(第1の実施形態)
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す斜視図である。図1(a)は、画像形成装置の正面側の斜視図であり、図1(b)は、画像形成装置の背面側の斜視図である。また、図2は、本実施形態の画像形成装置の内部構成の一部を示す斜視図である。
図1に示す画像形成装置100では、インクリボンカセット13と記録用紙カセット14とを、画像形成装置本体の側面に対して共通に一方向から装填する構成となっている。これにより、それぞれのカセットを素早く確実に着脱することができ、取扱い性に優れた画像形成装置を提供できる。また、装置の設置に関して自由度が増し、例えば装置の長手方向を縦にした形態や、斜めに傾けた形態などが実現可能である。更に、それぞれのカセットを装置の外側からカバーする蓋部材を設ける場合、一体の蓋部材で共用でき、部品点数が減ることでコストダウンにも有利である。
図3は、記録用紙カセット14の構成を示す断面図である。
記録用紙カセット14において、ロール状に連続した記録用紙Pは、ボビン14aに円筒状に巻回されている。記録用紙Pには、カードサイズ、Lサイズ、ポストカードサイズ等、複数の種類のサイズがあり、記録用紙Pは、サイズ毎に専用または兼用の記録用紙カセット14に収納されている。画像形成装置100では、任意のサイズに対応したインクリボンカセット13と記録用紙カセット14とを装置本体に差し込んだ状態で印画動作を行う。
記録用紙カセット14内で、ボビン14aは、略上下方向(矢印200参照)にスライド可能なように保持されている。更にボビン14aは、バネ部材14dと当接しており、略下方向に付勢されている。また、記録用紙カセット14には、記録用紙カセット14内から記録用紙Pの先端部を引き出せるように、記録用紙カセット14の外周面の一部にスリット状の記録用紙出口14bが設けられている。給紙ローラ1(図2参照)が記録用紙Pの外周面に圧接している圧接位置に配置されている場合は、記録用紙Pは、バネ部材14dがボビン14aを押圧することにより給紙ローラ1に圧接された状態となる。ここで、記録用紙Pの先端部を記録用紙カセット14の記録用紙出口14bから引き出す給紙方向に給紙ローラ1が回転すると、給紙ローラ1と記録用紙Pの外周面との表面の摩擦力によって記録用紙P全体が回転する。このとき、記録用紙出口14bに沿って設けられている分離部材14cによって、記録用紙Pの先端部は、記録用紙出口14bにガイドされて搬送路に搬送される。
画像形成装置100の使用開始時は、円筒状に巻回された記録用紙Pの直径Dは図3に示すように大きいが、記録用紙Pの消費が進むにつれて記録用紙Pの直径Dは小さくなっていく。しかし、バネ部材14dには、記録用紙Pを給紙ローラ1に圧接させる作用だけでなく、記録用紙Pの直径Dが小さくなっても記録用紙Pの先端部が分離部材14cにより記録用紙出口14bへガイドされるように記録用紙P全体を給紙ローラ1へ寄せる作用もある。そのため、バネ部材14dのストロークは、円筒状に巻回された記録用紙Pを、使用開始から最後の一巻きまで常時略下方向に片寄せし、給紙ローラ1に安定して圧接できるように設計されている。
給紙ローラ1は、図2に示すように、軸部1aとゴム部1bとから成る能動ローラであり、一端にギア1cが圧入されたユニットとなっている。ギア1cは、規制レバー8(第1の規制レバー)に連動する遊星ユニット6と常時連結されている。給紙ローラ1は、上述した圧接位置と記録用紙Pの外周面から離間する離間位置との間を移動可能であり、圧接位置に配置されているときには給紙方向と、給紙方向と反対の収納方向に回転可能である。給紙ローラ1から見て記録用紙Pの進行方向の前方には、カムギア2に回転力を伝達するギア軸ユニット3が配置されている。ギア軸ユニット3では、軸部1aと平行に延びる軸部3aと、軸部3aに串刺し状に挿入されたウォームギア3bと、ギア3cとが一体的に構成されている。軸部3aには、トーションバネ4が回転可能に支持されている。トーションバネ4は、給紙ローラ1を離間位置の方へ付勢している。
遊星ユニット6には、給紙ローラ1とカムギア2の駆動源である搬送モータ5が接続されている。本実施形態では、搬送モータ5はステッピングモータであるが、エンコーダー等により安定的に回転駆動が可能な構成であれば、搬送モータ5はステッピングモータに限定されない。
図2に示すように、ギア軸ユニット3から見て記録用紙Pの進行方向の前方にはカッターユニット7が配置されている。カッターユニット7は、カッターモータ7aを駆動源とし、記録用紙Pの記録面に対して鉛直方向(上下方向)に移動する鋏状の移動刃を有する。なお、本発明では、カッターユニット7の切断形態として他に記録用紙Pの幅方向(横方向)に往復移動するロータリーカッターなどを適用できる。カッターユニット7には、カッターユニットに連動する連動レバー10が取り付けられている。
図4は、本実施形態の画像形成装置の内部構成の一部を示す断面図である。図4(a)は、図1に記載の切断線A−Aに沿った断面図である。また図4(b)は、図4(a)に記載の領域Bを拡大した断面図である。なお、図4(a)は、給紙ローラ1が離間位置に配置されている状態を示している。一方、図4(b)は、給紙ローラ1が圧接位置に配置されている状態を示している。
図4(a)に示すように、記録用紙カセット14からカッターユニット7までの搬送路の途中には、印画手段であるサーマルヘッド11が配置されている。サーマルヘッド11と記録用紙Pの搬送路を挟んで対向する位置にはプラテンローラ12が配置されている。
サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間にはインクリボン13aが配置されている。このインクリボン13aは、供給ボビン13b及び巻き取りボビン13cに巻回されている。インクリボン13aでは、記録用紙Pの印画領域を覆ってそのサイズよりもやや大きいサイズでイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各インク層とオーバーコート(OC)層とが個別に塗布されている。
サーマルヘッド11は、複数の発熱素子を有する加熱部11aを備えており、画像形成情報に応じて発熱素子を選択的に加熱し、インクリボン13a上に一様に塗布されたインクを記録用紙Pに熱転写する。サーマルヘッド11は、加熱部11aを移動させる取り付けフレーム11bと、加熱部11aを付勢するバネ部材11cとを有し、動力手段(不図示)の制御によって揺動可能となっている。サーマルヘッド11では、印画動作時には、取り付けフレーム11bが所定の位置まで回転し、加熱部11aをプラテンローラ12に押圧する。こうして、インクリボン13aと記録用紙Pとを、バネ部材11cの弾性力によって適当な圧力で圧着させ、熱転写を行う。
記録用紙カセット14からプラテンローラ12までの搬送路の途中には、キャプスタンローラ15が配置されている。キャプスタンローラ15に対向してピンチローラ16が配置されている。キャプスタンローラ15は、記録用紙Pの先端部がカセット14から引き出された後に主となって用紙搬送を行う金属製の能動ローラである。また、キャプスタンローラ15に従動するピンチローラ16は、バネ部材(不図示)でキャプスタンローラ15の軸部の法線方向に弾性的に付勢されている。本実施形態の画像形成装置においては、キャプスタンローラ15の軸部の一部に、記録用紙Pの裏面に位置ずれが起きないだけの深さまで刺さる棘状の突起が設けられている。これにより、ピンチローラ16の滑りや変形による記録用紙Pの位置ずれが発生しにくく、複数回往復搬送した場合であっても、記録用紙Pを安定して搬送できる。ここで、カッターユニット7の構成について図4(a)を参照しながら詳しく説明する。
上述したカッターモータ7aには、カムギア7bが連結されている。また、カムギア7bは、一部が鋭利に加工された金属製の可動刃7cと連動する。可動刃7cと記録用紙Pの搬送路を挟んで対向する位置には、一部が鋭利に加工された金属製の固定刃7dが配置されている。カッターユニット7では、カッターモータ7aにより回転されたカムギア7bは、可動刃7cを記録用紙Pの記録面に対して鉛直方向に往復させる。このとき、可動刃7cと固定刃7dとが、はさみ状に刃を上下に擦りあわせることによって、記録用紙Pが切断される。
カッターユニット7から見て記録用紙Pの進行方向の前方には排紙ローラ17と従動ローラ18が配置されている。排紙ローラ17と従動ローラ18とは、記録用紙Pの搬送路を挟んで互いに対向して配置されている。カッターユニット7による切断動作において、記録用紙Pにたるみやばたつきがあると、切断された記録用紙Pの長さがばらついたり、切断面の品位が低下したりするなどの不具合が発生する可能性がある。そこで、本実施形態では、排紙ローラ17と従動ローラ18とで構成される一対のローラは、切断された記録用紙Pを排出するだけでなく、記録用紙Pに任意の張力を与え、たるみやばたつきを抑える構成となっている。具体的には、記録用紙Pに任意の張力を加えるため、キャプスタンローラ15による記録用紙Pの搬送速度よりも、排紙ローラ17による記録用紙Pの搬送速度のほうが速い。更には、排紙ローラ17と従動ローラ18とで構成される一対のローラのニップ圧が、キャプスタンローラ15とピンチローラ16とで構成される一対のローラのニップ圧よりも弱い。これらの構成によって、排紙ローラ17が記録用紙Pの表面でスリップし、キャプスタンローラ15と排紙ローラ17との間で記録用紙Pに任意の張力を加えることができる。
次に、カムギア2の構成について図5を参照しながら詳しく説明する。図5は、カムギア2の構成を示す断面図である。図5(a)は、カムギア2が給紙ローラ1を離間位置に配置させている状態を示している。一方、図5(b)は、カムギア2が給紙ローラ1を圧接位置に配置させている状態を示している。
カムギア2は、図5(a)、(b)に示すように、給紙ローラ1とフレーム部材19との間に挟まれるように配置されている。カムギア2は、給紙ローラ1の直下から離間して配置されている回転軸20を中心として給紙ローラ1に接触しながら回転する。カムギア2には、軸部3aと一体的に構成されているウォームギア3bが、常時連結されている。ギア3c(図2参照)が回転すると、該回転力がウォームギア3bを通じてカムギア2に伝達される。これにより、カムギア2がギア3cと同期して給紙ローラ1を離間位置と圧接位置に交互に配置させる。カムギア2の上面には、給紙ローラ1との接触面として、給紙ローラ1の離間位置に対応する第1のカム面2aと、給紙ローラ1の圧接位置に対応する第2のカム面2bと、カム曲面2cとが形成されている。第1のカム面2aは、第2のカム面2bよりも高さが低く第2のカム面2bから離れている。カム曲面2cは、第1のカム面2aと第2のカム面2bとを滑らかにつなぐために、その高さが第1のカム2aから第2のカム面2bに向かって高くなっている。図5(a)に示すように給紙ローラ1が第1のカム面2aによって離間位置に配置されている状態でカムギア2が回転すると、給紙ローラ1の軸部1aがカムギア2のカム曲面2cに乗り上げるように移動する。その後、給紙ローラ1は、図5(b)に示すように、第2のカム面2bによって圧接位置に配置させられる。
次に、本実施形態における、給紙ローラ1の駆動機構の一連の動作について図6〜図9を参照しながら説明する。
図6は、カッターユニット7が切断位置に配置され、かつ給紙ローラ1が離間位置に配置されている状態を示す側面図である。図6に示すように、搬送モータ5の回転軸にはピニオンギア5aが圧入されている。ピニオンギア5aには、大歯車と小歯車とから成る二段ギア21が連結されている。二段ギア21には、キャプスタンローラ15の軸部に圧入され、キャプスタンローラ15と一体的に構成されたギア15aが連結されている。搬送モータ5が回転すると、該回転力が、ピニオンギア5aおよびギア21を介して、減速しながらギア15aに伝達される。
ギア15aには、遊星ユニット6の太陽ギア6aが常時連結されている。太陽ギア6aには、ギア15aに加えて、遊星ギア6bと、給紙ローラ1のギア1cが常時連結されている。また、太陽ギア6aの回転軸には、遊星ギア6bを保持し、太陽ギア6aの回転に伴って変位する遊星レバー6cが連結されている。遊星ギア6bは、遊星レバー6cが変位することで、カムギア2に常時連結されているギア3cに対して連結される連結位置とギア3cから離間する非連結位置との間を回転移動できる。
図7は、図6に示す状態から給紙ローラ1が圧接位置に移動した状態を示す側面図である。図6及び図7では、連動レバー10が可動刃7cと連動して切断位置(最下点)にあり、規制レバー8の一端8bと当接している。このとき、規制レバー8の他端に形成されている突起8aは遊星レバー6cから離間しており、遊星ギア6bはギア3cに連結されている。ここで、搬送モータ5が時計回り(図6の矢印201参照)に回転すると、遊星ギア6bがギア3cに連結されているので、ギア3cと常時連結しているカムギア2が回転する。カムギア2が回転すると、上述したように、給紙ローラ1がカムギア2のカム曲面2cに沿って持ち上げられる(図5(a)、(b)参照)。給紙ローラ1のギア1cは、太陽ギア6aに常時連結されたまま太陽ギア6aの回転軸を中心として、回転移動する。このとき、センサ(不図示)によってカムギア2の位置が監視される。そして、給紙ローラ1が圧接位置に配置されるまでカムギア2が回転したことがセンサによって検知されると、搬送モータ5は停止する。
図8は、図7に示す状態からカッターユニット7が非切断位置に移動した状態を示す側面図である。また、図9は、図8に示す状態から遊星ギア6bがギア3cから離間した状態を示す側面図である。
カッターモータ7aの回転により可動刃7cが非切断位置(最上点)に移動すると、図8に示すように、規制レバー8の突起8aが遊星レバー6cと当接する。これは、規制レバー8には、連動レバー10が規制レバー8から離間するのに伴って規制レバー8を遊星レバー6cに向かって(図8矢印202参照)付勢するトーションバネ9が取り付けられているからである。規制レバー8の突起8aが遊星レバー6cと当接するとき、搬送モータ5は駆動していないので、遊星レバー6cを押圧して揺動させることは容易である。そのため、規制部材8の突起8aが、トーションバネ9の付勢によって遊星レバー6cを押し下げた結果、遊星レバー6cが変位する。これにより、太陽ギア6aが回転し、この回転に伴って、図9に示すように遊星ギア6bがギア3cから離間する。このようにして遊星ギア6bとギア3cとの連結が解除されると、搬送モータ5がどの方向に回転しても搬送モータ5の回転力はカムギア2に伝達されないので、給紙ローラ1の圧接状態が保持される。
給紙ローラ1を圧接位置から離間位置へ移動させる手順については、上記の内容のほぼ逆の手順で説明できる。具体的には、カッターモータ7aを回転させてカッターユニット7を非切断位置から切断位置に移動させる。すると、連動レバー10が規制レバー8の一端8bを押し下げる。これにより、規制レバー8の突起8aが遊星レバー6cから離間し、遊星ギア6bがギア3cに連結可能な状態となる。そして、搬送モータ5が回転すればカムギア2も回転し、給紙ローラ1との接触面が第2のカム面2bから第1のカム面2aに変化する。これにより、給紙ローラ1は、圧接位置から離間位置に移動する。このようにして本実施形態では、カッターユニット7の位置に応じて、給紙ローラ1の圧接位置と離間位置との切り換えが可能である。
図10および図11は、本実施形態の画像形成装置の動作手順を示すフローチャートである。以下、既に説明した動作も含め、印画開始から印画終了までの一連の動作について図10および図11に記載のフローチャートに従って説明する。
ユーザーが、インクリボンカセット13及び記録用紙カセット14を装置本体に装着した状態でボタン(不図示)を押下するなどして印画開始(ステップS1)を選択すると、まずカッター位置検知(ステップS2)を行う。これは、後に行う給紙ローラ1の圧接動作(ステップS5)の準備である。上述したように、本実施形態では、カッターユニット7(可動刃7c)が切断位置に配置されている場合にのみ、カムギア2を回転させ、給紙ローラ1を圧接位置へ配置させることが可能となる。そのため、給紙ローラ1の圧接動作(ステップS5)を行う前に、可動刃7cが切断位置に配置されているか否か検知(ステップS3)する必要がある。このとき、カッターユニット7の可動刃7cが切断位置に配置されていない(非切断位置に配置されている)場合は、カッターモータ7aが回転駆動し(ステップS4)、可動刃7cを切断位置まで移動させる。
可動刃7cが切断位置に配置されていることが確認されると、次に、搬送モータ5が回転駆動し、給紙ローラ1の圧接動作(ステップS5)が行われる。ここでは、上述したように、搬送モータ5の回転に伴いカムギア2が回転することによって、給紙ローラ1が離間位置から圧接位置に移動する(図6、図7参照)。その後、カッターモータ7aを駆動させて(ステップS6)、カッターユニット7の可動刃7cを切断位置から非切断位置まで移動させる。上述したように、カッターユニット7の可動刃7cが非切断位置に配置されると遊星ギア6bとギア3cとの連結が解除されるので、搬送モータ5がどの方向に回転しても、カムギア2が駆動されない。すなわち、給紙ローラ1の圧接位置への配置が保持される。
カッターユニット7の可動刃7cが非切断位置に移動した後、給紙動作(ステップS9)が行われる。この給紙動作では、搬送モータ5の回転に伴い給紙ローラ1が給紙方向へ回転すると、ボビン14aに巻回されている記録用紙Pの先端部が記録用紙カセット14の内周面に沿って進む。この後記録用紙Pの先端部は、分離部材14cですくい上げられる。更に給紙ローラ1が給紙方向に回転すると、記録用紙Pの先端部は、分離部材14cによって記録用紙出口14bへ導かれる。記録用紙Pは、給紙ローラ1によって更に搬送され、互いに対向して配置されているキャプスタンローラ15とピンチローラ16に狭持される。このとき、給紙ローラ1は、キャプスタンローラ15の回転動作と同期しているため、引き続き記録用紙Pを記録用紙カセット14から給紙方向に送り出していく。その後、検知センサ(不図示)の検知情報に基づいて、印画に必要な長さだけ記録用紙Pが記録用紙カセット14から送り出され、記録用紙Pの先端部が印画開始位置まで搬送されると、搬送モータ5は停止する。
印画開始位置まで記録用紙Pの搬送が終了すると、次にマーカー検知動作(ステップS10)を行う。具体的には、インクリボンカセット13に収納されているインクリボン13aを、モータ(不図示)および該モータに接続されているギア列(不図示)を介して巻き上げる過程で、インクリボン13aの先頭位置合わせを行う。本実施形態では、マーカー検知動作は、光学センサ(不図示)の受光レベルが任意のレベル以下となったことを検知することで、インクリボン13aに設けられた遮光マーカーの位置を判定する。
マーカー検知動作の後、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、オーバーコート(OC)の各画面について印画動作(ステップS11)を行う。印画動作は、印画開始位置から印画終了位置まで、記録用紙Pとインクリボン13aとを上流方向(記録用紙Pの収納方向)に搬送する間に行われる。まず、動力手段(不図示)の制御に従って取り付けフレーム11bが所定の位置まで回転し、取り付けフレーム11bと一体の加熱部11aがプラテンローラ12を押圧する。その後、記録用紙Pと同時にインクリボン13aが、巻き取りボビン13cに巻きつけられてたるみを取り除きながら搬送される。このときの印画終了位置は、記録用紙Pの先端部が対向したサーマルヘッド11とプラテンローラ12との間を通過して、記録用紙カセット14側(上流側)に移動した位置である。
次に、この位置から印画開始位置まで記録用紙Pを搬送(ステップS13)する。印画開始位置への搬送時には、取り付けフレーム11bが回転し、加熱部11aが退避位置に退避させられる。なお、退避位置とは、加熱部11a(サーマルヘッド11)が記録用紙P(プラテンローラ12)から最も離れた位置である。加熱部11aが退避位置に移動した状態で更に記録用紙Pが印画開始位置まで搬送(ステップS13)された後、残りの画面についても印画動作を繰り返しながら記録用紙Pに順次インクを重ねることによって印画像が熱転写される。最後に保護層であるOCの印画を終了したか否かにより、印画動作の終了が判断される(ステップS12)。印画動作後の動作手順については、図11に示す。
印画動作が終了すると、記録用紙Pは切断位置まで搬送され(ステップS14)、記録用紙Pの切断動作(ステップS15)が行われる。記録用紙Pが切断位置まで搬送される途中、記録用紙Pは排紙ローラ17と従動ローラ18とで構成される一対のローラに挟持され、更に排紙方向へ搬送される。記録用紙Pの切断位置は、記録用紙Pにおける印画領域と未印画領域の境界がカッターユニット7の切断位置と合致する位置である。
記録用紙Pを切断位置まで搬送した後、印画部分と余白との境界で切断するため、切断動作(ステップS15)を行う。この切断動作では、カッターモータ7aが回転駆動し、可動刃7cが切断位置へ移動する。このとき、上述したように、可動刃7cと固定刃7dとが、はさみ状に上下の刃を擦りあわせることによって、記録用紙Pが切断される。その後、カッターモータ7aが逆回転することで可動刃7cは再び非切断位置へ戻される。このとき、切断された記録用紙Pは、排紙ローラ17と従動ローラ18とに挟持された状態にある。
切断動作の後、切断された記録用紙Pを受け台(不図示)上に排紙するため、排紙動作(ステップS16)を行う。排紙動作では、印画終了位置から更に下流方向(排紙方向)に、排紙ローラ17と従動ローラ18の保持力のみで、切断された記録用紙Pを搬送する。排紙ローラ17には、搬送モータ5からの回転力がギア列(不図示)を通じて伝達されており、キャプスタンローラ15と同期して排紙ローラ17が排紙動作を行う。そのため排紙動作時には、未印画の記録用紙Pの先端部も排紙時の搬送動作に伴って排紙方向に前進する。この結果、切断された記録用紙Pは排紙ローラ17により排紙方向に送られた後、上流側から来た未印画の記録用紙Pの先端部に押し出され装置外に出る。このようにして排出された記録用紙Pは、受け台(不図示)上に整然と積載され、排紙動作は終了である。
排紙動作の後、未印画の記録用紙Pは記録用紙カセット14から引き出された状態になっている。連続して次の印画を行わない場合にこの状態が長時間放置されると、記録用紙Pは、搬送路に配置されているキャプスタンローラ15とピンチローラ16によって変形する可能性がある。記録用紙Pの変形を防ぐためには、未印画の記録用紙Pは、記録用紙カセット14内に完全に収納されて、記録用紙カセット14が着脱可能である待機状態になっていなければならない。そこで、本実施形態では、排紙動作の後、未印画の記録用紙Pの先端部が記録用紙カセット14内に完全に収納される収納位置へ記録用紙Pを搬送する動作(ステップS17)が行われる。
収納位置までの搬送動作(ステップS17)の途中では、給紙動作(ステップS9)とは逆に、記録用紙Pの先端部は、キャプスタンローラ15とピンチローラ16とで構成された一対のローラ対から離れた後、給紙ローラ1のみで搬送される。更に、給紙ローラ1は回転駆動を続け、記録用紙Pを記録用紙カセット14内に収納し、記録用紙Pの先端が記録用紙出口14bから十分に引き込んだ位置まで搬送して停止する。このとき、給紙ローラ1が圧接位置に配置されているので、この状態が長期間放置されると記録用紙Pや給紙ローラ1が変形する可能性がある。そこで、本実施形態では、未印画の記録用紙Pを記録用紙カセット14内に収容した後、給紙ローラ1を離間位置に移動させる。具体的には、まず、カッターモータ7aが回転(ステップS18)し、可動刃7cが切断位置まで移動する(ステップS19、20)。これにより、遊星ギア6bがギア3cに連結可能になるので、給紙ローラ1を圧接位置から離間位置へ移動させる離間動作が行われる(ステップS21)。具体的には、搬送モータ5が時計回りに回転することによって、回転力がギア軸ユニット3を介してカムギア2に伝達される。すると、カムギア2が回転し、該回転によって、給紙ローラ1との接触面が第2のカム面2bから第1のカム面2aに変化するので、給紙ローラ1が離間位置に移動する。このようにして、印画開始(ステップS1)から印画終了(ステップS22)までの一連の動作が終了する。
本実施形態によれば、カッターユニット7が切断位置に配置されているときのみにカムギア2と搬送モータ5とを連結させるギアユニット30により、既存の駆動源(搬送モータ5)を用いて、給紙ローラ1が圧接位置と離間位置との間を移動できる。記録用紙Pは、カッターユニット7が非切断位置に配置されているときに搬送されるので、カッターユニット7が切断位置に配置されているときに給紙ローラ1が離間位置に配置されていても記録用紙Pの搬送の妨げとならない。そのため、記録媒体Pが記録用紙カセット内にセットされたまま長期間放置される場合には、カッターユニット7を切断位置に移動させて給紙ローラ1を離間位置に配置させることで、記録用紙Pや給紙ローラ1の変形を防ぐことが可能となる。
上記の通り、給紙ローラ1の移動用に新たな駆動源を追加することなく記録用紙Pや給紙ローラ1の変形を防ぐことが可能になるので、装置の小型化を妨げることなく安定して記録用紙を搬送することが可能となる。
(第2の実施形態)
本実施形態の画像形成装置について説明する。なお、第1の実施形態の画像形成装置100と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の画像形成装置では、ギアユニット30が、カッターユニット7の移動の替わりにサーマルヘッド11の移動に連動するように構成されている。以下、本実施形態における、給紙ローラ1の駆動機構の一連の動作について図12〜図16を参照しながら説明する。
図12は、サーマルヘッド11が退避位置に配置され、かつ給紙ローラ1が離間位置に配置されている状態を示す側面図である。図12に示すように、本実施形態の画像形成装置においても、第1の画像形成装置100と同様に、搬送モータ5が回転すると、該回転力が、ピニオンギア5aおよびギア21を介して、減速しながらギア15aに伝達される。
ギア15aには、遊星ユニット6の太陽ギア6aが常時連結されている。太陽ギア6aには、ギア15aに加えて、遊星ギア6bと、給紙ローラ1のギア1cが常時連結されている。また、太陽ギア6aの回転軸には、遊星ギア6bを保持し、太陽ギア6aの回転に伴って変位する遊星レバー6cが連結されている。遊星ギア6bは、第1の実施形態と同様に、遊星レバー6cの変位に伴って、連結位置と非連結位置との間を回転移動できる。
本実施形態では、ギア15aの回転軸には、規制レバー108(第2の規制レバー)が取り付けられている。規制レバー108には、図12に示すように、遊星レバー6cに当接可能な突起108aと、突起108aを遊星レバー6cに当接させるための貫通穴108bとが設けられている。
また、本実施形態では、図12に示すように、取り付けフレーム111bがサーマルヘッド11に一体に取り付けられている。取り付けフレーム111bは、回転軸111dを中心として回転する。取り付けフレーム111bの一端には、ピン111eが設けられている。ピン111eは、規制レバー108の貫通穴108bを貫通しており、取り付けフレーム111bの回転と連動して貫通穴108bに沿って動いたり貫通穴108bから離れて動いたりする。
また、本実施形態では、サーマルヘッド11は、退避位置と、記録用紙Pに圧接して印画する印画位置と、退避位置と圧接位置との間で記録用紙Pから離れた中間位置という3つの位置に配置可能である。
図13は、図12に示す状態から給紙ローラ1が圧接位置に移動した状態を示す側面図である。図12及び図13では、取り付けフレーム111bのピン111eは、規制レバー108の貫通穴108bと当接している。このとき、規制レバー108の突起108aは遊星レバー6cから離間しており、遊星ギア6bはギア3cに連結されている。ここで、搬送モータ5が時計回り(図12の矢印301参照)に回転すると、遊星ギア6bがギア3cに連結されているので、ギア3cと常時連結しているカムギア2が回転する。カムギア2が回転すると、第1の実施形態で説明したように、給紙ローラ1がカムギア2のカム曲面2cに沿って持ち上げられる(図5(a)、(b)参照)。給紙ローラ1のギア1cは、太陽ギア6aに常時連結されたまま太陽ギア6aの回転軸を中心として、回転移動する。このとき、第1の実施形態と同様に、給紙ローラ1が圧接位置に配置されるまでカムギア2が回転したことがセンサ(不図示)によって検知されると、搬送モータ5は停止する。
図14は、図13に示す状態からサーマルヘッド11が退避位置から中間位置に移動した状態を示す側面図である。また、図15は、図14に示す状態から遊星ギア6bがギア3cから離間した状態を示す側面図である。
動力手段(不図示)によりサーマルヘッド11が中間位置に移動すると、図14に示すように取り付けフレーム11bのピン111eが規制レバー108の貫通穴108bから離間する。規制レバー108には、取り付けフレーム11bが規制レバー108から離間するのに伴って規制レバー108を遊星レバー6cに向かって(図14の矢印302参照)付勢するトーションバネ109が取り付けられている。そのため、取り付けフレーム11bのピン111eが規制レバー108から離間すると、規制レバー108は遊星レバー6cに当接する。このとき、搬送モータ5は駆動していないので、遊星レバー6cを押圧して揺動させることは容易である。そのため、規制部材108の突起108aが、トーションバネ109の付勢によって遊星レバー6cを押し下げた結果、遊星レバー6cは変位する。これにより、太陽ギア6aが回転し、この回転に伴って遊星ギア6bがギア3cから離間する(図15参照)。このようにして遊星ギア6bとギア3cとの連結が解除されると、搬送モータ5がどの方向に回転しても搬送モータ5の回転力はカムギア2に伝達されないので、給紙ローラ1が圧接位置に配置されている状態が保持される。
図16は、図15に示す状態からサーマルヘッド11が中間位置から印画位置に移動した状態を示す側面図である。印画時には、取り付けフレーム111bの回転により、サーマルヘッド11がプラテンローラ12を圧接する。このとき、取り付けフレーム111bのピン111eは、図16に示すように規制レバー108と接触していない。これにより、搬送モータ5の回転力が遊星ユニット6、規制部材108を通じてサーマルヘッド11に伝達されないので、印画動作が阻害されることはない。
給紙ローラ1を圧接位置から離間位置へ移動させる手順については、上記の内容のほぼ逆の手順で説明できる。具体的には、取り付けフレーム111bが回転する。すると、回転の途中で、取り付けフレーム111bのピン111eが規制部材108の貫通穴108bに当接することによって規制レバー108が遊星レバー6cから離間する方に変位する(図13参照)。これにより、遊星ギア6bがギア3cに連結可能な状態となる。そして、搬送モータ5が回転すればカムギア2も回転し、給紙ローラ1との接触面が第2のカム面2bから第1のカム面2aに変化する。これにより、給紙ローラ1は、圧接位置から離間位置に移動する。このようにして本実施形態では、サーマルヘッド11の位置に応じて、給紙ローラ1の圧接位置と離間位置との切り換えが可能である。
なお、第1の実施形態では、カッターユニット7の切断位置と非切断位置という2つの位置で給紙ローラ1の圧接位置と離間位置を切り換える構成であった。これに対し、本実施形態では、サーマルヘッド11の退避位置、印画位置、および中間位置という3つの位置で給紙ローラ1の圧接位置と離間位置を切り換えている。中間位置が存在しない場合、遊星ユニット6がカムギア2に連結されていない状態時、すなわちサーマルヘッド11が印画位置に配置されている状態時に記録用紙Pの搬送を行わなければならなくなる。しかし、サーマルヘッド11が印画位置に配置されているときに記録用紙Pを搬送すると、インクリボン13aが、記録用紙Pと密着しているために、印画動作に支障が生じる可能性がある。そこで、本実施形態では、遊星ユニット6がカムギア2に連結されていなく、かつインクリボン13aが記録用紙Pから離間する状態を作り出すために、中間位置が設けられている。そして、サーマルヘッド11が退避位置に配置されているときのみ、規制レバー108の突起108aが遊星レバー6cから離間し、遊星ギア6bがギア3cに連結可能になる構成となっている。
図17および図18は、本実施形態の画像形成装置の動作手順を示すフローチャートである。以下、既に説明した動作も含め、印画開始から印画終了までの一連の動作について図17および図18に記載のフローチャートに従って説明する。
ユーザーが、インクリボンカセット13及び記録用紙カセット14を装置本体に装着した状態でボタン(不図示)を押下するなどして印画開始(ステップS101)を選択すると、まず始めにヘッド位置検知(ステップS102)を行う。これは、後に行う給紙ローラ1の圧接動作(ステップS105)の準備である。上述したように、本実施形態では、サーマルヘッド11が退避位置にある場合にのみ、カムギア2を回転させ、給紙ローラ1を圧接位置へ配置させることが可能となる。そのため、給紙ローラ1の圧接動作(ステップS105)を行う前に、サーマルヘッド11が退避位置に配置されているか否か検知(ステップS103)する必要がある。このとき、サーマルヘッド11が退避位置に配置されていない(中間位置または印画位置に配置されている)場合は、取り付けフレーム111bを回転させることで、サーマルヘッド11を退避位置まで移動(ステップS104)させる。
サーマルヘッド11が退避位置に配置されていることが確認されると、次に、搬送モータ5を回転駆動し、給紙ローラ1の圧接動作(ステップS105)を行う。ここでは、上述したように、搬送モータ5の回転に伴いカムギア2が回転することによって、給紙ローラ1が離間位置から圧接位置に移動する(図14、図15参照)。その後、ヘッド位置移動(ステップS106)として、サーマルヘッド11を中間位置まで移動させる。これにより、遊星ギア6bとギア3cとの連結が解除されるので、搬送モータ5がどの方向に回転しても、カムギア2が駆動されない。すなわち、ローラ1の圧接位置への配置が保持される。
サーマルヘッド11が中間位置まで移動した後、給紙動作(ステップS109)、マーカー検知動作(ステップS110)が順次行われる。この給紙動作、マーカー検知動作の内容については、第1の実施形態で説明した給紙動作(ステップS9)、マーカー検知動作(ステップS10)と同様なので詳細な説明を省略する。
マーカー検知動作(ステップS110)の後、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、オーバーコート(OC)の各画面について印画動作(ステップS111)を行う。印画動作(ステップS111)は、印画開始位置から印画終了位置まで、記録用紙Pとインクリボン13aとを上流方向(記録用紙Pの収納方向)に搬送する間に行われる。まず、サーマルヘッド11が中間位置から印画位置まで移動する。具体的には、動力手段(不図示)の制御に従って取り付けフレーム111bが回転し、取り付けフレーム111bと一体の加熱部11aがプラテンローラ12を押圧する。その後、記録用紙Pと同時にインクリボン13aが、巻き取りボビン13cに巻きつけられてたるみを取り除きながら搬送される。このときの印画終了位置は、記録用紙Pの先端が対向したサーマルヘッド11とプラテンローラ12との間を通過して、記録用紙カセット14側(上流側)に移動した位置である。
次に、この位置から印画開始位置まで記録用紙Pを搬送(ステップS113)する。印画開始位置への搬送(ステップS113)時には、取り付けフレーム111bが回転し、加熱部11aが中間位置に退避させる。更に記録用紙Pが印画開始位置まで搬送(ステップS113)された後、残りの画面についても印画動作(ステップS111)を繰り返しながら記録用紙Pに順次インクを重ねることによって印画像が熱転写される。最後に保護層であるOCの印画を終了したか否かにより、印画動作の終了が判断される(ステップS112)。印画動作後の動作手順については、図18に示す。
印画動作が終了すると、記録用紙Pは切断位置まで搬送され(ステップS114)、記録用紙Pの切断動作(ステップS115)、排紙動作(ステップS116)が順次行われる。この切断動作、排紙動作の内容については、第1の実施形態で説明した切断動作(ステップS15)、排紙動作(ステップS16)と同様なので詳細な説明を省略する。
排紙動作(ステップS116)の後、第1の実施形態と同様に、記録用紙Pを収納位置へ搬送する動作(ステップS117)が行われる。この動作の内容については、第1の実施形態で説明した動作(ステップS17)と同様なので、詳細な説明を省略する。
未印画の記録用紙Pを記録用紙カセット14内に収容する動作が終了したとき、給紙ローラ1は圧接位置に配置されているので、この状態が長期間放置されると記録用紙Pや給紙ローラ1が変形する可能性がある。そこで、本実施形態では、未印画の記録用紙Pを記録用紙カセット14内に収容した後、給紙ローラ1を離間位置に移動させる。具体的には、まず、取り付けフレーム111bが回転し、サーマルヘッド11が退避位置まで移動する(ステップS118〜120)。これにより、遊星ギア6bがギア3cに連結可能になるので、給紙ローラ1を圧接位置から離間位置へ移動させる離間動作が行われる(ステップS121)。具体的には、搬送モータ5が時計回りに回転することによって、回転力がギア軸ユニット3を介してカムギア2に伝達される。すると、カムギア2が回転し、該回転によって、給紙ローラ1との接触面が第2のカム面2bから第1のカム面2aに変化するので、給紙ローラ1が離間位置に移動する。このようにして、印画開始(ステップS101)から印画終了(ステップS122)までの一連の動作が終了する。
本実施形態によれば、サーマルヘッド11が退避位置に配置されているときのみにカムギア2と搬送モータ5とを連結させるギアユニット30により、既存の駆動源(搬送モータ5)を用いて、給紙ローラ1が圧接位置と離間位置との間を移動できる。記録用紙Pは、サーマルヘッド11が印画位置に配置されているときに印画され、またサーマルヘッド11が中間位置に配置されているときに搬送される。そのため、記録用紙Pが退避位置に配置されているときに給紙ローラ1が離間位置に配置されていても記録用紙Pの印画および搬送の妨げとならない。そのため、記録媒体Pが記録用紙カセット内にセットされたまま長期間放置される場合には、サーマルヘッド11を退避位置に移動させて給紙ローラ1を離間位置に配置させることで、記録用紙Pや給紙ローラ1の変形を防ぐことが可能となる。
上記の通り、給紙ローラ1の移動用に新たな駆動源を追加することなく記録用紙Pや給紙ローラ1の変形を防ぐことが可能になるので、装置の小型化を妨げることなく安定して記録用紙を搬送することが可能となる。
なお、本発明では、記録用紙Pに対する給紙ローラ1の圧接および離間の切り換えに関し、給紙ローラ1を固定したまま、記録用紙カセット14全体を給紙ローラ1に対して圧接および離間する構成が考えられる。しかしながらこの構成では、記録用紙カセット14の体積が給紙ローラ1よりも大きいので、記録用紙カセット14の移動に要する空間が、給紙ローラ1の移動に要する空間よりも大きくなる。そのため、画像形成装置100が大型化してしまう。
また、記録用紙カセット14内に設けられたバネ部材14dをボビン14aに対して圧接または離間する構成も考えられる。しかしながらこの構成では、記録用紙カセット14の構造が複雑になるので記録用紙カセット14が大型化する。そればかりか、上述したようにバネ部材14dのストロークが比較的大きいため、バネ部材14dをボビン14aに対して離間するには、装置側に比較的大きな解除部材が必要となる上、その退避スペースも追加しなければならない。よって、記録用紙カセット14だけでなく画像装置100の大型化も招いてしまう。
したがって、記録用紙Pに対する給紙ローラ1の圧接および離間の切り換えに関し、給紙ローラ1を移動させる構成を採用する本発明の画像形成装置は、装置の小型化に好適である。