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JP2002127600A - 複合感熱記録層、感熱記録体、感熱記録層転写シート、感熱記録層貼付用ラベル、および記録方法 - Google Patents

複合感熱記録層、感熱記録体、感熱記録層転写シート、感熱記録層貼付用ラベル、および記録方法

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Publication number
JP2002127600A
JP2002127600A JP2000320337A JP2000320337A JP2002127600A JP 2002127600 A JP2002127600 A JP 2002127600A JP 2000320337 A JP2000320337 A JP 2000320337A JP 2000320337 A JP2000320337 A JP 2000320337A JP 2002127600 A JP2002127600 A JP 2002127600A
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JP
Japan
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layer
heat
recording layer
sensitive
composite
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000320337A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Takahashi
淳 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2000320337A priority Critical patent/JP2002127600A/ja
Publication of JP2002127600A publication Critical patent/JP2002127600A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可逆性感熱記録層および感熱記録層を重ねて
使用する際に、各々の層への記録または消去を独立に行
なえるようにすることを課題とするものである。 【解決手段】 基材12上に感熱破壊層2、近赤外吸収
性層5、透明断熱性層3、および可逆性感熱記録層4を
順に積層することにより課題を解決することができた。
さらに基材12〜光学記録層2間に着色層6、最上層に
保護層8等が積層してあってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近赤外レーザー光
照射時の近赤外吸収性層の光熱変換による発熱を用いた
感熱破壊記録が可能な層と、サーマルヘッド等による熱
記録および熱消去が可能な層とが重なっていながら、各
々の層への熱記録もしくは熱消去の際に、他の層への影
響を解消し得る複合感熱記録層、および、そのような複
合感熱記録層を備えた感熱記録体に関するものである。
特に、本発明は、感熱記録が可能な層の側、即ち一方の
側から近赤外レーザー光等照射時の近赤外吸収性層の光
熱変換による発熱を用いた感熱破壊記録と、サーマルヘ
ッド等による熱記録および熱消去とを行なうタイプの感
熱記録体に関するものである。また、本発明は、そのよ
うな複合感熱記録層を、カード等の被着体に適当するの
に適した感熱記録層転写シート、および、感熱記録層貼
付用ラベルにも関するものである。さらにまた、本発明
は、上記の複合感熱記録層、感熱記録体、感熱記録層転
写シート、および感熱記録層貼付用ラベルに対して記録
を行なう記録方法にも関するものである。
【0002】
【従来の技術】カード類においては、必要の都度、個別
の情報等を印字して記録体とし、依頼者に提供すること
が行なわれている。この場合において、IDカードの素
となるカード(個別情報の記録してないもの)として
は、カード自身が、情報を保持し得る素材であることも
多いが、さらに加えて、情報等の印字が即時に行なえる
ことを可能とするため、印字の際に与えられるエネルギ
ーにより色相や光の反射性等が変化する材料や、あるい
は印字により外部から与えられる色材を受容する材料を
用いて、印字可能区域を形成しておくことが多い。
【0003】例えば、プラスチック製のカードは、その
素材であるプラスチックがエンボス適性を有するので、
クレジットカードの番号、契約者の氏名、有効期限等を
凹凸文字の形成により記録できる。また、カード基材、
あるいは、特別に積層した染料受容性の樹脂層に対し
て、昇華性染料を含むインクリボンを用いて、文字や顔
写真等の画像を出力したり、インキ受容性の層を形成し
て、契約者に署名させることも行なわれている。
【0004】あるいは、交通機関用の料金前払い方式の
カードにおいては、一方の面に感熱発色性の記録層が形
成されており、利用の都度、利用内容、徴収料金、およ
び残高等が印字され、定期乗車券等においても、同様な
感熱発色性の記録層に発行の際に内容が印字される。
【0005】ところで、上記のようなカード類や、カー
ド以外の情報記録体において、全く白紙の状態のものを
準備して、発行の都度、すべての情報を印字することは
少ない。というのは、発行の際に用いられる印字手段
は、その性能に限りがあるからである。例えば、レーザ
ー光を用いる記録によれば、微細な記録ができるが、素
材が限られ、2値的な記録しか行なえないし、昇華転写
方式によれば、良質なカラー画像が得られるが、処理速
度が遅く、全面への記録には向かない。また、感熱記録
によれば、処理速度は速いが、単色の2値的な記録に限
られる等である。
【0006】そこで、実際の運用では、発行の際に印字
する情報量を可能な限り、少なくしている。例えば、ク
レジットカードや銀行の預貯金用カードにおいては、発
行会社名、もしくは銀行名、カードの名称、表面の絵
柄、「有効期限」等の項目名、注意書等を通常の印刷方
式により印刷したものをストックしておき、発行の際に
は、磁気ストライプへの情報の記録、エンボス文字によ
るカードの発行番号、契約者氏名、および有効期限等の
形成を行なう。あるいは、定期券の場合には、表側に鉄
道会社のマーク等をデザインした地紋、および裏側に注
意書等を印刷しておき、発行の際、表側に購入者の氏
名、年齢、乗車区間、経由、有効期限等を印字する。
【0007】しかしながら、発行の際に印字する幾種類
かの情報を同じ手法で記録してあると、偽造・変造を企
てる者にとっては、記録手段の準備、および記録が容易
になるため、偽造・変造の困難性を増す目的で、異なる
複数の記録手段を併用し、しかも、同じ区域に重ねて記
録することが望まれる。
【0008】選択する記録手段としては種々あるもの
の、カード等の発行の際に出力される情報に応じた印字
が高速で行なえる点で、主としてサーマルヘッドによる
感熱記録が行なわれている。サーマルヘッドによる感熱
記録が行なえる材料は、ロイコ染料と酸性顕色剤等の二
成分系の感熱発色層(不可逆発色)と、樹脂マトリック
ス中に脂肪酸等を分散させた熱記録および熱消去の可能
な可逆性感熱記録層や比較的低融点の金属薄膜を用いた
感熱破壊層がある。
【0009】しかし、これら二種類の層を重ね、接触式
のサーマルヘッドにより記録を行なおうとすると、常に
ヘッドの接触する側より熱が伝達されるため、各々の層
に独立して記録することは不可能である。例えば下層に
記録を行なおうとする場合でも、熱の影響により、目的
としない上層に対しても記録(上層が可逆性感熱記録層
の場合は、記録または消去)が行なわれてしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明におい
ては、二種類の、いずれも熱的な記録が行なわれる記録
層を重ねて使用する際に、各々の層への記録を独立して
行なうことを可能にすること、特に、感熱破壊層、およ
び熱記録および熱消去の可能な可逆性感熱記録層とを重
ねて使用する際に、各々の層への記録(場合によっては
消去)を独立して行なうことを可能とすることを課題と
するものである。
【0011】
【課題を解決する手段】上記の課題は、互いに上下に重
ねられ、いずれも熱的な記録(もしくは消去)が行なえ
る層として、上層側には、サーマルヘッドによる接触方
式の感熱記録(もしくは消去)を行ない、下層側には、
近赤外吸収性層を被覆しておき、低出力の近赤外レーザ
ー光を照射することによって発生した熱を利用すること
により、光接触方式の感熱記録を行なうことのより、解
消することが判明した。
【0012】第1の発明は、少なくとも、感熱破壊層、
近赤外吸収性層、透明断熱性層、および可逆性感熱記録
層の各層が順に積層されたことを特徴とする複合感熱記
録層に関するものである。第2の発明は、第1の発明に
おいて、前記感熱破壊層の前記近赤外吸収性層とは反対
側に着色層が積層されていることを特徴とする複合感熱
記録層に関するものである。第3の発明は、第1または
第2の発明において、前記可逆性感熱記録層は、発色後
に近赤外領域において吸収のない染料前駆体を含有して
いることを特徴とする複合感熱記録層に関するものであ
る。第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明におい
て、前記複合感熱記録層の前記感熱破壊層側の露出面
に、接着剤層が積層されていることを特徴とする複合感
熱記録層に関するものである。第5の発明は、基材上の
少なくとも一部に、請求項1〜4いずれか記載の複合感
熱記録層の前記感熱破壊層側が前記基材側を向いて、積
層されていることを特徴とする感熱記録体に関するもの
である。第6の発明は、請求項1〜4いずれか記載の複
合感熱記録層の前記可逆性感熱記録層側が、剥離性基材
シートの剥離性面上に積層されたことを特徴とする感熱
記録層転写シートに関するものである。第7の発明は、
請求項1〜4いずれか記載の複合感熱記録層の前記可逆
性感熱記録層側が透明基材シートに積層されていること
を特徴とする感熱記録層貼付用ラベルに関するものであ
る。第8の発明は、請求項1〜4いずれか記載の複合感
熱記録層の各要件を備えており、かつ透明断熱性層が透
明基材シートであることを特徴とする感熱記録層貼付用
ラベルに関するものである。第9の発明は、請求項1〜
4いずれか記載の複合感熱記録層、請求項5記載の感熱
記録体、請求項6記載の感熱記録層転写シート、または
請求項7もしくは8記載の感熱記録層貼付用ラベルの前
記近赤外吸収性層に対して、近赤外レーザー光を照射し
て光熱変換により発熱させ、生じた熱により感熱破壊層
に感熱破壊記録を行なうこと、および前記可逆性感熱記
録層に対して、加熱された記録手段を接触させて熱記録
または/および熱消去を行なうことからなる記録方法に
関するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の特徴的な部分で
ある複合感熱記録層1を示すもので、基本的には、図1
(a)に示すように、下から、金属薄膜等からなる感熱
破壊層2、近赤外吸収性層5、透明樹脂等からなる透明
断熱性層3、および、高分子マトリックスと脂肪酸等か
らなる可逆性感熱記録層4とが順に積層されたものであ
る。この複合感熱記録層1は、カード基材等の被着体上
に、感熱破壊層2側が接するように積層して使用すると
よい。
【0014】上記の基本的な積層構造に対し、種々の層
を積層して、機能を向上させることができる。以下に、
図2、および図3を引用して、それらの層の追加につい
て説明する。
【0015】図2に示すように、複合感熱記録層1に
は、最下層に着色層6が積層されていてもよい。着色層
6の追加により、感熱破壊層2に細かい開孔部により形
成された記録の視認性が増す。図2においては、ちょう
ど、図1に示した複合感熱記録層1の最下層に着色層6
を追加して積層した構造に相当するものを示している。
後に述べるように、着色層6は、磁性材粉末を含有する
磁気記録層であってもよい。
【0016】図3においては、以上の説明で登場しなか
った、保護層8を最上層に、また最下層に接着剤層7が
追加して積層された構造を示す。保護層8、および接着
剤層7の積層は、図1、および図2に示したような各構
造に対し、保護層8のみ最上層に追加して積層する、接
着剤層7のみ最下層に追加して積層する、もしくは保護
層8を最上層に積層すると共に接着剤層7を最下層に積
層する、の場合があり得る。
【0017】図4は、被着体としてカード基材等の基材
12上に、上記の複合感熱記録層が積層された状態を示
すもので、図4(a)においては、図1(a)に示す複
合感熱記録層1が積層されており、図4(b)において
は、図3に示す複合感熱記録層1の最下層の接着剤層7
を省いたものが、基材12上に積層されている。いずれ
も、積層し得る複合感熱記録層1を例示したに過ぎず、
今まで述べたいずれの複合感熱記録層も基材12上に積
層し得る。
【0018】なお、複合感熱記録層1と基材2の積層に
あたり、複合感熱記録層1は、基材12の全面に積層さ
れていても、基材12の一部に積層されていてもよく、
基材12上の一個所に積層されていても、複数箇所に積
層されていてもよい。また、複合感熱記録層1は、基材
12の片面にのみ積層されていてもよいが、基材12の
表裏の両面に積層されていてもよい。
【0019】基材12上に複合感熱記録層1を積層する
際に、図4(a)および図4(b)に示したように、単
に基材12の上に載せて固着する以外に、基材12が複
数のシートの積層体で構成されているときは、そのよう
な積層体の表面のみならず、基材を構成する複数のシー
トの間に積層することもできる。例えば、一般的なクレ
ジットカードもしくは銀行の預貯金用カードにおけるよ
うに、透明なオーバーシート、2枚の不透明なコアシー
ト、および透明なオーバーシートの4枚のシートの積層
体の、オーバーシートとコアシートとの間に積層しても
よい。
【0020】本発明において、上記した種々の態様の複
合感熱記録層1は、基材12上に、基材12に接する側
から逐次、塗付等(一部は蒸着等)により積層すること
によって積層することもできるが、基材12とは別個の
フレキシブルな基材シート上に積層形成した、複合感熱
記録層を適用する積層体を一旦形成し、形成された積層
体を基材12に積層する方が、工業上、都合がよく、こ
のような積層体の形態として、転写シートとラベルの2
タイプがある。
【0021】図5(a)および図5(b)は、そのよう
な転写シート21のタイプの例を示しており、図5
(a)に示すものは、剥離性基材シート22の剥離性面
(図では下面)に、可逆性感熱記録層4、透明断熱性層
3、近赤外吸収性層5、感熱破壊層2、着色層6、およ
び接着剤層7の各層が下に向かって順に積層されたもの
である。また、図5(b)に示すものは、剥離性基材シ
ート21の剥離性面に、まず、保護層8が積層されてお
り、その他は、図5(a)に示すものと同様のものであ
る。いずれの転写シートも、接着剤層7側を被着体側と
して被着体である基材12上に置き、剥離性基材シート
21の上面側より加熱および/または加圧して、接着さ
せた後、剥離性基材シート21を剥離することにより、
基材12上に、複合感熱記録層を転写するものである。
【0022】なお、上記において、複合感熱記録層とし
ては、上記した以外の、今までに述べたいずれのものを
剥離性基材シートの剥離性面に有していてもよい。接着
剤層7は、工業上の都合から言えば、積層してある方が
よいが、転写の際に接着剤が適用できるか、被着体上に
予め接着剤層が積層されているような場合には省くこと
もできる。この転写シートの構成における剥離性基材シ
ートと転写される層との間の剥離に関しては、種々の層
を介在させることができる。例えば、基材シートと複合
感熱記録層との間の剥離性が乏しいときには、基材シー
トに剥離性層を積層して、剥離性を付与する。この剥離
性層は転写の際に、基材シート側に残留する。
【0023】複合感熱記録層1の最も剥離性基材シート
側には、基材シート21もしくは剥離性層からの剥離を
容易にする離型性層を積層してもよく、離型性層の存在
により、離型性層と転写シートの基材シート間、剥離性
層が介在するときには剥離性層と離型性層との間の密着
性を、適度に維持すると共に、転写の際には、それらの
間が円滑に剥がれるようにするものである。保護層8を
積層する場合には、保護層8に離型剤を含有させて、保
護層8と離型性層とを兼ねることもできる。
【0024】図6は、ラベルのタイプの例を示すもの
で、図6(a)に示すものは、透明基材シート32の下
面に、可逆性感熱記録層4、透明断熱性層3、近赤外吸
収性層5、感熱破壊層2、着色層6、および接着剤層7
とが下に向かって順に積層された積層体からなるラベル
31である。このラベル31は、接着剤層7側を被着体
側として被着体である基材12上に置き、透明基材シー
ト32の上面側より加熱および/または加圧して、接着
させることにより、基材12上に、複合感熱記録層を積
層するものである。ラベル31において、透明基材シー
ト32の下面に積層される複合感熱記録層としては、い
ままでに述べたいずれのものでもよい。
【0025】ところで、図6(a)を引用して説明した
ラベル31では、透明基材シート32が最上層であるの
で、サーマルヘッドの接触により可逆性感熱記録層4に
熱記録もしくは熱消去を行なう際には、感度の低下やに
じみをもたらす可能性があり、透明基材シート32とし
ては、好ましくは6μm以下のごく薄い物を使用する。
図6(b)に示すラベルでは、図6(a)における透明
断熱性層3をこの透明基材シート32で置き換えたもの
で、必要に応じて、このように保護層8を積層してもよ
いし、省いてもよい。この場合は、透明基材シート32
は、最上層にはないので、可逆性感熱記録層4への記録
感度を低下させることがない。
【0026】ラベル31における透明基材シート32
は、もっと下層に積層することもでき、透明基材シート
32を感熱破壊層2と近赤外吸収性層5の積層されてい
る上面もしくは下面に積層することができる。感熱破壊
層2と近赤外吸収性層5との間に透明基材シートを積層
することは避ける。感熱破壊層2が下面に着色層6を伴
なうときは、透明基材シート32を感熱破壊層2と着色
層6との間に積層してもよいが、感熱破壊層2の記録の
視認性の点では、感熱破壊層2と着色層6との間に積層
しない方が好ましいので、結局、感熱破壊層2と着色層
6とが積層されている上面もしくは下面に積層するとよ
い。ラベル31における複合断熱性層が最下面に接着剤
層7を伴なうときは、接着剤層7のすぐ上に透明基材シ
ート32を積層することができる。
【0027】可逆性感熱発色層6としては、樹脂マトリ
ックス中に有機低分子化合物を分散させたものが使用さ
れ、樹脂としては、透明性があり、機械的、また化学的
に安定で皮膜形成性のよいものが好ましく、有機低分子
化合物としては、熱により多結晶に変化するもので、融
点が50℃〜150℃であることが好ましい。
【0028】可逆性感熱発色層6の樹脂マトリックス用
の樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリ
デン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂、アクリル樹脂もしくはメタクリル樹脂、
シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、塩化
ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/アクリル酸
エステル共重合体、塩化ビニリデン/塩化ビニル共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等が用
いられる。
【0029】また、可逆性感熱発色層6中の樹脂マトリ
ックス中に分散する有機低分子化合物としては、ラウリ
ン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカン
酸、アラギン酸、もしくはオレイン酸等の高級脂肪酸、
ステアリン酸メチル、ステアリン酸テトラデシル、ステ
アリン酸オクタデシル、ラウリン酸オクタデシル、パル
ミチン酸オクタデシル、もしくはベヘン酸ドデシル等の
高級脂肪酸エステル、または高級アルコールもしくはそ
の誘導体等が用いられる。
【0030】可逆性感熱発色性層6としては、不可逆の
感熱発色性層の形成に用いるのと同様に、電子供与性物
質であるロイコ染料と、電子受容性である顕色剤との組
合わせによるものも用いることができる。この場合のロ
イコ染料としては、フタリド系化合物、アザフタリド系
化合物、フルオラン系化合物、フェニチアジン系化合
物、もしくはロイコオーラミン系化合物等が用いられ
る。また、顕色剤としては、長鎖脂肪族炭化水素基を持
つ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物、もしく
はフェノール化合物が用いられる。
【0031】透明断熱性層3は、透明樹脂、および好ま
しくは、透明樹脂中に分散した顔料とからなる。これら
は、可逆性感熱記録層の発色を妨げないものであり、ま
た、隠蔽性がないものであることが望ましい。透明断熱
性層3は、近赤外吸収性層と可逆性感熱記録層との間を
熱的に遮断する目的からすれば、厚いほどよいが、カー
ド等に適用したとき、被着体に決められている厚みの上
限を越えてしまい、読取り機に設定されているクリアラ
ンスと合わなくなること等から、薄い方がよく、実際
上、その厚みは、1〜3μmであることが好ましい。
【0032】透明樹脂としては、ポリビニルアルコー
ル、でんぷん、変性でんぷん、メチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アルキ
レン/無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリド
ン、アクリルアミド系水溶性樹脂、スチレン/ブタジエ
ン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、ア
ミド樹脂、もしくはポリウレタン樹脂等が挙げられる。
顔料としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、
珪酸塩、ゼオライト、シリカ、カオリン、クレー、もし
くは尿素ホルマリン樹脂等が挙げられる。
【0033】近赤外吸収性層5は、樹脂バインダ中に、
近赤外光を熱に変換するための光吸収剤を含有するもの
で、可逆性感熱記録層4の下層に位置するので、可逆性
感熱記録層4への記録の視認性を妨げないよう、無色ま
たは着色しているとしても淡色であることが望ましい。
【0034】近赤外吸収性層5を構成する光吸収剤とし
ては、例えば、フタロシアニン系、ナフタロシアニン
系、ビスチオウレア系化合物、スクアリリウム系、アズ
レニウム系、トリフェニルアミン系、トリスアゾ系、ジ
フェニルメタン系、トリフェニルメタン系、キノン系、
ナフトキノン系、アントラキノン系、アゾ系、インモニ
ウム系、ジインモニウム系、金属錯体系、金属硫化物と
チオウレア系化合物、もしくはリン化合物と銅化合物等
が挙げられ、これらのうちから一種または二種以上を使
用する。
【0035】感熱破壊層2は、近赤外レーザー光等の照
射により近赤外吸収性層5において光熱変換効果によっ
て熱が発生し、その熱が伝達された部分が溶融もしくは
蒸発することにより、着色層等の下地の色が視認できる
ようになるものである。具体的には、感熱破壊層2は、
Te、Sn、In、Bi、Pb、Zn、もしくはAl等
の比較的低融点の金属薄膜であり、あるいは、これら金
属どうしの合金、もしくは、これら金属を含む化合物、
例えば、Te−C等からなる薄膜であってもよい。
【0036】これらの素材からなる薄膜の形成は、真空
蒸着法、スパッタリング法、もしくはめっき法等によっ
て行なう。薄膜の厚みは、熱による破壊が充分に起きる
よう、素材にもよるが、10nm〜1μm、より好まし
くは、50〜100nmである。なお、感熱破壊層2の
上下には、アンカー層を積層してもよい。アンカー層の
積層によりアンカー層を挟む層どうしの密着強度が向上
する上、感熱破壊層2の溶融等による破壊が円滑に生
じ、印字感度が向上する。アンカー層は、例えば、ポリ
エステル系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、も
しくはポリ塩化ビニル樹脂系等の熱可塑性樹脂、ポリウ
レタン樹脂等の熱硬化性樹脂により形成し、厚みは1μ
m程度がよい。
【0037】保護層8は、必要に応じて積層するもの
で、保護層8が最表面に積層されていることにより、カ
ード等の被着体上の複合感熱記録層の表面が、使用時に
摩擦されたり、熱を受ける等の際に、摩耗したり、熱変
形するのを防ぐもので、耐薬品性、耐水性、および耐摩
耗性等を有し、かつ、下層を透視可能とするための透視
性を有するものであることが好ましい。
【0038】保護層8は、前記したバインダ樹脂を用い
て構成するほか、表面の耐摩耗性、耐薬品性、もしくは
耐汚染性等を高度にする目的で、熱硬化性樹脂、または
電離放射栓硬化性樹脂(紫外線硬化性磁気記録層もしく
は電子線硬化性樹脂)を用いて構成してもよく、厚みと
しては0.1〜10μm程度である。なお、保護層8と
下層(例えば可逆性感熱記録層)との密着性を確保する
ため、相間にアンカー層を介在させてもよい。
【0039】着色層6は、感熱破壊層2の下層に積層す
るもので、感熱破壊層2の記録によって生じる開孔部か
らのぞいて見えるものであるので、感熱破壊層2の色相
との対比が充分得られるよう、染料もしくは顔料の着色
剤を選択して使用し、調色した塗料組成物、もしくはイ
ンキ組成物を使用し、公知の塗付方式であるロールコー
ティング、グラビアコーティング、もしくはナイフエッ
ジコーティング、または、公知の印刷方式であるグラビ
ア印刷、もしくはオフセット印刷により形成するもので
ある。また、着色層6中の着色剤は、近赤外線領域に吸
収を持つものを選択して用いると、上方の可逆性感熱記
録層中の染料前駆体として、発色後、近赤外線領域にお
いて吸収のないものを選んでおくことにより、感熱破壊
層への記録内容は見えないが、近赤外線を利用した読取
り機により読取ることができる。
【0040】そのための塗料組成物もしくはインキ組成
物は、通常、これらの調製に用いられるバインダー、お
よび顔料または/および染料からなる着色剤、溶剤もし
くは分散剤、そのほか、塗料組成物もしくはインキ組成
物に通常加える添加物を配合して、混練して得るもので
ある。
【0041】塗料組成物もしくはインキ組成物のバイン
ダーとしては、エチルセルロース、エチルヒドロキシエ
チルセルロース、セルロースアセテートプロピオネー
ト、もしくは酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポ
リスチレン、もしくはポリ−α−メチルスチレン等のス
チレン樹脂やスチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メ
チル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチ
ル、もしくはポリアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂や
メタクリル樹脂の単独あるいは共重合体、ロジン、ロジ
ン変性フェノール樹脂、もしくは重合ロジン等のロジン
エステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、クマロン樹脂、ビ
ニルトルエン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、またはブチラール樹脂等が挙げ
られる。
【0042】着色層6は、磁性材粉末を含有する磁気記
録層であってもよい。磁性材粉末は概して黒色に近い褐
色だからである。磁性材粉末としては、γ−Fe23
Co被着−Fe23、Fe34、CrO 2、Fe、Fe
−Cr、Fe−Co、Co−Cr、Co−Ni、Mn−
Al、Baフェライト、もしくはSrフェライト等の公
知のものが使用できる。
【0043】着色層6が磁性材粉末を含有する磁気記録
層である場合、そのバインダーとしては、ブチラール樹
脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹
脂、もしくはスチレン/マレイン酸共重合体樹脂が使用
できる。必要に応じてニトリルゴムもしくはウレタンエ
ラストマー等が添加される。
【0044】着色層6としての磁気記録層の形成は、上
記の磁性材粉末、およびバインダーの他、溶剤、もしく
は分散剤、界面活性剤、シランカップリング剤、可塑
剤、ワックス、シリコーンオイル、カーボン等、そのほ
かの顔料等を加えて分散させて得た塗料組成物もしくは
インキ組成物を用いグラビアコーティング、ロールコー
ティング、もしくはナイフエッジコーティング等により
行ない、1〜100μm、より好ましくは5〜20μm
の厚みとする。
【0045】接着剤層7は、本発明における複合感熱記
録層1との接着性がすぐれ、カード等の被着体の基材1
2との接着性を考慮して選んだ接着剤を用いて構成す
る。具体的な接着剤としては、塩化ビニル系樹脂、酢酸
ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、
アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ゴム変性物などが挙げられ、
これらの中から適するものを適宜選択して使用でき、ま
た、これらは単体、もしくは2種以上の混合系で、更に
必要に応じてハードレジンや可塑剤、その他の添加剤を
加えて使用することができる。
【0046】本発明において、複合感熱記録層1を転写
シート形式とする場合に使用する際の剥離性基材シート
22としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィル
ム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリカーボネートフ
ィルム、もしくはポリアミド樹脂フィルム等の耐熱性樹
脂フィルムを使用し、必要に応じて、シリコーン樹脂の
塗膜、もしくはワックス含有塗膜等を積層して表面に剥
離性を付与して使用する。
【0047】また、本発明において、複合感熱記録層1
をラベル形式とする場合に使用する際の透明基材シート
32としては、上記の剥離性基材シート22の素材とし
て挙げた耐熱性樹脂フィルムを、特別に剥離性を付与せ
ず、むしろ、必要に応じて、透明基材シート32の上面
または/および下面にアンカー剤を積層して使用すると
よい。
【0048】本発明の複合感熱記録層1、感熱記録体1
1、感熱記録層転写シート21、もしくは感熱記録層貼
付用ラベル31には、図7に示すような方法により、熱
記録もしくは熱消去を行なう。図7においては、図4
(b)に示したような感熱記録体11、即ち、基材12
側から、着色層6、感熱破壊層2、近赤外吸収性層5、
透明断熱性層3、および可逆性感熱記録層4が順に積層
されたもので、保護層を省いたものである。
【0049】図7の向かって左側に描いたように、近赤
外レーザー光源から発した近赤外レーザー光41等のレ
ーザー光を、レンズ42を用いて近赤外吸収性層5の必
要箇所43に集光させて照射し、集光部5aを発熱さ
せ、発生した熱により、集光部5aに隣接した位置にお
いて、感熱破壊層2の金属薄膜等が溶融して、その位置
から除去され、開孔部2aが生じて光接触方式での感熱
破壊記録が行なわれる。図7の例では、開孔部2aの下
層に着色層6があるので、上面から見たときには、開孔
部2aからのぞいている着色層6の色と感熱破壊層2の
素材の色とのコントラストにより、開孔部2aの視認性
が増す。
【0050】この近赤外レーザー光による感熱破壊層2
への記録において、近赤外レーザー光41を近赤外吸収
性層に集光させて使用する。可逆性感熱記録層4を通過
する際には、近赤外レーザー光41は吸収されず、発熱
は生じないため、可逆性感熱記録層4を発色させること
はない。また、近赤外吸収性層5の集光部5aで発熱し
ても、可逆性感熱記録層4との間には透明断熱性層があ
るため、下層から可逆性感熱記録層4に大きな熱量が伝
わることが防止され、やはり、可逆性感熱記録層4が発
色することはない。
【0051】また、図7の向かって右側に描いたよう
に、サーマルヘッド51を可逆性感熱記録層4に接触さ
せ、記録温度T1以上の温度で加熱することにより、接
触部において、可逆性感熱記録層4が白濁し、印字記録
が形成される。同様にして、記録温度T1より低く、か
つ常温より高い温度T2に加熱後、冷却すると全体が透
明となり、印字部は消去される。このようにして、熱記
録および熱消去が行なわれる。このサーマルヘッドによ
る可逆性感熱記録層4への熱記録もしくは熱消去におい
て、サーマルヘッド51から熱がもたらされるが、この
熱の感熱破壊層2への影響は、可逆性感熱記録層4の下
層にある透明断熱性層により防止される。なお、この場
合には、さらに下層の近赤外吸収性層5も、サーマルヘ
ッドとの関係では、断熱性層的な役目を果たす。
【0052】従って、近赤外レーザー光による光接触方
式の感熱破壊記録と、サーマルヘッドによる接触方式の
感熱記録または感熱消去、とは、独立して行なえる上、
接触方式の記録がベタ状(均一一様なこと)に行なわれ
ない限り、両方の記録は重なって見える。また、接触法
式の記録をベタ状に行なうと、非接触方式の記録を覆う
ため、特に接触方式の記録が暗色系の場合には、下層の
発色色相にかかわらず、下層の非接触方式の記録を隠蔽
することができる。なお、以上において、非接触方式の
記録と、接触方式の記録もしくは接触方式での消去は、
いずれが先でも後でも差し支えない。また、感熱破壊層
は、下方から近赤外レーザー光を照射して記録出来るよ
う構成することも可能だが、被着体の基材12に貼って
使用する場合には、感熱記録を行なう同じ側から、近赤
外レーザー光等による非接触方式の感熱破壊記録を行な
う方がよい。
【0053】上記のように、下層の感熱破壊記録が視覚
的には見えない場合でも、赤外線を用いて読取りを行な
うことを可能にできる。上層の可逆性感熱記録層4とし
て、発色後、視覚的には下層を隠蔽し、かつ近赤外領域
の吸収のないよう素材を選択しておけば、下層の感熱破
壊層2の記録が近赤外線で読取れるからである。なお、
前述したように、着色層6を伴なう場合で、しかも、着
色層6中に、近赤外線領域に吸収を持つ着色剤を選択し
て含有させておけば、近赤外線での読取りがより確実に
なる。
【0054】近赤外線を利用して読取る好ましい例とし
て、下層の感熱破壊層2には、半導体レーザー等によ
り、微細なバーコード、パスワード、IDナンバー等を
非接触方式で記録を行なっておき、上層の可逆性感熱記
録層4にはベタ状に接触方式の記録を行なっておけば、
近赤外線を光源とする読取り機によってのみ、非接触方
式の記録が読取れる。なお、先に上層の可逆性感熱記録
層4にベタ状の記録を行なってから、下層の感熱破壊層
2への記録を行なえば、非接触方式の記録の際にも、記
録内容が見えないので、セキュリティー確保の点で、よ
り好ましい。
【0055】
【実施例】(実施例1)図4(b)に示すものとほぼ同
様な層構成の感熱記録体11を、以下のようにして作製
した。基材12として厚み188μmのポリエチレンテ
レフタレート樹脂フィルム(東レ(株)製、E−20)
を準備し、着色層6、感熱破壊層2、近赤外吸収性層
5、透明断熱性層3、可逆性感熱記録層4、および保護
層8の各層を下記のようにして、順に積層形成した。た
だし、感熱破壊層2の形成は真空蒸着法によって行な
い、その他の層の形成はいずれもグラビア印刷法によっ
て行なった。各層の厚みは、乾燥後の厚みである。
【0056】着色層6は、カーボンブラックを含有させ
たポリエステル系樹脂をバインダーとする黒インキを用
いて、厚みを2μmに形成した。感熱破壊層2として
は、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体をバインダーとす
るアンカーコート剤を用いて、着色層6上に、厚み0.
5μmのアンカー層を形成した上に、厚み80nmのS
nの薄膜を形成した。近赤外吸収性層5は、近赤外光吸
収物質(ICI社製、品番;S110510)をポリビ
ニルアルコール樹脂10%水溶液、およびイソシアネー
ト系硬化剤と混合した組成物を用いて形成し、厚み2μ
mとした。透明断熱性層3は、ポリビニルアルコール樹
脂の10%水溶液を用いて形成し、厚み2μmとした。
可逆性感熱記録層4は、ステアリン酸;8部(「部」は
以降も含めて質量基準である。)、塩化ビニル/酢酸ビ
ニル/リン酸エステル共重合体;20部、および溶剤
(テトラヒドロフラン);160部を混合した組成物を
用いて形成し、厚み10μmとした。保護層8は、ウレ
タンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂を用いて、厚み
4μmになるよう形成した。
【0057】得られた感熱記録体に波長780nmの半
導体レーザー光を使用し、対物レンズの位置を調整し
て、近赤外吸収性層5の厚みの中ほどに焦点が来るよう
にしたところ、開孔部においては下層の着色層6の黒
色、非開孔部においては感熱破壊層2のSnの金属色と
からなる、コントラストのある良好な記録が行なえ、上
方の可逆性感熱記録層4には、発色等の変化は生じなか
った。また、サーマルヘッドを用いて可逆性感熱記録層
4に熱記録および熱消去を行なったところ、良好な印字
および消去が行なえた。
【0058】(実施例2)可逆性感熱記録層4を、フル
オラン系ロイコ染料(2−アニリノ−3−メチル−6−
ジブチルアミノフルオラン;10部、顕色剤(p−(γ
−オクタデシルスルホニルブタノイルアミノ)フェノキ
シ酢酸);20部、バインダー樹脂(塩化ビニル/酢酸
ビニル共重合体);35部、および溶剤(メチルエチル
ケトン);60部を混合した組成物を用いて形成し、厚
みを6μmとした。なお、組成物の調製にはサンドミル
を使用して、染料及び顕色剤の平均粒径が0.3mmと
なるようにし、塗膜の可視光、もしくは近赤外光の透過
を可能な限り、妨げないようにした。
【0059】得られた感熱記録体は、実施例1で得られ
たものと同様、感熱破壊層2、および可逆性感熱記録層
4への記録が、他方の層への影響を生じることなく行な
えた。また、感熱破壊層2にはバーコードを記録し、可
逆性感熱記録層4にはベタ印字を行なって一様に黒色に
発色させたところ、目視の状態では、バーコードは完全
に隠蔽された。この状態のものを赤外線バーコードリー
ダーを用いたところ、見かけ上は隠蔽されているバーコ
ードを読取ることができた。
【0060】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、感熱破壊層と
可逆性感熱記録層とが、透明断熱性層によって隔離され
ているので、感熱破壊層への記録、または可逆性感熱記
録層への熱記録もしくは熱消去の際に、他の層への影響
を回避して記録または消去が行なえる複合感熱記録層を
提供できる。また、感熱破壊層と透明断熱性層との間に
近赤外吸収性層が介在しているので、近赤外吸収性層が
光を熱に変換して感熱破壊層に伝えることにより、感熱
破壊層への非接触方式での感熱破壊記録が可能な複合感
熱記録層を提供できる。請求項2の発明によれば、請求
項1の発明の効果に加え、感熱破壊層の透明断熱性層と
は反対側に着色層が積層されているので、感熱破壊層に
記録がなされると開孔部から着色層がのぞいて見えるた
め、感熱破壊層との色相の対比により視認性を高くする
ことが可能な複合感熱記録層を提供できる。請求項3の
発明によれば、請求項1または2の発明の効果に加え、
可逆性感熱記録層に一様均一に発色させて、下層を見か
け上隠蔽し、しかも近赤外線による下層の情報の読取り
が可能な複合感熱記録層を提供できる。請求項4の発明
によれば、請求項1〜3いずれかの発明の効果に加え、
複合感熱記録層の前記感熱破壊層側の露出面に、接着剤
層が積層されているので、種々の被着体への貼付が容易
な複合感熱記録層を提供できる。請求項5の発明によれ
ば、請求項1〜4いずれかの発明の効果を有した複合感
熱記録層が、基材上に積層された感熱記録体を提供でき
る。請求項6の発明によれば、請求項1〜4いずれかの
発明の効果を有した複合感熱記録層が、転写シートの剥
離性面上に積層され、種々の被着体への転写による適用
が容易な転写シートを提供できる。請求項7の発明によ
れば、請求項1〜4いずれかの発明の効果を有した複合
感熱記録層が、透明基材シートに積層され、種々の被着
体への貼付による適用が容易なラベルを提供できる。請
求項8の発明によれば、透明基材シートが透明断熱性層
と置き換わった構造を有するため、請求項7と同様な効
果を有し、かつ、可逆性感熱記録層の感度低下がないラ
ベルを提供できる。請求項9の発明によれば、請求項1
〜4いずれか記載の複合感熱記録層、請求項5記載の感
熱記録体、請求項6記載の感熱記録層転写シート、また
は請求項7もしくは8記載の感熱記録層貼付用ラベルの
前記感熱破壊層を使用し、近赤外レーザー光による非接
触方式の感熱破壊記録、およびサーマルヘッドによる接
触方式の感熱記録および/または感熱消去を行なうこと
により、重ねられた可逆性感熱記録層および感熱破壊層
の各層の各々に、互いに他の記録層への影響なく記録、
または、記録および消去を施すことができる記録方法を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合感熱記録層の断面図である。
【図2】着色層を伴なった複合感熱記録層の断面図であ
る。
【図3】保護層、接着剤層を伴なった複合感熱記録層の
断面図である。
【図4】感熱記録体の断面図である。
【図5】感熱記録層転写シートの断面図である。
【図6】感熱記録層貼付用ラベルの断面図である。
【図7】感熱記録体への記録の状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 複合感熱記録層 2 感熱破壊層 3 透明断熱性層 4 可逆性感熱記録層 5 近赤外吸収性層 6 着色層 7 接着剤層 8 保護層 11 感熱記録体 12 基材(被着体) 21 感熱記録層転写シート 22 剥離性基材シート 31 感熱記録層貼付用シート 32 透明基材シート 41 近赤外レーザー光 42 レンズ 51 サーマルヘッド

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、感熱破壊層、近赤外吸収性
    層、透明断熱性層、および可逆性感熱記録層の各層が順
    に積層されたことを特徴とする複合感熱記録層。
  2. 【請求項2】 前記感熱破壊層の前記近赤外吸収性層と
    は反対側に着色層が積層されていることを特徴とする請
    求項1記載の複合感熱記録層。
  3. 【請求項3】 前記可逆性感熱記録層は、発色後に近赤
    外領域において吸収のない染料前駆体を含有しているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の複合感熱記録
    層。
  4. 【請求項4】 前記複合感熱記録層の前記感熱破壊層側
    の露出面に、接着剤層が積層されていることを特徴とす
    る請求項1〜3いずれか記載の複合感熱記録層。
  5. 【請求項5】 基材上の少なくとも一部に、請求項1〜
    4いずれか記載の複合感熱記録層の前記感熱破壊層側が
    前記基材側を向いて、積層されていることを特徴とする
    感熱記録体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4いずれか記載の複合感熱記
    録層の前記可逆性感熱記録層側が、剥離性基材シートの
    剥離性面上に積層されたことを特徴とする感熱記録層転
    写シート。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4いずれか記載の複合感熱記
    録層の前記可逆性感熱記録層側が透明基材シートに積層
    されていることを特徴とする感熱記録層貼付用ラベル。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4いずれか記載の複合感熱記
    録層の各要件を備えており、かつ透明断熱性層が透明基
    材シートであることを特徴とする感熱記録層貼付用ラベ
    ル。
  9. 【請求項9】 請求項1〜4いずれか記載の複合感熱記
    録層、請求項5記載の感熱記録体、請求項6記載の感熱
    記録層転写シート、または請求項7もしくは8記載の感
    熱記録層貼付用ラベルの前記近赤外吸収性層に対して、
    近赤外レーザー光を照射して光熱変換により発熱させ、
    生じた熱により感熱破壊層に感熱破壊記録を行なうこ
    と、および前記可逆性感熱記録層に対して、加熱された
    記録手段を接触させて熱記録または/および熱消去を行
    なうことからなる記録方法。
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