JP3249277B2 - 耐摩耗性被覆部材 - Google Patents
耐摩耗性被覆部材Info
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Description
ミックス焼結体の基材上に、非化学量論組成のセラミッ
クスの被膜を被覆して、耐摩耗性,高硬度性,耐剥離
性,高靭性,耐食性,装飾性のある構造用部材として適
する被覆体に関し、具体的には、例えば旋削工具,フラ
イス工具,エンドミル,ドリルに代表される切削工具、
スリッター,製缶工具,金型に代表される耐摩耗工具ま
たは釣具,時計用部材,メガネの枠,タイピン,ブロー
チに代表される装飾部品に適する耐摩耗性被覆部材に関
する。
基材上に、周期律表の4a,5a,6a族金属の炭化
物,窒化物およびこれらの相互固溶体の中の1種の単層
または2種以上の多層でなる被膜を被覆した被覆部材が
多数提案され、その中の1部が実用されている。
性と基材の優れた靭性とを有効に利用しようとしたもの
であるが、基材と被膜との付着性に劣ること、多層にす
ると被膜間の付着性が劣ること、または被膜自体の有す
る耐摩耗性に満足できないという問題がある。
に、固溶体の複合化合物被膜、特にTiの含有した複合
化合物被膜を基材上に被覆した被覆部材が多数提案され
ており、その代表的なものに、特開昭55−58364
号公報,特開昭62−56564号公報,特開昭62−
192576号公報,特開昭62−270764号公
報,特開平2−50948号公報および特開平4−29
7568号公報がある。
ミックス焼結体の基材上に、Ti含有複合化合物被膜を
被覆した被覆部材の内、特開昭55−58364号公報
には、超硬合金の表面に(Hf,Ti)C,(Hf,T
i)N,(Hf,Ti)CNの複合化合物被膜を被覆し
た被覆部材について記載されており、特開昭62−56
564号公報には基材の表面にTiとZrの炭化物,窒
化物,炭窒化物の1種の単層または2種以上の多層でな
る複合化合物被膜を被覆した被覆部材について記載され
ており、特開昭62−192576号公報には超硬合
金、サーメットまたはセラミックス焼結体の基材の表面
に内層を介在させて、チタン・クロム・バナジウム・ジ
ルコニウムの炭化物,窒化物,炭窒化物でなる複合化合
物被膜を被覆した被覆部材について記載されており、特
開昭62−270764号公報には基材の表面にTiと
ZrとHfの炭化物,窒化物,炭窒化物の1種の単層ま
たは2種以上の多層でなる複合化合物被膜を被覆した被
覆部材について記載されており、特開平4−29756
8号公報には基材表面にTiとCrの炭化物,窒化物,
炭窒化物の1種の単層または2種以上の多層でなる複合
化合物被膜を被覆した被覆部材について記載されてい
る。これらの公報に記載されている複合化合物被膜は、
金属元素と非金属元素の原子比が1:1でなる化学量論
組成またはそれに近似した組成からなっており、そのた
めに、基材と複合化合物被膜間および複合化合物被膜と
他の被膜間における耐剥離性に劣ること、並びに複合化
合物被膜自体の耐摩耗性も劣ることから、切削工具のよ
うな苛酷な条件で使用すると短寿命になるという問題が
ある。
超硬合金の基材表面に(Ti,Zr,Hf)N0.8〜1.0
の複合化合物被膜を被覆した被覆部材について記載され
ている。同公報に記載されている被覆部材は、前述の特
開昭55−58364号公報に記載されている被覆部材
に比べて、基材と被膜との密着性および、耐摩耗性を高
めたものではあるが、耐剥離性および耐摩耗性で満足で
きるまでに達してなく、切削工具として用いると短寿命
になるという問題がある。
もので、具体的には、基材の表面上に最適な特性を保持
させた非化学量論組成の被膜を被覆し、硬度,耐摩耗
性,耐剥離性,耐熱性,耐酸化性および耐欠損性を高め
た耐摩耗性被覆部材の提供を目的とする。
たはサーメットの表面上にTiの化合物を被覆した被覆
部材を切削工具として用いた場合における寿命向上につ
いて検討していたところ、Tiの化合物でなる被膜の組
成成分を調整すること、具体的には、非金属元素を過剰
に含有した非化学量論組成のTi含有複合化合物被膜に
することにより、被膜に高い圧縮応力が残存し、その結
果高硬度となること、被膜自体の潤滑性、耐酸化性がす
ぐれること、および耐剥離性に優れることから、切削工
具として用いた場合に寿命を顕著に向上することができ
るという知見を得て、本発明を完成するに至ったもので
ある。
金またはセラミックス焼結体の基材上に、(Tia,M
b)(CX,NY)R(但し、Tiはチタン、MはZr,
Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wの中の少なくと
も1種の元素を示し、Cは炭素、Nは窒素を示し、aお
よびbは金属元素であるTiとMとのそれぞれの原子比
を表わし、XおよびYは非金属元素であるCとNとのそ
れぞれの原子比を表わし、RはTiとMとを合計した金
属元素に対するCとNとを合計した非金属元素の原子比
を表わし、それぞれは、a+b=1、1>a>0、X+
Y=1、1≧X≧0、1.8≧R≧1.01の関係にあ
る。)の式で表わされる非化学量論組成のチタン含有複
合化合物被膜が被覆されていることを特徴とする。
には、例えば周期律表の4a,5a,6a族の金属,C
u,Al,Fe,Ni,Coの金属、ステンレス鋼,高
速度鋼,耐熱合金,Ti合金,Al合金,Cu合金また
はサーメット,超硬合金に代表される焼結合金、Al2
O3基セラミックス焼結体,Si3N4基セラミックス焼
結体,サイアロン基セラミックス焼結体,ZrO2基セ
ラミックス焼結体,SiC基セラミックス焼結体,Al
N基セラミックス焼結体を挙げることができる。
b)(CX,NY)Rの式で表わされるチタン含有複合化
合物被膜は、具体的には、例えば(Ti,Zr)CR,
(Ti,Hf)CR,(Ti,Ta)CR,(Ti,N
b)CR,(Ti,V)CR,(Ti,Cr)CR,(T
i,Mo)CR,(Ti,W)CR,(Ti,Zr)
NR,(Ti,Hf)NR,(Ti,Ta)NR,(T
i,Nb)NR,(Ti,V)NR,(Ti,Cr)
NR,(Ti,Mo)NR,(Ti,W)NR,(Ti,
Zr)(C,N)R,(Ti,Hf)(C,N)R,(T
i,Ta)(C,N)R,(Ti,Nb)(C,N)R,
(Ti,V)(C,N)R,(Ti,Cr)(C,
N)R,(Ti,Mo)(C,N)R,(Ti,W)
(C,N)R,(Ti,Zr,Hf)CR,(Ti,T
a,Hf)CR,(Ti,W,Hf)CR,(Ti,W,
Ta)CR,(Ti,Cr,Zr)CR,(Ti,Zr,
Hf)NR,(Ti,Ta,Hf)NR,(Ti,W,Z
r)NR,(Ti,Cr,Zr)NR,(Ti,Zr,H
f)(C,N)R,(Ti,Ta,Hf)(C,N)R,
(Ti,W,Zr)(C,N)R,(Ti,Cr,Z
r)(C,N)R,を挙げることができる。
で表わされるチタン含有複合化合物被膜におけるRが
1.01未満になるか、またはRが1.8を超えて多く
なると、硬さおよび耐摩耗性の低下が顕著になることか
ら、Rは1.01〜1.8と定めたものであり、特に高
硬度性および優れた耐摩耗性を保持させるために、Rは
1.05〜1.7が好ましいことである。
物,窒化物または炭窒化物からなるために、1≧X≧
0、1≧Y≧0、X+Y=1からなるものである。
るaが零になると、相対的にbが1となり、その結果耐
熱衝撃性,耐衝撃性の低下が著しくなることから、1>
a>0と定めたものであり、特に耐熱衝撃性,耐衝撃性
を高めるために、1>a>0.5からなることが好まし
い。
は、基材上に被覆される被膜の膜質の構成および用途や
形状等により異なり、例えば被膜の膜質の構成がチタン
含有複合化合物被膜のみからなる場合、または被膜へ及
ぼす衝撃が弱いような用途の場合には、チタン含有複合
化合物被膜の膜厚さを厚くする方向が好ましく、逆に被
膜の構成がチタン含有複合化合物被膜と他の膜質でなる
被膜との組合わせからなる場合、または被膜へ及ぼす衝
撃が強いような用途の場合には、チタン含有複合化合物
被膜の膜厚さを薄くする方向で使い分けることが好まし
く、具体的には、チタン含有複合化合物被膜の膜厚さが
前者の場合に1〜15μmであり、後者の場合に0.5
〜10μmであり、前者または後者として使い分けしな
い場合には1〜10μmが好ましく、特に好ましくは1
〜5μmである。
上述のチタン含有複合化合物被膜を被覆する被膜構成と
することも好ましく、また基材とチタン含有複合化合物
被膜との間にTiの炭化物,窒化物,炭窒化物の中の1
種の単層または2種以上の多層でなる内層を介在させる
ことも好ましく、さらに基材の表面に直接チタン含有複
合化合物被膜を被覆し、このチタン含有複合化合物被膜
の表面にTiの炭化物,窒化物,Alの酸化物,窒化物
およびこれらの相互固溶体の中の1種の単層または2種
以上の多層でなる外層が被覆されていることも好まし
く、基材上に内層とチタン含有複合化合物被膜と外層と
を順次被覆した被膜構成にすることも好ましいことであ
る。
TiN,Ti(C,N),Al2O3,AlN,Al
(O,N)(Ti,Al)N,(Ti,Al)(C,
N),(Ti,Al)C,(Ti,Al)(N,O),
(Ti,Al)(C,O)(Ti,Al)(C,N,
O)を挙げることができる。この外層および内層は、そ
れぞれの膜厚さが0.1〜5μm、好ましくは0.5〜
3μm、その組成成分が化学量論組成、または金属元素
に対する非金属元素の少ない場合もしくは多い場合から
なる非化学量論組成からなるものである。
構成としては、内層とチタン含有複合化合物被膜を1サ
イクルとする被膜の場合に、これを2サイクル以上繰り
返して積層する場合、またはチタン含有複合化合物被膜
と外層を1サイクルとする被膜の場合に、これを2サイ
クル以上繰り返して積層する場合、さらに内層とチタン
含有複合化合物被膜と外層を1サイクルとする被膜の場
合に、これを2サイクル以上繰り返して積層する場合も
被膜の強度向上から好ましい。
ける総被膜厚さは、用途や形状により種々選定すること
ができるが、耐剥離性から20μm以下、好ましくは1
0μm以下であり、特に切削工具のような大きな衝撃が
加わる用途では5μm以下の総被膜厚さでなることが好
ましい。
だけ微細粒からなっていることが好ましく、特にチタン
含有複合化合物被膜が粒径の微細化の目安となるX線回
折線の半価幅、具体的にはCu−Kα線による(11
1)および/または(200)結晶面の半価幅が0.6
以上からなることが好ましい。
提案されている各種の基材を用いて、従来から行われて
いるCVD法やPVD法を応用することにより作製する
ことができる。具体的には、CVD法やPVD法におけ
るガス圧の調整が重要である。また、イオンプレーティ
ング法やスパッタ法のPVD法により、本発明の被覆部
材を作製すると、Rの大きい被膜で、かつ被膜に大きな
圧縮応力を残留させやすく、そうすると、耐欠損性が顕
著に優れることから好ましいことである。
ン含有複合化合物被膜における金属元素に対する非金属
元素の原子比が被膜の硬さを高める作用をし、その結果
間接的に耐摩耗性を高める作用となり、特にPVD法に
より作製されたチタン含有複合化合物被膜の場合には、
被膜に大きい圧縮応力を残留させる作用が生じ、その結
果被膜の強度および耐摩耗性を高める間接的作用があ
る。
に、市販の超硬合金(JIS規格、P30相当材種、S
DKN42ZTN形状)の基材を設置した後、加熱工
程、Arのエッチング工程および被覆工程を施して、本
発明品1〜5と比較品1〜2を得た。この内、本発明品
1〜5は、基材を設置した電子加熱式反応容器内を1×
10-5Torr真空排気した後、Arガスを導入し、2
×10-3Torrの圧力とし、本発明品1,2,4,5
については、出力10kwで60分間電子加熱し、本発
明品3については、出力12kwで60分間電子加熱
し、本発明品1,2の基材温度を400℃、本発明品3
の基材温度を380℃、本発明品4の基材温度を390
℃、本発明品5の基材温度を395℃に保持する加熱工
程と、圧力1×10-3TorrのArガス中、直流電圧
300Vを印加してグロー放電を発生させて、基材表面
を30分間Arイオンボンバード処理によるArのエッ
チング工程と、表1に示したそれぞれの被覆条件(窒素
ガス純度5N使用)による被覆工程でもって作製した。
式反応容器内を1×10-5Torr真空排気した後、A
rガスを導入し、比較品1,2については、4×10-4
