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JP3206713B2 - 防眩材料及びそれを使用した偏光フィルム - Google Patents

防眩材料及びそれを使用した偏光フィルム

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JP3206713B2
JP3206713B2 JP27996095A JP27996095A JP3206713B2 JP 3206713 B2 JP3206713 B2 JP 3206713B2 JP 27996095 A JP27996095 A JP 27996095A JP 27996095 A JP27996095 A JP 27996095A JP 3206713 B2 JP3206713 B2 JP 3206713B2
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liquid crystal
polarizing film
resin
glare
antiglare
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力 村田
真一 高橋
征則 作本
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LCDやCRT等の画
像表示体に用いられ、画像部の防眩に好適な防眩材料及
びそれを使用した偏光フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、LCDやCRTに代表される画像
表示装置(以下、これを「ディスプレイ」という。)
は、テレビジョン画面やコンピューター端末画面を始め
として、様々な分野で繁用されており、目覚ましい発展
を遂げている。このデイスプレイの開発は、当初におい
てはカラー化がキーワードであったが、最近はハイビジ
ョン化がキーワードの一つとなり、画像の高精細化及び
高画質化、さらには、省電力化等に努力が傾注されてい
る。マン−マシンインターフェイスの重要な役割を担う
これらのディスプレイは、今後マルチメディア時代の到
来とともに一層の普及が予想され、特に、携帯電話、P
HS、その他各種携帯端末用としての普及が著しく拡大
するものと予測される。
【0003】携帯端末用ディスプレイとしては、軽量か
つコンパクトであり、また汎用性等を有するLCDが市
場を独占すると考えられている。これらの携帯端末は屋
外で使用されるケースが多いことから、屋外で良好な画
像表示を実現するために、ディスプレイに入射した太陽
光等の外部光の反射を極力抑える必要がある。最近、こ
の分野からの追い風もあって、ディスプレイへの太陽光
や蛍光灯等の外部光の映り込みを防止すること、すなわ
ち、ディスプレイ画面の防眩に対する要求が強くなって
きた。
【0004】従来、この種の防眩を実現するためには、
磨きガラスのように、光を散乱もしくは拡散させて像を
ぼかす手法が一般的に行われている。通常、光を散乱も
しくは拡散させるためには、光の入射光面を粗面化する
ことが基本となっており、この粗面化処理には、サンド
ブラスト法やエンボス法等により基材表面を直接粗面化
する方法、基材表面にフィラーを含有させた塗工層を設
ける方法及び基材表面に海島構造による多孔質膜を形成
する方法等が採用されている。
【0005】ディスプレイの画像の高精細化は、主に画
像ドットの高密度化によって達成されるものであるが、
画像ドットが高密度化するに伴って、粗面化面の表面の
凹凸の高さや間隔もさらに緻密化していることが要求さ
れる。また、ギラツキ等のない鮮明な画像を得るために
は、その凹凸のバラツキは小さいものであることが要求
され、さらに、良好な防眩性を得るためには、凹凸が連
続的に形成されていることが求められている。しかしな
がら、従来の防眩材料の粗面化面は、その凹凸が不連続
であり、かつ凹凸の高さや間隔も大きく形成されてお
り、上記要求を満たすことができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記した実情に鑑みてなされたものである。す
なわち、本発明の目的は、ディスプレイ画面に太陽光や
蛍光灯等の外部光の映り込みを防止することにより、優
れた防眩特性を発揮し、かつ、ギラツキ等のない鮮明な
画像及び高精細画像を得ることができるディスプレイ、
特に、フルカラーディスプレイに好適な防眩材料を提供
することにある。また、本発明の他の目的は、上記防眩
材料を使用した偏光フィルムを提供することにある。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明の防眩材料は、透
明基体の片面または両面を粗面化してなる防眩材料にお
いて、該粗面化した面の表面粗さ(JIS B060
1)が下記式(1)ないし式(3)の条件を満たすこと
