JP3110135B2 - 消耗電極式交流アーク溶接機の制御方法 - Google Patents
消耗電極式交流アーク溶接機の制御方法Info
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Description
ワイヤと被溶接物である母材との間に交流電圧を印加
し、交流電圧の極性を任意に時分割して反転させアーク
溶接を行う消耗電極式交流アーク溶接機の制御方法に関
するものである。
接用ワイヤと被溶接物である母材との間に、アークを発
生させる消耗電極式アーク溶接法においては、通常、母
材側がマイナス、ワイヤ側がプラスになるEP(棒プラ
ス)極性のみで行われているが、最近では、このEP極
性と母材側がプラス、ワイヤ側がマイナスとなるEN
(棒マイナス)極性とを任意に時分割して出力し、母材
への入熱量やワイヤ溶融量を制御して溶接ビード形状を
制御する消耗電極式交流アーク溶接法が実用化されつつ
ある。
アークが極性反転する毎に消弧し、再アーク発生をする
形態をとるため、再アーク発生を安定に行わせる必要が
ある。特に、溶接開始のアークスタート時およびその直
後は溶融状態が安定化していないので再アークが失敗す
る確率が高い。
ないため定常溶接時のEP/ENの比率のままでアーク
スタートするとアークスタート部のビード幅や溶け込み
が定常溶接部と異なり溶接欠陥となる恐れがある。
にてアークスタート時は溶け込みが深いEP特性とし、
この後、定常時のEP/EN比率に移行するアーク溶接
機によりアークスタート時の溶け込み不足の問題とアー
クスタート時の再アーク失敗の問題の双方に対して解決
策が提示された。
て説明する。図4は従来の消耗電極式アーク溶接機にお
けるアークスタート時の制御タイミング図である。図4
において、時刻t0 で溶接開始の溶接起動信号TSが溶
接機に入力されたとする。溶接機は特公平3-49665 の制
御方法によりEN比率を0%近くにして無負荷電圧を出
力するとともに、ワイヤを母材に対してスローダウン速
度Fsにて送給を開始する。ワイヤ先端が母材に接触し
て溶接アークが発生した時刻がt1 である。溶接機は出
力電流が「有」となったことを検出して、この時刻t1
から時間経過とともに定常溶接時のEN比率であるEN
X に向かって順次EN比率を増加させ、時刻t2 にて定
常溶接時のEN比率であるENX に到達する。このと
き、ワイヤ送給速度は時刻t0 でスローダウン速度Fs
にて送給開始し、出力電流が「有」となったことを検出
した時刻t1 で定常のワイヤ送給速度Fxに切り換える
制御であった。
比率EPアークスタート方法では、上記2点の問題の解
決にはなったもののアークスタート時のアーク長が定常
時に比して短いため、アークスタート時の多大なスパッ
タ発生やアーク不安定、溶け込み不足などの問題があっ
た。すなわち、図5に示すようにEN比率に対する適正
なワイヤ送給速度はEN比率毎に異なり、これを、図4
に示すように時刻t1 から時刻t2 の間に刻々とEN比
率が変化しているのに、定常時のEN比率ENX のみに
対して適正なワイヤ送給速度FX に切り換えるだけで
は、適正なアーク長を維持できず、この結果、多大なス
パッタ発生やアーク不安定、溶け込み不足の原因となっ
ていた。この不具合を解決するためにコンデンサ、抵抗
などからなる遅延回路にてワイヤ送給速度を順次定常溶
接時の値に近づける方法も考えられるが、EN比率との
関連が無いため一般的ではなかった。
で、アークスタート時の多大なスパッタ発生やアーク不
安定、溶け込み不足などの溶接欠陥を解消することがで
きる消耗電極式交流アーク溶接機の制御方法を提供する
ことを目的とするものである。
に本発明の消耗電極式交流アーク溶接機の制御方法は、
消耗電極である溶接用ワイヤと被溶接物である母材との
間に交流電圧を印加し、前記交流電圧の極性を時分割し
て反転させアーク溶接を行う消耗電極式交流アーク溶接
機の制御方法であって、消耗電極側がプラスとなる逆極
性の状態で溶接開始のアークを発生させ、アーク発生
後、順次定常溶接時の極性比率となるように時間経過と
ともに消耗電極側がマイナスとなる正極性の比率を増加
させるとともに、変化させる極性比率に応じた前記消耗
電極の送給速度を記憶した記憶部から送給速度を求め、
この求めた送給速度に基づいて定常溶接時の送給速度を
最終の目標値として順次速度増加させるように制御する
ものである。
極性の状態で溶接開始のアークを発生させ、アーク発生
後、順次定常溶接時の極性比率となるように時間経過と
ともに消耗電極側がマイナスとなる正極性の比率を増加
させるとともに、変化させる極性比率に応じた前記消耗
電極の送給速度を記憶した記憶部から送給速度を求め、
この求めた送給速度に基づいて定常溶接時の送給速度を
