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JP3180275B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

冷蔵庫

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JP3180275B2
JP3180275B2 JP20055392A JP20055392A JP3180275B2 JP 3180275 B2 JP3180275 B2 JP 3180275B2 JP 20055392 A JP20055392 A JP 20055392A JP 20055392 A JP20055392 A JP 20055392A JP 3180275 B2 JP3180275 B2 JP 3180275B2
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air
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refrigerator
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安夫 原
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Hoshizaki Electric Co Ltd
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Hoshizaki Electric Co Ltd
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  • Devices That Are Associated With Refrigeration Equipment (AREA)
  • Cold Air Circulating Systems And Constructional Details In Refrigerators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、貯蔵庫に関し、特に、
収納箱の外周に熱媒を循環せしめて間接的に同収納箱内
を一定温度に保持する貯蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の貯蔵庫には冷蔵庫と温蔵庫とが
あるが、従来、この種の冷蔵庫として、特開平第2−1
57576号公報に開示されたものが知られている。
【0003】同公報に開示されたものは、断熱箱内に収
納箱を配設するとともに、同断熱箱と収納箱との間に冷
却機構のエバポレータと同エバポレータにて冷却された
空気を送風する冷却ファンを配設し、かつ、収納箱内に
は下方の冷却空気を上方に向けて送風して対流せしめる
対流ファンとを備えて構成されている。かかる構成にお
いて、冷却ファンがエバポレータで冷却された空気を収
納箱の外周に送風すると、収納箱内の空気は当該収納箱
の壁材を介して冷却され、収納箱内に収容された生鮮物
などは間接的に冷却される。
【0004】そして、自然状態で収納箱内の下方に滞り
がちな冷風を対流ファンが上方に向けて送風し、収納箱
内の温度を均一化せしめる。また、特開平第2−263
084号公報には、このような断熱箱と収納箱からなる
二重構造として形成されるとともに、収納箱の天板と微
少距離を隔てて略平行に露受け板を配設し、かつ、この
天板と露受け板との間に温度センサを配設して本体の前
面には当該温度センサの検出結果を表示するデジタル表
示器を配設した冷蔵庫が開示されている。
【0005】かかる構成においても、収納箱の外周に送
風される冷却された空気により収納箱内は間接的に冷却
され、また、温度センサが検出した収納箱内における天
板と露受け板との間の温度に基き、デジタル表示器が収
納箱内の温度として本体の前面にて表示する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように収納箱内を
