JP3266076B2 - マイクロ波プラズマ処理装置及びその実施に使用する対向電極 - Google Patents
マイクロ波プラズマ処理装置及びその実施に使用する対向電極Info
- Publication number
- JP3266076B2 JP3266076B2 JP30226197A JP30226197A JP3266076B2 JP 3266076 B2 JP3266076 B2 JP 3266076B2 JP 30226197 A JP30226197 A JP 30226197A JP 30226197 A JP30226197 A JP 30226197A JP 3266076 B2 JP3266076 B2 JP 3266076B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- counter electrode
- microwave
- slit
- processing apparatus
- plasma processing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Plasma Technology (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- ing And Chemical Polishing (AREA)
- Drying Of Semiconductors (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子デバイス等の製
造プロセスに用いられ、半導体素子基板等のエッチング
又は薄膜形成等の処理を行うマイクロ波プラズマ処理装
置及びその実施に使用する対向電極に関する。
造プロセスに用いられ、半導体素子基板等のエッチング
又は薄膜形成等の処理を行うマイクロ波プラズマ処理装
置及びその実施に使用する対向電極に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波プラズマ処理装置において
は、低ガス圧力に保持した真空反応容器内にマイクロ波
を導入することにより、真空反応容器内にガス放電を起
こさせてプラズマを生成する。そして、生成したプラズ
マを、試料に照射することによりエッチング又は薄膜形
成等の処理を行う。このプラズマ処理装置は、高集積半
導体素子及び液晶の製造に欠かせないものとしてその研
究開発が進められている。特に、プラズマの生成と生成
したプラズマ中のイオンの加速とを夫々独立に制御でき
るようなプラズマ処理装置が、ドライエッチング技術及
び薄膜形成における埋め込み技術において要望されるよ
うになってきている。
は、低ガス圧力に保持した真空反応容器内にマイクロ波
を導入することにより、真空反応容器内にガス放電を起
こさせてプラズマを生成する。そして、生成したプラズ
マを、試料に照射することによりエッチング又は薄膜形
成等の処理を行う。このプラズマ処理装置は、高集積半
導体素子及び液晶の製造に欠かせないものとしてその研
究開発が進められている。特に、プラズマの生成と生成
したプラズマ中のイオンの加速とを夫々独立に制御でき
るようなプラズマ処理装置が、ドライエッチング技術及
び薄膜形成における埋め込み技術において要望されるよ
うになってきている。
【0003】図3は従来のプラズマ処理装置を示す模式
図であり、プラズマの生成とプラズマ中のイオンの加速
とを独立に制御することができるプラズマエッチング装
置を模式的に示す断面図である(T.Akimoto et a
l..J.J.A.P.,38(1994),H.Mabuchi et al.,
Proc.16th Symp.Dry Process,P235(1994))。中
空直方体形状の反応器1はアルミニウム、ステンレス等
の金属により成形されている。反応器1の上部はマイク
ロ波の透過性を有する耐熱性板2により気密状態に封止
されている。この耐熱性板2は、誘電損失が小さく、か
つ耐熱性を有する材料、例えば石英ガラス又はAl2O3
等を使用して成形されている。
図であり、プラズマの生成とプラズマ中のイオンの加速
とを独立に制御することができるプラズマエッチング装
置を模式的に示す断面図である(T.Akimoto et a
l..J.J.A.P.,38(1994),H.Mabuchi et al.,
Proc.16th Symp.Dry Process,P235(1994))。中
空直方体形状の反応器1はアルミニウム、ステンレス等
の金属により成形されている。反応器1の上部はマイク
ロ波の透過性を有する耐熱性板2により気密状態に封止
されている。この耐熱性板2は、誘電損失が小さく、か
つ耐熱性を有する材料、例えば石英ガラス又はAl2O3
等を使用して成形されている。
【0004】反応器1の上方には耐熱性板2と所定の間
隔をおいて対向し、耐熱性板2を覆う大きさの誘電体線
路3が配設されている。この誘電体線路3は誘電損失が
小さいフッ素樹脂等の誘電体材料で形成された誘電体層
3aと誘電体層3aの上面に配設されたAl等の金属板
4とで構成されている。誘電体線路3にはマイクロ波発
振機5より導波管6を介してマイクロ波が導入されるよ
うになっており、誘電体線路3の終端は金属板4で封止
されている。
隔をおいて対向し、耐熱性板2を覆う大きさの誘電体線
路3が配設されている。この誘電体線路3は誘電損失が
小さいフッ素樹脂等の誘電体材料で形成された誘電体層
3aと誘電体層3aの上面に配設されたAl等の金属板
4とで構成されている。誘電体線路3にはマイクロ波発
振機5より導波管6を介してマイクロ波が導入されるよ
うになっており、誘電体線路3の終端は金属板4で封止
されている。
【0005】反応器1の内部には処理対象物である試料
Sを保持するための試料保持部7を有する試料台8が設
けられており、試料保持部7には試料Sの表面にバイア
ス電圧を発生させるための高周波電源9が接続されてい
る。試料Sに対向する耐熱性板2の下面には反応器1を
介してアース10に接続された金属製の対向電極11
(図4参照)が密接して配設されている。
Sを保持するための試料保持部7を有する試料台8が設
けられており、試料保持部7には試料Sの表面にバイア
ス電圧を発生させるための高周波電源9が接続されてい
る。試料Sに対向する耐熱性板2の下面には反応器1を
介してアース10に接続された金属製の対向電極11
(図4参照)が密接して配設されている。
【0006】図4は従来の対向電極11を示す正面図で
ある。対向電極11にはマイクロ波が反応室1に進入で
きるように多数の長方形のマイクロ波導入窓14が形成
されている。対向電極11と誘電体線路3との間には、
マイクロ波導入路14を取り囲むOリング20が配置さ
れている。この金属製の対向電極11は高周波電源9が
供給されるカソード(試料保持部7)に対するアノード
となり、カソード上に載置された試料Sに対して明確な
バイアス電圧を発生させることができるようになってい
る。このため、この対向電極11はプラズマ処理装置に
おいて極めて重要な構成部品となっている。また、反応
器1の下部壁には反応器1を真空に排気するための排気
装置に接続された排気管12が連結されており、反応器
1の側壁には反応室1内に必要な反応ガスを供給するた
めのガス供給管13が連結されている。
ある。対向電極11にはマイクロ波が反応室1に進入で
きるように多数の長方形のマイクロ波導入窓14が形成
されている。対向電極11と誘電体線路3との間には、
マイクロ波導入路14を取り囲むOリング20が配置さ
れている。この金属製の対向電極11は高周波電源9が
供給されるカソード(試料保持部7)に対するアノード
となり、カソード上に載置された試料Sに対して明確な
バイアス電圧を発生させることができるようになってい
る。このため、この対向電極11はプラズマ処理装置に
おいて極めて重要な構成部品となっている。また、反応
器1の下部壁には反応器1を真空に排気するための排気
装置に接続された排気管12が連結されており、反応器
1の側壁には反応室1内に必要な反応ガスを供給するた
めのガス供給管13が連結されている。
【0007】上記のように構成されたプラズマ処理装置
にあっては、以下のようにして試料S表面にエッチング
処理が施される。
にあっては、以下のようにして試料S表面にエッチング
処理が施される。
【0008】先ず、排気管12から排気を行って反応室
1内を所定の圧力に設定し、その後ガス供給管13から
反応ガスを供給する。次に、マイクロ波発振器5からマ
イクロ波を発振させ、このマイクロ波を導波管6を介し
て誘電体線路3に導入する。そうすると、誘電体線路3
の下方に電界が形成され、形成された電界が耐熱板2を
透過しアースされた対向電極11のマイクロ波導入窓1
4を通り抜けて反応室1内においてプラズマを発生す
る。同時に、前記プラズマ中のイオンの異方性及び加速
エネルギーを制御するため、高速波電源9から試料Sが
載置されている試料保持部7に高周波電源を印加し、試
料S表面にバイアス電圧を発生させる。このバイアス電
圧によりイオンを試料Sに対して垂直に入射させると共
に、試料Sに入射するイオンのエネルギーを制御しなが
ら、エッチング条件の最適化を行う。
1内を所定の圧力に設定し、その後ガス供給管13から
反応ガスを供給する。次に、マイクロ波発振器5からマ
イクロ波を発振させ、このマイクロ波を導波管6を介し
て誘電体線路3に導入する。そうすると、誘電体線路3
の下方に電界が形成され、形成された電界が耐熱板2を
透過しアースされた対向電極11のマイクロ波導入窓1
4を通り抜けて反応室1内においてプラズマを発生す
る。同時に、前記プラズマ中のイオンの異方性及び加速
エネルギーを制御するため、高速波電源9から試料Sが
載置されている試料保持部7に高周波電源を印加し、試
料S表面にバイアス電圧を発生させる。このバイアス電
圧によりイオンを試料Sに対して垂直に入射させると共
に、試料Sに入射するイオンのエネルギーを制御しなが
ら、エッチング条件の最適化を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図4は対向電極11を
上方向から見た図である。従来の対向電極11は、厚さ
が8mmで相互に独立したマイクロ波導入窓14が配設
されている。前述のプラズマ処理装置では、発生したプ
ラズマにより金属製の対向電極11が加熱され、対向電
極11の対角線が交わる中心点では490〜500Kの
高温になる。このとき、金属製対向電極中心部でのマイ
クロ波導入窓14aと14bとの間の金属部分15a
と、マイクロ波導入路14bと14cの間の金属部分1
5bは、熱膨張により膨張し反応容器内にせり出す。こ
の伸びは、熱膨張率を基に計算すると、1.1〜1.5
mmに及ぶ。部分15aと部分15bとが反応容器内に
せり出すと、部分15aと部分15bの部位において、
当初は密着していた対向電極の上方にある耐熱性板2と
間に隙間が発生し、その隙間に本来目的としていないプ
ラズマが発生する。このような目的外のプラズマの発
生、及び熱膨張による対向電極の歪みにより、バイアス
が試料Sに対して均一にかからなくなるため、目的とし
ている対向電極11の下方に発生するプラズマに均一性
低下等の影響を引き起こし、即ちエッチング特性に不均
一性を与え、更にプラズマの点火不良の原因ともなる。
上方向から見た図である。従来の対向電極11は、厚さ
が8mmで相互に独立したマイクロ波導入窓14が配設
されている。前述のプラズマ処理装置では、発生したプ
ラズマにより金属製の対向電極11が加熱され、対向電
極11の対角線が交わる中心点では490〜500Kの
高温になる。このとき、金属製対向電極中心部でのマイ
クロ波導入窓14aと14bとの間の金属部分15a
と、マイクロ波導入路14bと14cの間の金属部分1
5bは、熱膨張により膨張し反応容器内にせり出す。こ
の伸びは、熱膨張率を基に計算すると、1.1〜1.5
mmに及ぶ。部分15aと部分15bとが反応容器内に
せり出すと、部分15aと部分15bの部位において、
当初は密着していた対向電極の上方にある耐熱性板2と
間に隙間が発生し、その隙間に本来目的としていないプ
ラズマが発生する。このような目的外のプラズマの発
生、及び熱膨張による対向電極の歪みにより、バイアス
が試料Sに対して均一にかからなくなるため、目的とし
ている対向電極11の下方に発生するプラズマに均一性
低下等の影響を引き起こし、即ちエッチング特性に不均
一性を与え、更にプラズマの点火不良の原因ともなる。
【0010】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、対向電極がプラズマにより加熱されても、
熱膨張により対向電極が変形することが防止され、プラ
ズマの均一性の向上、エッチング特性の向上、及び安定
したプラズマの発生を可能とするマイクロ波プラズマ処
理装置及びその実施に使用する対向電極を提供すること
を目的とする。
のであって、対向電極がプラズマにより加熱されても、
熱膨張により対向電極が変形することが防止され、プラ
ズマの均一性の向上、エッチング特性の向上、及び安定
したプラズマの発生を可能とするマイクロ波プラズマ処
理装置及びその実施に使用する対向電極を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1のマイ
クロ波プラズマ処理装置は、マイクロ波発信器と、試料
保持部と、この試料保持部上の試料に高周波電界又は直
流電界を印加する手段と、前記試料保持部に対向配置さ
れマイクロ波を通過する複数のマイクロ波導入窓が設け
られた対向電極とを有し、前記対向電極のマイクロ波導
入窓は相互にスリットで連結されていることを特徴とす
る。
クロ波プラズマ処理装置は、マイクロ波発信器と、試料
保持部と、この試料保持部上の試料に高周波電界又は直
流電界を印加する手段と、前記試料保持部に対向配置さ
れマイクロ波を通過する複数のマイクロ波導入窓が設け
られた対向電極とを有し、前記対向電極のマイクロ波導
入窓は相互にスリットで連結されていることを特徴とす
る。
【0012】本発明に係る第2のマイクロ波プラズマ処
理装置は、マイクロ波発信器と、マイクロ波を伝送する
導波管と、この導波管に接続された誘電体線路に対向配
置されるマイクロ波導入窓を有する反応器と、反応器内
に処理すべき試料基板を載置する試料保持部と、この試
料保持部に高周波電界又は直流電界を印加する手段と、
前記試料保持部に対向配置されマイクロ波が通過できる
複数のマイクロ波導入窓が設けられた対向電極とを有す
るマイクロ波プラズマ処理装置において、前記対向電極
は複数のマイクロ波導入窓を相互に連結するスリットを
有することを特徴とする。
理装置は、マイクロ波発信器と、マイクロ波を伝送する
導波管と、この導波管に接続された誘電体線路に対向配
置されるマイクロ波導入窓を有する反応器と、反応器内
に処理すべき試料基板を載置する試料保持部と、この試
料保持部に高周波電界又は直流電界を印加する手段と、
前記試料保持部に対向配置されマイクロ波が通過できる
複数のマイクロ波導入窓が設けられた対向電極とを有す
るマイクロ波プラズマ処理装置において、前記対向電極
は複数のマイクロ波導入窓を相互に連結するスリットを
有することを特徴とする。
【0013】更に、本発明に係る対向電極は、マイクロ
波を通過する複数のマイクロ波導入窓と、これらのマイ
クロ波導入窓を相互に連結するスリットとを有すること
を特徴とする。
波を通過する複数のマイクロ波導入窓と、これらのマイ
クロ波導入窓を相互に連結するスリットとを有すること
を特徴とする。
【0014】これらのマイクロ波プラズマ処理装置及び
対向電極において、前記スリットは前記対向電極の表面
に垂直の側壁を有するか、前記スリットは前記対向電極
の表面に傾斜した側壁を有するものとすることができ
る。また、前記スリットの幅は1.5乃至2.0mmで
あることが好ましい。
対向電極において、前記スリットは前記対向電極の表面
に垂直の側壁を有するか、前記スリットは前記対向電極
の表面に傾斜した側壁を有するものとすることができ
る。また、前記スリットの幅は1.5乃至2.0mmで
あることが好ましい。
【0015】本発明においては、プラズマ発生時の熱に
よる対向電極の膨張を、マイクロ波導入窓を相互に連結
するスリットが吸収し、対向電極の変形が抑制される。
対向電極の熱膨張による変形は対向電極上部にある耐熱
板との間に隙間を生じさせ、この隙間で発生した目的外
のプラズマ放電、及び対向電極の熱膨張によって起こる
バイアス不均一により、エッチング均一性が低下する
が、本発明においては、対向電極の変形が防止されるた
め、このエッチング均一性の低下が防止される。その結
果、プラズマの安定性が向上すると共に、エッチンググ
レートの均一性が向上する。
よる対向電極の膨張を、マイクロ波導入窓を相互に連結
するスリットが吸収し、対向電極の変形が抑制される。
対向電極の熱膨張による変形は対向電極上部にある耐熱
板との間に隙間を生じさせ、この隙間で発生した目的外
のプラズマ放電、及び対向電極の熱膨張によって起こる
バイアス不均一により、エッチング均一性が低下する
が、本発明においては、対向電極の変形が防止されるた
め、このエッチング均一性の低下が防止される。その結
果、プラズマの安定性が向上すると共に、エッチンググ
レートの均一性が向上する。
【0016】また、スリットの幅を1.5乃至2.0m
mとすることにより、プラズマを均一に形成しつつ、対
向電極の熱膨張による変形を防止することができる。
mとすることにより、プラズマを均一に形成しつつ、対
向電極の熱膨張による変形を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について添
付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明
の実施例に係る対向電極15を示す正面図である。この
対向電極15は図4に図示した対向電極11の替わり
に、図3に示すマイクロ波プラズマ処理装置に取り付け
られる。図1において、図4と同一構成物には同一符号
を付してその詳細な説明は省略する。
付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明
の実施例に係る対向電極15を示す正面図である。この
対向電極15は図4に図示した対向電極11の替わり
に、図3に示すマイクロ波プラズマ処理装置に取り付け
られる。図1において、図4と同一構成物には同一符号
を付してその詳細な説明は省略する。
【0018】金属製の対向電極15には、マイクロ波を
通過させるマイクロ波導入窓14が複数個形成されてい
る。このマイクロ波導入窓14は、長方形をなし、相互
に平行に配置されている。そして、対向電極15には、
各マイクロ波導入窓14の中心を相互に連結するように
して、幅が1.5乃至2.0mmのスリット16が形成
されている。
通過させるマイクロ波導入窓14が複数個形成されてい
る。このマイクロ波導入窓14は、長方形をなし、相互
に平行に配置されている。そして、対向電極15には、
各マイクロ波導入窓14の中心を相互に連結するように
して、幅が1.5乃至2.0mmのスリット16が形成
されている。
【0019】図2(a)は図1のA−A線による断面図
であり、スリット16の形状を示すものである。この図
2(a)に示すように、スリット16はその側壁が対向
電極15の表面に垂直である。
であり、スリット16の形状を示すものである。この図
2(a)に示すように、スリット16はその側壁が対向
電極15の表面に垂直である。
【0020】このように構成された対向電極15は図3
に示すプラズマ処理装置に対向電極11の替わりに取り
付けられる。そして、従来と同様に、プラズマを生成し
てエッチング又は薄膜形成を行う。この場合に、本実施
例においては、対向電極15にスリット16が形成され
ているので、プラズマにより金属製の対向電極15が加
熱されても、その熱膨張による変形が防止される。
に示すプラズマ処理装置に対向電極11の替わりに取り
付けられる。そして、従来と同様に、プラズマを生成し
てエッチング又は薄膜形成を行う。この場合に、本実施
例においては、対向電極15にスリット16が形成され
ているので、プラズマにより金属製の対向電極15が加
熱されても、その熱膨張による変形が防止される。
【0021】前述のように、熱膨張による金属の伸び
は、熱膨張率から計算すると、1.1〜1.5mmに及
ぶ。実際に、従来の対向電極11を図3に示すプラズマ
処理装置に設置し(6インチ仕様)、μ/RF=130
0/600W、圧力30〜50mTorr、プロセスガ
スCHF3等の条件でプラズマ処理を行うと、図4に示
すように、対向電極11の中心部分15a、15bがマ
イクロ波導入窓14に垂直な方向へ1〜2mm程度たわ
む。
は、熱膨張率から計算すると、1.1〜1.5mmに及
ぶ。実際に、従来の対向電極11を図3に示すプラズマ
処理装置に設置し(6インチ仕様)、μ/RF=130
0/600W、圧力30〜50mTorr、プロセスガ
スCHF3等の条件でプラズマ処理を行うと、図4に示
すように、対向電極11の中心部分15a、15bがマ
イクロ波導入窓14に垂直な方向へ1〜2mm程度たわ
む。
【0022】そこで、本発明実施例においては、図4中
に示した従来の対向電極11の独立した長方形のマイク
ロ波導入窓14に対し、図1に示すように、窓の長手方
向の中心位置に、マイクロ波導入窓14に直交する幅
1.5乃至2.0mmのスリット16を形成する。この
ようなスリット16を設けることにより、図4の金属部
分15a及び金属部分15bの伸びが吸収され、対向電
極の熱による変形が防止される。そこで、本実施例にお
いて、プラズマ処理を行うと、安定してプラズマを発生
できると共に、エッチングレートの均一性を向上させる
ことができる。
に示した従来の対向電極11の独立した長方形のマイク
ロ波導入窓14に対し、図1に示すように、窓の長手方
向の中心位置に、マイクロ波導入窓14に直交する幅
1.5乃至2.0mmのスリット16を形成する。この
ようなスリット16を設けることにより、図4の金属部
分15a及び金属部分15bの伸びが吸収され、対向電
極の熱による変形が防止される。そこで、本実施例にお
いて、プラズマ処理を行うと、安定してプラズマを発生
できると共に、エッチングレートの均一性を向上させる
ことができる。
【0023】なお、スリットの形状は、図2(a)に示
すように、スリットを対向電極の表面に垂直に形成され
ている。このように、スリット16を垂直に形成した場
合は、加工が容易であり、低コストで対向電極を製造す
ることができる。しかし、スリット形状はこの図2
(a)に示す垂直に限らず、図2(b)に示すように、
スリット16aを対向電極15の表面に対して傾斜する
ように形成することもできる。このように、スリット1
6aを対向電極15の表面に対し斜めに形成することに
より、より均一性が優れたプラズマを発生させることが
できる。
すように、スリットを対向電極の表面に垂直に形成され
ている。このように、スリット16を垂直に形成した場
合は、加工が容易であり、低コストで対向電極を製造す
ることができる。しかし、スリット形状はこの図2
(a)に示す垂直に限らず、図2(b)に示すように、
スリット16aを対向電極15の表面に対して傾斜する
ように形成することもできる。このように、スリット1
6aを対向電極15の表面に対し斜めに形成することに
より、より均一性が優れたプラズマを発生させることが
できる。
【0024】また、試料に印加する電界は、高周波電界
に限らず、直流電界でも同様の効果を奏する。
に限らず、直流電界でも同様の効果を奏する。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
対向電極の各マイクロ波導入窓を連結するスリットを設
けたので、対向電極の変形を防止することができる。こ
のため、第1に、プラズマ処理装置におけるプラズマ点
火性を向上させることができる。変形した対向電極で
は、変形部と対向電極上部の耐熱板との間で発生する目
的としないプラズマが、導入されたマイクロ波のエネル
ギーを消費し、プラズマの発生効率が落ちる。しかし、
変形が無い対向電極では、安定してマイクロ波が供給さ
れるため、安定した点火性能を期待できる。実際に、変
形した対向電極をプラズマ処理装置に設置し、前述のμ
/RF=1300/600W、圧力30〜50mTor
r、プロセスガスCHF3等の条件でプラズマ処理を行
うと、プラズマが発生しないか、又はマイクロ波のマッ
チングが取りにくい等の問題が発生するが、本発明の対
向電極をプラズマ処理装置に設置して同様の処理を行う
と、上記のような問題は全て回避された。
対向電極の各マイクロ波導入窓を連結するスリットを設
けたので、対向電極の変形を防止することができる。こ
のため、第1に、プラズマ処理装置におけるプラズマ点
火性を向上させることができる。変形した対向電極で
は、変形部と対向電極上部の耐熱板との間で発生する目
的としないプラズマが、導入されたマイクロ波のエネル
ギーを消費し、プラズマの発生効率が落ちる。しかし、
変形が無い対向電極では、安定してマイクロ波が供給さ
れるため、安定した点火性能を期待できる。実際に、変
形した対向電極をプラズマ処理装置に設置し、前述のμ
/RF=1300/600W、圧力30〜50mTor
r、プロセスガスCHF3等の条件でプラズマ処理を行
うと、プラズマが発生しないか、又はマイクロ波のマッ
チングが取りにくい等の問題が発生するが、本発明の対
向電極をプラズマ処理装置に設置して同様の処理を行う
と、上記のような問題は全て回避された。
【0026】対向電極の変形防止により、第2に、エッ
チングレート均一性を向上させることができる。対向電
極が変形すると、試料に対してバイアスが不均一にかか
り、試料面内におけるエッチングレート均一性が低下す
るが、変形が無い対向電極では試料に対してバイアスが
均一に印加されるため、エッチングレート均一性が向上
する。実際に、変形した対向電極と変形しない対向電極
をプラズマ処理装置に設置してプラズマ処理すると、変
形した対向電極では8%程度であったエッチングレート
均一性がスリットを有する対向電極の場合は、エッチン
グレートの均一性が11%に向上した。
チングレート均一性を向上させることができる。対向電
極が変形すると、試料に対してバイアスが不均一にかか
り、試料面内におけるエッチングレート均一性が低下す
るが、変形が無い対向電極では試料に対してバイアスが
均一に印加されるため、エッチングレート均一性が向上
する。実際に、変形した対向電極と変形しない対向電極
をプラズマ処理装置に設置してプラズマ処理すると、変
形した対向電極では8%程度であったエッチングレート
均一性がスリットを有する対向電極の場合は、エッチン
グレートの均一性が11%に向上した。
【図1】本発明の実施例に係る対向電極を示す正面図で
ある。
ある。
【図2】図1のA−A線による断面図であり、本実施例
の対向電極のスリット形状を示し、(a)は表面に垂直
のスリット、(b)は表面に傾斜したスリットを示す。
の対向電極のスリット形状を示し、(a)は表面に垂直
のスリット、(b)は表面に傾斜したスリットを示す。
【図3】プラズマ処理装置を示す図である。
【図4】従来の対向電極を示す正面図である。
1:反応器 2:耐熱性板 3:誘電体線路 4:金属板 5:マイクロ波発信器 6:導波管 7:試料保持部 8:試料台 9:高周波電源 10:アース 11、15:対向電極 12:排気管 13:ガス供給管 14:マイクロ波導入窓 16,16a:スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23C 16/511
Claims (9)
- 【請求項1】 マイクロ波発信器と、試料保持部と、こ
の試料保持部上の試料に高周波電界又は直流電界を印加
する手段と、前記試料保持部に対向配置されマイクロ波
を通過する複数のマイクロ波導入窓が設けられた対向電
極とを有し、前記対向電極のマイクロ波導入窓は相互に
スリットで連結されていることを特徴とするマイクロ波
プラズマ処理装置。 - 【請求項2】 マイクロ波発信器と、マイクロ波を伝送
する導波管と、この導波管に接続された誘電体線路に対
向配置されるマイクロ波導入窓を有する反応器と、反応
器内に処理すべき試料基板を載置する試料保持部と、こ
の試料保持部に高周波電界又は直流電界を印加する手段
と、前記試料保持部に対向配置されマイクロ波が通過で
きる複数のマイクロ波導入窓が設けられた対向電極とを
有するマイクロ波プラズマ処理装置において、前記対向
電極は複数のマイクロ波導入窓を相互に連結するスリッ
トを有することを特徴とするマイクロ波プラズマ処理装
置。 - 【請求項3】 前記スリットは前記対向電極の表面に垂
直の側壁を有することを特徴とする請求項1又は2に記
載のマイクロ波プラズマ処理装置。 - 【請求項4】 前記スリットは前記対向電極の表面に傾
斜した側壁を有することを特徴とする請求項1又は2に
記載のマイクロ波プラズマ処理装置。 - 【請求項5】 前記スリットの幅は1.5乃至2.0m
mであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1
項に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。 - 【請求項6】 マイクロ波を通過する複数のマイクロ波
導入窓と、これらのマイクロ波導入窓を相互に連結する
スリットとを有することを特徴とする対向電極。 - 【請求項7】 前記スリットは前記対向電極の表面に垂
直の側壁を有することを特徴とする請求項6に記載の対
向電極。 - 【請求項8】 前記スリットは前記対向電極の表面に傾
斜した側壁を有することを特徴とする請求項6に記載の
対向電極。 - 【請求項9】 前記スリットの幅は1.5乃至2.0m
mであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1
項に記載の対向電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30226197A JP3266076B2 (ja) | 1997-11-04 | 1997-11-04 | マイクロ波プラズマ処理装置及びその実施に使用する対向電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30226197A JP3266076B2 (ja) | 1997-11-04 | 1997-11-04 | マイクロ波プラズマ処理装置及びその実施に使用する対向電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11145116A JPH11145116A (ja) | 1999-05-28 |
JP3266076B2 true JP3266076B2 (ja) | 2002-03-18 |
Family
ID=17906893
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30226197A Expired - Fee Related JP3266076B2 (ja) | 1997-11-04 | 1997-11-04 | マイクロ波プラズマ処理装置及びその実施に使用する対向電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3266076B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101395973B (zh) * | 2006-03-07 | 2013-03-13 | 国立大学法人琉球大学 | 等离子体发生装置以及使用它的等离子体产生方法 |
JP5490192B2 (ja) * | 2011-12-28 | 2014-05-14 | 東京エレクトロン株式会社 | マイクロ波加熱処理装置および処理方法 |
JP6229592B2 (ja) * | 2014-05-21 | 2017-11-15 | トヨタ自動車株式会社 | プラズマcvd装置 |
-
1997
- 1997-11-04 JP JP30226197A patent/JP3266076B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11145116A (ja) | 1999-05-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100494607B1 (ko) | 플라즈마 프로세스 장치 | |
JP3645768B2 (ja) | プラズマプロセス装置 | |
US5011705A (en) | Plasma processing method | |
KR100393277B1 (ko) | 전자원, 화상표시디바이스의 제조장치와 방법, 및기판처리 장치와 방법 | |
JP2921499B2 (ja) | プラズマ処理装置 | |
JP3323928B2 (ja) | プラズマ処理装置 | |
KR100218836B1 (ko) | 플라스마 처리장치 | |
JP3266076B2 (ja) | マイクロ波プラズマ処理装置及びその実施に使用する対向電極 | |
JPH10158847A (ja) | マイクロ波励起によるプラズマ処理装置 | |
JP2000200698A (ja) | プラズマ処理方法及び装置 | |
JP3807820B2 (ja) | プラズマ処理方法 | |
JP4632515B2 (ja) | プラズマプロセス装置 | |
JP3651564B2 (ja) | 表面波プラズマ蝕刻装置 | |
JP3784912B2 (ja) | マイクロ波励起プラズマ装置 | |
JP3042347B2 (ja) | プラズマ装置 | |
JP3077144B2 (ja) | 試料保持装置 | |
JP3357737B2 (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2967770B2 (ja) | プラズマ処理装置 | |
JP4481921B2 (ja) | プラズマプロセス方法およびプラズマプロセス装置 | |
JP3178332B2 (ja) | プラズマ処理装置の運転方法 | |
JP3373466B2 (ja) | プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 | |
JP4052735B2 (ja) | プラズマ処理装置 | |
JP2956640B2 (ja) | プラズマ処理装置 | |
JPS6126223A (ja) | エツチング方法および装置 | |
JPH11106929A (ja) | プラズマ処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |