JP2022089570A - プリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】用紙ロールに対して物理的なガイドが期待できない状態においても、適切にスキュー矯正を行うことを可能にするプリンタを新たに実現する。
【解決手段】給紙ローラ2に装填した用紙ロールRから繰り出される用紙1を挟持して主搬送ローラ3で搬送しつつ印刷位置PLにおいて用紙1への印刷を行い、印刷済領域A1を縦切りカッタ13で切断して排出するプリンタ本体PBと、排出過程の用紙1を幅方向の縦切りガイド11を介し導入して補助搬送ローラ12で挟持しつつ縦切りカッタ13で切断する縦切りユニットSUと、これらプリンタ本体PB及び縦切りユニットSUを制御する制御部CUとを有する。そして、制御部CUを、補助搬送ローラ12で用紙1を挟持し主搬送ローラ3を開放した状態で給紙ローラ2を用紙1の巻き取り方向に駆動することによって、用紙先端部1(S)と用紙ロールの間で用紙1の弛みを緊張させ、緊張状態から補助搬送ローラ12を開放することによって用紙1のスキューを矯正するスキュー矯正制御を実行するように構成した。
【選択図】図6
【解決手段】給紙ローラ2に装填した用紙ロールRから繰り出される用紙1を挟持して主搬送ローラ3で搬送しつつ印刷位置PLにおいて用紙1への印刷を行い、印刷済領域A1を縦切りカッタ13で切断して排出するプリンタ本体PBと、排出過程の用紙1を幅方向の縦切りガイド11を介し導入して補助搬送ローラ12で挟持しつつ縦切りカッタ13で切断する縦切りユニットSUと、これらプリンタ本体PB及び縦切りユニットSUを制御する制御部CUとを有する。そして、制御部CUを、補助搬送ローラ12で用紙1を挟持し主搬送ローラ3を開放した状態で給紙ローラ2を用紙1の巻き取り方向に駆動することによって、用紙先端部1(S)と用紙ロールの間で用紙1の弛みを緊張させ、緊張状態から補助搬送ローラ12を開放することによって用紙1のスキューを矯正するスキュー矯正制御を実行するように構成した。
【選択図】図6
Description
本発明は、用紙幅方向の所要位置を縦切りカッタで切断して幅狭サイズのミニプリント印刷物の出力を可能にするプリンタに関するものである。
従来より、この種のプリンタとして、特許文献1に示すものが知られている。
このプリンタは、図8に示すように、用紙ロールRが装填されて用紙1を印刷位置PLに向けて繰り出す給紙ローラ2と、用紙ロールRから繰り出された用紙1を所定速度で搬送する主搬送手段3と、印刷位置PLに用紙1とともにリボン4を供給すべく配置される一対の供給側ボビン5a及び巻取側ボビン5bと、印刷位置PLにおいて用紙1の下方に配置されるプラテンローラ6と、このプラテンローラ6に対して用紙1の上方に接離可能に配置されプラテンローラ6との間に用紙1及びインクリボン4を圧接した状態で用紙1に対して印刷を行う印刷ヘッド7と、用紙1を挟持して排紙を行う排紙手段8と、排出前の用紙1を所要長さに切断する横切りカッタ9と、を備える。
このプリンタは、図8に示すように、用紙ロールRが装填されて用紙1を印刷位置PLに向けて繰り出す給紙ローラ2と、用紙ロールRから繰り出された用紙1を所定速度で搬送する主搬送手段3と、印刷位置PLに用紙1とともにリボン4を供給すべく配置される一対の供給側ボビン5a及び巻取側ボビン5bと、印刷位置PLにおいて用紙1の下方に配置されるプラテンローラ6と、このプラテンローラ6に対して用紙1の上方に接離可能に配置されプラテンローラ6との間に用紙1及びインクリボン4を圧接した状態で用紙1に対して印刷を行う印刷ヘッド7と、用紙1を挟持して排紙を行う排紙手段8と、排出前の用紙1を所要長さに切断する横切りカッタ9と、を備える。
給紙ローラ2は、図9に示すように、軸部2aの両側に円盤状の用紙ガイド2bを備えたもので、用紙ロールRは中心部を軸部2aに支持され、両側部を用紙ガイドbに挟まれた状態で装填される。
印刷は、用紙ロールRから排紙方向(図8における矢印A方向)に一旦繰り出した用紙1を、主搬送手段3によって排紙方向と反対方向である反排紙方向(印刷B方向)に搬送しながら行われる。
印刷終了後の用紙1は、横切りカッタ9によって切断される。切断後の用紙1は、補助搬送手段12によって排紙される。
加えてこのプリンタは、プリントサイズの多様化を図るべく、横切りカッタ9の下流に縦切りカッタ13を備えている。縦切りカッタ13は、図8及び図10に示すように、用紙幅方向の所要箇所を切断するもので、切断後の用紙1のうち、印刷が施されて印刷物となる領域(印刷物)Uは印刷物取出口へ、印刷されなかった領域は不要部Vとしてゴミ箱へ、それぞれ移送されるように構成されている。図中符号14で示すものは、不要部Vを印刷物Uから分離し、経路を変更してゴミ箱へ導くための分離機構である。
ところで、従来より用紙1には、一般的な厚みの普通紙をロール状にしたものが用いられている。ロール紙のサイズは、通常の用紙サイズ(例えばA4サイズ)でカウントした場合に所定枚数(例えば350画面前後)を印刷できるような径に巻かれたものが一般に利用されている。
一方で、縦切カッタ13の機能を備えたプリンタは、印刷物の幅を小さくできるため、例えば3.25インチ×2.75インチといったミニプリント用途にも利用される。ミニプリント用途は厚紙の方が、インスタント写真のように見栄えが良くなるため、厚紙を扱える性能を備え併せることが、プリンタの商品価値を向上させる点で非常に重要となってくる。
しかしながら、消耗品である用紙ロールRの容量すなわち印刷枚数は従来どおりで、用紙が厚くなると、図11に示すように用紙ロールRの直径が、図9に示す普通紙の用紙ロールRの直径に比べて大きくなる。
従来よりこの種の用紙ロールRは、左右の用紙ガイド2b、2b間にセットされ、用紙ガイド2bが物理的なガイドとなって用紙1が繰り出されていた。しかしながら、図11に示すように用紙ロールRの直径が大きくなると、用紙ロールRが用紙ガイド2bからはみだす状態となり、用紙ガイド2bにガイドされていない位置から用紙1が繰り出されることになる。その結果、用紙1の繰り出し位置が左右にずれたり、用紙1を用紙ロールRに巻き取る際に巻き蛇行が生じる等の原因となる。
この結果、図11に矢印で示すように、用紙先端部から用紙ロールの繰り出し位置までの間で用紙がスキューする現象が生じ、図10に示した縦切りカッタ13の位置でも用紙1がスキューして、この位置に形成するスリットSの位置精度が低下するという新たな問題が生じることになる。
本発明は、用紙ロールに対して用紙ガイドによる物理的なガイドが期待できない状態においても、適切にスキュー矯正を行うことを可能にするプリンタを新たに実現することを目的としている。
本発明は、上記の目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明のプリンタは、給紙ローラに装填した用紙ロールから繰り出される用紙を挟持して主搬送ローラで搬送しつつ印刷位置において用紙への印刷を行い、印刷後の用紙を横切りカッタで切断して排出するプリンタ本体と、排出過程の用紙を幅方向の縦切りガイドを介し導入して補助搬送ローラで挟持しつつ縦切りカッタで切断する縦切りユニットと、これらプリンタ本体及び縦切りユニットを制御する制御部とを有するプリンタであって、前記制御部を、前記補助搬送ローラで用紙を挟持し前記主搬送ローラを開放した状態で前記給紙ローラを用紙の巻き取り方向に駆動することによって、用紙先端部と用紙ロールの間で用紙の弛みを緊張させ、緊張状態から前記補助搬送ローラを開放することによって用紙のスキューを矯正するスキュー矯正制御を実行するように構成した、ことを特徴とする。
このようにすれば、縦切りガイド内で用紙先端部を幅方向に位置決めし補助搬送ローラで固定した状態で、用紙先端部から用紙ロールの間の弛みを用紙ロールで巻き取ることで用紙を緊張させることができる。その後、補助搬送ローラを開放した際に、用紙に加わっていた左右の張りのバランスの違いが解放されることで、用紙が正しい位置に戻ろうとする力を利用してスキューを矯正することができる。このような現象を利用するには、できるだけ距離のある2地点で用紙を張ることが効果的なため、用紙先端部とロール紙の間で用紙を張ることが有効となる。特に、幅狭な縦切りガイドがあることで、用紙を張ったとき、用紙のスキュー量が大きいときには、用紙の支点になったり、スキュー量が小さくても補助搬送ローラを開放した際の用紙の振れを抑制する効果も期待できる。このため、直径の大きな厚紙の用紙を用いてもスキューを矯正できるようになり、横切りカッタによって形成するスリットの幅方向の位置精度を高めて、高精度の縦切りスリットを実現することができる。
