JP2529642Y2 - 照明器具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、器具本体に内蔵された
バッテリの電力により、停電時にも直管形けい光ランプ
を点灯させる非常用の照明器具に関する。

【０００２】

【従来の技術】非常用照明器具においては、そのバッテ
リの充電状態を適宜確認するために、点検スイッチとバ
ッテリモニタとが設けられ、点検スイッチの操作紐を引
下げて点検スイッチをオンさせ、その際にバッテリモニ
タが正常に点灯するかどうかを視認することによって、
バッテリの充電状態を確認できるように構成されてい
る。

【０００３】点検スイッチとバッテリモニタとは互いに
近い位置に配置され、バッテリモニタはブラケットを介
して器具本体に固定されている。ブラケットの上端部は
器具本体に固定され、下端部はバッテリモニタを支持し
ている。これら上下端部間をつないだブラケットの垂直
板部は、その両側面を器具本体の長手方向と直交する方
向に沿わせて配置されていた。また、この種照明器具の
器具内配線の本数は、非常用の系がある分だけ、同系が
ないものに比べて多く、そのうちの多くはブラケットの
そばを通って配線されている。換言すれば、以上のよう
に点検スイッチの近くに配置されたブラケットのそば
を、多数本の器具内配線が通されている。そして、以上
のように点検スイッチおよびブラケットのそばを混んだ
状態で配線されている器具内配線は、前記通線部位にお
いて特別に固定されるようなことはなく、ただ単に通さ
れているだけであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】そのため、混んだ状態
に配線され、しかも自由に動き得る多数本の器具内配線
に対して、その近くに配置されている点検スイッチの操
作紐が絡み付く可能性がある。そして、操作紐が器具内
配線に絡んだ状態で操作紐が引下げられた場合には、点
検スイッチの円滑な動作が器具内配線により妨げられる
他、器具内配線が引張られて、その接続端子部に張力が
加わり、同接続端子部での接続状態が損なわれる原因と
なることがある。

【０００５】本考案の目的は、バッテリの充電状態を点
検するための点検スイッチの操作紐が器具内配線に絡み
付くことを簡単な構成で防止できる照明器具を得ること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本考案の照明器具は、引下げられる操作紐が設けら
れた点検スイッチを、バッテリ等を内蔵した器具本体の
相対向する側壁のうちの一方の側壁に片寄せて配設する
とともに、他方の側壁と前記点検スイッチとの間にバッ
テリモニタを支持したブラケットを配置し、このブラケ
ットは前記他方の側壁と対向する側面を有した仕切り板
部を備えてなり、この仕切り板部と前記他方の側壁との
間に前記器具本体内に配線される器具内配線を通すとと
もに、これら器具内配線を結束して前記仕切り板部に固
定したものである。

【０００７】

【作用】上記構成において、バッテリモニタを支持した
ブラケットの仕切り板部は、器具本体の幅方向中間に位
置して器具本体の長手方向に配置されているので、器具
本体の一方の側壁に片寄せて配設された点検スイッチに
対して、器具本体の他方の側壁と仕切り板部との間に通
された器具内配線をできる限り遠ざける。しかも、器具
内配線を束ねて仕切り板部に固定したから、既述のよう
に点検スイッチから遠ざけられた器具内配線が振動など
で自由に動揺することを防止して、仕切り板部は器具内
配線を整然とした配線状態に保持する。

【０００８】

【実施例】以下、図１〜図８を参照して本考案の一実施
例を説明する。図１，図５、および図７，８中符号２１
は天井パネルで、これには器具埋め込み孔２１ａが設け
られている。また、同図中符号２２は互いに離れて配置
された吊持ボルトで、これらは図示しない天井スラブに
取付けられている。これら吊持ボルト２２はその下端部
に螺合されるナット２３を介して埋め込み形非常用照明
器具２４を吊持するようになっている。

【０００９】照明器具２４は器具埋め込み孔２１ａに埋
め込まれる板金製の器具本体３１を備えている。器具本
体３１は図１，図５〜図７に示すように上壁３１ａの両
側に相対向する側壁３１ｂ，３１ｃを設けるとともに、
長手方向両端部に夫々端壁３１ｄを設けて、下面が開放
された長い箱構造をなしている。この本体３１の上壁３
１ａには、電源線引込み孔３４が設けられているととも
に、長手方向両端部に位置して図４〜図６に示されるよ
うに吊持ボルト２２が通される取付け孔３２，３３が設
けられている。

【００１０】図４，図５に示すように器具本体３１に
は、前記引込み孔３４の近傍に位置して端子台３５が内
蔵されているとともに、この長手方向一端側に寄せて点
灯装置３６が内蔵されている。点灯装置３６はトランジ
スタを用いたインバータ点灯回路によって構成されたい
わゆる電子安定器である。更に、器具本体３１には、取
付け孔３３の近傍に位置してバッテリ装置３７が内蔵さ
れているとともに、この装置３７側に寄せて非常用点灯
装置３８が内蔵されている。しかも、器具本体３１には
取付け孔３３と非常用点灯装置３８との間に位置して点
検スイッチ３９が内蔵されている。前記内蔵機器のうち
点検スイッチ３９は器具本体３１の一側壁３１ｂ側に片
寄せられている。なお、いずれの内蔵機器も図６に示す
ねじや、ボルト・ナット等の固定具１１により器具本体
３１の上壁３１ａの内面に固定されている。

【００１１】バッテリ装置３７および非常用点灯装置３
８を有することによって、この照明器具は非常用照明器
具としての機能を備え、停電時において後述のけい光ラ
ンプを点灯させることができる。点検スイッチ３９はバ
ッテリチェックのために設けられており、符号３９ａに
示す操作紐が接続されている。

【００１２】図５に示されるようにバッテリ装置３７
は、器具本体３１の上壁３１ａに固定されたベース４０
と、このベース４０に回動可能に取付けられたカバー４
１と、このカバー４１の先端部をベース４０に着脱可能
に連結する化粧ねじ４２と、ベース４０およびカバー４
１間に着脱可能に挟持されたバッテリ４３とで形成され
ている。化粧ねじ４２は器具本体３１の開放された下面
を通して挿脱されるとともに、カバー４１も図５の２点
鎖線で示すように下方へ開くことができ、それによりバ
ッテリ４３の交換を器具本体３１の開放された下面を通
してできるようになっている。

【００１３】器具本体３１には図１，図４〜図７に示さ
れるように点検スイッチ３９の近くに位置する板金製ブ
ラケット１５が固定されている。すなわち、ブラケット
１５は、仕切り板部１５ａの上端に固定部１５ｂを折曲
げるとともに、下端に二股状のモニタ支持部１５ｃを折
曲げて形成されており、その固定部１５ｂを器具本体３
１の上壁３１ａ内面にねじ１６で止めることによって取
付けられている。この固定によりブラケット１５は、器
具本体３１の幅方向に点検スイッチ３９と並ぶようにし
て、このスイッチ３９と器具本体３１の他方の側壁３１
ｃとの間に配置されている。

【００１４】しかも、仕切り板部１５ａは、例えば略垂
直方向に延びる平板状をなし、その一側面１５a1を側壁
３１ｃに対向させて、この側壁３１ｃと略平行に設けら
れている。この仕切り板部１５ａには電線保持部例えば
小孔１７が設けられている。

【００１５】仕切り板部１５ａの下部は器具本体３１の
開放された下面より下方に突出されており、その下端に
略水平に折曲げられたモニタ支持部１５ｃは、例えば固
定部１５ｂとは逆方向を向いている。このモニタ支持部
１５ｃにはバッテリモニタ１８が取付けられている。こ
のモニタ１８は、発光ダイオードからなるとともに、そ
の点灯時に下方に向けて投光するように設けられてい
る。

【００１６】器具本体３１内には、これに内蔵された各
種電気部品、バッテリモニタ１８、および後述するラン
プソケット５９との間を接続した多数本の器具内配線１
９が配線されている。これら配線１９のうちバッテリ装
置３７と非常用点灯装置３８とを接続する器具内配線１
９、バッテリ装置３７側に配置されたランプソケット５
９につながる器具内配線１９、およびバッテリモニタ１
８につながる器具内配線１９等は、仕切り板部１５ｂと
器具本体３１の側壁１５ｃとの間を通って配線されてい
る。しかも、これら器具内配線１９は結束具２０により
束ねられている。そして、結束具２０は前記小孔１７に
通されて仕切り板部３１ａに保持されている。したがっ
て、結束された器具内配線１９は結束具２０を介して仕
切り板部１５ａに固定されている。

【００１７】器具本体３１にはその開放された下面を覆
って板金製の反射板５１が後述の連結手段を介して固定
されている。図１，図４等に示されるように反射板５１
は、器具本体３１よりも幅が広く、かつ、下方に向けて
凸となるように湾曲された反射部５２の両側縁に、内方
に向けて水平に突出する当接部５３を夫々一体に折曲げ
るとともに、これら当接部５３の先端にフランジ５４を
一体に折曲げて形成されている。反射部５２の下面は反
射面に形成されている。当接部５３は前記天井パネル２
１に当接されるようになっており、また、フランジ５４
は断面Ｌ形をなして当接部５３の下側に位置されてい
る。

【００１８】図４，図５等に示されるように反射板５１
の長手方向両端部には端部補強金具５５が設けられてい
るとともに、中間部にも中間補強金具５６が設けられて
いる。これら補強金具５５，５６は、図８に示される端
部補強金具５５で代表して示すように反射板５１の内側
においてフランジ５４間にわたって設けられ、これらフ
ランジ５４にその外面から挿入されたセルフタッピング
ねじ５７により固定されている。これら補強金具５５，
５６は反射板５１の変形を防止するために用いられてい
る。端部補強金具５５は後述する連結手段の一部をなす
ものであって、図７および図８などに示すように中央部
に透孔６５を有している。

【００１９】図５に示されるように反射板５１の長手方
向両端には夫々ソケットホルダー５８を介してランプソ
ケット５９が取付けられている。これらソケット５９は
反射板５１の下方に突出されており、直管形けい光ラン
プ６０を着脱可能に支持するようになっている。なお、
図４，図５，および図７中符号６１は反射板５１の両端
に夫々装着された合成樹脂製の反射板端板であり、６２
はランプソケット５９を覆って着脱可能に取付けられた
合成樹脂製のソケットカバーを示している。

【００２０】図４，図５等に示されるように器具本体３
１の長さ方向両端部に位置して夫々設けられた連結手段
７１は、器具本体３１と反射板５１とを連結してこれら
内側に配置されている。これらの手段７１は、図７で代
表して示すように器具本体３１の端部下面に取付けた連
結金具７２と、この金具７２の下面に重なる前記端部補
強金具５５と、端部補強金具５５の透孔６５を通って連
結金具７２に設けた螺孔７３に螺合される連結ねじ７４
とで形成されている。連結ねじ７４は化粧ねじからな
る。

【００２１】図２に示されるように反射板５１の長さ方
向一端部には、この一端側に位置する一方の連結手段７
１、取付け孔３２の夫々に対向し、これらの操作孔とし
て使用される長方形の第１通孔８１が形成されている。
さらに、反射板５１の長さ方向他端部には、この他端側
に位置する他方の連結手段７１、取付け孔３３およびバ
ッテリ装置３７の夫々と対向し、これらの操作孔として
使用される長方形の第２通孔８２が形成されている。

【００２２】反射板５１には、第１通孔８１を塞ぐ板金
製の第１反射蓋９１が着脱可能に取付けられているとと
もに、第２通孔８２を塞ぐ板金製の第２反射蓋９２が着
脱可能に取付られている。なお、通孔８１，８２を塞い
で取付けられた反射蓋９１，９２は反射部５２と面一に
設けられる。

【００２３】この反射板５１には図１に示されるように
前記操作紐３９ａが挿通される紐通孔１２が設けられて
いるとともに、この近傍に位置して点検孔１３が設けら
れている。この点検孔１３は前記バッテリモニタ１８の
直下に対向している。

【００２４】前記構成の埋め込み形非常用照明器具にお
いて、点検スイッチ３９の操作紐３９ａを引下げると、
このスイッチ３９がオンされるため、バッテリ４３を電
源とするバッテリモニタ１８への通電がなされる。した
がって、バッテリ４３の電力が十分ある場合にはバッテ
リモニタ１８の正常な点灯を点検孔１３を通して視認で
き、バッテリ４３の電力が不足している場合には前記モ
ニタ１８が点灯不良となるので、バッテリ４３の交換を
促すことができる。

【００２５】なお、バッテリ４３の交換においては、第
２反射蓋９２を反射板５１から取外して、第２通孔８２
を開放させることにより、この通孔８２を通してバッテ
リ装置３７のカバー４１を開閉操作するとともに、化粧
ねじ４２を着脱して、バッテリ４３を交換できる。この
ようにバッテリ４３の交換に際して反射板５１全体を取
外す必要がないので、簡単に作業を行うことができる。

【００２６】そして、この非常用照明器具の構成では、
バッテリモニタ１８を支持したブラケット１５の仕切り
板部１５ａを、器具本体３１の幅方向中間に位置して器
具本体３１の長手方向に配置している。そのため、この
仕切り板部１５ａの一側面１５a1と器具本体３１の側壁
３１ｃとの間に通された器具内配線１９を、器具本体３
１の側壁３１ｂに片寄せて固定した点検スイッチ３９か
らできる限り遠ざけて配線できる。その上、前記器具内
配線１９を結束具２０で束ねて仕切り板部１５ａに固定
したから、器具内配線１９を整然とした配線状態に保持
できる。

【００２７】したがって、点検スイッチ３９とバッテリ
モニタ１８とが互いに近い位置に配置され、これらのそ
ばを通って器具内配線１９が配線されるにも拘らず、こ
の器具内配線１９を既述のように点検スイッチ３９から
遠ざけ、かつ、振動などで自由に動揺することを防止し
たから、器具内配線１９に点検スイッチ３９の操作紐３
９ａが絡み付くことを防止できる。そのため、前記絡み
付きに基づく点検スイッチ３９の動作不良や器具内配線
１９への張力の波及に伴う不具合をなくすことができ
る。

【００２８】なお、本考案は前記一実施例には制約され
ない。例えば、ブラケット１５の仕切り板部１５ａは垂
直状ではなく途中で折れ曲がっていても良い。また、仕
切り板部１５ａの途中に器具内配線１９を固定する溝を
設けて、そこに器具内配線１９を直接引掛けてもよく、
或いは仕切り板部１５ａに相互間に溝を作る一対の腕部
を壁部３１ａ方向に突設して、その溝に器具内配線１９
を挿通し保持させることにより、結束具を使用すること
なく、器具内配線１９を結束して固定できるようにして
も良い。

【００２９】

【考案の効果】以上詳記したように本考案によれば、バ
ッテリの充電状態を点検する点検スイッチに対し、器具
本体の側壁とブラケットの仕切り板部との間に通された
器具内配線を、前記仕切り板部を利用してできる限り遠
ざけるとともに、この器具内配線が振動などで自由に動
揺することがないように器具内配線を結束して仕切り板
部に固定したから、点検スイッチとバッテリモニタとが
互いに近い位置に配置されるにも拘らず、これらのそば
を通って配線された前記器具内配線に、点検スイッチの
操作紐が絡み付くことを防止でき、それに伴い前記絡み
付きに基づく点検スイッチの動作不良や器具内配線への
張力の波及に伴う不具合をなくすことができ、高品質の
照明器具を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る照明器具の要部を示す
断面図。

【図２】同実施例に係る照明器具を分解して示す斜視
図。

【図３】同実施例に係る照明器具を示す斜視図。

【図４】同実施例に係る照明器具を示す平面図。

【図５】同実施例に係る照明器具を示す縦断側面図。

【図６】同実施例に係る器具本体とこれに取付けられる
各種部品とを示す分解斜視図。

【図７】同実施例に係る照明器具の一端側部分を分解し
て示す斜視図。

【図８】同実施例に係る反射板を示す断面図。

【符号の説明】

１２…紐通孔、１３…点検孔、１５…ブラケット、１５
ａ…仕切り板部、１５ｃ…モニタ支持部、１７…電線保
持部、１８…バッテリモニタ、１９…器具内配線、２０
…結束具、３１…器具本体、３１ｂ，３１ｃ…器具本体
の側壁、３６，３８…点灯装置、３７…バッテリ装置、
３９…点検スイッチ、３９ａ…操作紐、４３…バッテ
リ、５９…ランプソケット、６０…けい光ランプ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 器具本体内の長手方向両端部に配置され
   るランプソケット間に直管形けい光ランプが支持され、
   このランプを点灯させる点灯装置、バッテリ、および点
   検スイッチが前記器具本体に内蔵されるとともに、バッ
   テリモニタを支持したブラケットが前記点検スイッチの
   近くに位置して前記器具本体に固定され、前記点検スイ
   ッチの操作紐によるスイッチ操作で前記バッテリモニタ
   を介して前記バッテリの充電状態を確認可能とした照明
   器具において、 前記点検スイッチを前記器具本体の相対向する側壁のう
   ちの一方の側壁に片寄せて配設するとともに、他方の側
   壁と前記点検スイッチとの間に前記ブラケットを配置
   し、 このブラケットは前記他方の側壁と対向する側面を有し
   た仕切り板部を備えてなり、 この仕切り板部と前記他方の側壁との間に前記器具本体
   内に配線される器具内配線を通すとともに、これら器具
   内配線を結束して前記仕切り板部に固定したことを特徴
   とする照明器具。