間接的に冷却する冷蔵庫においては、同収納箱内が高湿
度に保持されるという特徴を有し、特に、所定の風量で
庫内の空気を循環せしめると大型の冷凍物を解凍するの
に時間が短縮でき好適であることが分かった。
【0007】しかるに、従来の冷蔵庫においては、単に
庫内の空気を対流せしめる程度の風量しかなく、解凍に
適する所定の風量を送風することができない。また、単
に所定の風量のファンを備えたとしても、収納箱内に冷
凍物を収容すると、当該冷凍物の表面で冷却された空気
が庫内ファンによって当該収納箱中にて循環されるた
め、収納箱内の温度は均一化されるとともに急激に下が
って、他の収納物に冷凍障害を与えかねない。これに対
し、複数の収納室を形成したとすると各室の温度制御が
極めて複雑となり、容易に均等な温度に保持することが
できなくなる。
【0008】また、収納箱内の温度を表示するにあたっ
ても、各室の庫内温度に差があると、使用者は表示器の
信頼性に疑問を抱いたり、表示器が故障していると考え
てしまうことがある 発明は、上記課題にかんがみて
なされたもので、解凍を促進しつつ、温度制御を容易に
することが可能な冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明に係る冷蔵庫は、断熱箱内に所定間
隙の空気流循環通路を隔てて配置した収納箱と、この収
納箱内を熱良導部材の隔壁により区分することで互いに
熱干渉可能に形成した複数の収納室と、この複数の収納
室のいずれかに配設された温度検出手段と、前記温度検
出手段が配設された収納室以外の収納室内に配設されて
空気を循環させる庫内ファンと、前記温度検出手段にて
検出された温度に基づいて前記収納室の庫内温度を所定
温度に保持する冷却機構とを具備する構成としてある。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載のもの
において、前記温度検出手段が配設された収納室の庫内
温度を表示する温度表示手段を備える構成としてある。
【0011】
【作用】請求項1の発明では、互いに熱干渉する複数の
収納室を備えており、庫内ファンを備えた収納室内に
凍塊を収容すると、当該収納室内の温度だけが急激に変
化する。他の収納室においては、急激には温度変化せ
ず、熱干渉によって徐々に冷凍塊の冷熱が伝わる。所定
時間が経過すると同冷熱は他の収納室に伝えられて概ね
全室の温度が一定となる。このように収納室は基本的に
熱干渉する関係にあるので、全室が一定温度となるもの
と想定でき、庫内ファンを有しない収納室の庫内温度に
基づいて温度制御を行えば全体の温度制御を行うことが
できる。
【0012】また、上記のように構成した請求項2にか
かる発明においても、同様にして全室が一定温度となる
ものと想定し、庫内ファンを有しない収納室の庫内温度
を全体の温度として代表して表示する。
【0013】
【発明の効果】以上、説明したように本発明は、互いに
熱干渉する関係にある収納室に対して庫内ファンを備え
て積極的に熱交換を行うとともに他の収納室には庫内フ
ァンを備えないようにし、比較的温度変化の少ない収納
室の庫内温度に基づいて温度制御を行うようにしたた
め、解凍などの促進を行いつつ制御を容易にしたり、適
当な温度表示を行うことが可能な貯蔵庫を提供すること
ができる。
【0014】
【実施例】以下、図面にもとづいて本発明の実施例を説
明する。図1は本発明の一実施例にかかる冷蔵庫の正面
図、図2は一部破断正面図、図3は一部破断上面図であ
る。図において、冷蔵庫本体は断熱箱10と収納箱20
とを備えており、断熱箱10は外箱11の内壁と内箱1
2の外壁との間に発泡ウレタン等の断熱材料13を充填
して構成され、その前面には左右一対の開口14a,1
4bが形成されるとともに当該開口14a,14bを開
放及び閉塞せしめる断熱扉15a,15bがヒンジによ
り開閉可能に取り付けられている。また、断熱箱10の
左方には補助箱10aが形成され、その正面には庫内の