〜1×10-4Torrの圧力、出力20kw、60分間
加熱により500℃に保持し、圧力8×10-2Torr
のArガス中、直流電圧600Vを印加して基材表面を
10分間Arイオンボンバード処理し、表1に示したそ
れぞれの被覆条件による被覆工程でもって作製した。
1〜2のそれぞれの被膜厚さは、走査型電子顕微鏡で調
べたところ、約3.5μmであり、被膜組成成分は、X
線回折装置およびグロー放電発光分光分析装置により解
析し、表2に示した。また、それぞれの被膜表面からの
硬さ、CuーKα線によるX線回折法による被膜の残留
応力および被膜の(111)結晶面における半価幅を求
めて表2に併記した。
を用いて、被削材:S48C(HB=224〜24
2)、工具形状:SDKN42ZTN、切削速度:13
0m/min、切込み:1mm、送り:0.2mm/r
ev、湿式旋削による切削条件でもって100分間切削
し、そのときのそれぞれの逃げ面摩耗量を測定し、表2
に併記した。
いて、同様の工程を施して、本発明品6〜11および比
較品3〜6を得た。この内、本発明品6,11は、実施
例1の本発明品1,2と同様の加熱条件、Arのエッチ
ング条件で処理した後、表3に示した被覆条件(基材の
表面に第1層、第2層、第3層と順次被覆)による被覆
工程を施して作製した。本発明品7は、Arエッチング
工程中のボンバード処理時間を20分間とした以外は、
本発明品6,11と同様の加熱条件,Arのエッチング
条件で処理した後、表3に示した被覆条件による被覆工
程を施して作製した。本発明品8は、加熱工程中の出力
8.5kw、加熱時間70分、基材温度380℃、Ar
のエッチング工程中のボンバード処理時間を25分間と
した以外は、本発明品6,11と同様の加熱条件,Ar
のエッチング条件で処理した後、表3に示した被覆条件
による被覆工程を施して作製した。本発明品9は、加熱
工程中の出力8.5kw、加熱温度350℃とした以外
は、本発明品6,11と同様の加熱条件,Arのエッチ
ング条件で処理した後、表3に示した被覆条件による被
覆工程を施して作製した。本発明品10は、加熱工程中
の加熱時間65分間,加熱温度410℃とした以外は、
本発明品6,11と同様の加熱条件,Arのエッチング
条件で処理した後、表3に示した被覆条件による被覆工
程を施して作製した。
1,2と同様の加熱条件,Arのエッチング条件で処理
した後、表4に示した被覆条件による被覆工程を施して
作製した。比較品5は、加熱工程中の出力18kw、加
熱温度450℃とした以外は、比較品1,2と同様の加
熱条件,Arのエッチング条件で処理した後、表3に示
した被覆条件による被覆工程を施して作製した。
〜6のそれぞれの被膜を実施例1に記載した方法で調べ
た結果、第1層の膜厚略1μm、第2層の膜厚略2μ
m、第3層の膜厚略0.3μmからなっており、被膜組
成成分,被膜硬さ,被膜の残留応力を表5に示した。ま
た、本発明品6〜11と比較品3〜6を用いて、実施例
1における湿式旋削による切削条件でもって切削試験を
行い、その結果を表5に併記した。
なる直径8mmのスパイラルドリルを用いて、被削材:
SCM440(HB=230〜250)、切削速度:6
0m/min、送り:0.2mm/rev、加工深さ:
30mm、の条件で15m、穴あけ加工を行った結果、
本発明品8の平均逃げ面摩耗量は、0.15mmであっ
たのに対し、比較品3の逃げ面摩耗量は、0.2mmで
あった。
明品8の内、第2層厚さのみ1μmの他は略本発明品8
の被膜構成からなる本発明品12と、逃げ面の被膜構成
が実施例2における比較品3の内、第2層厚さのみ1μ
mの他は略比較品3の被膜構成に相当し、すくい面の被
膜構成が比較品3の被膜構成からなる比較品7とを用い
て、被削材:SCM(HB=240〜260、6穴
付)、切削速度:150m/min、送り:0.25m
m/刃、切込み:2mm、工具形状:SDKN42ZT
N、乾式フライス切削を行った結果、本発明品12は、
加工長さ4m時における最大逃げ摩耗量が0.05mm
で、正常摩耗であったのに対し、比較品7は、加工長さ
4m時における最大逃げ面摩耗量が0.1mmで、被膜
の剥離が少々発生していた。
チタン(TiC−TiN)基サーメット,窒化ケイ素基
セラミックス,酸化アルミニウム基(Al2O3−Ti
C)セラミックスの基材をそれぞれ用いて、実施例1に
おける本発明品2と略同様に処理して被覆部材を作製
し、それぞれを本発明品13,14,15,16,17
とした。
同一基材を用いて、実施例1における比較品1と略同様
に処理して被覆部材を作製し、それぞれを比較品8,
9,10,11,12とした。
8〜12の被膜の組成成分および被膜硬さを実施例1で
行った方法で調べたところ、本発明品13〜17は、本
発明品2と略同様で2810±50(HV)の高硬度被
膜であったのに対し、比較品8〜12は、比較品1と略
同様で被膜硬さ2400±50(HV)であった。
似した被膜からなる従来の被覆部材に比べて、被膜の硬
さが約7〜32%高く、被膜の残留圧縮応力が約21〜
192%高く、切削試験における耐摩耗性が約10〜6
9%も向上し、被膜の耐剥離性も優れており、長寿命に
なるという顕著な効果がある。
Claims (5)
- 【請求項1】 金属,合金またはセラミックス焼結体の
基材上に、次式(A)で表わされる非化学量論組成のチ
タン含有複合化合物被膜が被覆されていることを特徴と
する耐摩耗性被覆部材。 (Tia,Mb)(CX,NY)R ‥‥‥(A) 〔但し、(A)式中のTiはチタン、MはZr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wの中の少なくとも1種
の元素を示し、Cは炭素、Nは窒素を示し、aおよびb
は金属元素であるTiとMとのそれぞれの原子比を表わ
し、XおよびYは非金属元素であるCとNとのそれぞれ
の原子比を表わし、RはTiとMとを合計した金属元素
に対するCとNとを合計した非金属元素の原子比を表わ
し、それぞれは、a+b=1、1>a>0、X+Y=
1、1≧X≧0、1.8≧R≧1.01の関係にあ
る。〕 - 【請求項2】 上記(A)式で表わされるチタン含有複
合化合物被膜は、1>a≧0.5、1.7≧R≧1.0
5の関係にあることを特徴とする請求項1記載の耐摩耗
性被覆部材。 - 【請求項3】 金属,合金またはセラミックス焼結体の
基材上に、次式(A)で表わされる非化学量論組成のチ
タン含有複合化合物被膜が被覆されており、該基材と該
チタン含有複合化合物被膜との間に、Tiの炭化物,窒
化物および炭窒化物の中の1種の単層または2種以上の
多層でなる内層が被覆されていることを特徴とする耐摩
耗性被覆部材。 (Tia,Mb)(CX,NY)R ‥‥‥(A) 〔但し、(A)式中のTiはチタン、MはZr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wの中の少なくとも1種
の元素を示し、Cは炭素、Nは窒素を示し、aおよびb
は金属元素であるTiとMとのそれぞれの原子比を表わ
し、XおよびYは非金属元素であるCとNとのそれぞれ
の原子比を表わし、RはTiとMとを合計した金属元素
に対するCとNとを合計した非金属元素の原子比を表わ
し、それぞれはa+b=1、1>a>0、X+Y=1、
1≧X≧0、1.8≧R≧1.01の関係にある。〕 - 【請求項4】 上記(A)式で表わされるチタン含有複
合化合物被膜は、1>a≧0.5、1.7≧R≧1.0
5の関係にあることを特徴とする請求項3記載の耐摩耗
性被覆部材。 - 【請求項5】 上記(A)式で表わされるチタン含有複
合化合物被膜の表面に、Tiの炭化物,窒化物,Alの
酸化物,窒化物およびこれらの相互固溶体の中の1種の
単層または2種以上の多層でなる外層が被覆されている
ことを特徴とする請求項3または4記載の耐摩耗性被覆
部材。
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JP34445093A JP3249277B2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 耐摩耗性被覆部材 |
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