JP2568392B2 - 結晶性ポリアミド球状粒子粉末の製造方法 - Google Patents
結晶性ポリアミド球状粒子粉末の製造方法Info
- Publication number
- JP2568392B2 JP2568392B2 JP7128165A JP12816595A JP2568392B2 JP 2568392 B2 JP2568392 B2 JP 2568392B2 JP 7128165 A JP7128165 A JP 7128165A JP 12816595 A JP12816595 A JP 12816595A JP 2568392 B2 JP2568392 B2 JP 2568392B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nylon
- crystalline polyamide
- solvent
- particle powder
- spherical particle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J3/00—Processes of treating or compounding macromolecular substances
- C08J3/12—Powdering or granulating
- C08J3/14—Powdering or granulating by precipitation from solutions
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L77/00—Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、独立した単球晶(singl
e spherulite) 状の結晶性ポリアミド球状粒子粉末の製
造方法に関する。更に詳しくは本発明は結晶性ポリアミ
ドを温度により溶媒及び非溶媒の特性を示す相分離用溶
媒を用いて、大きさの分布巾が小さい独立単球晶状の結
晶性ポリアミド粒子よりなる結晶性ポリアミド球状粒子
粉末の製造方法に関するものである。
e spherulite) 状の結晶性ポリアミド球状粒子粉末の製
造方法に関する。更に詳しくは本発明は結晶性ポリアミ
ドを温度により溶媒及び非溶媒の特性を示す相分離用溶
媒を用いて、大きさの分布巾が小さい独立単球晶状の結
晶性ポリアミド粒子よりなる結晶性ポリアミド球状粒子
粉末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、付加重合により合成されるビ
ニル系熱可塑性樹脂は、懸濁重合又は乳化重合により球
状粒子粉末を製造することができるが、ポリアミドのよ
うに縮合重合により合成される熱可塑性樹脂は塊状であ
って、重合過程で粉末状に製造することは不可能である
ため、別途の粉末化工程を追加して製造しているのが実
情である。従来、縮合重合により合成される塊状の熱可
塑性樹脂から一般的な粉末を製造するには塊状の樹脂を
ボールミル等を利用して機械的に粉砕した後、篩別して
一定の大きさの粉末を得ている。
ニル系熱可塑性樹脂は、懸濁重合又は乳化重合により球
状粒子粉末を製造することができるが、ポリアミドのよ
うに縮合重合により合成される熱可塑性樹脂は塊状であ
って、重合過程で粉末状に製造することは不可能である
ため、別途の粉末化工程を追加して製造しているのが実
情である。従来、縮合重合により合成される塊状の熱可
塑性樹脂から一般的な粉末を製造するには塊状の樹脂を
ボールミル等を利用して機械的に粉砕した後、篩別して
一定の大きさの粉末を得ている。
【0003】しかし、このような粉末製造方法の短所と
しては、(1)塊状の樹脂を機械的に粉砕するために、
粉砕時樹脂の温度をガラス転移温度より遥に低くしなけ
ればならないので、それによる製造原価が大きく上昇
し、(2)樹脂の粉砕に長時間が必要であり、(3)一
回の粉砕操作により生産することができる粉末の量が数
キログラム以下に限定されるので、生産性が非常に低い
ことである。したがって、かかる短所により生じる低い
生産性及び高い製造原価により、大量生産のために前記
機械的粉砕方法を実用化することは事実上不可能であ
る。なお、機械的粉砕方法で製造される粉末は、粉砕後