温度を表示するデジタル表示器16が配設されている。
このデジタル表示器16は図4に示すように温度表示回
路17に接続されているとともに、この温度表示回路1
7には収納箱20内に配設されて庫内温度に対応したア
ナログ量の検出信号を出力する温度センサTh3も接続
され、温度表示回路17は温度センサTh3の検出信号
に基づいてデジタル表示器16を制御し、温度センサT
h3の検出した庫内温度を表示せしめている。なお、こ
れらのデジタル表示器16と温度表示回路17と温度セ
ンサTh3とにより温度表示手段を構成している。
【0015】収納箱20は熱良導部材であるステンレス
などの金属板材により一面に開口部21を有する筺体状
に形成され、当該収納箱20は開口部21が断熱箱10
の開口14a,14bに共に望むように位置合わせして
断熱箱10の前壁内面外周縁部に固着して支持されてい
る。このとき、収納箱20の左右側壁22,23と上壁
24と底壁25と後壁26はそれぞれ断熱箱10におけ
る内箱12の内壁と所定の間隔を空けて保持され、当該
間隙は空気流循環通路Wを形成している。
【0016】収納箱20内では熱良導部材であるステン
レスの金属板材で製造された隔壁27が上辺と下辺にて
当該収納箱20の上壁24と底壁25とに固定され、収
納箱20内を図示右方の室(収納室)RM1と図示左方の
室(収納室)RM2に区分している。なお、同隔壁27と
収納箱20とは必ずしも密閉状態にする必要はない。ま
た、本実施例では隔壁27を平板で形成しているが、波
板などの表面積の大きな板材で形成し、熱交換効率を向
上せしめるようにしてもよい。このように形成した両室
RM1,RM2の間では壁材を介して積極的に熱交換が行わ
れ、互いに熱干渉している。
【0017】二つの庫内ファン30a,30bはそれぞ
れファンモータ31の回転軸心にファン32を固定して
構成され、上記隔壁27に対面するように支持部材を介
して左側壁22に対して取り付けられている。また、当
該庫内ファン30a,30bの前面には所定の空気流路
を形成するためのカバー40が取り付けられており、同
カバー40は上記ファン32に面する部分に排気口41
が形成されるとともに下部には吸入口42が形成されて
いる。すなわち、同カバー40の上辺の端部は上壁24
に接し、断面L字型として屈曲された左辺の端部は収納
箱の左側壁22に接し、右辺の端部は収納箱20の後壁
26に接し、下辺は上記左側壁22と所定の間隙を空け
て上記吸入口42を形成している。
【0018】断熱箱10における収納箱20の左側壁2
2と面する壁部には冷却機構50のエバポレータ51が
その空気流路を上下方向に向けて固定され、かつ、当該
エバポレータ51と収納箱20の左側壁22との間に
は、上部に空気流通孔61が形成されるとともに同空気
流通孔61に送風ファン62を配設した遮蔽板60がそ
の上片にて断熱箱10における内箱12の上壁より垂下
するように固定されている。同遮蔽板60の下辺と内箱
12における下壁との間には十分な間隙が形成され、当
該間隙からエバポレータ51の空気流路を介して上部の
空気流通孔61へ連通する空気冷却流路を形成してい
る。
【0019】冷却機構50は、図5に示すように、冷媒
を圧縮するコンプレッサ52と、同圧縮された圧縮冷媒
を空冷ファン53による空冷作用の下に凝縮するコンデ
ンサ54と、同凝縮された凝縮冷媒を除湿するドライヤ
55と、同除湿凝縮冷媒を低温低圧の冷媒に変換するキ
ャピラリチューブ56と、同低温低圧冷媒の気化熱によ
り冷却を行なうとともに同気化した冷媒を上記コンプレ
ッサ52に供給する上記エバポレータ51とにより構成
され、エバポレータ51以外は補助箱10aの内部に収
納されている。なお、図においては、除霜時にコンプレ
ッサ52にて圧縮された高温の圧縮冷媒をエバポレータ
51に供給するためのホットガス弁57がコンプレッサ
52の出力側とエバポレータ51の入力側とを連結する
管路に介在されている。
【0020】コンプレッサ52はコンプレッサモータ5
2aと同コンプレッサモータ52aの回転軸心に連結さ