を特徴とする。 80Ra≦Sm≦1000Ra (1) Sm≦50 (2) 0.03≦Ra≦0.30 (3) [式中、Smは表面の凹凸の平均間隔(μm)、Raは
表面の中心線平均粗さ(μm)を意味する。]
【0008】また、本発明の偏光フィルムは、第1の保
護材の片面を粗面化した面の表面粗さ (JIS B0
601)が、上記式(1)ないし式(3)の条件を満た
す防眩材料の非粗面化面に、偏光基体を介して第2の保
護材を積層してなることを特徴とする。上記した防眩材
料及びそれを用いる偏光フィルムにおいては、透明基体
もしくは第1の保護材のHAZE値(JIS K710
5)が、1〜25の範囲にあることが好ましく、また、
透明基体及び第1もしくは第2の保護材は透明フィルム
であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。先ず、本発明の防眩材料に使用する
透明基体としては、従来公知の透明なフィルム、ガラス
等を使用することができる。その透明基体の具体例とし
ては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリア
セチルセルロース、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカ
ーボネート、ポリスルホン、セロファン、芳香族ポリア
ミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種樹脂フィ
ルム及び石英ガラス、ソーダガラス等のガラス基材等が
好適に使用できる。
【0010】これらの透明基体は、透明性の高いもの程
良好であるが、光線透過率(JISC−6714)とし
ては80%以上のもの、好ましくは90%以上のもので
ある。また、その透明基体を小型軽量の液晶ディスプレ
イに用いる場合には、透明基体はフィルムであることが
より好ましい。透明基体の厚さは、軽量化の観点から薄
い方が望ましいが、その生産性等を考慮すると、1μ〜
5mmの範囲のものを使用することが好適である。
【0011】本発明の防眩材料においては、上記した透
明基体の片面または両面を粗面化した面の表面粗さが、
JIS B0601に規定されているSm及びRaにつ
いて、下記式(1)ないし式(3)の条件を満たすよう
に粗面化処理することが必要である。 80Ra≦Sm≦1000Ra (1) Sm≦50 (2) 0.03≦Ra≦0.30 (3) 上記式中における、Smは、透明基体の粗面化処理によ
り形成される粗面化表面の凹凸の平均間隔をミクロン
(μm)単位で表した値を示し、また、Raは、その表
面の中心線の平均粗さをミクロン(μm)単位で表した
値を示す。Raについては、0.03≦Ra≦0.20
の範囲であることがより好ましい。
【0012】上記式(1)ないし式(3)において、S
m>1000Ra及びSm<80Raの領域において
は、防眩性が不十分であり、またSm>50の領域にお
いても、防眩性が不十分である。また、Ra>0.30
の領域では、画像のギラツキが激しく、画像コントラス
トも悪いし、一方、Ra<0.03の領域では、防眩性
が不十分である。
【0013】本発明における上記した防眩材料におい
て、透明基体の片面または両面の粗面化処理により形成
される粗面化面の満たす領域は、上記式(1)ないし式
(3)のいずれの条件をも満たす領域であり、図5中に
おいて斜線で示される領域である。
【0014】また、本発明の防眩材料のJIS K71
05によるHAZE値は、1〜25の範囲であることが
好ましい。この場合、この値が1未満では防眩性が不良
となり、一方、25を越えて大きいと画像コントラスト
が悪く、視認性不良となり、ディスプレイとしての機能
低下を招くことから好ましくない。なお、HAZE値と
は、曇価を意味するものであり、積分球式光線透過率測
定装置を用いて、拡散透過率(Hd%)と全光線透過率
(Ht%)を測定し、下記式によって算出する。 HAZE値=Hd/Ht×100
【0015】本発明において、透明基体の片面または両
面を粗面化する方法としては、透明基体の片面または両
面をエッチング処理する方法、樹脂にフィラーを、必要
に応じて、水や有機溶剤とともに分散した塗料またはイ
ンクを、エアドクタコーティング、ブレードコーティン
グ、ナイフコーテイング、リバースコーティング、トラ
ンスファロールコーティング、グラビアロールコーティ
ング、キスコーティング、キャストコーティング、スプ
レーコーティング、スロットオリフィスコーティング、
カレンダーコーティング、電着コーティング、ディップ
コーティング、ダイコーティング等のコーティングやフ
レキソ印刷等の凸版印刷、ダイレクトグラビア印刷、オ
フセットグラビア印刷等の凹版印刷、オフセット印刷等
の平版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷を行
うことにより、透明基体の片面もしくは両面上に単層ま
たは多層に分けて設ける方法、樹脂やフィラー単体また
はこの混合物からなる粉体を静電粉体コーティングや粉
体電着コーティングにより、透明基体の片面または両面
に設ける方法、有機または無機のフィラーを樹脂ととも
に、熱と圧力を加えることにより溶融し、この溶融物を
押し出し成形や射出成形等によりフィルム化して成形す
る方法等があげられる。
【0016】上記粗面化方法に使用される樹脂として
は、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブチレン、ポリブタジエン等のオレフィン系樹脂、ポ
リメタクリル酸メチル、エチレン・アクリル酸エチル共
重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、
BS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、塩化ビ
ニリデン・アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル・酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合
体、プロピレン・塩化ビニル共重合体等のビニル系樹
脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリ
アミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹
脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂、ポリスルホン樹
脂、ポリウレタン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、
トリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン等の
フッ素樹脂、エチレンセルロース、酢酸セルロース、ニ
トロセルロース等の繊維素系樹脂、アイオノマー樹脂、
ロジン誘導体樹脂等の有機溶剤可溶性樹脂系、ゼラチ
ン、ニカワ、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルデン
プン、アラビヤゴム、サッカロースオクタアセテート、
アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ソーダ、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポ
リスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリアミド、
イソブチレン・無水マレイン酸共重合体等の水溶性樹脂
系及び上記した有機溶剤可溶性樹脂系のエマルジョン系
等の熱可塑性樹脂、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレ
ン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、アク
リロニトリル・ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン
・プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、
クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ヒドリンゴム、ウ
レタンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム
及びこれらゴム類同士、ゴム類と有機物または無機物と
の配合品等のゴム類、不飽和ポリエステル類、キシレン
樹脂、ポリアミド・イミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリ
イミド樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、ユリヤ樹脂、
フェノール樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、
ポリエステル・アミノ樹脂、アルキッド樹脂等の熱硬化
性樹脂、アクリル系、エポキシ系、ビニルエーテル系、
ポリエンチオール系等からなる紫外線(UV)硬化性樹
脂や電子線(EB)硬化性樹脂をあげることができる。
これらの樹脂についても、本発明においては、透明性が
高いものほど好ましく、透明基体と同様に、光線透過率
(JIS C−6714)としては、80%以上のも
の、好ましくは90%以上のものである。
【0017】また、上記粗面化方法に使用されるフィラ
ーとしては、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、二酸化チ
タン等の無機系白色顔料、アクリル樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹
脂、ビーズ等有機系の透明または白色顔料等を挙げるこ
とができる。また、これらのフィラーには、必要に応じ
て、塗料、インクの塗工適性または印刷適性を向上させ
るために、増粘剤、レベリング剤、硬化剤等の添加剤を
適宜使用することができる。
【0018】次に、本発明の偏光フィルムについて説明
する。本発明の偏光フィルムは、偏光基体の少なくとも
片面に、上記した防眩材料、すなわち、粗面化面を有す
る透明基体からなる第1の保護材が形成されているもの
である。本発明における偏光基体としては、透明フィル
ムを形成できる材料からなり、具体的には、ポリビニル
アルコール、ポリビニレン等が使用できる。この偏光基
体としては、上記した材料を延伸させて得られるフィル
ムが使用でき、例えば、2色性素子として沃素または染
料を吸着させたポリビニルアルコールを一軸延伸して得
られたポリビニルアルコール(PVA)フィルムを用い
ることが好ましい。
【0019】本発明の偏光フィルムは、上記フィルム状
の偏光基体の片面に、前記粗面化面を有する透明基材か
らなる第1の保護材を設け、他面に第2の保護材を設け
た積層構成を有する。具体的には、PVAフィルムを一
軸方向に3〜4倍程度延伸し、高次の沃素イオン中に延
伸したPVAフィルムを含浸させることにより得られた
偏光基体の両側に接着剤等により、第1および第2の保
護材をラミネートした構造を有するものが好ましい。上
記で得られるPVAフィルムは、強度等が不足している
ことから、裂け易く、湿度変化に対して収縮率が大きい
という欠点を有していることから、偏光基体の両側に保
護材がラミネートされる。この第1および第2の保護材
としては、透明な高分子化合物のフィルム、例えば、ト
リアセチルセルロース等のセルロース系フィルム、ポリ
エステルフィルム、ポリカーボネートフィルム等が使用
されるが、これらのフィルムには、特に硼酸等のゲル化
剤を使用したり、熱処理やホルマール化を行うことによ
って、フィルムの耐水性を向上させることが好ましい。
【0020】以下、図面を用いて、さらに詳しく説明す
る。図1は、本発明の透明基体からなる防眩材料の構成
を示す概略断面図であり、その防眩材料の片面は、上記
した粗面化面が形成されていることを示している。図1
において、防眩材料10は、透明基体11の片面上に粗
面化面12を有する構成である。図2は、本発明の偏光
フィルム20の構成を示す概略断面図であり、偏光基体
24の片面に、粗面化面22を有する第1の保護材2
1、すなわち、防眩材料23が、一方、他の面に第2の
保護材25が形成されていることを示している。
【0021】図3は、図2に示された偏光フィルムを使
用した液晶表示体の構成を示す概略断面図である。図3
においては、本発明の偏光フィルムにより、防眩性を改
善した液晶表示体30の構成を示している。この液晶表
示体30は、上面の液晶パネル31と下面の導光板装置
(EL)やパネル等の背面光源32とを積層して形成さ
れている。液晶パネル31には、例えば、ツイステッド
ネマチック(TN)液晶セル等が使用可能である。
【0022】このTN液晶セルは、所望のパターンから
なる透明電極付きの2枚のガラス基盤33及び34の透
明電極面33′及び34′上に、ポリイミドの溶液を塗
布して配向膜を形成し、これをラビング操作により配向
させ、その後、このガラス基盤間にネマチック液晶35
を注入し、ガラス基盤周辺部をエポキシ樹脂等で封着す
ることにより形成される。このネマチック液晶は、配向
膜の作用により90°捻れ配向する。このTN液晶セル
の2枚のガラス基盤の背面光源の反対側には、図2に示
される粗面化面を有する偏光フィルム20を、また、そ
の背面光源側には、粗面化面のない偏光フィルム36
を、それぞれ偏光角がお互いに90°捻れるように貼る
ことにより、液晶パネル31が形成される。
【0023】上記TN液晶パネルの透明電極に駆動信号
を印加すると、信号が印加された電極間には電界が発生
する。その際、液晶分子の持つ電子的異方性により、液
晶分子の長軸が電界方向と平行になるため、液晶分子に
よる光の旋光性が失われることとなり、その結果、液晶
パネルには、光が透過しない状態となる。画像の表示
は、この時の光透過の差に基づくコントラストにより視
覚情報として認識される。上記液晶表示体30において
は、液晶パネル31に透過させ、液晶パネル31の光の
透過する部分と透過しない部分にコントラストを持たせ
ることにより画像表示を可能とするものである。
【0024】図4は、本発明の防眩材料10を使用した
他の液晶表示体の構成を示す断面図である。図4におい
て、液晶パネル41は、2枚のガラス基盤43、44及
びその間に介在するネマチック液晶45と、ガラス基盤
の外側に位置する粗面化面を有しない上部の偏光フィル
ム46、粗面化面を有しない下部の偏光フィルム47及
び該上部の偏光フィルムの上に積層された防眩フィルム
10より構成されている。また、液晶表示体40は、液
晶パネル41とその下面に位置する背面光源42を積層
して形成されている。
【0025】図5は、本発明の防眩材料およびそれを使
用した偏光フイルムの粗面化面の表面粗さの範囲を示す
グラフであり、透明基体の片面または両面の粗面化処理
により形成される粗面化面の満たす領域は、上記式
(1)ないし式(3)のいずれの条件をも満たす領域で
あり、図中の斜線で示される領域である。
【0026】
【実施例】本発明を実施例によって具体的に説明する。
なお、「部」は、すべて「重量部」を意味するものとす
る。 実施例1 1ドットの直径が20μmであり、隣り合うドットとド
ットの中心間の間隔が30μmである網点パターンを形
成したPS版と、UKインク(製品名 剥離OPニス
UP−2、T&K TOKA社製)とを使用し、UVオ
フセット印刷法を用いて、膜厚80μm、透過率92%
のトリアセチルセルロースからなる透明基体の片面上に
印刷することにより、Ra:0.10μm、Sm:35
μm、HAZE:8.9の粗面化面を有する防眩材料を
得た。
【0027】実施例2 膜厚80μm、透過率92%のトリアセチルセルロース
からなる透明基体の片面上を、下記の感光性樹脂及びエ
ッチング液を使用したフォトレジストエッチング法を用
いて粗面化処理することにより、Ra:0.08μm、
Sm:40μm、HAZE:6.3の粗面化面を有する
防眩材料を得た。 感光性樹脂 :製品名 BR−370、旭電化社製 エッチング液:メチルエチルケトン
【0028】実施例3 下記成分からなる混合物をディスパーにより30分間撹
拌することによって得られた塗料を、膜厚80μm、透
過率92%からなる透明基体のトリアセチルセルロース
の片面上に、リバースコーティング方式にて塗布し、1
25℃で2分間乾燥させて、乾燥後の塗布量が4g/m
2 、Ra:0.18μm、Sm:25μm、HAZE:
23.5の粗面化面を有する防眩材料を得た。 シリコン変性アルキッドメラミン樹脂 95部 [製品名 AVE33S(固形分50%溶液)、日本加工塗料社製] シリカ顔料 5部 (商品名 サイリシア #435、富士シリシア化学社製) ブチルセロソルブ 205部
【0029】実施例4 実施例3のトリアセチルセルロースを、膜厚50μm、
透過率89%のポリエチレンテレフタレートフィルム
(PET)からなる透明基体に代えた以外は、実施例3
と同様にして防眩材料を得た。
【0030】比較例1 実施例3のシリカ顔料の含有量を10部とした以外は、
実施例3と同様にして、Ra:0.22μm、Sm:1
5μm、HAZE:57の粗面化面を有する防眩材料を
得た。
【0031】比較例2 膜厚80μm、透過率92%のトリアセチルセルロース
の片面をエンボス加工することにより、Ra:0.50
μm、Sm:50μm、HAZE:30の粗面化面を有
する防眩材料を得た。
【0032】比較例3 膜厚80μm、透過率92%のトリアセチルセルロース
を、そのまま比較用の防眩材料とした。
【0033】実施例1〜3、比較例1〜3で得られた防
眩材料10を、図2に示される構成の偏光フィルム20
の第1の保護材に適用して偏光フィルムを作製した。次
いで、その偏光フィルム20を、図3に示される液晶パ
ネル31に貼り付けることにより液晶表示体30を得
た。また、実施例4で得られた防眩材料10について
は、粗面化処理をしていない偏光フィルムにPET面側
が貼り合わせ面になるように粘着剤を介して貼り合わせ
た積層体を作製し、上記積層体を図4に示される液晶パ
ネル41に貼り付け、液晶表示体40を得た。なお、こ
れらの各液晶表示体30及び40の画像サイズは、例え
ば10.4インチとし、解像度は、例えば640ドット
×480ドットとして、画像コントラスト、画像ギラツ
キ、防眩性の各項目について評価を行った。
【0034】画像コントラストについては、JIS C
7072 1988における液晶表示パネルのコントラ
スト比(CR)測定方法に準拠して評価した。画像コン
トラストの評価を行うにあたって採用した、光源60−
液晶パネル61−測光器62の位置関係の概略を、図6
に示す。この測定には、光源60と液晶パネル61との
間を1cm、液晶パネル61と測光器との間を50c
m、測光器の開口角を5度に設定した。なお、光源には
5WのELを使用し、測光器にはミノルタカメラ社製の
LS−100を使用した。画像コントラストの評価基準
としては、CRが、4以上の場合を◎、3以上〜4未満
の場合を○、2以上〜3未満の場合を△、2未満を×と
した。
【0035】画像ギラツキ(モアレ像干渉縞)について
は、液晶表示体30をウィンドウズ、バージョン3.1
のペイントブラシのオープニング画面が表示できるよう
に、パーソナルコンピューターと接続し、この白黒表示
における画像ギラツキの有無について、任意の100人
が目視判定することにより評価する方法を採った。この
評価基準としては、ギラツキを感じた人が、30人未満
の場合を○、30人以上〜70人未満の場合を△、70
人以上の場合を×とした。
【0036】防眩性については、40Wの螢光灯下で、
液晶表示体を黒表示状態とし、液晶表示体から垂直に5
0cm離れて見た場合の自分の像(顔)が、液晶表示体
の表面に映り込むか否かについて、その有無を画像ギラ
ツキの評価と同様に、任意の100人が目視判定するこ
とにより評価することとした。その映り込みを感じなか
った人が、70人以上の場合を○、30人以上〜70人
未満の場合を△、30人未満の場合を×とした。以上の
評価結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の防眩材料は、透明基体の片面ま
たは両面の表面粗さ(JIS B0601)を、上記式
(1)〜(3)を満たす範囲内にあるように粗面化処理
して形成することにより、良好な防眩性を示すととも
に、CRTやLCD等の画像表示体に用いた場合に、ギ
ラツキがなく、鮮明で高精細な画像コントラストを発現
することができる。また、この防眩材料を使用した偏光
フィルムは、良好な防眩性を有し、ギラツキがなく、優
れた画像コントラストを有することから、液晶パネル等
の画像表示体として有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の防眩材料の構成を示す概略断面図。
【図2】 本発明の防眩材料を使用した偏光フィルムの
構成を示す概略断面図。
【図3】 防眩材料を使用した偏光フィルムを具備する
液晶表示体の構成を示す概略断面図。
【図4】 防眩材料を使用した偏光フィルムを具備する
他の液晶表示体の構成を示す概略断面図。
【図5】 本発明の防眩材料において、その粗面化面の
表面粗さの範囲を示すグラフである。
【図6】 画像コントラストの測定装置の配置を示す概
略図。
【符号の説明】
10…防眩材料、11…透明基体、12…粗面化面、2
0…粗面化面付き偏光フィルム、21…第1の保護材、
22…粗面化面、23…防眩材料、24…偏光基体、2
5…第2の保護材、30…液晶表示体、31…液晶パネ
ル、32…背面光源、33,34…ガラス基盤、3
3′,34′…透明電極面、35…ネマチック液晶、3
6…粗面化面のない偏光フィルム、40…液晶表示体、
41…液晶パネル、42…背面光源、43,44…ガラ
ス基盤、45…ネマチック液晶、46,47…粗面化面
のない偏光フィルム、60…光源、61…液晶パネル、
62…測光器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G02B 5/30 G02F 1/1335 G02F 1/1335 G02B 1/10 A (72)発明者 作本 征則 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会 社巴川製紙所情報メディア事業部内 (56)参考文献 特開 昭64−19301(JP,A) 特開 昭63−298201(JP,A) 特開 昭61−209152(JP,A) 特開 昭61−230125(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基体の片面または両面を粗面化して
    なる防眩材料において、該粗面化した面の表面粗さ(J
    IS B0601)が、下記式(1)ないし式(3)の
    条件を満たすことを特徴とする防眩材料。 80Ra≦Sm≦1000Ra (1) Sm≦50 (2) 0.03≦Ra≦0.30 (3) [式中、Smは表面の凹凸の平均間隔(μm)、Raは
    表面の中心線平均粗さ(μm)を意味する。]
  2. 【請求項2】 透明基体の粗面化した面のHAZE値
    (JIS K7105)が、1〜25の範囲にあること
    を特徴とする請求項1に記載の防眩材料。
  3. 【請求項3】 透明基体が、透明フィルムであることを
    特徴とする請求項1に記載の防眩材料。
  4. 【請求項4】 第1の保護材の片面を粗面化した面の表
    面粗さ(JIS B0601)が、下記式(1)ないし
    式(3)の条件を満たす防眩材料の非粗面化面に、偏光
    基体を介して第2の保護材を積層してなることを特徴と
    する偏光フィルム。 80Ra≦Sm≦1000Ra (1) Sm≦50 (2) 0.03≦Ra≦0.30 (3) [式中、Smは表面の凹凸の平均間隔(μm)、Raは
    表面の中心線平均粗さ(μm)を意味する。]
  5. 【請求項5】 第1の保護材のHAZE値(JIS K
    7105)が、1〜25の範囲にあることを特徴とする
    請求項4に記載の偏光フィルム。
  6. 【請求項6】 第1および第2の保護材が、透明フィル
    ムであることを特徴とする請求項4に記載の偏光フィル
    ム。
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