JP3006266B2 - 太陽電池素子 - Google Patents
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-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L31/00—Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
- H01L31/04—Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof adapted as photovoltaic [PV] conversion devices
- H01L31/054—Optical elements directly associated or integrated with the PV cell, e.g. light-reflecting means or light-concentrating means
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽光の入射により所
定の電圧を発生するシリコン系の太陽電池素子に関す
る。
定の電圧を発生するシリコン系の太陽電池素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の太陽電池素子が知られ
ており、一般にはp領域とn領域からなる結晶シリコン
基板を用い、入射する光によって生成された正キャリア
(正孔)および負キャリア(電子)がp領域およびn領
域に分離して集まることを利用している。
ており、一般にはp領域とn領域からなる結晶シリコン
基板を用い、入射する光によって生成された正キャリア
(正孔)および負キャリア(電子)がp領域およびn領
域に分離して集まることを利用している。
【0003】このような、シリコン太陽電池素子におい
て、入射光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する
変換効率を上昇するためには、p領域、n領域に分離生
成されたキャリアを効率よく取り出すことが必要であ
り、このためには電池を薄型化することが好適である。
また、薄型化することによって、太陽電池素子を低コス
ト化することもできる。
て、入射光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する
変換効率を上昇するためには、p領域、n領域に分離生
成されたキャリアを効率よく取り出すことが必要であ
り、このためには電池を薄型化することが好適である。
また、薄型化することによって、太陽電池素子を低コス
ト化することもできる。
【0004】ところが、素子を薄型化すると、シリコン
基板における吸収係数の小さな長波長側可視光線〜赤外
線の光吸収量が減少し、十分な出力を得られないという
問題点があった。
基板における吸収係数の小さな長波長側可視光線〜赤外
線の光吸収量が減少し、十分な出力を得られないという
問題点があった。
【0005】そこで、この対策法の1つとして、太陽電
池素子の裏面に金属反射膜を設けることが提案されてい
る。すなわち、雑誌「日経マイクロデバイス 1990
年4月発行」、「日経ニューマテリアル 1990年1
0月発行」には、素子の裏面電極を金属反射膜として利
用し、入射光が裏面から透過するのを抑制して、入射光
を素子中に閉じ込め、薄型にもかかわらず入射光の吸収
効率を上昇することが示されている。このように、従来
の太陽電池素子においても、各種の改良がなされ、変換
効率の上昇が図られている。
池素子の裏面に金属反射膜を設けることが提案されてい
る。すなわち、雑誌「日経マイクロデバイス 1990
年4月発行」、「日経ニューマテリアル 1990年1
0月発行」には、素子の裏面電極を金属反射膜として利
用し、入射光が裏面から透過するのを抑制して、入射光
を素子中に閉じ込め、薄型にもかかわらず入射光の吸収
効率を上昇することが示されている。このように、従来
の太陽電池素子においても、各種の改良がなされ、変換
効率の上昇が図られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例の
太陽電池素子においては、入射光を素子内に閉じ込める
ため、素子内において電気エネルギーに変換されない入
射光も増加する。そして、電気エネルギーに変換されな
い入射光は熱エネルギーに変換されるため、これによっ
て素子の温度が上昇してしまう。シリコン系の太陽電池
素子におけるエネルギー変換効率と温度には、図4に示
すような関係があり、エネルギー変換効率は、温度の上
昇に伴い悪化する。すなわち、温度上昇に伴い、開放電
圧(V)、最大出力(W)とも直線的に悪化する。そし
て、電気エネルギーに変換されない部分は熱エネルギー