れて駆動される圧縮機構52bとから構成されており、
同コンプレッサモータ52aは図6に示すように電気制
御回路70におけるシーケンス制御回路71によりその
駆動を制御されている。なお、これらの電機制御回路7
0と冷却機構50と送風ファン62などにより熱交換機
構を構成している。
【0021】電気制御回路70は商用交流電源に接続さ
れ、同商用交流電源と内部の電力供給路PW1,PW2 との開
閉を行なう主電源スイッチ72と、同電力供給路PW1,PW
2 にそれぞれ並列に接続された温度表示回路17と庫内
ファン30a,30bと送風ファン62と、同じく電力
供給路PW1,PW2 に接続されるとともに温度センサTh
1,Th2を備えて室RM1,RM2内の温度制御を行なう
上記シーケンス制御回路71とにより構成されている。
【0022】同シーケンス制御回路71は、室RM1内に
おける庫内温度T1が設定上限温度TH以上となったとき
に導通する温度センサTh1とリレーR1の励磁コイル
を直列に接続した直列回路S1と、庫内温度T1が設定
下限温度TL以下となったときに導通する温度センサTh
2とリレーR3の励磁コイルを直列に接続した直列回路
S2と、上記コンプレッサモータ52aと空冷ファン5
3とを並列に接続した並列回路にリレーR2のメーク接
点R2−2とリレーR3のブレーク接点R4−2とを直
列に接続した直列回路S3と、それぞれ強制解除回路R
4−3,R2−3を含むリレーR2とリレーR4におけ
る励磁コイルの自己保持回路S4,S5とを上記電力供
給路PW1,PW2 に接続して構成されている。
【0023】なお、温度センサTh1,Th2は、上述
したように設定上限温度THと設定下限温度TLとにおいて
二組の接点間の導通状態が変化するように構成された一
体的なセンサであり、これらの温度センサTh1,Th
2と上述した温度センサTh3は隔壁27にて形成され
た二室のうち、上記庫内ファン30a,30bを設置し
ない室RM1の上方に取り付けられている。
【0024】次に、上記構成からなる本実施例の動作を
説明する。冷蔵庫を据え付けた後、主電源スイッチ72
をオンにすると温度表示回路17に電力が供給され、同
温度表示回路17は温度センサTh3の検出信号を入力
して室RM1内の庫内温度T1をデジタル表示器16に表
示せしめる。室RM1と室RM2とは隔壁27によって区画
されているものの、この隔壁27は熱良導部材で形成さ
れているので両室RM1,RM2における庫内温度T1,T
2には差が生じていない。従って、補助箱10aの正面
にてデジタル表示器16が表示する室RM1の庫内温度T
1は収納箱20内の温度といっても差し支えない。
【0025】一方、室RM1,RM2における庫内温度T
1,T2はともに設定上限温度TH以上となっているの
で、温度センサTh1が導通してリレーR1の励磁コイ
ルに通電せしめる。すると、リレーR2の自己保持回路
S4におけるメーク接点R1−1,R1−2がオンとな
り、リレーR2の励磁コイルに通電するのでメーク接点
R2−1がオンとなって当該リレーR2をオン状態に保
持せしめる。
【0026】リレーR2がオンとなるとメーク接点R2
−2が導通し、リレーR4のブレーク接点R4−2を介
して上記コンプレッサモータ52aと空冷ファン53に
通電せしめ、冷却機構50が始動する。一方、これと同
時に送風ファン62も送風を開始し、遮蔽板60の下辺
と内箱12における下壁との間の間隙からエバポレータ
51の空気流路を介して空気を吸入し、同吸入した空気
を空気流通孔61から収納箱20の周囲に形成された空
気流循環通路Wに送風し始める。従って、冷却機構50
が始動すると送風ファン62によって吸入された空気は
エバポレータ51の空気流路を通過する際に熱交換さ
れ、冷却された空気が空気流通孔61から収納箱20の
周囲に形成された空気流循環通路Wに送風される。
【0027】収納箱20は熱良導部材にて形成されてい
るため、外周に冷却された空気が送風されると各壁22
〜26にて熱交換が行なわれ、室RM1,RM2における庫
内の温度が徐々に低下する。そして、庫内温度T1が設
定上限温度THを下回って温度センサTh1がオフとなっ
ても、リレーR2はオン状態で自己保持されているので
冷却機構50の運転を継続する。
【0028】しかし、庫内温度T1が設定下限温度TL以
下となると温度センサTh2がオンとなり、リレーR3
の励磁コイルに通電せしめる。すると、上述した直列回
路S4の場合と同様にしてリレーR4がオン状態とな
り、リレーR2の強制解除回路を構成するブレーク接点
R4−3がオフとなってリレーR2の自己保持状態が終
了する。また、リレーR2の場合と同様にリレーR4の
オン状態が自己保持されるので、ブレーク接点R4−2
がオフとなるとともにメーク接点R2−2もオフとな
る。従って、コンプレッサモータ52aと空冷ファン5
3と送風ファン62への通電が停止され、冷却機構50
も運転を解除される。
【0029】以後、上記シーケンス制御回路71は図7
に示すようにして庫内温度T1を設定上限温度THと設定
下限温度TLの範囲内に維持せしめるように制御する。こ
の間、温度センサTh3は室RM1内の庫内温度T1を検
出しており、デジタル表示器16には設定上限温度THと
設定下限温度TLとの間で変化する庫内温度T1が表示さ
れている。
【0030】ところで、冷蔵庫における上記設定上限温
度THと設定下限温度TLは摂氏0度ぐらいを基準として数
度の範囲内で調整されているが、室RM1を通常の冷蔵庫
として使用するとともに室RM2を解凍専用の解凍庫とし
て使用するものとする。室RM2内では、庫内ファン30
a,30bの働きにより空気が循環しており、庫内の全
域にわたって強風が送風されている。かかる室RM2内に
摂氏−20度以下で凍結されている冷凍塊を収容せしめ
ると、空気流は当該冷凍塊の表面に沿って流れるときに
冷却され、当該冷却された空気が室RM2内を循環するこ
とにより庫内温度T2は図8の一点鎖線に示すように急
激に低下する。
【0031】一方、室RM1における庫内温度T1も図に
示すように低下し、設定下限温度TLを下回った時点で上
述したようにコンプレッサモータ52aと空冷ファン5
3への通電が停止され、冷却機構50の冷却運転は解除
される。但し、冷却機構50の冷却運転が解除されても
送風ファン62は送風を続けている。ところで、庫内フ
ァン30a,30bは隔壁27に向けて庫内の空気を送
風しており、室RM2内で冷凍塊によって冷却された空気
が隔壁27の表面に沿って流れるときに当該隔壁27を
介して室RM1内へ冷熱を供給し、室RM1内の空気を冷却
する。また、上壁24や底壁25を介して室RM2内の冷
熱が空気流循環通路Wの空気に伝達され、さらにこの空
気流循環通路Wの空気の冷熱が上壁24や左側壁23や
底壁25を介して室RM1内の空気を冷却せしめる。
【0032】従って、庫内温度T1が設定下限温度TL以
下となって冷却機構50の冷却運転が解除されても、上
述したように冷凍塊によって室RM2内の庫内温度T2は
低くなり、この冷熱によって室RM1内も冷却される。す
なわち、冷凍塊を解凍するときには冷却機構50を冷却
運転させなくても、エバポレータ51の代わりに室RM2
内の冷熱が各壁24,25が空気流循環通路W中に放出
されるため、同冷却機構50の冷却運転にかかわらず送
風ファン62を作動させておくことにより同空気流循環
通路W中の空気は冷却され、室RM1内も冷却せしめるこ
とができる。
【0033】図8は、冷凍塊の温度(Tf)と室RM2内
の温度(T2)と室RM1内の温度(T1)の関係を示し
ている。図において、庫内温度T1が徐々に上昇し、同
庫内温度T1が設定上限温度THとなったときに冷却機構
50におけるコンプレッサモータ52aと空冷ファン5
3に通電され、庫内温度T1が徐々に低下してきたもの
とする。このときに、極めて温度の低い冷凍塊を室RM2
内に収容することにより庫内温度T2は急激に下がり、
また室RM1内においても庫内温度T2の下がった室RM2
による冷却と上記冷却機構50の作用による冷却とによ
って庫内温度T1は徐々に低下する。そして庫内温度T
