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JP3296519B2 - ハロゲン化芳香族化合物の製造法 - Google Patents

ハロゲン化芳香族化合物の製造法

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JP3296519B2
JP3296519B2 JP20695693A JP20695693A JP3296519B2 JP 3296519 B2 JP3296519 B2 JP 3296519B2 JP 20695693 A JP20695693 A JP 20695693A JP 20695693 A JP20695693 A JP 20695693A JP 3296519 B2 JP3296519 B2 JP 3296519B2
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alkyl
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デイートマル・ビーレフエルト
アルブレヒト・マルホルト
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Bayer AG
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/093Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/361Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving a decrease in the number of carbon atoms
    • C07C17/363Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving a decrease in the number of carbon atoms by elimination of carboxyl groups

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  • Organic Chemistry (AREA)
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は芳香族フルオロまたはクロロ蟻酸
エステルからフッ素化および/または塩素化された芳香
族化合物を製造する液相法に関する。
【0002】脂肪族のフルオロおよびクロロ蟻酸エステ
ルは液相でルイス酸の存在下において熱的に改質して対
応するフルオロおよびクロロアルカンにすることができ
ることは公知である(ドイツ特許公開明細書第2 93
1 777号、米国特許第4814 524号およびド
イツ特許第明細書第857 350号参照)。
【0003】この反応を芳香族のハロゲン化した蟻酸エ
ステルに適用すると、芳香族のハロゲン化蟻酸エステル
は脂肪族のハロゲノ蟻酸エステルとは異なった反応をす
ることが示されている。芳香族化合物およびルイス酸の
存在下において加熱すると、芳香族のクロロ蟻酸エステ
ルは脱カルボキシル化を行って塩素化した芳香族化合物
を生じることはなく、フリーデル・クラフツ反応を行っ
て安息香酸フェニルを生じる[ジャーナル・オヴ・オー
ガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)誌
22巻325頁(1957年)]。従って芳香族溶媒を
存在させないでこの反応を行っても、脱カルボキシル化
反応で生じるクロロベンゼンは尚存在している芳香族ク
ロロ蟻酸エステルと直ちに反応して安息香酸フェニルを
生じ、クロロベンゼンを分離することはできないことが
期待される。
【0004】フッ素化した芳香族化合物をつくるために
は、1モルの芳香族ハロゲノ蟻酸エステルを液相中で5
0モルのフッ化水素および3モルのトリフルオロメタン
スルフォン酸を存在させて反応させる。この方法は2種
の異なった助剤を必要とする他に、フッ化芳香族化合物
は僅かに1〜14%の収率でしか得られないという欠点
をもっている。
【0005】置換基をもったハロゲン化芳香族化合物を
製造する他の方法も欠点をもっている。即ちアルキル化
した芳香族化合物を直接ハロゲン化すると容易には分離
できず且つ所望の異性体を少量しか含まない異性体混合
物が得られる[ジャーナル・オヴ・オーガニック・ケミ
ストリー誌55巻5260〜5269頁(1990年)
参照]。
【0006】望ましくない置換位置をt−ブチル基でブ
ロッキングすると、ニトロ化して還元し、ジアゾ化した
後フッ素イオンの存在下で沸騰させ、t−ブチル基を除
去することによりフッ素を芳香環に選択的に導入するこ
とができる[ジャーナル・オヴ・ケミカル・ソサイアテ
ィー・パーキン・トランスアクション(J.Chem.
Soc.Perkin Trans.)誌I,1987
年1頁]。この場合の欠点は工程が多段に亙ることであ
る。
【0007】2,3−ジメチルブタジエンから2,6−
ジアルキルハロゲノベンゼンを合成する多段法も存在し
ており、この場合にはジクロロカルベンとトリフェニル
錫水素化物の反応が含まれる[シンセシス(Synth
esis)誌6〜7巻、647〜649頁参照]。必要
とされる2,3−ジメチルブタジエンは容易に入手でき
ず、従って高価である。この場合も工程は面倒であり、
工業的規模では興味がない。
【0008】最後に、随時貴金属で被覆した酸化アルミ
ニウムを存在させ、気相において芳香族ハロゲノ蟻酸エ
ステルをハロゲン化された芳香族化合物に変えることが
できる(ヨーロッパ特許願A−188 241号および
同A−427 603号参照]。
【0009】本発明においては式(I)
【0010】
【化3】
【0011】但し式中Halはフッ素または塩素、R1
はC1〜C6−アルキル、R2は水素またはC1〜C6−ア
ルキル、R3は水素またはC1〜C6−アルキル、フッ
素、塩素、または臭素である、のハロゲン化された芳香
族化合物を製造する方法において、フッ化水素または触
媒量のハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化鉄、および
ハロゲン化アンチモンから成る群から選ばれる1種また
はそれ以上のルイス酸を存在させ、液相において式(I
I)
【0012】
【化4】
【0013】但し式中すべての記号は式(I)と同じで
ある、のハロゲノ蟻酸エステルを80〜200℃に加熱
することを特徴とする方法が見出だされた。
【0014】好ましくは式(I)および(II)におい
てR1は直鎖または分岐したC1〜C6−アルキル、また
は環式のC5−C6−アルキル、R2は水素、直鎖または
分岐したC1〜C6−アルキル、または環式のC5−C6
アルキル、R3は水素、直鎖または分岐したC1〜C6
アルキル、環式のC5−C6−アルキルである。
【0015】特に好ましくはR1およびR2は互いに独立
にメチル、エチル、n−ブチルまたはi−プロピルであ
り、R3は水素またはメチルである。
【0016】さらに置換基R2が水素でなく、且つ置換
基R1およびR2がHalに対して2−および6−位に位
置していることが好ましい。 この場合特に式(I)のハ
ロゲン化した芳香族化合物は高収率で得られる。
【0017】本発明方法は2,6−ジメチルフェニルハ
ロゲノ蟻酸エステルを使用する場合に特に適しており、
クロロ蟻酸エステルをルイス酸と組み合わせて使用して
2,6−ジメチルクロロベンゼンをつくるか、またはフ
ッ化水素を使用して2,6−ジメチルフルオロベンゼン
をつくることが好ましい。本発明を実施するのに必要な
原料化合物である式(II)のハロゲノ蟻酸エステルは
公知であるか、または公知化合物と同様にして製造する
ことができる。
【0018】フッ化水素を用いて本発明方法を行う場
合、市販の無水フッ化水素がこの目的に特に適してい
る。フッ化水素は例えば式(II)のハロゲノ蟻酸エス
テル1モル当たり1〜100モル、好ましくは2〜50
モルの量で使用することができる。フッ化水素を使用す
る場合、適当な圧力をかけ、反応温度において少なくと
も一部のフッ化水素が尚液相中に存在するようにしなけ
ればならない。フッ化水素を用いる方法は式(II)の
フルオロまたはクロロ蟻酸エステルから式(I)のフッ
素化された芳香族化合物を製造するのに適している。
【0019】本発明方法をハロゲン化アルミニウム、ハ
ロゲン化鉄、およびハロゲン化アンチモンから成る群か
ら選ばれるルイス酸を用いて行う場合、ルイス酸の適当
な例としては三塩化アルミニウム、三塩化鉄、塩化水素
またはフッ素水素で予備処理された酸化アルミニウム、
および五塩化アンチモンがある。塩素を含んだルイス
酸、特に三塩化アルミニウムを用いるとクロロ蟻酸エス
テルから塩素化された芳香族化合物への変化は特に有利
に行われ、フッ素を含んだルイス酸、特に五塩化アンチ
モンまたはフッ化水素を用いるとフルオロ蟻酸エステル
からフッ素された芳香族化合物への変化は特に有利に行
われる。
【0020】フッ化水素以外のルイス酸は例えば式(I
I)のハロゲノ蟻酸エステルに関し0.1〜10モル
%、好ましくは1〜7モル%の量で使用することができ
る。
【0021】ルイス酸を用いる場合、使用する式(I
I)のハロゲノ蟻酸エステルをしばしば常圧で還流させ
ることができる。また溶媒、例えばハロゲン化した炭化
水素を存在させて反応を行うこともできるが、この場合
には反応温度において全系を実質的に気相に保つため
に、高圧または閉じた容器を用いる必要がある。フッ化
水素を用いる場合にも、溶媒を使用して反応させること
ができるが、過剰のフッ化水素自身を溶媒として作用さ
せることができるので、他の溶媒を用いても何の利点も
得られない。
【0022】好適な反応温度は90〜240℃である。
【0023】本発明方法はバッチ式で、例えば常圧用の
反応器または撹拌式オートクレーブ中で行うことがで
き、或いはまた連続的に、例えば充填物を詰めた加熱可
能な反応器の中に式(II)のハロゲノ蟻酸エステルお
よびフッ化水素を加圧下で充填物上に流下させて行うこ
とができる。本発明方法を実施するのに適した反応器の
材料は例えばステンレス鋼である。
【0024】本発明方法は一般に1〜5時間で終了す
る。次いで反応混合物を例えば次のようにして回収す
る。反応混合物を冷却し、残圧を緩め、存在する過剰の
フッ化水素を蒸溜し去り、随時水と混合しない有機溶
媒、例えば塩化メチレンを加えた後、得られた混合物を
水または氷の上に取り出し、有機相を分離し、乾燥し、
随時真空下において、蒸溜する。
【0025】本発明方法は幾つかの利点をもっている。
本発明方法によれば簡単(一工程)且つ良好な収率で式
(I)のハロゲン化された芳香族化合物、特に2,6−
ジアルキルクロロおよびフルオロベンゼンを製造するこ
とができる。本発明方法は簡単な装置で比較的低い温度
で行うことができる。唯一の助剤(フッ化水素またはル
イス酸)しか必要としない。
【0026】驚くべきことには、ルイス酸またはフッ化
水素が存在するにもかかわらず、本発明方法においては
フリーデル・クラフツ反応は全く起こらないか、起こっ
たとしても極めてその程度は少ない。
【0027】
【実施例】
実施例 1 50gのクロロ蟻酸2,6−ジメチルフェニルに0.8
gの無水塩化アルミニウムを加え、この混合物を常圧に
おいて200℃に加熱する。180℃を越えると二酸化
炭素が発生し始め、3.5時間後に停止した。反応混合
物を冷却し、水を加え、有機層を分離し、塩化メチレン
で水性相を抽出し、前に分離した有機相と一緒にし、一
緒にした相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で蒸溜
する。2,6ジメチルクロロベンゼンが64%の収率で
得られた。
【0028】実施例 2 50gのクロロ蟻酸2,6−ジメチルフェニルに0.3
gの無水塩化アルミニウムを加え、この混合物を常圧に
おいて200℃に加熱する。さらに150gのクロロ蟻
酸2,6−ジメチルフェニルとさらに1gの無水塩化ア
ルミニウムを2時間に亙って計量して加え、同時に生成
した2,6−ジメチルクロロベンゼンを蒸溜し去る。反
応を完結するまでには進行させず、クロロ蟻酸2,6−
ジメチルフェニルと2,6−ジメチルクロロベンゼンと
の混合物が得られた。蒸溜により分離すると収率74%
(変化率に関し)で2,6−ジメチルクロロベンゼンが
得られた。
【0029】実施例 3 50gのクロロ蟻酸2,6−ジメチルフェニルに2.1
gの無水臭化アルミニウムを加え、この混合物を常圧に
おいて200℃に加熱する。二酸化炭素の発生が止む
と、反応混合物を冷却し、ガスクロマトグラフ法で検査
した。2,6−ジメチルクロロベンゼンが含まれてい
た。
【0030】実施例 4 50gのクロロ蟻酸2,6−ジメチルフェニルに1.3
gの無水塩化鉄(III)を加え、この混合物を常圧に
おいて200℃に加熱する。二酸化炭素の発生が止む
と、実施例1のようにして反応混合物を回収した。2,
6−ジメチルクロロベンゼンが40%の収率で得られ
た。
【0031】実施例 5 50gのクロロ蟻酸2,4,6−トリメチルフェニルに
0.5gの無水塩化アルミニウムをを加え、この混合物
を常圧において180℃に1.5時間加熱する。二酸化
炭素の発生が止むと、実施例1のようにして反応混合物
を回収した。2,4,6−トリメチルクロロベンゼンが
72%の収率で得られた。
【0032】実施例 6 50gのクロロ蟻酸2,3−ジメチルフェニルに0.4
gの無水塩化アルミニウムをを加え、この混合物を常圧
において200℃に4.5時間加熱する。二酸化炭素の
発生が止むと、実施例1のようにして反応混合物を回収
した。2,3−ジメチルクロロベンゼンが18%の収率
で得られた。置換基の位置が不利なのにもかかわらずこ
の収率は高かった。
【0033】実施例 7 15gのクロロ蟻酸2,4−ジメチルフェニルに0.5
gの無水塩化アルミニウムをを加え、この混合物を常圧
において200℃に3時間加熱する。二酸化炭素の発生
が止むと、実施例1のようにして反応混合物を回収し
た。2,4−ジメチルクロロベンゼンが20%の収率で
得られた。置換基の位置が不利なのにもかかわらずこの
収率は高かった。
【0034】実施例 8 25gのクロロ蟻酸2−イソプロピルフェニルに0.3
5gの無水塩化アルミニウムをを加え、この混合物を常
圧において200℃に3時間加熱する。二酸化炭素の発
生が止むと、実施例1のようにして反応混合物を回収し
た。2−イソプロピルクロロベンゼンが20%の収率で
得られた。置換基の位置が不利なのにもかかわらずこの
収率は高かった。
【0035】実施例 9 ステンレス鋼製の実験室用オートクレーブに0℃におい
て2000mlの無水フッ化水素を入れ、500gのク
ロロ蟻酸2,6−ジメチルフェニルを滴下する。オート
クレーブを密閉し、3時間の間最高130℃に加熱す
る。発生するガスの圧力を26バールにおいて緩める。
次いでオートクレーブを室温に冷却し、過剰のフッ化水
素を蒸溜し去る。残った反応混合物を氷の上に注ぎ、有
機相を分離し、真空下で蒸溜する。69%の収率でクロ
ロ蟻酸2,6−ジメチルフェニルを得た。
【0036】実施例10 ステンレス鋼製の実験室用オートクレーブに0℃におい
て1000mlの無水フッ化水素を入れ、500gのク
ロロ蟻酸2,6−ジメチルフェニルを滴下する。実施例
9記載の方法で反応を行い、反応混合物を回収する。5
1%の収率でクロロ蟻酸2,6−ジメチルフェニルを得
た。
【0037】実施例11 ステンレス鋼製の実験室用オートクレーブに0℃におい
て500mlの無水フッ化水素を入れ、1000gのク
ロロ蟻酸2,6−ジメチルフェニルを滴下する。オート
クレーブを密閉し、2時間の間最高110℃に加熱す
る。発生するガスの圧力を30バールにおいて緩める。
実施例9記載の方法で反応混合物を回収する。蒸溜する
と2,6−ジメチルフルオロベンゼンが11%の収率
で、またフルロロ蟻酸2,6−ジメチルフェニルが68
%の収率で得られた。(実施例15参照のこと)。
【0038】実施例12 ステンレス鋼製の実験室用オートクレーブに0℃におい
て500mlの無水フッ化水素を入れ、150gのクロ
ロ蟻酸2,6−ジメチルフェニルを滴下する。オートク
レーブを密閉し、1.5時間の間最高140℃に加熱す
る。実施例9記載の方法で反応混合物を回収する。2,
6−ジメチルフルオロベンゼンが68.4%の収率で得
られた。
【0039】実施例13 3リットルのオートクレーブに1.1kgの無水フッ化
水素を入れ、オートクレーブを密閉して130℃に加熱
する。この温度において1kgのクロロ蟻酸2,6−ジ
メチルフェニルを3時間に亙って圧入し、生成するガス
の圧力を40バールにおいて緩める。最後にこの混合物
を130℃で1時間撹拌する。次いで反応混合物を冷却
し、過剰のフッ化水素を100ミリバールで蒸溜し去
る。以下の回収は実施例9記載の方法で行う。2,6−
ジメチルフルオロベンゼンが58.3%の収率で得られ
た。
【0040】実施例14 ステンレス鋼製のオートクレーブに0℃において70m
lの無水フッ化水素および200mlの1,1,2−ト
リフルオロ−1,2,2−トリクロロエタンを入れ、1
00gのクロロ蟻酸2,6−ジメチルフェニルを滴下す
る。オートクレーブを密閉し、5時間の間最高160℃
に加熱し、生成したガスを30バールにおいて緩める。
実施例9記載の方法で反応混合物を回収する。2,6−
ジメチルフルオロベンゼンが30%の収率で、またフル
オロ蟻酸2,6−ジメチルフェニルが40%の収率で得
られた。後者の化合物は2,6−ジメチルフルオロベン
ゼンを製造する新しいバッチに加えることができる(実
施例15参照)。
【0041】実施例15 ステンレス鋼製の実験室用オートクレーブに0℃におい
て200mlの無水フッ化水素を入れ、100gのフル
オロ蟻酸2,6−ジメチルフェニルを滴下する。オート
クレーブを密閉し、1.5時間の間最高140℃に加熱
する。実施例9記載の方法で反応混合物を回収する。
2,6−ジメチルフルオロベンゼンが75%の収率で得
られた。
【0042】実施例16 3.9gの五塩化アンチモンを100gのフルオロ蟻酸
2,6−ジフェニルメチルに加え、この混合物を常圧で
200℃に5時間加熱する。次いで反応混合物を冷却
し、実施例1と同様にして回収する。2,6−ジメチル
フルオロベンゼンが40%の収率で得られた。
【0043】実施例17 ステンレス鋼製の実験室用オートクレーブに0℃におい
て600mlの無水フッ化水素を入れ、180gのクロ
ロ蟻酸2,3−ジメチルフェニルを滴下する。オートク
レーブを密閉し、4時間の間最高140℃に加熱する。
実施例9記載の方法で反応混合物を回収し、43%の
2,3−ジメチルフルオロベンゼン、3.8%のトリメ
チルフルオロベンゼンおよび2.8%の2,6−ジメチ
ルフルオロベンゼンから成る混合物が得られた。
【0044】実施例18 ステンレス鋼製の実験室用オートクレーブに0℃におい
て600mlの無水フッ化水素を入れ、150gのクロ
ロ蟻酸2,4,6−トリメチルフェニルを滴下する。オ
ートクレーブを密閉し、3時間の間最高110℃に加熱
する。実施例9記載の方法で反応混合物を回収し、43
%の2,4,6−トリメチルフルオロベンゼン、23%
のトリメチルフルオロベンゼン(異性体)、15%のテ
トラメチルフルオロベンゼン、および9.8%のジメチ
ルフルオロベンゼンから成る混合物が得られた。
【0045】実施例19 0.7リットルの加熱可能な筒型ステンレス鋼反応器に
直径および高さが6mmで網目の密度が3600メッシ
ュ/cm2のステンレス鋼の網状充填物を充填する。反
応器を加熱し、反応空間の下方1/3の温度が120℃
になるようにする。毎時18.5gのクロロ蟻酸2,6
−ジフェニルメチルおよび200gの無水フッ化水素を
圧力23バールにおいて反応器の塔頂部に供給し、反応
器の中を流下させる。弁を用いて反応器の下部の取り出
し点における圧力を維持した。
【0046】反応器を出る反応混合物を2時間に亙り5
00gの氷と200mlの塩化メチレンとの混合物中に
捕獲する。有機相を分離し、水性相を200mlの塩化
メチレンで洗滌し、塩化メチレン相を一緒にし、フッ化
ナトリウムを加えて残存フッ化水素を除去し、次いで硫
酸ナトリウム/フッ化ナトリウム上で乾燥し、ガスクロ
マトグラフで検査する。変化率100%において2,6
−ジメチルフルオロベンゼンが選択率88%で得られ
た。
【0047】本発明の主な特徴及び態様は次の通りであ
る。 1.式(I)
【0048】
【化5】
【0049】但し式中Halはフッ素または塩素、R1
はC1〜C6−アルキル、R2は水素またはC1〜C6−ア
ルキル、R3は水素またはC1〜C6−アルキル、フッ
素、塩素、または臭素である、のハロゲン化された芳香
族化合物を製造する方法において、フッ化水素または触
媒量のハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化鉄、および
ハロゲン化アンチモンから成る群から選ばれる1種また
はそれ以上のルイス酸を存在させ、液相において式(I
I)
【0050】
【化6】
【0051】但し式中すべての記号は式(I)と同じで
ある、のハロゲノ蟻酸エステルを80〜200℃に加熱
する方法。
【0052】2.式(I)および(II)においてR1
は直鎖または分岐したC1〜C6−アルキル、または環式
のC5−C6−アルキル、R2は水素、直鎖または分岐し
たC1〜C6−アルキル、または環式のC5−C6−アルキ
ル、R3は水素、直鎖または分岐したC1〜C6−アルキ
ル、環式のC5−C6−アルキル、フッ素または塩素であ
る上記第1項記載の方法。
【0053】3.式(I)および(II)において置換
基R2は水素でなく、置換基R1およびR2はHalに関
し2−および6位にある上記第1および2項記載の方
法。
【0054】4.式(II)のハロゲノ蟻酸エステル1
モル当たり1〜100モルのフッ化水素、或いは0.1
〜10モル%のハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化
鉄、およびハロゲン化アンチモンから成る群から選ばれ
る1種またはそれ以上のルイス酸を使用する上記第1〜
3項記載の方法。
【0055】5.ルイス酸を用いる場合、使用する式
(II)のハロゲノ蟻酸エステルを常圧で還流させる上
記第1〜4項記載の方法。
【0056】6.90〜240℃において反応を行う上
記第1〜5項記載の方法。
【0057】7.反応終了後、反応混合物を冷却し、残
留圧力を緩め、存在する過剰のフッ化水素を蒸溜し去
り、得られた混合物を水または氷の上に取り出し、随時
水と混合しない有機溶媒を加えた後、有機相を分離し、
乾燥し、随時真空下において蒸溜を行う上記第1〜6項
記載の方法。
【0058】8.ハロゲノ蟻酸2,6−ジメチルフェニ
ルを使用する上記第1〜7項記載の方法。
【0059】9.ハロゲノ蟻酸2,6−ジメチルフェニ
ルを使用し、ルイス酸を用いて2,6−ジメチルクロロ
ベンゼンを製造する上記第8項記載の方法。
【0060】10.ハロゲノ蟻酸2,6−ジメチルフェ
ニルを使用し、フッ化水素を用いて2,6−ジメチルフ
ルオロベンゼンを製造する上記第8項記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 591063187 D−51368 Leverkusen,G ermany (72)発明者 アルブレヒト・マルホルト ドイツ連邦共和国デー51373レーフエル クーゼン・カール−ドウイスベルク−シ ユトラーセ329 (56)参考文献 特開 平3−218326(JP,A) 特開 昭59−172430(JP,A) 米国特許3283018(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 17/363 C07C 25/02 - 25/13

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 但し式中Halはフッ素または塩素、 R1はC1〜C6−アルキル、 R2は水素またはC1〜C6−アルキル、 R3は水素またはC1〜C6−アルキル、フッ素、塩素、
    または臭素である、のハロゲン化された芳香族化合物を
    製造する方法において、フッ化水素または触媒量のハロ
    ゲン化アルミニウム、ハロゲン化鉄、およびハロゲン化
    アンチモンから成る群から選ばれる1種またはそれ以上
    のルイス酸を存在させ、液相において式(II) 【化2】 但し式中すべての記号は式(I)と同じである、のハロ
    ゲノ蟻酸エステルを80〜200℃に加熱することを特
    徴とする方法。
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