最終の目標値として順次速度増加させるように制御する
ので、円滑なアークスタートと円滑な定常溶接への移行
が可能となり、アークスタート時の多大なスパッタ発生
や溶け込み不足などの溶接欠陥が防止されて安定な溶接
開始となる。
しながら説明する。図1は本発明の一実施例における消
耗電極式交流アーク溶接機の構成を示すブロック図であ
る。図1において、溶接電源入力端子1は1次インバー
タ部2に接続され、1次インバータ部2は溶接用トラン
ス3を介して、出力極性を制御する2次インバータ部4
に接続されている。この2次インバータ部4はリアクト
ル5を介して溶接用電源の一方の出力端子6aに接続さ
れ、他方の出力端子6bは溶接電流検出器7を介して溶
接用トランス3に接続されている。この溶接用電源の一
方の出力端子6aは通電用コンタクトチップ8、溶接用
ワイヤ9、溶接アーク10、さらに母材11を介して他方の
出力端子6bに接続され、消耗電極であるワイヤ9と被
溶接物である母材11との間に交流電圧を印加し、この交
流電圧の極性を時分割して反転させアーク溶接を行う。
このワイヤ9は母材11に対してワイヤ送給用モータ12に
より送給される構成である。
される演算制御部13はモータ駆動回路14を介してワイヤ
送給用モータ12に接続され、モータ駆動回路14を介して
ワイヤ送給用モータ12のワイヤ送給速度を制御する。ま
た、演算制御部13は2次インバータ制御部15を介して2
次インバータ部4に接続され、2次インバータ制御部15
を介して2次インバータ部4を制御する。さらに、演算
制御部13は1次インバータ制御部16を介して1次インバ
ータ部2に接続され、1次インバータ制御部16を介して
1次インバータ部2を制御する。さらに、溶接電流検出
器7は溶接電流検出部17を介して演算制御部13に接続さ
れ、溶接電流検出部17から演算制御部13に溶接電流検出
出力が出力される。さらには、演算制御部13は溶接電流
設定器18、溶接電圧設定器19およびEN比率設定器20に
それぞれ接続されている。
る。まず、溶接開始の溶接起動信号TSが演算制御部13
に入力されると、演算制御部13は溶接電流検出部17から
出力電流が無いことを確認して、2次インバータ制御部
15にEN比率設定器20の設定とは無関係にEN比率0%
であることを指令するとともに、1次インバータ制御部
16に無負荷電圧を出力するように指令する。これと同時
に、溶接電流設定器18の設定とは無関係に円滑なアーク
スタートのためのスローダウンワイヤ送給速度FSをモ
ータ駆動回路14に指令する。これにより、ワイヤ送給モ
ータ12がFSなるスローダウンワイヤ送給速度で回転す
る結果、ワイヤ9が母材11に向かって送給されてワイヤ
9が母材11に接触し、これにより溶接電流が流れて溶接
アーク10を発生させる。
電流検出器7を経由して溶接電流検出部17から溶接電流
「有」の情報が入力される。これにより、演算制御部13
は時計数を開始して順次EN比率をEN比率設定器20の
設定値となるように2次インバータ制御部15に指令を出
力する。これと同時に、演算制御部13は時々刻々のEN
比率を指示する情報により、図5に示すような、時々刻
々のEN比率に最適なワイヤ送給速度をモータ駆動回路
14に指令する。
ロック図である。図2において、演算制御部13には、演
算素子部13aと、予めデータを書き込んだ読み出し専用
の記憶部13bと、タイマ部13cとが設けられている。こ
の記憶部13bには、各EN比率の場合、溶接電流に対し
て適正なワイヤ送給速度がデータとして予め記憶格納さ
れている。また、タイマ部13cは溶接起動信号TSがオ
ンの時のみ計数可能状態となり、オフの時は計数値が0
にリセット溶接電流検出信号A0 が、溶接出力電流
「有」の時のみ時計数値を増加して行くもの(タイマ部
13cの時計数増加のためクロック回路部などは省略して
いる)である。
数値を増加させて演算素子部13aに時計数データTnを
供給する。演算素子部13aはTnデータとEN比率設定
器20からの入力EN%を次式のごとく計算してEN比率
信号Csを2次インバータ制御部15に出力する。
により、演算素子部13aは記憶部13cから適正なワイヤ
送給速度データを取り出し、信号Mとしてモータ駆動回
路部14に出力する。たとえば上式の結果、今、EN比率
が10%で溶接電流設定器18が100 Aを指示している場
合、演算素子部13aは記憶部13b内の4.2m/分のワ
イヤ送給速度データを取り出してM信号として出力す
る。
御方法を図3の制御タイミング図を用いて説明すると、
時刻t0 において溶接機に溶接開始の溶接起動信号が入
力されると、溶接機はEN比率0%にて無負荷電圧を出
力する。同時にFsなるワイヤ送給速度にてワイヤ9を
母材11に向けて送給を開始する。ワイヤ9が母材11に接
触して溶接出力電流が流れると、溶接機はこれを検出し
て図5のa点で示されるEN比率0%の時に適正なF0
なるワイヤ送給速度に切り換える。この後、溶接出力の
EN比率を増加させて時刻t2 にENxなるEN比率に
到達する訳であるが、この際、溶接出力のEN比率のみ
を変化させるのではなく、同時にワイヤ送給速度もその
時刻のEN比率に適正なワイヤ送給速度に制御しながら
時刻t2にFxに到達するように制御を行う。具体的に
は、図5において、アーク発生直後F0 なるワイヤ送給
速度のa点から時刻経過とともにb点→c点とワイヤ送
給速度を増加させて行き、時刻t2 でx点に到達するよ
うに制御を行う。
生時はEP極性のみとし、順次定常溶接時のEN比率に
移行して行くとともに、変化させる極性比率に応じた消
耗電極の送給速度を記憶した記憶部から送給速度を求め
ることにより、ワイヤ送給速度も時々刻々のEN比率に
適正な値となるため、円滑なアークスタートと円滑な定
常溶接への移行が可能となり、アークスタート時の多大
なスパッタ発生や溶け込み不足などの溶接欠陥を防止で
き、安定な溶接開始を実現することができるものであ
る。
ク溶接機の構成を示すブロック図である。
ある。
クスタート時の制御タイミング図である。
スタート時の制御タイミング図である。
速度と出力電流の関係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 消耗電極である溶接用ワイヤと被溶接物
である母材との間に交流電圧を印加し、前記交流電圧の
極性を時分割して反転させアーク溶接を行う消耗電極式
交流アーク溶接機の制御方法であって、消耗電極側がプ
ラスとなる逆極性の状態で溶接開始のアークを発生さ
せ、アーク発生後、順次定常溶接時の極性比率となるよ
うに時間経過とともに消耗電極側がマイナスとなる正極
性の比率を増加させるとともに、変化させる極性比率に
応じた前記消耗電極の送給速度を記憶した記憶部から送
給速度を求め、この求めた送給速度に基づいて定常溶接
時の送給速度を最終の目標値として順次速度増加させる
ように制御する消耗電極式交流アーク溶接機の制御方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04059858A JP3110135B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 消耗電極式交流アーク溶接機の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04059858A JP3110135B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 消耗電極式交流アーク溶接機の制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05261535A JPH05261535A (ja) | 1993-10-12 |
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Family
ID=13125304
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04059858A Expired - Fee Related JP3110135B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 消耗電極式交流アーク溶接機の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3110135B2 (ja) |
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JP4652825B2 (ja) * | 2005-01-13 | 2011-03-16 | 株式会社ダイヘン | 交流アーク溶接のアークスタート制御方法 |
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EP4094874A4 (en) * | 2020-01-23 | 2023-08-09 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | WELDING DEVICE |
-
1992
- 1992-03-17 JP JP04059858A patent/JP3110135B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH05261535A (ja) | 1993-10-12 |
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