1が設定下限温度TL以下となると冷却機構50の運転が
解除される。
【0034】冷却機構50の運転が解除されても室RM2
内の冷熱により室RM1内は冷却されるが、この室RM2内
においては、冷凍塊の表面の空気は同温度近くまで冷却
されるものの庫内ファン30a,30bの働きにより室
RM2内の空気は強制的に循環され、庫内温度T2は冷凍
塊の温度よりも十分に高く、かつ、設定下限温度TLより
低い温度となる。そして、室RM1内を冷却せしめるとき
には、冷凍塊の表面にて冷却された極めて低い温度の空
気で冷却するわけではなく、室RM2内で循環されてある
程度温度が上昇した空気で冷却することになり、室RM1
内の温度は室RM2内の温度のようには急激に下がらな
い。
【0035】従って、デジタル表示器16は急激に低下
する庫内温度T2ではなく、比較的緩やかに低下する庫
内温度T1を表示することになり、使用者がその温度表
示を見て不安な思いをすることはない。すなわち、温度
制御を解凍箱内の庫内温度に基づいて行ない、解凍時に
温度低下の著しい解凍箱の庫内温度を表示せしめると利
用者が装置の信頼性に不安を感じてしまうが、本発明の
ように高めの温度で余り変化のない側の温度を表示する
ようにすれば利用者が装置の信頼性に不安を感じること
もない。
【0036】室RM2が空気流循環通路W中の空気を冷却
している間、冷凍塊の冷熱は徐々に同空気流循環通路W
中の空気に奪われるため、冷凍塊の温度Tfは上昇す
る。従って、冷凍塊の解凍が進んで行くと室RM2内の庫
内温度T2も上昇し、当該室RM2の冷熱によって冷却さ
れる室RM1の庫内温度T1も徐々に上昇していく。この
際、室RM1の庫内温度T1の方が室RM2の庫内温度より
も高めとなるのは明らかであり、室RM1内の庫内温度T
1の方が先に設定上限温度THまで上昇し、同設定上限温
度THを越えたときに冷却機構50が始動される。
【0037】この後、両室RM1,RM2は冷凍塊によって
冷却されるのではなく、冷却機構50により冷却され
る。そして、室RM1の庫内温度T1が設定上限温度THと
設定下限温度TLとの間の範囲内を維持するように制御さ
れ、デジタル表示器16にはこの庫内温度T1が表示さ
れる。また、室RM2も通常の冷蔵庫となり、解凍が終了
した冷凍塊を保存する。
【0038】本発明においては、庫内ファン30a,3
0bを配設しない室RM1の庫内温度T1に基づいて温度
制御を行なったが、もし、解凍箱となる室RM2の庫内温
度T2に基づいて温度制御を行なうと、解凍終了時の温
度変化は図8のT1−1,T2−1のようになる。すな
わち、冷凍塊が収容された室RM2の庫内温度T2は冷凍
塊を収容していない室RM1の庫内温度T1よりも低いは
ずであるから、庫内温度T2が設定上限温度THとなって
冷却機構50が始動されるときには、庫内温度T1は食
品の保存に適した範囲を越えてしまい、食品の変色や変
質などの原因となってしまう。
【0039】なお、通常の冷蔵時においては、室RM1の
庫内温度T1と室RM2の庫内温度T2とは概ね同一とな
るが、送風ファン62が冷気を送風する空気流通孔61
に近い室RM2の方が先に冷気が接するため、熱交換が行
なわれ易い。このため、通常時においても室RM2の庫内
温度T2の方が低めとなり、室RM1の庫内温度T1に基
づいて温度制御を行なっても室RM2の庫内温度T2が食
品の保存に不適切な温度となってしまうことはない。
【0040】なお、上述した実施例においては、冷蔵庫
で解凍を行なう場合について説明しているが、本発明の
貯蔵庫はこれ以外にも次のように利用できる。室RM2を
解凍に使用するのではなく、急速冷凍に使用することも
できる。庫内温度よりも高い温度の食品を室RM2内に収
容した場合、庫内ファン30a,30bが当該食品の周
囲に冷却された空気の強風を送風するので、急速に冷却
を行なうことができる。この場合、当該食品の潜熱によ
って室RM2内の庫内温度T2が上昇し、当該温度変化は
隔壁27を介して室RM1内へと伝達されるので当該室RM