になるため、基板の温度はさらに上昇することになる。
太陽電池素子においては、入射光を素子内に閉じ込める
ため、素子内において電気エネルギーに変換されない入
射光も増加する。そして、電気エネルギーに変換されな
い入射光は熱エネルギーに変換されるため、これによっ
て素子の温度が上昇してしまう。シリコン系の太陽電池
素子におけるエネルギー変換効率と温度には、図4に示
すような関係があり、エネルギー変換効率は、温度の上
昇に伴い悪化する。すなわち、温度上昇に伴い、開放電
圧(V)、最大出力(W)とも直線的に悪化する。そし
て、電気エネルギーに変換されない部分は熱エネルギー
になるため、基板の温度はさらに上昇することになる。
【0007】このように、従来の素子においては、使用
時に素子温度が上昇してしまうために、入射光から電気
エネルギーへの変換効率が悪化するという問題点があっ
た。本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、素
子温度の上昇を抑制して、エネルギー変換効率の改善さ
れた太陽電池素子を提供することを目的とする。
時に素子温度が上昇してしまうために、入射光から電気
エネルギーへの変換効率が悪化するという問題点があっ
た。本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、素
子温度の上昇を抑制して、エネルギー変換効率の改善さ
れた太陽電池素子を提供することを目的とする。
【0008】ここで、本発明は、次のような知見よりな
されたものである。すなわち、太陽電池素子において、
遠赤外光はそのエネルギーレベル(hν:hはプランク
定数、νは光の振動数)が小さいため、キャリアの生成
に寄与できない(太陽電池素子は、通常の場合、波長が
400〜1000nmの光を効率よく電気エネルギーに
変換する)。そこで、遠赤外光を裏面より透過させ、こ
の遠赤外光に起因する温度上昇を抑制することを考え、
本発明を完成するに至った。
されたものである。すなわち、太陽電池素子において、
遠赤外光はそのエネルギーレベル(hν:hはプランク
定数、νは光の振動数)が小さいため、キャリアの生成
に寄与できない(太陽電池素子は、通常の場合、波長が
400〜1000nmの光を効率よく電気エネルギーに
変換する)。そこで、遠赤外光を裏面より透過させ、こ
の遠赤外光に起因する温度上昇を抑制することを考え、
本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、p領域および
n領域を有する結晶シリコン基板への光入射による正負
キャリアの生成を利用した太陽電池素子であって、前記
シリコン基板のp領域側の表面に接続された第1の電極
と、前記シリコン基板のn領域側の表面に設けられた第
2の電極と、前記シリコン基板の裏面側を覆うように形
成され、表面側から入射しシリコン基板を透過してきた
光の中の近赤外線を選択的に反射し、遠赤外線を透過さ
せる多層反射膜と、を有することを特徴とする。
n領域を有する結晶シリコン基板への光入射による正負
キャリアの生成を利用した太陽電池素子であって、前記
シリコン基板のp領域側の表面に接続された第1の電極
と、前記シリコン基板のn領域側の表面に設けられた第
2の電極と、前記シリコン基板の裏面側を覆うように形
成され、表面側から入射しシリコン基板を透過してきた
光の中の近赤外線を選択的に反射し、遠赤外線を透過さ
せる多層反射膜と、を有することを特徴とする。
【0010】
【作用】このように、本発明においては、近赤外光を選
択的に反射する多層膜を裏面に有している。このため、
遠赤外光は裏面から透過し、電気エネルギーに変換しや
すい近赤外以下の波長の入射光は素子内に閉じ込められ
る。従って、太陽電池素子を薄型としながら、所望の波
長範囲の入射光のみの吸収効率を上昇できる。そこで、
使用時における温度上昇を防止しながら入射する光エネ
ルギーの電気エネルギーへの変換効率を上昇できる。
択的に反射する多層膜を裏面に有している。このため、
遠赤外光は裏面から透過し、電気エネルギーに変換しや
すい近赤外以下の波長の入射光は素子内に閉じ込められ
る。従って、太陽電池素子を薄型としながら、所望の波
長範囲の入射光のみの吸収効率を上昇できる。そこで、
使用時における温度上昇を防止しながら入射する光エネ
ルギーの電気エネルギーへの変換効率を上昇できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
いて説明する。
いて説明する。
【0012】基本構成 図1は、本発明に係る太陽電池素子の基本的な構成を示
す図である。B(硼素)が低濃度で拡散されたp型のシ
リコン基板10の上部には、P(燐)が拡散されたn+
型層10aが形成され、下部には不純物の拡散によりキ
ャリア濃度の上昇されたp+ 型層10bが形成され、中
