JP2598731Y2 - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents
可逆性感熱記録媒体Info
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- JP2598731Y2 JP2598731Y2 JP1992072134U JP7213492U JP2598731Y2 JP 2598731 Y2 JP2598731 Y2 JP 2598731Y2 JP 1992072134 U JP1992072134 U JP 1992072134U JP 7213492 U JP7213492 U JP 7213492U JP 2598731 Y2 JP2598731 Y2 JP 2598731Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、加熱によって可逆的に
発色する可逆性感熱記録媒体に関し、特に、有効期間満
了などによって使用できなくなった場合に、可逆性記録
に基づく偽造、改ざんを防止する可逆性感熱記録媒体に
関する。
発色する可逆性感熱記録媒体に関し、特に、有効期間満
了などによって使用できなくなった場合に、可逆性記録
に基づく偽造、改ざんを防止する可逆性感熱記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】加熱温度に依存して可逆的に透明度が変
化する可逆性感熱記録材料を用いた記録媒体が知られて
いる。可逆性感熱記録材料は、加熱温度の差を用いて画
像の記録および消去を行うことができ、かつ常温におい
て画像の定着性を有するため、書き換えの必要な画像記
録に用いられている。
化する可逆性感熱記録材料を用いた記録媒体が知られて
いる。可逆性感熱記録材料は、加熱温度の差を用いて画
像の記録および消去を行うことができ、かつ常温におい
て画像の定着性を有するため、書き換えの必要な画像記
録に用いられている。
【0003】可逆性感熱記録材料は、ポリエステル樹脂
等の樹脂中にベヘン酸等の有機低分子物質を分散したも
のであり、加熱温度を選択することにより透明度が変化
する。すなわち、このような記録材料が白濁状態にある
場合に、所定の温度範囲T1〜T2 に加熱した後、常温
まで冷却すると、透明状態に変化する。これをさらに、
温度領域T1 〜T2 よりも高い温度領域T3 〜T4 に加
熱した後、常温まで冷却すると再び白濁状態になる。し
たがって、このような可逆性感熱記録材料の性質を利用
して記録層を形成し、加熱温度の設定により可逆性の記
録を行うことができる。
等の樹脂中にベヘン酸等の有機低分子物質を分散したも
のであり、加熱温度を選択することにより透明度が変化
する。すなわち、このような記録材料が白濁状態にある
場合に、所定の温度範囲T1〜T2 に加熱した後、常温
まで冷却すると、透明状態に変化する。これをさらに、
温度領域T1 〜T2 よりも高い温度領域T3 〜T4 に加
熱した後、常温まで冷却すると再び白濁状態になる。し
たがって、このような可逆性感熱記録材料の性質を利用
して記録層を形成し、加熱温度の設定により可逆性の記
録を行うことができる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記のような
可逆性感熱記録材料を用いた記録媒体は加熱によって状
態が可逆的に変化するため、この性質を利用して加熱お
よび冷却により偽造、改ざんされた場合に、正規に記録
された情報との区別がしにくく、そのため偽造を有効に
防止できないという問題があった。
可逆性感熱記録材料を用いた記録媒体は加熱によって状
態が可逆的に変化するため、この性質を利用して加熱お
よび冷却により偽造、改ざんされた場合に、正規に記録
された情報との区別がしにくく、そのため偽造を有効に
防止できないという問題があった。
【0005】特に、たとえば定期券などにおいて有効期
間が満了し、使用不能となった券が偽造、改ざんされて
再度使用されるという問題があった。
間が満了し、使用不能となった券が偽造、改ざんされて
再度使用されるという問題があった。
【0006】このような偽造、改ざんを防止するために
は、たとえばその券が使用不能となったことを表すマー
クを表示し、このマークを消去できないようにすること
が考えられる。しかし、このようなマークを表示可能と
した場合には、使用可能期間中に書き換えの必要な画像
を記録した際にも消去不可能なマークが表示されてしま
う恐れがある。たとえば可逆性感熱記録材料の加熱によ
って不可逆性感熱記録層が発色し消去不可能なマークが
表示される恐れがある。
は、たとえばその券が使用不能となったことを表すマー
クを表示し、このマークを消去できないようにすること
が考えられる。しかし、このようなマークを表示可能と
した場合には、使用可能期間中に書き換えの必要な画像
を記録した際にも消去不可能なマークが表示されてしま
う恐れがある。たとえば可逆性感熱記録材料の加熱によ
って不可逆性感熱記録層が発色し消去不可能なマークが
表示される恐れがある。
【0007】本考案は、上記のような問題点を解消し、
偽造、改ざんを有効に防止できる可逆性感熱記録媒体を
提供することを目的とする。
偽造、改ざんを有効に防止できる可逆性感熱記録媒体を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案によれば、加熱温
度に依存して可逆的に透明度が変化する可逆性感熱記録
層を有し、可逆性感熱記録層が加熱されることにより所
定の情報が記録される可逆性感熱記録媒体は、加熱によ
って発色し、発色部分が冷却によっても変化しない不可
逆性感熱記録層と、金属蒸着層により形成され、不可逆
性感熱記録層上に設けられたコントラスト付与層と、コ
ントラスト付与層上に設けられた可逆性感熱記録層とを
有し、不可逆性感熱記録層は、可逆性感熱記録層の透明