1内の庫内温度T1を基準として温度制御を行なうこと
になる。
【0041】かかる場合に、室RM2内の庫内温度T2に
基づいて温度制御をしたとすると、食品の収納後すぐに
庫内温度T2が上昇して冷却機構50を作動せしめるた
め、さほど庫内温度T1の変化していなかった室RM1は
冷却されすぎてしまうことになる。しかるに、本発明の
ように庫内ファン30a,30bを設置しない室RM1の
庫内温度T1に基づいて温度制御を行なうことにより、
急速冷却で室RM2内の庫内温度T2が一時的に上昇した
としてもすぐには冷却機構50を作動させず、室RM1内
が冷えすぎてしまう事態を防いでいる。
【0042】また、貯蔵庫を冷蔵庫に適用するのではな
く、温蔵庫として使用することもできる。この場合は、
冷却機構50におけるエバポレータ51の代わりにヒー
タを配設し、送風ファン62により温風を空気流循環通
路W内に送風せしめれば良い。かかる構成とした場合に
は、庫内ファン30a,30bが熱すぎる料理の周囲に
送風して温熱を奪い、隔壁27を介して室RM2内を温め
る。
【0043】一方、上述した実施例においては、シーケ
ンス制御回路71により温度センサTh1,Th2の検
出結果に基づいて冷却機構50の冷却運転を制御してい
るが、庫内温度T1を計測する温度センサを使用すると
ともに、マイクロコンピュータでソフトウェア制御を行
ない、同温度センサの検出結果に基づいて温度制御をす
るようにしてもよく、除霜制御などの他の付随制御を行
なうこともできる。温度センサTh1,Th2について
もオン・オフ式のものではなく温度変化に対応して抵抗
値が変化するサーミスタのようなものを使用してもよ
い。
【0044】また、上記実施例においては、収納箱内を
二つに区分けしているが、中央に解凍箱を配置して三つ
に区分けするなど、その区分け数については任意であ
る。このとき、相並列する小室ごとに冷風が先に接する
側の小室内に庫内ファンを設置する。また、左右に区分
けするのではなく、上下方向に区分けするなど、区分け
方向についても任意である。
【0045】庫内ファン30a,30bについては、上
記実施例では上下に二個を配置してあるが、下方に一個
のみ配置して空気を上方に向けて吹き出すようにして配
置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる冷蔵庫の正面図であ
る。
【図2】同冷蔵庫の一部破断正面図である。
【図3】同冷蔵庫の一部破断上面図である。
【図4】温度表示回路部分のブロック図である。
【図5】冷却機構の構成を示す図である。
【図6】電気制御回路の回路図である。
【図7】温度制御の状態を示す図である。
【図8】解凍時における温度変化を示す図である。
【符号の説明】
16…デジタル表示器 17…温度表示回路 20…収納箱 30a,30b…庫内ファン 50…冷却機構 62…送風ファン 70…電気制御回路 RM1,RM2…室 Th1〜Th3…温度センサ W…空気流循環通路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱箱内に所定間隙の空気流循環通路を
    隔てて配置した収納箱と、 この収納箱内を熱良導部材の隔壁により区分することで
    互いに熱干渉可能に形成した複数の収納室と 、 この複数の収納室のいずれかに配設された温度検出手段
    と、 前記温度検出手段が配設された収納室以外の収納室内に
    配設されて空気を循環させる庫内ファンと、 前記温度検出手段にて検出された温度に基づいて前記収
    納室の庫内温度を所定温度に保持する冷却機構とを具備
    することを特徴とする冷蔵庫
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の冷蔵庫において、前
    記温度検出手段が配設された収納室の庫内温度を表示す
    る温度表示手段を備えることを特徴とする冷蔵庫。
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