その形状が不規則な多面体であり、またその大きさの分
布が非常に広いので、望みの大きさの粉末を得るために
は更に他の分離工程を追加しなければならず、それによ
る製造原価の上昇及び生産性の低下を避けることができ
ない。
しては、(1)塊状の樹脂を機械的に粉砕するために、
粉砕時樹脂の温度をガラス転移温度より遥に低くしなけ
ればならないので、それによる製造原価が大きく上昇
し、(2)樹脂の粉砕に長時間が必要であり、(3)一
回の粉砕操作により生産することができる粉末の量が数
キログラム以下に限定されるので、生産性が非常に低い
ことである。したがって、かかる短所により生じる低い
生産性及び高い製造原価により、大量生産のために前記
機械的粉砕方法を実用化することは事実上不可能であ
る。なお、機械的粉砕方法で製造される粉末は、粉砕後
その形状が不規則な多面体であり、またその大きさの分
布が非常に広いので、望みの大きさの粉末を得るために
は更に他の分離工程を追加しなければならず、それによ
る製造原価の上昇及び生産性の低下を避けることができ
ない。
【0004】また、一般的に溶媒/非溶媒法による樹脂
粉末の製造方法としては、樹脂を一定溶媒に溶解して得
た透明な均一溶液を、樹脂の非溶媒に添加して溶解して
いる樹脂を沈殿させる方法である。しかし、前記のよう
に透明な均一溶液を非溶媒に添加して溶解度を落すこと
によって得る沈殿物の形状は一般的に繊維状であり、そ
の形状と大きさが不規則である。また粉末の大きさも数
百μm 以上である。したがって、一般的な溶媒/非溶媒
法によっては、均一形状の球状粒子粉末の製造が不可能
であるのみならず、数十μm 以下の粉末を得るために
は、沈殿物を更に機械的に粉砕し、分離する工程を経な
ければならないので、機械的な粉砕法に比べて大きな長
所がない。
粉末の製造方法としては、樹脂を一定溶媒に溶解して得
た透明な均一溶液を、樹脂の非溶媒に添加して溶解して
いる樹脂を沈殿させる方法である。しかし、前記のよう
に透明な均一溶液を非溶媒に添加して溶解度を落すこと
によって得る沈殿物の形状は一般的に繊維状であり、そ
の形状と大きさが不規則である。また粉末の大きさも数
百μm 以上である。したがって、一般的な溶媒/非溶媒
法によっては、均一形状の球状粒子粉末の製造が不可能
であるのみならず、数十μm 以下の粉末を得るために
は、沈殿物を更に機械的に粉砕し、分離する工程を経な
ければならないので、機械的な粉砕法に比べて大きな長
所がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決し、従来の方法では、製造不可能な単球晶状
の、大きさの分布巾の小さい結晶性ポリアミド球状粒子
粉末の安価にして、高生産性の製造方法を提供すること
を目的とする。
点を解決し、従来の方法では、製造不可能な単球晶状
の、大きさの分布巾の小さい結晶性ポリアミド球状粒子
粉末の安価にして、高生産性の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このため
鋭意検討を重ねてきた結果、結晶性ポリアミドに対して
温度により溶媒特性及び非溶媒特性を示す溶媒(以下
「相分離用溶媒」という)を用いることにより、結晶性
ポリアミドの球状粒子粉末を製造することができること
を見出し、本発明を完成するに至った。
鋭意検討を重ねてきた結果、結晶性ポリアミドに対して
温度により溶媒特性及び非溶媒特性を示す溶媒(以下
「相分離用溶媒」という)を用いることにより、結晶性
ポリアミドの球状粒子粉末を製造することができること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、下記の(a)、
(b)、(c)及び(d)の工程からなることを特徴と
する、結晶性ポリアミド球状粒子粉末の製造方法であ
る。 (a)結晶性ポリアミドを塩化カルシウムを含まない相
分離用溶媒に溶解して透明な均一溶液を形成させる工
程; (b)前記均一溶液を冷却して相分離を誘導し、結晶性
ポリアミドが単球晶状粒子として相分離された溶液を形
成させる工程; (c)前記不均一溶液を洗浄用溶媒を用いて相分離用溶
媒のみを溶解、洗浄して除去し、結晶性ポリアミド粒子
を相分離されたままの状態で沈殿、分離させる工程;及
び (d)前記沈殿をろ過、乾燥して、球状粒子の直径が1