度の状態が変化を生じる温度領域よりも高い温度におい
て発色するものである。
度に依存して可逆的に透明度が変化する可逆性感熱記録
層を有し、可逆性感熱記録層が加熱されることにより所
定の情報が記録される可逆性感熱記録媒体は、加熱によ
って発色し、発色部分が冷却によっても変化しない不可
逆性感熱記録層と、金属蒸着層により形成され、不可逆
性感熱記録層上に設けられたコントラスト付与層と、コ
ントラスト付与層上に設けられた可逆性感熱記録層とを
有し、不可逆性感熱記録層は、可逆性感熱記録層の透明
度の状態が変化を生じる温度領域よりも高い温度におい
て発色するものである。
【0009】
【実施例】次に添付図面を参照して本考案による可逆性
感熱記録媒体の実施例を詳細に説明する。
感熱記録媒体の実施例を詳細に説明する。
【0010】図1には、本考案による可逆性感熱記録媒
体の一実施例が示されている。図1に示すように可逆性
感熱記録媒体は、可逆性感熱記録材料によって形成され
た可逆性感熱記録層18とともに、偽造、改ざん防止用
の不可逆性感熱記録層14およびコントラスト付与層1
6が設けられている。後述するように、不可逆性感熱記
録層14は不可逆性の感熱記録材料によって形成され、
たとえば有効期間満了時に加熱によって発色し、その発
色状態が残るため、これによって可逆性感熱記録層18
の偽造を防止するようにしたものである。
体の一実施例が示されている。図1に示すように可逆性
感熱記録媒体は、可逆性感熱記録材料によって形成され
た可逆性感熱記録層18とともに、偽造、改ざん防止用
の不可逆性感熱記録層14およびコントラスト付与層1
6が設けられている。後述するように、不可逆性感熱記
録層14は不可逆性の感熱記録材料によって形成され、
たとえば有効期間満了時に加熱によって発色し、その発
色状態が残るため、これによって可逆性感熱記録層18
の偽造を防止するようにしたものである。
【0011】この記録媒体は、基材12の一方の面に不
可逆性感熱記録層14、コントラスト付与層16、可逆
性感熱記録層18、印刷層20、保護層22が順次積層
され、他の面に印刷層24、保護層26が順次積層され
ている。
可逆性感熱記録層14、コントラスト付与層16、可逆
性感熱記録層18、印刷層20、保護層22が順次積層
され、他の面に印刷層24、保護層26が順次積層され
ている。
【0012】基材12は、紙、プラスチックなどからな
る素材が用いられる。たとえば、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリアセテート、ポリスチレン(P
S)、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、およ
びポリカーボネート(PC)などの合成樹脂シートまた
は合成紙などを用いることができる。基材12の厚さは
通常、100〜300ミクロン程度である。
る素材が用いられる。たとえば、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリアセテート、ポリスチレン(P
S)、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、およ
びポリカーボネート(PC)などの合成樹脂シートまた
は合成紙などを用いることができる。基材12の厚さは
通常、100〜300ミクロン程度である。
【0013】不可逆性感熱記録層14は、加熱によって
発色し、その後の冷却および再加熱によって変化しない
不可逆性の感熱記録層である。本実施例においては、後
述する図6の温度T4 以上の所定の温度で発色する材料
が使用される。このように温度T4 以上の所定の温度で
不可逆性感熱記録層14が発色することにより、この記
録媒体の使用不能を表示するから、その後は可逆性感熱
記録層18を加熱することによる偽造を防止できる。
発色し、その後の冷却および再加熱によって変化しない
不可逆性の感熱記録層である。本実施例においては、後
述する図6の温度T4 以上の所定の温度で発色する材料
が使用される。このように温度T4 以上の所定の温度で
不可逆性感熱記録層14が発色することにより、この記
録媒体の使用不能を表示するから、その後は可逆性感熱
記録層18を加熱することによる偽造を防止できる。
【0014】また、不可逆性感熱記録層14は平滑性が
あるため、この上に形成されるコントラスト付与層16
の鏡面性を向上させる効果もある。
あるため、この上に形成されるコントラスト付与層16
の鏡面性を向上させる効果もある。
【0015】不可逆性感熱記録層14を構成する材料と
しては、サーマルヘッドなどによって行われる通常の感
熱記録に使用される感熱記録材料が用いられる。このよ
うな感熱記録材料としては、高分子結着剤と感熱発色材
料を主成分として構成される。高分子結着剤としては、
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ポリビニールアルコール、デンブン、スチレン−
マレイン酸共重合物、ポリメタクリル酸メチル、ポリメ
タクリル酸エチル等のメタクリル樹脂の単独または共重
合物、ポリスチレン、アクリル−スチレン共重合物、ポ
リエステル樹脂、クマロン樹脂、ABS樹脂、ニトロセ
ルロース等を用いることが出来る。
しては、サーマルヘッドなどによって行われる通常の感
熱記録に使用される感熱記録材料が用いられる。このよ
うな感熱記録材料としては、高分子結着剤と感熱発色材
料を主成分として構成される。高分子結着剤としては、
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ポリビニールアルコール、デンブン、スチレン−
マレイン酸共重合物、ポリメタクリル酸メチル、ポリメ
タクリル酸エチル等のメタクリル樹脂の単独または共重
合物、ポリスチレン、アクリル−スチレン共重合物、ポ
リエステル樹脂、クマロン樹脂、ABS樹脂、ニトロセ
ルロース等を用いることが出来る。
【0016】また、感熱発色材料としては、フェノール
性水酸基を有する顕色剤と無色のロイコ染料との組合せ
であり、顕色剤として4,4’−イソプロピリデンフェ
ノール、ベンジル−p−ヒドロキシベンゾエート、4,
4’−ジヒドロキシ−3,5’−ジアリルジフェニルス
ルフォン、メチルービス(ヒドロキシフェニル)アセテ
ート、没食子酸エステル、p−フェニルフェノール等が
挙げられる。ロイコ染料としてはクリスタルバイオレッ
トラクトン、3−インドリノ−3−p−ジメチルアミノ
フェニル−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチル
アミノ−7−クロロフルオラン、2−(2−クロルフェ
ニルアミン)−ジエチルアミノフルオラン、2−(2−
フルオロフェニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジ−
n−ブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−5−メチル−7−t−ブチルフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−ブチルアニリ
ノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロ
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エ
チル−p−トルイジノ)−フルオラン、3−ピロリジノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジ
ノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−N−メ
チルシクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−N−エチルペンチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン等を挙げることが出来る。
性水酸基を有する顕色剤と無色のロイコ染料との組合せ
であり、顕色剤として4,4’−イソプロピリデンフェ
ノール、ベンジル−p−ヒドロキシベンゾエート、4,
4’−ジヒドロキシ−3,5’−ジアリルジフェニルス
ルフォン、メチルービス(ヒドロキシフェニル)アセテ
ート、没食子酸エステル、p−フェニルフェノール等が
挙げられる。ロイコ染料としてはクリスタルバイオレッ
トラクトン、3−インドリノ−3−p−ジメチルアミノ
フェニル−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチル
アミノ−7−クロロフルオラン、2−(2−クロルフェ
ニルアミン)−ジエチルアミノフルオラン、2−(2−
フルオロフェニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジ−
n−ブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−5−メチル−7−t−ブチルフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−ブチルアニリ
ノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロ
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エ
チル−p−トルイジノ)−フルオラン、3−ピロリジノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジ
ノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−N−メ
チルシクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−N−エチルペンチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン等を挙げることが出来る。
【0017】不可逆性感熱記録層14は3〜5μmの厚
さに形成される。
さに形成される。
【0018】コントラスト付与層16は、可逆性感熱記
録層18の記録を視認し易いように、不可逆性感熱記録
層14との間にコントラスト付与するための層である。
すなわち、不可逆性感熱記録層14は通常の書き込みを
おこなっていない状態では白色であり、可逆性感熱記録
層18は書き込みを行っていない時に透明状態、書き込
みを行った場合に白濁状態となるから、可逆性感熱記録
層18上の記録は白色のベース上に透明または白濁状態
で記録されるため、そのままでは極めて見づらいものと
なる。このような見づらさをなくすため、コントラスト
付与層16が設けられている。
録層18の記録を視認し易いように、不可逆性感熱記録
層14との間にコントラスト付与するための層である。
すなわち、不可逆性感熱記録層14は通常の書き込みを
おこなっていない状態では白色であり、可逆性感熱記録
層18は書き込みを行っていない時に透明状態、書き込
みを行った場合に白濁状態となるから、可逆性感熱記録
層18上の記録は白色のベース上に透明または白濁状態
で記録されるため、そのままでは極めて見づらいものと
なる。このような見づらさをなくすため、コントラスト
付与層16が設けられている。
【0019】コントラスト付与層16は、アルミニウ
ム、スズ等の金属蒸着膜により数百オングストローム、
好ましくは300〜400オングストロームの厚さに形
成される。コントラスト付与層16は、不可逆性感熱記
録層14の加熱発色時には不可逆性感熱記録層14が溶
融するため、その樹脂中に分散し、混合されて金属膜が
