JPH034672B2 - - Google Patents
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- JPH034672B2 JPH034672B2 JP61277833A JP27783386A JPH034672B2 JP H034672 B2 JPH034672 B2 JP H034672B2 JP 61277833 A JP61277833 A JP 61277833A JP 27783386 A JP27783386 A JP 27783386A JP H034672 B2 JPH034672 B2 JP H034672B2
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Landscapes
- Paper (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、南方広葉樹パルプに酵素を添加する
ことを特徴とする南方広葉樹パルプの改質方法に
関するものである。 [従来の技術] 紙パルプ産業においては、紙・板紙の生産量の
伸長に伴つて国内の木材チツプのみでは不足を来
たすようになつた。そのため、外材チツプの輸
入、古紙の再利用の増大が図られつつある。この
うち、外材チツプについては、当初、北米からの
輸入に頼つていたため、パルプ品質上ほとんど問
題はなかつた。近年、この輸入量の増大に伴い、
南方材の輸入も始まつた。南方材は使用に再して
安価で資源蓄積量も多いという大きなメリツトが
あるが、パルプ品質上いくつかの問題点がある。
その一つとして、南方材は一般にベツセル(道
管)が大きく且つ硬いため、通常の叩解ではフイ
ブリル化されない。このため紙の表面強度が弱
く、印刷時に、紙の表面に存在しているベツセル
が剥れ、印刷後に剥れた跡が白点となつて散在
し、商品価値を失わせてしまうという所謂ベツセ
ルピツクを非常に発生し易いという問題がある。 この対策として、 問題のあるチツプの配合を減らす(実質的に
大形道管の数を減らす)。 表面サイズ剤を塗布したり、その塗布量を増
加する(接着剤にベツセルと繊維の接着力を増
加せしめる)。 叩解を進める(道管が破壊され、小さくな
る)。 液体サイクロンで処理する(ベツセルを除去
する)。 等が従来行われて来た。 [発明が解決しようとする問題点] これらの対策は、原料チツプ選択の自由度が
狭くなる。紙が硬くなり、平滑度が出にくい。
更に、表面サイズ塗布設備を必要とする。濾水
性が悪くなり、抄紙時ワイヤー上での水切れが悪
化する。設備費がかかり、パルプの歩留りが低
下する等の問題がある。更にベツセルピツク対策
上パルプの特性として平滑度、引張りの強度の高
いものが紙の原料として要求され、これらの対策
として、使用樹種を選定する。パルプフリー
ネスを下げる。更に、引張り強度アツプのため、
内添紙力剤を添加する等が実施されて来たが、い
ずれも樹種選定の自由度が狭くなる。濾水性
が悪くなり、抄紙時ワイヤー上での水切れが悪化
する。白水系内の汚れが進行する等の問題点が
ある。したがつて、これらの問題がなく、ベツセ
ルピツクを防止できる対策が、特に南方材の使用
に当つて待たれていた。 本発明は、これらの問題点を解決した南方広葉
樹パルプの改質方法を提供することを目的とする
ものである。 [問題点を解決するための手段] すなわち、本発明は、南方広葉樹パルプに瀘紙
分解特性が20mg(グルコースとして)/酵素g以
上である酵素(以下の濾紙分解特性の値は[グル
コースとして]の表記を省略する)を0.01〜5重
量%(対絶乾パルプ、以下すべて同様につき省
略)添加し、パルプの改質処理を行うと、前記し
た問題点を惹起することなく、ベツセルピツクを
防止できる上に、平滑度、引張りの強度もアツプ
することを見出し、本発明を完成するに至つた。 なお、特開昭60−126395号公報で、本願出願人
は、紙を抄造する際の叩解工程において、パルプ
に酵素の添加をして叩解することを提案したが、
この提案は、パルプにセルラーゼなどを添加する
ものの、酵素と叩解時に添加して叩解所要電力の
節減のみを見出したのに対して、本発明は酵素活
性度を限定したことにより、パルプ、殊に南方広
葉樹パルプのベツセルピツクの防止及び温帯広葉
樹を含めて平滑度、引張り強度を向上させ得るこ
とを見出した点で異なつている。 本発明が有する利点を挙げると、特別な設備を
必要とせず、既存の工程中で容易に実施すること
ができ、さらに本発明は、広葉樹パルプのうちで
もベツセルの多い南方広葉樹において特に有効で
ある。本発明において、酵素活性度を限定した酵
素がベツセルピツクのトラブルに対して有効な理
由は明らかではないが、広葉樹パルプのベツセル
表面に酵素が作用し、フイブリル化を促がすため
と考えられる。そのため、温帯広葉樹パルプにお
いても平滑度、引張り強さがアツプするという多
大のメリツトを発揮する。なお、パルプ化法につ
いても、特に制限はなく、KP法、SP法、GP法、
GRP法、TMP法、SCP法、CGP法等、いずれの
方法で製造されたパルプにおいても効果がある。 更に、酵素は濾紙分解活性が20mg/酵素g以上
あるものであれば、特に制限はないが、セルラー
ゼ系酵素が、活性が高く好ましい。酵素の濾紙分
解活性とは、酵素作用の強さの度合、つまり酵素
活性度を示す一尺度で、単位量の酵素によつて濾
紙が一定時間に分解する量を、酵素g当りのグル
コースとしてのmg量で表わしたものである(測定
方法は後述)。 本発明は、セルラーゼの活性として一般に知ら
れるCMC分解活性、濾紙分解活性、β−グルコ
シダーゼ活性、その他のセルラーゼ活性の中か
ら、パルプのベツセルピツクの減少と高い相関が
見出され、しかも活性の評価に最適な濾紙分解活
性を選択したものである。 ちなみに、濾紙分解活性が20mg/酵素g未満の
ものは本発明の効果が全くない。また、酵素の添
加量は0.01〜5重量%で、好ましくは0.05〜2重
量%である。すなわち、0.01重量%未満では、本
発明の目的を全く達することが出来ず、5重量%
を越える場合には全く比較的な効果が得られない
ばかりでなく、強度が低下してくる。添加場所に
は特に制限はないが、好ましくはパルプ化の後
で、叩解レフアイナー前である。更に酵素は単独
ないしPH調整剤、浸透剤等の助剤と混合添加して
も良い。 [実施態様] 実施例 1 南方広葉樹(ユーカリ)より製造した晒クラフ
トパルプを使用し、5重量%濃度のパルプスラリ
ーを作る。このパルプスラリーを硫酸でPH5に調
整し、濾紙分解活性が625mg/酵素gであるセル
ラーゼ[ノボ社(デンマーク)製SP−227]を
0.5重量%添加し、温度50℃で4時間保持する。
これを3重量%濃度に稀釈し、カナダ標準濾水度
試験器でフリーネスが450mlになるようにテスト
レフアイナー(熊谷理機製)で叩解する。 次いで、このパルプスラリーをTappi標準法試
験用手抄機を用いて常法により坪量60g/m2とな
るように抄紙する。抄紙されたシートをJIS
P8111により前処理した後、ベツセルピツク数、
平滑度、引張り強度、濾水時間を測定した。結果
を下記の表に示す(以下の実施例、比較例も同
様)。 なお、濾紙分解活性は、次のとおり測定した。 すなわち、試験管に0.05Mクエン酸液(PH4.8)
1.0mlと酵素所定量とり、この混合液が全体で1.5
mlになるよう蒸留水を加える。この溶液に濾紙片
(whatman No.1)50mlを入れ、濾紙片をコイル
状にして溶液中に入れる。50℃において1時間反
応後、3,5−ジニトロサリチル酸試薬3mlを添
加し、沸騰水中で5分間加熱、急冷後、蒸留水で
全量が25mlとなるようにし、550nmの吸光度を
測定する。酵素所定量は前記吸光度が約0.5にな
る量とする。また、あらかじめ吸光度とグルコー
ス量の験量線を作成しておき、この験量線より吸