間部のp型の本体10cが形成されている。そして、n
+ 型層10aの上側には、例えばAl(アルミ)により
形成されたくし型の受光面電極12及び反射防止膜14
が形成されている。一方、シリコン基板10の裏面側に
は、p+ 型層10bに接触して、同じくくし型の裏面電
極16が形成されている。
す図である。B(硼素)が低濃度で拡散されたp型のシ
リコン基板10の上部には、P(燐)が拡散されたn+
型層10aが形成され、下部には不純物の拡散によりキ
ャリア濃度の上昇されたp+ 型層10bが形成され、中
間部のp型の本体10cが形成されている。そして、n
+ 型層10aの上側には、例えばAl(アルミ)により
形成されたくし型の受光面電極12及び反射防止膜14
が形成されている。一方、シリコン基板10の裏面側に
は、p+ 型層10bに接触して、同じくくし型の裏面電
極16が形成されている。
【0013】そして、このシリコン基板10の裏面側に
は、多層選択反射膜20が積層形成されている。この多
層選択反射膜20は、4層の高屈折率層20aと3層の
低屈折率層20bを交互に積層したものである。
は、多層選択反射膜20が積層形成されている。この多
層選択反射膜20は、4層の高屈折率層20aと3層の
低屈折率層20bを交互に積層したものである。
【0014】また、本実施例では、シリコン基板10は
厚さ300〜400μmである。そして、多層選択反射
膜20は、高屈折率層20aが最もシリコン基板10に
近い場所に形成され、その後低屈折率層20b高屈折率
層20aが繰り返されるように形成されている。ここ
で、各高屈折率層20a、低屈折率層20bは、その厚
さが反射すべき光の中心波長λに対し、ほぼλ/4とな
るように形成されている。
厚さ300〜400μmである。そして、多層選択反射
膜20は、高屈折率層20aが最もシリコン基板10に
近い場所に形成され、その後低屈折率層20b高屈折率
層20aが繰り返されるように形成されている。ここ
で、各高屈折率層20a、低屈折率層20bは、その厚
さが反射すべき光の中心波長λに対し、ほぼλ/4とな
るように形成されている。
【0015】このような太陽電池素子において、表面側
から入射した光は、反射防止膜14、n+ 型10aを透
過しシリコン基板の本体10cに至る。ここで、シリコ
ン基板10の厚さが100μm程度と通常使用される3
00〜400μmに比べて薄い場合には、シリコン基板
10における吸収係数の波長依存性に起因して、波長9
00nm以下の光はシリコン基板10内で吸収される
が、波長900nm以上の光はシリコン基板10から透
過し易くなる。
から入射した光は、反射防止膜14、n+ 型10aを透
過しシリコン基板の本体10cに至る。ここで、シリコ
ン基板10の厚さが100μm程度と通常使用される3
00〜400μmに比べて薄い場合には、シリコン基板
10における吸収係数の波長依存性に起因して、波長9
00nm以下の光はシリコン基板10内で吸収される
が、波長900nm以上の光はシリコン基板10から透
過し易くなる。
【0016】ところが、本実施例においては、裏面側
に、多層選択反射膜20が形成されている。そして、こ
の多層選択反射膜20は、中心波長900nm程度の光
を選択的に反射するため、そのままでは透過してしまう
波長900nm以上の光をシリコン基板10内に反射さ
せることが可能となる。このため、シリコン基板10内
における入射光の吸収が改善され、これによって太陽電
池素子における発電量の増加、すなわち光電変換効率が
向上する。
に、多層選択反射膜20が形成されている。そして、こ
の多層選択反射膜20は、中心波長900nm程度の光
を選択的に反射するため、そのままでは透過してしまう
波長900nm以上の光をシリコン基板10内に反射さ
せることが可能となる。このため、シリコン基板10内
における入射光の吸収が改善され、これによって太陽電
池素子における発電量の増加、すなわち光電変換効率が
向上する。
【0017】ここで、図2に本実施例における多層選択
反射膜20の反射特性を示す。この多層選択反射膜20
は、1000nm±200nmの範囲で反射率が増加す
るように形成されており、図に示すように波長が120
0nmを超えた領域において反射率が非常に小さくなっ
ている。
反射膜20の反射特性を示す。この多層選択反射膜20
は、1000nm±200nmの範囲で反射率が増加す
るように形成されており、図に示すように波長が120
0nmを超えた領域において反射率が非常に小さくなっ
ている。
【0018】一方、結晶系シリコン太陽電池素子の光電
変換の効率は、入射光の波長が900nmを超えたあた
りから減少し、1200nm以上では非常に小さくな
る。従って、1200nm以上の光は、シリコン基板1
0の内部に吸収されても、発電に寄与する割合は小さ
く、ほとんどは熱エネルギーに変換され、太陽電池素子
