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JP2001081239A - 高性能タイヤ用トレッドゴム組成物およびその製造方法 - Google Patents

高性能タイヤ用トレッドゴム組成物およびその製造方法

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JP2001081239A
JP2001081239A JP26173199A JP26173199A JP2001081239A JP 2001081239 A JP2001081239 A JP 2001081239A JP 26173199 A JP26173199 A JP 26173199A JP 26173199 A JP26173199 A JP 26173199A JP 2001081239 A JP2001081239 A JP 2001081239A
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rubber
rubber composition
carbon black
polymerized styrene
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Yasuhisa Minagawa
康久 皆川
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いグリップ性と高い耐摩耗性を兼ね備えた
高性能タイヤ用トレッドゴム組成物およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】 乳化重合SBRの10〜40重量%と、
溶液重合SBRの90〜60重量%よりなるゴム成分1
00重量部と、軟化剤を20〜180重量部と、窒素吸
着比表面積(N2SA)が、100〜300m2/gのカ
ーボンブラック30〜150重量部を含むゴム組成物に
おいて、前記軟化剤の全配合量の30重量%以上は前記
カーボンブラックを混合する前に前記各ゴム成分に混合
されており、さらに前記カーボンブラックの全配合量の
40重量%以上は、予め前記乳化重合SBRに混合され
ている高性能タイヤ用トレッドゴム組成物およびその製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐摩耗性とグリップ
性を同時に改善した高性能タイヤ用トレッドゴム組成物
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年自動車の高性能化に伴い、タイヤに
要求される特性はより高いレベルのものになっている。
たとえば高速走行条件下での高いグリップ性と耐摩耗性
の両立などである。高いグリップ性を得るためにはトレ
ッドゴム組成物にハイスチレン含量のスチレン−ブタジ
エンゴムを用い高補強性のカーボンブラックと軟化剤を
高充填する方法がある。この方法ではグリップ性は向上
するが、耐摩耗性が低下してしまうという問題があっ
た。
【0003】そこでタイヤの耐摩耗性とグリップ性を同
時に改善するものとして、低分子量ポリマーをトレッド
用ゴム組成物に配合する方法(特開平1−197541
号公報)、あるいは特定のカーボンブラックをトレッド
用ゴム組成物に配合する方法(特開平6−93136号
公報)、さらに低分子量ポリマーと特定のカーボンブラ
ックを組合せてトレッド用ゴム組成物に配合する方法
(特開平9−143388号公報)が提案されている。
しかしながら低分子量ポリマーは粘稠で粘着性の液体の
ため作業性に問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高いグリップ
性と高い耐摩耗性を兼ね備え、しかも作業性に問題のな
い高性能タイヤ用トレッドゴム組成物およびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は乳化重合スチレ
ン−ブタジエンゴムの10〜40重量%と、溶液重合ス
チレン−ブタジエンゴムの90〜60重量%よりなるゴ
ム成分100重量部と、軟化剤を20〜180重量部
と、窒素吸着比表面積(N2SA)が、100〜300
2/gのカーボンブラック30〜150重量部を含む
ゴム組成物において、(1) 前記軟化剤の全配合量の
30重量%以上は前記カーボンブラックを混合する前に
前記各ゴム成分に混合されており、さらに(2) 前記
カーボンブラックの全配合量の40重量%以上は、予め
前記乳化重合スチレン−ブタジエンゴムに混合分散され
ていることを特徴とする高性能タイヤ用トレッドゴム組
成物である。
【0006】次に第2の発明は乳化重合スチレン−ブタ
ジエンゴムの10〜40重量%と、溶液重合スチレン−
ブタジエンゴムの90〜60重量%よりなるゴム成分1
00重量部と、軟化剤を20〜180重量部と、窒素吸
着比表面積(N2SA)が、100〜300m2/gのカ
ーボンブラック30〜150重量部を含むゴム組成物の
製造方法において、(1) 前記軟化剤の全配合量の3
0重量%以上を前記乳化重合スチレン−ブタジエンゴム
と前記溶液重合スチレン−ブタジエンゴムのゴム成分に
それぞれ混合する工程と、(2) 前記カーボンブラッ
クの全配合量の40重量%以上を前記軟化剤を混合した
乳化重合スチレン−ブタジエンゴムに混合分散する工程
と、(3) 硫黄と加硫促進剤以外の配合剤を前記ゴム
成分と混合する工程と、(4) 硫黄と加硫促進剤を前
記(3)の工程で得られたゴム組成物に混合する工程、
よりなる高性能タイヤ用トレッドゴム組成物の製造方法
である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるゴム成分は乳
化重合スチレン−ブタジエンゴムおよび溶液重合スチレ
ン−ブタジエンゴムである。ここで乳化重合スチレン−
ブタジエンゴムはスチレン含量が15〜50重量%の範
囲のものが使用される。一方溶液重合スチレン−ブタジ
エンゴムはスチレン含量、ビニル含量が異なる各種のグ
レードのものが使用されるが、好ましくはスチレン含量
は20〜50重量%、ビニル含量は15〜60重量%の
範囲である。スチレン含量およびビニル含量が増大すれ
ばガラス転移温度も高くなる。その結果損失正接の主分
散のピーク温度も高温側にシフトし、0℃での損失正接
値が大きくなりグリップ性能は高くなる。ただしタイヤ
の転動抵抗の低下を招来しないようにガラス転移温度を
調整する必要がある。
【0008】次に乳化重合スチレン−ブタジエンゴムは
ゴム成分の10〜40重量%使用される。配合量が10
重量%未満の場合、耐摩耗性が悪く、一方40重量%を
超えるとグリップ性が低下する。
【0009】次に本発明ではゴム組成物に軟化剤がゴム
成分100重量部に対して20〜180重量部配合され
る。
【0010】ここで軟化剤はパラフィン系軟化剤、芳香
族系軟化剤、ナフテン系軟化剤等の石油系軟化剤のほ
か、コールタール、クマロン・インデン樹脂等のコール
タール系軟化剤および脂肪油系軟化剤を含み、さらにジ
ブチルフタレート(DBT)、ジオクチルフタレート
(DOP)、トリクレジルホスフェート(TCP)等の
合成樹脂軟化剤、液状ゴム、オリゴマー合成可塑剤も包
含される。
【0011】軟化剤が20重量部未満の場合、十分なグ
リップ性は得られず、一方180重量部を超えると、ゴ
ム組成物の強度および耐摩耗性が低下する。好ましくは
軟化剤は30〜160重量部配合される。
【0012】次に前記軟化剤はゴム組成物の全配合の3
0重量%以上はカーボンブラックと混合する前にゴム成
分、すなわち乳化重合スチレン−ブタジエンゴムおよび
溶液重合スチレン−ブタジエンゴムに混合される。軟化
剤をゴム成分に予め混合しておくことによりゴム成分を
カーボンブラックと混合する際に同時に混入される軟化
剤の量を減少することができ、その結果カーボンブラッ
クのゴム組成物中の分散が改善され耐摩耗性が向上す
る。
【0013】次に本発明ではゴム組成物中にゴム成分1
00重量部に対してカーボンブラックを30〜150重
量部好ましくは40〜140重量部配合される。
【0014】カーボンブラックの配合量が30重量部未
満の場合、ゴム組成物の補強効果は十分でなく、一方1
50重量部を超えるとゴム組成物中の分散が悪くなり補
強効果も低下し、さらに硬度が高くなりグリップ性も悪
くなる。また前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積
(N2SA)は100m2/g〜300m2/gの範囲で
ある。100m2/g未満の場合はゴム組成物の補強効
果が十分でなく、一方300m2/gを超えるとゴム中
での分散が悪くなる。窒素吸着比表面積(N2SA)は
より好ましくは110m2/g〜150m2/gの範囲で
ある。本発明で使用されるカーボンブラックの種類はた
とえばHAF、ISAF、SAF等が挙げられる。
【0015】なお本発明ではカーボンブラックのゴム組
成物中への全配合量の40重量%以上は予め前記乳化重
合スチレン−ブタジエンゴムに混合分散される。しかる
後に溶液重合スチレンブタジエンゴムと混合した場合、
カーボンブラックは乳化重合スチレン−ブタジエンゴム
に偏在して分散したゴム組成物が得られる。
【0016】耐摩耗性に優れる乳化重合スチレン−ブタ
ジエンゴムに、カーボンブラックを予め混合分散させる
ことによりゴム組成物に混合した状態において耐摩耗性
が一層向上する。
【0017】なお本発明のゴム組成物には、上記以外に
もタイヤトレッドで通常されるシリカ、クレー、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、マイカ等の無機充填
材、シランカップリング剤、硫黄等の加硫剤、各種加硫
促進剤、各種粘着付与剤、各種老化防止剤、酸化亜鉛、
ステアリン酸等の脂肪酸などを本発明の効果を損なわな
い限り配合することができる。
【0018】次に本発明のゴム組成物はたとえば次の工
程で製造される。 (1) 乳化重合スチレン−ブタジエンゴムと溶液重合
スチレン−ブタジエンゴムのそれぞれに軟化剤を所定量
混合し分散させる。この場合乳化重合スチレン−ブタジ
エンゴムと溶液重合−ブタジエンゴムに混合する軟化剤
の割合は同じでも異なっていてもよい。ここで混入され
る軟化剤はゴム組成物に混入される全体の軟化剤配合量
の30重量%以上である。
【0019】(2) 前記軟化剤を混入した乳化重合ス
チレン−ブタジエンゴムにカーボンブラックを混合、分
散させる。ここで混入されるカーボンブラックはゴム組
成物に混入される全体のカーボンブラック配合量の40
重量%以上である。
【0020】(3) 上記(1)で調整した溶液重合ス
チレン−ブタジエンゴム、上記(2)で調整した乳化重
合スチレン−ブタジエンゴム、残りのカーボンブラッ
ク、軟化剤、さらに硫黄と加硫促進剤以外の配合剤を混
合する。
【0021】(4) さらに硫黄と加硫促進剤をゴム組
成物中に混合する。得られたゴム組成物をタイヤに成形
し所定温度で所定時間たとえば150℃〜170℃で1
0〜30分間加硫する。
【0022】
【実施例】表1に示す基本配合を用いて次の工程で実施
例のゴム組成物を作製した。
【0023】 乳化重合スチレン−ブタジエンゴムと
溶液重合スチレン−ブタジエンゴムのそれぞれに所定量
の軟化剤をロールにて混入した。
【0024】 上記軟化剤を混入した乳化重合スチレ
ン−ブタジエンゴムに所定量のカーボンブラックを1.
7リットルバンバリーミキサーで混入した。
【0025】 加硫剤以外のゴム成分および配合剤を
1.7リットルバンバリーミキサーで混合した。
【0026】 上記で得られたゴム組成物にロール
を用いて硫黄と加硫促進剤を混入した。
【0027】 上記ゴム組成物をシート状およびタイ
ヤに成形し170℃で15分間加硫した。
【0028】加硫したゴム組成物および試作タイヤの評
価は次の方法で行なった。 (1) ランボーン摩耗試験(耐摩耗性) 各配合の容積損失を計算し、各評価の基準比較例の損失
量を100とし、下記計算式で指数表示した。指数が大
きいものほど耐摩耗性が優れている。
【0029】摩耗指数=各評価の基準比較例の数値/各
配合の数値×100 (2) スキッド試験(グリップ性) スタンレー製ポータブルスキッドテスターを用いてスキ
ッドレジスタンスを測定した。測定温度は室温で路面は
セイフティーウォークで行なった。数値は下記計算式で
指数表示した。指数が大きいものほどスキッド性能に優
れる。
【0030】スキッド指数=各配合の数値/各評価の基
準比較例の数値×100 (3) タイヤでの評価 215/45R17の乗用車用タイヤを試作し、1周約
1kmのハンドリング路(アスファルト路面)でテスト
走行し、グリップ感、トラクション感のフィーリングテ
ストを実施した。10点法で評価した。各評価配合の基
準となる比較例1を5点にした。点数が高いものほど良
好である。また、一定周回数走行後のタイヤ摩耗外観を
点数比較した。10点法で評価し、各評価の基準比較例
を5点とした。数値が高いものほど良好である。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】(1) 溶液重合スチレン−ブタジエンゴ
ムと乳化重合スチレン−ブタジエンゴムの割合による影
響 表2より溶液重合スチレン−ブタジエンゴムが90〜6
0重量%の範囲で耐摩耗性、グリップ性が優れているこ
とがわかる。
【0036】(2) カーボンブラックの乳化重合スチ
レン−ブタジエンゴムへの偏在量による影響 表3よりカーボンブラックの偏在量が30部の比較例3
よりも40部の実施例5、60部の実施例6の方が耐摩
耗性、グリップ性が改善されている。
【0037】(3) 後入れアロマオイル量による影響 表4よりブレンド比を固定し、カーボン偏在量も半分に
固定し、先入れオイル量を増やす(後入れオイル量を減
らす)と耐摩耗性も改善され、グリップ性(スキッド指
数およびグリップ感、トラクション感も改善される。
【0038】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0039】
【発明の効果】上述のごとく本発明はゴム成分を乳化重
合スチレン−ブタジエンゴムと溶液重合スチレン−ブタ
ジエンゴムとし軟化剤を予めゴムに混合するとともにカ
ーボンブラックも一部を乳化重合スチレン−ブタジエン
ゴムに混合分散したため、耐摩耗性とグリップ性が同時
に改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA08 AC04 AC05 AC50 AC66 AC94 AE02 AE04 AE08 FA01 FB05 FB06 FB07 FC03 4J002 AC08W AC08X AE05Y AG00Y BK00Y DA036 DA047 EH149 EW049 FD010 FD016 FD147 FD158 GN01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化重合スチレン−ブタジエンゴムの1
    0〜40重量%と、溶液重合スチレン−ブタジエンゴム
    の90〜60重量%よりなるゴム成分100重量部と、 軟化剤を20〜180重量部と、窒素吸着比表面積(N
    2SA)が、100〜300m2/gのカーボンブラック
    30〜150重量部を含むゴム組成物において、 (1) 前記軟化剤の全配合量の30重量%以上は前記
    カーボンブラックを混合する前に前記各ゴム成分に混合
    されており、さらに (2) 前記カーボンブラックの全配合量の40重量%
    以上は、予め前記乳化重合スチレン−ブタジエンゴムに
    混合分散されていることを特徴とする高性能タイヤ用ト
    レッドゴム組成物。
  2. 【請求項2】 乳化重合スチレン−ブタジエンゴムの1
    0〜40重量%と、溶液重合スチレン−ブタジエンゴム
    の90〜60重量%よりなるゴム成分100重量部と、
    軟化剤を20〜180重量部と、窒素吸着比表面積(N
    2SA)が、100〜300m2/gのカーボンブラック
    30〜150重量部を含むゴム組成物の製造方法におい
    て、 (1) 前記軟化剤の全配合量の30重量%以上を前記
    乳化重合スチレン−ブタジエンゴムと前記溶液重合スチ
    レン−ブタジエンゴムのゴム成分にそれぞれ混合する工
    程と、 (2) 前記カーボンブラックの全配合量の40重量%
    以上を前記軟化剤を混合した乳化重合スチレン−ブタジ
    エンゴムに混合分散する工程と、 (3) 硫黄と加硫促進剤以外の配合剤を前記ゴム成分
    と混合する工程と、 (4) 硫黄と加硫促進剤を前記(3)の工程で得られ
    たゴム組成物に混合する工程、よりなる高性能タイヤ用
    トレッドゴム組成物の製造方法。
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