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JP3113750B2 - 静圧気体軸受 - Google Patents

静圧気体軸受

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JP3113750B2 JP31787792A JP31787792A JP3113750B2 JP 3113750 B2 JP3113750 B2 JP 3113750B2 JP 31787792 A JP31787792 A JP 31787792A JP 31787792 A JP31787792 A JP 31787792A JP 3113750 B2 JP3113750 B2 JP 3113750B2
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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は精密工作機械等に用いら
れる静圧気体軸受に関し、とくに高速回転に適した静圧
気体軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、静圧気体軸受は回転トルクが小
さく、また回転精度も高く、さらにメンテナンスがほと
んど不用であることから、精密工作機械の主軸等に広く
用いられている。従来の静圧気体軸受の構成には次のよ
うなものがある。
【0003】(1)回転軸の円筒面を軸受ハウジングの
ラジアル軸受パッドに対向させるとともに、回転軸の両
端にそれぞれスラストプレートを接合し、各スラストプ
レートの片面を軸受ハウジングのスラスト軸受パッドに
対向させるもの。
【0004】(2)回転軸の円筒面を軸受ハウジングの
ラジアル軸受パッドに対向させるとともに、回転軸の一
端に接合されたスラストプレートの両面をそれぞれ軸受
ハウジングのスラスト軸受パッドに対向させるもの。
【0005】(3)回転軸の中央にスラストプレートを
接合し、その両面をそれぞれ軸受ハウジングのスラスト
軸受パッドに対向させるとともに、スラストプレートの
両側の円筒面にそれぞれ軸受ハウジングのラジアル軸受
パッドに対向させるもの。
【0006】従来例(1)は、2つのスラストプレート
のそれぞれの片面を軸受ハウジングのスラスト軸受パッ
ドに対向させるものであるため、軸受間隙の気体の圧力
によって、各スラストプレートが外側あるいは遠心力に
より内側に変形するおそれがあり、また、従来例(2)
は、軸方向に非対称であるために回転軸が自重によって
傾くおそれがある。従来例(3)は、これらの欠点を除
くために開発されたものであり、スラストプレートが変
形するおそれがないうえに、回転軸とスラストプレート
からなる回転体が軸方向に対称であり、回転軸が傾くお
それがないため、とくに高速回転に適している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、高速回転時に様々な障害を発生する。
すなわち上記従来例のいずれも、回転軸が2部品または
3部品により構成され、回転軸の材料としてセラミック
を用いた場合には、各部品の接合部の埋金やタップのた
め強度が低下し、高速回転時に遠心力に基づく応力集中
によって破壊するおそれがある。
【0008】従来、回転軸の高速回転駆動には高周波モ
ータやタービンが用いられているが、これらの場合は、
回転軸の端面にモータのロータやタービン翼列を取付け
るため、駆動系を含めた回転体の軸方向の長さが長くな
り、その結果、回転体の重量が大となり、共振周波数が
低いために振動を発生しやすい。
【0009】また、例えば円筒状の被削材を外径加工す
る工作機械の場合は、主軸の起動や停止時間によるタイ
ムロスを防ぐために、主軸の一端に工具を取付けるとと
もに主軸を中空とし、主軸を常時回転させながらその中
空部を通って被削材を送るのが望ましいが、主軸の軸受
部分の長さが長いと、被削材を保持して主軸の中空部を
通過させるチャックの長さも長くなるため、その剛性が
低下し、良好な真直度が得られない。
【0010】 さらに、近年、加工タクトの短縮を目指
して、工作機械の主軸には一層の高速化が求められてい
るが、従来の静圧気体軸受において高速回転を行うと、
遠心力および軸受間隙の空気膜の剪断による発熱のため
に回転軸が膨張し、その結果、軸受間隙が減少する。こ
のように、軸受間隙が減少すると、発熱量は一層増加
し、回転軸が軸受パッドに接触して円滑な回転ができな
くなるおそれがある。
【0011】本発明は、上記従来の技術の有する未解決
の課題に鑑みてなされたものであり、高速回転に適した
静圧気体軸受を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の静圧気体軸受は、回転軸を非接触で回転自
在に支持する軸受ハウジングと、該軸受ハウジングを冷
却する冷却ジャケットを有し、前記軸受ハウジングが前
記回転軸より熱膨張係数の大きい材料によって作られて
いる静圧気体軸受であって、前記回転軸と前記軸受ハウ
ジングの間の軸受間隙の寸法の変化を検出する検出手段
と、該検出手段の出力に基づいて、前記冷却ジャケット
に供給される冷媒の温度および流量を制御する制御手段
が設けられていることを特徴とする。
【0013】
【0014】
【0015】
【作用】 受間隙の寸法の変化を検出して冷却ジャケッ
トの温度および流量を調節し、これによって軸受ハウジ
ングの熱膨張量を制御することにより、軸受間隙の寸法
を所定の値に維持することができる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0017】図1は第1実施例を示す模式断面図であっ
て、本実施例の静圧気体軸受E1 は、工作機械の主軸等
と一体的に設けられる回転軸1と、これを回転自在に支
持する軸受ハウジング2からなり、回転軸1はその中心
軸に沿って貫通孔1aを有する中空体であり、該中空体
は、一対の円筒部分1b,1cと、両者の間に配設され
たスラストプレート部分1dからなり、これらはセラミ
ック材料によって一体的に形成されている。軸受ハウジ
ング2は、回転軸1の各円筒部分1b,1cにそれぞれ
対向するラジアル軸受パッド3a,3bを有し、また、
回転軸1のスラストプレート部分1dの各面D1 に対向
するスラスト軸受パッド4a,4bを有する。各ラジア
ル軸受パッド3a,3bを保持する軸受ハウジング2の
筒状部分2a,2bは、それぞれ冷却ジャケット2c,
2dによって包囲されている。
【0018】各ラジアル軸受パッド3a,3bに加圧気
体を供給する給気孔5a,5bは、それぞれ軸受ハウジ
ング2の中央部分2eに開口する。各スラスト軸受パッ
ド4a,4bに加圧気体を供給する給気孔6a,6bは
軸受ハウジング2の中央部分2eの外周面に開口する。
また、軸受ハウジング2の中央部分2eは、回転軸1の
各円筒部分1b,1cと軸受ハウジング2の間の軸受間
隙A1 ,B1 にそれぞれ開口する排気孔5c,5dと、
回転軸1のスラストプレート部分1dの外周面と軸受ハ
ウジング2の間のタービン間隙C1 に開口する排気孔6
cを有する。
【0019】さらに、回転軸1のスラストプレート部分
1dの外周面にはタービン翼列1eが形成され、軸受ハ
ウジング2の中央部分2eは、回転軸1のスラストプレ
ート部分1dのタービン翼列1eに向って加圧気体を噴
出するタービンノズル7を有する。
【0020】図示しない加圧気体供給源から各給気孔5
a,5b,6a,6bに加圧空気を供給すると、回転軸
1は、各ラジアル軸受パッド3a,3bおよび各スラス
ト軸受パッド4a,4bからそれぞれ回転軸1の各円筒
部分1b,1cおよびスラストプレート部分1dの両面
1 に向って噴出される加圧気体によって軸受ハウジン
グ2に接触することなく回転自在に支持される。また、
上記と同じ加圧気体供給源あるいはこれとは別の加圧空
気供給源から加圧気体がタービンノズル7に供給され、
タービン翼列1eに向って噴出されると、これによって
回転軸1が高速度で回転する。
【0021】なお、軸受ハウジング2は回転軸1のセラ
ミック材料より熱膨張係数の大きい材料で作られてお
り、両ラジアル軸受パッド3a,3bおよび両スラスト
軸受パッド4a,4bは、前記セラミック材料と同じか
それ以上の熱膨張係数をもつ材料によって作られてい
る。従って、回転軸1の高速回転時に、各軸受間隙A
1 ,B1 の気体の粘性摩擦等によって回転軸1および軸
受ハウジング2の温度が上昇すると、回転軸1より軸受
ハウジング2の熱膨張量の方が大であるために各軸受間
隙A1 ,B1 の寸法が増大するが、各冷却ジャケット2
c,2dの冷媒流路2f,2gに供給する冷媒の温度を
調節することによって回転軸1と軸受ハウジング2の間
に温度差を設けることで前記軸受間隙A1 ,B1 の寸法
を所定の値に維持する。
【0022】本実施例の静圧気体軸受は、軸方向のほぼ
中央にスラストプレートを有する中空の回転軸をセラミ
ックによって一体的に製作するものであるため、極めて
軽量であるうえに、スラストプレートと回転軸を接合す
るボルト穴やタップまたは埋金等による強度低下のおそ
れもなく、従って回転軸を高速回転させても振動を発生
したり応力集中によって破損するおそれがない。加えて
セラミックで作られた回転軸は、金属製の回転軸に比べ
てヤング率が大きいために、高速回転時に遠心力による
変形や膨張も極めて少ない。
【0023】また、回転軸のスラストプレート部分の外
周面にタービン翼列を形成することによって、回転軸と
これを回転駆動する駆動系を含む回転体の全長を短縮す
ることができるため、回転体の軽量化が一層容易である
うえに、回転軸の貫通孔を通って被削材等を送る場合
に、被削材を保持するチャックの長さを短縮し、その剛
性の低下を防ぐことができる。
【0024】図2は第2実施例を説明する説明図であっ
て、本実施例の静圧気体軸受E2 は、工作機械の主軸等
と一体的に設けられる回転軸11と、これを回転自在に
支持する軸受ハウジング12からなり、軸受ハウジング
12は、回転軸11の円筒面に対向するラジアル軸受パ
ッド13aを保持し、軸受ハウジング12の外周面は冷
却ジャケット12dによって包囲されている。また、軸
受ハウジング12は、ラジアル軸受パッド13aに加圧
気体を供給する給気孔15aを有し、給気孔15aは、
給気ライン15bによって図示しない加圧気体供給源に
接続される。該加圧気体供給源から給気ライン15bを
経てラジアル軸受パッド13aに供給された加圧気体
は、回転軸11の円筒面に向って噴出され、これによっ
て回転軸11はラジアル軸受パッド13aに非接触で支
持され、図示しない駆動手段によって回転される。冷却
ジャケット12dの冷媒流路12fは、冷媒供給ライン
12gおよび冷媒排出ライン12hに接続され、冷媒供
給ライン12gは循環器20の吐出側、冷媒排出ライン
12hは吸入側に接続される。
【0025】また、軸受ハウジング12は、回転軸11
とラジアル軸受パッド13aの間の軸受間隙A1 の寸法
1 の変化を検出する検出手段である非接触静電容量型
の変位センサ18を有し、該変位センサ18は、増幅器
18aを介して循環器20を制御する制御手段であるコ
ントローラ19に接続される。
【0026】さらに、軸受ハウジング12は回転軸11
の材料より熱膨張係数の大きい材料で作られており、回
転軸11の高速回転時に軸受間隙A1 の気体の粘性摩擦
等によって回転軸11および軸受ハウジング12の温度
が上昇すると、回転軸11より軸受ハウジング12の熱
膨張量の方が大であるために軸受間隙A1 の寸法T1
増大する。
【0027】これと同時に、回転軸11に作用する遠心
力によって回転軸11が径方向に膨張するため、変位セ
ンサ18によって検出される軸受間隙A1 の寸法T1
変化量は、軸受ハウジング12と回転軸11の熱膨張の
差による軸受間隙A1 の寸法T1 の増大量から回転軸1
1の遠心力による径方向の膨張量を差引いたものであ
る。
【0028】前述のように回転軸11が回転され、変位
センサ18によって軸受間隙A1 の寸法T1 の変化が検
出されると、検出された変化に基づいてコントローラ1
9が制御され、循環器20から冷却ジャケット12dの
冷媒流路12fに供給される冷媒の温度および流量が調
節される。これによって、軸受ハウジング12が適正な
温度に冷却され、軸受間隙A1 の寸法T1 の変化を防
ぐ。
【0029】本実施例によれば、変位センサによって軸
受間隙の寸法の変化を検出し、これに基づいて冷却ジャ
ケットの冷媒の温度および流量を調節するものであるた
め、回転軸の回転数の変化によって焼き付きを起した
り、逆に軸受剛性が低下するおそれはない。また、始動
時から軸受ハウジングを適正な温度に維持することがで
きるため、ならし運転も不用である。なお、非接触静電
容量型の変位センサに替えて、光学式または渦電流式の
非接触型変位センサを用いることもできる。さらに、軸
受間隙の寸法の変化を直接測定する変位センサの替わり
に、予め軸受ハウジングの温度と軸受間隙の寸法の変化
の関係を測定しておき、軸受ハウジングの側面に取付け
られた温度センサによって測定された軸受ハウジングの
温度と比較することで軸受間隙の寸法の変化を推定して
もよい。
【0030】加えて、図3に示すように、ラジアル軸受
パッド13aと同様のラジアル軸受パッド23aの給気
孔25aに加圧気体を供給する給気ライン25bに流量
計28を設けて、その出力を増幅器28aを経てコント
ローラ29に送り、ラジアル軸受パッド23aに供給さ
れる加圧気体の流量変化から軸受間隙の寸法の変化を推
定し、循環器30を制御してもよい。なお、回転軸1
1,軸受ハウジング12,冷却ジャケット12dについ
ては図2の装置と同様であるので同一符号で表わし、説
明は省略する。
【0031】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。高速回転に適
した静圧気体軸受を実現できる。
【0032】請求項1に記載された発明は、高速回転時
に遠心力の増大によって破壊したり、振動を発生するお
それのない静圧気体軸受を実現する。
【0033】請求項3に記載された発明は、回転数等が
変化しても、軸受間隙の寸法の変化によって焼き付きを
起したり、軸受剛性が低下するおそれのない静圧気体軸
受を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示す模式断面図である。
【図2】第2実施例を説明する説明図である。
【図3】図2の装置の変形例を説明する説明図である。
【符号の説明】
1,11 回転軸 1b,1c 円筒部分 1d スラストプレート部分 1e タービン翼列 2,12 軸受ハウジング 2c,2d,12d 冷却ジャケット 3a,3b,13a,23a ラジアル軸受パッド 4a,4b スラスト軸受パッド 5a,5b,15a,25a 給気孔 15b,25b 給気ライン 18 変位センサ 19,29 コントローラ 20,30 循環器 28 流量計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−148102(JP,A) 実開 平2−91219(JP,U) 実開 昭63−171726(JP,U) 実開 平3−11126(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 32/00 - 32/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を非接触で回転自在に支持する軸
    受ハウジングと、該軸受ハウジングを冷却する冷却ジャ
    ケットを有し、前記軸受ハウジングが前記回転軸より熱
    膨張係数の大きい材料によって作られている静圧気体軸
    受であって、前記回転軸と前記軸受ハウジングの間の軸
    受間隙の寸法の変化を検出する検出手段と、該検出手段
    の出力に基づいて、前記冷却ジャケットに供給される冷
    媒の温度および流量を制御する制御手段が設けられてい
    ることを特徴とする静圧気体軸受。
  2. 【請求項2】 検出手段が、光学式、静電容量式または
    渦電流式の非接触変位センサであることを特徴とする請
    求項1記載の静圧気体軸受。
  3. 【請求項3】 検出手段が、軸受ハウジングの温度変化
    を検出し、該温度変化に基づいて軸受間隙の寸法の変化
    を推定するものであることを特徴とする請求項1記載の
    静圧気体軸受。
  4. 【請求項4】 検出手段が、軸受ハウジングに供給され
    る気体の流量変化を検出し、該流量変化に基づいて軸受
    間隙の寸法の変化を推定するものであることを特徴とす
    る請求項記載の静圧気体軸受。
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