の温度上昇を招く。しかしながら、本実施例によれば、
1200nm以上の光は、多層選択反射膜20を透過す
る割合が大きいため、このような遠赤外の光により、太
陽電池素子の温度上昇を招くことを防止することができ
る。
変換の効率は、入射光の波長が900nmを超えたあた
りから減少し、1200nm以上では非常に小さくな
る。従って、1200nm以上の光は、シリコン基板1
0の内部に吸収されても、発電に寄与する割合は小さ
く、ほとんどは熱エネルギーに変換され、太陽電池素子
の温度上昇を招く。しかしながら、本実施例によれば、
1200nm以上の光は、多層選択反射膜20を透過す
る割合が大きいため、このような遠赤外の光により、太
陽電池素子の温度上昇を招くことを防止することができ
る。
【0019】このように、本実施例によれば、光電変換
に有効な波長領域の光を選択的に素子内部に閉じ込め、
温度上昇を招く波長領域の光を透過させることができ
る。そこで、長時間使用(特に気温の高い夏期)におい
て、安定して高い光電変換効率を有する太陽電池素子が
得られる。
に有効な波長領域の光を選択的に素子内部に閉じ込め、
温度上昇を招く波長領域の光を透過させることができ
る。そこで、長時間使用(特に気温の高い夏期)におい
て、安定して高い光電変換効率を有する太陽電池素子が
得られる。
【0020】実施例1 まず、Bがドーピングされた厚さ約100μmのp型の
Si単結晶からなるシリコン基板10を用意し、拡散法
によりP(燐)を拡散し、受光面側に接合深さ約0.5
μのn+ 層を形成する。次に、イオン注入法によりシリ
コン基板10の裏面側にBを注入し、接合深さ約1.0
μmのp+ 層10bを形成する。
Si単結晶からなるシリコン基板10を用意し、拡散法
によりP(燐)を拡散し、受光面側に接合深さ約0.5
μのn+ 層を形成する。次に、イオン注入法によりシリ
コン基板10の裏面側にBを注入し、接合深さ約1.0
μmのp+ 層10bを形成する。
【0021】次に、多層選択反射膜20を次の手順で形
成する。ここで、この多層選択反射膜20の形成には、
スパッタ装置を用いる。また、このスパッタ装置は、本
実施例における反射防止膜14の形成にも使用される。
成する。ここで、この多層選択反射膜20の形成には、
スパッタ装置を用いる。また、このスパッタ装置は、本
実施例における反射防止膜14の形成にも使用される。
【0022】まず、第1層として、高屈折率層20aを
形成する。この高屈折率層20aは、屈折率2.49程
度のTiO2 によって形成し、その膜厚は、約95nm
程度とする。次に、第2層として低屈折率層20bを形
成する。この低屈折率層20bには、屈折率1.45程
度のSiO2 を用い、その膜厚は約164μmとする。
そして、この高屈折率層20a、低屈折率層20bを交
互に順次積層形成し、TiO2 /SiO2 /TiO2 /
SiO2 /TiO2 /SiO2 /TiO2 と、高屈折率
層4層、低屈折率層3層からなる多層選択反射膜20を
形成した。次に、受光面の反射防止膜14及び裏面の多
層選択反射膜20における受光面電極12及び裏面電極
16を形成する部分をエッチングにより除去し、スクリ
ーン印刷法によりAlペーストを印刷後焼成し、受光面
電極12及び裏面電極16を形成した。なお、受光面電
極12及び裏面電極16共くし形のものとした。このよ
うにして、実施例1の太陽電池素子が形成された。
形成する。この高屈折率層20aは、屈折率2.49程
度のTiO2 によって形成し、その膜厚は、約95nm
程度とする。次に、第2層として低屈折率層20bを形
成する。この低屈折率層20bには、屈折率1.45程
度のSiO2 を用い、その膜厚は約164μmとする。
そして、この高屈折率層20a、低屈折率層20bを交
互に順次積層形成し、TiO2 /SiO2 /TiO2 /
SiO2 /TiO2 /SiO2 /TiO2 と、高屈折率
層4層、低屈折率層3層からなる多層選択反射膜20を
形成した。次に、受光面の反射防止膜14及び裏面の多
層選択反射膜20における受光面電極12及び裏面電極
16を形成する部分をエッチングにより除去し、スクリ
ーン印刷法によりAlペーストを印刷後焼成し、受光面
電極12及び裏面電極16を形成した。なお、受光面電
極12及び裏面電極16共くし形のものとした。このよ
うにして、実施例1の太陽電池素子が形成された。
【0023】実施例2 実施例1と同様の方法により、厚さ約100μmのp型
のSi単結晶からなるシリコン基板10にn+ 型層10
a及びp+ 型層10bを形成した。続いて、多層選択反
射膜20を実施例1と同様の方法で、高屈折率層20a
および低屈折率層20bを形成した。ここで、実施例2
においては、高屈折率層20aとして、実施例1と同様
に屈折率2.49程度のTiO2 を用い、約95nmの
膜を形成したが、低屈折率層20bとして、屈折率1.
