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JP3240770B2 - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

ゴム組成物の製造方法

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JP3240770B2
JP3240770B2 JP22501993A JP22501993A JP3240770B2 JP 3240770 B2 JP3240770 B2 JP 3240770B2 JP 22501993 A JP22501993 A JP 22501993A JP 22501993 A JP22501993 A JP 22501993A JP 3240770 B2 JP3240770 B2 JP 3240770B2
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直一 小林
勲 古田
修司 西端
和正 広瀬
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工性と加硫物性の優
れたゴム組成物に関し、さらに詳しくはゴムコンパウン
ドのムーニー粘度を下げ、かつ加硫物性の引張特性、反
発弾性、耐摩耗性が良好なゴム組成物、特にタイヤトレ
ッド用ゴム組成物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリブタジエン系合成ゴム特にシ
スー1,4ーポリブタジエンゴムは、良好な耐摩耗性、
高い反発弾性、良好な低温特性、良好な耐屈曲性、低発
熱性等の特徴を生かし、天然ゴムおよび/またはイソプ
レンゴムとのブレンドにて、特にタイヤ用途に多く使用
されている。
【0003】最近、自動車の安全性を損なわずに低燃費
化、軽量化の観点より、特に自動車タイヤトレッドのウ
エットスキッドを落とさずに、低燃費化の指標である反
発弾性の向上と、トレッドの薄肉化によるタイヤの軽量
化を実現可能にするための引張特性と耐摩耗性の向上が
強く望まれている。
【0004】一般にこれらのタイヤの特性はタイヤトレ
ッドゴム材料の耐摩耗性と動的粘弾性に依存する所が大
であると考えられる。しかし、安全性と低燃費は二律背
反するゴム材料特性であることが知られており、ウエッ
トスキッドを落とさずに反発弾性を向上することは困難
であった。ここで、ウエットスキッドの指標としては0
℃,15HzのTanδが良く知られている。
【0005】また、ポリブタジエンゴムの引張特性と耐
摩耗性を向上するために、分子設計上の改良方法とし
て、ポリブタジエンの分子量分布における低分子量成分
を減らす方法が知られているが、配合ゴム組成物のムー
ニー粘度が上がり加工性が悪化する問題があった。
【0006】また、原料ゴムとして1,2ーポリブタジ
エンゴムまたはシスー1,4ーポリブタジエンゴムと天
然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴムを用いた方法
は、ウエットスキッドを落とさずに反発弾性は向上させ
るが、引張特性と耐摩耗性を向上する効果はなかった。
【0007】特公昭59年第2694号公報および特開
昭55年第104343号公報には、1,2ーポリブタ
ジエンゴムと天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを
ブレンドしたゴムを用い、混合方法を改良した方法もゴ
ム組成物のウエットスキッドを落とさずに反発弾性を向
上させる方法が提案されているが、引張特性と耐摩耗性
も同時に向上する効果はなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
ブタジエンゴム好ましくはシスー1,4ーポリブタジエ
ンゴムと、天然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴム
とのブレンド使用において配合ゴムの製造工程を工夫す
ることで、ウエットスキッドを維持したまま反発弾性を
向上し、かつ配合ゴムのムーニー粘度を下げて引張特性
と耐摩耗性を改良するゴム組成物を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を解決するため種々検討した結果、原料ゴムの組合せ
は、天然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴムと、ポ
リブタジエンゴムの組合せを使用し、原料ゴムと充填剤
の混練り混合方法を従来の方法である原料ゴムである天
然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴムと、ポリブタ
ジエンゴムを機械的に混練り混合した後、充填剤および
ゴム薬品を機械的に混練り混合する一段混練り混合方法
ではなく、
【0010】予め、特定の量の充填剤を特定の量の天然
ゴムおよび/またはポリイソプレンゴムとを機械的に混
練り混合したゴム組成物と、一方、特定の量の充填剤を
特定の量のポリブタジエンゴムとを機械的に混練り混合
したゴム組成物と、次に両者のゴム組成物を機械的に混
練り混合する二段混練り混合方法を用いることによっ
て、このゴム組成物が驚くべきことに従来の一段混練り
混合法のゴム組成物と比較して予想できないウエットス
キッドを維持したまま反発弾性を向上し、かつ配合ゴム
のムーニー粘度を下げて引張特性と耐摩耗性を改良する
著しい効果を有するゴム組成物を得ることができ解決し
た。
【0011】即ち、本発明は、A)天然ゴムおよび/ま
たはポリイソプレンゴム30〜70重量部と、B)ポリ
ブタジエンゴム70〜30重量部とからなる原料ゴム成
分100重量部に対して、C)充填剤およびゴム薬品3
0〜70重量部を配合してゴム組成物を製造するに際
し、 予め、1)A)天然ゴムおよび/またはポリイソプレン
ゴム30〜70重量部に、C)充填剤および加硫活性成
分を除くゴム薬品の10〜60重量%を添加して機械的
に混練り混合したゴム組成物と、
【0012】2)B)ポリブタジエンゴム70〜30重
量部に、C)充填剤および加硫活性成分を除くゴム薬品
の90〜40重量%を添加して機械的に混練り混合した
ゴム組成物とを作製し、D)軟化剤を原料ゴム100重
量部に対して0〜40重量部と、1)および2)のゴム
組成物と加硫活性のゴム薬品を機械的に混練り混合する
ことを特徴とするゴム組成物の製造方法である。
【0013】本発明に用いられるA)成分の天然ゴム
は、市販されている天然ゴムであり、ポリイソプレンゴ
ムは、遷移金属触媒を用いてイソプレンを溶液重合する
ことによって得られるシスー1,4ー結合単位含有量が
90モル%以上のポリイソプレンゴムである。そして、
天然ゴム、ポリイソプレンゴムのいずれかあるいはこれ
らのブレンド物が用いられる。
【0014】本発明に用いられるA)成分の天然ゴムお
よび/またはイソプレンゴムの使用量は、30〜70重
量部、好ましくは40〜60重量部であり、30重量部
より少ないと強度が劣り、70重量部を超えると反発弾
性が 低下する。
【0015】本発明に用いられるB)成分のポリブタジ
エンゴムは、好ましくはシスー1,4ーポリブタジエン
ゴムであり、これは、遷移金属触媒を用いて、1,3ー
ブタジエンを重合することによって得られる。本発明に
用いられるB)成分のポリブタジエンゴムの使用量は、
70〜30重量部、好ましくは60〜40重量部であ
り、70重量部を超えると強度が劣り、30重量部より
少ないと反発弾性が低下する。
【0016】本発明に用いられるC)成分の充填剤は、
カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、炭酸マグ
ネシウム、クレーであるが、主としてカーボンブラック
である。カーボンブラックは、通常自動車タイヤトレッ
ド用に用いられるものであれば特に制約されないが、各
種グレードのISAF、HAFなどである。その他の活
性成分でないゴム薬品は、通常ゴム工業で汎用される亜
鉛華、ステアリン酸および老化防止剤等である。
【0017】本発明に用いられるC)成分の充填剤およ
びゴム薬品の使用量は、原料ゴム100重量部に対し3
0〜70重量部配合することが好ましく、30重量部以
下では耐摩耗性が悪化する問題があり、70重量部以上
では反発弾性が低下する。C)成分中、充填剤は通常8
0〜90重量%である。
【0018】本発明に用いられるD)成分の軟化剤は、
通常、ゴム用に用いられるアロマテイック系、ナフテン
系、パラフィン系オイルである。その使用量は0〜40
重量部であり、40重量部を超えると耐摩耗性が悪化す
る。
【0019】本発明に用いられる加硫活性のゴム薬品と
しては、通常ゴム工業で用いられる加硫剤、加硫促進剤
が用いられる。
【0020】以上のような原料ゴム成分の組合せと充填
剤からなるゴム組成物が本発明の効果を発揮するために
は、1)天然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴムか
らなる原料ゴムと充填剤と混練り混合し、一方、2)ポ
リブタジエンゴムと充填剤とを機械的に混練り混合した
ゴム組成物とを作製し、必要に応じ軟化剤を添加して、
1)および2)のゴム組成物とを機械的に混練り混合す
る二段混練り法を実施する必要がある。
【0021】これは、本発明は、A)天然ゴムおよび/
またはポリイソプレンゴム30〜70重量部と、B)ポ
リブタジエンゴム70〜30重量部とからなる原料ゴム
成分100重量部に対して、C)充填剤であるカーボン
ブラックおよびゴム薬品の30〜70重量部を配合して
ゴム組成物を製造するに際し、予め、1)A)天然ゴム
および/またはポリイソプレンゴム30〜70重量部
に、C)充填剤であるカーボンブラックおよび加硫活性
成分を除くゴム薬品である亜鉛華、ステアリン酸および
老化防止剤等の10〜60重量%を添加して機械的に混
練り混合したゴム組成物と、
【0022】2)B)ポリブタジエンゴム70〜30重
量部に、C)充填剤であるカーボンブラックおよび加硫
活性成分を除くゴム薬品である亜鉛華、ステアリン酸お
よび老化防止剤の90〜40重量%を添加して機械的に
混練り混合したゴム組成物とを作製し、D)軟化剤を原
料ゴム100重量部に対して0〜40重量部と、1)お
よび2)のゴム組成物と加硫活性のゴム薬品を機械的に
混練り混合する二段混練り混合方法である。
【0023】1)の成分は、A)天然ゴムおよび/また
はポリイソプレンゴム30〜70重量部に対し、C)充
填剤および加硫活性成分を除くゴム薬品30〜70重量
部の10〜60重量%を添加し、機械的に混練り混合し
たゴム組成物とする。ここで、添加する充填剤および加
硫活性成分を除くゴム薬品は、10〜60重量%、好ま
しくは20〜45重量%であり、10重量%より少なく
ても60重量%を超えても耐摩耗性が悪くなり本発明の
効果がない。
【0024】2)の成分は、B)ポリブタジエンゴム7
0〜30重量部に対し、C)充填剤および加硫活性成分
を除くゴム薬品30〜70重量部の90〜40重量%を
添加し、機械的に混練り混合したゴム組成物とする。添
加する充填剤および加硫活性成分を除くゴム薬品は、9
0〜40重量%、好ましくは80〜55重量%であり、
90重量%を超えても40重量%より少なくても耐摩耗
性が悪くなり本発明の効果がない。
【0025】1)および2)のゴム組成物と加硫活性の
ゴム薬品を機械的に二段混練り混合するに際しては必要
に応じてD)軟化剤を原料ゴム100重量部に対し0〜
40重量部の範囲で添加することによって混練り混合操
作を容易に実施できる。
【0026】本発明の特徴は、前記の特殊な二段混練り
法を行うことにあり、本発明方法によって得た特定ゴム
成分と充填剤よりなるゴム組成物は、最終組成同一の通
常の一段混練り法によって調製されたゴム組成物と同等
以上のウエットスキッドを維持したまま反発弾性を向上
し、かつゴムムーニー粘度を下げて引張特性と耐摩耗性
を改良する。
【0027】このようにして得られるゴム組成物は通常
の加硫方法によって加硫物とされるが、本発明のゴム組
成物の加硫物と、通常の一段混練り法で得た本発明と同
一組成のゴム組成物の加硫物とは、本発明の効果である
反発弾性、引張特性、耐摩耗性が優れている他に、引き
裂き強さ、電気特性、更に未加硫ゴム組成物のムーニー
粘度等から容易に区別することができる。
【0028】
【実施例】実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
本発明の実施例および比較例のゴム組成物についての各
種測定は、次のようにして行った。ムーニー粘度の測定 ムーニー粘度(MV)は、JISーKー6300に規定
されている測定法に従って測定した。引張、反発弾性および硬度の測定 加硫物の引張試験、反発弾性および硬度は、JISーK
ー6301に規定されている測定法に従って測定した。耐摩耗性の測定および温度分散 加硫物の耐摩耗性は、ランボーン摩耗(島田技研社製)
を用いて、スリップ比60%、室温下で測定した。加硫
物の温度分散は、RDA(レオメトリック社製)を用い
て測定した。
【0029】混練り方法 実施例および比較例の混練りには、小型のバンバリーミ
キサー(1.8L容積)を用いて行った。混練り条件
は、最初のバンバリー調節温度60℃、ローター回転数
40rpmとし、混練り温度が100〜110℃になる
ようにジャケット内の油温を制御した。
【0030】実施例1〜4、比較例2〜7 予め表2、3に示す重量部のシスー1,4ーポリブタジ
エンゴムと、表1に示す充填剤を表2、3に示す重量%
と共にバンバリーミキサーに投入し、5分で混練りした
ゴム組成物と、表2、3に示す重量部の天然ゴムおよび
/またはポリイソプレンゴム50重量部と残りの充填剤
を投入し、2分で混練りしたゴム組成物とを作製した。
このように調製した2種の混練り組成物と加硫促進剤と
硫黄を再度バンバリーミキサーに投入し、3分混練りし
完了した。ムーニー粘度はこの未加硫物について測定
し、更に加硫物性を測定するため150℃、20分の条
件でプレス加硫を実施した。
【0031】比較例1、8 比較例1、8の混練り方法は、通常の一段混練り法で、
表2、3に示す重量部のシスー1,4ーポリブタジエン
ゴムと天然ゴムを同時にバンバリーミキサーに投入し、
30秒混練り後に加硫促進剤と硫黄を除いた配合剤を全
て投入し、3分30秒混練りした。このように調製した
混練り組成物、加硫促進剤および硫黄を再度バンバリー
ミキサーに投入し、1分混練りし、後は先と同様に行っ
た。
【0032】表1には、加硫活性成分以外の充填剤を示
した。表2、表3には実施例と比較例の配合比(重量
部)、充填剤の種類および分配率、配合ゴム物性および
加硫物性を示した。実施例1、2と比較例1より、本発
明が全て同じ配合にも係わらず、ウエットスキッドを維
持したまま反発弾性を向上し、かつ配合ゴムムーニー粘
度を下げて引張特性と耐摩耗性を改良する効果があるこ
とがわかる。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】実施例1、2と比較例1〜3よりポリブタ
ジエンゴムに添加する充填剤および配合薬品が40〜9
0重量%(天然ゴムに添加する充填剤および配合薬品は
60〜10重量%)の範囲を超えると、耐摩耗性、引張
特性が劣り、本発明の効果が少なくなることがわかる。
【0037】実施例3と比較例4、5より、充填剤が3
0重量部以下では引張強度が下がり耐摩耗性が悪化し、
70重量部以上では引張特性と反発弾性が低下している
ことがわかる。実施例3と比較例6、7より、ポリブタ
ジエンゴムが70重量部を超えると引張強度が下がり、
30重量部より少ないと反発弾性と耐摩耗性が下がるこ
とがわかる。
【0038】実施例4と比較例8より、ポリブタジエン
ゴムとイソプレンゴムを用いた場合でも、加硫ゴムのウ
エットスキッドを維持したまま反発弾性を向上し、かつ
配合ゴムのムーニー粘度を下げて加硫ゴムの引張特性と
耐摩耗性が改良されており、本発明の効果があることが
わかる。
【0039】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は、加硫ゴムのウエ
ットスキッドを維持したまま反発弾性を向上し、かつ配
合ゴムムーニー粘度を下げて加硫ゴムの引張特性と耐摩
耗性を改良したゴム組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 和正 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−64849(JP,A) 特開 昭61−64738(JP,A) 特開 昭57−143338(JP,A) 特開 昭56−106937(JP,A) 特開 昭55−104343(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 7/00 C08J 3/20 C08L 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A)天然ゴムおよび/またはポリイソプ
    レンゴム30〜70重量部と、B)ポリブタジエンゴム
    70〜30重量部とからなる原料ゴム成分100重量部
    に対して、C)充填剤およびゴム薬品30〜70重量部
    を配合してゴム組成物を製造するに際し、 予め、1)A)天然ゴムおよび/またはポリイソプレン
    ゴム30〜70重量部に、C)充填剤および加硫活性成
    分を除くゴム薬品の10〜60重量%を添加して機械的
    に混練り混合したゴム組成物と、 2)B)ポリブタジエンゴム70〜30重量部に、C)
    充填剤および加硫活性成分を除くゴム薬品の90〜40
    重量%を添加して機械的に混練り混合したゴム組成物と
    を作製し、D)軟化剤を原料ゴム100重量部に対して
    0〜40重量部と、1)および2)のゴム組成物と加硫
    活性のゴム薬品を機械的に混練り混合することを特徴と
    するゴム組成物の製造方法。
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