この場合、前記給紙ローラを用紙の巻き取り方向に駆動して用紙を緊張させた後、前記主搬送ローラで用紙を挟持することによって、前記補助搬送ローラの開放時における用紙の緊張状態を維持するようにしてもよい。
用紙先端部と主搬送ローラの2地点で用紙を張っても、スキューを矯正するのに十分な距離を確保することができる。
特に前記給紙ローラには、用紙ロールの両側面を挟む位置に用紙ガイドが設けられ、前記給紙ローラにはこの用紙ガイドよりも大径の用紙ロールが装着されることが望ましい。
本発明は用紙ガイドに頼らずにスキュー矯正できるものであるため、用紙ガイドを全く採用せずともスキュー矯正は原理的に成り立つが、あくまで用紙ガイドを採用することによって、ある径以下のロール紙に対しては幅方向の物理的な位置決めができ、スキュー矯正機能を高めることができる。
用紙ロールの初期充填時は、用紙の外周一周分である表皮部分を切断する準備動作が行われる場合に、前記スキュー矯正制御は、前記準備動作のなかで実行されることが望ましい。
初期充填時には用紙ロールからの繰り出し位置がスキューしている可能性が最も高いため、上記準備動作のなかで本発明のスキュー矯正制御を適用することが有効となる。
1つの印刷領域に対するカラー印刷が用紙を正逆方向に複数回搬送することによって行われる場合に、前記スキュー矯正制御は、1つの印刷領域へのカラー印刷が終わる毎に、又は複数の印刷領域へのカラー印刷が終わる毎に実行されることが望ましい。
カラー印刷工程においては、用紙の往復時にもスキューが発生することがあるため、1又は複数の印刷領域(画面)に対してカラー印刷が完了したタイミングで本発明のスキュー矯正制御を適用することが有効となる。
前記縦切りユニットの駆動系は、前記プリンタ本体の駆動系から独立しており、前記制御部は制御により前記縦切りユニットの駆動系及び前記プリンタ本体の駆動系の必要な同期を行うことが望ましい。
このように独立した駆動系とすることで、既存のプリンタに対して省スペース・安価に縦切りユニットを搭載することができる。そして、縦切りユニットとプリンタ本体、それぞれを独立して駆動することの副次的効果として、本発明のスキュー矯正動作を実現することが可能となる。換言すれば、縦切りユニットの駆動系がプリンタ本体の駆動系とつながっていると、本発明のスキュー矯正が実現できないか或いは特別な機構を介在させる必要があるが、本発明はこのような危惧は不要となる。
前記縦切りユニットは、前記プリンタ本体に後付けされることが望ましい。
後付けであっても、或いは後づけであるからこそ、駆動系は必然的に独立したものになる。換言すれば、後付けだからこそ、ソフトウェアによるスキュー補正が実現し易いものとなる。
以上説明した本発明によれば、用紙ロールに対して用紙ガイドによる物理的なガイドが期待できない状態においても、適切にスキュー矯正を行うことを可能にした、新規有用なプリンタを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態のプリンタの構成を示す模式的な側面図、図2は図1の内部構成を用紙1に沿って上方から模式的に見た図、図3は印刷位置PLに送り込まれるインクリボン4と用紙1の関係を示す図である。
このプリンタPは、プリンタ本体PBと、縦切りユニットSUとを備える。
プリンタ本体PBは、用紙ロールRが装填されて用紙1を印刷位置PLに向けて繰り出す給紙ローラ2と、用紙ロールRから繰り出された用紙1を所定速度で搬送する主搬送手段たる主搬送ローラ3と、印刷位置PLに用紙1とともにリボン4を供給すべく配置される一対の供給側ボビン5a及び巻取側ボビン5bと、印刷位置PLにおいて用紙1の下方に配置されるプラテンローラ6と、このプラテンローラ6に対して用紙1の上方より接離可能に配置されプラテンローラ6との間に用紙1及びインクリボン4を圧接した状態で用紙1に対して印刷を行う印刷ヘッド7と、用紙1を挟持して排紙を行う排紙手段たる排紙ローラ8と、排紙前の用紙1を所要長さに切断する横切りカッタ9と、用紙1の搬送や印刷ヘッド7への通電を制御する制御部CUと、を備える。
給紙ローラ2は、図2に示すように、軸部2aの両側に円盤状の用紙ガイド2bを備えるもので、用紙ロールRはその中心部を軸部2aに支持され、両側部を用紙ガイド2bに挟まれた状態で給紙ローラ2に装填される。給紙ローラ2は図示しないモータに接続され、用紙ロールRからの用紙1の繰り出しや巻き戻しが必要な場合に駆動される。
図1に示す主搬送ローラ3は、フィードローラ3aとメインピンチローラ3bからなる。フィードローラは上記給紙ローラ2とは独立して図示しないモータに接続され、メインピンチローラ3bはフィードローラ3aに対して用紙1を介して接離可能とされて、圧接することによってフィードローラ3aとの間で用紙1を挟持して用紙1に搬送力を伝える。フィードローラ3aは正逆方向に駆動して用紙1を所定速度で搬送する機能を有する。
ボビン5a、5bは、用紙1の搬送方向に沿って印刷位置PLの両側に配置され、未使用のリボン4が供給側ボビン5aから印刷位置PLに送り込まれ、印刷に供したリボン4が巻取側ボビン5bに巻き取られる。
インクリボン2は、図3に示すように、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、OP(オーバーコート)の染料が塗布された領域が長さ方向に繰り返し形成されている。以下、インクリボン2によって印刷されるカラー印刷層を「CLR」と表記する。
図1に示す印刷ヘッド7は、プラテンローラ6に対して昇降可能に配置され、圧接状態で制御部CUから送られる印刷情報(画像情報)に基づきリンクリボン4を加熱してインクを用紙1に転写する。
排紙ローラ8は、搬送ローラ8aとピンチローラ8bからなる。搬送ローラ8aは上記給紙ローラ2等とは独立して図示しないモータに接続され、ピンチローラ8bは搬送ローラ8aに対して用紙1を介して接離可能とされて、圧接することによって搬送ローラ8aとの間で用紙1を挟持して用紙1に排紙方向の搬送力を伝える。
横切りカッタ9は、図2に示すように用紙1を幅方向に横断して、用紙1を搬送方向と直交する方向に切断する。
制御部CUは、CPU、メモリ及びインターフェースを備えた通常のマイクロコンピュータユニットにより構成されるもので、メモリにはプリンタ本体PBや縦切りユニットSU等の制御を通じて本発明のスキュー矯正動作を含めてプリンタの動作を実行するために必要なプログラム及びデータが記憶されている。印刷時の基本制御として、用紙ロールRから給紙方向(図1中矢印A方向)に一旦繰り出した用紙1を、主搬送ローラ3によってインクリボン4とともに排出方向と反対方向である印刷方向(図1中矢印B方向)に搬送しながらこれらを印刷位置PLに送り込み、外部から与えられる印刷情報に基づいて用紙1の所要箇所に印刷を施す。
印刷に供される用紙1は、図3に示すように、同一の印刷領域が印刷開始位置1(P)と印刷終了位置1(Q)の間で往復して搬送され、各々の印刷開始時にインクリボン4の先頭が図中(a)~(d)のごとくY、M、C、OPと入れ替わり、印刷開始位置にある用紙1(P)に重合した状態で印刷ヘッド7がヘッドダウンして、用紙1とインクリボン4が同時搬送されながら、カラー印刷層CLRおよびオーバーコート層OPの印刷が行われる。オーバーコート層OPが印刷されるまでは、印刷終了後に印刷ヘッド7がヘッドアップし、インクリボン4を残して用紙1だけが印刷終了位置1(Q)から印刷開始位置1(P)に戻される。
1つの印刷領域に対してオーバーコート層OPまでの印刷が終了した後、用紙1は、図1に示す排紙ローラ8によって図2に示すプリンタ本体PBの排紙口10側に送り出され、所定の送り出し位置で横切りカッタ9が用紙幅方向に作動して、印刷済領域A1と未印刷領域A2の間が切断される。
一方、図1及び図2に示す縦切りユニットSUは、プリンタ本体PBに対して後付けで取り付けられるもので、プリンタ本体PBの排紙口10から排出される用紙1を受け入れる縦切りガイド11と、この縦切りガイド11から導入された用紙1を縦切りユニットSU内で搬送する補助搬送手段たる一対の補助搬送ローラ12と、これら一対の補助搬送ローラ12の間に位置する縦切りカッタ13とを備える。
縦切りガイド11は、用紙1を受け入れつつ幅方向に位置決めするために、搬送方向に沿って漸次幅狭となるテーパ状をなしている。プリンタ本体PBにも用紙ガイド11´が存在しているが、縦切りユニットUSの縦切りガイド11はプリンタ本体PBの用紙ガイド11´よりも幅狭とされている。
補助搬送ローラ12は、用紙1の下方に位置する補助駆動搬送ローラ12aと、用紙の上方にあって補助駆動搬送ローラ12aに対して接離可能な補助ピンチローラ12bとを備える。補助駆動搬送ローラ12aは、プリンタ本体PBのフィードローラ3aや排紙ローラ8の搬送ローラ8a、給紙ローラ2とは独立したモータに接続され、補助ピンチローラ12bの昇降用モータも、プリンタ本体PBのメインピンチローラ3bや排紙ローラ8のピンチローラ8b、印刷ヘッド7の昇降モータとは独立したモータに接続されている。
図4は図2におけるIV-IV線断面図である。図4(a)は縦切りカッタ13で切断後に印刷物となる領域(印刷物)Uが印刷物排出口へ導出される様子を示した図であり、図4(b)は縦切りカッタ13で切断後に印刷に供されなかったゴミとなる不要部Vが分離機構14によりゴミ箱に導出される様子を示した図である。縦切りカッタ13は、用紙下面側の下部カッタ13aと用紙上面側の上部カッタ13bとの間で用紙1を縦方向に切断し、スリットSを形成するもので、下部カッタ13aおよび上部カッタ13bはそれぞれホルダHa、Hbに保持されている。ホルダHa、Hbは、同期してカッタ13a、13bを、図2に示すように用紙1の通過と干渉しない待機位置13(A)と、縦切りを要する用紙幅方向の所要位置13(B)との間で移動可能とされている。待機位置(A)から所要位置13(B)への移動は、用紙1が縦切りを必要とする位置に到来する前に行われる。
図示例のものは縦切りカッタ13が1つであるが、図5に示すように縦切りカッタ13を二組備え、それらを待機位置13(A)から異なる切断位置13(B)にそれぞれ移動させることによって、用紙1を三分割に切断するように構成することもできる。
縦切りカットによって生成されるスリットSの位置は、外部から与えられる印刷情報(例えば、フォトプリント印刷情報)に基づく。すなわち、印刷情報により何インチサイズの印刷画像であるか、用紙1のどの位置が印刷領域であるかが判明すると、縦切りするスリットSの位置が特定されるので、制御部CUは縦切りカッタ13をそのスリットSの位置に移動させて縦切りを実行する。
縦切りカッタ13で切断後、印刷領域に所要の印刷を施した印刷物となる領域(印刷物)Uは図2及び図4(a)に示すように正規のルートを通って最終的に縦切りユニットSUの印刷物取出口に導出される。一方、ゴミとなる不要部Vをゴミ箱に収容するルートに送り出すために、このプリンタには図2及び図4(b)に示すように、印刷物となる領域Uから不要部Vを分離しつつ排出経路を変更する分離機構14が設けられている。
分離機構14は、図2、図4(b)、図10に示すように、縦切りカッタ13の下流において上部カッタ13bを保持する上部ホルダHbに取り付けられたもので、縦切りカットされる位置から幅方向に所定距離離れた位置を押圧するように配置され、その位置関係を保って上部カッタとともに動作する。そして、用紙1と干渉しない図4(b)に想像線で示す位置から、軸mの回りに回転することによって用紙1を下方に押圧する位置に移動するように構成される。分離機構14の用紙1との接触面は、用紙1を滑らかに下方に誘導する滑らかな湾曲面となっている。これによって、不要部Vは印刷物となる領域(印刷物)Uから分離され、ゴミ箱に向かう方向に導かれる。
縦切りカッタ13による縦カット中に、図2に示す印刷済領域A1の終端が横切りカッタ9の位置に到来した際には、横切りカッタ9によって印刷済領域A1と未印刷領域A2の間を切断する。その後は、補助搬送ローラ12によって用紙1を送りながら、残りの縦カットを完了する。これにより、印刷物となる領域(印刷物)Uとなる領域がミニプリントとして切り出される。
図1、図2において符号15、15´で示すものは用紙先端を検知するセンサである。
以上の構成において、本実施形態は、図11に示した用紙ロールRの巻き太りに起因して用紙ガイド2bによる用紙1の物理的なスキュー矯正ができなくなることに対処すべく、図1に示した縦切りユニットSU内の補助搬送ローラ12とプリンタ本体PB内の給紙ローラ2、そして図2に示した縦切りユニットSU内の縦切りガイド11を用い、制御部CUによってスキュー矯正を行うように構成されている。
このスキュー矯正制御の基本的な手法は、図6(a)に示すように、補助搬送ローラ12で用紙1を挟持し、主搬送ローラ3を開放した状態で、給紙ローラ2を用紙1の巻き取り方向に駆動する。これによって、用紙先端部1(S)と用紙ロールRの間で用紙1の弛みを緊張させる。そして、補助搬送ローラ12を開放する。これにより、用紙1にスキューがあればそのスキューを一緒に矯正する。
以下、スキュー矯正手順について説明する。スキュー矯正制御は、用紙ロールRを交換したタイミングと、用紙1に対して1又は複数の印刷領域への印刷を完了したタイミングで実行される。
用紙ロールRを交換する手順は次による。
まず、図1に示すプリンタ本体PBの図示しないカバーを開ける。この状態で、印刷ヘッド7、主搬送ローラ3のメインピンチローラ3b、補助搬送ローラ12の補助ピンチローラ12b、排出ローラ8のピンチローラ8bは、図1に示す状態とは異なりアップしている。そこで、用紙ロールRをセットして用紙先端部1(S)を用紙ロールRから繰り出し、図2に示したプリンタ本体PBの排紙口10まで手差しで送り込み、さらに縦切りユニットSUの入口の縦切りガイド11を経て一対の補助搬送ローラ12、12の間まで送り込む。制御部CUはセンサ15´によって用紙1の差し込みを検知する。
次に、カバーを閉じる。制御部CUはカバーが閉じられた事を検知する。その後、主搬送ローラ3を駆動し、用紙先端1(S)をプリンタ本体PBの出口近くまで引き戻し、その位置にあるセンサ15で用紙先端1(S)を検知する。用紙1の先端位置の情報は、用紙1の汚損した外周一周分である表皮部をカットするために必要な情報となる。
その後、用紙1のスキュー矯正を実行しつつ、横切りカッタ9で用紙1の所要位置を切断して排紙し、プリント準備を完了する。
スキュー矯正制御は、図7に示すフローチャートに沿った手順で行われる。先ず、主搬送ローラ3によって用紙先端部1(S)を縦切りユニットSU内に移動させ(ステップS1)、補助搬送ローラ12を構成する補助ピンチローラ12bをダウンさせてその下にある搬送ローラ12aとの間で用紙1を挟持する(ステップS2)。次に、主搬送ローラ3を構成するメインピンチローラ3bをアップさせ(ステップS3)、給紙ローラ2を巻き取り方向に駆動する(ステップS4)。これにより、図6(a)に示す用紙先端部1(S)から用紙ロールRの間に位置する用紙1の弛みが取り除かれる。この時各ローラ間に発生している小さなスキューや弛みを取ることができ、用紙1の姿勢を小規模で矯正する事もできる。
その後、補助ピンチローラ12bをアップさせると(ステップS6)、用紙1に加わっていた左右の張りのバランスの違いが解放されることで、用紙1が正しい位置に戻ろうとする力を利用してスキューを矯正することができる。このような現象を利用するには、できるだけ距離のある2地点で用1紙を張ることが効果的なため、用紙先端部1(S)と用紙ロールRの間で用紙1を張ることが有効となる。特に、幅狭な縦切りガイド11があることで、用紙1を張ったとき、用紙1のスキュー量が大きいときには、用紙1の支点になったり、スキュー量が小さくても補助ピンチローラ12bをアップした際の用紙1の振れを抑制する効果も期待できる。スキュー矯正後は、メインピンチローラ3bをダウンさせて次の搬送に移る。
この場合、補助ピンチローラ12bをアップするステップS6の前に、メインピンチローラをダウンさせてもよい(ステップS5)。用紙先端部1(S)と主搬送ローラ3の2地点で用紙1を張っても、スキューを矯正するのに十分な距離を確保することができるからである。
なお、上記のように用紙先端部1(S)と用紙ロールRの間(又は用紙先端部1(S)と主搬送ローラ3の間)で用紙1を緊張させて弛みを取り除く工程は、用紙1の姿勢を小規模で補正する事につながるため、主搬送ローラ3のピンチローラ3bをダウンさせて印刷を継続したり、また用紙先端を整えるために用紙先端部1(S)を切断する際にも実施することができる。このような制御を行うことで、スキューの影響をこまめに軽減していく小規模補正を繰り返すことで、動作毎のスキューの積算量を小さくすることができる。このことにより、上記のように補助搬送ローラ12を開放してグリップし直すまでの処理を行う回数を軽減することもできる。
ステップS6の実行後、用紙先端部1(S)から所定距離の部位を切断するために、切断部位を横切りカッタ9の切断位置まで搬送し、切断を実行する。切断前は主搬送ローラ3や排紙ローラ8によって用紙1の搬送を行い、切断後の用紙1は補助搬送ローラ12によって用紙1の搬送を行う。本実施形態では、用紙ロールRの表皮部を複数回(6回)に分けて横カットする。6回目のカットを終えたら、横カット完了後に補助搬送ローラ12のピンチローラ12bをアップし、主搬送ローラ3によって用紙先端部1(S)の検出のために用紙1をセンサ15の位置まで移動させた後、図7のステップS1~S6を実行して、印刷待機状態になる。
その後、印刷指令が入力されたら、制御部CUは印刷動作を開始する。
基本印刷動作は、用紙ロールRから排紙方向(図1中A方向)に一旦繰り出した用紙1を、主搬送ローラ3によって排紙方向と反対方向である印刷方向(図1中B方向)に搬送しながら印刷位置PLにおいてY,M、C、OPの印刷を実行する。
印刷が完了したら、縦カット及び横カットを実行して、1つの印刷領域の印刷を完了する。縦カットをしないときは、縦カットの工程は省略される。
そして、この印刷工程においても、前述したスキュー矯正制御が行われる。この実施形態で制御部CUは、2つの印刷領域(例えば、印刷画面2枚分)の印刷が完了する毎に、上記ステップS1~S6を実行するように構成されている。スキュー矯正制御の前後には用紙先端部1(S)の検出が行われる。
以上のように、本実施形態のプリンタは、給紙ローラ2に装填した用紙ロールRから繰り出される用紙1を挟持して主搬送ローラ3で搬送しつつ印刷位置PLにおいて用紙1への印刷を行い、印刷後の用紙1を横切りカッタ9で切断して排出するプリンタ本体PBと、排出過程の用紙1を幅方向の縦切りガイド11を介し導入して補助搬送ローラ12で挟持しつつ縦切りカッタ13で切断する縦切りユニットSUと、これらプリンタ本体PB及び縦切りユニットSUを制御する制御部CUとを有する。
そして、制御部CUを、補助搬送ローラ12で用紙1を挟持し主搬送ローラ3を開放した状態で給紙ローラ2を用紙1の巻き取り方向に駆動することによって、用紙先端部1(S)と用紙ロールRの間で用紙1の弛みを緊張させ、緊張状態から補助搬送ローラ12を開放することによって用紙1のスキューを矯正するスキュー矯正制御を実行するように構成したものである。
このようにすれば、縦切りガイド11内で用紙先端部1(S)を幅方向に位置決めし補助搬送ローラ12で固定した状態で、用紙先端部1(S)から用紙ロールRの間に存する用紙1の弛みを用紙ロールRで巻き取ることで用紙1を緊張させることができる。その後、補助搬送ローラ12を開放した際に、用紙1に加わっていた左右の張りのバランスの違いが解放されることで、用紙1が正しい位置に戻ろうとする力を利用してスキューを矯正することができる。このような現象を利用するには、できるだけ距離のある2地点で用紙1を張ることが効果的なため、用紙先端部1(S)と用紙ロールRの間で用紙1を張ることが有効となる。特に、幅狭な縦切りガイド11があることで、用紙1を張ったとき、用紙1のスキュー量が大きいときには、用紙1の支点になったり、スキュー量が小さくても補助搬送ローラ12を開放した際の用紙1の振れを抑制する効果も期待できる。このため、直径の大きな厚紙の用紙1を用いてもスキューを矯正できるようになり、縦切りカッタ13により形成されるスリットの幅方向の位置精度を高めて、高精度の縦切りスリットを実現することができる。
特に本実施形態の給紙ローラ2には、用紙ロールRの両側面を挟む位置に用紙ガイド2bが設けられ、給紙ローラ2にはこの用紙ガイド2bよりも大径の用紙ロールRが装着される。
本実施形態は用紙ガイド2bに頼らずにスキュー矯正できるものであるため、用紙ガイド2bを全く採用せずともスキュー矯正は原理的に可能である。しかし、このようにあくまで用紙ガイド2bによってある径以下の用紙ロールRに対して幅方向の位置決めができるようにしておくことで、スキュー矯正機能を高めることができる。
また、このプリンタでは、用紙ロールRの初期充填時に用紙1の外周一周分である表皮部分を切断する準備動作が行われ、スキュー矯正制御は、その準備動作のなかで実行される。
初期充填時には用紙ロールRからの繰り出し位置がスキューしている可能性が最も高いため、上記準備動作のなかで本実施形態のスキュー矯正制御を適用することが有効となる。
また、このプリンタでは、1つの印刷領域に対するカラー印刷が用紙1を正逆方向に複数回搬送することによって行われ、スキュー矯正制御は、複数の印刷領域へのカラー印刷が終わる毎に実行される。勿論、スキュー矯正制御は、1つの印刷領域への印刷が終わる毎に実行しても構わない。
カラー印刷工程においては、用紙1の往復時にもスキューが発生することがあるため、印刷工程のなかで本実施形態のスキュー矯正制御を適用することが有効となる。
また、このプリンタにおいて、縦切りユニットSUの駆動系は、プリンタ本体PBの駆動系から独立しており、制御部CUは制御により縦切りユニットSUの駆動系及びプリンタ本体PBの駆動系の必要な同期を行うように構成されている。
このように独立した駆動系とすることで、既存のプリンタに対して省スペース・安価に縦切りユニットSUを搭載することができる。そして、縦切りユニットSUとプリンタ本体PB、それぞれを独立して駆動することの副次的効果として、本実施形態のスキュー矯正動作を実現することが可能となる。換言すれば、縦切りユニットSUの駆動系がプリンタ本体PBの駆動系とつながっていると、本実施形態のスキュー矯正が実現できないか或いは特別な機構を介在させる必要があるが、本実施形態はこのような危惧は不要となる。
また、このプリンタの縦切りユニットSUは、プリンタ本体PBに後付けされている。
このように後付けであっても、或いは後づけであるからこそ、駆動系は必然的に独立したものになる。換言すれば、後付けだからこそ、ソフトウェアによるスキュー補正が実現し易いものとなる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…用紙
2…給紙ローラ
2b…用紙ガイド
3…主搬送ローラ
9…横切りカッタ
11…縦切りガイド
12…補助搬送ローラ
13…縦切りカッタ
A1…印刷済領域
CU…制御部
PB…プリンタ本体
PL…印刷位置
R…用紙ロール
SU…縦切りユニット
2…給紙ローラ
2b…用紙ガイド
3…主搬送ローラ
9…横切りカッタ
11…縦切りガイド
12…補助搬送ローラ
13…縦切りカッタ
A1…印刷済領域
CU…制御部
PB…プリンタ本体
PL…印刷位置
R…用紙ロール
SU…縦切りユニット
Claims (5)
- 給紙ローラに装填した用紙ロールから繰り出される用紙を挟持して主搬送ローラで搬送しつつ印刷位置において用紙への印刷を行い、印刷後の用紙を横切りカッタで切断して排出するプリンタ本体と、排出過程の用紙を幅方向の縦切りガイドを介し導入して補助搬送ローラで挟持しつつ縦切りカッタで切断する縦切りユニットと、これらプリンタ本体及び縦切りユニットを制御する制御部とを有するプリンタであって、
前記制御部を、前記補助搬送ローラで用紙を挟持し前記主搬送ローラを開放した状態で前記給紙ローラを用紙の巻き取り方向に駆動することによって、用紙先端部と用紙ロールの間で用紙の弛みを緊張させ、緊張状態から前記補助搬送ローラを開放することによって用紙のスキューを矯正するスキュー矯正制御を実行するように構成した、ことを特徴とするプリンタ。 - 前記給紙ローラを用紙の巻き取り方向に駆動して用紙を緊張させた後、前記主搬送ローラで用紙を挟持することによって、前記補助搬送ローラの開放時における用紙の緊張状態を維持する、請求項1に記載のプリンタ。
- 前記給紙ローラには、用紙ロールの両側面を挟む位置に用紙ガイドが設けられ、前記給紙ローラにはこの用紙ガイドよりも大径の用紙ロールが装着される、請求項1又は2に記載のプリンタ。
- 1つの印刷領域に対するカラー印刷が用紙を正逆方向に複数回搬送することによって行われる場合に、前記スキュー矯正制御は、1つの印刷領域へのカラー印刷が終わる毎に、又は複数の印刷領域へのカラー印刷が終わる毎に実行される、請求項1~3の何れかに記載のプリンタ。
- 前記縦切りユニットは、前記プリンタ本体に後付けされる、請求項1~4の何れかに記載のプリンタ。
Priority Applications (1)
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JP2020202062A JP2022089570A (ja) | 2020-12-04 | 2020-12-04 | プリンタ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2020202062A Pending JP2022089570A (ja) | 2020-12-04 | 2020-12-04 | プリンタ |
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2020
- 2020-12-04 JP JP2020202062A patent/JP2022089570A/ja active Pending
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