8程度のMgF2 を用い、この膜厚を約172nmとし
た。そして、これら高屈折率層20aと低屈折率層20
bを、TiO2 /MgF2 /TiO2 … MgF2 /
TiO2 のように、高屈折率層5層、低屈折率層4層か
らなる計9層の多層選択反射膜20を形成した。そし
て、第1実施例と同様の方法で、受光面電極12及び裏
面電極16を形成し、実施例2の太陽電池素子を形成し
た。
のSi単結晶からなるシリコン基板10にn+ 型層10
a及びp+ 型層10bを形成した。続いて、多層選択反
射膜20を実施例1と同様の方法で、高屈折率層20a
および低屈折率層20bを形成した。ここで、実施例2
においては、高屈折率層20aとして、実施例1と同様
に屈折率2.49程度のTiO2 を用い、約95nmの
膜を形成したが、低屈折率層20bとして、屈折率1.
8程度のMgF2 を用い、この膜厚を約172nmとし
た。そして、これら高屈折率層20aと低屈折率層20
bを、TiO2 /MgF2 /TiO2 … MgF2 /
TiO2 のように、高屈折率層5層、低屈折率層4層か
らなる計9層の多層選択反射膜20を形成した。そし
て、第1実施例と同様の方法で、受光面電極12及び裏
面電極16を形成し、実施例2の太陽電池素子を形成し
た。
【0024】実施例3 実施例1と同様の方法で、厚さ約150μmのp型の多
結晶Siからなるシリコン基板10に、n+ 型層10a
及びp+ 型層10bを形成した。続いて、実施例1と同
様のTiO2 からなる高屈折率層20aと、SiO2 か
らなる低屈折率層20bからなる7層の多層選択反射膜
20を形成し、その後受光面電極12及び裏面電極16
を形成し、第3実施例の太陽電池素子を形成した。
結晶Siからなるシリコン基板10に、n+ 型層10a
及びp+ 型層10bを形成した。続いて、実施例1と同
様のTiO2 からなる高屈折率層20aと、SiO2 か
らなる低屈折率層20bからなる7層の多層選択反射膜
20を形成し、その後受光面電極12及び裏面電極16
を形成し、第3実施例の太陽電池素子を形成した。
【0025】各実施例における素子構成 ここで、表1に、上述した実施例1〜3における素子構
成をまとめて示す。
成をまとめて示す。
【0026】
【表1】 各実施例における裏面の反射特性 次に、表2に、各実施例の裏面の反射率をまとめて示
す。
す。
【0027】
【表2】 このように、今回の実施例1〜3においては、特に実施
例2の多層選択反射膜20の構成の裏面反射率が波長8
00〜1200nmの光に対して96%、1200〜2
000nmの光に対して19%と、非常に良い選択反射
特性を有することがわかった。
例2の多層選択反射膜20の構成の裏面反射率が波長8
00〜1200nmの光に対して96%、1200〜2
000nmの光に対して19%と、非常に良い選択反射
特性を有することがわかった。
【0028】次に、図3に、本実施例2における素子構
造を有する太陽電池素子の長時間光照射時における素子
温度と変換効率変化状態を示す。ここで、比較例とし
て、従来より用いられていた金属反射防止膜(Al、A
gなどを用いた膜)を多層選択反射膜20の代りに用い
た素子構造を有する太陽電池素子の特性を示す。
造を有する太陽電池素子の長時間光照射時における素子
温度と変換効率変化状態を示す。ここで、比較例とし
て、従来より用いられていた金属反射防止膜(Al、A
gなどを用いた膜)を多層選択反射膜20の代りに用い
た素子構造を有する太陽電池素子の特性を示す。
【0029】図から明らかなように、本実施例における
太陽電池素子は、従来のものに比べ長時間の光照射にお
いても素子温度上昇が小さく、良好な光電変換特性を維
持できることが理解される。
太陽電池素子は、従来のものに比べ長時間の光照射にお
いても素子温度上昇が小さく、良好な光電変換特性を維
持できることが理解される。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る太陽
電池素子によれば、遠赤外光、近赤外光を選択的に反射
させる多層反射膜を設けたため、薄いシリコン基板を用
いた太陽電池素子においても、近赤外光を素子内部に閉
じ込めることができ、変換効率を向上させることができ
ると共に、遠赤外光を透過させることができるため、長
時間の光照射においても温度上昇が小さく、変換効率の
低下を抑制することができる。
電池素子によれば、遠赤外光、近赤外光を選択的に反射
させる多層反射膜を設けたため、薄いシリコン基板を用
いた太陽電池素子においても、近赤外光を素子内部に閉
じ込めることができ、変換効率を向上させることができ
ると共に、遠赤外光を透過させることができるため、長
時間の光照射においても温度上昇が小さく、変換効率の
低下を抑制することができる。
【図1】実施例の基本構成を示す図である。
【図2】多層選択反射膜20の反射特性の波長依存性を
示す特性図である。
示す特性図である。
【図3】実施例の温度及び出力電力の経時変化を示す特
性図である。
性図である。
【図4】太陽電池素子の温度特性を示す図である。
10 シリコン基板 12 受光面電極 14 反射防止膜 16 裏面電極 20 多層選択反射膜 20a 高屈折率層 20b 低屈折率層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 - 31/078
Claims (1)
