Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2025022994A - 収縮率が向上した高強度ポリエチレン原糸およびその製造方法 - Google Patents

収縮率が向上した高強度ポリエチレン原糸およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2025022994A
JP2025022994A JP2024205591A JP2024205591A JP2025022994A JP 2025022994 A JP2025022994 A JP 2025022994A JP 2024205591 A JP2024205591 A JP 2024205591A JP 2024205591 A JP2024205591 A JP 2024205591A JP 2025022994 A JP2025022994 A JP 2025022994A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyethylene
yarn
raw yarn
temperature
peak
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2024205591A
Other languages
English (en)
Inventor
イ,シンホ
ス イ,ヨン
ヨン キム,ソン
ウン パク,ジョン
Original Assignee
コーロン インダストリーズ インク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コーロン インダストリーズ インク filed Critical コーロン インダストリーズ インク
Publication of JP2025022994A publication Critical patent/JP2025022994A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】収縮率が向上した高強度ポリエチレン原糸およびその製造方法を提供する。
【解決手段】小角X線散乱(SAXS)の散乱ベクトル0~0.04Å-1にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Aと、散乱ベクトル0.05~0.08Å-1にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Bとの比(A/B)が、16以上であり、収縮率が2.5%以上であり、結晶化度が65~85%であり、重量平均分子量(Mw)が300,000g/molを超え600,000g/mol以下であり、分子量分布が5超過9未満である。
【選択図】図1

Description

本発明は、収縮率が向上した高強度ポリエチレン原糸およびその製造方法に関する。よ
り具体的に、特定の微細構造を有し、収縮率が向上し、高密度の原反を製造することがで
きる高強度ポリエチレン原糸およびその製造方法に関する。
警察および軍人のようにセキュリティ(security)分野に携わる人々はもちろんのこと
、他の多様な産業分野における、鋭い切断ツールを取り扱う人々も、負傷の危険に常にさ
らされる。負傷の危険を最小化するためには、手袋または衣服といった保護用製品が提供
されなければならない。
前記保護用製品は、刃物といった凶器または鋭い切断ツールから、人体を適切に保護す
るために、耐切断性を有することが求められる。
保護用製品に高い耐切断性を提供するために、高強度ポリエチレン原糸が前記保護用製
品の製造に用いられている。例えば、高強度ポリエチレン原糸を単独で原反の製造に用い
るか、または高強度ポリエチレン原糸と、他の種類の原糸とが共に合撚糸を形成した後、
前記合撚糸が原反の製造に用いられうる。
高強度ポリエチレン原糸の一種類として、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を
用いたゲル紡糸方式における有機溶媒の使用による環境問題を解決するために、それより
も重量平均分子量の低い高密度ポリエチレンを用いた溶融紡糸方式の原糸が開発されてい
る。
高密度ポリエチレン高分子は、他の高分子とは異なり、非常に少ない数の、短いか長い
分岐を有する分子鎖を持つ。このような分岐鎖の影響により、高密度ポリエチレンを用い
た溶融紡糸方式の高強度ポリエチレン原糸は、大部分が、高い結晶化度および低い収縮率
を有する。収縮率が低い場合、原糸を用いて完成品を製造する製織および編成の工程にお
いてのみ、製品の製織および編成の密度を決定できるという短所がある。また、製織およ
び編成の密度において決められる密度に比べて、より密度が高い高密度の原反の製造が不
可能である。
従来技術の問題を解決するための本発明の一課題は、収縮率が向上した高強度ポリエチ
レン原糸およびその製造方法を提供しようとする。
また、高い耐切断性を有しながらも優れた着用感を提供できる原反の製造を可能にする
ポリエチレン原糸およびその製造方法を提供しようとする。
また、既存の製織および編成の過程で調節可能な面密度に比べて、より高密度の面密度
を有する原反を提供できる高強度ポリエチレン原糸およびその製造方法を提供しようとす
る。
本発明の発明者らは、上記の目的を達成するために研究した結果、特定の微細構造を有
するポリエチレン原糸を製造することで、原糸の収縮率が向上するとともに、高強度の物
性を発現できることを見出し、本発明を完成した。
また、このような収縮率が向上したポリエチレン原糸を用いて製織および編成を行うこ
とで、より高密度の原反を提供できるとともに、高い耐切断性を有しながらも優れた着用
感を提供できる原反の製造が可能であることを見出し、本発明を完成した。
前記特定の微細構造を有するポリエチレン原糸は、具体的に後述する小角X線散乱(S
AXS)の散乱ベクトルが、特定の範囲を満たす原糸を意味し、このような特定の微細構
造を満たす原糸にて目的とする物性を満たすことが可能であることを見出した。
また、本発明において、以下に後述する小角X線散乱(SAXS)の散乱ベクトルが、
特定の範囲を満たす原糸を製造可能であれば、その手段は制限されず、一例として、ポリ
エチレン樹脂の分子量分布、原糸製造時の紡糸温度、延伸比、および延伸温度を、特定の
範囲に調節することで製造することができ、前記小角X線散乱(SAXS)の散乱ベクト
ルが後述する範囲を満たすものであれば、これに制限されない。
本発明の一態様は、小角X線散乱(SAXS)の散乱ベクトル0~0.04Å-1にお
いて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Aと、散乱ベクトル0.05~0.
08Å-1において発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Bとの比(A/B)
が16以上であり、収縮率が2.5%以上である、ポリエチレン原糸に関する。
一態様として、前記原糸は、190℃、2.16kgで測定された溶融指数(MI)が
0.3~6g/10minであり、分子量分布が5超過9未満であってもよい。
一態様として、前記原糸は、結晶化度が65~85%でありうる。
一態様として、前記原糸は、溶融温度が130~140℃でありうる。
一態様として、前記原糸は、密度が0.93~0.97g/cmでありうる。
本発明の他の態様は、ポリエチレン原糸の製造方法であって、
190℃、2.16kgで測定された溶融指数(MI)が0.3~6g/10minで
あり、分子量分布が5超過9未満であるポリエチレンチップを溶融させてポリエチレン溶
融物を得るステップと、
複数のノズルホールを有する口金を通じて前記ポリエチレン溶融物を紡糸するステップ
と、
前記ポリエチレン溶融物が前記ノズルホールから吐出される際に形成される複数のフィ
ラメントを冷却させるステップと、
冷却された前記複数のフィラメントを集束させてマルチフィラメント糸を形成させるス
テップと、
前記マルチフィラメント糸を5倍~20倍の総延伸比で延伸して熱固定するステップと

延伸および熱固定がされた前記マルチフィラメント糸を巻き取るステップと、
を含み、小角X線散乱(SAXS)の散乱ベクトル0~0.04Å-1において発生す
るピーク強度(Intensity Peak)の最高点Aと、散乱ベクトル0.05~0.08Å-1
において発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Bとの比(A/B)が16以上
であり、収縮率が2.5%以上である、ポリエチレン原糸の製造方法を提供する。
一態様として、前記ポリエチレン溶融物の紡糸温度は220~300℃でありうる。
一態様として、前記延伸時、最大延伸温度は100~150℃でありうる。
一態様として、前記延伸ステップは、多段延伸で行われるのでありうる。
一態様として、前記延伸ステップは、複数のゴデットローラを用いて行われるのであり
うる。
一態様として、前記延伸ステップは、4段以上20段以下の多段延伸で行われるのであ
りうる。
一態様として、前記複数のゴデットローラは50~150℃の温度に設定され、
前記複数のゴデットローラのうち最初のゴデットローラの温度は50~80℃であり、
前記複数のゴデットローラのうち最後のゴデットローラの温度は100~150℃であ
り、
前記複数のゴデットローラのうち前記最初および最後のゴデットローラを除いたゴデッ
トローラそれぞれの温度は、その直ぐ前段に位置したゴデットローラの温度と同一である
かまたはそれよりも高いのでありうる。
本発明に係るポリエチレン原糸は、特定の微細構造を有し、これにより、高強度である
とともに収縮率が向上したポリエチレン原糸を提供することができる。
また、このようなポリエチレン原糸から製造された織物または編物などの原反は、従来
の高強度ポリエチレン原糸を用いて製造された原反に比べて、より高密度の原反を提供す
ることができる。
また、本発明に係るポリエチレン原糸は、溶融紡糸により製造されるにもかかわらず、
高い強度を有することで、優れた耐切断性を有する保護用製品に適用できるという効果が
ある。
実施例1による原糸の小角X線散乱(SAXS)グラフである。 実施例2による原糸の小角X線散乱(SAXS)グラフである。 実施例3による原糸の小角X線散乱(SAXS)グラフである。 比較例1による原糸の小角X線散乱(SAXS)グラフである。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
他に定義しない限り、全ての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する当業者の
1人により一般的に理解される意味と同一の意味を有する。本発明の説明で用いられる用
語は、単に特定の具体例を効果的に記述するためのものであって、本発明を制限しようと
するものではない。
また、明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる単数の形態は、文脈上、特に指
示しない限り、複数の形態も含むことを意図し得る。
また、ある部分がある構成要素を「含む」とする際、これは、特に反対の記載がない限
り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する
本発明の発明者らは、高強度であるとともに高収縮率を達成できる高強度ポリエチレン
原糸を提供するために研究した。その結果、特定の微細結晶構造を有するポリエチレン原
糸にて、このような物性を達成できることを見出した。
具体的に、本発明の一態様は、小角X線散乱(SAXS)の散乱ベクトル0~0.04
-1にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Aと、散乱ベクトル0.0
5~0.08Å-1にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Bとの比(A
/B)が、16以上であり、収縮率が2.5%以上である、ポリエチレン原糸に関する。
前記の小角X線散乱(SAXS)のA/Bおよび収縮率を同時に満たす範囲で、目的のと
おり、高強度であるとともに、収縮率が高いために高密度である原反を製造できることを
見出し、本発明を完成した。
前記小角X線散乱(SAXS)のA/Bが16以上、好適には18以上、より好適には
20以上40以下でありうる。具体的に例を挙げると、16~35でありうる。上記範囲
にて特定の微細結晶構造が形成され、これにより、収縮率が2.5%以上、より好適には
3%以上、3.5%以上、4%以上、具体的には2.5~10%である収縮率を満たす原
糸を提供することができる。前記収縮率は、100℃での乾熱収縮率を意味する。また、
上記とともに、高強度の原糸を提供することができる。
本発明は、前記小角X線散乱(SAXS)のA/Bが16以上であり、収縮率が2.5
%以上であるという物性を同時に満たす原糸を製造可能であれば、その製造方法に制限さ
れないが、一例を挙げると、ポリエチレン樹脂の分子量分布、原糸製造時の紡糸温度、延
伸比、および延伸温度を、特定の範囲に調節することで、製造することができる。
より具体的に例を挙げると、分子量分布が5超過9未満のポリエチレン樹脂を用いて製
造されるのであって、紡糸温度が220~300℃であり、延伸比が5倍~20倍であり
、延伸温度が100~150℃でありうる。しかし、前記条件は、1つの例示にすぎず、
これに制限されるものではない。通常の技術分野における多様な条件を変更して実施可能
であり、本発明を例示または説明するためのものにすぎず、本発明の権利範囲を制限する
ものではない。
以下、本発明の構成についてより具体的に説明する。
本発明の一態様において、原料として用いられるポリエチレン樹脂は、その繰り返し単
位が実質的にエチレンであるものを意味し、少量の他のモノマー、例えば、α-オレフィ
ン、アクリル酸およびその誘導体、メタクリル酸およびその誘導体、ビニルシランおよび
その誘導体などとの共重合体であってもよい。また、これらの共重合体と、エチレン単独
重合体または他のα-オレフィンなどの共重合体とのブレンド(混合物)も可能である。
より好適には、エチレンとプロピレン、ブテン-1などのα-オレフィンとの共重合体
を用いることで、短鎖もしくは長鎖の分岐を、ある程度含有させることが、本発明の高収
縮率を有する原糸を提供するのに、さらに有利であり、エチレン単独重合体であっても本
発明の物性を満たすものであれば使用可能である。
前記ポリエチレン樹脂は、溶融紡糸を可能にすることから、重量平均分子量が600,
000g/mol以下、より具体的には80,000~600,000g/molであり
うる。
本発明の一態様において、前記ポリエチレン原糸は、分子量分布が5超過9未満であり
うるのであり、より好適には6~8、さらに好適には6.5~7.5でありうる。前記分
子量分布は、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)
であり、多分散指数(Polydispersity Index)または分子量分布指
数(MWD)と称されることもある。また、190℃、2.16kgで測定された溶融指
数(MI)が0.3~6g/10minであり、より好適には0.4~3g/10min
でありうる。
前記物性を全て満たす範囲で、原糸の溶融押出時における溶融物の流動性が良く、熱分
解の発生を防止し、延伸時に糸切れが発生しないなどの工程性が確保されることで均一な
物性の原糸を製造することができ、目的とする高強度であるとともに収縮率が2.5%以
上である原糸を提供することができる。
また、密度が0.93~0.97g/cm、より好適には0.941~0.965g
/cmであり、分子量分布が5超過9未満である範囲を満たす高密度ポリエチレン(H
DPE)を用いることで、溶融紡糸により、結晶化度が65~85%、より好適には70
~80%である繊維を得ることができる。前記ポリエチレン原糸の結晶化度は、X-線散
乱分析器を用いた結晶性の分析の際に、微結晶の大きさとともに導出されうる。
一態様として、前記原糸は、断面形態が制限されるのではないが、円形断面を有したも
のでありうるのであり、その他にも、捩じれなどが形成されたものでありうる。
一態様として、本発明のポリエチレン原糸は、40~500個の連続フィラメント(co
ntinuous filaments)の束であるマルチフィラメント糸でありうる。前記連続フィラメ
ントのそれぞれは、1~3デニールの繊度を有しうるのであり、前記ポリエチレン原糸は
、100~1,000デニールの総繊度を有しうる。上記範囲にて、原反が軽く、耐久性
に優れた原反を提供することができる。
以下、本発明の一態様に係るポリエチレン原糸の製造方法について具体的に説明する。
本発明のポリエチレン原糸は、小角X線散乱(SAXS)の散乱ベクトル0~0.04Å
-1にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Aと、散乱ベクトル0.05~
0.08Å-1にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Bとの比(A/B)
が、16以上であり、収縮率が2.5%以上である物性を満たせば、その製造方法に制限
されるものではなく、下記は一態様を説明するものである。
本発明の一態様に係る原糸の製造方法は、
190℃、2.16kgで測定された溶融指数(MI)が0.3~6g/10minで
あり、分子量分布が5超過9未満であるポリエチレンチップを溶融させてポリエチレン溶
融物を得るステップと、
複数のノズルホールを有する口金を通じて前記ポリエチレン溶融物を紡糸するステップ
と、
前記ポリエチレン溶融物が前記ノズルホールから吐出される際に形成される複数のフィ
ラメントを冷却させるステップと、
冷却された前記複数のフィラメントを集束させてマルチフィラメント糸を形成させるス
テップと、
前記マルチフィラメント糸について5倍~20倍の総延伸比での延伸および熱固定を行
うステップと、
延伸および熱固定がなされた前記マルチフィラメント糸を巻き取るステップと、
を含んでもよい。
各ステップについて具体的に説明すると、先ず、チップ(chip)の形態のポリエチレン
を押出機(extruder)100に投入して溶融させることで、ポリエチレン溶融物を得る。
前記ポリエチレンチップは、5超過9以下の多分散指数(PDI)を有しうる。また、
0.3~6g/10minの溶融指数(Melt Index:MI)を有する。また、600,0
00g/mol以下、より具体的には80,000~600,000g/mol、好適に
は100,000~500,000g/mol、より好適には200,000~400,
000g/molの重量平均分子量(Mw)を有しうる。前記重量平均分子量(Mw)範
囲にて、高強度の原糸を製造することができ、具体的には10g/d以上の引張強度を有
する原糸を製造することができる。前記重量平均分子量(Mw)が、600,000g/
molを超過する程度に、過度に大きい場合、高い溶融粘度により紡糸装置に過負荷がか
かることになり、工程の制御が適切に行われないため、原糸の優れた物性が担保され難い
。したがって、前記ポリエチレンチップは、好ましくは600,000g/mol以下、
より具体的には80,000~600,000g/mol、好適には100,000~5
00,000g/mol、より好適には200,000~400,000g/molの重
量平均分子量(Mw)を有することが良い。
溶融したポリエチレンが、前記押出機内のスクリューにより口金を通じて運搬され、前
記口金に形成された複数のホールを通じて押出される。前記口金のホールの個数は、製造
される原糸のDPF(Denier Per Filament)および繊度に応じて決められる。例えば
、75デニールの総繊度を有する原糸を製造する場合、前記口金は、20~75個のホー
ルを有しうるのであって、450デニールの総繊度を有する原糸を製造する場合、前記口
金は、90~450個、好ましくは100~400個のホールを有しうる。
前記押出機内における溶融工程および口金を通じた押出工程は、ポリエチレンチップの
溶融指数に応じて変更適用が可能であるが、具体的に例を挙げると、150~315℃、
好ましくは220~300℃、より好ましくは250~290℃で行われるのでありうる
。すなわち、押出機および口金が150~315℃、好ましくは220~300℃、より
好ましくは250~290℃に維持されることが好ましい。
前記紡糸温度が150℃未満である場合、低い紡糸温度に起因してポリエチレンが均一
に溶融しないことから、紡糸が困難であり得る。これに対し、紡糸温度が315℃を超過
する場合、ポリエチレンの熱分解が引き起こされ、所望の強度を発現できないのであり得
る。
前記口金におけるホールの直径Dに対するホールの長さLの比(L/D)は、3~40
でありうる。L/Dが3未満であれば、溶融押出時にダイスウェル(Die Swell)現象が
発生し、ポリエチレンの弾性挙動の制御が難しくなることにより、紡糸性が不良となり、
L/Dが40を超過する場合には、口金を通過する溶融ポリエチレンのネッキング(neck
ing)現象による糸切れとともに、圧力降下による吐出不均一の現象が発生し得る。
溶融したポリエチレンが、口金のホールから吐出され、紡糸温度と室温との差によりポ
リエチレンの固化が始まることで、半固化状態のフィラメントが形成される。本明細書に
おいては、半固化状態のフィラメントはもちろんのこと、完全固化したフィラメントをも
、いずれも「フィラメント」と称する。
複数の前記フィラメントは、冷却部(または、「クエンチング・ゾーン(quenching zo
ne)」)で冷却されることで完全固化する。前記フィラメントの冷却は、空冷方式で行わ
れうる。
前記冷却部における前記フィラメント冷却は、0.2~1m/sec風速の冷却風を用
いて、15~40℃に冷却されるように行われることが好ましい。前記冷却温度が15℃
未満であれば、過冷却に起因して伸度が不足し、延伸の過程で糸切れが発生し得るのであ
り、前記冷却温度が40℃を超過すれば、固化の不均一に起因してフィラメント間の繊度
偏差が大きくなり、延伸の過程で糸切れが発生し得る。
また、冷却部における冷却時に多段冷却を行うことで、さらに均一に結晶化が行われる
ようにすることができる。
より具体的に、前記冷却部は、3個以上の区間に分けられる。例えば、3個の冷却区間
からなる場合、第1冷却部から第3冷却部に行くほど、温度が次第に低くなるように設計
されることが好ましい。具体的に例を挙げると、第1冷却部は40~80℃に設定され、
第2冷却部は30~50℃に設定され、第3冷却部は15~30℃に設定されうる。
また、第1冷却部における風速を最も高く設定することで、表面が、より滑らかな繊維
を製造することができる。具体的に、第1冷却部は、0.8~1m/secの風速の冷却
風を用いて40~80℃に冷却されるようにし、第2冷却部は、0.4~0.6m/se
cの風速の冷却風を用いて30~50℃に冷却されるようにし、第3冷却部は、0.2~
0.5m/secの風速の冷却風を用いて15~30℃に冷却されるようにするのであり
うる。このような条件に調節することで、結晶化度が、より高く、表面が、より滑らかな
原糸を製造することができる。
次に、集束機により前記冷却および完全固化したフィラメントを集束させ、マルチフィ
ラメントを形成させる。
本発明のポリエチレン原糸は、直接紡糸延伸(DSD)工程により製造されてもよい。
すなわち、前記マルチフィラメントが、複数のゴデットローラ部を含む多段延伸部に直接
伝達され、5倍~20倍、好ましくは8~15倍の総延伸比で多段延伸された後に、ワイ
ンダに巻き取られうる。
一例として、前記複数のゴデットローラを用いる延伸ステップは、4段以上の多段延伸
で行われることが好ましい。好適には、前記延伸ステップは、複数のゴデットローラを用
いて、4段以上20段以下の多段延伸で行われてもよい。前記多段延伸が4段以下である
場合、ゴデットローラの各区間で急激な延伸が生じ、フィラメント糸の製造時に毛羽の発
生頻度が増加し、初期モジュラスが増加し、原反が過度にごわごわになり得る。また、前
記多段延伸時に20段以上に進行する場合、フィラメント糸とゴデットローラとの摩擦が
増加し、フィラメントの損傷および断糸が発生し得る。
また、5超過9以下の多分散指数(PDI)および0.3~6g/10minの溶融指
数(Melt Index:MI)(190℃)を有するポリエチレンチップを用いても、本発明
の方法による延伸比、延伸温度、および段数条件を満たさない場合には、目的とする物性
を満たすことができない。例えば、前記延伸の際、最大延伸温度は100~150℃であ
ることが好ましく、総延伸比が5倍~20倍であり、4段以上の多段延伸を行うのであり
うる。前記最大延伸温度は、延伸区間中における最も高い温度を意味し、前記総延伸比は
、延伸前の繊維と比べた、最後の延伸の後における繊維の最終の延伸比を意味する。
例えば、前記多段延伸は、複数のゴデットローラを用いて4段以上、より具体的には4
段以上20段以下の多段延伸で行うのでありうる。前記複数のゴデットローラ(GR1.
..GRn)のうちの最初のゴデットローラGR1の温度は50~80℃でありうるので
あり、最後のゴデットローラGRnの温度は100~150℃でありうる。前記最初およ
び最後のゴデットローラ部(GR1、GRn)を除いた残りのゴデットローラのそれぞれ
の温度は、その直前の段のゴデットローラの温度と同一であるかまたはそれよりも高く設
定されうる。前記最後のゴデットローラ部GRnの温度は、直前の段のゴデットローラ部
の温度と同一であるか、またはそれよりも高く設定されうるが、それよりも多少低く設定
されることもありうる。
また、多段延伸時、最後の延伸区間では1~5%の収縮延伸(弛緩)を与えることで、
耐久性にさらに優れた原糸を提供することができる。
より具体的に例を挙げると、前記多段延伸は、総4段のゴデットローラ部からなるので
ありうるのであり、前記第1ゴデットローラ部は50~80℃で2~4倍の延伸、第2ゴ
デットローラ部は70~100℃で3~10倍の延伸、第3ゴデットローラ部は80~1
10℃で1.1~3倍の延伸、第4ゴデットローラ部は100~150℃で1~5%の収
縮延伸(弛緩)を行うように設定されるのでありうる。前記第1ゴデットローラ部ないし
第4ゴデットローラ部は、それぞれ複数のゴデットローラから形成され得る。具体的に例
を挙げると、2個以上、より具体的には、2個~10個のゴデットローラから形成され得
る。
代替案として、前記マルチフィラメントを未延伸糸として一旦巻き取った後、前記未延
伸糸を延伸することで、本発明のポリエチレン原糸が製造されることもありうる。すなわ
ち、本発明のポリエチレン原糸は、ポリエチレンを溶融紡糸して未延伸糸を一旦製造した
後、前記未延伸糸を延伸する2段階の工程により製造されることもありうる。
延伸工程に適用される総延伸比が5未満であれば、最終的に得られるポリエチレン原糸
が65%以上の結晶化度を有することができず、小角X線散乱(SAXS)のA/Bが1
6以上であり、収縮率が2.5%以上である物性を達成することができない。また、前記
原糸から製造される原反上に、毛羽(ピリング)が誘発される危険がある。
これに対し、前記総延伸比が20倍を超過すれば、糸切れが発生する可能性があり、最
終的に得られるポリエチレン原糸の強度が適しておらず、前記ポリエチレン原糸の製織性
が良くないだけでなく、それを用いて製造された原反が過度にごわごわになり、ユーザが
不便を感じうる。
本発明の溶融紡糸の紡糸速度を決める最初のゴデットローラ部GR1の線速度が決めら
れると、前記多段延伸部において5~20倍、好ましくは8~15倍の総延伸比が前記マ
ルチフィラメントに適用できるように、残りのゴデットローラ部の線速度が適切に決めら
れる。
前記多段延伸部により、前記マルチフィラメントの多段延伸と熱固定とが同時に行われ
るのであり、多段延伸されたマルチフィラメントがワインダに巻き取られることで、本発
明のポリエチレン原糸が完成される。
上記のように製造された本発明のポリエチレン原糸は、優れた耐切断性が求められる保
護用製品(例えば、保護用手袋、肌着、カバンなど)の製造に用いることができる。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより詳細に説明する。ただし、下記の実
施例および比較例は、本発明をより詳細に説明するための1つの例示にすぎず、本発明が
、下記の実施例および比較例により制限されるものではない。
物性は次のように測定した。
<重量平均分子量(Mw)(g/mol)および多分散指数(PDI)>
ポリエチレン原糸を以下の溶媒に完全に溶解させた後、次のゲル浸透クロマトグラフィ
ー(GPC)を用いて、前記ポリエチレン原糸の重量平均分子量(Mw)および多分散指
数(Mw/Mn:PDI)をそれぞれ求めた。
-分析機器:Tosoh社製のHLC-8321GPC/HT
-カラム:PLgel guard(7.5×50mm)+2×PLgel mixed-B(7.5×30
0mm)
-カラム温度:160℃
-溶媒:トリクロロベンゼン(TCB)+0.04wt.%ジブチルヒドロキシトルエ
ン(BHT)(after drying with 0.1% CaCl2)
-インジェクタ・検知器(Injector、Detector)の温度:160℃
-検知器(Detector):RI Detector
-流速:1.0ml/min
-注入量:300mL
-試料濃度:1.5mg/mL
-標準試料:ポリスチレン
<引張強度(g/d)、初期モジュラス(g/d)、および伸び率(%)>
ASTM D2256方法により、インストロン社(Instron Engineering Corp、Ca
nton、Mass)の万能引張試験機を用いて、ポリエチレン原糸の変形-応力曲線を得た。サ
ンプルの長さは250mmであり、引張速度は300mm/minであり、初期ロード(
荷重;load)は0.05g/dに設定した。破断点における応力および伸張から、引張強
度(g/d)および伸び率(%)を求め、前記曲線についての原点付近の最大勾配を与え
る接線から初期モジュラス(g/d)を求めた。それぞれの原糸ごとに5回測定した後、
その平均値を算出した。
<原糸の結晶化度>
XRD機器(X-ray Diffractometer)[製造会社:PANalytical社、モデル名:EM
PYREAN]を用いて、ポリエチレン原糸の結晶化度を測定した。具体的に、ポリエチ
レン原糸を切断して2.5cmの長さを有するサンプルを準備し、前記サンプルをサンプ
ルホルダに固定させた後、以下の条件下で測定を行った。
光源(X-ray Source):Cu-Kα radiation
電力(Power):45KV×25mA
モード:連続スキャンモード
スキャン角度範囲:10~40°
スキャン速度:0.1°/sec
<溶融指数>
ASTM D1238に準じて、190℃、2.16kgで測定した。
<小角X線散乱>
XRD機器(X-ray Diffractometer)[製造会社:PANalytical社、モデル名:EM
PYREAN]を用いて測定した。
測定されたグラフから、散乱ベクトル0~0.04Å-1にて発生するピーク強度(In
tensity Peak)の最高点Aと、散乱ベクトル0.05~0.08Å-1にて発生するピー
ク強度(Intensity Peak)の最高点Bとの比(A/B)を算出した。
光源(X-ray Source):Cu-Kα radiation
電力(Power):45KV×40mA
モード:連続スキャンモード
スキャン角度範囲:0.1~2.0°
スキャン速度:0.01°/sec
<収縮率>
ポリエチレン原糸を切断して70cmの長さのサンプルを得た後、前記サンプルの両端
から、それぞれ10cm離れた地点に表示をした(すなわち、表示地点間の距離=50c
m)。次に、前記サンプルに荷重が印加されないようにジグにぶら下げた状態で、熱風循
環型の加熱炉を用いて100℃で30分間加熱した。その後、加熱炉からサンプルを取り
出し、室温まで徐々に冷却させた後、前記表示地点間の距離を測定した。次に、次の式を
用いてポリエチレン原糸の100℃での乾熱収縮率を算出した。
乾熱収縮率(%)=[(L0-L1)/L0]×100
(ここで、L0は、加熱前の表示地点間の距離(すなわち、50cm)であり、L1は
、加熱後の表示地点間の距離である。)
2回の試験により得られた乾熱収縮率の平均値を求めた。
[実施例1]
<ポリエチレン原糸の製造>
240個のフィラメントを含み、総繊度が500デニールのポリエチレン原糸を製造し
た。
具体的に、0.962g/cmの密度、340,000g/molの重量平均分子量
(Mw)、7.5の分子量分布、および1.8g/10minの溶融指数(MI at 1
90℃)を有するポリエチレンチップを押出機に投入して溶融させた。溶融したポリエチ
レンは、240個のホールを有する口金を通じて押出された。口金におけるホールの直径
Dに対するホールの長さLの比(L/D)は6であった。口金の温度は260℃であった
口金のノズルホールから吐出されることで形成されたフィラメントは、3個の区間から
なる冷却部にて順次に冷却された。第1冷却部では0.9m/secの風速の冷却風によ
り50℃に冷却され、第2冷却部では0.5m/secの風速の冷却風により35℃に冷
却され、第3冷却部では0.4m/secの風速の冷却風により25℃に最終冷却された
。冷却後、集束機によりマルチフィラメント糸に集束された。
次に、前記マルチフィラメント糸が延伸部に移動した。前記延伸部は、4個の区間から
なる多段延伸部からなり、総4段のゴデットローラ部で構成され、各ゴデットローラ部は
、2個~10個のゴデットローラからなる。第1ゴデットローラ部は最大温度が80℃、
第2ゴデットローラ部は最大温度が90℃、第3ゴデットローラ部は最大温度が95℃、
第4ゴデットローラ部は最大温度が120℃に設定されたのであり、延伸比は、第1ゴデ
ットローラ部では2倍の延伸、第2ゴデットローラ部では3倍の延伸、第3ゴデットロー
ラ部では1.4倍の延伸がされるようにし、第4ゴデットローラ部では第3ゴデットロー
ラ部に比べて4%収縮延伸(弛緩)されるようにして、総8倍の総延伸比で延伸されて熱
固定された。
次に、前記延伸されたマルチフィラメント糸がワインダに巻き取られた。巻き取り張力
は0.8g/dであった。
製造された原糸の物性を測定して下記表1に示した。また、小角X線散乱(SAXS)
を測定して図1に示した。小角X線散乱(SAXS)の散乱ベクトル0~0.04Å-1
にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Aと、散乱ベクトル0.05~0
.08Å-1にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Bとの比(A/B)
は、28であった。
[実施例2]
<ポリエチレン原糸の製造>
前記実施例1において、総延伸比が11倍となるように調節したことを除いては、前記
実施例1と同様に原糸を製造した。
製造された原糸の物性を測定して下記表1に示した。また、小角X線散乱(SAXS)
を測定して図2に示した。小角X線散乱(SAXS)の散乱ベクトル0~0.04Å-1
にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Aと、散乱ベクトル0.05~0.
08Å-1にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Bとの比(A/B)は、
27.5であった。
[実施例3]
<ポリエチレン原糸の製造>
前記実施例1において、総延伸比が13倍となるように調節したことを除いては、前記
実施例1と同様に原糸を製造した。
製造された原糸の物性を測定して下記表1に示した。また、小角X線散乱(SAXS)
を測定して図3に示した。小角X線散乱(SAXS)の散乱ベクトル0~0.04Å-1
にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Aと、散乱ベクトル0.05~0.
08Å-1にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Bとの比(A/B)は、
22.6であった。
[実施例4]
<ポリエチレン原糸の製造>
前記実施例1において、0.961g/cmの密度、340,000g/molの重
量平均分子量(Mw)、5.5の分子量分布、および1.7g/10minの溶融指数(
MI at 190℃)を有するポリエチレンチップを用い、総延伸比が13倍となるよう
に調節したことを除いては、前記実施例1と同様に原糸を製造した。
製造された原糸の物性を測定して下記表1に示した。小角X線散乱(SAXS)の散乱
ベクトル0~0.04Å-1にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Aと、
散乱ベクトル0.05~0.08Å-1にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最
高点Bとの比(A/B)は、16であった。
[実施例5]
<ポリエチレン原糸の製造>
前記実施例1において、0.961g/cmの密度、340,000g/molの重
量平均分子量(Mw)、8の分子量分布、および1.6g/10minの溶融指数(MI
at 190℃)を有するポリエチレンチップを用い、総延伸比が13倍となるように調
節したことを除いては、前記実施例1と同様に原糸を製造した。
製造された原糸の物性を測定して下記表1に示した。小角X線散乱(SAXS)の散乱
ベクトル0~0.04Å-1にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Aと、
散乱ベクトル0.05~0.08Å-1にて発生するピーク強度(Intensity Peak)の最
高点Bとの比(A/B)は、18であった。
[比較例1]
<ポリエチレン原糸の製造>
前記実施例1において、0.960g/cmの密度、340,000g/molの重
量平均分子量(Mw)、3の分子量分布、および1.5g/10minの溶融指数(MI
at 190℃)を有するポリエチレンチップを用い、総延伸比が11倍となるように調
節したことを除いては、前記実施例1と同様に原糸を製造した。
製造された原糸の物性を測定して下記表1に示した。また、小角X線散乱(SAXS)
を測定して図4に示した。小角X線散乱(SAXS)の散乱ベクトル0~0.04Å-1
において発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Aと、散乱ベクトル0.05~
0.08Å-1において発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Bとの比(A/
B)は、15であった。
以上、特定の事項と限定された実施例および図面により本発明を説明したが、これは、
本発明の、より全般的な理解のために提供されたものにすぎず、本発明は、上記の実施例
に限定されない。本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このよう
な記載から、多様な修正および変形が可能である。
したがって、本発明の思想は、説明された実施例に限定されて決められてはならず、後
述の特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等または等価的な変形を有する
ものは、いずれも本発明の思想の範囲に属するといえる。

Claims (13)

  1. 小角X線散乱(SAXS)の散乱ベクトル0~0.04Å-1にて発生するピーク強度
    (Intensity Peak)の最高点Aと、散乱ベクトル0.05~0.08Å-1にて発生する
    ピーク強度(Intensity Peak)の最高点Bとの比(A/B)が、16以上であり、収縮率
    が2.5%以上である、ポリエチレン原糸。
  2. 前記原糸は、190℃、2.16kgで測定された溶融指数(MI)が0.3~6g/
    10minである、請求項1に記載のポリエチレン原糸。
  3. 前記原糸は、分子量分布が5超過9未満である、請求項1に記載のポリエチレン原糸。
  4. 前記原糸は、結晶化度が65~85%である、請求項1に記載のポリエチレン原糸。
  5. 前記原糸は、溶融温度が130~140℃である、請求項1に記載のポリエチレン原糸
  6. 前記原糸は、密度が0.93~0.97g/cmである、請求項1に記載のポリエチ
    レン原糸。
  7. 190℃、2.16kgで測定された溶融指数(MI)が0.3~6g/10minで
    あり、分子量分布が5超過9未満であるポリエチレンチップを溶融させてポリエチレン溶
    融物を得るステップと、
    複数のノズルホールを有する口金を通じて前記ポリエチレン溶融物を紡糸するステップ
    と、
    前記ポリエチレン溶融物が前記ノズルホールから吐出される際に形成される複数のフィ
    ラメントを冷却させるステップと、
    冷却された前記複数のフィラメントを集束させてマルチフィラメント糸を形成させるス
    テップと、
    前記マルチフィラメント糸について5倍~20倍の総延伸比での延伸および熱固定を行
    うステップと、
    延伸および熱固定がされた前記マルチフィラメント糸を巻き取るステップと、
    を含み、小角X線散乱(SAXS)の散乱ベクトル0~0.04Å-1にて発生するピ
    ーク強度(Intensity Peak)の最高点Aと、散乱ベクトル0.05~0.08Å-1にて
    発生するピーク強度(Intensity Peak)の最高点Bとの比(A/B)が、16以上であり
    、収縮率が2.5%以上である、ポリエチレン原糸の製造方法。
  8. 前記ポリエチレン溶融物の紡糸温度は220~300℃である、請求項7に記載のポリ
    エチレン原糸の製造方法。
  9. 前記延伸の際、最大延伸温度は100~150℃である、請求項7に記載のポリエチレ
    ン原糸の製造方法。
  10. 前記延伸ステップは、多段延伸で行われる、請求項7に記載のポリエチレン原糸の製造
    方法。
  11. 前記多段延伸は、複数のゴデットローラを用いて行われる、請求項10に記載のポリエ
    チレン原糸の製造方法。
  12. 前記多段延伸は、4段以上20段以下の多段延伸で行われる、請求項10に記載のポリ
    エチレン原糸の製造方法。
  13. 前記複数のゴデットローラは50~150℃の温度に設定され、
    前記複数のゴデットローラのうちの最初のゴデットローラの温度は50~80℃であり

    前記複数のゴデットローラ部のうちの最後のゴデットローラの温度は100~150℃
    であり、
    前記複数のゴデットローラのうちの最初および最後のゴデットローラを除いたゴデット
    ローラのそれぞれの温度は、その直前の段に位置したゴデットローラの温度と同一である
    か、またはそれよりも高いことを特徴とする、請求項10に記載のポリエチレン原糸の製
    造方法。
JP2024205591A 2020-10-08 2024-11-26 収縮率が向上した高強度ポリエチレン原糸およびその製造方法 Pending JP2025022994A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2020-0130274 2020-10-08

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023520493A Division JP7636532B2 (ja) 2020-10-08 2021-10-08 収縮率が向上した高強度ポリエチレン原糸の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2025022994A true JP2025022994A (ja) 2025-02-14

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI752440B (zh) 耐切割聚乙烯紗線、製造該紗線的方法及使用該紗線製造的防護物品
KR101311105B1 (ko) 성형가공성이 우수한 고기능 폴리에틸렌 섬유
JP3734077B2 (ja) 高強度ポリエチレン繊維
TWI775244B (zh) 具尺寸穩定性之高韌度聚乙烯紗以及其製造方法
JP7636532B2 (ja) 収縮率が向上した高強度ポリエチレン原糸の製造方法
JP2025022994A (ja) 収縮率が向上した高強度ポリエチレン原糸およびその製造方法
CA3121898A1 (en) Polyethylene multifilament interlaced yarn and method for manufacturing the same
KR102589139B1 (ko) 수축율이 향상된 고강도 폴리에틸렌 원사 및 이의 제조방법
CN110820058B (zh) 一种民用高性能聚乙烯纤维的制备方法
KR102735576B1 (ko) 후가공성이 향상된 폴리에틸렌 원사 및 이를 포함하는 원단
KR102480911B1 (ko) 원착 폴리에틸렌 원사 및 이를 포함하는 기능성 원단
JP3997613B2 (ja) 高強度ポリプロピレン繊維及びその製造方法
KR102480920B1 (ko) 치수안정성이 향상된 폴리에틸렌 원사 및 이를 포함하는 기능성 원단
KR102480929B1 (ko) 제직성이 향상된 폴리에틸렌 원사 및 이를 포함하는 기능성 원단
KR102144201B1 (ko) 폴리프로필렌 필라멘트 탄성사와 그를 이용한 섬유원단 및 그의 제조방법
KR20240121050A (ko) 폴리에틸렌 원사 및 이를 포함하는 기능성 원단
MX2008007956A (en) Heating apparatus and process for drawing polyolefin fibers