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JP2588465B2 - メカニカルパルプにおけるピッチ障害を低減させる方法 - Google Patents

メカニカルパルプにおけるピッチ障害を低減させる方法

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JP2588465B2
JP2588465B2 JP4505526A JP50552692A JP2588465B2 JP 2588465 B2 JP2588465 B2 JP 2588465B2 JP 4505526 A JP4505526 A JP 4505526A JP 50552692 A JP50552692 A JP 50552692A JP 2588465 B2 JP2588465 B2 JP 2588465B2
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    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C9/00After-treatment of cellulose pulp, e.g. of wood pulp, or cotton linters ; Treatment of dilute or dewatered pulp or process improvement taking place after obtaining the raw cellulosic material and not provided for elsewhere
    • D21C9/08Removal of fats, resins, pitch or waxes; Chemical or physical purification, i.e. refining, of crude cellulose by removing non-cellulosic contaminants, optionally combined with bleaching
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C5/00Other processes for obtaining cellulose, e.g. cooking cotton linters ; Processes characterised by the choice of cellulose-containing starting materials
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Working-Up Tar And Pitch (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、メカニカルパルプおよび/またはメカニカ
ルパルプを含む製紙パルプにおけるピッチ障害をセルラ
ーゼ/ヘミセルラーゼ処理により低減させる方法に関す
る。
メカニカルパルプには、砕木パルプ、リファイナーメ
カニカルパルプ、圧力砕木パルプ、サーモメカニカルパ
ルプおよびケミ−サーモメカニカルパルプ(CTMP)があ
る。メカニカルパルプの製造では、熱を利用して繊維を
木から主として機械的に取り出す。繊維同士を結合せし
めているリグニンが軟化するように繊維に応力を作用さ
せ、リグニンの弾性が低下した時に繊維を相互に分離す
る。
木は、その主成分(セルロース、ヘミセルロースおよ
びリグニン)に加えて、約1〜10%のピッチおよび有機
溶剤に可溶な抽出を含む。ピッチは脂肪酸、樹脂酸、グ
リセリド、等を含む。メカニカルパルプの主原料である
針葉樹材は、例えば広葉樹材と比較して、ピッチ含有量
が高い。パルプ製造工程で、ピッチ成分はパルプから分
離して自由空間、例えば白水中に入る。白水中に浮遊い
たピッチは直径0.2〜2μmの粒子形状を有し、コロイ
ド状ピッチとも呼ばれる。
製紙作業中、ピッチはパイプ、容器、ワイヤまたはプ
レス上に堆積し、紙の品質低下(例えば孔およびしみ)
や紙の破れのようなピッチ障害を引き起こすことがあ
る。また、ピッチはフェルトやワイヤの目詰まりを起こ
し、紙ウェブから水を除去し難くなることがある。ピッ
チ障害は、長時間の製造停止につながることもある。ピ
ッチ障害は、特に大量のメカニカルパルプを含む原料を
使用する場内に頻繁に起こる。
従来から、ピッチ障害を避けるために木材を屋外に長
期間(3〜6か月以上)貯蔵している。この方法では、
ピッチ成分が空気の酸化作用により分解される。ピッチ
粒子を分散させるタルクのような無機物質や陰イオン系
界面活性剤もピッチ障害を防ぐために使用されている。
フィンランド特許出願第870072号は、ある種の水溶性
ポリ第四級アミンを使用するピッチ防止方法を開示して
いる。これらの化合物をパルプまたは製紙系に加えてピ
ッチ障害を防止する。
フィンランド特許出願第900679号は、木材中に存在す
るピッチや樹脂成分を分解する菌類を使用して木材のピ
ッチ含有量を下げる方法を開示している。
フィンランド特許特許出願第895901号は、原料または
白水にアシルグリセロールパーゼ酵素を加えることによ
り、メカニカルパルプに関連するピッチ障害を防ぐ方法
を記載している。この酵素は、ピッチ中に含まれるトリ
グリセリドを分解する。
パルプの特性を改良するための、セルラーゼやヘミセ
ルラーゼを始めとする酵素の使用は、それ自体公知であ
る。例えば、フランス特許明細書第2557894号は、叩解
時間を短縮するための、キシラナーゼによるセルロース
の処理方法を記載している。カナダ特許明細書第758488
号は、セルラーゼ/ペクチナーゼ/リパーゼ処理による
パルプの叩解性を改良する方法に関する。フランス特許
明細書第2571738号は、セルラーゼ処理によりパルプに
特殊なパルプ特性を与える方法に関する。
フィンランド特許出願第874113号(フランス特許出願
第8613208号に相当)は、例えば、(この場合、パルプ
は大量のケミカルパルプを含む)セルラーゼ/ヘミセル
ラーゼ処理による、循環使用パルプの特性を改良する方
法に関する。フィンランド公開明細書第81394号は、ヘ
ミセルラーゼ(セルラーゼは使用しない)処理によるメ
カニカルパルプの排水性の改良を目指している。
さらに、フィンランド特許出願第890214号は、ヘミセ
ルラーゼの様なパルプから溶解または分散した成分を分
解する酵素による、製紙機構の白水の処理を記載してい
る。
本発明の目的は、メカニカルパルプ、特にメカニカル
パルプを含む製紙パルプに関連するピッチ障害を低減さ
せる方法を開発することである。先行技術から公知の方
法は様々な成果を上げているが、障害は完全に防止され
てはいない。
ここで予期せぬことに、メカニカルパルプの製造に伴
うピッチ障害が、セルラーゼ/ヘミセルラーゼ処理によ
り著しく低下することが分かった。パルプ濾過水で、ピ
ッチ含有量を示す抽出物濃度、特に脂肪酸、樹脂酸およ
びステロール濃度が急激に減少し、濾過水の濁りが低下
した。
本発明により、メカニカルパルプ、メカニカルパルプ
を含む製紙パルプおよび/または白木を、セルラーゼ/
ヘミセルラーゼ酵素活性を含む酵素製剤で処理すること
により、メカニカルパルプおよび/またはメカニカルパ
ルプを含む製紙パルプの製造に伴うピッチ障害が解決さ
れる。
良く知られているようにセルロースおよびヘミセルロ
ースを分解するセルラーゼおよびヘミセルラーゼがピッ
チの主成分、すなわち脂肪酸、樹脂酸およびステロール
型の物質にも影響を及ぼすことはまったく予期せぬこと
であった。
実際に、ピッチ障害の減少は、例えば製紙機械の運転
効率が向上し、ワイヤおよびフェルトが清浄なままであ
り、紙の孔およびしみの数が減少することから明らかで
あった。
酵素処理には他の有利な影響もあった。例えば、パル
プの排水性が向上した。酵素処理によってパルプの光学
的および印刷特性は損なわれず、明るさ、光散乱係数、
圧縮性および平滑性が改良された。
本発明の酵素処理は、繊維を機械的に剥離した後の、
どのパルプ製造工程でも行うことができる。酵素は、例
えばパルプ貯蔵容器、貯蔵塔または計量チェストに加え
ることができる。酵素処理は、パルプ漂白の前に、パル
プ漂白工程に関連して、あるいは漂白の後に行うことも
できる。酵素は白水に加えることもできる。
本発明で使用するセルラーゼ/ヘミセルラーゼ酵素
は、公知の方法により、放線菌類、バクテリアおよび菌
類により製造することができる。
また、菌類トリゴデルマ ロンギブラキアトゥム(Tr
ichoderma longibrachiatum)により生産され、CMCase
活性(カルボキシメチルセルラーゼ活性)2,500U/ml、
濾紙活性(FPU活性)110U/mlおよびキシラナーゼ活性50
0U/mlを有するリフターゼA40(Genecor International
Europe Ltd.製)のような市販のセルラーゼ/ヘミセル
ラーゼを使用することもできる。カルボキシメチルセル
ラーゼ活性および濾紙活性はセルロース分解活性を表
し、キシラナーゼ活性はヘミセルロース分解活性を現
す。
濾紙活性の測定は、ゴーセ、T.K.、パトナク、A.N.、
ビサリア、V.S.、セルロースの酵素加水分解シンポジウ
ム、ベイレイ、M.、エナリ、T.M.、リンコ、M.編集(SI
TRA、Aulanko、フィンランド、1975)、111〜136に記載
されており、CMCase活性の測定は、マンデルス、M.、ウ
ェーバー、J.Adv.Chem.Ser.95(1969)391〜413に記載
されており、キシラナーゼ活性の測定は、カン、A.W.、
トレムブレイ、D.、レデュイ、A.、Enzyme Microb. T
echnol.、8(1986)373〜377に記載されている。
同じメーカー(Genecor International Europe Lt
d.)の他のセルラーゼ/ヘミセルラーゼ製剤、例えばマ
ルチフェクトL250およびシトラーゼ123、および他のメ
ーカーのセルラーゼ/ヘミセルラーゼ製剤も使用でき
る。
パルプ乾燥固体1kgあたりの酵素活性として示す、好
適な酵素の使用量は、下記の限度内である(U=活性単
位)。
セルラーゼ: 濾紙活性 1〜20,000U/kgパルプ CMCase活性 10〜500,000U/kgパルプ ヘミセルラーゼ: キシラナーゼ 0〜2,000,000U/kgパルプ 好ましい酵素使用量は 濾紙活性 約20〜600U/kgパルプ CMCase活性 約500〜10,000U/kgパルプ キシラナーゼ 約500〜100,000U/kgパルプ である。
酵素処理は、通常約2〜10のpH範囲内で、好ましくは
約4〜8の範囲内で行う。酵素処理の温度は約10〜90
℃、好ましくは約25〜70℃でよい。
以下に、実験室における実験および工場における試験
運転に基付く作業実施例により本発明をより詳細に説明
する。実施例は説明のためであって、本発明は測定する
ものではない。他に指示がない限り、測定はSCAN標準に
より行った。
実施例1 トウヒ(Picea abies)から製造された、コンシステ
ンシー4%、pH4.9、叩解度値69mlCSF、およびISO明度6
6%を有するサーモメカニカルパルプ(TMP)を工場の工
程から採取し、リフターゼA40と呼ばれる酵素製剤で処
理した。リフターゼA40(Genecor International Europ
e Ltd.製)は微生物トリゴデルマ ロンギブラキアトゥ
ム(Trichoderma longibrachiatum)により生産され、
そこに含まれる主な活性は CMCase活性 2,500U/ml FPU活性 110U/ml キシラナーゼ活性 500U/mlである。
リフターゼA40酵素をパルプに55℃で、注意深く混合
しながら、2.5l/tonパルプ乾燥固体の量で加えた。
加えた酵素製剤の量は、パルプ乾燥固体1kgあたりの
セルラーゼ/ヘミセルラーゼ活性で表して、 CMCase活性 6.250U/kg FPU活性 275U/kg キシラナーゼ活性 1,250U/kgである。
パルプを150rpmで撹拌しながら、55℃およびpH4.9で
酵素をパルプと合計1時間反応させた。試料はパルプか
ら等間隔で採取し、それらの試料の濁りについて測定
し、最終試料は抽出物濃度についても測定した。TMPの
液体画分で、濁りは抽出物(ピッチ)、分散した炭水化
物、およびパルプから脱離した他の小成分によるもので
ある。したがって、濁りは、上記の成分すべてに関連す
るおおよその変化を示している。抽出物は別に分析する
ことにより、特にピッチに関する限りより正確な結果が
得られる。濁りの測定には、パルプ懸濁液250gを遠心分
離(1,800rpm、20分間)した。上澄み液(液体画分)を
回収し、ただちにノバシン アナライトNTM−150濁り度
計で濁り度を測定した。上澄み液中に存在する抽出物は
ガスクロマトグラフィーで測定した。
比較試料は、酵素処理した試料と同様に、ただし酵素
なしに処理した。
測定結果を表1に示す。
これらの結果は、パルプの液体画分の濁り度が10分間
の反応時間が経過するとただちに、著しく低下すること
を示している。60分の反応時間の後では、液体画分はほ
とんど透明である。すなわち濁り度が25NTUであり、液
体画分中の抽出物濃度が元の値の1/10に低下している。
これは、酵素処理のために抽出物が繊維の表面に堆積ま
たは付着することを示している。
実施例2 メカニカルパルプの濾過水のピッチ含有量低下の実際
的な重要性を確認した、すなわち工場試験運転を実施し
た。試験運転は、機械被覆を行うLWC機械で行った。
この機械で使用したメカニカルパルプは、過酸化物漂
白したTMPであり、実施例1における実験を未漂白TMPに
対して行い、一連の実験室検査を試験運転の前に行っ
た。過酸化物漂白したTMPは、3.2%コンシステンシーの
工程から直接採取した。パルプのpHは5.5であり、温度
は45℃であった。これらの条件下で、リフターゼA40酵
素を2l/tの量で使用してパルプを酵素処理した。ピッチ
含有量は濁り度測定から推定した。測定には、パルプを
マシェレイ−ナーゲルMN640濾紙を通して濾過し、実施
例1に記載の計器で濁り度を測定した。結果を反応時間
と共に下記の表に示す。
反応時間(分) 濁り度(NTU) 0 323 40 110 120 28 酵素は極めて効果的で、工場試験運転を開始できるこ
とが分かる。
試験運転期間は6日間であり、酵素はリフターゼA40
で、使用量は2l/tTMPである。貯蔵塔からいわゆるリフ
ァイナーメカニカルパルプチェスト中に過酸化物漂白し
たTMPをポンプ輸送するポンプの吸引側に酵素を供給し
た。このチェスト内の酵素処理条件は下記の通りであ
る。
−pH 5.5 −温度、℃ 45 コンシツテンシー、% 3.5 応時間、分 42 リファイナーメニカルパルプチェストの後、過酸化物
漂白したパルプをケキカルパルプおよび混合チェスト中
の不良品と混合した。次いで、パルプ混合物をマシーン
チェスト中にポンプ輸送し、さらにワイヤ水希釈の後、
製紙機械のヘッドボックス中に輸送した。試験運転の
間、ピッチ含有量はTMPの濾過水の濁り度を測定するこ
とにより推定し、それに加えて、TMPの叩解度を測定し
た。結果を下記の表に示す。
これらの結果から、この酵素が工場条件でも効果的で
あることが分かり、得られた濁り度の低下は170単位で
あり、これは濾液中のピッチ含有量が著しく低下した、
すなわちピッチが繊維に堆積または付着したことを示し
ている。また、TMPの叩解度は6単位増加していること
が分かるが、これは水の除去がより容易であることを示
している。
試験運転の際、ピッチ障害が排除/低減されたことを
示す下記の観察が機械でなされている。
−酵素期間を通じて、期間の運転性が著しく良好であっ
た。
−ワイヤおよびフェルトおよびワイヤ区域全体が非常に
清潔なままであった。
−通常の運転と比較して、原紙の孔およびしみが明らか
に低減した。
試験結果は、10日間の繰り返し試験運転により確認さ
れた。ピッチおよび運転性に関して、結果は最初の試験
運転の結果と一致していた。その上、通常より20〜30%
少ない量の保持剤(retention agent)で保持の目標値
が達成されたので、酵素処理は、従来の保持剤の機能に
好ましい作用を有することが観察された。
実施例3 工場試験運転でメカニカルパルプの叩解度の増加が観
察されたことから、主として、SC紙や新聞用紙のような
被覆していない紙品質における酵素処理パルプの使用に
関して、パルプの光学的および印刷特性に対する、その
影響に関する疑問が生じた。これを研究するために、代
表的なメカニカルパルプ、すなわちSC紙用の砕木から試
料を採取した。表2に示す条件下で、リフターゼA40の
使用量を変えてパルプに酵素処理を行った。酵素処理の
後、このパルプから実験室シートを調製した。カレンダ
ー加工の直前直後にこれらのシートから測定した特性も
表2に示す。これらの結果から分かるように、酵素処理
は、叩解度値の増加が25単位まで高くなっても、パルプ
の光学的および印刷特性を損なわず、実際には、 −光吸収係数が減少し、これは明度の改良を示し、 −光散乱係数が向上し、 −圧縮性(カレンダー加工の後の密度)が増加し、 −平滑性が改良された(粗さが低下した) ので、その効果は逆であった。
したがって、酵素処理パルプは、被覆しない等級の紙
に十分使用できる。酵素処理は、ピッチ障害を低減する
だけではなく、紙の品質を直接改良するか、あるいは少
なくともメカニカルパルプの純度を増加することがで
き、劣った水除去性の、酵素処理による補償が期待でき
る。
実施例4 得られた結果を確認するために、未漂白TMPおよび亜
二チオン酸塩漂白したTMPに染料して試験を行い、ピッ
チ含有量(濁り度)に対する影響のみならず、水除去性
(叩解度)、水保持能力(WRV)およびシート特性に対
する影響も測定した。今回は、いわゆる白水シート型を
使用してシートを調製した。酵素処理条件および得られ
た結果を表3に示す。そこから分かるように、ピッチ含
有量(濁り度)に対する酵素処理の影響は、これらのパ
ルプでも明らかになった。その上、下記の好ましい影響
が観察された。−水除去特性が改良され(叩解度が増加
し、WRVが減少する、 −光学的特性が改良され(光散乱係数および明度が増加
する)、 −印刷特性が改良される(粗さが低下し、圧縮性が増加
する、すなわちカレンダー加工後の密度が増加する)。
実施例5 酵素処理がメカニカルパルプの明度に対して好ましい
影響を与えることが観察されたので、漂白前に行った酵
素処理の影響を研究することにした。このために、実施
例1に記載のパルプ(比較および酵素処理)を通常の過
酸化漂白条件下(コンシステンシー16%、濃度60℃、反
応時間90分間、パルプに対してDTPA 0.2%、MgSO4・7H
2O 0.5%、およびケイ酸ナトリウム5%)で過酸化物
の量を変えて過酸化漂白した。漂白後、ただちに、およ
び熟成した後、パルプの明度を測定した。結果を図1に
示す。明度が向上し、熟成後も向上がみられることが分
かる。結論として、酵素処理はメカニカルパルプの漂白
性に対しても好ましい効果を有するということができ
る。
実施例6 工場試験運転で観察された、従来の保持剤の機能に対
する酵素の好ましい作用を実験室における実験により確
認した。メカニカルパルプの中間容器から採取した未漂
白TMPを下記の条件下でリフターゼA40で処理した。
−pH5.0 −温度50℃ −反応時間1時間 −パルプコンシステンシー37% −酵素使用量0、1、2および4l/tTMP パルプ乾燥固体1kgあたりのセルラーゼ/ヘミセルラ
ーゼ活性として与えられる、相当する酵素使用量は下記
の通りである。
l l/t 2 l/t 4 l/t (U/kg) (U/kg) (U/kg) CMCase 2,500 5,000 10,000 FPR活性 110 220 440 キシラナーゼ活性 500 1.000 2,000 酵素処理の後、TMPをケミカルパルプおよびカオリン
と下記の条件で混合した。
−TMP 420% −ケミカルパルプ 24% −カオリン 33% パルプ混合物を約10g/lの濃度に希釈した。混合物の
乾燥固体含有量および微細固体含有量、ならびにその微
細固体および灰分保持の総量を、TAPPI T261 pm−80
法によりダイナミック ドレイネイジ ジャー装置で測
定した。保持測定は、混合物に保持剤を加える前と加え
た後に行った。
得られた結果を表4に示す。酵素処理により保持性が
向上する、すなわち、実際に従来の保持剤の機能がより
効果的になり、一定の保持性を目的とする場合は、従来
の保持剤の量を低下することができる。
以下、本発明の実施態様を項に分けて記載する。
1)メカニカルパルプおよび/またはメカニカルパルプ
を含む製紙パルプにおけるピッチ障害を低減させる方法
であって、メカニカルパルプ、メカニカルパルプを含む
製紙パルプおよび/または白水を、セルラーゼ/ヘミセ
ルラーゼ酵素活性を有する酵素製剤により処理すること
を特徴とする方法。
2)前記パルプが、砕木パルプ、リファイナーメカニカ
ルパルプ、圧力砕木パルプ、サーモメカニカルパルプま
たはケミーサーモメカニカルパルプであることを特徴と
する実施態様1記載の方法。
3)前記パルプが未漂白パルプであることを特徴とする
実施態様1または2記載の方法。
4)前記パルプが漂白パルプであることを特徴とする実
施態様1または2記載の方法。
5)酵素処理が、パルプ漂白の前に行われることを特徴
とする実施態様4記載の方法。
6)酵素処理が、パルプ漂白の後に行われることを特徴
とする実施態様4記載の方法。
7)前記酵素製剤が、パルプ乾燥固体1kgあたり、濾紙
活性として測定して1〜20,000単位のセルロース分解活
性、CMCase活性として測定して10〜500,000単位のセル
ロース分解活性、およびキシラナーゼ活性として測定し
て0〜2,000,000単位のヘミセルロース分解活性に相当
する量で添加されることを特徴とする実施態様1から6
のいずれか1つに記載の方法。
8)前記酵素製剤が、濾紙活性として測定して20〜600
単位のセルロース分活性、CMCase活性として測定して50
0〜10,000単位のセルロース分解活性、およびキシラナ
ーゼ活性として測定して500〜100,000単位のヘミセルロ
ース分割活性に相当する量で添加されることを特徴とす
る実施態様7記載の方法。
9)酵素処理が約2〜10のpH範囲内で行われることを特
徴とする実施態様1から8のいずれか1つに記載の方
法。
10)酵素処理が約4〜8のpH範囲内で行われることを特
徴とする実施態様9記載の方法。
11)酵素処理が約10〜90℃で行われることを特徴とする
実施態様1から10のいずれか1つに記載の方法。
12)酵素処理が約25〜70℃で行われることを特徴とする
実施態様11記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−240286(JP,A) 特開 平4−229169(JP,A) 特開 平2−80686(JP,A) 特公 昭46−20081(JP,B1) 特公 平4−29794(JP,B2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メカニカルパルプおよび/またはメカニカ
    ルパルプを含む製紙パルプにおけるピッチ障害を低減さ
    せる方法であって、メカニカルパルプ、メカニカルパル
    プを含む製紙パルプおよび/または白水を、セルラーゼ
    /ヘミセルラーゼ酵素活性を有する酵素製剤により処理
    することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】前記酵素製剤が、パルプ乾燥固体1kgあた
    り、濾紙活性として測定して1〜20,000単位のセルロー
    ス分解活性、CMCase活性として測定して10〜500,000単
    位のセルロース分解活性、およびキシラナーゼ活性とし
    て測定して0〜2,000,000単位のヘミセルロース分解活
    性に相当する量で添加されることを特徴とする請求の範
    囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】酵素処理が約2〜10のpH範囲内で行われる
    ことを特徴とする請求の範囲第1項もしくは第2項記載
    の方法。
  4. 【請求項4】酵素処理が約10〜90℃で行われることを特
    徴とする請求の範囲第1項から第3項のいずれか1項記
    載の方法。
JP4505526A 1991-03-22 1992-03-19 メカニカルパルプにおけるピッチ障害を低減させる方法 Expired - Fee Related JP2588465B2 (ja)

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FI911410 1991-03-22
FI911410A FI93230C (fi) 1991-03-22 1991-03-22 Menetelmä mekaanisen massan pihkavaikeuksien vähentämiseksi
PCT/FI1992/000076 WO1992016687A1 (en) 1991-03-22 1992-03-19 A method for reducing pitch trouble in mechanical pulp

Publications (2)

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JPH06506021A JPH06506021A (ja) 1994-07-07
JP2588465B2 true JP2588465B2 (ja) 1997-03-05

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