- 【請求項1】 p領域およびn領域を有する結晶シリコ
ン基板への光入射による正負キャリアの生成を利用した
太陽電池素子であって、 前記シリコン基板のp領域側の表面に接続された第1の
電極と、 前記シリコン基板のn領域側の表面に設けられた第2の
電極と、 前記シリコン基板の裏面側を覆うように形成され、表面
側から入射しシリコン基板を透過してきた光の中の近赤
外線を選択的に反射し、遠赤外線を透過させる多層反射
膜と、 を有することを特徴とする結晶シリコン太陽電池素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4051884A JP3006266B2 (ja) | 1992-03-10 | 1992-03-10 | 太陽電池素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4051884A JP3006266B2 (ja) | 1992-03-10 | 1992-03-10 | 太陽電池素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05259495A JPH05259495A (ja) | 1993-10-08 |
JP3006266B2 true JP3006266B2 (ja) | 2000-02-07 |
Family
ID=12899313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4051884A Expired - Fee Related JP3006266B2 (ja) | 1992-03-10 | 1992-03-10 | 太陽電池素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3006266B2 (ja) |
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WO2003007049A1 (en) | 1999-10-05 | 2003-01-23 | Iridigm Display Corporation | Photonic mems and structures |
JP3866747B2 (ja) * | 2002-10-15 | 2007-01-10 | シャープ株式会社 | 太陽電池モジュール |
JP4929660B2 (ja) * | 2005-09-27 | 2012-05-09 | ソニー株式会社 | 色素増感光電変換素子、光電変換素子モジュール、電子機器、移動体および発電システム |
JP2007103813A (ja) * | 2005-10-07 | 2007-04-19 | Techno Polymer Co Ltd | 太陽電池用バックシート |
JP5409007B2 (ja) * | 2005-11-08 | 2014-02-05 | エルジー・エレクトロニクス・インコーポレーテッド | 高効率の太陽電池及びその調製方法 |
RU2485626C2 (ru) * | 2007-12-21 | 2013-06-20 | Квалкомм Мемс Текнолоджис, Инк. | Многопереходные фотогальванические элементы |
WO2009157053A1 (ja) * | 2008-06-23 | 2009-12-30 | 三菱電機株式会社 | 光起電力装置およびその製造方法 |
KR100984701B1 (ko) * | 2008-08-01 | 2010-10-01 | 엘지전자 주식회사 | 태양 전지의 제조 방법 |
KR101213470B1 (ko) * | 2008-09-08 | 2012-12-20 | 한국전자통신연구원 | 태양전지의 반사방지막, 태양전지, 태양전지의 제조방법 |
KR101149308B1 (ko) * | 2009-04-02 | 2012-05-24 | 삼성코닝정밀소재 주식회사 | 태양전지용 다층박막 구조 |
JP2012084747A (ja) * | 2010-10-13 | 2012-04-26 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 結晶シリコン太陽電池の作製方法 |
JP2014505370A (ja) | 2011-01-26 | 2014-02-27 | マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー | 透明な光電池 |
CN103715276A (zh) * | 2012-09-28 | 2014-04-09 | 茂迪股份有限公司 | 太阳能电池及其模组 |
CN112151633A (zh) * | 2019-06-27 | 2020-12-29 | 君泰创新(北京)科技有限公司 | 异质结太阳能电池及其制备方法 |
-
1992
- 1992-03-10 JP JP4051884A patent/JP3006266B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH05259495A (ja) | 1993-10-08 |
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