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JP2623058B2 - コールドピルガー圧延用水溶性潤滑剤及びコールドピルガー圧延機における潤滑方法 - Google Patents

コールドピルガー圧延用水溶性潤滑剤及びコールドピルガー圧延機における潤滑方法

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JP2623058B2
JP2623058B2 JP6757193A JP6757193A JP2623058B2 JP 2623058 B2 JP2623058 B2 JP 2623058B2 JP 6757193 A JP6757193 A JP 6757193A JP 6757193 A JP6757193 A JP 6757193A JP 2623058 B2 JP2623058 B2 JP 2623058B2
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cold pilger
oil
pilger rolling
lubricant
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晴二 外山
秀紀 根来
親定 本田
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Yushiro Chemical Industry Co Ltd
Sanyo Special Steel Co Ltd
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Yushiro Chemical Industry Co Ltd
Sanyo Special Steel Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コールドピルガー圧延
用水溶性潤滑剤及びコールドピルガー圧延機における潤
滑方法に関し、更に詳しく言えば、脱脂性に優れるとと
もに加工精度及び作業環境の改善を図ることができ、更
に冷却能を低下させさることなく潤滑能をオイル並みに
向上させたコールドピルガー圧延用水溶性潤滑剤、更
に、該潤滑剤のエマルションを被圧延材と圧延工具の潤
滑及び冷却、並びにロールシャフト及びクランクシャフ
トの潤滑に兼用使用するコールドピルガー圧延機におけ
る潤滑方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コールドピルガー圧延は、軸受鋼、ステ
ンレス鋼等を大きな圧下で圧延して鋼管を製造する圧延
である。この圧延加工用潤滑剤としては、従来より鉱物
油を基油として、塩素系極圧添加剤を配合した不水溶性
潤滑剤(ロールオイル)が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の潤滑剤
を用いて、コールドピルガー圧延を行う場合、潤滑剤の
冷却性能が低いので、以下のような問題がある。 (1)圧延工具の寿命が低下する。 (2)ダイス温度が上昇し、製品寸法精度が悪化する。
そのため、ダイスのクリアランス調整作業を行って寸法
精度の維持を行う必要が生じる等の作業性の問題もあ
る。 (3)高温となる製品表面に付着したロールオイルの炭
化、粘度上昇により、後工程における脱脂性が低下す
る。 (4)油煙(炭化水素及び塩化水素ガス等)の発生によ
り環境が悪化する。
【0004】上記の潤滑剤の冷却性能を良くするために
は、水溶性潤滑剤を適用することが考えられるが、水溶
性潤滑剤の場合には、冷却性能は良いものの潤滑性能が
低下するという欠点があり、実用化には困難であった。
以上より、従来のコールドピルガー圧延機における潤滑
方法においては、図2に示すように、エマルションによ
る冷却とオイルによる潤滑を併用している。即ち、同図
及び図3に示すように、圧延工具(ロールダイス3及び
マンドレル5)と被圧延材(母管1と圧延後の製品管1
a)の潤滑及び冷却は、エマルションにより行われる。
一方、クランクシャフトメタル軸受部11及びロールシ
ャフト4のベアリングの潤滑は、別系にて他のオイル又
はグリースにより行われる。但し、図2中、2はロール
スタンド、6はエマルション受槽、7はコンロッド、7
aはコンロッドベアリング、8はクランク室、9はカウ
ンターウェイト、10はコンロッド、12はバランスウ
ェイト、13はオイル受槽を示す。従って、ピルガー圧
延機の機構上、エマルションとオイル等が混合するの
で、以下のような問題がある。 (1)潤滑性能の劣化によりベアリング部の焼付きが発
生する。 (2)エマルションの寿命が低下する。 (3)エマルションとオイルとを分離シールする必要が
あり,そのための設備が複雑化する。
【0005】本発明は、上記欠点を克服するものであ
り、エマルションとしての冷却性能を低下させることな
く且つオイル並みに潤滑性能を向上させるとともに、脱
脂性及び作業性の良いコールドピルガー圧延用水溶性潤
滑剤、更に該潤滑剤のエマルションを被圧延材とロール
ダイスの潤滑及び冷却、並びにロールシャフト等の潤滑
に兼用使用するコールドピルガー圧延機における潤滑方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水溶性潤
滑剤(組成物)について、その成分と物性が潤滑性能に
及ぼす影響、並びに被圧延材とロールダイスの冷却及び
ロールシャフト等の潤滑に兼用使用できる水系エマルシ
ョンについて鋭意研究した結果、基油、特定のスルホネ
ート、極圧添加剤及び界面活性剤とからなる組成物が優
れた性能を発揮することを見出して、本発明を完成する
に至ったのである。即ち、本第1発明の水溶性潤滑剤
は、(a)鉱物油、動植物油脂、脂肪酸及び脂肪酸エス
テルから選ばれる1種又は2種以上の混合油を基油と
し、(b)アルカリ土類金属スルホネート、塩素系極圧
添加剤、硫黄系極圧添加剤及びリン系極圧添加剤のうち
の少なくとも該塩素系極圧添加剤を含む潤滑添加剤、並
びに(c)界面活性剤を含有し、上記塩素系極圧添加剤
の含有量は、潤滑剤全体に対する塩素分換算にて、8〜
45重量%であり、且つ50℃における動粘度が20〜
80mm2 /sであり、前記において述べる条件下で作
製した場合の水系エマルションの油粒子の平均粒子径が
6〜30μmとなることを特徴とする。
【0007】本発明において「鉱物油」としては、スピ
ンドル油、マシン油、タービン油等を、「動植物油脂」
としては牛脂、豚脂、ナタネ油、ヒマシ油、パーム油、
ヤシ油等を、「脂肪酸」としては、カプロン酸、エナン
ト酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリン酸、トリデ
カン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノレイン酸、ヒマ
シ油脂肪酸の縮合物等の重合脂肪酸等を使用することが
できる。
【0008】また、上記「アルカリ土類金属スルホネー
ト」とは、各種スルホン酸のアルカリ土類金属塩をい
い、石油スルホン酸塩、合成スルホン酸塩等がある。使
用するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カル
シウム、バリウム等を使用することができる。この石油
スルホン酸塩とは、石油スルホン酸、即ち石油留分の硫
酸精製の際に副生する炭化水素のスルホン酸混合物、特
に白油を硫酸又と溶剤精製してスラッジ分を覗き、発煙
硫酸と加温しスルホン化した後、未反応油、廃酸を除い
て精製し、次いで所定の金属で中和したものである。ま
た、合成スルホン酸塩とは、一般に、石油スルホン酸塩
と区別されているものであり、石油化学より生まれたア
ルキルベンゼンやアルキルナフタレン(例えば、ジノニ
ルナフタレン等)等をスルホン化し、その後所定の金属
で中和して得られるものである。
【0009】上記「塩素系極圧添加剤」としては、塩素
化パラフィン、塩素化エステル等が挙げられる。塩素系
極圧添加剤の含有量は、潤滑剤全体に対する塩素分換算
にて、8〜45重量%(即ち、潤滑剤100部に対して
8〜45重量部、特に、好ましくは10〜40重量%)
である。この含有量が8重量%未満では、潤滑性が不十
分であり、45重量%を越えるとその性能に変化がなく
潤滑剤の粘度が高くなり過ぎ、乳化性、作業性に問題が
生じる。
【0010】上記「硫黄系極圧添加剤」としては、硫化
油脂、硫化脂肪酸エステル、オレフィンポリサルファイ
ド、ジアルキルポリサルファイド等が挙げられる。この
添加量は、潤滑剤全体に対する硫黄分換算として0.5
〜5重量%が好ましい。この含有量が0.5重量%未満
では耐焼き付き性が不十分となり、5重量%を越えても
その性能に変化がないからである。上記「リン系極圧添
加剤」としては、リン酸エステル、亜リン酸エステル等
が挙げられる。この添加量は、潤滑剤全体に対するリン
分換算として0.15〜0.5重量%が好ましい。
【0011】上記「界面活性剤」としては、ノニオン系
界面活性剤、アニオン系界面活性剤及びカチオン系界面
活性剤の一種以上を用いることができる。このうち、ノ
ニオン系界面活性剤が好ましい。このノニオン系界面活
性剤としては、多価アルコール脂肪酸エステル(ソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピ
レングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレング
リコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリ
ン脂肪酸エステル等)、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、脂肪酸アルキロールアミド等を挙げることができ
る。アニオン系界面活性剤としては、アルキルベンゼン
スルホン酸アルカリ金属塩、石油スルホン酸アルカリ金
属塩等の公知のものを挙げることができる。更に、カチ
オン系界面活性剤としても公知のものを用いることがで
きる。
【0012】また、本発明の潤滑剤の「50℃における
動粘度」は20〜80mm2 /sの範囲である。この動
粘度が20mm2 /s未満では、導入油量が不足して潤
滑性及び脱脂性が低下し、80mm2 /sを越えると、
経時での乳化性が悪くなり機械廻りを汚すからである。
更に、本発明の潤滑剤のエマルション中の「油粒子径」
は、平均粒子径として6〜30μm(好ましくは7〜2
0μm)である。この平均粒子径が6μm未満では潤滑
性が低下し、30μmを越えると、経時での乳化性が悪
くなって機械廻りの汚れが多くなり、洗浄液の劣化も早
くなるからである。
【0013】本第2発明のコールドピルガー圧延機にお
ける潤滑方法は、上記第1発明に係る水溶性潤滑剤に水
を加えて形成させた水系エマルションを、少なくとも被
圧延材とロールダイスの潤滑及び冷却、並びにロールシ
ャフト及びクランクシャフトの潤滑に兼用使用すること
を特徴とする。尚、この兼用できる上記以外の対象は、
コンロッドベアリング等の潤滑であってもよい。尚、通
常、このコンロッドベアリングには冷却剤がかからない
ので、グリースが用いられている。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 (1)潤滑剤の調製 表1に本発明範囲に含まれる本実施例1〜12に係る潤
滑剤(試料油ともいう。)の組成を、表2に本発明範囲
に含まれない比較例1〜4に係る潤滑剤の組成を示す。
表2における比較例4の潤滑油は、通常用いられるロー
ルオイル(不水溶性潤滑油)であり、界面活性剤を含ま
ないものである。尚、これらの表中の組成を示す数値の
単位は、潤滑剤(組成物)全体を100重量%に対す
る、重量%である。表2中、本発明範囲に含まれないも
のに*印を付した。
【0015】これらの表において、「鉱物油」はマシン
油とスピンドル油の混合物を、「重合脂肪酸」はヒマシ
油脂肪酸縮合物を、「塩素化パラフィン」は炭素原子数
が12で、塩素含有量:50重量%のものを、「硫化脂
肪酸エステル」は、硫黄含有量が10重量%のものを、
「ジラウリルハイドロジェンフォスファイト」はリン含
有量が7重量%のものを、「カルシウムスルホネート」
はカルシウム含有量が12重量%のものを、「ノニオン
系界面活性剤A」はソルビタンモノオレエートを、「ノ
ニオン系界面活性剤B」はノニルフェノールにエチレン
オキサイドを4モル付加したものを、「ノニオン系界面
活性剤C」はノニルフェノールにエチレンオキサイドを
6モル付加したものを、「ノニオン系界面活性剤D」は
ノニルフェノールにエチレンオキサイドを8.5モル添
加したものを、「アニオン系界面活性剤A」はドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムを、「酸化防止剤」は
2,6−ジ−tert−p−クレゾールを使用した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】尚、表3に、各実施例1〜12及び比較例
1〜4に係る潤滑剤(試料油)の動粘度(50℃)、及
び水系エマルションを以下のようにして作製した場合の
平均粒子径を示す。即ち、このエマルションは、試料油
160gと水640gを1リットルビーカーに採り、温
度50〜55℃で15分、ホモキミサーを用いて7,5
00rpm下に攪拌して、エマルションを作った。そし
て、このエマルション中の油粒子の平均粒子径を、コー
ルターカウンターで測定した。尚、この表中、本発明範
囲に含まれないものに*印を付した。
【0019】
【表3】
【0020】(2)性能評価 本発明の水溶性潤滑剤の性能を明らかにするため以下の
性能試験を行った。 潤滑性 チムケン摩擦試験機により耐荷重性能(OK荷重:1b
f)を測定し、その結果を表4に示す。尚、試験条件は
下記の通りである。 試験カップ材質:SUJ−2 試験ブロック材質:SUJ−2 回転数:800rpm 試料温度:50℃ 試料濃度:20重量%(試料油20重量部/水80重量
部) OK荷重:スコーリングを起こさない最大荷重(1b
f)
【0021】
【表4】
【0022】脱脂性 試験片(SUJ−2,60×80×0.8mm)に試料
油を塗布し5時間放置した後、メチレンクロライドに浸
漬して洗浄した時の脱脂性を調べた。その結果を表5に
示す。尚、試験条件は下記の通りである。 放置温度;実施例1〜12:50℃、比較例1〜3:8
0℃ 比較例4 :150℃ メチレンクロライド液温;25℃ 浸漬時間;1分 洗浄後の乾燥;60℃×30分
【0023】
【表5】
【0024】冷却性 350℃の試験片(SUS304、40×150mm
φ)に、実施例4の試料油の試料濃度20重量%のエマ
ルション(試料油20重量部/水80重量部、温度:5
0℃)及び比較例4に係る試料油(温度:50℃)を供
給した時、試験片温度が100℃まで冷却される時間
(秒)を測定した。この結果を図1に示す。
【0025】冷却性、製品の寸法精度及び油煙の発生 実機試験を用いて試験を行い、その結果を表6に示す。
尚、実機試験の条件(装置)は、以下の通りである。 鋼種;SUJ−2 実機装置;21/2”コールドピルガーミル 被圧延材の仕様;外径(OD):20〜60mmφ 肉厚(WT):1.5〜10mm 長さ:4,500〜16,000mm 発電機容量;DC145KW 圧延条件;回転数150rpm(ストローク/分)×6
〜8mm/ストローク使用したエマルション及び潤滑
油;上記と同じもの(実施例1の潤滑油の20重量%
のエマルション及び比較例4に係る潤滑油そのもの=ロ
ールオイル)
【0026】潤滑冷却方法;実施例1のエマルションに
ついては図4の系統図に示す。即ち、クランク室8下の
クランクタンク(容量800リットル)14及びロール
スタンド2下のロールスタンドタンク(容量1400リ
ットル)16には、このエマルションが各々600リッ
トル、1200リットル収容されている。そして、この
各タンクは、ロールスタンドでの戻りエマルション又は
クランク室での戻りエマルションが収容されるととも
に、このエマルションは、各配管15、17及び18に
より循環使用されるようになっている。また、ロールス
タンドタンク16から供給されるエマルションは、ポン
プ19を出たあと4分割されて、インレット圧延潤滑1
7a、ロールシャフトベアリング潤滑17b、アウトレ
ット圧延潤滑17c及び内面潤滑17dが行われる。更
に、クランクシャフト内配管18aを通じて、クランク
シャフトメタル潤滑が行われる。但し、比較例4のロー
ルオイルの潤滑冷却方法は、図2に示すように前述の如
く行われる。尚、エマルション組成、被圧延材の母管若
しくは製品管の外形/肉厚、ピルガーロールダイス温度
及びミル出側被圧延材温度は、表6に示す。また、製品
外形寸法移動量及び油煙の発生の有無についても、同表
に併記した。
【0027】
【表6】
【0028】(3)実施例の効果 表4及び5の結果によれば、比較例1〜3では、いずれ
も潤滑性が悪く、更に比較例2では脱脂姓も悪かった。
比較例4では、原液(ロールオイル)を用いたこともあ
って潤滑性は各実施例と同等以上ではあるものの、脱脂
性が著しく悪い。一方、実施例1〜12では、いずれ
も、エマルションにもかかわらず潤滑性がロールオイル
(比較例4の潤滑油)と同等若しくはやや悪い程度であ
り、水系エマルションとしては従来にない程極めて優れ
ている(表4)。また脱脂率は、実施例1〜12では9
0〜95%であり、比較例の場合(30〜83%)と比
べて極めて優れている(表5)。
【0029】更に、実機試験の結果(表6)によれば、
実施例1のエマルションと比較例4のロールオイルと比
べると、以下の通りである。ピルガーロールダイス表面
温度は、28%(試験No.1)、36%(試験No.
2)及び35%(試験No.3)も低下し、寿命が約2
5%も向上した。また、ミル出側の被圧延材の表面温度
は、試験No.1〜3ともに49%も低下し、水蒸気の
発生があるものの油焼けによる煙の発生がなく、環境が
大幅に向上した。尚、同比較例(試験No.3)では油
煙が発生した。更に、ロールスタンドストップ部の製品
外径寸法精度(寸法変化量)は、40%(試験No.
1)、43%(試験No.2)及び50%(試験No.
3)も向上した。また、運転開始後60日間連続運転を
した場合でも、本実施例では焼き付き及び異常摩耗がな
かった。更に、同様に60日間の運転後においても、ロ
ールシャフトベアリングのピッチングが発生せず、同比
較例と比べて寿命が50%以上も向上した。尚、同比較
例では60日使用後にピッチングが発生した。
【0030】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、
本発明は上記成分より構成されるが、その他の任意成分
として必要に応じて油性向上剤、酸化防止剤、防食剤等
を適宜添加することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明のコールドピルガー圧延用水溶性
潤滑剤は、冷却性、潤滑性及び脱脂性に優れる(即ち、
エマルションとしての冷却性能を低下させることなく且
つオイル並みに潤滑性能を向上させることができる。)
ため、塩化水素ガスの発生が少なくなることによる作業
環境の改善、脱脂性の向上による歩留りの向上及び鋼管
製品寸法精度の向上による生産性の向上を図ることがで
きる。また、本発明のコールドピルガー圧延機における
潤滑方法によれば、冷却性、潤滑性及び脱脂性に優れる
圧延をすることができるとともに、上記潤滑剤の水系エ
マルションを被圧延材と圧延工具の潤滑及び冷却、並び
にロールシャフト及びクランクシャフトの潤滑等に兼用
使用できるので、大変便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4及び比較例4において、試験片の温度
と100℃まで冷却される時間との関係を示す説明図で
ある。
【図2】コールドピルガー圧延機において従来のロール
オイルを用いた場合の潤滑冷却方法を示す系統図であ
る。
【図3】ロールダイスを用いて被圧延材を圧延する状態
を示す説明図である。
【図4】コールドピルガー圧延機において実施例1の潤
滑剤を用いて作ったエマルションを用いた場合の潤滑冷
却方法を示す系統図である。
【符号の説明】
1;母管、1a;圧延後の製品管、2;ロールスタン
ド、3;ロールダイス、4;ロールシャフト、5;マン
ドレル、6;エマルション受槽、7;コンロッド、7
a;コンロッドベアリング、8;クランク室、9;カウ
ンターウェイト、10;コンロッド、11;クランクシ
ャフトメタル軸受部、12;バランスウェイト、13;
オイル受槽、14;クランクタンク、16;ロールスタ
ンドタンク、17a;インレット圧延潤滑、17b;ロ
ールシャフトベアリング潤滑、17c;アウトレット圧
延潤滑、18a;クランクシャフト内配管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 101:04 109:02 131:14 135:10 129:16 129:40 135:06 137:02) C10N 10:04 30:00 30:02 40:24 70:00 (72)発明者 本田 親定 兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番 地山陽特殊製鋼株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−149795(JP,A) 特開 平2−175798(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)鉱物油、動植物油脂、脂肪酸及び
    脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の混合油
    を基油とし、(b)アルカリ土類金属スルホネート、塩
    素系極圧添加剤、硫黄系極圧添加剤及びリン系極圧添加
    剤のうちの少なくとも該塩素系極圧添加剤を含む潤滑添
    加剤、並びに(c)界面活性剤を含有し、上記塩素系極
    圧添加剤の含有量は、潤滑剤全体に対する塩素分換算に
    て、8〜45重量%であり、且つ50℃における動粘度
    が20〜80mm2 /sであり、以下の条件下で作製し
    た場合の水系エマルションの油粒子の平均粒子径が6〜
    30μmとなることを特徴とするコールドピルガー圧延
    用水溶性潤滑剤。エマルションの作製条件;上記水溶性
    潤滑剤160gと水640gを1リットルビーカーに採
    り、温度50〜55℃で15分、ホモキミサーを用いて
    7,500rpmにて攪拌する。
  2. 【請求項2】 コールドピルガー圧延機における潤滑方
    法において、請求項1記載のコールドピルガー圧延用水
    溶性潤滑剤に水を加えて形成させた水系エマルション
    を、少なくとも被圧延材とロールダイスの潤滑及び冷
    却、並びにロールシャフト及びクランクシャフトの潤滑
    に兼用使用することを特徴とするコールドピルガー圧延
    機における潤滑方法。
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