消失する。したがって、コントラスト付与層16の存在
は不可逆性感熱記録層14の発色性に、大きな影響を及
ぼすことはない。
ム、スズ等の金属蒸着膜により数百オングストローム、
好ましくは300〜400オングストロームの厚さに形
成される。コントラスト付与層16は、不可逆性感熱記
録層14の加熱発色時には不可逆性感熱記録層14が溶
融するため、その樹脂中に分散し、混合されて金属膜が
消失する。したがって、コントラスト付与層16の存在
は不可逆性感熱記録層14の発色性に、大きな影響を及
ぼすことはない。
【0020】可逆性感熱記録層18は可逆性感熱記録材
料によって構成される。可逆性感熱記録材料としては、
特開昭57-109695 号、特開平2-187389 号などに記載さ
れているように、ポリエステルなどの樹脂と、樹脂中に
分散された有機低分子物質からなっている。可逆性感熱
記録層18は、加熱温度を選択することによって有機低
分子物質の屈折率が樹脂の屈折率と等しくなったり、異
なったりするため、透明度が変化する。すなわち、図6
に示すように、予め温度T0 以下で白濁状態にある場合
に、この状態から温度T1 〜T2 まで加熱した後、温度
T0 以下に冷却(矢印A)すると、有機低分子物質の屈
折率が樹脂の屈折率とほぼ等しくなるため、可逆性感熱
記録層18は透明状態に変化する。この場合には、金属
膜のコントラスト付与層16があるため、可逆性感熱記
録層18の表面は銀色に見える。
料によって構成される。可逆性感熱記録材料としては、
特開昭57-109695 号、特開平2-187389 号などに記載さ
れているように、ポリエステルなどの樹脂と、樹脂中に
分散された有機低分子物質からなっている。可逆性感熱
記録層18は、加熱温度を選択することによって有機低
分子物質の屈折率が樹脂の屈折率と等しくなったり、異
なったりするため、透明度が変化する。すなわち、図6
に示すように、予め温度T0 以下で白濁状態にある場合
に、この状態から温度T1 〜T2 まで加熱した後、温度
T0 以下に冷却(矢印A)すると、有機低分子物質の屈
折率が樹脂の屈折率とほぼ等しくなるため、可逆性感熱
記録層18は透明状態に変化する。この場合には、金属
膜のコントラスト付与層16があるため、可逆性感熱記
録層18の表面は銀色に見える。
【0021】さらに、これを温度T3 〜T4 に加熱した
後、温度T0 以下に冷却(矢印B)すると、有機低分子
物質の屈折率が樹脂の屈折率と異なるため光散乱をおこ
し、可逆性感熱記録層18は再び白濁状態に変化する。
この場合には、可逆性感熱記録層18の表面は白色に見
える。
後、温度T0 以下に冷却(矢印B)すると、有機低分子
物質の屈折率が樹脂の屈折率と異なるため光散乱をおこ
し、可逆性感熱記録層18は再び白濁状態に変化する。
この場合には、可逆性感熱記録層18の表面は白色に見
える。
【0022】また、可逆性感熱記録層18を温度T0 〜
T1 またはT2 〜T3 に加熱した後、温度T0 以下に冷
却(矢印CまたはD)すると、可逆性感熱記録層18は
透明と白濁の中間の状態となる。したがって、銀色と白
色の中間色が見える。
T1 またはT2 〜T3 に加熱した後、温度T0 以下に冷
却(矢印CまたはD)すると、可逆性感熱記録層18は
透明と白濁の中間の状態となる。したがって、銀色と白
色の中間色が見える。
【0023】可逆性感熱記録層18はこのような状態変
化を繰り返し行えるものである。ここで温度T3 〜T4
が実質的に有機低分子物質の融点または凝固点である。
化を繰り返し行えるものである。ここで温度T3 〜T4
が実質的に有機低分子物質の融点または凝固点である。
【0024】上記T0 〜T4 はそれぞれ60℃、70
℃、80℃、110℃、140℃である。
℃、80℃、110℃、140℃である。
【0025】可逆性感熱記録層18に使用される樹脂と
しては、透明性が良く、機械的強度に優れ、成膜性の良
いものが好ましい。その具体例としては、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレ
ート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−
塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリ
ル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アク
リル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。このうち特
に好ましいものとしては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、
ポリエステル樹脂が該当する。
しては、透明性が良く、機械的強度に優れ、成膜性の良
いものが好ましい。その具体例としては、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレ
ート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−
塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリ
ル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アク
リル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。このうち特
に好ましいものとしては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、
ポリエステル樹脂が該当する。
【0026】有機低分子物質としては、アルカノール、
アルカンジオール、ハロゲンアルカノールまたはハロゲ
ンアルカンジオール、アルキルアミン、アルカン、アル
ケン、アルキン、ハロゲンアルカン、ハロゲンアルケ
ン、ハロゲンアルキン、シクロアルカン、シクロアルケ
ン、シクロアルキン、飽和または不飽和モノまたはジカ
ルボン酸またはこれらのエステル、アミド、またはアン
モニウム塩、飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸またはこ
れらのエステル、アミド、またはアンモニウム塩、アク
リルカルボン酸またはこれらのエステル、アミド、また
はアンモニウム塩、ハロゲンアクリルカルボン酸または
これらのエステル、アミド、またはアンモニウム塩、チ
オアルコール、チオカルボン酸またはこれらのエステ
ル、アミド、またはアンモニウム塩、チオアルコールの
カルボン酸エステルなどで、その炭素数は10〜40、
分子量としては100〜700のものが挙げられる。特
に好ましいものとしては、融点が50〜150℃の範囲
にあるラウリン酸、バルミチン酸、ステアリン酸、アラ
キン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸、またはこれらのエ
ステル、アミド、またはアンモニウム塩である。
アルカンジオール、ハロゲンアルカノールまたはハロゲ
ンアルカンジオール、アルキルアミン、アルカン、アル
ケン、アルキン、ハロゲンアルカン、ハロゲンアルケ
ン、ハロゲンアルキン、シクロアルカン、シクロアルケ
ン、シクロアルキン、飽和または不飽和モノまたはジカ
ルボン酸またはこれらのエステル、アミド、またはアン
モニウム塩、飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸またはこ
れらのエステル、アミド、またはアンモニウム塩、アク
リルカルボン酸またはこれらのエステル、アミド、また
はアンモニウム塩、ハロゲンアクリルカルボン酸または
これらのエステル、アミド、またはアンモニウム塩、チ
オアルコール、チオカルボン酸またはこれらのエステ
ル、アミド、またはアンモニウム塩、チオアルコールの
カルボン酸エステルなどで、その炭素数は10〜40、
分子量としては100〜700のものが挙げられる。特
に好ましいものとしては、融点が50〜150℃の範囲
にあるラウリン酸、バルミチン酸、ステアリン酸、アラ
キン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸、またはこれらのエ
ステル、アミド、またはアンモニウム塩である。
【0027】樹脂と有機低分子物質の混合比としては、
重量比で樹脂100部に対して有機低分子物質が5部〜
200部の範囲にあるものが好ましく、10部〜100
部がより好ましい。
重量比で樹脂100部に対して有機低分子物質が5部〜
200部の範囲にあるものが好ましく、10部〜100
部がより好ましい。
【0028】また、不可逆性感熱記録層14は溶剤によ
り溶解すると発色するため、可逆性感熱記録層18に使
用される溶剤は、前記不可逆性感熱記録層14を浸さ
ず、尚かつ可逆性感熱記録層18に使用される樹脂の溶
解性がよく、有機低分子物質の分散性が良好なものがよ
く、好ましくはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素、又はシクロヘキ
サン等のシクロアルカン類、あるいはこれらの混合物が
使用される。
り溶解すると発色するため、可逆性感熱記録層18に使
用される溶剤は、前記不可逆性感熱記録層14を浸さ
ず、尚かつ可逆性感熱記録層18に使用される樹脂の溶
解性がよく、有機低分子物質の分散性が良好なものがよ
く、好ましくはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素、又はシクロヘキ
サン等のシクロアルカン類、あるいはこれらの混合物が
使用される。
【0029】印刷層20および24は、印刷などによっ
て形成される層である。本実施例においては、カードの
表面に設けられた印刷層24に所望の文字、模様などの
可視情報が印刷によって形成され、カードの裏面に設け
られた印刷層20は可逆性感熱記録層18に記録される
可視記録情報を見ることができるような色彩が付与され
る。
て形成される層である。本実施例においては、カードの
表面に設けられた印刷層24に所望の文字、模様などの
可視情報が印刷によって形成され、カードの裏面に設け
られた印刷層20は可逆性感熱記録層18に記録される
可視記録情報を見ることができるような色彩が付与され
る。
【0030】保護層22および26は、印刷層20など
の下層を保護する透明な層であり、その保護に必要な厚
みに形成される。たとえばセルロース系樹脂、ウレタン
系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ビニ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂などを用い
ることができる。これらの樹脂には、滑性を付与するも
のとしてオレオアマイド、ステアロアマイド、シリコー
ンなどを添加することができる。なお、用いる溶剤の量
をすくなくするためには、紫外線硬化型樹脂または電子
線硬化型樹脂を用いることができる。紫外線硬化型樹脂
としてはたとえば、アクリル系、エポキシ系、ポリエス
テル系などを使用することができる。
の下層を保護する透明な層であり、その保護に必要な厚
みに形成される。たとえばセルロース系樹脂、ウレタン
系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ビニ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂などを用い
ることができる。これらの樹脂には、滑性を付与するも
のとしてオレオアマイド、ステアロアマイド、シリコー
ンなどを添加することができる。なお、用いる溶剤の量
をすくなくするためには、紫外線硬化型樹脂または電子
線硬化型樹脂を用いることができる。紫外線硬化型樹脂
としてはたとえば、アクリル系、エポキシ系、ポリエス
テル系などを使用することができる。
【0031】なお、印刷層20、24および保護層2
2、26は、省略してもさしつかえない。
2、26は、省略してもさしつかえない。
【0032】上記の記録媒体は、通常の使用時には可逆
性感熱記録層18に所定の可視情報が記録される。可逆
性感熱記録層18への記録は、上記の可逆性感熱記録材
料の性質を利用し、たとえば白濁状態の可逆性感熱記録
層18の所定の部分を図6の温度T1 〜T2 まで加熱し
た後、温度T0 以下に冷却(矢印A)して透明状態に変
化させることにより行われる。このように透明状態に変
化された部分は、下のコントラスト付与層16の色彩が
見えるため銀色となり、その他の白色に見える白濁状態
の部分と区別して視認される。再度、記録する場合に
は、たとえば図6の温度T3 〜T4 以上に加熱した後、
温度T0 以下に冷却(矢印B)して白濁状態に戻す。
性感熱記録層18に所定の可視情報が記録される。可逆
性感熱記録層18への記録は、上記の可逆性感熱記録材
料の性質を利用し、たとえば白濁状態の可逆性感熱記録
層18の所定の部分を図6の温度T1 〜T2 まで加熱し
た後、温度T0 以下に冷却(矢印A)して透明状態に変
化させることにより行われる。このように透明状態に変
化された部分は、下のコントラスト付与層16の色彩が
見えるため銀色となり、その他の白色に見える白濁状態
の部分と区別して視認される。再度、記録する場合に
は、たとえば図6の温度T3 〜T4 以上に加熱した後、
温度T0 以下に冷却(矢印B)して白濁状態に戻す。
【0033】このような記録媒体において、たとえば有
効期間満了などによって使用不能となった場合には、不
可逆性感熱記録層14を図6の温度T4 以上に加熱し発
色させる。不可逆性感熱記録層14が発色して黒色にな
ると、不可逆性感熱記録層14の黒色が可逆性感熱記録
層18を通して視認され、これによって使用不能が表示
される。したがって、可逆性感熱記録層18の加熱によ
る記録ができないため、偽造、改ざんを防止することが
できる。
効期間満了などによって使用不能となった場合には、不
可逆性感熱記録層14を図6の温度T4 以上に加熱し発
色させる。不可逆性感熱記録層14が発色して黒色にな
ると、不可逆性感熱記録層14の黒色が可逆性感熱記録
層18を通して視認され、これによって使用不能が表示
される。したがって、可逆性感熱記録層18の加熱によ
る記録ができないため、偽造、改ざんを防止することが
できる。
【0034】不可逆性感熱記録層14を発色させるため
のエネルギーはたとえばその上に保護層のみが形成され
ている場合には1〜1.5mJ/dot (一辺が1/8m
m角のドット当たり1〜1.5ミリジュール)であり、
可逆性感熱記録層18を発色させるためのエネルギーは
同様の場合に0.1〜0.2mJ/dot である。したが
って、両者の間にはかなりのエネルギーの差があり、し
かも不可逆性感熱記録層14上にはコントラスト付与層
16及び可逆性感熱記録層18が設けられているから、
不可逆性感熱記録層14を発色させるためのエネルギー
はさらに大きく、エネルギーの差はさらに大きい。した
がって、可逆性感熱記録層18の加熱による記録によっ
て不可逆性感熱記録層14が発色することはない。
のエネルギーはたとえばその上に保護層のみが形成され
ている場合には1〜1.5mJ/dot (一辺が1/8m
m角のドット当たり1〜1.5ミリジュール)であり、
可逆性感熱記録層18を発色させるためのエネルギーは
同様の場合に0.1〜0.2mJ/dot である。したが
って、両者の間にはかなりのエネルギーの差があり、し
かも不可逆性感熱記録層14上にはコントラスト付与層
16及び可逆性感熱記録層18が設けられているから、
不可逆性感熱記録層14を発色させるためのエネルギー
はさらに大きく、エネルギーの差はさらに大きい。した
がって、可逆性感熱記録層18の加熱による記録によっ
て不可逆性感熱記録層14が発色することはない。
【0035】このように本記録媒体によれば、可逆性感
熱記録層18の繰り返し記録のための加熱によるエネル
ギーの蓄積によって不可逆性感熱記録層14が影響を受
けることがないため、通常の使用時において不可逆性感
熱記録層14が発色してしまうことがないことが実験に
より確められた。
熱記録層18の繰り返し記録のための加熱によるエネル
ギーの蓄積によって不可逆性感熱記録層14が影響を受
けることがないため、通常の使用時において不可逆性感
熱記録層14が発色してしまうことがないことが実験に
より確められた。
【0036】図2には、本考案による可逆性感熱記録媒
体を磁気カードに適用した実施例が示されている。図2
に示すカードにおいては、基材12と不可逆性感熱記録
層14との間に磁気層28および隠蔽層30が設けられ
ている。
体を磁気カードに適用した実施例が示されている。図2
に示すカードにおいては、基材12と不可逆性感熱記録
層14との間に磁気層28および隠蔽層30が設けられ
ている。
【0037】磁気層28は、この種の磁気記録媒体にお
いて磁気記録層として一般に用いられるものを使用すれ
ばよく、磁気ヘッドによって記録、読み取りまたは消去
が可能な磁性体材料が使用される。たとえば、磁性材料
として粒径10ミクロン以下好ましくは0.01〜5ミ
クロンのBa−フェライト、Sr−フェライト、Co被
着γ−Fe2 O3 、γ−Fe2 O3 、針状鉄粉、CrO
2 を用い、バインダー樹脂として一般に用いられるポリ
エステル系樹脂、アルキッド樹脂、ビニル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂またはそれらの混合樹脂を用いることが
できる。
いて磁気記録層として一般に用いられるものを使用すれ
ばよく、磁気ヘッドによって記録、読み取りまたは消去
が可能な磁性体材料が使用される。たとえば、磁性材料
として粒径10ミクロン以下好ましくは0.01〜5ミ
クロンのBa−フェライト、Sr−フェライト、Co被
着γ−Fe2 O3 、γ−Fe2 O3 、針状鉄粉、CrO
2 を用い、バインダー樹脂として一般に用いられるポリ
エステル系樹脂、アルキッド樹脂、ビニル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂またはそれらの混合樹脂を用いることが
できる。
【0038】バインダー樹脂と磁性材料との混合比は、
基材12との接着性や塗膜強度および磁気ヘッドによる
検出電圧などを考慮して適宜設定される。通常、重量比
で前者/後者が1〜1/10の範囲、好ましくは1/2
〜1/8が適宜である。なお、磁気層28の厚さは通
常、5〜20ミクロン程度である。
基材12との接着性や塗膜強度および磁気ヘッドによる
検出電圧などを考慮して適宜設定される。通常、重量比
で前者/後者が1〜1/10の範囲、好ましくは1/2
〜1/8が適宜である。なお、磁気層28の厚さは通
常、5〜20ミクロン程度である。
【0039】隠蔽層30は、磁気層28の色を隠蔽する
ためと可逆性感熱記録層18とのコントラストをとるた
めの層であり、たとえばAl,Sn,Pbなどの金属薄
膜が用いられるが、磁気層28より上側に前記コントラ
スト付与層16が形成されている場合には、コントラス
ト付与層16が磁気層28の色を隠蔽する効果も合わせ
もつため、隠蔽層30は省略することができる。
ためと可逆性感熱記録層18とのコントラストをとるた
めの層であり、たとえばAl,Sn,Pbなどの金属薄
膜が用いられるが、磁気層28より上側に前記コントラ
スト付与層16が形成されている場合には、コントラス
ト付与層16が磁気層28の色を隠蔽する効果も合わせ
もつため、隠蔽層30は省略することができる。
【0040】上記のカードは、磁気層28に所定の磁気
記録が行われるとともに、可逆性感熱記録層18に所定
の可視情報が記録される。可逆性感熱記録層18への記
録は、前述のように可逆性感熱記録材料の性質を利用
し、所定の温度に加熱することにより行われる。
記録が行われるとともに、可逆性感熱記録層18に所定
の可視情報が記録される。可逆性感熱記録層18への記
録は、前述のように可逆性感熱記録材料の性質を利用
し、所定の温度に加熱することにより行われる。
【0041】図3には、本考案による可逆性感熱記録媒
体を磁気カードに適用した他の実施例が示されている。
図3に示すカードにおいては、カードの基材12の裏面
側には磁気層28、隠蔽層30が積層され、不可逆性感
熱記録層14、コントラスト付与層16および可逆性感
熱記録層18はカードの表面側に設けられている。した
がって、この場合には表面の保護層22および印刷層2
0を通して可逆性感熱記録層18および不可逆性感熱記
録層14に記録された情報を見ることになる。
体を磁気カードに適用した他の実施例が示されている。
図3に示すカードにおいては、カードの基材12の裏面
側には磁気層28、隠蔽層30が積層され、不可逆性感
熱記録層14、コントラスト付与層16および可逆性感
熱記録層18はカードの表面側に設けられている。した
がって、この場合には表面の保護層22および印刷層2
0を通して可逆性感熱記録層18および不可逆性感熱記
録層14に記録された情報を見ることになる。
【0042】図4には、本考案による可逆性感熱記録媒
体をカードに適用した他の実施例が示されている。図4
に示すカードにおいては、カードの裏面および表面の双
方に不可逆性感熱記録層14、コントラスト付与層16
および可逆性感熱記録層18が設けられている。このカ
ードの場合には、カードの両面に可逆性感熱記録材料に
よる感熱記録を行うことができ、それぞれの可逆性感熱
記録の偽造、改ざんがそれぞれの側に設けられた不可逆
性感熱記録層14によって防止される。
体をカードに適用した他の実施例が示されている。図4
に示すカードにおいては、カードの裏面および表面の双
方に不可逆性感熱記録層14、コントラスト付与層16
および可逆性感熱記録層18が設けられている。このカ
ードの場合には、カードの両面に可逆性感熱記録材料に
よる感熱記録を行うことができ、それぞれの可逆性感熱
記録の偽造、改ざんがそれぞれの側に設けられた不可逆
性感熱記録層14によって防止される。
【0043】図5には、本考案による可逆性感熱記録媒
体を磁気カードに適用した他の実施例が示されている。
このカードにおいては、基材12の一方の面側に磁気層
28、不可逆性感熱記録層14、コントラスト付与層1
6および可逆性感熱記録層18が形成され、他方の面側
に不可逆性感熱記録層14、コントラスト付与層16お
よび可逆性感熱記録層18が設けられている。印刷層2
0、24、保護層22、26は両面に設けられている。
この磁気カードによれば、磁気記録が片側のみなされる
が、可逆性感熱記録材料による感熱記録はカードの両面
において行われ、いずれの面においても不可逆性感熱記
録層14により偽造、改ざんのチェックが行われる。
体を磁気カードに適用した他の実施例が示されている。
このカードにおいては、基材12の一方の面側に磁気層
28、不可逆性感熱記録層14、コントラスト付与層1
6および可逆性感熱記録層18が形成され、他方の面側
に不可逆性感熱記録層14、コントラスト付与層16お
よび可逆性感熱記録層18が設けられている。印刷層2
0、24、保護層22、26は両面に設けられている。
この磁気カードによれば、磁気記録が片側のみなされる
が、可逆性感熱記録材料による感熱記録はカードの両面
において行われ、いずれの面においても不可逆性感熱記
録層14により偽造、改ざんのチェックが行われる。
【0044】
【考案の効果】本考案の可逆性感熱記録媒体によれば、
不可逆性感熱記録層、コントラスト付与層の上に可逆性
感熱記録層が設けられ、不可逆性感熱記録層は可逆性感
熱記録層の透明度の状態が変化を生じる温度領域よりも
高い温度において発色するようにされているから、不可
逆性感熱記録層を発色させることにより可逆性感熱記録
層の記録の偽造、改ざんを防止することができる。ま
た、可逆性感熱記録層の加熱による記録によって不可逆
性感熱記録層が発色することはない。
不可逆性感熱記録層、コントラスト付与層の上に可逆性
感熱記録層が設けられ、不可逆性感熱記録層は可逆性感
熱記録層の透明度の状態が変化を生じる温度領域よりも
高い温度において発色するようにされているから、不可
逆性感熱記録層を発色させることにより可逆性感熱記録
層の記録の偽造、改ざんを防止することができる。ま
た、可逆性感熱記録層の加熱による記録によって不可逆
性感熱記録層が発色することはない。
【図1】本考案による可逆性感熱記録媒体をカードに適
用した実施例を示す断面図である。
用した実施例を示す断面図である。
【図2】本考案による可逆性感熱記録媒体を磁気カード
に適用した実施例を示す断面図である。
に適用した実施例を示す断面図である。
【図3】本考案による可逆性感熱記録媒体を磁気カード
に適用した実施例を示す断面図である。
に適用した実施例を示す断面図である。
【図4】本考案による可逆性感熱記録媒体をカードに適
用した実施例を示す断面図である。
用した実施例を示す断面図である。
【図5】本考案による可逆性感熱記録媒体を磁気カード
に適用した実施例を示す断面図である。
に適用した実施例を示す断面図である。
【図6】可逆性感熱記録材料の状態変化を示す図であ
る。
る。
12 基材 14 不可逆性感熱記録層 16 コントラスト付与層 18 可逆性感熱記録層 20 印刷層 22 保護層 24 印刷層 26 保護層 28 磁気層 30 隠蔽層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/26 - 5/38
Claims (3)
- 【請求項1】 加熱温度に依存して可逆的に透明度が変
化する可逆性感熱記録層を有し、該可逆性感熱記録層が
加熱されることにより所定の情報が記録される可逆性感
熱記録媒体において、該記録媒体は、 加熱によって発色し、発色部分が冷却によっても変化し
ない不可逆性感熱記録層と、金属蒸着層により形成され、 該不可逆性感熱記録層上に
設けられたコントラスト付与層と、 該コントラスト付与層上に設けられた前記可逆性感熱記
録層とを有し、 前記不可逆性感熱記録層は、前記可逆性感熱記録層の透
明度の状態が変化を生じる温度領域よりも高い温度にお
いて発色することを特徴とする可逆性感熱記録媒体。 - 【請求項2】 請求項1に記載の記録媒体において、該
記録媒体はさらに、 基材と、該基材上に設けられた磁気記録層とを有し、 該磁気記録層の上側に前記不可逆性感熱記録層、コント
ラスト付与層および可逆性感熱記録層が設けられ、 前記可逆性感熱記録層上に印刷層および保護層が設けら
れていることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の記録媒体にお
いて、前記可逆性感熱記録層は、溶剤として芳香族炭化
水素、脂肪族炭化水素、又はシクロアルカン類、あるい
はこれらの混合物を含むことを特徴とする可逆性感熱記
録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992072134U JP2598731Y2 (ja) | 1992-09-22 | 1992-09-22 | 可逆性感熱記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992072134U JP2598731Y2 (ja) | 1992-09-22 | 1992-09-22 | 可逆性感熱記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0629860U JPH0629860U (ja) | 1994-04-19 |
JP2598731Y2 true JP2598731Y2 (ja) | 1999-08-16 |
Family
ID=13480520
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992072134U Expired - Fee Related JP2598731Y2 (ja) | 1992-09-22 | 1992-09-22 | 可逆性感熱記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2598731Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3802115B2 (ja) * | 1995-12-20 | 2006-07-26 | 大日本印刷株式会社 | 偽造防止印刷物 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03180389A (ja) * | 1989-12-11 | 1991-08-06 | Tomoegawa Paper Co Ltd | 感熱記録媒体 |
JPH0664314A (ja) * | 1992-08-25 | 1994-03-08 | Toppan Printing Co Ltd | 感熱記録媒体 |
-
1992
- 1992-09-22 JP JP1992072134U patent/JP2598731Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0629860U (ja) | 1994-04-19 |
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