JP3273123B2 - 多芯フェルール - Google Patents
多芯フェルールInfo
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Description
を挿入固定してなる多芯のフェルールに関する。
ル等において、光ファイバ同士あるいは光ファイバと光
半導体素子との間で光信号を送信することが行われてい
る。この場合、図5に示すように、光ファイバ20の端
部はセラミックス製のフェルール10の貫通孔11内に
装着されており、このフェルール10の端面同士を当接
させて光コネクタとしたり、フェルール10を光半導体
素子を備えたケーシングに装着して光半導体モジュール
としている。
ール10には軸方向に断面が円形の貫通孔11が形成さ
れ、この中に一本の光ファイバ20を挿入し、両者の隙
間12に接着剤30を充填して固着してある。
の光ファイバ20を備えているが、使用分野によって
は、複数本の光ファイバ20を同時に保持することがあ
る。例えば、2本の光ファイバを並列して備えれば、一
方の光ファイバが破損しても他方の光ファイバで光信号
を伝送することができ、安全性を高くすることができる
のである。
するための構造としては、例えば図6(a)に示すよう
に、基板51上に備えた二本のV溝51aに光ファイバ
20を載置し、上から別の基板52で押さえて保持する
ものがある。しかし、このようなV溝基板は製造コスト
が高く、小型化が困難であるため、一般的ではなかっ
た。
つのフェルール10に二つの貫通孔11を備え、それぞ
れ光ファイバ20を挿入、固定したものである。さら
に、図6(c)に示すものは、フェルール10の一つの
貫通孔11に二本の光ファイバ20を挿入し接着剤30
で固着したものである。これらは2芯フェルールと呼ば
れ、低コストに製造できることから一般に使用されてい
る。
に示すように二つの貫通孔11を備えたものでは、光フ
ァイバ20のピッチを小さくしようとすると、貫通孔1
1間の隔壁が薄くなってこの部分が破損しやすくなると
いう問題があった。
孔11に二本の光ファイバ20を固着したものでは、貫
通孔11との隙間12が大きいために大量の接着剤30
が必要となり、無駄が多いだけでなく、接着剤の硬化時
に不均一な応力が生じて光ファイバ20の破損原因にな
るという問題があった。さらに、二本の光ファイバ20
が貫通孔11内で回動してねじれる恐れがあり、光ファ
イバ20がねじれると光の出射角が変化するため、受発
光側で調整しなければならないという不都合があった。
ックスからなるフェルールの貫通孔に複数の光ファイバ
を挿入し、接着剤で固定してなる多芯フェルールであっ
て、上記貫通孔の断面形状を長孔状とし、かつ複数の光
ファイバの接合部近傍の内壁に内側に突出した張り出し
部を形成し、該張り出し部でもって光ファイバの回動を
防止するとともに、上記貫通孔の中心軸に垂直な断面に
おいて、光ファイバの合計断面積SFに対する貫通孔と
光ファイバの隙間の面積SCの比SC/SFが、0.5以
下であることを特徴とする。
張り出し部を形成したことによって、この張り出し部で
光ファイバの回動してねじれることを防止し、光の出射
角度が変化することを防止できる。
おける、光ファイバの断面積に対する貫通孔と光ファイ
バとの隙間の面積の比を0.5以下としたことによっ
て、隙間が小さいため充填する接着剤の量を減らすこと
ができ、硬化時の不均一な応力による光ファイバの破損
を防止できる。
ルールを例にとって図により説明する。
1に示すように、セラミックスからなるフェルール10
には軸方向の貫通孔11を有し、この貫通孔11に二本
の光ファイバ20の端部を挿入し接着固定して、2芯フ
ェルールを構成してある。
(a)に示すように、貫通孔11は楕円形状となってお
り、その長径A方向に二本の光ファイバ20を並べて挿
入し、貫通孔11との隙間12には接着剤30を充填し
て固定してある。
ため、短径B方向の内壁が内側への張り出し部11aと
なって、光ファイバ20が回動してねじれることを防止
できる。しかも、貫通孔11が楕円形状であるため、光
ファイバ20との隙間12が小さくなり、この部分に充
填する接着剤30の量を少なくすることができ、接着剤
30が硬化する際に不均一な応力が生じることを防止で
きる。
二本の光ファイバ20の合計の面積SF と隙間12の面
積SC をそれぞれ求め、両者の比SC /SF が0.5以
下となるようにしておけば、充分に隙間12を小さく
し、接着剤30の使用量を減らすことができる。
を楕円形状とする場合、短径B方向の内壁が回動を防止
できる張り出し部11aを成すためには、短径Bは光フ
ァイバ20の直径の2倍未満とする必要がある。また、
上述したように二本の光ファイバ20の面積SF に対す
る隙間12の面積SC の比SC /SF を0.5以下とす
るためには、長径Aと短径Bの比B/Aを0.7以下と
することが好ましい。
貫通孔11の断面形状を長孔状とし、長径A方向に二本
の光ファイバ20を並べて挿入し、接着剤30で接着固
定したものである。
互いに平行となっており、この内壁が内側への張り出し
部11aとなっているため、光ファイバ20が回動して
ねじれることを防止できる。しかも、図2(a)に比べ
て、さらに隙間12を小さくすることができ、この隙間
12に充填する接着剤30の量を減らすことができる。
に示すものは、フェルール10の貫通孔11の断面形状
を長孔状とし、かつ二本の光ファイバ20の接合部近傍
の内壁に内側に突出した張り出し部11aを備え、光フ
ァイバ20の回動を防止するようにしたものである。こ
のような形状とすれば、上述した参考例に比べてさらに
隙間12を小さくし、接着剤30の使用量を少なくする
ことができる。
孔で突出部を有する形状を示したが、要するに内側に張
り出し部11aを備え、この張り出し部11aが光ファ
イバ20の回動を防止するような形状であり、かつ二本
の光ファイバ20の面積SFに対する隙間12の面積SC
の比SC /SF が0.5以下となるような形状であれ
ば、貫通孔11の形状はさまざまなものとすることがで
きる。
ミックス、ガラス、樹脂等で形成することができるが、
耐久性や高精度の点からジルコニアを主成分とするセラ
ミックスが好適である。また、接着剤30としてはエポ
キシ系接着剤等を用いる。
光コネクタや光半導体モジュールに使用することができ
る。この時、2本の光ファイバを備えていることによ
り、仮に1本の光ファイバが破損したような場合でも、
他方の光ファイバで光信号を伝送することができ、安全
性を高めることができる。
する応用例としては、例えば図3に示すモジュールがあ
る。これは、モジュールの一方端に本発明のフェルール
10を、他方端に1芯のフェルール43を備え、フェル
ール10に備えた一方の光ファイバ20aより光信号を
導入し、この光信号を一度内部の素子42で反射して他
方の光ファイバ20bより外部に導出する。この光ファ
イバ20bには光増幅回路41が接続されており、増幅
された光信号となって再度光ファイバ20bからモジュ
ールに導入される。増幅された光信号は素子42を透過
してフェルール43の光ファイバ44より外部に導出さ
れるようになっている。
を備えた2芯フェルールについて説明したが、本発明は
3本以上の光ファイバ20を備えた多芯フェルールにつ
いて適用することができる。
ェルール10に断面が長孔状の貫通孔11を形成し、こ
の中に3本の光ファイバ20を横に並べて配置し、隙間
12に接着剤30を充填する。あるいは参考例を図4
(b)に示すように貫通項11を断面が三角形状とし、
この中に3本の光ファイバ20を三角形状に配置し、隙
間12に接着剤30を充填する。
挿入し保持する場合でも、貫通項11の内側への張り出
し部11aを形成すれば、光ファイバ20が回動してね
じれることを防止できる。また、軸方向と垂直な断面に
おいて、保持する光ファイバ20の合計断面積SF に対
する隙間12の面積SC の比SC /SF が0.5以下と
なるようにしておけば、充分に隙間12を小さくして、
接着剤30の使用量を減らし、硬化時に不均一な応力が
生じることを防止できる。
2(a)(b)の参考例と図6(c)に示す比較例の2
芯フェルールをそれぞれ50個作製した。
状とし、長径Aを260μm、短径Bを180μmと
し、直径125μmの光ファイバ20を2本並べて挿入
し、エポキシ系の接着剤を隙間12に充填して接着固定
した(実施例1)。このとき、光ファイバ20の合計断
面積SF は24543μm2 であり、隙間12の面積S
C は12213μm2 であり、両者の比SC /SF は
0.50であった。
状とし、長径Aを260μm、短径Bを130μmと
し、直径125μmの光ファイバ20を2本並べて挿入
し、接着固定した(実施例2)。このとき、光ファイバ
20の合計断面積SF は24543μm2 であり、隙間
12の面積SC は5630μm2 であり、両者の比SC
/SF は0.23であった。
に、貫通孔11を直径260μmの円形とし、直径12
5μmの光ファイバ20を2本並べて挿入し、接着固定
した(比較例)。このとき、光ファイバ20の合計断面
積SF は24543μm2 であり、隙間12の面積SC
は28549μm2 であり、両者の比SC /SF は1.
16であった。
剤30の硬化時に不均一な応力による光ファイバ20の
破損の有無、及び保持した光ファイバ20を回動させた
時のねじれの発生の有無を調べた。
り、比較例では光ファイバ30の破損が発生し、しかも
固定後でも光ファイバ20が回動してねじれてしまっ
た。
は、光ファイバ20の合計断面積SF に対する隙間12
の面積SC の比SC /SF を0.5以下としたため、接
着剤30の使用量が少ないため、硬化時の不均一な応力
が生じにくく光ファイバ20の破損がなかった。また、
貫通孔11の内側に張り出し部11aがあるために、光
ファイバ20が回動してねじれることはなかった。した
がって、図2(c)に示す本発明実施例では、これらの
参考例と同程度かそれ以上に上記効果を高くできること
がわかる。
ルの貫通孔に複数の光ファイバを挿入し、接着剤で固定
してなる多芯フェルールであって、上記貫通孔の内側に
張り出し部を形成し、該張り出し部でもって光ファイバ
の回動を防止するようにしたことによって、複数の光フ
ァイバが貫通孔内で回動してねじれてしまうことがない
ため、光の出射角度が変化することを防止できる。その
ため、受発光素子を接続する際に調整を行う必要がな
く、容易に組み立てることができる。
孔に複数の光ファイバを挿入し、接着剤で固定してなる
多芯フェルールであって、上記貫通孔の中心軸に垂直な
断面において、光ファイバの断面積に対する貫通孔と光
ファイバとの隙間の面積の比を0.5以下としたことに
よって、隙間に充填する接着剤の量を減らすことができ
るため、無駄を無くせるとともに、接着剤が硬化する際
に不均一な応力が生じて光ファイバを破損することを防
止できる。
あり、(a)(b)は本発明を説明するための参考例、
(c)は本発明の実施形態を示す。
を示す概略図である。
実施形態を説明するための参考例を示す拡大断面図であ
る。
(b)は(a)のY−Y線拡大断面図である。
断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】セラミックスからなるフェルールの貫通孔
に複数の光ファイバを挿入し、接着剤で固定してなる多
芯フェルールであって、上記貫通孔の断面形状を長孔状
とし、かつ複数の光ファイバの接合部近傍の内壁に内側
に突出した張り出し部を形成し、該張り出し部でもって
光ファイバの回動を防止するとともに、上記貫通孔の中
心軸に垂直な断面において、光ファイバの合計断面積S
F に対する貫通孔と光ファイバの隙間の面積S C の比S C
/S F が、0.5以下であることを特徴とする多芯フェ
ルール。
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- 1996-08-22 JP JP22141596A patent/JP3273123B2/ja not_active Expired - Fee Related
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