〜100μm であり、その大きさの分布を示す多分散度
が1.10以下である独立単球晶状粒子の結晶性ポリア
ミド粉末を得る工程
(b)、(c)及び(d)の工程からなることを特徴と
する、結晶性ポリアミド球状粒子粉末の製造方法であ
る。 (a)結晶性ポリアミドを塩化カルシウムを含まない相
分離用溶媒に溶解して透明な均一溶液を形成させる工
程; (b)前記均一溶液を冷却して相分離を誘導し、結晶性
ポリアミドが単球晶状粒子として相分離された溶液を形
成させる工程; (c)前記不均一溶液を洗浄用溶媒を用いて相分離用溶
媒のみを溶解、洗浄して除去し、結晶性ポリアミド粒子
を相分離されたままの状態で沈殿、分離させる工程;及
び (d)前記沈殿をろ過、乾燥して、球状粒子の直径が1
〜100μm であり、その大きさの分布を示す多分散度
が1.10以下である独立単球晶状粒子の結晶性ポリア
ミド粉末を得る工程
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いる結晶性ポリアミドは、ポリマー主鎖に−CONH
−結合を有し、加熱溶融できるものである。その代表的
なものとしては、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン
7、ナイロン8、ナイロン9、ナイロン10、ナイロン
11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン7,
7、ナイロン8,8、ナイロン6,10、ナイロン9,
9、ナイロン10,9及びナイロン10,10等が挙げ
られる。
用いる結晶性ポリアミドは、ポリマー主鎖に−CONH
−結合を有し、加熱溶融できるものである。その代表的
なものとしては、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン
7、ナイロン8、ナイロン9、ナイロン10、ナイロン
11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン7,
7、ナイロン8,8、ナイロン6,10、ナイロン9,
9、ナイロン10,9及びナイロン10,10等が挙げ
られる。
【0009】本発明で用いる相分離用溶媒は高温で結晶
性ポリアミドを完全に溶解させて透明な均一溶液を形成
する。一方、低温に冷却すると、溶媒と結晶性ポリアミ
ド間の相分離を誘導して結晶性ポリアミドが独立した単
球晶状粒子として相分離された不透明な不均一溶液を形
成する。このように相分離が行われた不均一溶液から、
相分離用溶媒とは相溶性に優れているが、ポリアミドと
は相溶性が全くない溶媒(以下「洗浄用溶媒」という)
を用いて相分離用溶媒のみを単に溶解、洗浄して除去す
ると結晶性ポリアミドが相分離されたままの状態で沈
殿、分離する。この沈殿物をろ過、乾燥すると大きさの
分布巾が小さい単球晶状のポリアミド粒子粉末が得られ
る。この際、得られる粉末粒子の大きさは溶液の濃度及
び相分離速度に影響されるため、相分離のときに適性濃
度及び適正冷却条件を選定して分離される結晶性ポリア
ミド球状粒子の大きさを一定に調節すると、他の追加工
程なしで任意の大きさの単球晶状粒子粉末を大量に得る
ことができる。
性ポリアミドを完全に溶解させて透明な均一溶液を形成
する。一方、低温に冷却すると、溶媒と結晶性ポリアミ
ド間の相分離を誘導して結晶性ポリアミドが独立した単
球晶状粒子として相分離された不透明な不均一溶液を形
成する。このように相分離が行われた不均一溶液から、
相分離用溶媒とは相溶性に優れているが、ポリアミドと
は相溶性が全くない溶媒(以下「洗浄用溶媒」という)
を用いて相分離用溶媒のみを単に溶解、洗浄して除去す
ると結晶性ポリアミドが相分離されたままの状態で沈
殿、分離する。この沈殿物をろ過、乾燥すると大きさの
分布巾が小さい単球晶状のポリアミド粒子粉末が得られ
る。この際、得られる粉末粒子の大きさは溶液の濃度及
び相分離速度に影響されるため、相分離のときに適性濃
度及び適正冷却条件を選定して分離される結晶性ポリア
ミド球状粒子の大きさを一定に調節すると、他の追加工
程なしで任意の大きさの単球晶状粒子粉末を大量に得る
ことができる。
【0010】図1、図2及び図3にそれぞれ本発明の方
法で製造された結晶性ポリアミド球状粒子粉末の電子顕
微鏡写真、電子顕微鏡拡大写真及び偏光顕微鏡写真を示
す。相分離用溶媒の選択時に考慮すべき事項は以下のと
おりである。第1に、結晶性ポリアミドの溶融温度「T
m 」を基準として、(Tm −50)℃未満の温度におい
ては非溶媒の特性を、(Tm −50)℃以上では溶媒の
特性を示し、(Tm+30)℃以上では完全に透明な均
一溶液を形成することが好ましい。第2に、常温での粘
度が30cP以上が好ましく、第3に、高温で形成した透
明な均一溶液を冷却すると、結晶性ポリアミドは独立し
た単球晶状に相分離しなければならないことである。
法で製造された結晶性ポリアミド球状粒子粉末の電子顕
微鏡写真、電子顕微鏡拡大写真及び偏光顕微鏡写真を示
す。相分離用溶媒の選択時に考慮すべき事項は以下のと
おりである。第1に、結晶性ポリアミドの溶融温度「T
m 」を基準として、(Tm −50)℃未満の温度におい
ては非溶媒の特性を、(Tm −50)℃以上では溶媒の
特性を示し、(Tm+30)℃以上では完全に透明な均
一溶液を形成することが好ましい。第2に、常温での粘
度が30cP以上が好ましく、第3に、高温で形成した透
明な均一溶液を冷却すると、結晶性ポリアミドは独立し
た単球晶状に相分離しなければならないことである。
【0011】このような条件を満たす相分離用溶媒とし
ては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、2−ブテン−1,4−ジオール及びこれらの
誘導体並びに以上のものの混合物等を挙げることができ
るが、これらに限定するものではない。本発明による結
晶状ポリアミド球状粒子粉末の製造工程を以下に更に詳
しく説明する。前述の制限条件を満たす相分離用溶媒に
結晶性ポリアミドを好ましくは1〜30重量%、より好
ましくは5〜20重量%混合し、次いで混合物を230
℃で約30分間撹拌して透明な均一溶液を造る。この透
明な均一溶液を好ましくは0.1〜20℃/分の速度
で、より好ましくは1〜10℃/分の速度で冷却する。
この冷却過程中結晶性ポリアミドが単球晶状に相分離す
るが、分離する粒子の大きさは溶液の濃度及び冷却速度
により決定される。
ては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、2−ブテン−1,4−ジオール及びこれらの
誘導体並びに以上のものの混合物等を挙げることができ
るが、これらに限定するものではない。本発明による結
晶状ポリアミド球状粒子粉末の製造工程を以下に更に詳
しく説明する。前述の制限条件を満たす相分離用溶媒に
結晶性ポリアミドを好ましくは1〜30重量%、より好
ましくは5〜20重量%混合し、次いで混合物を230
℃で約30分間撹拌して透明な均一溶液を造る。この透
明な均一溶液を好ましくは0.1〜20℃/分の速度
で、より好ましくは1〜10℃/分の速度で冷却する。
この冷却過程中結晶性ポリアミドが単球晶状に相分離す
るが、分離する粒子の大きさは溶液の濃度及び冷却速度
により決定される。
【0012】図4と図5に、それぞれ溶液の濃度と冷却
速度により分離する結晶性ポリアミド粒子の平均の大き
さの変化を示した。溶液の濃度は結晶性ポリアミドの結
晶化速度に影響を及ぼし、溶液の濃度が大きくなる程直
径が大きい結晶性ポリアミド粒子が得られる。この際得
られる結晶性ポリアミド粒子の大きさは1〜100μm
の範囲に調節可能であり、その大きさの分布を示す多分
散度は1.10以下である。 多分散度=(重量平均粒子直径)/(数平均粒子直径)
速度により分離する結晶性ポリアミド粒子の平均の大き
さの変化を示した。溶液の濃度は結晶性ポリアミドの結
晶化速度に影響を及ぼし、溶液の濃度が大きくなる程直
径が大きい結晶性ポリアミド粒子が得られる。この際得
られる結晶性ポリアミド粒子の大きさは1〜100μm
の範囲に調節可能であり、その大きさの分布を示す多分
散度は1.10以下である。 多分散度=(重量平均粒子直径)/(数平均粒子直径)
【0013】また冷却速度が小さい程直径が大きい結晶
性ポリアミド粒子を得ることができるが、冷却速度の変
化により調節できる大きさの変化は10μm を超えな
い。なお、得られる結晶性ポリアミド粒子の緻密度は溶
媒の粘度により調節することができ、溶媒の粘度が小さ
い程緻密な構造を有する結晶性ポリアミド粒子が得られ
る。
性ポリアミド粒子を得ることができるが、冷却速度の変
化により調節できる大きさの変化は10μm を超えな
い。なお、得られる結晶性ポリアミド粒子の緻密度は溶
媒の粘度により調節することができ、溶媒の粘度が小さ
い程緻密な構造を有する結晶性ポリアミド粒子が得られ
る。
【0014】相分離が終わった混合物から相分離用溶媒
とは完全に混合するが、結晶性ポリアミドとは全く相溶
性がない洗浄用溶媒を用いて相分離用溶媒のみを溶解、
除去した後、ろ過、乾燥させて球状の結晶性ポリアミド
粒子粉末を得る。製造された粒子粉末の大きさ及び構造
は、冷却過程で相分離された結晶性ポリアミド粒子の大
きさ及び構造と同一であり、粒子一つ一つが分離した単
球晶になっているため、球状の形態を有する。
とは完全に混合するが、結晶性ポリアミドとは全く相溶
性がない洗浄用溶媒を用いて相分離用溶媒のみを溶解、
除去した後、ろ過、乾燥させて球状の結晶性ポリアミド
粒子粉末を得る。製造された粒子粉末の大きさ及び構造
は、冷却過程で相分離された結晶性ポリアミド粒子の大
きさ及び構造と同一であり、粒子一つ一つが分離した単
球晶になっているため、球状の形態を有する。
【0015】本製造工程中、相分離用溶媒を完全に溶
解、除去するためには、洗浄用溶媒を用いて洗浄、ろ過
工程を3回以上繰り返さなければならない。この際、用
いる洗浄用溶媒としては水、アセトン、メタノール等を
挙げることができる。
解、除去するためには、洗浄用溶媒を用いて洗浄、ろ過
工程を3回以上繰り返さなければならない。この際、用
いる洗浄用溶媒としては水、アセトン、メタノール等を
挙げることができる。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
る。しかし、これらの実施例は実施態様を例示する目的
のみであり、本発明の範囲を制限するものではない。
る。しかし、これらの実施例は実施態様を例示する目的
のみであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0017】実施例1:ナイロン6球状粒子粉末の製造 グリセリンにナイロン6の塊状樹脂を10重量%混ぜて
得た混合物を、撹拌機が付いた混合槽内で、230℃に
てナイロン6が完全に溶けるまで約30分間撹拌した。
得られた溶液を5℃/分の速度で冷却した。この冷却過
程でナイロン6が独立単球晶状に相分離した。この相分
離した混合物を水でグリセリンのみを洗い流した。この
際、グリセリンの完全な除去が非常に重要であるため、
3回以上充分洗浄した後、ろ過、乾燥してナイロン6の
球状粒子粉末を得た。得られた球状粒子粉末の大きさと
その分布を電子顕微鏡を用いて確認した結果、この球状
粒子の平均直径は20μm であり、大きさの分布を示す
多分散度は1.02であった。
得た混合物を、撹拌機が付いた混合槽内で、230℃に
てナイロン6が完全に溶けるまで約30分間撹拌した。
得られた溶液を5℃/分の速度で冷却した。この冷却過
程でナイロン6が独立単球晶状に相分離した。この相分
離した混合物を水でグリセリンのみを洗い流した。この
際、グリセリンの完全な除去が非常に重要であるため、
3回以上充分洗浄した後、ろ過、乾燥してナイロン6の
球状粒子粉末を得た。得られた球状粒子粉末の大きさと
その分布を電子顕微鏡を用いて確認した結果、この球状
粒子の平均直径は20μm であり、大きさの分布を示す
多分散度は1.02であった。
【0018】実施例2:ナイロン6,6球状粒子粉末の
製造 エチレングリコールにナイロン6,6の塊状樹脂を5重
量%混ぜて得た混合物を、撹拌機が付いた混合槽内で、
230℃にてナイロン6,6が完全に溶けるまで約30
分間撹拌した。得られた溶液を10℃/分で冷却した。
この冷却過程でナイロン6,6が独立単球晶状に相分離
した。相分離した混合物を水でエチレングリコールのみ
を洗い流した。この際、エチレングリコールの完全な除
去が非常に重要であるため、3回以上充分洗浄した後、
ろ過、乾燥してナイロン6,6−の球状粒子粉末を得
た。得られた球状粒子粉末の大きさとその分布を電子顕
微鏡を用いて確認した結果、球状粒子の平均直径は8μ
m であり、大きさの分布を示す多分散度は1.05であ
った。
製造 エチレングリコールにナイロン6,6の塊状樹脂を5重
