JP2579072B2 - 水素吸蔵合金電極 - Google Patents
水素吸蔵合金電極Info
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- JP2579072B2 JP2579072B2 JP3066359A JP6635991A JP2579072B2 JP 2579072 B2 JP2579072 B2 JP 2579072B2 JP 3066359 A JP3066359 A JP 3066359A JP 6635991 A JP6635991 A JP 6635991A JP 2579072 B2 JP2579072 B2 JP 2579072B2
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- alloy
- hydrogen storage
- electrode
- hydrogen
- storage alloy
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気化学的な水素の吸
蔵・放出を可逆的に行える水素吸蔵合金電極に関する。
蔵・放出を可逆的に行える水素吸蔵合金電極に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の電源として広く使われている蓄電
池として鉛電池とアルカリ電池がある。このうちアルカ
リ蓄電池は高信頼性が期待でき、小形軽量化も可能など
の理由で小型電池は各種ポータブル機器用に、大型は産
業用として使われてきた。
池として鉛電池とアルカリ電池がある。このうちアルカ
リ蓄電池は高信頼性が期待でき、小形軽量化も可能など
の理由で小型電池は各種ポータブル機器用に、大型は産
業用として使われてきた。
【0003】このアルカリ蓄電池において、正極として
は一部空気極や酸化銀極なども取り上げられているが、
ほとんどの場合ニッケル極である。ポケット式から焼結
式に代わって特性が向上し、さらに密閉化が可能になる
とともに用途も広がった。
は一部空気極や酸化銀極なども取り上げられているが、
ほとんどの場合ニッケル極である。ポケット式から焼結
式に代わって特性が向上し、さらに密閉化が可能になる
とともに用途も広がった。
【0004】一方、負極としてはカドミウムの他に亜
鉛,鉄,水素などが対象となっているが、現在のところ
カドミウム極が主体である。ところが、一層の高エネル
ギー密度を達成するために金属水素化物すなわち水素吸
蔵合金極を使ったニッケル−水素蓄電池が注目され、製
法などに多くの提案がされている。
鉛,鉄,水素などが対象となっているが、現在のところ
カドミウム極が主体である。ところが、一層の高エネル
ギー密度を達成するために金属水素化物すなわち水素吸
蔵合金極を使ったニッケル−水素蓄電池が注目され、製
法などに多くの提案がされている。
【0005】水素を可逆的に吸収・放出しうる水素吸蔵
合金を負極に使用するアルカリ蓄電池の水素吸蔵合金電
極は、理論容量密度がカドミウム極より大きく、亜鉛極
のような変形やデンドライトの形成などもないことか
ら、長寿命・無公害であり、しかも高エネルギー密度を
有するアルカリ蓄電池用負極として期待されている。
合金を負極に使用するアルカリ蓄電池の水素吸蔵合金電
極は、理論容量密度がカドミウム極より大きく、亜鉛極
のような変形やデンドライトの形成などもないことか
ら、長寿命・無公害であり、しかも高エネルギー密度を
有するアルカリ蓄電池用負極として期待されている。
【0006】このような水素吸蔵合金電極に用いられる
合金として、一般的にはTi−Ni系およびLa(また
はMm)−Ni系の多元系合金がよく知られている。T
i−Ni系の多元系合金は、ABタイプとして分類でき
るが、この特徴として充放電サイクルの初期には比較的
大きな放電容量を示すが、充放電を繰り返すと、その容
量を長く維持することが困難であるという課題がある。
また、AB5タイプのLa(またはMm)−Ni系の多
元系合金は、近年電極材料として多くの開発が進められ
ており、これまでは比較的有力な合金材料とされてい
た。しかし、この合金系も比較的放電容量が小さいこ
と、電池電極としての寿命性能が不十分であること、材
料コストが高いなどの課題を有している。したがって、
さらに高容量化が可能で長寿命である新規水素吸蔵合金
材料が望まれていた。
合金として、一般的にはTi−Ni系およびLa(また
はMm)−Ni系の多元系合金がよく知られている。T
i−Ni系の多元系合金は、ABタイプとして分類でき
るが、この特徴として充放電サイクルの初期には比較的
大きな放電容量を示すが、充放電を繰り返すと、その容
量を長く維持することが困難であるという課題がある。
また、AB5タイプのLa(またはMm)−Ni系の多
元系合金は、近年電極材料として多くの開発が進められ
ており、これまでは比較的有力な合金材料とされてい
た。しかし、この合金系も比較的放電容量が小さいこ
と、電池電極としての寿命性能が不十分であること、材
料コストが高いなどの課題を有している。したがって、
さらに高容量化が可能で長寿命である新規水素吸蔵合金
材料が望まれていた。
【0007】これに対して、AB2タイプのLaves
相合金(A:Zr,Tiなどの水素との親和性の大きい
元素、B:Ni,Mn,Crなどの遷移元素)は水素吸
蔵能が比較的高く、高容量かつ長寿命の電極として有望
である。すでにこの合金系については、例えばZrαV
βNiγMδ系合金(特開昭64−60961号公報)
やAxByNiz系合金(特開平1−102855号公
報)などを提案している。
相合金(A:Zr,Tiなどの水素との親和性の大きい
元素、B:Ni,Mn,Crなどの遷移元素)は水素吸
蔵能が比較的高く、高容量かつ長寿命の電極として有望
である。すでにこの合金系については、例えばZrαV
βNiγMδ系合金(特開昭64−60961号公報)
やAxByNiz系合金(特開平1−102855号公
報)などを提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
のAB2タイプのLaves相合金を電極に用いた場
合、Ti−Ni系やLa(またはMm)−Ni系の多元
系合金に比べて放電容量が高く長寿命化は可能である
が、充放電サイクルの初期での放電特性が非常に悪いと
いう課題があった。
のAB2タイプのLaves相合金を電極に用いた場
合、Ti−Ni系やLa(またはMm)−Ni系の多元
系合金に比べて放電容量が高く長寿命化は可能である
が、充放電サイクルの初期での放電特性が非常に悪いと
いう課題があった。
【0009】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、水素吸蔵合金を改善することにより、高容量を損
なうことなく初期放電特性を向上させることができる水
素吸蔵合金電極を提供することを目的とする。
あり、水素吸蔵合金を改善することにより、高容量を損
なうことなく初期放電特性を向上させることができる水
素吸蔵合金電極を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、一般式が、ZrMnxVyNiz(ただし、
0.4≦x≦0.7,0.1≦y≦0.3,1.2≦z
≦1.5であり、かつ2.0≦x+y+z≦2.4)で
示され、合金相の主成分がC15型Laves相であ
り、かつその結晶格子定数aが、7.03Å≦a≦7.
10Åである水素吸蔵合金またはその水素化合物を用い
るものである。
に本発明は、一般式が、ZrMnxVyNiz(ただし、
0.4≦x≦0.7,0.1≦y≦0.3,1.2≦z
≦1.5であり、かつ2.0≦x+y+z≦2.4)で
示され、合金相の主成分がC15型Laves相であ
り、かつその結晶格子定数aが、7.03Å≦a≦7.
10Åである水素吸蔵合金またはその水素化合物を用い
るものである。
【0011】
【作用】本発明の水素吸蔵合金電極は、従来のZr−M
n−V−Cr−Ni系Laves相合金を改善したもの
であり、したがって本発明によれば従来合金の組成から
Crをなくすことにより、電気化学的な充放電特性にお
いて初期から効率よく多量の水素を吸蔵−放出させるこ
とができる。
n−V−Cr−Ni系Laves相合金を改善したもの
であり、したがって本発明によれば従来合金の組成から
Crをなくすことにより、電気化学的な充放電特性にお
いて初期から効率よく多量の水素を吸蔵−放出させるこ
とができる。
【0012】したがって、本発明の電極を用いて構成し
たアルカリ蓄電池、例えばニッケル−水素蓄電池は、従
来のこの種の電池に比べて高容量を損なわずに優れた初
期放電特性を有することが可能になる。
たアルカリ蓄電池、例えばニッケル−水素蓄電池は、従
来のこの種の電池に比べて高容量を損なわずに優れた初
期放電特性を有することが可能になる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の一実施例について図面ととも
に説明する。
に説明する。
【0014】市販のZr,Mn,VおよびNi金属を原
料として、アルゴン雰囲気中、アーク溶解炉で加熱溶解
することにより、(表1)に示したような組成の合金を
作製した。次いで、真空中、1100℃で12時間熱処
理し、合金試料とした。
料として、アルゴン雰囲気中、アーク溶解炉で加熱溶解
することにより、(表1)に示したような組成の合金を
作製した。次いで、真空中、1100℃で12時間熱処
理し、合金試料とした。
【0015】なお(表1)中の試料No.1および2につ
いては上記金属の他にCr金属を追加して使用した。
いては上記金属の他にCr金属を追加して使用した。
【0016】
【表1】
【0017】この合金試料の一部はX線回折などの合金
分析および水素ガス雰囲気における水素吸収−放出量測
定(通常のP(水素圧力)−C(組成)−T(温度)測
定)に使用し、残りは電極特性評価に用いた。
分析および水素ガス雰囲気における水素吸収−放出量測
定(通常のP(水素圧力)−C(組成)−T(温度)測
定)に使用し、残りは電極特性評価に用いた。
【0018】試料No.1および2は本発明と構成元素
が異なる比較例であり、試料No.3〜14は本発明にお
ける水素吸蔵合金のいくつかの実施例である。まず、本
発明の水素吸蔵合金について、真空熱処理後X線回折測
定を行った。その結果、いずれの合金試料についても合
金相の主成分はC15型Laves相(MgCu2型f
cc構造)であることを確認した。また、熱処理前と比
べるとfccのピークがより大きく鋭くなったので、熱
処理することによりC15型Laves相の割合が増大
し、合金の均質性および結晶性も向上したことがわかっ
た。
が異なる比較例であり、試料No.3〜14は本発明にお
ける水素吸蔵合金のいくつかの実施例である。まず、本
発明の水素吸蔵合金について、真空熱処理後X線回折測
定を行った。その結果、いずれの合金試料についても合
金相の主成分はC15型Laves相(MgCu2型f
cc構造)であることを確認した。また、熱処理前と比
べるとfccのピークがより大きく鋭くなったので、熱
処理することによりC15型Laves相の割合が増大
し、合金の均質性および結晶性も向上したことがわかっ
た。
【0019】以上のような試料No.1〜14の合金につ
いて、電気化学的な充放電反応によるアルカリ蓄電池用
負極としての電極特性、特に、初期放電特性を評価する
ために単電池試験を行った。
いて、電気化学的な充放電反応によるアルカリ蓄電池用
負極としての電極特性、特に、初期放電特性を評価する
ために単電池試験を行った。
【0020】試料No.1〜14の合金を400メッシュ
以下の粒径になるように粉砕し、この合金粉末1gと導
電剤としてのカーボニルニッケル粉末3gおよび結着剤
としてのポリエチレン微粉末0.12gを十分混合撹拌
し、プレス加工により24.5Φ×2.5mmHの円板状
に成形した。これを真空中、130℃で1時間加熱し、
結着剤を溶融させて水素吸蔵合金電極とした。
以下の粒径になるように粉砕し、この合金粉末1gと導
電剤としてのカーボニルニッケル粉末3gおよび結着剤
としてのポリエチレン微粉末0.12gを十分混合撹拌
し、プレス加工により24.5Φ×2.5mmHの円板状
に成形した。これを真空中、130℃で1時間加熱し、
結着剤を溶融させて水素吸蔵合金電極とした。
【0021】この水素吸蔵合金電極にニッケル線のリー
ドを取り付けて負極とし、正極として過剰の容量を有す
る焼結式ニッケル極を、セパレータとしてポリアミド不
織布を用い、比重1.30の水酸化カリウム水溶液を電
解液として、25℃において、一定電流で充電と放電を
繰り返し、各サイクルでの放電容量を測定した。なお、
充電電気量は水素吸蔵合金1gあたり100mA×5時間
であり、放電は同様に1gあたり50mAで行い、0.8
Vでカットした。その結果を図1に示す。図1はいずれ
も横軸に充放電サイクル数を、縦軸に合金1gあたりの
放電容量を示したものであり、図中の番号は(表1)の
試料No.と一致している。図1から試料No.1および2で
は1サイクル目,2サイクル目の放電容量が0.01〜
0.02Ah/gであり、10サイクル以後ほぼ一定にな
ったのに対して、本発明による水素吸蔵合金を用いる
と、いずれも1サイクル目が0.15〜0.2Ah/g、
2サイクル目が0.25〜0.28Ah/g、3サイクル
以後ほぼ一定で0.34〜0.36Ah/gであり、従来
よりも初期放電特性が向上していることがわかる。
ドを取り付けて負極とし、正極として過剰の容量を有す
る焼結式ニッケル極を、セパレータとしてポリアミド不
織布を用い、比重1.30の水酸化カリウム水溶液を電
解液として、25℃において、一定電流で充電と放電を
繰り返し、各サイクルでの放電容量を測定した。なお、
充電電気量は水素吸蔵合金1gあたり100mA×5時間
であり、放電は同様に1gあたり50mAで行い、0.8
Vでカットした。その結果を図1に示す。図1はいずれ
も横軸に充放電サイクル数を、縦軸に合金1gあたりの
放電容量を示したものであり、図中の番号は(表1)の
試料No.と一致している。図1から試料No.1および2で
は1サイクル目,2サイクル目の放電容量が0.01〜
0.02Ah/gであり、10サイクル以後ほぼ一定にな
ったのに対して、本発明による水素吸蔵合金を用いる
と、いずれも1サイクル目が0.15〜0.2Ah/g、
2サイクル目が0.25〜0.28Ah/g、3サイクル
以後ほぼ一定で0.34〜0.36Ah/gであり、従来
よりも初期放電特性が向上していることがわかる。
【0022】さらに、これらの合金を用いて構成した密
閉形ニッケル−水素蓄電池について説明する。
閉形ニッケル−水素蓄電池について説明する。
【0023】(表1)に示した本発明における合金の中
から試料No.3および6の2種類の合金を選び、400
メッシュ以下の粉末にした各水素吸蔵合金をそれぞれカ
ルボキシメチルセルローズ(CMC)の希水溶液と混合
撹拌してペースト状にし、電極支持体として平均ポアサ
イズ150ミクロン,多孔度95%,厚さ1.0mmの発
泡状ニッケルシートに充填した。これを120℃で乾燥
してローラープレスで加圧し、さらにその表面にフッ素
樹脂粉末をコーティングして水素吸蔵合金電極とした。
から試料No.3および6の2種類の合金を選び、400
メッシュ以下の粉末にした各水素吸蔵合金をそれぞれカ
ルボキシメチルセルローズ(CMC)の希水溶液と混合
撹拌してペースト状にし、電極支持体として平均ポアサ
イズ150ミクロン,多孔度95%,厚さ1.0mmの発
泡状ニッケルシートに充填した。これを120℃で乾燥
してローラープレスで加圧し、さらにその表面にフッ素
樹脂粉末をコーティングして水素吸蔵合金電極とした。
【0024】この電極をそれぞれ幅3.3cm,長さ21
cm,厚さ0.40mmに調整し、リード板を所定の2ヵ所
に取り付けた。そして、正極およびセパレータと組み合
わせて円筒状に3層を渦巻き状にしてSCサイズの電槽
に収納した。このときの正極は公知の発泡式ニッケル極
を選び、幅3.3cm,長さ18cmとして用いた。この場
合もリード板を2ヵ所に取り付けた。また、セパレータ
は親水性を付与したポリプロピレン不織布を使用し、電
解液としては、比重1.20の水酸化カリウム水溶液に
水酸化リチウムを30g/l溶解したものを用いた。こ
れを封口して密閉形電池とした。この電池は正極容量規
制であり理論容量は3.0Ahにした。
cm,厚さ0.40mmに調整し、リード板を所定の2ヵ所
に取り付けた。そして、正極およびセパレータと組み合
わせて円筒状に3層を渦巻き状にしてSCサイズの電槽
に収納した。このときの正極は公知の発泡式ニッケル極
を選び、幅3.3cm,長さ18cmとして用いた。この場
合もリード板を2ヵ所に取り付けた。また、セパレータ
は親水性を付与したポリプロピレン不織布を使用し、電
解液としては、比重1.20の水酸化カリウム水溶液に
水酸化リチウムを30g/l溶解したものを用いた。こ
れを封口して密閉形電池とした。この電池は正極容量規
制であり理論容量は3.0Ahにした。
【0025】これらの電池をそれぞれ10個ずつ作製
し、通常の充放電サイクル試験によって評価した。すな
わち、充電は0.5C(2時間率)で150%まで、放
電は0.2C(5時間率)で終止電圧1.0Vとし、2
0℃において充放電サイクルを繰り返した。その結果、
いずれの電池もサイクルの初期は理論容量より実際の放
電容量が低かったが、数サイクルの充放電で理論容量の
3.0Ahに到達し、500サイクルまでの充放電試験に
おいて安定した電池性能を持続した。
し、通常の充放電サイクル試験によって評価した。すな
わち、充電は0.5C(2時間率)で150%まで、放
電は0.2C(5時間率)で終止電圧1.0Vとし、2
0℃において充放電サイクルを繰り返した。その結果、
いずれの電池もサイクルの初期は理論容量より実際の放
電容量が低かったが、数サイクルの充放電で理論容量の
3.0Ahに到達し、500サイクルまでの充放電試験に
おいて安定した電池性能を持続した。
【0026】ここで、本発明における合金組成の作用に
ついて説明する。まず、従来のZr−Mn−V−Cr−
Ni合金の組成からCrをなくすことにより電気化学的
な水素の吸蔵−放出に対する活性が向上し、充放電サイ
クルの初期から効率よく水素を吸蔵−放出させることが
できる。
ついて説明する。まず、従来のZr−Mn−V−Cr−
Ni合金の組成からCrをなくすことにより電気化学的
な水素の吸蔵−放出に対する活性が向上し、充放電サイ
クルの初期から効率よく水素を吸蔵−放出させることが
できる。
【0027】次に、各組成の範囲は主に水素吸蔵−放出
量を確保するためのものである。Vは水素吸蔵−放出量
増加に寄与し、Niは吸蔵−放出量の低下を引き起こす
が電気化学的な水素の吸蔵−放出に対する活性の向上に
寄与する。しかし、V量が0.3を越えると、合金の均
質性が悪くなり逆に吸蔵−放出量は減少する。また、N
i量が多すぎ、V量とのバランスが崩れると、吸蔵−放
出量は非常に少なくなる。したがって、V量およびNi
量はそれぞれ0.1≦y≦0.3,1.2≦z≦1.5
が適当であり、V量とNi量とのバランスを考えるとz
−y≦1.2であることが必要である。
量を確保するためのものである。Vは水素吸蔵−放出量
増加に寄与し、Niは吸蔵−放出量の低下を引き起こす
が電気化学的な水素の吸蔵−放出に対する活性の向上に
寄与する。しかし、V量が0.3を越えると、合金の均
質性が悪くなり逆に吸蔵−放出量は減少する。また、N
i量が多すぎ、V量とのバランスが崩れると、吸蔵−放
出量は非常に少なくなる。したがって、V量およびNi
量はそれぞれ0.1≦y≦0.3,1.2≦z≦1.5
が適当であり、V量とNi量とのバランスを考えるとz
−y≦1.2であることが必要である。
【0028】MnはPCT曲線における水素平衡圧力の
平坦性に影響を及ぼし、Mn量が0.4以上でその平坦
性が非常に良くなり、水素吸蔵−放出量が増加する。し
かし、Mn量が0.7を越えると、Mnの電解液への溶
出が激しくなり寿命特性が悪くなる。したがって、Mn
量は0.4≦x≦0.7が適当である。
平坦性に影響を及ぼし、Mn量が0.4以上でその平坦
性が非常に良くなり、水素吸蔵−放出量が増加する。し
かし、Mn量が0.7を越えると、Mnの電解液への溶
出が激しくなり寿命特性が悪くなる。したがって、Mn
量は0.4≦x≦0.7が適当である。
【0029】以上のことから、高容量であり、かつ優れ
た初期放電特性を有する水素吸蔵合金電極を得るために
は、本発明の合金組成の条件を満たすことが重要である
ことがわかる。
た初期放電特性を有する水素吸蔵合金電極を得るために
は、本発明の合金組成の条件を満たすことが重要である
ことがわかる。
【0030】
【発明の効果】上記実施例より明らかなように本発明の
水素吸蔵合金電極は、従来の水素吸蔵合金電極の合金組
成からCrをなくすことにより充放電サイクルの初期か
ら効率よく多量の水素を吸蔵−放出させることができる
ため、これを電極とするアルカリ蓄電池は、従来のこの
種の電池に比べて高容量を損なわずに優れた初期放電特
性を有することができる。
水素吸蔵合金電極は、従来の水素吸蔵合金電極の合金組
成からCrをなくすことにより充放電サイクルの初期か
ら効率よく多量の水素を吸蔵−放出させることができる
ため、これを電極とするアルカリ蓄電池は、従来のこの
種の電池に比べて高容量を損なわずに優れた初期放電特
性を有することができる。
【図1】本発明の実施例および従来の水素吸蔵合金電極
を用いた単電池試験結果を示す充放電サイクル特性図
を用いた単電池試験結果を示す充放電サイクル特性図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 庸一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 岩城 勉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−60961(JP,A) 特開 昭63−284758(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】一般式が、ZrMnxVyNiz(ただし、
0.4≦x≦0.7,0.1≦y≦0.3,1.2≦z
≦1.5であり、かつ2.0≦x+y+z≦2.4)で
示され、合金相の主成分がC15(MgCu2)型La
ves相であり、かつその結晶格子定数aが、7.03
Å≦a≦7.10Åである水素吸蔵合金またはその水素
化物よりなる水素吸蔵合金電極。 - 【請求項2】NiとVの配合比率が、z−y≦1.2で
ある請求項1記載の水素吸蔵合金電極。 - 【請求項3】合金作製後、1000〜1300℃の真空
中または不活性ガス雰囲気中で均質化熱処理を行った合
金を用いた請求項1または2記載の水素吸蔵合金電極。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3066359A JP2579072B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 水素吸蔵合金電極 |
US07/858,366 US5205985A (en) | 1991-03-29 | 1992-03-26 | Hydrogen storage alloy and hydride electrodes having c15 crystal structure |
DE69215725T DE69215725T2 (de) | 1991-03-29 | 1992-03-27 | Wasserstoffspeicherlegierung und ihre Verwendung bei einer Elektrode |
EP92105308A EP0506084B1 (en) | 1991-03-29 | 1992-03-27 | A hydrogen storage alloy and an electrode using the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3066359A JP2579072B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 水素吸蔵合金電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04301045A JPH04301045A (ja) | 1992-10-23 |
JP2579072B2 true JP2579072B2 (ja) | 1997-02-05 |
Family
ID=13313583
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3066359A Expired - Lifetime JP2579072B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 水素吸蔵合金電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2579072B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69326374T2 (de) * | 1992-04-13 | 2000-04-06 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Wasserstoffspeicherlegierung Elektrode |
US5480740A (en) * | 1993-02-22 | 1996-01-02 | Matushita Electric Industrial Co., Ltd. | Hydrogen storage alloy and electrode therefrom |
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