光度をグルコース量に変換し、この値と添加酵素
量より濾紙分解活性量mg(グルコースとして)/
酵素gを求める。ベツセルピツク数は、抄紙した
ワイヤ面のRI試験機で印刷し、10cm2中のベツセ
ルが剥れた跡の白点数をベツセルピツク数とし
た。印刷時の条件は、#7IPI標準インキ供給量が
0.5mlで、印刷速度は30rpmである。また印刷時
の環境条件は、温度20±2℃、湿度65±2%であ
る。 平滑度はJapan Tappi No.5による王研式平
滑度試験器で、引張り強さはJIS P8113により測
定した。濾水時間は手抄き時の水が完全に切れる
までの時間を測定した。 実施例 2 実施例1において濾紙分解活性が625mg/酵素
gであるセルラーゼを0.02重量%添加する以外
は、実施例1と全く同様にしてシートを得て、同
様の試験を行つた。 実施例 3 実施例1において濾紙分解活性が625mg/酵素
gであるセルラーゼの代りに、濾紙分解活性が25
mg/酵素gであるターマミル(ノボ社製)を4.5
重量%添加する以外は実施例1と全く同様にして
シートを得て、同様の試験を行つた。 比較例 1 実施例1において濾紙分解活性が625mg/酵素
gであるセルラーゼを0.005%使用する以外は、
実施例1と全く同様にしてシートを得、同様の試
験を行つた。 比較例 2 比較例1においてフリーネスが350mlになるよ
う叩解する以外は、比較例1と全く同様にしてシ
ート得、同様の試験を行つた。 比較例 3 実施例1において濾紙分解活性が625mg/酵素
gであるセルラーゼを使用する代りに、濾紙分解
活性が0.5mg/酵素gであるニユートラーゼ(ノ
ボ社製)を5%使用する以外は実施例1と全く同
様にしてシートを得、同様の試験を行つた。 比較例 4 実施例1いにおいて濾紙分解活性が15mg/酵素
gであるBAN240L(ノボ社製)を2%使用する
以外は実施例1と全く同様にしてシートを得、同
様の試験を行つた。 従来例 1 実施例1において濾紙分解活性が625mg/酵素
gであるセルラーゼを使用しない以外は、実施例
1と同様にしてシートを得、同様の試験を行つ
た。 参考例 実施例1において、南方広葉樹晒クラフトパル
プの代りに温帯広葉樹(シラカバ)晒クラフトパ
ルプ、濾紙分解活性が625mg/酵素gであるセル
ラーゼの代りに、610mg/酵素gであるアルカ
リ・セルラーゼ(ノボ社製)を1%使用する以外
は、実施例1と全く同様にしてシートを得、同様
の試験を行つた。 従来例 2 参考例においてアルカリセルラーゼを使用しな
い以外は、参考例と全く同様にしてシートを得、
同様の試験を行つた。 実施例 4 実施例1において南方広葉樹(ユーカリ)より
製造した晒クラフトパルプ100%の代りに、温帯
広葉樹(シラカバ)より製造した晒クラフトパル
プ20重量%、南方広葉樹(ユーカリ)より製造し
た晒クラフトパルプ80重量%、濾紙分解活性が
625mg/酵素gであるセルラーゼの代りに濾紙分
解活性が1250mg/酵素gであるセルラーゼ(合同
酒精社製、セルラーゼTC)を0.05%、濾紙分解
活性25mg/酵素gであるターマミル(ノボ社製)
を0.3%使用する以外は実施例1と全く同様にし
てシートを得、同様の試験を行つた。 従来例 3 実施例4において濾紙分解活性が1250mg/酵素
gであるセルラーゼ、同じく25mg/酵素gである
ターマミルを使用しない以外は実施例4と全く同
様にしてシートを得、同様の試験を行つた。 実施例 5 実施例1において叩解時にセルラーゼを添加
し、叩解1時間青に手抄きをする以外は実施例1
と全く同様にしてシートを得、同様の試験を行つ
た。
ことを特徴とする南方広葉樹パルプの改質方法に
関するものである。 [従来の技術] 紙パルプ産業においては、紙・板紙の生産量の
伸長に伴つて国内の木材チツプのみでは不足を来
たすようになつた。そのため、外材チツプの輸
入、古紙の再利用の増大が図られつつある。この
うち、外材チツプについては、当初、北米からの
輸入に頼つていたため、パルプ品質上ほとんど問
題はなかつた。近年、この輸入量の増大に伴い、
南方材の輸入も始まつた。南方材は使用に再して
安価で資源蓄積量も多いという大きなメリツトが
あるが、パルプ品質上いくつかの問題点がある。
その一つとして、南方材は一般にベツセル(道
管)が大きく且つ硬いため、通常の叩解ではフイ
ブリル化されない。このため紙の表面強度が弱
く、印刷時に、紙の表面に存在しているベツセル
が剥れ、印刷後に剥れた跡が白点となつて散在
し、商品価値を失わせてしまうという所謂ベツセ
ルピツクを非常に発生し易いという問題がある。 この対策として、 問題のあるチツプの配合を減らす(実質的に
大形道管の数を減らす)。 表面サイズ剤を塗布したり、その塗布量を増
加する(接着剤にベツセルと繊維の接着力を増
加せしめる)。 叩解を進める(道管が破壊され、小さくな
る)。 液体サイクロンで処理する(ベツセルを除去
する)。 等が従来行われて来た。 [発明が解決しようとする問題点] これらの対策は、原料チツプ選択の自由度が
狭くなる。紙が硬くなり、平滑度が出にくい。
更に、表面サイズ塗布設備を必要とする。濾水
性が悪くなり、抄紙時ワイヤー上での水切れが悪
化する。設備費がかかり、パルプの歩留りが低
下する等の問題がある。更にベツセルピツク対策
上パルプの特性として平滑度、引張りの強度の高
いものが紙の原料として要求され、これらの対策
として、使用樹種を選定する。パルプフリー
ネスを下げる。更に、引張り強度アツプのため、
内添紙力剤を添加する等が実施されて来たが、い
ずれも樹種選定の自由度が狭くなる。濾水性
が悪くなり、抄紙時ワイヤー上での水切れが悪化
する。白水系内の汚れが進行する等の問題点が
ある。したがつて、これらの問題がなく、ベツセ
ルピツクを防止できる対策が、特に南方材の使用
に当つて待たれていた。 本発明は、これらの問題点を解決した南方広葉
樹パルプの改質方法を提供することを目的とする
ものである。 [問題点を解決するための手段] すなわち、本発明は、南方広葉樹パルプに瀘紙
分解特性が20mg(グルコースとして)/酵素g以
上である酵素(以下の濾紙分解特性の値は[グル
コースとして]の表記を省略する)を0.01〜5重
量%(対絶乾パルプ、以下すべて同様につき省
略)添加し、パルプの改質処理を行うと、前記し
た問題点を惹起することなく、ベツセルピツクを
防止できる上に、平滑度、引張りの強度もアツプ
することを見出し、本発明を完成するに至つた。 なお、特開昭60−126395号公報で、本願出願人
は、紙を抄造する際の叩解工程において、パルプ
に酵素の添加をして叩解することを提案したが、
この提案は、パルプにセルラーゼなどを添加する
ものの、酵素と叩解時に添加して叩解所要電力の
節減のみを見出したのに対して、本発明は酵素活
性度を限定したことにより、パルプ、殊に南方広
葉樹パルプのベツセルピツクの防止及び温帯広葉
樹を含めて平滑度、引張り強度を向上させ得るこ
とを見出した点で異なつている。 本発明が有する利点を挙げると、特別な設備を
必要とせず、既存の工程中で容易に実施すること
ができ、さらに本発明は、広葉樹パルプのうちで
もベツセルの多い南方広葉樹において特に有効で
ある。本発明において、酵素活性度を限定した酵
素がベツセルピツクのトラブルに対して有効な理
由は明らかではないが、広葉樹パルプのベツセル
表面に酵素が作用し、フイブリル化を促がすため
と考えられる。そのため、温帯広葉樹パルプにお
いても平滑度、引張り強さがアツプするという多
大のメリツトを発揮する。なお、パルプ化法につ
いても、特に制限はなく、KP法、SP法、GP法、
GRP法、TMP法、SCP法、CGP法等、いずれの
方法で製造されたパルプにおいても効果がある。 更に、酵素は濾紙分解活性が20mg/酵素g以上
あるものであれば、特に制限はないが、セルラー
ゼ系酵素が、活性が高く好ましい。酵素の濾紙分
解活性とは、酵素作用の強さの度合、つまり酵素
活性度を示す一尺度で、単位量の酵素によつて濾
紙が一定時間に分解する量を、酵素g当りのグル
コースとしてのmg量で表わしたものである(測定
方法は後述)。 本発明は、セルラーゼの活性として一般に知ら
れるCMC分解活性、濾紙分解活性、β−グルコ
シダーゼ活性、その他のセルラーゼ活性の中か
ら、パルプのベツセルピツクの減少と高い相関が
見出され、しかも活性の評価に最適な濾紙分解活
性を選択したものである。 ちなみに、濾紙分解活性が20mg/酵素g未満の
ものは本発明の効果が全くない。また、酵素の添
加量は0.01〜5重量%で、好ましくは0.05〜2重
量%である。すなわち、0.01重量%未満では、本
発明の目的を全く達することが出来ず、5重量%
を越える場合には全く比較的な効果が得られない
ばかりでなく、強度が低下してくる。添加場所に
は特に制限はないが、好ましくはパルプ化の後
で、叩解レフアイナー前である。更に酵素は単独
ないしPH調整剤、浸透剤等の助剤と混合添加して
も良い。 [実施態様] 実施例 1 南方広葉樹(ユーカリ)より製造した晒クラフ
トパルプを使用し、5重量%濃度のパルプスラリ
ーを作る。このパルプスラリーを硫酸でPH5に調
整し、濾紙分解活性が625mg/酵素gであるセル
ラーゼ[ノボ社(デンマーク)製SP−227]を
0.5重量%添加し、温度50℃で4時間保持する。
これを3重量%濃度に稀釈し、カナダ標準濾水度
試験器でフリーネスが450mlになるようにテスト
レフアイナー(熊谷理機製)で叩解する。 次いで、このパルプスラリーをTappi標準法試
験用手抄機を用いて常法により坪量60g/m2とな
るように抄紙する。抄紙されたシートをJIS
P8111により前処理した後、ベツセルピツク数、
平滑度、引張り強度、濾水時間を測定した。結果
を下記の表に示す(以下の実施例、比較例も同
様)。 なお、濾紙分解活性は、次のとおり測定した。 すなわち、試験管に0.05Mクエン酸液(PH4.8)
1.0mlと酵素所定量とり、この混合液が全体で1.5
mlになるよう蒸留水を加える。この溶液に濾紙片
(whatman No.1)50mlを入れ、濾紙片をコイル
状にして溶液中に入れる。50℃において1時間反
応後、3,5−ジニトロサリチル酸試薬3mlを添
加し、沸騰水中で5分間加熱、急冷後、蒸留水で
全量が25mlとなるようにし、550nmの吸光度を
測定する。酵素所定量は前記吸光度が約0.5にな
る量とする。また、あらかじめ吸光度とグルコー
ス量の験量線を作成しておき、この験量線より吸
光度をグルコース量に変換し、この値と添加酵素
量より濾紙分解活性量mg(グルコースとして)/
酵素gを求める。ベツセルピツク数は、抄紙した
ワイヤ面のRI試験機で印刷し、10cm2中のベツセ
ルが剥れた跡の白点数をベツセルピツク数とし
た。印刷時の条件は、#7IPI標準インキ供給量が
0.5mlで、印刷速度は30rpmである。また印刷時
の環境条件は、温度20±2℃、湿度65±2%であ
る。 平滑度はJapan Tappi No.5による王研式平
滑度試験器で、引張り強さはJIS P8113により測
定した。濾水時間は手抄き時の水が完全に切れる
までの時間を測定した。 実施例 2 実施例1において濾紙分解活性が625mg/酵素
gであるセルラーゼを0.02重量%添加する以外
は、実施例1と全く同様にしてシートを得て、同
様の試験を行つた。 実施例 3 実施例1において濾紙分解活性が625mg/酵素
gであるセルラーゼの代りに、濾紙分解活性が25
mg/酵素gであるターマミル(ノボ社製)を4.5
重量%添加する以外は実施例1と全く同様にして
シートを得て、同様の試験を行つた。 比較例 1 実施例1において濾紙分解活性が625mg/酵素
gであるセルラーゼを0.005%使用する以外は、
実施例1と全く同様にしてシートを得、同様の試
験を行つた。 比較例 2 比較例1においてフリーネスが350mlになるよ
う叩解する以外は、比較例1と全く同様にしてシ
ート得、同様の試験を行つた。 比較例 3 実施例1において濾紙分解活性が625mg/酵素
gであるセルラーゼを使用する代りに、濾紙分解
活性が0.5mg/酵素gであるニユートラーゼ(ノ
ボ社製)を5%使用する以外は実施例1と全く同
様にしてシートを得、同様の試験を行つた。 比較例 4 実施例1いにおいて濾紙分解活性が15mg/酵素
gであるBAN240L(ノボ社製)を2%使用する
以外は実施例1と全く同様にしてシートを得、同
様の試験を行つた。 従来例 1 実施例1において濾紙分解活性が625mg/酵素
gであるセルラーゼを使用しない以外は、実施例
1と同様にしてシートを得、同様の試験を行つ
た。 参考例 実施例1において、南方広葉樹晒クラフトパル
プの代りに温帯広葉樹(シラカバ)晒クラフトパ
ルプ、濾紙分解活性が625mg/酵素gであるセル
ラーゼの代りに、610mg/酵素gであるアルカ
リ・セルラーゼ(ノボ社製)を1%使用する以外
は、実施例1と全く同様にしてシートを得、同様
の試験を行つた。 従来例 2 参考例においてアルカリセルラーゼを使用しな
い以外は、参考例と全く同様にしてシートを得、
同様の試験を行つた。 実施例 4 実施例1において南方広葉樹(ユーカリ)より
製造した晒クラフトパルプ100%の代りに、温帯
広葉樹(シラカバ)より製造した晒クラフトパル
プ20重量%、南方広葉樹(ユーカリ)より製造し
た晒クラフトパルプ80重量%、濾紙分解活性が
625mg/酵素gであるセルラーゼの代りに濾紙分
解活性が1250mg/酵素gであるセルラーゼ(合同
酒精社製、セルラーゼTC)を0.05%、濾紙分解
活性25mg/酵素gであるターマミル(ノボ社製)
を0.3%使用する以外は実施例1と全く同様にし
てシートを得、同様の試験を行つた。 従来例 3 実施例4において濾紙分解活性が1250mg/酵素
gであるセルラーゼ、同じく25mg/酵素gである
ターマミルを使用しない以外は実施例4と全く同
様にしてシートを得、同様の試験を行つた。 実施例 5 実施例1において叩解時にセルラーゼを添加
し、叩解1時間青に手抄きをする以外は実施例1
と全く同様にしてシートを得、同様の試験を行つ
た。
【表】
表から明らかなように本発明の方法によると、
濾水時間、すなわち、抄紙機ワイヤー上の濾水性
をほとんど悪化させることなく、ベツセルピツク
を大幅に減少させ、平滑度、引張り強度を大幅に
向上させることができる。 [発明の効果] 以上述べたとおり、本発明の南方広葉樹パツプ
改質方法は、南方広葉樹パルプに濾紙分解活性が
20mg/酵素g以上である酵素を0.01〜5重量%添
加することにより、南方広葉樹パルプから得られ
る紙のベツセルピツクを防止できるだけでなく、
平滑度、引張り強度も大幅に向上させることがで
きる。 本発明の方法は、ベツセルピツクの問題がある
南方広葉樹パルプに用いて著しい効果があるが、
ベツセルピツクの問題が少ない温帯広葉樹パルプ
に適用しても平滑度、引張り強度が向上できると
いう効果がある。 本発明の方法は、特別な整備を必要とせず、既
存の工程中で容易に実施できるという大きなメリ
ツトがある。また、南方広葉樹パルプの改質処理
は、パルプ化法にも特に制限はなく、KP法、SP
法、GP法、RGP法、TMP法、SCP法、CGP法
等いずれのパルプ化法で製造された南方広葉樹パ
ルプにおいても改質効果が得られる。
濾水時間、すなわち、抄紙機ワイヤー上の濾水性
をほとんど悪化させることなく、ベツセルピツク
を大幅に減少させ、平滑度、引張り強度を大幅に
向上させることができる。 [発明の効果] 以上述べたとおり、本発明の南方広葉樹パツプ
改質方法は、南方広葉樹パルプに濾紙分解活性が
20mg/酵素g以上である酵素を0.01〜5重量%添
加することにより、南方広葉樹パルプから得られ
る紙のベツセルピツクを防止できるだけでなく、
平滑度、引張り強度も大幅に向上させることがで
きる。 本発明の方法は、ベツセルピツクの問題がある
南方広葉樹パルプに用いて著しい効果があるが、
ベツセルピツクの問題が少ない温帯広葉樹パルプ
に適用しても平滑度、引張り強度が向上できると
いう効果がある。 本発明の方法は、特別な整備を必要とせず、既
存の工程中で容易に実施できるという大きなメリ
ツトがある。また、南方広葉樹パルプの改質処理
は、パルプ化法にも特に制限はなく、KP法、SP
法、GP法、RGP法、TMP法、SCP法、CGP法
等いずれのパルプ化法で製造された南方広葉樹パ
ルプにおいても改質効果が得られる。
Claims (1)
- 1 南方広葉樹パルプに、濾紙分解活性が20mg
(グルコースとして)/酵素g以上である酵素を
0.01〜5重量%(対絶乾パルプ)、パルプに添加
しながら、あるいは添加後に叩解することを特徴
とする南方広葉樹パルプの改質方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27783386A JPS63135597A (ja) | 1986-11-22 | 1986-11-22 | 南方広葉樹パルプの改質方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27783386A JPS63135597A (ja) | 1986-11-22 | 1986-11-22 | 南方広葉樹パルプの改質方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63135597A JPS63135597A (ja) | 1988-06-07 |
JPH034672B2 true JPH034672B2 (ja) | 1991-01-23 |
Family
ID=17588901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27783386A Granted JPS63135597A (ja) | 1986-11-22 | 1986-11-22 | 南方広葉樹パルプの改質方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63135597A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2883872B2 (ja) * | 1991-05-18 | 1999-04-19 | 株式会社 クレシア | 衛生薄葉紙 |
JPH0849187A (ja) * | 1994-08-05 | 1996-02-20 | New Oji Paper Co Ltd | オフセット印刷用塗工紙 |
JP2002146688A (ja) * | 2000-08-28 | 2002-05-22 | Oji Paper Co Ltd | オフセット印刷用新聞用紙 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60126395A (ja) * | 1983-12-09 | 1985-07-05 | 本州製紙株式会社 | パルプの調成方法 |
-
1986
- 1986-11-22 JP JP27783386A patent/JPS63135597A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60126395A (ja) * | 1983-12-09 | 1985-07-05 | 本州製紙株式会社 | パルプの調成方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63135597A (ja) | 1988-06-07 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |