素
地中に形成され、前記(1)記載のこの発明の鉄基焼結
合金製バルブシートが作られる。
【0007】したがって、この発明は、 (5)前記MHV:500〜1700の硬質粒子相は、
MoおよびFeを主成分とするMo―Fe合金からなる
前記(1)記載の鉄基焼結合金製バルブシート、に特徴
を有するものである。
MoおよびFeを主成分とするMo―Fe合金からなる
前記(1)記載の鉄基焼結合金製バルブシート、に特徴
を有するものである。
【0008】また、例えば、前記硬質粉末としてFe:
10〜50重量%を含有し、残部がCoである組成のC
o基合金からなる硬質粉末を添加し焼結すると、焼結中
に硬質粉末に含まれるCoは素地に拡散し、したがっ
て、Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜12
重量%、C:0.0005〜0.8重量%、Co:0.
1〜10重量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純
物からなる組成を有しかつFeを主成分とするFe基合
金相をCuを主成分とするCu基合金相で結合してなる
素地を形成し、一方、Fe:10〜50重量%を含有
し、さらに素地から拡散したNi:0.01〜5%、C
u:0.01〜5%およびC:0.1〜3%を含有する
Co基合金からなるMHV:500〜1700の硬質粒
子相がこの素地中に形成され、前記(2)記載のこの発
明の鉄基焼結合金製バルブシートが作られる。
10〜50重量%を含有し、残部がCoである組成のC
o基合金からなる硬質粉末を添加し焼結すると、焼結中
に硬質粉末に含まれるCoは素地に拡散し、したがっ
て、Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜12
重量%、C:0.0005〜0.8重量%、Co:0.
1〜10重量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純
物からなる組成を有しかつFeを主成分とするFe基合
金相をCuを主成分とするCu基合金相で結合してなる
素地を形成し、一方、Fe:10〜50重量%を含有
し、さらに素地から拡散したNi:0.01〜5%、C
u:0.01〜5%およびC:0.1〜3%を含有する
Co基合金からなるMHV:500〜1700の硬質粒
子相がこの素地中に形成され、前記(2)記載のこの発
明の鉄基焼結合金製バルブシートが作られる。
【0009】したがって、この発明は、 (6)前記MHV:500〜1700の硬質粒子相は、
CoおよびFeを主成分とするCo―Fe系合金からな
る前記(2)記載の鉄基焼結合金製バルブシート、に特
徴を有するものである。
CoおよびFeを主成分とするCo―Fe系合金からな
る前記(2)記載の鉄基焼結合金製バルブシート、に特
徴を有するものである。
【0010】また、例えば、前記硬質粉末としてCr:
10〜40重量%、Mo:5〜25重量%を含有し、残
部がNiである組成のNi基合金からなる硬質粉末を添
加し焼結すると、焼結中に硬質粉末に含まれるCrは素
地中に拡散するがMoは素地に拡散しないところから、
Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜12重量
%、C:0.0005〜0.8重量%、Cr:0.1〜
10重量%を含有しかつFe残りがFeおよび不可避不
純物からなる組成を有しかつFeを主成分とするFe基
合金相をCuを主成分とするCu基合金相で結合してな
る素地を形成し、一方、Cr:10〜40重量%、M
o:5〜25重量%を含有し、さらに素地から拡散した
Fe:2〜20%、Cu:0.01〜10%およびC:
0.1〜3%を含有するNi基合金で構成されたMH
V:500〜1700の範囲内の硬質粒子相が素地中に
形成され、前記(3)記載のこの発明の鉄基焼結合金製
バルブシートが作られる。
10〜40重量%、Mo:5〜25重量%を含有し、残
部がNiである組成のNi基合金からなる硬質粉末を添
加し焼結すると、焼結中に硬質粉末に含まれるCrは素
地中に拡散するがMoは素地に拡散しないところから、
Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜12重量
%、C:0.0005〜0.8重量%、Cr:0.1〜
10重量%を含有しかつFe残りがFeおよび不可避不
純物からなる組成を有しかつFeを主成分とするFe基
合金相をCuを主成分とするCu基合金相で結合してな
る素地を形成し、一方、Cr:10〜40重量%、M
o:5〜25重量%を含有し、さらに素地から拡散した
Fe:2〜20%、Cu:0.01〜10%およびC:
0.1〜3%を含有するNi基合金で構成されたMH
V:500〜1700の範囲内の硬質粒子相が素地中に
形成され、前記(3)記載のこの発明の鉄基焼結合金製
バルブシートが作られる。
【0011】したがって、この発明は、 (7)前記MHV:500〜1700の硬質粒子相は、
Ni、CrおよびMoを主成分とするNi合金からなる
前記(3)記載の鉄基焼結合金製バルブシート、に特徴
を有するものである。
Ni、CrおよびMoを主成分とするNi合金からなる
前記(3)記載の鉄基焼結合金製バルブシート、に特徴
を有するものである。
【0012】また、例えば、前記硬質粉末としてMo:
15〜35%、Cr:2〜13%、Si:0.5〜5%
を含有し、残部がCoのCo基合金からなる硬質粉末を
添加し焼結すると、焼結中に硬質粉末に含まれるCoお
よびCrは素地中に拡散し、Moはほとんど素地に拡散
しないところから、Cu:21.8〜28重量%、N
i:0.3〜12重量%、C:0.0005〜0.8重
量%、Co:0.1〜10重量%、Cr:0.1〜10
重量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物からな
る組成を有しかつFeを主成分とするFe基合金相をC
uを主成分とするCu基合金相で結合してなる素地を形
成し、一方、Mo:15〜35%、Cr:2〜13%、
Si:0.5〜5%を含有し、さらに素地から拡散した
Ni:0.01〜5%、Cu:0.01〜5%、Fe:
2〜20%およびC:0.1〜3%を含有するCo合金
で構成されたMHV:500〜1700の範囲内の硬質
粒子相が素地中に形成され、前記(4)記載のこの発明
の鉄基焼結合金製バルブシートが作られる。
15〜35%、Cr:2〜13%、Si:0.5〜5%
を含有し、残部がCoのCo基合金からなる硬質粉末を
添加し焼結すると、焼結中に硬質粉末に含まれるCoお
よびCrは素地中に拡散し、Moはほとんど素地に拡散
しないところから、Cu:21.8〜28重量%、N
i:0.3〜12重量%、C:0.0005〜0.8重
量%、Co:0.1〜10重量%、Cr:0.1〜10
重量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物からな
る組成を有しかつFeを主成分とするFe基合金相をC
uを主成分とするCu基合金相で結合してなる素地を形
成し、一方、Mo:15〜35%、Cr:2〜13%、
Si:0.5〜5%を含有し、さらに素地から拡散した
Ni:0.01〜5%、Cu:0.01〜5%、Fe:
2〜20%およびC:0.1〜3%を含有するCo合金
で構成されたMHV:500〜1700の範囲内の硬質
粒子相が素地中に形成され、前記(4)記載のこの発明
の鉄基焼結合金製バルブシートが作られる。
【0013】したがって、この発明は、 (8)前記MHV:500〜1700の硬質粒子相は、
Co、Mo、CrおよびSiを主成分とするCo−Mo
−Cr−Si系合金からなる前記(7)または(8)記
載の鉄基焼結合金製バルブシート、に特徴を有するもの
である。
Co、Mo、CrおよびSiを主成分とするCo−Mo
−Cr−Si系合金からなる前記(7)または(8)記
載の鉄基焼結合金製バルブシート、に特徴を有するもの
である。
【0014】また、例えば、前記硬質粉末として重量%
で、Cr:5〜40%、W:15〜30%、Co:5〜
30%C:0.1〜3%、Si:0.1〜3%、Nb:
0.1〜3%を含有し、残部がFeのFe基合金からな
る硬質粉末を添加し焼結すると、焼結中に硬質粉末に含
まれるCoおよびCrは素地中に拡散することから、C
u:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜12重量
%、C:0.0005〜0.8重量%、Co:0.1〜
10重量%、Cr:0.1〜10重量%を含有し、残り
がFeおよび不可避不純物からなる組成を有しかつFe
を主成分とするFe基合金相をCuを主成分とするCu
基合金相で結合してなる素地を形成し、一方、Cr:5
〜40%、W:15〜30%、Co:5〜30%、C:
0.1〜3%、Si:0.1〜3%、Nb:0.1〜3
%を含有し、さらに素地から拡散したNi:0.01〜
8%、Cu:0.01〜8%を含有する合金で構成され
たMHV:500〜1700の範囲内の硬質粒子相が素
地中に形成され、前記(4)記載のこの発明の鉄基焼結
合金製バルブシートが作られる。
で、Cr:5〜40%、W:15〜30%、Co:5〜
30%C:0.1〜3%、Si:0.1〜3%、Nb:
0.1〜3%を含有し、残部がFeのFe基合金からな
る硬質粉末を添加し焼結すると、焼結中に硬質粉末に含
まれるCoおよびCrは素地中に拡散することから、C
u:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜12重量
%、C:0.0005〜0.8重量%、Co:0.1〜
10重量%、Cr:0.1〜10重量%を含有し、残り
がFeおよび不可避不純物からなる組成を有しかつFe
を主成分とするFe基合金相をCuを主成分とするCu
基合金相で結合してなる素地を形成し、一方、Cr:5
〜40%、W:15〜30%、Co:5〜30%、C:
0.1〜3%、Si:0.1〜3%、Nb:0.1〜3
%を含有し、さらに素地から拡散したNi:0.01〜
8%、Cu:0.01〜8%を含有する合金で構成され
たMHV:500〜1700の範囲内の硬質粒子相が素
地中に形成され、前記(4)記載のこの発明の鉄基焼結
合金製バルブシートが作られる。
【0015】したがって、この発明は、(13)前記M
HV:500〜1700の硬質粒子相は、Fe、Cr、
W、Co、C、Si、Nbを主成分とするFe−Cr−
W−Co−C−Si−Nb合金からなる前記(4)記載
の鉄基焼結合金製バルブシート、に特徴を有するもので
ある。
HV:500〜1700の硬質粒子相は、Fe、Cr、
W、Co、C、Si、Nbを主成分とするFe−Cr−
W−Co−C−Si−Nb合金からなる前記(4)記載
の鉄基焼結合金製バルブシート、に特徴を有するもので
ある。
【0016】さらに、例えば、前記硬質粉末として重量
%で、Cr:5〜40%、Mo:15〜30%、Co:
5〜30%C:0.1〜3%、Si:0.1〜3%、N
b:0.1〜3%を含有し、残部がFeのFe基合金か
らなる硬質粉末を使用すると、焼結中に硬質粉末に含ま
れるCoおよびCrは素地中に拡散することから、C
u:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜12重量
%、C:0.0005〜0.8重量%、Co:0.1〜
10重量%、Cr:0.1〜10重量%を含有し、残り
がFeおよび不可避不純物からなる組成を有しかつFe
を主成分とするFe基合金相をCuを主成分とするCu
基合金相で結合してなる素地を形成し、この素地中に、
Cr:5〜40%、Mo:15〜30%、Co:5〜3
0%、C:0.1〜3%、Si:0.1〜3%、Nb:
0.1〜3%を含有し、さらに素地から拡散したNi:
0.01〜8%、Cu:0.01〜8%を含有する合金
で構成されたMHV:500〜1700の範囲内の硬質
粒子相が素地中に形成され、前記(4)記載のこの発明
の鉄基焼結合金製バルブシートが作られる。
%で、Cr:5〜40%、Mo:15〜30%、Co:
5〜30%C:0.1〜3%、Si:0.1〜3%、N
b:0.1〜3%を含有し、残部がFeのFe基合金か
らなる硬質粉末を使用すると、焼結中に硬質粉末に含ま
れるCoおよびCrは素地中に拡散することから、C
u:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜12重量
%、C:0.0005〜0.8重量%、Co:0.1〜
10重量%、Cr:0.1〜10重量%を含有し、残り
がFeおよび不可避不純物からなる組成を有しかつFe
を主成分とするFe基合金相をCuを主成分とするCu
基合金相で結合してなる素地を形成し、この素地中に、
Cr:5〜40%、Mo:15〜30%、Co:5〜3
0%、C:0.1〜3%、Si:0.1〜3%、Nb:
0.1〜3%を含有し、さらに素地から拡散したNi:
0.01〜8%、Cu:0.01〜8%を含有する合金
で構成されたMHV:500〜1700の範囲内の硬質
粒子相が素地中に形成され、前記(4)記載のこの発明
の鉄基焼結合金製バルブシートが作られる。
【0017】したがって、この発明は、 (10)前記MHV:500〜1700の硬質粒子相
は、Fe、Cr、Mo、Co、C、Si、Nbを主成分
とするFe−Cr−Mo−Co−C−Si−Nb合金か
らなる前記(4)記載の鉄基焼結合金製バルブシート、
に特徴を有するものである。
は、Fe、Cr、Mo、Co、C、Si、Nbを主成分
とするFe−Cr−Mo−Co−C−Si−Nb合金か
らなる前記(4)記載の鉄基焼結合金製バルブシート、
に特徴を有するものである。
【0018】前記MHV:500〜1700の硬質粒子
相は、前記5、6、7、8、9および10記載の合金か
らなる硬質粒子相が混在していてもよい。したがって、
この発明は、(11)MHV:500〜1700の硬質
粒子相は、前記(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)および(10)記載の合金からなる硬質粒子相の
全部または一部が混在している前記(2)、(3)また
は(4)記載の鉄基焼結合金製バルブシート、に特徴を
有するものである。
相は、前記5、6、7、8、9および10記載の合金か
らなる硬質粒子相が混在していてもよい。したがって、
この発明は、(11)MHV:500〜1700の硬質
粒子相は、前記(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)および(10)記載の合金からなる硬質粒子相の
全部または一部が混在している前記(2)、(3)また
は(4)記載の鉄基焼結合金製バルブシート、に特徴を
有するものである。
【0019】前記鉄基焼結合金製バルブシートの素地中
に分散する硬質粒子相は、MHV:500〜1700の
範囲内の硬質粒子相であればよいが、相手材であるバル
ブの材質によって鉄基焼結合金製バルブシートの素地中
に分散する硬質粒子相をMHV:500〜1000の硬
質粒子相、MHV:800〜1700の硬質粒子相、並
びにMHV:500〜1000の硬質粒子相およびMH
V:800〜1700の硬質粒子混合相に分けて使用す
ることが一層好ましい。
に分散する硬質粒子相は、MHV:500〜1700の
範囲内の硬質粒子相であればよいが、相手材であるバル
ブの材質によって鉄基焼結合金製バルブシートの素地中
に分散する硬質粒子相をMHV:500〜1000の硬
質粒子相、MHV:800〜1700の硬質粒子相、並
びにMHV:500〜1000の硬質粒子相およびMH
V:800〜1700の硬質粒子混合相に分けて使用す
ることが一層好ましい。
【0020】例えば、相手材であるバルブの材質がSU
H35、SUH36などのオーステナイト系耐熱鋼であ
る場合は、鉄基焼結合金製バルブシートの素地中に分散
する硬質粒子相をMHV:500〜1000の範囲内の
硬質粒子相であることが一層好ましく、相手材であるバ
ルブの材質がSUH3、SUH11などのマルテンサイ
ト系耐熱鋼である場合は、鉄基焼結合金製バルブシート
の素地中に分散する硬質粒子相をMHV:800〜17
00の硬質粒子相であることが一層好ましく、さらに、
相手材であるバルブのフェース面材質がCo基耐熱合金
の盛金である場合は、鉄基焼結合金製バルブシートの素
地中に分散する硬質粒子相をMHV:500〜1000
およびMHV:800〜1700の硬質粒子混合相とす
ることが好ましい。
H35、SUH36などのオーステナイト系耐熱鋼であ
る場合は、鉄基焼結合金製バルブシートの素地中に分散
する硬質粒子相をMHV:500〜1000の範囲内の
硬質粒子相であることが一層好ましく、相手材であるバ
ルブの材質がSUH3、SUH11などのマルテンサイ
ト系耐熱鋼である場合は、鉄基焼結合金製バルブシート
の素地中に分散する硬質粒子相をMHV:800〜17
00の硬質粒子相であることが一層好ましく、さらに、
相手材であるバルブのフェース面材質がCo基耐熱合金
の盛金である場合は、鉄基焼結合金製バルブシートの素
地中に分散する硬質粒子相をMHV:500〜1000
およびMHV:800〜1700の硬質粒子混合相とす
ることが好ましい。
【0021】前記鉄基焼結合金製バルブシートの素地を
構成するFeを主成分とするFe基合金相はNi、C
u、Cおよび硬質粒子から拡散した成分を含みFeを5
0重量%以上含むFe合金相であり、Cuを主成分とす
るCu基合金相はNi、FeおよびCを含みCuを50
重量%以上含むCu合金相であり、かつFe基合金相に
含まれるNiおよびC濃度は、Cu基合金相に含まれる
NiおよびCの濃度よりも大きい。
構成するFeを主成分とするFe基合金相はNi、C
u、Cおよび硬質粒子から拡散した成分を含みFeを5
0重量%以上含むFe合金相であり、Cuを主成分とす
るCu基合金相はNi、FeおよびCを含みCuを50
重量%以上含むCu合金相であり、かつFe基合金相に
含まれるNiおよびC濃度は、Cu基合金相に含まれる
NiおよびCの濃度よりも大きい。
【0022】したがって、前記(1)〜(11)に記載
の鉄基焼結合金製バルブシートにおける素地を構成する
Feを主成分とするFe基合金相はNi、Cu、Cおよ
び硬質粒子から拡散した成分を含みFeを50重量%以
上含むFe合金相であり、前記Fe合金相を結合するC
uを主成分とするCu基合金相はNi、Fe、Cおよび
硬質粒子から拡散した成分を含みCuを50重量%以上
含むCu合金相であり、かつFe基合金相に含まれるN
iおよびCの濃度は、Cu基合金相に含まれるNiおよ
びCの濃度よりも大きい鉄基焼結合金製バルブシート、
に特徴を有するものである。
の鉄基焼結合金製バルブシートにおける素地を構成する
Feを主成分とするFe基合金相はNi、Cu、Cおよ
び硬質粒子から拡散した成分を含みFeを50重量%以
上含むFe合金相であり、前記Fe合金相を結合するC
uを主成分とするCu基合金相はNi、Fe、Cおよび
硬質粒子から拡散した成分を含みCuを50重量%以上
含むCu合金相であり、かつFe基合金相に含まれるN
iおよびCの濃度は、Cu基合金相に含まれるNiおよ
びCの濃度よりも大きい鉄基焼結合金製バルブシート、
に特徴を有するものである。
【0023】この発明の鉄基焼結合金製バルブシート
は、原料粉末として、Fe粉末、黒鉛粉末、Cu−Ni
合金粉末、MHV:500〜1700の硬質粉末を用意
し、これら原料粉末を所定の割合で配合して混合し、さ
らに金型成型時の潤滑剤であるステアリン酸亜鉛末とと
もにダブルコーンミキサーで混合し、プレス成形して圧
粉体を作製し、圧粉体を水素を含む窒素雰囲気中、温
度:1100〜1300℃で燒結することにより製造す
る。焼結温度は1090〜1200℃が一層好ましい。
は、原料粉末として、Fe粉末、黒鉛粉末、Cu−Ni
合金粉末、MHV:500〜1700の硬質粉末を用意
し、これら原料粉末を所定の割合で配合して混合し、さ
らに金型成型時の潤滑剤であるステアリン酸亜鉛末とと
もにダブルコーンミキサーで混合し、プレス成形して圧
粉体を作製し、圧粉体を水素を含む窒素雰囲気中、温
度:1100〜1300℃で燒結することにより製造す
る。焼結温度は1090〜1200℃が一層好ましい。
【0024】この発明の鉄基焼結合金製バルブシートの
製造方法において、原料粉末としてCu−Ni合金粉末
を使用する。その理由は下記の焼結メカニズムによるも
のと考えられる。すなわち、Cu−Ni合金粉末を配合
すると、焼結初期段階においてCu−Ni合金の固液共
存域に昇温されても一気に大量のCu液相が発生するの
ではなく、穏やかに焼結が進行し、焼結体に歪み、撓み
などの変形は生じさせない。焼結中期段階において、C
u−Ni合金粉末のNiはFeとの親和性が高いため、
Fe粉末中に拡散する。Fe粉末中のNi濃度が高くな
るとCuのFeへの固溶限が高くなるため、FeへのC
uの拡散も活発になり、FeとCuの密着性が向上す
る。焼結後期段階においては、Cu−Ni合金相中のN
i含有量が低下しているため、Cu−Ni合金粉末の融
点が下がり、一気に多量の液相が発生し、ダイナミック
な相焼結が進行する。なお、焼結後期段階において一気
に多量の液相が発生しても、既に十分な焼結が進行した
後であるので焼結体に歪み、撓みは発生しない。Cu−
Ni合金粉末を原料粉末として使用したこの発明の鉄基
焼結合金製バルブシートの焼結は前述のようなメカニズ
ムによるものと考えられるから、この発明の鉄基焼結合
金製バルブシートを製造する際に使用する原料粉末とし
て、特にCu−Ni合金(Ni:1〜25重量%を含有
し、残部がCuおよび不可避不純物からなる母合金)粉
末を使用することが好ましい。
製造方法において、原料粉末としてCu−Ni合金粉末
を使用する。その理由は下記の焼結メカニズムによるも
のと考えられる。すなわち、Cu−Ni合金粉末を配合
すると、焼結初期段階においてCu−Ni合金の固液共
存域に昇温されても一気に大量のCu液相が発生するの
ではなく、穏やかに焼結が進行し、焼結体に歪み、撓み
などの変形は生じさせない。焼結中期段階において、C
u−Ni合金粉末のNiはFeとの親和性が高いため、
Fe粉末中に拡散する。Fe粉末中のNi濃度が高くな
るとCuのFeへの固溶限が高くなるため、FeへのC
uの拡散も活発になり、FeとCuの密着性が向上す
る。焼結後期段階においては、Cu−Ni合金相中のN
i含有量が低下しているため、Cu−Ni合金粉末の融
点が下がり、一気に多量の液相が発生し、ダイナミック
な相焼結が進行する。なお、焼結後期段階において一気
に多量の液相が発生しても、既に十分な焼結が進行した
後であるので焼結体に歪み、撓みは発生しない。Cu−
Ni合金粉末を原料粉末として使用したこの発明の鉄基
焼結合金製バルブシートの焼結は前述のようなメカニズ
ムによるものと考えられるから、この発明の鉄基焼結合
金製バルブシートを製造する際に使用する原料粉末とし
て、特にCu−Ni合金(Ni:1〜25重量%を含有
し、残部がCuおよび不可避不純物からなる母合金)粉
末を使用することが好ましい。
【0025】これらのメカニズムはこの発明の鉄基焼結
合金製バルブシートの素地を形成するメカニズムであっ
て、MHV:500〜1700の硬質粉末は焼結しても
溶融することなく、原料粉末とほぼ同じ形状を保ち、前
記MHV:500〜1700の硬質粉末は焼結中に硬質
粉末の周囲に存在するFe粉末を吸着し、Fe粉末は硬
質粒子相の周囲を立体的にみると半団子状のFe基合金
相が包囲した状態で分散している組織を形成する。かか
る立体的にみると半団子状のFe基合金相はCu基合金
相に対する接触面積を増加させ、従来よりも一層Fe基
合金相とCu基合金相の結合強度を増加させる。
合金製バルブシートの素地を形成するメカニズムであっ
て、MHV:500〜1700の硬質粉末は焼結しても
溶融することなく、原料粉末とほぼ同じ形状を保ち、前
記MHV:500〜1700の硬質粉末は焼結中に硬質
粉末の周囲に存在するFe粉末を吸着し、Fe粉末は硬
質粒子相の周囲を立体的にみると半団子状のFe基合金
相が包囲した状態で分散している組織を形成する。かか
る立体的にみると半団子状のFe基合金相はCu基合金
相に対する接触面積を増加させ、従来よりも一層Fe基
合金相とCu基合金相の結合強度を増加させる。
【0026】つぎに、この発明の鉄基焼結合金製バルブ
シートを構成する鉄基焼結合金の成分組成を上記のごと
く限定した理由について説明する。 〔I〕硬質粒子相 鉄基焼結合金製バルブシート素地に分散する硬質粒子相
のMHVを500〜1700に限定した理由は、MHV
が500未満の硬質粒子相では十分な耐摩耗性が得られ
ないので好ましくなく、一方、MHVが1700を越え
るとバルブを過大に摩耗させるので好ましくないことに
よるものである。また、鉄基焼結合金製バルブシート素
地中に5容量%分散していても十分な耐摩耗性が得られ
ないので好ましくなく、一方、30容量%を越えて分散
すると硬質粒子相が多過ぎて靱性が不足するので好まし
くない。したがって、硬質粒子相の分散量は5〜30容
量%に定めた。硬質粒子相の分散量の一層好ましい範囲
は8〜25容量%である。前記硬質粒子相は焼結中に素
地の成分であるFe、Cu、NiおよびCが拡散浸透す
る。したがって、硬質粒子相には微量のFe、Cu、N
iおよびCが含まれている。
シートを構成する鉄基焼結合金の成分組成を上記のごと
く限定した理由について説明する。 〔I〕硬質粒子相 鉄基焼結合金製バルブシート素地に分散する硬質粒子相
のMHVを500〜1700に限定した理由は、MHV
が500未満の硬質粒子相では十分な耐摩耗性が得られ
ないので好ましくなく、一方、MHVが1700を越え
るとバルブを過大に摩耗させるので好ましくないことに
よるものである。また、鉄基焼結合金製バルブシート素
地中に5容量%分散していても十分な耐摩耗性が得られ
ないので好ましくなく、一方、30容量%を越えて分散
すると硬質粒子相が多過ぎて靱性が不足するので好まし
くない。したがって、硬質粒子相の分散量は5〜30容
量%に定めた。硬質粒子相の分散量の一層好ましい範囲
は8〜25容量%である。前記硬質粒子相は焼結中に素
地の成分であるFe、Cu、NiおよびCが拡散浸透す
る。したがって、硬質粒子相には微量のFe、Cu、N
iおよびCが含まれている。
【0027】〔II〕素地 Cu:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜12重量
%、C:0.0005〜0.8重量%を含有し、さらに
必要に応じて硬質粉末の構成元素が拡散して含有し、残
りがFeおよび不可避不純物からなる組成を有しかつF
eを主成分とするFe基合金相をCuを主成分とするC
u基合金相で結合してなる組織を有するが、前記組成と
なるように限定した理由は、以下の通りである。
%、C:0.0005〜0.8重量%を含有し、さらに
必要に応じて硬質粉末の構成元素が拡散して含有し、残
りがFeおよび不可避不純物からなる組成を有しかつF
eを主成分とするFe基合金相をCuを主成分とするC
u基合金相で結合してなる組織を有するが、前記組成と
なるように限定した理由は、以下の通りである。
【0028】(a)Cu Cuは、密度、強度および耐摩耗性を向上させる効果が
あるが、その含有量が21.8重量%未満では液相の発
生量が十分でなく、したがって密度、強度および耐摩耗
性の効果が十分でなく、一方、28重量%を越えると液
相が過大となり、焼結中に変形が生じて寸法のバラツキ
が大きくなるので好ましくない。したがって、Cuの含
有量は21.8〜28重量%に定めた。
あるが、その含有量が21.8重量%未満では液相の発
生量が十分でなく、したがって密度、強度および耐摩耗
性の効果が十分でなく、一方、28重量%を越えると液
相が過大となり、焼結中に変形が生じて寸法のバラツキ
が大きくなるので好ましくない。したがって、Cuの含
有量は21.8〜28重量%に定めた。
【0029】(b)Ni Niは、Cu合金中においてCu合金相の融点を上昇さ
せ、液相焼結をコントロールし、またFe合金相の強度
および靱性を向上させる作用があるが、その含有量が
0.3重量%未満ではその効果が十分でなく、一方、1
2重量%を越えて含有してもそれ以上の効果が少ない。
したがって、Ni含有量は0.3〜12重量%に定め
た。Niの含有量の一層好ましい範囲は2〜6重量%で
ある。
せ、液相焼結をコントロールし、またFe合金相の強度
および靱性を向上させる作用があるが、その含有量が
0.3重量%未満ではその効果が十分でなく、一方、1
2重量%を越えて含有してもそれ以上の効果が少ない。
したがって、Ni含有量は0.3〜12重量%に定め
た。Niの含有量の一層好ましい範囲は2〜6重量%で
ある。
【0030】(c)C Cは、原料Fe粉を還元し焼結を促進させ、また、強度
および硬さを向上させる作用があるが、その含有量が
0.0005重量%未満では効果が十分でなく、一方、
0.8重量%を越えて含有させてもそれ以上の効果がな
い。したがって、Cの含有量は0.0005〜0.8重
量%に定めた。C含有量の一層好ましい範囲は0.05
〜0.5重量%である。
および硬さを向上させる作用があるが、その含有量が
0.0005重量%未満では効果が十分でなく、一方、
0.8重量%を越えて含有させてもそれ以上の効果がな
い。したがって、Cの含有量は0.0005〜0.8重
量%に定めた。C含有量の一層好ましい範囲は0.05
〜0.5重量%である。
【0031】(d)素地の組織 この発明の鉄基焼結合金製バルブシートの素地は、C
u:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜12重量
%、C:0.0005〜0.8重量%、を含有し、残り
がFeおよび不可避不純物からなる組成を有し、大部分
がFeを主成分とするFe基合金相をCuを主成分とす
るCu基合金相で結合してなる組織を有するが、前記硬
質粒子の成分が拡散してFe基合金相およびCu基合金
相に含まれることもある。かかる硬質粒子相の周囲を包
囲しているFe基合金相は立体的にみると半団子状にな
っていることが一層好ましく、硬質粒子相の周囲を包囲
しているFe基合金相が立体的にみると半団子状になる
ことによりFe基合金相とCu基合金相の接触面積が増
大し、より一層大きな結合力が得られる。
u:21.8〜28重量%、Ni:0.3〜12重量
%、C:0.0005〜0.8重量%、を含有し、残り
がFeおよび不可避不純物からなる組成を有し、大部分
がFeを主成分とするFe基合金相をCuを主成分とす
るCu基合金相で結合してなる組織を有するが、前記硬
質粒子の成分が拡散してFe基合金相およびCu基合金
相に含まれることもある。かかる硬質粒子相の周囲を包
囲しているFe基合金相は立体的にみると半団子状にな
っていることが一層好ましく、硬質粒子相の周囲を包囲
しているFe基合金相が立体的にみると半団子状になる
ことによりFe基合金相とCu基合金相の接触面積が増
大し、より一層大きな結合力が得られる。
【0032】
【発明の実施の形態】原料粉末として、平均粒径:55
μmのFe粉末、表1に示される成分組成および平均粒
径を有するCu−Ni合金粉末a〜e、平均粒径11μ
mのCu粉末、平均粒径:10μmのNi合金粉末、平
均粒径:18μmの黒鉛粉末を用意し、さらに下記の表
2に示される成分組成を有する硬質粉末A〜Fを用意し
た。
μmのFe粉末、表1に示される成分組成および平均粒
径を有するCu−Ni合金粉末a〜e、平均粒径11μ
mのCu粉末、平均粒径:10μmのNi合金粉末、平
均粒径:18μmの黒鉛粉末を用意し、さらに下記の表
2に示される成分組成を有する硬質粉末A〜Fを用意し
た。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】実施例1 前記Fe粉末、表1のCu−Ni合金粉末a〜e、黒鉛
粉末および表2の硬質粉末A〜Fを表3〜4に示される
割合で配合し混合することにより原料混合粉末を作製し
た。
粉末および表2の硬質粉末A〜Fを表3〜4に示される
割合で配合し混合することにより原料混合粉末を作製し
た。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】この原料混合粉末にさらに金型成形時の潤
滑剤であるステアリン酸亜鉛粉末を外掛けで0.8重量
%に当る量だけ添加して混合し、プレス成形して外径:
3.4mm、内径:27mm、厚さ:7mmの寸法を有
するバルブシート形状圧粉体を作製した。この圧粉体を
N2−5%H2の混合雰囲気中、温度:1140℃、2
0分保持の条件で焼結し、本発明鉄基焼結合金製バルブ
シート(以下、本発明バルブシートという)1〜8およ
び比較鉄基焼結合金製バルブシート(以下、比較バルブ
シートという)1〜6を作製した。これら本発明バルブ
シート1〜8および比較バルブシート1〜6の素地の成
分組成、並びに硬質粒子相の分散量(容量%)およびM
HVを測定し、その結果を表5〜6に示した。なお、硬
質粒子相の分散量は画像解析により硬質粒子の面積率を
測定した後、これを体積率に換算することにより測定
し、さらに硬質粒子相のMHVはマイクロビッカース硬
さ測定により測定した。
滑剤であるステアリン酸亜鉛粉末を外掛けで0.8重量
%に当る量だけ添加して混合し、プレス成形して外径:
3.4mm、内径:27mm、厚さ:7mmの寸法を有
するバルブシート形状圧粉体を作製した。この圧粉体を
N2−5%H2の混合雰囲気中、温度:1140℃、2
0分保持の条件で焼結し、本発明鉄基焼結合金製バルブ
シート(以下、本発明バルブシートという)1〜8およ
び比較鉄基焼結合金製バルブシート(以下、比較バルブ
シートという)1〜6を作製した。これら本発明バルブ
シート1〜8および比較バルブシート1〜6の素地の成
分組成、並びに硬質粒子相の分散量(容量%)およびM
HVを測定し、その結果を表5〜6に示した。なお、硬
質粒子相の分散量は画像解析により硬質粒子の面積率を
測定した後、これを体積率に換算することにより測定
し、さらに硬質粒子相のMHVはマイクロビッカース硬
さ測定により測定した。
【0039】このようにして作製した本発明バルブシー
ト1を切断し、研磨し、金属顕微鏡によ る組織観察
を行い、硬質粒子相を中心とした組織写生図を図1に示
した。図1において1はFe基合金相、2はCu基合金
相、3は硬質粉末Aにより形成された硬質粒子相であ
る。さらに本発明バルブシート3を切断し、研磨し、金
属顕微鏡による組織観察を行い、硬質粒子相を中心とし
た組織写生図を図2に示した。図2において1はFe基
合金相、2はCu基合金相、3は硬質粉末Cにより形成
された硬質粒子相である。図1および図2金属組織の写
生図から明らかなように、本発明バルブシート1および
3はFe基合金相1をCu基合金相2で結合してなる素
地を有し、特に素地中に分散しているMHV500〜1
700の硬質粒子相3は断面花びら状(立体的にみると
半団子状)Fe基合金相1′により包囲された状態で分
散していることが分かる。さらに本発明バルブシート2
および4〜14についても素地中に断面花びら状(立体
的にみると半団子状)のFe基合金相1′が存在するか
否かを観察し、その結果を表5〜6に示した。
ト1を切断し、研磨し、金属顕微鏡によ る組織観察
を行い、硬質粒子相を中心とした組織写生図を図1に示
した。図1において1はFe基合金相、2はCu基合金
相、3は硬質粉末Aにより形成された硬質粒子相であ
る。さらに本発明バルブシート3を切断し、研磨し、金
属顕微鏡による組織観察を行い、硬質粒子相を中心とし
た組織写生図を図2に示した。図2において1はFe基
合金相、2はCu基合金相、3は硬質粉末Cにより形成
された硬質粒子相である。図1および図2金属組織の写
生図から明らかなように、本発明バルブシート1および
3はFe基合金相1をCu基合金相2で結合してなる素
地を有し、特に素地中に分散しているMHV500〜1
700の硬質粒子相3は断面花びら状(立体的にみると
半団子状)Fe基合金相1′により包囲された状態で分
散していることが分かる。さらに本発明バルブシート2
および4〜14についても素地中に断面花びら状(立体
的にみると半団子状)のFe基合金相1′が存在するか
否かを観察し、その結果を表5〜6に示した。
【0040】さらに、前記本発明バルブシート1および
3の組織のFe基合金相およびCu基合金相の成分含有
量をEPMAにより測定した結果、前記Fe基合金相は
Ni、CuおよびCを含みかつFe50重量%以上含
み、前記Cu基合金相はNi、FeおよびCを含みかつ
Cuを50重量%以上含み、さらにFe基合金相に含ま
れるNiおよびCの濃度は、Cu基合金相に含まれるN
iおよびCの濃度よりも大であることを確認した。また
Fe基合金相およびCu基合金相には硬質粒子相の成分
が一部拡散浸透して含まれており、一方、硬質粒子相に
はFe、Cu、NiおよびCが一部拡散浸透して含まれ
ていることが分かった。
3の組織のFe基合金相およびCu基合金相の成分含有
量をEPMAにより測定した結果、前記Fe基合金相は
Ni、CuおよびCを含みかつFe50重量%以上含
み、前記Cu基合金相はNi、FeおよびCを含みかつ
Cuを50重量%以上含み、さらにFe基合金相に含ま
れるNiおよびCの濃度は、Cu基合金相に含まれるN
iおよびCの濃度よりも大であることを確認した。また
Fe基合金相およびCu基合金相には硬質粒子相の成分
が一部拡散浸透して含まれており、一方、硬質粒子相に
はFe、Cu、NiおよびCが一部拡散浸透して含まれ
ていることが分かった。
【0041】さらにCr:2重量%、Mo:1.5重量
%、Ni:1.5重量%、Co:5重量%、C:1.0
重量%、Nb:0.6重量%を含有し、残りがFeおよ
び不可避不純物からなる組成並びにパーライト相および
ベーナイト相を主体とした組織からなる鉄基合金組織を
有する素地中に、表2の硬質粒子AとEが合計で17容
量%が均一に分散した組織を有する鉄基焼結合金で構成
された従来鉄基焼結合金製バルブシート(以下、従来バ
ルブシートという)を用意した。
%、Ni:1.5重量%、Co:5重量%、C:1.0
重量%、Nb:0.6重量%を含有し、残りがFeおよ
び不可避不純物からなる組成並びにパーライト相および
ベーナイト相を主体とした組織からなる鉄基合金組織を
有する素地中に、表2の硬質粒子AとEが合計で17容
量%が均一に分散した組織を有する鉄基焼結合金で構成
された従来鉄基焼結合金製バルブシート(以下、従来バ
ルブシートという)を用意した。
【0042】摩耗試験 前記本発明バルブシート1〜8、比較バルブシート1〜
6および従来バルブシートについて下記の摩耗試験を行
なった。SUH36の材質からなり外径が30mmの傘
部分を有するバルブを用意し、このバルブの傘部分を温
度:900℃に保持し、さらに本発明バルブシート1〜
8、比較バルブシート1〜6および従来バルブシートを
それぞれ内部が水冷されている治具に圧入し、ガソリン
燃焼雰囲気中で着座荷重:30kg、バルブ着座回数:
3000回/分の条 件で150時間試験し、バルブシ
ートおよびバルブの最大摩耗量を測定し、その結果を表
5〜6に示した。
6および従来バルブシートについて下記の摩耗試験を行
なった。SUH36の材質からなり外径が30mmの傘
部分を有するバルブを用意し、このバルブの傘部分を温
度:900℃に保持し、さらに本発明バルブシート1〜
8、比較バルブシート1〜6および従来バルブシートを
それぞれ内部が水冷されている治具に圧入し、ガソリン
燃焼雰囲気中で着座荷重:30kg、バルブ着座回数:
3000回/分の条 件で150時間試験し、バルブシ
ートおよびバルブの最大摩耗量を測定し、その結果を表
5〜6に示した。
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】表3〜表6に示される結果から、本発明バ
ルブシート1〜8は従来バルブシートに比べて、バルブ
シート自体の最大摩耗量および相手材であるバルブの最
大摩耗量が少ないことが分かる。しかし、この発明の範
囲から外れている成分組成を有する比較バルブシート1
〜6は、バルブシートの最大摩耗量および相手材である
バルブの最大摩耗量のうち少なくともいずれかが好まし
くない値を示すことが分かる。
ルブシート1〜8は従来バルブシートに比べて、バルブ
シート自体の最大摩耗量および相手材であるバルブの最
大摩耗量が少ないことが分かる。しかし、この発明の範
囲から外れている成分組成を有する比較バルブシート1
〜6は、バルブシートの最大摩耗量および相手材である
バルブの最大摩耗量のうち少なくともいずれかが好まし
くない値を示すことが分かる。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の鉄基焼結
合金製バルブシートは、摩耗量が少なく、さ らに相手
材であるバルブに対する相手攻撃性が少ないことから、
エンジンなどの自動車産業の発展に大いに貢献し得るも
のである。
合金製バルブシートは、摩耗量が少なく、さ らに相手
材であるバルブに対する相手攻撃性が少ないことから、
エンジンなどの自動車産業の発展に大いに貢献し得るも
のである。
【図1】この発明の鉄基焼結合金製バルブシートの組織
の写生図である。
の写生図である。
【図2】この発明の鉄基焼結合金製バルブシートの組織
の写生図である。
の写生図である。
1 Fe基合金相 1’ 断面花びら状のFe基合金相 2 Cu基合金相 3 硬質粒子相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−329007(JP,A) 特開 平6−66117(JP,A) 特開 平3−158445(JP,A) 特開 平3−225008(JP,A) 特開 平3−158444(JP,A) 特開 平5−179390(JP,A) 特開 平5−202451(JP,A) 特開 平7−70720(JP,A) 特開 平9−143638(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 304 C22C 33/02 C22C 38/16 C22C 38/52 F01L 3/02
Claims (4)
- 【請求項1】 Cu:21.8〜28重量%、Ni:
0.3〜12重量%、C:0.0005〜0.8重量%
を含有し、残りがFeおよび不可避不純物からなる組成
を有し、 かつ、Fe基合金相をCu基合金相により結合してなる
素地中にマイクロビッカース硬さ(以下、MHVとい
う):500〜1700の硬質粒子相が5〜30容量%
の割合で分散しており、前記硬質粒子相は半団子状をし
た前記Fe基合金相により包囲された状態で分散してい
る組織を有することを特徴とする高強度Fe基焼結バル
ブシート。 - 【請求項2】 Cu:21.8〜28重量%、Ni:
0.3〜12重量%、C:0.0005〜0.8重量
%、Co:0.1〜10重量%を含有し、残りがFeお
よび不可避不純物からなる組成を有し、 かつFe基合金相をCu基合金相により結合してなる素
地中にMHV:500〜1700の硬質粒子相が5〜3
0容量%の割合で分散しており、前記硬質粒子相は半団
子状をした前記Fe基合金相により包囲された状態で分
散している組織を有することを特徴とする高強度Fe基
焼結バルブシート。 - 【請求項3】 Cu:21.8〜28重量%、Ni:
0.3〜12重量%、C:0.0005〜0.8重量
%、Cr:0.1〜10重量%を含有し、残りがFeお
よび不可避不純物からなる組成を有し、 かつFe基合金相をCu基合金相により結合してなる素
地中にMHV:500〜1700の硬質粒子相が5〜3
0容量%の割合で分散しており、前記硬質粒子相は半団
子状をした前記Fe基合金相により包囲された状態で分
散している組織を有することを特徴とする高強度Fe基
焼結バルブシート。 - 【請求項4】 Cu:21.8〜28重量%、Ni:
0.3〜12重量%、C:0.0005〜0.8重量
%、Co:0.1〜10重量%、Cr:0.1〜10重
量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物からなる
組成を有し、 かつFe基合金相をCu基合金相により結合してなる素
地中にMHV:500〜1700の硬質粒子相が5〜3
0容量%の割合で分散しており、前記硬質粒子相は半団
子状をした前記Fe基合金相により包囲された状態で分
散している組織を有することを特徴とする高強度Fe基
焼結バルブシート。
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DE60011156T DE60011156T2 (de) | 1999-02-04 | 2000-01-21 | Aus gesinterter Legierung auf eisenbasis hergestellter Ventilsitz mit hoher Festigkeit und Verfahren zu seiner Herstellung |
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CN111545746B (zh) * | 2020-04-22 | 2022-06-21 | 江苏大学 | 一种提升微波烧结铁磁性高熵合金致密度与性能的方法 |
KR20210157552A (ko) * | 2020-06-22 | 2021-12-29 | 현대자동차주식회사 | 밸브 시트용 구리 합금 |
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US11421680B1 (en) | 2020-06-30 | 2022-08-23 | Vulcan Industrial Holdings, LLC | Packing bore wear sleeve retainer system |
CN111793764B (zh) * | 2020-07-15 | 2021-04-16 | 深圳市泛海统联精密制造股份有限公司 | 一种超低碳铁镍合金的烧结方法 |
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USD997992S1 (en) | 2020-08-21 | 2023-09-05 | Vulcan Industrial Holdings, LLC | Fluid end for a pumping system |
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JPS60228656A (ja) * | 1984-04-10 | 1985-11-13 | Hitachi Powdered Metals Co Ltd | 鉄系焼結耐摩耗性材料とその製造法 |
GB2197663B (en) * | 1986-11-21 | 1990-07-11 | Manganese Bronze Ltd | High density sintered ferrous alloys |
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