量%混ぜて得た混合物を、撹拌機が付いた混合槽内で、
230℃にてナイロン6,6が完全に溶けるまで約30
分間撹拌した。得られた溶液を10℃/分で冷却した。
この冷却過程でナイロン6,6が独立単球晶状に相分離
した。相分離した混合物を水でエチレングリコールのみ
を洗い流した。この際、エチレングリコールの完全な除
去が非常に重要であるため、3回以上充分洗浄した後、
ろ過、乾燥してナイロン6,6−の球状粒子粉末を得
た。得られた球状粒子粉末の大きさとその分布を電子顕
微鏡を用いて確認した結果、球状粒子の平均直径は8μ
m であり、大きさの分布を示す多分散度は1.05であ
った。
【0019】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の方法により、塊
状の結晶性ポリアミドから単球晶状の、大きさの分布巾
の小さい粒子粉末を、安い製造原価及び高い生産性で製
造することができる。
状の結晶性ポリアミドから単球晶状の、大きさの分布巾
の小さい粒子粉末を、安い製造原価及び高い生産性で製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造した結晶性ポリアミド
球状粒子粉末の電子顕微鏡写真である。
球状粒子粉末の電子顕微鏡写真である。
【図2】本発明の方法により製造した結晶性ポリアミド
球状粒子粉末の電子顕微鏡拡大写真である。
球状粒子粉末の電子顕微鏡拡大写真である。
【図3】本発明の方法により製造した結晶性ポリアミド
球状粒子粉末の偏光顕微鏡写真である。
球状粒子粉末の偏光顕微鏡写真である。
【図4】溶液の濃度による結晶性ポリアミド球状粒子の
大きさの変化を示すグラフである。
大きさの変化を示すグラフである。
【図5】冷却速度による結晶性ポリアミド球状粒子の大
きさの変化を示すグラフである。
きさの変化を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 李 光 煕 大韓民国ソウル特別市瑞草区蚕院洞51番 地 蚕院ファミリーアパート2棟206号 (72)発明者 朴 ▲みん▼ 大韓民国ソウル特別市城北区下月谷3洞 山2番地8号 (56)参考文献 特開 昭62−240325(JP,A)
Claims (5)
- 【請求項1】 下記の(a)、(b)、(c)及び
(d)の工程からなることを特徴とする、結晶性ポリア
ミド球状粒子粉末の製造方法。 (a)結晶性ポリアミドを塩化カルシウムを含まない相
分離用溶媒に溶解して透明な均一溶液を形成させる工
程; (b)前記均一溶液を冷却して相分離を誘導し、結晶性
ポリアミドが単球晶状粒子として相分離された溶液を形
成させる工程; (c)前記不均一溶液を、洗浄用溶媒を用いて相分離用
溶媒のみを溶解、洗浄して除去し、結晶性ポリアミド粒
子を相分離されたままの状態で沈殿、分離させる工程;
及び (d)前記沈殿をろ過、乾燥して、球状粒子の直径が1
〜100μm であり、その大きさの分布を示す多分散度
が1.10以下である独立単球晶状粒子の結晶性ポリア
ミド粉末を得る工程 - 【請求項2】 結晶性ポリアミドが、ナイロン4、ナイ
ロン6、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン9、ナイロ
ン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,
6、ナイロン7,7、ナイロン8,8、ナイロン6,1
0、ナイロン9,9、ナイロン10,9及びナイロン1
0,10からなる群から選択されるものである、請求項
1の結晶性ポリアミド球状粒子粉末の製造方法。 - 【請求項3】 相分離用溶媒が、結晶性ポリアミドの溶
融温度を基準として、(該溶融温度−50)℃未満の温
度では非溶媒の特性を、それ以上の温度では良溶媒の特
性をそれぞれ示し、かつ常温での粘度が30cP以上であ
る、請求項1の結晶性ポリアミド球状粒子粉末の製造方
法。 - 【請求項4】 相分離用溶媒が、グリセリン、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、2−ブテン−1,
4−ジオール、及びこれらの誘導体並びに以上のものの
混合物からなる群から選択されるものである、請求項3
の結晶性ポリアミド球状粒子粉末の製造方法。 - 【請求項5】 工程(a)で結晶性ポリアミドを相分離
用溶媒に1〜30重量%溶解し、工程(b)で透明な均
一溶液を0.1〜20℃/分の速度で冷却する、請求項
1の結晶性ポリアミド球状粒子粉末の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
KR1019940014940A KR0127095B1 (ko) | 1994-06-28 | 1994-06-28 | 결정성 폴리아미드 구형 분말의 제조 방법 |
KR14940/1994 | 1994-06-28 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0812765A JPH0812765A (ja) | 1996-01-16 |
JP2568392B2 true JP2568392B2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=19386473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7128165A Expired - Fee Related JP2568392B2 (ja) | 1994-06-28 | 1995-05-26 | 結晶性ポリアミド球状粒子粉末の製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2568392B2 (ja) |
KR (1) | KR0127095B1 (ja) |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100435518B1 (ko) * | 2002-03-15 | 2004-06-10 | 한국화학연구원 | 생산성이 향상된 폴리에틸렌 구형 분말의 제조방법 및 그장치 |
JP4553717B2 (ja) * | 2004-12-15 | 2010-09-29 | 株式会社メタルカラー | ナイロン12球状粒子粉末の製造方法 |
DE102005002930A1 (de) * | 2005-01-21 | 2006-07-27 | Degussa Ag | Polymerpulver mit Polyamid, Verwendung in einem formgebenden Verfahren und Formkörper, hergestellt aus diesem Polymerpulver |
JP5029313B2 (ja) * | 2006-11-21 | 2012-09-19 | 東レ株式会社 | ポリカプロアミド樹脂複合微粒子 |
JP5163158B2 (ja) * | 2008-01-31 | 2013-03-13 | 東レ株式会社 | ポリヘキサメチレンセバカミド樹脂微粒子を含む化粧品 |
CN102186906B (zh) | 2008-10-16 | 2013-06-12 | 宇部兴产株式会社 | 高分子粒子的制造方法及制造装置 |
WO2011132680A1 (ja) | 2010-04-20 | 2011-10-27 | 宇部興産株式会社 | ポリアミド微粒子及びその製造方法並びにそれを用いた光学フィルム及び液晶表示装置 |
CN103665839B (zh) * | 2012-09-14 | 2017-02-08 | 合肥杰事杰新材料股份有限公司 | 一种聚酰胺微球及其制备方法 |
JP2014227471A (ja) * | 2013-05-23 | 2014-12-08 | 宇部興産株式会社 | ポリアミド微粒子の製造方法 |
JP6881439B2 (ja) * | 2016-05-06 | 2021-06-02 | コニカミノルタ株式会社 | ナイロン6粒子の製造方法および立体造形物の製造方法 |
JP6758370B2 (ja) * | 2016-05-10 | 2020-09-23 | 株式会社クレハ | ポリアミド微粒子およびその製造方法ならびにポリアミド微粒子組成物 |
WO2018150835A1 (ja) * | 2017-02-14 | 2018-08-23 | 株式会社クレハ | ポリアミド粒子、およびポリアミド粒子の製造方法 |
KR20230112617A (ko) * | 2020-11-30 | 2023-07-27 | 도레이 카부시키가이샤 | 폴리아미드 미립자, 및 그 제조 방법 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2639278A (en) * | 1950-12-22 | 1953-05-19 | Polymer Corp | Method of preparing finely divided nylon powder |
JPS62240325A (ja) * | 1986-04-11 | 1987-10-21 | Sekisui Plastics Co Ltd | ナイロン粉末の製造方法 |
-
1994
- 1994-06-28 KR KR1019940014940A patent/KR0127095B1/ko not_active IP Right Cessation
-
1995
- 1995-05-26 JP JP7128165A patent/JP2568392B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR0127095B1 (ko) | 1998-04-02 |
JPH0812765A (ja) | 1996-01-16 |
KR960000965A (ko) | 1996-01-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2568392B2 (ja) | 結晶性ポリアミド球状粒子粉末の製造方法 | |
JP2624639B2 (ja) | 結晶性ポリエステル球状粒子粉末の製造方法 | |
JPH029448A (ja) | ヒドロシリル化反応用白金系触媒含有粒状物 | |
JPH036170B2 (ja) | ||
CA2718987C (en) | Method for crystallization of 2-amino-2-[2-[4-(3-benzyloxyphenylthio)-2-chlorophenyl]-ethyl]-1,3-propanediol hydrochloride | |
JPH0532795A (ja) | 非晶性ナイロン樹脂の球状微粉末製造法 | |
JPH01313587A (ja) | 銀賦活硫化亜鉛蛍光体に非凝集能を付与する方法 | |
JP3380451B2 (ja) | ポリエステル添加用スラリー、その製造方法及びそれを用いたポリエステル組成物 | |
JP3626622B2 (ja) | ポリエステル組成物およびその製造方法、ならびにそれからなるフィルム | |
JP4565704B2 (ja) | 高純度酸化ホルミウム及びその製造方法 | |
JPS62240325A (ja) | ナイロン粉末の製造方法 | |
JPS6112933B2 (ja) | ||
JP7255755B1 (ja) | 樹脂粉末混合物およびその製造方法、ならびに三次元造形物の製造方法 | |
JPS61263630A (ja) | 分子篩機能を有する寒天ビーズの製造法 | |
JP3380467B2 (ja) | ポリエステル組成物、その製造方法及びそれを用いたフィルム | |
JP3275447B2 (ja) | ポリエステル組成物の製造方法 | |
JPH0513974B2 (ja) | ||
JPS63241035A (ja) | ポリエステル粉体の製造方法 | |
JP2870358B2 (ja) | ポリエステル組成物の製造方法 | |
JP4221536B2 (ja) | トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート結晶体中の残留有機溶媒の低減化方法 | |
JP3380466B2 (ja) | ポリエステル組成物、その製造方法及びそれを用いたフィルム | |
JPH02185529A (ja) | 芳香族ポリエーテルケトン系ポリマー微粒子の製造法 | |
JPH01113435A (ja) | パラ配向芳香族ポリアミド粒子の製造法 | |
JPH0456050B2 (ja) | ||
JPH0676442B2 (ja) | ロ−カストビ−ンガムの精製法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |