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JP3252132B2 - 布帛処理剤、布帛処理液、布帛、捺染方法、捺染物及び高品位の捺染物を安定して提供する方法 - Google Patents

布帛処理剤、布帛処理液、布帛、捺染方法、捺染物及び高品位の捺染物を安定して提供する方法

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JP3252132B2
JP3252132B2 JP28684299A JP28684299A JP3252132B2 JP 3252132 B2 JP3252132 B2 JP 3252132B2 JP 28684299 A JP28684299 A JP 28684299A JP 28684299 A JP28684299 A JP 28684299A JP 3252132 B2 JP3252132 B2 JP 3252132B2
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ink
polyethylene oxide
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oxide compound
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真理子 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット方
式を用いてプリントする際に好適に利用できる布帛処理
剤、布帛処理液、布帛、捺染方法捺染物及び高品位の
捺染物を安定して提供する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、布帛にインクジェット記録する方
法として、用いる染料に対して非染着性の水溶性高分子
物質と、水溶性塩類と、水不溶性無機微粒子のいずれか
を含む水溶液で前処理した布帛にインクジェット染色す
る方法(特公昭63−31594号公報参照)や、セル
ロース繊維をアルカリ性物質と尿素又はチオ尿素と水溶
性高分子を含む水溶液で前処理し、反応染料を含むイン
クでインクジェット染色し、乾熱固着処理する方法(特
公平4−35351号公報参照)などがある。又、本発
明者らは、撥水剤とポリエチレンオキサイド樹脂を付着
せしめた布帛にインクジェット方式によりインクを付与
し、次いで発色処理後、洗浄し、乾燥する方法(特開平
9−279490号公報参照)を提案している。
【0003】これらの従来技術の目的とするところは、
いずれも布帛上に形成される画像の滲み防止と、シャー
プな絵柄、及び高濃度で鮮明な捺染物を得ることにあ
る。本発明者らは、上記した従来技術を更に検討した。
その結果、布帛処理工程から発色工程に至る様々な条件
が変動した場合、例えば、布帛処理後発色までの時間が
長い場合において、上記の課題を満足できる捺染物を安
定的に得ることについて着目したところ、インクジェッ
ト捺染において、滲み防止と画像の高濃度化に有効な布
帛処理剤であるポリエチレンオキサイド化合物及びその
誘導体は、その性質として、温度、金属、酸化剤、p
H、物理的外力、空気、光などの影響により分子鎖が切
断され、性能の劣化が起こる場合があることを見出し
た。そして、より高品質なインクジェット捺染物を得る
うえで、これらの布帛処理剤の使いこなしには、何らか
の改善が必要であるとの結論を出すに至った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、発色条件が変動した場合や、布帛処理剤、該布帛処
理剤を希釈したものや、これらで処理した布帛が長期間
保存された後においても、画像濃度が十分高く、色の深
みがあり、インクの付与量が多い場合でも、インクの滲
みの発生を極力抑えることができるインクジェット染色
用の布帛処理剤を提供することにある。
【0005】又、本発明の他の目的は、様々な環境下に
長期間放置されたような場合であっても安定して高い品
質の捺染物が得られる布帛を提供することにある。更
に、本発明の他の目的は、優れた捺染物が安定して得ら
れる捺染方法を提供することにある。更に又、本発明の
目的は、品質のばらつきのない捺染物を安定に提供する
ことにある。又、本発明の他の目的は、高品位の捺染物
を安定して提供する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対して様々な検討を重ねた結果、トコフェロール類
が、布帛処理剤としてのポリエチレンオキサイド化合物
若しくはその誘導体の保存安定性の向上に特異的に作用
することを見出し本発明を為すに至った。
【0007】上記の目的を達成することのできる布帛処
理剤の一実施態様は、ポリエチレンオキサイド化合物及
びその誘導体の少なくとも1つと、トコフェロール類と
を含有することを特徴とする布帛処理剤である。
【0008】又、上記本発明の目的を達成するのに有効
な布帛の一実施態様は、上記ポリエチレンオキサイド化
合物及びその誘導体の少なくとも1つとトコフェロール
類とを含有する布帛処理剤が含まれていることを特徴と
する。又、上記本発明の目的を達成することのできる捺
染方法の一実施態様は、(i)ポリエチレンオキサイド
化合物及びその誘導体の少なくとも1つとトコフェロー
ル類とを含有する上記布帛に対してインクジェット法を
用いてインクを付与する工程;(ii)上記工程により布
帛に付与したインクの発色処理を行なう工程;及び(ii
i)工程(ii)によって得られた布帛を洗浄し、次いで
乾燥する工程、を有することを特徴とする。
【0009】又、上記本発明の目的を達成することので
きる捺染物の一実施態様は、上記(i)〜(iii)の各
工程を有する捺染方法によって製造されたものであるこ
とを特徴とする。又、上記本発明の目的を達成すること
のできる高品位の捺染物を安定して提供する方法の一実
施態様は、布帛にポリエチレンオキサイド化合物及びそ
の誘導体の少なくとも1つと、トコフェロール類とを含
有させる前処理工程を含むことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、好ましい実施の形態を挙げ
て本発明を更に詳細に説明する。本発明の布帛処理剤を
使用することによって、インクジェット染色に際して発
色条件が変動した場合や、布帛処理剤或いは該布帛処理
剤を希釈した布帛処理液で処理した布帛を長期間保存し
た後においても、画像濃度が十分に高く、色の深みがあ
り、インクの付与量が多い場合でも、インクの滲みの発
生が極力抑えられたインクジェット捺染物が提供され
る。
【0011】本発明で用いるポリエチレンオキサイド化
合物は、一般的には、エチレンオキサイドの開環重合物
であり、特に制約はないが、本発明において好ましく用
いられるものは、重量分子量約10万〜200万のもの
である。この分子量の範囲であれば、処理液の粘度が高
くなり過ぎることもなく、又、捺染時のインクの保持性
や滲み防止効果を十分に確保することができる。
【0012】又、本発明で用いるポリエチレンオキサイ
ドの誘導体としては、特に制約はないが、ポリエチレン
グリコール、ポリエチレンオキサイドアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。中でも、
エチレンオキサイドの付加数が25〜80位のものが好
ましい。本発明の布帛処理剤は、上記に挙げたようなポ
リエチレンオキサイド化合物及びその誘導体のいずれか
1つを少なくとも含有して構成される。
【0013】更に、上記に挙げたようなポリエチレンオ
キサイド化合物類と併用させるトコフェロール類として
は特に制約はないが、α−トコフェロール、β−トコフ
ェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールな
どが挙げられる。これらの中でも、本発明の布帛処理剤
において特に好ましく用いられるものは、γ−トコフェ
ロールやδ−トコフェロールである。又、上記のトコフ
ェロールを2種類以上混合して用いてもよい。
【0014】本発明に用いる前記に挙げたようなポリエ
チレンオキサイド化合物及びその誘導体は、インク中の
染料を布帛表面に留めて発色性を向上させ、滲みを防止
させる効果がある。しかし、先に述べたように、ポリエ
チレンオキサイド化合物或いはその誘導体を布帛中に含
浸或いは付着させた後、時間が経つと、その間に、温
度、金属、酸化剤、pH、物理的外力、空気及び光など
の影響により、これらの化合物の分子鎖が切断され、布
帛処理剤としての優れた性能に劣化が生じてしまうこと
がある。これに対し、本発明の布帛処理剤では、トコフ
ェロール類を併用させることで、ポリエチレンオキサイ
ド化合物やその誘導体の劣化を極めて有効に抑制するこ
とを可能とする。その理由は明らかでないが、ポリエチ
レンオキサイド化合物或いはその誘導体にトコフェロー
ル類を併用させた場合には、前記したような、温度や光
等の環境がポリエチレンオキサイド化合物やその誘導体
に与える攻撃をトコフェロールが代わりに受けるので、
ポリエチレンオキサイド化合物或いはその誘導体への直
接的な攻撃が減り、これら化合物の分子鎖の切断が抑制
される結果、本発明の布帛処理剤を構成するポリエチレ
ンオキサイド化合物及びその誘導体の性能の劣化を防ぐ
ことができるためと思われる。
【0015】ここで、布帛処理剤中におけるトコフェロ
ールの好ましい使用割合は、ポリエチレンオキサイド化
合物及びその誘導体の総量に対して0.01〜20重量
%とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜15
重量%、更に好ましくは0.5〜10重量%の範囲で使
用する。トコフェロールの含有量が、ポリエチレンオキ
サイド化合物及びその誘導体の総量に対して、0.01
重量%よりも少ないと、上記したトコフェロール添加の
効果を得ることができない。逆に、トコフェロールの含
有量を、ポリエチレンオキサイド化合物及びその誘導体
の総量に対して20重量%より多くしても、これらの化
合物類に対する分子鎖切断の抑制効果が更に向上するわ
けではなく、逆に、トコフェロールの添加量が多過ぎる
と、インク中の染料の発色性が悪くりなったり、又、出
来上がりの捺染物の堅牢性低下を生じる場合もある。
【0016】以上が、本発明の布帛処理剤の必須成分で
あるが、上記成分に加えて、アミノ酸や水溶性塩類を併
用することにより、更に良好な効果が発揮される場合が
ある。本発明で用いるアミノ酸としては特に制約はない
が、中でもDL−アラニンが特に好ましい。アミノ酸の
使用は必須ではないが、使用する場合の好ましい使用量
は、ポリエチレンオキサイド化合物及びその誘導体の総
量に対して、0.001〜10重量%である。
【0017】又、本発明の布帛処理剤に添加することの
できる水溶性塩類も特に制約はないが、例えば、硫酸ア
ンモニウムなどのアンモニウム塩や、硫酸カリウム、硫
酸ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウムなどの
無機金属塩や、クエン酸ナトリウム、コハク酸カリウ
ム、酢酸ナトリウム、マロン酸ナトリウムなどの有機酸
塩が挙げられる。これらの水溶性塩類の使用は必須では
ないが、使用する場合の好ましい使用量は、ポリエチレ
ンオキサイド化合物及びその誘導体の総量に対して、重
量比で5:1〜1:20である。
【0018】上記構成を有する本発明の布帛処理剤を用
いて布帛を処理する場合には、ポリエチレンオキサイド
化合物及びその誘導体の少なくとも1つとトコフェロー
ル類の総量が、布帛の乾燥重量に対して、0.1〜30
重量%、特には、0.3〜20重量%の範囲で含まれる
ようにすることが好ましい。この場合に、本発明の布帛
処理剤を布帛に付与する方法は、特に手段を選ばない
が、例えば、ポリエチレンオキサイド化合物及びその誘
導体の少なくとも1つとトコフェロール類とを含む本発
明の布帛処理剤を希釈し、これら化合物の総量が1〜2
0重量%、より好ましくは1.5〜15重量%の範囲で
含有する水溶液とし、この中に布帛を含浸させることに
よって付与し、その後、乾燥させる方法等が挙げられ
る。乾燥方法としては、140℃以下の温度で、特には
120℃以下の温度で乾燥処理するパッドドライ法を用
いることがが好ましい。
【0019】又、この際に、予め本発明の布帛処理剤が
均一に布帛に含まれるようにするための前処理を行うこ
とも好ましく、例えば、キラヤ抽出物、キサンタンガ
ム、アラビアガム、エタノール、植物油やデキストリン
などの食品素材を前処理液に含ませることもできる。更
に、この場合には、インクジェット染色を行った場合の
滲み防止の効果を向上させるために、ヒドロトロープ剤
やキレート剤などを前処理液に添加することもできる。
【0020】本発明の布帛は、本発明の布帛処理剤を含
むことを特徴とするが、布帛を構成する材料はいずれの
ものでもよい。例えば、綿、絹、麻、レーヨン、アセテ
ート、ナイロン若しくはポリエステル等の繊維からなる
布帛、又は、これらの繊維の2種以上からなる混紡布帛
が好ましく、中でも、ナイロン繊維若しくはポリエステ
ル繊維からなる布帛、又は、これらの繊維を含む混紡布
帛に対して、特に有効である。
【0021】次に、上記した構成の本発明の布帛を用
い、該布帛上にインクジェット記録を行う本発明の捺染
方法について説明する。本発明の捺染方法においては、
上記した種々の繊維からなる布帛に応じた最適な染料が
含有されているインクを用いるとよい。本発明において
使用可能なインク中の色材としては、反応染料、酸性染
料、直接染料、分散染料、顔料などが挙げられる。イン
クの構成成分としては、これらの染料や顔料の他、水、
或いは水と水溶性有機溶剤とからなる液媒体とを少なく
とも含み、その他、必要に応じて、pH調整剤、防黴
剤、界面活性剤、水溶性樹脂などの各種添加剤が適宜含
有されているものが用いられる。水溶性有機溶剤として
は、例えば、グリコール類、グリコールエーテル類、含
窒素溶剤などが挙げられる。界面活性剤としては、ノニ
オン性、アニオン性、カチオン性、両性のいずれの界面
活性剤も使用可能であり、これらを目的に応じて適宜に
使い分ければよい。なお、分散染料や顔料を含むインク
には、通常分散剤が必要であり、その具体例としては、
リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリ
ン縮合物や、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テルなどが挙げられる。
【0022】本発明の捺染方法では、先に説明した本発
明の布帛上に、上記したようなインクを用いてインクジ
ェット記録方法により画像を形成するが、その際、イン
クジェト記録ヘッドを布帛上で走査してインクを所望の
位置に付与することによって画像記録を行う。そして、
インクジェット記録後、必要に応じた発色処理を行い、
次いで、洗浄及び乾燥して目的の捺染物を得る。発色処
理には、従来の捺染プロセスにおいて行われる加熱発色
処理などの従来公知の方法がそのまま適用できる。すな
わち、高温スチーム法やサーモゾル法が用いられる。
【0023】本発明で使用するインクジェット染色方式
は、従来公知のいずれのインクジェット記録方式でもよ
いが、例えば、特開昭54−59936号公報に記載さ
れている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが
急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によ
ってインクをノズルから吐出させる方式が、最も有効で
ある。その理由としては、上記方式は、複数のノズルを
有する記録ヘッドを用いる場合、各ノズル間のインクの
吐出速度のばらつきが小さく、例えば、インクの吐出速
度が5〜20m/sec.の範囲に集約されていること
が挙げられる。この速度でインクが布帛上に衝突する
と、着滴時の液滴の繊維に対する浸透の具合が最適であ
る。
【0024】更に、本発明で特に効果の高い染色方法が
得られるインク付与条件としては、吐出液滴が5〜20
0pl、インク打込み量が4〜40nl/mm2、駆動
周波数が1.5kHz以上、及び、ヘッドの温度が35
〜60℃の条件が好ましい。
【0025】本発明においてインクジェット染色を行う
のに好適な装置の一例として、記録ヘッドの液室のイン
クに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネ
ルギーより液滴を発生させる装置が挙げられるが、以下
に説明する。その装置の主要部分であるヘッド構成例を
図1、図2及び図3に示す。
【0026】ヘッド13は、インクを通す溝14を有す
るガラス、セラミックス又はプラスチック板などと、乾
熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図では薄膜ヘッド
が示されているが、これに限定されるものではない)と
を接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコンな
どで形成される保護膜16、アルミニウム電極17−
1、17−2、ニクロムなどで形成される発熱抵抗体層
18、蓄熱層19、アルミナなどの放熱の良い基板20
よりなっている。
【0027】インク21は、吐出オリフィス(微細孔)
22まできており、圧力Pによりメニスカス23を形成
している。今、電極17−1及び17−2に電気信号が
加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出
し、オリフィス22より記録小滴24となり、布帛25
に向かって飛翔する。
【0028】図3には、図1に示すヘッドを多数並べた
マルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ
溝26を有するガラス板27と、図1で説明したものと
同様な発熱ヘッド28を密着して作製されている。な
お、図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図で
あり、図2は図1のA−B線での切断面である。
【0029】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の一例を示す。図4において、61は
ワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブ
レード保持部材によって保持されて固定端となり、カン
チレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによ
る記録領域に隣接した位置に配設され、又、本例の場
合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持され
る。
【0030】62はキャップであり、ブレード61に隣
接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動
方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッ
ピングを行う構成を備える。更に63はブレード61に
隣接して設けられている吸収体であり、ブレード61と
同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持さ
れる。上記ブレード61、キャップ62、吸収体63に
よって吐出口面に水分や塵埃などの除去が行われる。
【0031】65は、吐出エネルギー発生手段を有し、
吐出口を配した吐出口面に対向する布帛にインクを吐出
して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭
載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジで
ある。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合
し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動さ
れるベルト69と接続(不図示)している。これにより
キャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能とな
り、記録ヘッド65により記録領域及びその隣接した領
域の移動が可能となる。
【0032】51は布帛を挿入するための給布部、52
は不図示のモータにより駆動される布送りローラであ
る。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向
する位置へ布帛が給布され、記録が進行するにつれて排
布ローラ53を配した排布部へ排布される。
【0033】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了などでホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64
のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避し
ているが、ブレード61は移動経路中に突出している。
この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当
接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘ
ッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0034】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッドのホーム
ポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかり
でなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する
間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジション
へ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われ
る。
【0035】図5は、ヘッドにインク供給部材、例え
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジの一例を示す図である。ここで、40は
供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク
袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられてい
る。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、
インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめ
る。44は廃インクを受容する吸収体である。インク収
容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特
にポリエチレンで形成されているものが好ましい。本発
明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記
の如きヘッドとインクカートリッジとが別体になったも
のに限らず、図6に示す如く、それらが一体になったも
のにも好適に用いられる。
【0036】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。72
は記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通
口である。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘ
ッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ66
に対し着脱可能になっている。
【0037】以上説明したように、本発明によれば、イ
ンクジェット記録装置を利用して各種繊維からなる布帛
上に画像を形成した場合に、鮮明で且つ深みがあり、ム
ラのない高濃度の画像を長期にわたって安定的に形成す
ることが可能となる。又、本発明によれば、オフィス用
やパーソナル用として市販されている通常のインクジェ
ットプリンターによっても、深みがあり、発色濃度が高
く且つ鮮明な各種繊維からなる捺染物を容易に得ること
ができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。なお、特に断らない限り「部」は「重量
部」を、「%」は「重量%」をいう。
【0039】(実施例1−1)ポリエチレンオキサイド
化合物(明成化学社製、アルコックスE−30、分子量
30〜50万)を20%、硫酸ナトリウムを79.5%
及びδ−トコフェロールを0.5%を混合して、第1の
布帛処理剤(1−A)を得た。次に、得られた第1の布
帛処理剤(1−A)の10%と、水90%とをよく混合
して希釈して水溶液を作製し、第2の布帛処理剤(1−
B)とした。この第2の布帛処理剤(1−B)をポリエ
ステル布帛に絞り率100%にて含浸させた後、ピンテ
ンターにて100℃、1分間乾燥させてインクジェット
捺染用の布帛を得た。
【0040】上記で得られたポリエステル布帛をA4版
の大きさに切り出し、市販のインクジェットカラープリ
ンター(キヤノン製BJC−820、商品名)を用い
て、下記の4種類のインクを使用してフルカラープリン
トを行った。以下の4種のインクは、下記に示す夫々の
組成を、サンドグラインダーを用いて混合分散し、フィ
ルターでろ過することによって調製した。
【0041】
【0042】プリント終了後、直ちに180℃で8分間
スチーム処理を行い、常法により還元洗浄を行い、水で
十分洗浄し、乾燥した。この結果、得られたポリエステ
ル布帛上には深みのある十分な濃度のカラー画像が鮮や
かにプリントされていた。又、インク打込み量の多いと
ころでも滲みのない画像が得られた。
【0043】(実施例1−2)実施例1−1で使用した
と同様の第1の布帛処理剤(1−A)を、50日間、2
5℃、70%RHの条件下で保存した。その後、この保
存後の布帛処理剤を用いて実施例1−1と同様に水で希
釈して第2の布帛処理剤を作製し、実施例1−1と同様
の方法で、得られた第2の布帛処理剤によってポリエス
テル布帛を処理した。次に、上記の処理がされた布帛
に、実施例1−1と同様の方法でフルカラープリント
し、得られた捺染物について実施例1−1と同様の評価
を行った。この結果、第1の布帛処理剤(1−A)の保
存による画像の劣化への影響は見られず、得られたポリ
エステル布帛上には、深みのある十分な濃度のカラー画
像が鮮やかにプリントされていた。又、インク打込み量
の多いところでも滲みのない画像が得られた。
【0044】(実施例1−3)実施例1−1で使用した
と同様の第2の布帛処理剤(1−B)を、20日間、2
5℃、70%RHの条件下で保存した。その後、この保
存後の布帛処理剤を用いて、実施例1−1と同様の方法
でポリエステル布帛を処理した。次に、上記の処理がさ
れた布帛に、実施例1−1と同様の方法でフルカラープ
リントし、得られた捺染物について実施例1−1と同様
の評価を行った。この結果、第2の布帛処理剤(1−
B)の保存による画像の劣化への影響は見られず、得ら
れたポリエステル布帛上には、深みのある十分な濃度の
カラー画像が鮮やかにプリントされていた。又、インク
打込み量の多いところでも滲みのない画像が得られた。
【0045】(実施例1−4)実施例1−1で使用した
と同様の第2の布帛処理剤(1−B)を用いて、実施例
1−1と同様の方法でポリエステル布帛を処理した。そ
の後、この処理したポリエステル布帛を、20日間、2
5℃、70%RHの条件下で保存した後、実施例1−1
と同様の方法で、保存後の布帛にフルカラープリント
し、得られた捺染物について実施例1−1と同様の評価
を行った。この結果、第2の布帛処理剤(1−B)で処
理された布帛を保存したことによる画像の劣化への影響
は見られず、得られたポリエステル布帛上には、深みの
ある十分な濃度のカラー画像が鮮やかにプリントされて
いた。又、インク打込み量の多いところでも滲みのない
画像が得られた。
【0046】下記の表1に、実施例1−1〜実施例1−
4の評価結果を示した。評価は、実施例1−1について
は、初期画像についての評価を示し、実施例1−2〜1
−4については、各保存によって布帛処理剤の効果に劣
化が見られるかを調べ、保存安定性として評価した。保
存安定性は、実施例1−1で得られた初期画像と比べた
最大吸収波長におけるK/S値の低下の度合いによっ
て、下記の基準で評価した。ここで、K/S値とは、K
/S=(1−R)2/2R(但し、Rは最大吸収波長の
反射率である。又、本発明においては、Rはミノルタ
製、分光測色機で測定した)のことである。
【0047】(初期画像) A:特に良好 B:良好 C:問題あり D:不可
【0048】(保存安定性) A:初期画像に比べ、最大吸収波長におけるK/S値の
低下が2未満であり、滲みも同等。 B:初期画像に比べ、最大吸収波長におけるK/S値の
低下が2以上4未満であり、滲みは初期画像よりも少し
劣る。 C:初期画像に比べ、最大吸収波長におけるK/S値の
低下が4以上であり、滲みも初期画像よりかなり劣る。
【0049】
【表1】
【0050】(実施例2−1)ポリオキシエチレン(n
=50)セチルエーテル(分子量=2,500)を50
%、γ−トコフェロールを0.1%、δ−トコフェロー
ルを0.15%、硫酸アンモニウムを15%及び尿素3
4.75%を混合して、第1の布帛処理剤(2−A)を
得た。この得られた第1の布帛処理剤(2−A)15%
と、水85%とをよく混合して希釈して水溶液を作製
し、第2の布帛処理剤(2−B)とした。この第2の布
帛処理剤(2−B)をナイロン布帛に絞り率100%に
て含浸させた後、ピンテンターにて、80℃、1分間乾
燥させて本実施例のインクジェット捺染用の布帛を得
た。
【0051】上記で得られたナイロン布帛をA4版の大
きさに切り出し、市販のインクジェットカラープリンタ
ー(キヤノン製BJC−620、商品名)を用いて、下
記の4種類のインクを使用してフルカラープリントを行
った。以下の4種のインクは、下記に示す夫々の組成を
混合攪拌後、水酸化ナトリウムでpH8に調整してから
フロロポアフィルターでろ過することによって調製し
た。
【0052】
【0053】プリント終了後、直ちに100℃で30分
間スチーム処理を行い、次いで洗浄及び乾燥した。この
結果、得られたナイロン布帛上には、深みのある十分な
濃度のカラー画像が鮮やかにプリントされていた。又、
インク打込み量の多いところでも滲みのない画像が得ら
れた。
【0054】(実施例2−2〜2−4)夫々、実施例1
−2〜1−4と同様の条件で、第1の布帛処理剤(2−
A)、これを希釈した状態の第2の布帛処理剤(2−
B)、及び第2の布帛処理剤(2−B)で処理した布帛
を夫々保存した。そして、実施例2−1の場合と同様の
方法で、上記の各条件で処理された夫々のナイロン布帛
にフルカラープリントして捺染物を得た。得られた捺染
物について、実施例1−1〜1−4の場合と同様にして
評価を行い、その結果を表2に示した。表2から明らか
なように、ナイロン布帛を用いた実施例2−1〜2−4
の場合も、ポリエステル布帛を用いた実施例1−1〜1
−4の場合と同様に、保存による画像劣化への影響は見
られなかった。
【0055】
【表2】
【0056】(実施例3−1)ポリエチレンオキサイド
化合物(明成化学社製、アルコックスE−60、分子量
100〜120万)を8%、α−トコフェロールを0.
1%、β−トコフェロールを0.3%、γ−トコフェロ
ールを0.1%、δ−トコフェロールを0.3%、DL
−アラニンを0.3%、塩化ナトリウムを40.9%、
酒石酸を10%及び尿素を40%を混合して、第1の布
帛処理剤(3−A)を得た。上記で得られた第1の布帛
処理剤(3−A)を5%と、水95%とをよく混合して
希釈して水溶液とし、第2の布帛処理剤(3−B)を調
製した。この第2の布帛処理剤(3−B)をポリエステ
ル布帛に絞り率100%にて含浸させた後、ピンテンタ
ーにて、100℃で1分間乾燥させて、本実施例のイン
クジェット捺染用の布帛を得た。
【0057】上記で得られたポリエステル布帛をA4版
の大きさに切り出し、市販のインクジェットカラープリ
ンター(キヤノン製BJC−620、商品名)で、実施
例1−1で使用したと同様のインクを用いてフルカラー
プリントを行った。プリント終了後、実施例1−1で行
ったと同様の方法で処理して捺染物を得た。この結果、
得られたポリエステル布帛上には、深みのある十分な濃
度のカラー画像が鮮やかにプリントされていた。又、イ
ンク打込み量の多いところでも滲みのない画像が得られ
た。
【0058】(実施例3−2〜2−4)夫々、実施例1
−2〜1−4の場合と同様の条件で、第1の布帛処理剤
(3−A)、これを希釈した状態の第2の布帛処理剤
(3−B)、及び第2の布帛処理剤(3−B)で処理し
た布帛を夫々保存した。そして、実施例3−1の場合と
同様の方法で、上記の各条件で処理された夫々のポリエ
ステル布帛にフルカラープリントして捺染物を得た。得
られた捺染物について、実施例1−1〜1−4の場合と
同様にして評価を行い、その結果を表3に示した。表3
から明らかなように、ポリエチレンオキサイド化合物に
対するトコフェロール類の含有量の多い布帛処理剤を用
いた実施例3−1〜3−4の場合も、実施例1−1〜1
−4の場合と同様に、保存による画像劣化への影響は見
られなかった。.
【0059】
【表3】
【0060】(比較例1−1)ポリエチレンオキサイド
化合物(明成化学社製、アルコックスE−30、分子量
30〜50万)を20%及び硫酸ナトリウムを80%を
混合して第1の布帛処理剤(H−A)を得た。得られた
第1の布帛処理剤(H−A)を実施例1−1の場合と同
様にして希釈して第2の布帛処理剤(H−B)を調製し
た。得られた第2の布帛処理剤(H−B)を使用して、
実施例1−1の場合と同様の方法でポリエステル布帛を
処理し、本比較例のインクジェット捺染用のポリエステ
ル布帛を得た。
【0061】この布帛に、市販のインクジェットカラー
プリンター(キヤノン製BJC−820、商品名)を用
いて、実施例1−1で使用したと同様のインクを用いて
フルカラープリントを行った。プリント終了後、実施例
1−1で行ったと同様の方法で処理して捺染物を得た。
この結果、得られたポリエステル布帛上には、深みのあ
る十分な濃度のカラー画像が鮮やかにプリントされてい
た。又、インク打込み量の多いところでも滲みのない画
像が得られた。
【0062】(比較例1−2〜1−4)
【0063】夫々、実施例1−2〜1−4の場合と同様
の条件で、第1の布帛処理剤(H−A)、これを希釈し
た状態の第2の布帛処理剤(H−B)、及び第2の布帛
処理剤(H−B)で処理した布帛を夫々保存した。そし
て、比較例1−1の場合と同様の方法で、上記の各条件
で処理された夫々のポリエステル布帛にフルカラープリ
ントして捺染物を得た。得られた捺染物について、実施
例1−1〜1−4の場合と同様にして評価を行った。そ
の結果を表4に示したが、比較例1−1の初期と同じレ
ベルの画像を得ることができず、保存による画像劣化の
影響が見られた。比較例1−1〜1−4の評価結果を下
記表4に示す。
【0064】
【表4】
【0065】(実施例4−1)ポリエチレンオキサイド
化合物(明成化学社製、アルコックスE−30、分子量
30〜50万)を20%、硫酸ナトリウムを75.8%
及びδ−トコフェロールを4.2%を混合して第1の布
帛処理剤(4−A)を得た。その後、得られた第1の布
帛処理剤(4−A)を実施例1−1と同様の条件で希釈
して第2の布帛処理剤(4−B)を調製した。この第2
の布帛処理剤(4−B)を用いて、を実施例1−1と同
様の方法でポリエステル布帛を処理して本実施例のポリ
エステル布帛を得た。
【0066】上記で得られたポリエステル布帛に、市販
のインクジェットカラープリンター(キヤノン製BJC
−820、商品名)で、実施例1−1で使用したと同様
のインクを用いてフルカラープリントを行った。プリン
ト終了後、実施例1−1と同様に処理して捺染物を得
た。この結果、得られたポリエステル布帛上には、深み
のある十分な濃度のカラー画像が得られ、インク打込み
量の多いところでも滲みのない画像が得られた。
【0067】(実施例4−2〜4−4)夫々、実施例1
−2〜1−4の場合と同様の条件で、第1の布帛処理剤
(4−A)、これを希釈した状態の第2の布帛処理剤
(4−B)、及び第2の布帛処理剤(4−B)で処理し
た布帛を保存した。そして、実施例4−1の場合と同様
の方法で、上記の各条件で処理された夫々のポリエステ
ル布帛にフルカラープリントして捺染物を得た。得られ
た捺染物について、実施例1−1〜1−4の場合と同様
にして評価を行い、その結果を表5に示した。表5から
明らかなように、ポリエチレンオキサイド化合物に対す
るトコフェロール類の含有量がかなり多い布帛処理剤を
用いた実施例4−1〜4−4の場合も、実施例1−1〜
1−4の場合と同様に、保存による画像劣化への影響は
見られなかった。
【0068】
【表5】
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
発色条件が変動した場合や、布帛処理剤、該布帛処理剤
を希釈したものや、これらで処理した布帛が長期間保存
された後においても、画像濃度が十分高く、色の深みが
あり、インクの付与量が多い場合でもインクの滲みの発
生を極力抑えることができるインクジェット染色用の布
帛処理剤が提供される。又、本発明によれば、様々な環
境下に長期間放置されたような場合においても安定して
高い品質の捺染物を得ることのできる布帛が提供され
る。又、本発明によれば、上記した優れた捺染物が安定
して得られる捺染方法が提供される。更に、本発明によ
れば、品質のばらつきのない捺染物を安定して提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッドの縦断面図。
【図2】インクジェット記録装置のヘッドの横断面図。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。
【図5】インクカートリッジの縦断面図。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:インク溝 15:発熱ヘッド 16:保護膜 17−1、17−2:アルミニウム電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス(微細孔) 23:メニスカス 24:インク滴 25:被記録媒体 26:マルチ溝 27:ガラス板 28:発熱ヘッド 40:インク袋 42:栓 44:インク吸収体 45:インクカートリッジ 51:給布部 52:布送りローラー 53:排布ローラー 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モーター 69:ベルト 70:記録ユニット 71:ヘッド部 72:大気連通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B41J 2/01 B41J 3/04 101Z (56)参考文献 特開 平11−269783(JP,A) 特開 平9−279490(JP,A) 特開 平8−127977(JP,A) 特開 平10−330672(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 15/715 D06P 5/00

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンオキサイド化合物及びその
    誘導体の少なくとも1つと、トコフェロール類とを含有
    することを特徴とする布帛処理剤。
  2. 【請求項2】 トコフェロール類が、ポリエチレンオキ
    サイド化合物及びその誘導体の総量に対して重量比で
    0.01%〜20%含有されている請求項1に記載の布
    帛処理剤。
  3. 【請求項3】 トコフェロール類が、ポリエチレンオキ
    サイド化合物及びその誘導体の総量に対して重量比で
    0.1%〜15%含有されている請求項1又は請求項2
    に記載の布帛処理剤。
  4. 【請求項4】 トコフェロール類が、ポリエチレンオキ
    サイド化合物及びその誘導体の総量に対して重量比で
    0.5%〜10%含有されている請求項1〜請求項3の
    いずれか1項に記載の布帛処理剤。
  5. 【請求項5】 ポリエチレンオキサイド化合物の重量分
    子量が10万〜200万である請求項1〜請求項4のい
    ずれか1項に記載の布帛処理剤。
  6. 【請求項6】 ポリエチレンオキサイドの誘導体のエチ
    レンオキサイドの付加数が25〜80である請求項1〜
    請求項5のいずれか1項に記載の布帛処理剤。
  7. 【請求項7】 トコフェロール類が、δ−トコフェロー
    ルである請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の布
    帛処理剤。
  8. 【請求項8】 アミノ酸を併用してなる請求項1〜請求
    項7のいずれか1項に記載の布帛処理剤。
  9. 【請求項9】 水溶性塩類を併用してなる請求項1〜請
    求項8のいずれか1項に記載の布帛処理剤。
  10. 【請求項10】 該布帛処理剤がインクジェット捺染に
    用いる布帛の前処理剤である請求項1〜請求項9のいず
    れか1項に記載の布帛処理剤。
  11. 【請求項11】 請求項1〜請求項10のいずれか1項
    に記載の布帛処理剤を1〜20重量%含有することを特
    徴とする水性布帛処理液。
  12. 【請求項12】 請求項1〜請求項10のいずれか1項
    に記載の布帛処理剤を含むことを特徴とする布帛。
  13. 【請求項13】 布帛の乾燥重量に対して、請求項1〜
    請求項10のいずれか1項に記載の布帛処理剤が0.1
    〜30重量%含まれている請求項12に記載の布帛。
  14. 【請求項14】 布帛が、綿、絹、麻、レーヨン、アセ
    テート、ナイロン及びポリエステルからなる繊維群のい
    ずれかを含む布帛である請求項12又は請求項13に記
    載の布帛。
  15. 【請求項15】 布帛が、ナイロン繊維及びポリエステ
    ル繊維の少なくとも一方を含む請求項14に記載の布
    帛。
  16. 【請求項16】 (i)請求項12〜請求項15のいず
    れか1項に記載の布帛に対してインクジェット法を用い
    てインクを付与する工程、 (ii)上記工程により布帛に付与したインクの発色処理
    を行なう工程、及び(iii)工程(ii)によって得られ
    た布帛を洗浄し、次いで乾燥する工程、 を有することを特徴とする捺染方法。
  17. 【請求項17】 発色処理にスチームを用いる請求項
    に記載の捺染方法。
  18. 【請求項18】 請求項16又は請求項17に記載の捺
    染方法によって製造されたことを特徴とする捺染物。
  19. 【請求項19】 ポリエチレンオキサイド化合物及びそ
    の誘導体の少なくとも1つと、トコフェロール類を合計
    1〜20重量%含有することを特徴とする水性布帛処理
    液。
  20. 【請求項20】 該水性布帛処理液がインクジェット捺
    染に用いる布帛の前処理液である請求項19項に記載の
    水性布帛処理液。
  21. 【請求項21】 ポリエチレンオキサイド化合物及びそ
    の誘導体の少なくとも1つと、トコフェロール類とを含
    有することを特徴とする布帛。
  22. 【請求項22】 布帛の乾燥重量に対して、ポリエチレ
    ンオキサイド化合物及びその誘導体の少なくとも1つ
    と、トコフェロール類が合計0.1〜30重量%含まれ
    ている請求項21に記載の布帛。
  23. 【請求項23】 ポリエチレンオキサイド化合物及びそ
    の誘導体の少なくとも1つと、トコフェロール類が含浸
    によって該布帛に含有されている請求項21 又は請求項
    22に記載の布帛。
  24. 【請求項24】 該布帛が、綿、絹、麻、レーヨン、ア
    セテート、ナイロン及びポリエステルからなる繊維群の
    いずれかを含む布帛である請求項21〜請求項23のい
    ずれか1項に記載の布帛。
  25. 【請求項25】 該布帛が、ナイロン繊維及びポリエス
    テル繊維の少なくとも一方を含む請求項24に記載の布
    帛。
  26. 【請求項26】 該布帛がインクジェット捺染に用いる
    布帛である請求項21〜請求項25のいずれか1項に記
    載の布帛。
  27. 【請求項27】 (i)ポリエチレンオキサイド化合物
    及びその誘導体の少なくとも1つと、トコフェロール類
    を含有する布帛に対してインクジェット法を用いてイン
    クを付与する工程、 (ii)上記工程により布帛に付与したインクの発色処理
    を行う工程、及び (iii)工程(ii)によって得られた布帛を洗浄し、次
    いで乾燥する工程、を有することを特徴とする捺染方
    法。
  28. 【請求項28】 布帛にインクジェットプリンタを用い
    てインクを付与し、発色処理後、洗浄及び乾燥を行うこ
    とにより高品位の捺染物を安定して提供する方法であっ
    て、該布帛にポリエチレンオキサイド化合物及びその誘
    導体の少なくとも1つと、トコフェロール類とを含有さ
    せる前処理工程を含むことを特徴とする高品位の捺染物
    を安定して提供する方法。
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