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JP2021084794A - エレベータ管理装置、エレベータ管理システム、およびエレベータ管理装置の制御方法 - Google Patents

エレベータ管理装置、エレベータ管理システム、およびエレベータ管理装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロボットと利用者とが同乗しないように運行するエレベータにおいて、利用者の利便性を向上させる。【解決手段】第1出発階から第1行先階までエレベータ(4)に乗車することを要求するロボット(6)からの第1乗車要求、および、第2出発階からでエレベータに乗車することを要求する利用者からの第2乗車要求を受け付ける乗車要求受付部(111)と、第1乗車要求および第2乗車要求に応じてエレベータの運行を制御する運行制御部(112)と、を備える。運行制御部(112)は、第1乗車要求および第2乗車要求の何れか一方を受け付けてから当該一方に応じた運行が完了するまでの期間に他方を受け付けた場合に、第1出発階、第1行先階、および第2出発階の相対的な位置関係に基づいて、利用者とロボット(6)とが乗り合わせることを回避可能なようにエレベータ(4)の運行を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、エレベータの運行を管理する技術に関する。
特許文献1には、利用者とロボットとが乗り合わせないようにエレベータの運行を制御するエレベータシステムが開示されている。当該エレベータシステムは、ロボットがエレベータのかごに乗り込む前に、かご内およびエレベータ乗降領域に人が検出されなかった場合、エレベータをロボット専用モードとする。
特開2009−234716号
特許文献1のエレベータシステムでは、ロボットがエレベータを呼んだ時点で既にエレベータを利用しようとしていた利用者については、そのまま利用可能である。一方、ロボットがエレベータを呼んだ時点から、ロボットがエレベータに乗り込み、目的階にて降りるまでの期間、利用者はそのエレベータを利用することができない。そのため、特許文献1の技術は、利用者とロボットとが同乗しないように運行するエレベータにおいて、利用者の利便性に改善の余地がある。
本発明の一態様は、ロボットと利用者とが同乗しないように運行するエレベータにおいて、利用者の利便性を向上させる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の態様1に係るエレベータ管理装置は、複数階床を有する建物に設けられたエレベータのかごの運行を管理するエレベータ管理装置であって、前記かごに第1出発階から第1行先階まで乗車することを要求するロボットからの第1乗車要求、および、第2出発階から前記かごに乗車することを要求する利用者からの第2乗車要求を受け付ける乗車要求受付部と、前記第1乗車要求および前記第2乗車要求に応じて前記エレベータの運行を制御する運行制御部と、を備え、前記運行制御部は、前記第1乗車要求および前記第2乗車要求の何れか一方を受け付けてから当該一方に応じた運行が完了するまでの期間に他方を受け付けた場合に、前記エレベータの運行経路における前記第1出発階、前記第1行先階、および前記第2出発階の相対的な位置関係に基づいて、前記利用者と前記ロボットとが前記かごに乗り合わせることを回避可能なように前記エレベータの運行を制御する。
上記の構成によれば、利用者およびロボットのいずれが先にエレベータを呼んだ場合であっても、利用者の第2出発階、ロボットの第1出発階、およびロボットの第1行先階の相対的な位置関係によっては、利用者はロボットと同乗せずに優先的にエレベータを利用できる可能性がある。これにより、利用者およびロボットを同乗させないエレベータの運行において、利用者の利便性をより向上させることができる。
本発明の態様2に係るエレベータ管理装置は、上記態様1において、前記第2乗車要求は、前記第2出発階からの運行方向を指定する情報を含み、前記乗車要求受付部は、前記利用者の行先階である第2行先階の登録をさらに受け付け、前記運行制御部は、前記エレベータの運行経路において、前記第1出発階から前記第1行先階に向かう方向と、前記第2乗車要求が示す運行方向とが同一であり、かつ、前記第2出発階から前記第2行先階までの区間に前記第1出発階が含まれる場合に、前記第2出発階において前記利用者を前記かごに乗車させて前記第2行先階までに前記かごを運行させる間に、前記第1出発階において前記ロボットを前記かごに乗車させなくてもよい。
上記の構成によれば、利用者およびロボットが要求した運行方向が同じであり、かつ、利用者の第2出発階から第2行先階までの間にロボットの第1出発階が含まれる場合には、乗車する前のロボットを当該ロボットの出発階で待機させ、利用者によるエレベータの利用が優先される。これにより、利用者の利便性をより向上させることができる。
本発明の態様3に係るエレベータ管理装置は、上記態様2において、前記運行制御部は、前記第1出発階において前記ロボットを前記かごに乗車させなかった場合、前記第2行先階において前記利用者が降車した後、前記第1乗車要求に応じた運行を開始してもよい。
上記の構成によれば、利用者によるエレベータの利用が終了した後、第1出発階で待機させたロボットにエレベータを利用させることができる。
本発明の態様4に係るエレベータ管理装置は、上記態様1から3の何れかにおいて、前記第2乗車要求は、前記第2出発階からの運行方向を指定する情報を含み、前記運行制御部は、前記エレベータの運行経路において、前記第1出発階から前記第1行先階に向かう方向と、前記第2乗車要求が示す運行方向とが同一であり、かつ、前記第1出発階から前記第1行先階までの区間に前記第2出発階が含まれる場合に、前記第1行先階を、前記第1出発階から前記第2出発階までの前記第1出発階を除く何れかの階に変更するとともに、前記第1出発階で乗車させた前記ロボットを変更後の第1行先階において降車させ、前記第2出発階において前記利用者を前記かごに乗車させてもよい。
上記の構成によれば、利用者およびロボットが要求した運行方向が同じであり、かつ、ロボットの第1出発階から第1行先階までの間に利用者の第2出発階が含まれる場合には、利用者がかごに乗車する前にロボットがかごから一時降車して、利用者によるエレベータの利用が優先される。これにより、利用者の利便性をより向上させることができる。
本発明の態様5に係るエレベータ管理装置は、上記態様4において、前記運行制御部は、前記変更後の第1行先階において前記ロボットを降車させた場合、前記第1乗車要求を取り消し、前記乗車要求受付部は、前記第1乗車要求を取り消した後、前記ロボットに前記第1乗車要求が取り消された旨を通知するとともに、前記変更後の第1行先階を新たな第1出発階として、前記変更前の第1行先階を新たな第1行先階として前記かごに乗車することを要求する前記ロボットからの新たな第1乗車要求を受け付けてもよい。
上記の構成によれば、ロボットは、変更後の第1行先階において降車した場合には、当初の乗車要求に替えて、降車した階を出発階とする乗車要求を行う。これにより、利用者が乗車する前にかごから降車したロボットに、利用者によるエレベータの利用が終了した後にエレベータを利用させることができる。
本発明の態様6に係るエレベータ管理装置は、上記態様1において、前記乗車要求受付部は、前記第1乗車要求と共に前記ロボットを優先することを示す優先情報を受け付け、前記運行制御部は、前記優先情報が受け付けられ、かつ、前記かご内に前記利用者が乗車していない場合に、前記かごに前記ロボットを前記第1出発階において乗車させてから前記第1行先階において降車させた後に、前記かごに前記利用者を前記第2出発階において乗車させてもよい。
上記の構成によれば、優先情報が受け付けられた場合には、利用者よりもロボットによるエレベータの利用を優先することができる。
本発明の態様7に係るエレベータ管理装置は、上記態様6において、前記優先情報は、前記ロボットが実行している作業の重要度が所定条件を満たすことを示す情報であってもよい。
上記の構成によれば、作業の重要度が所定条件を満たすロボットによるエレベータの利用を、利用者よりも優先することができる。
本発明の態様8に係るエレベータ管理システムは、上記態様1から7のいずれかに記載のエレベータ管理装置と、前記ロボットと、前記エレベータと、を含む。上記の構成によれば、上記態様1〜7と同様の効果を奏する。
上記の課題を解決するために、本発明の態様9に係るエレベータ管理装置の制御方法は、複数階床を有する建物に設けられたエレベータの運行を管理するエレベータ管理装置の制御方法であって、前記かごに第1出発階から第1行先階まで乗車することを要求するロボットからの第1乗車要求、および、第2出発階から前記かごに乗車することを要求する利用者からの第2乗車要求を受け付ける乗車要求受付ステップと、
前記第1乗車要求および前記第2乗車要求に応じて前記エレベータの運行を制御する運行制御ステップと、を備え、前記運行制御ステップにおいて、前記第1乗車要求および前記第2乗車要求の何れか一方を受け付けてから当該一方に応じた運行が完了するまでの期間に他方を受け付けた場合に、前記エレベータの運行経路における前記第1出発階、前記第1行先階、および前記第2出発階の相対的な位置に基づいて、前記利用者と前記ロボットとが前記かごに乗り合わせることを回避可能なように前記エレベータの運行を制御する。上記の構成によれば、上記態様1と同様の効果を奏する。
また、本発明の各態様に係るエレベータ管理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記エレベータ管理装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記エレベータ管理装置をコンピュータにて実現させる制御プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明の一態様によれば、ロボットと利用者とが同乗しないように運行するエレベータにおいて、利用者の利便性を向上させることができる。
本発明の実施形態1に係るエレベータ管理システムの構成の一例を示す図である。 エレベータ管理装置の構成の一例を示す図である。 エレベータ制御装置およびエレベータの構成の一例を示す図である。 ロボット制御装置の構成の一例を示す図である。 ロボットの構成の一例を示す図である。 エレベータ管理装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。 エレベータ管理装置が行う処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。 エレベータ管理装置がロボット優先でエレベータを運行するための処理の流れの一例を示すフローチャートである。 エレベータ管理装置が利用者優先でエレベータを運行するための処理の流れの一例を示すフローチャートである。 エレベータ管理装置が第2行先階の登録を受け付ける処理の流れの一例を示すフローチャートである。 エレベータ管理装置が利用者優先でエレベータを運行するための処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。 ロボット制御装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。 エレベータの運行パターンの具体例を説明するための図である。 エレベータの運行パターンの他の具体例を説明するための図である。 エレベータの運行パターンのさらに他の具体例を説明するための図である。 本発明の実施形態2に係るエレベータ管理システムの構成の一例を示す図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
(エレベータ管理システム100の概要)
エレベータ管理システム100は、複数階床を有する建物に設けられたエレベータ4を管理するシステムである。エレベータ4は、利用者およびロボット6による利用が想定されている。なお、利用者の人数は1人であってもよいし、複数人であってもよい。
ロボット6は、建物に配備される。ロボット6は、自動搬送装置、自走型掃除装置、およびその他の多機能ロボットなどであってもよい。ロボット6は、エレベータ4を利用することにより複数階床を跨いで移動することが可能である。
エレベータ管理システム100は、ロボット6からの第1乗車要求および利用者からの第2乗車要求の何れか一方を受け付けてから当該一方に応じた運行が完了するまでの期間に他方を受け付けた場合に、エレベータ4の運行経路におけるロボット6の第1出発階、ロボット6の第1行先階、および利用者の第2出発階の相対的な位置関係に基づいて、利用者およびロボット6がエレベータ4のかご41に乗り合わせることを回避可能なように、エレベータ4の運行を制御する。
ここで、第1乗車要求は、第1出発階から第1行先階までロボット6がエレベータ4のかご41に乗車することを要求する情報である。換言すると、第1乗車要求は、ロボット6による乗場呼び、およびかご呼びを示す。また、第1乗車要求に応じた運行とは、第1乗車要求を受け付けてから、エレベータ4のかご41を第1出発階まで移動させ、ロボット6を乗せたかご41を第1行先階まで移動させてロボット6を降車させるまでのエレベータ4の運行を示す。第1乗車要求に応じた運行は、ロボット6がかご41から降車することにより完了する。また、第1乗車要求に応じた運行が完了することにより、当該ロボット6によるエレベータ4の利用が終了する。
また、第2乗車要求は、第2出発階からエレベータ4のかご41に利用者が乗車することを要求する情報である。また、第2乗車要求は、第2出発階からの運行方向を指定する情報を含む。換言すると、第2乗車要求は、利用者による乗場呼びを示す。また、第2乗車要求に応じた運行とは、第2乗車要求を受け付けてから、エレベータ4のかご41を第2出発階まで移動させ、利用者を乗せたかご41を第2乗車要求が示す運行方向に向けて移動させ、利用者によって登録された第2行先階で利用者を降車させるまでのエレベータ4の運行を示す。第2乗車要求に応じた運行は、利用者がかご41から降車することにより完了する。また、第2乗車要求に応じた運行が完了することにより、当該利用者によるエレベータ4の利用が終了する。
以降、第1乗車要求および第2乗車要求を特に区別して説明する必要がない場合には、単に、乗車要求、とも記載する。
(エレベータ管理システム100の構成)
続いて、エレベータ管理システム100の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るエレベータ管理システム100の構成の一例を示す図である。なお、図1に示すエレベータ管理システム100は、エレベータ管理装置1が、ロボット制御装置5を介してロボット6を制御する構成である。図1に示すエレベータ管理システム100は、例えば、エレベータ管理システム100の導入前に、既に建物にロボット制御装置5およびロボット6が配備されている場合などに好適である。
エレベータ管理システム100は、エレベータ管理装置1、エレベータ制御装置3、エレベータ4、ロボット制御装置5、ロボット6、および乗場呼び装置9を含んでいる。
エレベータ管理装置1は、建物に設けられたエレベータ4の運転を管理する。エレベータ管理装置1の詳細については後に説明する。
エレベータ制御装置3は、エレベータ管理装置1による制御の基に、エレベータ4の運転を制御する。エレベータ制御装置3の詳細については後に説明する。
ロボット制御装置5は、建物内に配備されているロボット6の移動および動作などを制御する。ロボット制御装置5は、ロボット6から適宜、当該ロボット6の現在の位置を示す位置情報、および現在行っている作業に関する情報などを含む作業状況情報を受信する構成であってもよい。これにより、ロボット制御装置5は、ロボット6の位置情報と作業状況とを監視し、制御することができる。ロボット制御装置5は、ロボット6の位置情報、作業状況情報などをエレベータ管理装置1に送信してもよい。ロボット制御装置5の詳細については後に説明する。
乗場呼び装置9は、利用者による乗場呼びの操作を受け付ける。乗場呼び装置9の詳細については後に説明する。
(エレベータ管理装置1の構成)
エレベータ管理装置1の構成について、図2を用いて説明する。図2は、エレベータ管理装置1の構成の一例を示す図である。
エレベータ管理装置1は、エレベータ制御装置3、ロボット制御装置5、および乗場呼び装置9と通信可能に接続されているコンピュータであり、制御部11、記憶部12、および通信部13を備えている。
制御部11はCPUであり、エレベータ管理装置1が備える各機能を実現するようコンピュータの各部を制御する。制御部11は、乗車要求受付部111、および運行制御部112を含む。
記憶部12は、制御部11によって読み出される各種コンピュータプログラム、および、制御部11が実行する各種処理において利用されるデータなどが格納されている記憶装置である。
通信部13は、建物内に敷設された施設内ネットワークに接続するネットワークインタフェースである。施設内ネットワークは、例えば、無線または有線のLAN(Local Area Network)である。制御部11は、通信部13を介してエレベータ制御装置3、ロボット制御装置5、および乗場呼び装置9との間で通信を行う。
<乗車要求の受付機能>
乗車要求受付部111は、利用者およびロボット6からの乗車要求を受け付ける。乗車要求受付部111は、ロボット6が、ロボット制御装置5に対して第1乗車要求を示す信号を送信すると、ロボット制御装置5から、当該信号を受信する。第1乗車要求は、ロボット6が乗車したい階を第1出発階として特定する情報と、ロボットが降車したい階を第2行先階として特定する情報とを含む。
また、利用者が、後述の乗場呼び装置9に対する操作を行うと、乗車要求受付部111は、乗場呼び装置9から、第2乗車要求を受信する。第2乗車要求は、乗場呼びが行われた階を第2出発階として特定する情報と、第2出発階からの運行方向を指定する情報とを含む。
を含む。
また、乗車要求受付部111は、利用者の行先階である第2行先階の登録(かご呼び)をさらに受け付ける。第2行先階は、エレベータ4のかご41内に設置された後述する運転制御盤40に対する利用者の操作により登録される。乗車要求受付部111は、エレベータ制御装置3を介して、登録された第2行先階を示す情報を受信する。
また、乗車要求受付部111は、第1乗車要求と共に、ロボット6を優先することを示す優先情報を受け付ける。以降、ロボット6を優先することを示す優先情報を、ロボット優先希望とも記載する。つまり、ロボット6からの第1乗車要求を示す信号は、ロボット優先希望を示す信号とともに受信される場合と、ロボット優先希望を示す信号を伴わずに受信される場合とがある。ロボット優先希望は、例えば、ロボット6が実行している作業の重要度が所定条件を満たすことを示す情報であってもよい。
また、乗車要求受付部111は、後述する運行制御部112によって第1乗車要求が取り消された旨をロボット6に通知する。また、乗車要求受付部111は、当該通知に応答してロボット6から送信される新たな第1乗車要求を受け付ける。新たな第1乗車要求が示す第1出発階は、現在ロボット6が位置する階である。また、新たな第1乗車要求が示す第1行先階は、取り消し前の第1乗車要求が示す第1行先階である。なお、当該第1乗車要求が取り消された旨の通知および新たな第1乗車要求の受け付けは、ロボット制御装置5を介して行われる。
<運行制御機能>
運行制御部112は、利用者およびロボット6からの乗車要求に応じて、利用者およびロボット6がエレベータ4のかご41に乗り合わせることを回避可能なように、エレベータ4の運行を制御する。具体的には、運行制御部112は、少なくとも、(1)通常運行パターン、(2)利用者優先パターン1、(3)利用者優先パターン2、(4)ロボット優先パターンの何れかでエレベータ4の運行を制御する。ただし、運行制御部112により制御されるエレベータ4の運行パターンは、上述した(1)〜(4)に限らず、他のパターンを含んでいてもよい。運行制御部112は、エレベータ4の運行を制御するための各種指示を、エレベータ制御装置3に送信する。以下、各パターンの詳細について説明する。
≪通常運行パターン≫
通常運行パターンは、セレクティブコレクティブ(乗合全自動運転)方式によりエレベータ4の運転が制御されるパターンである。セレクティブコレクティブ方式は、エレベータ4のかご41の運転方向と同方向の乗場呼びおよびかご呼びに順次応答する運転方式である。具体的には、セレクティブコレクティブ方式では、運転方向の乗場呼びおよびかご呼びに順次応答してかご41が停止する。また、セレクティブコレクティブ方式では、運転方向の前方に呼びがなくなれば自動的に運転方向が反転される。また、セレクティブコレクティブ方式では、反転された方向の乗場呼びおよびかご呼びに順次応答してかご41が停止する。また、セレクティブコレクティブ方式では、何れの方向にも応答すべき呼びがなくなると、その場または特定の階でかご41が待機する。
運行制御部112は、利用者優先パターン1、利用者優先パターン2、およびロボット優先パターンのいずれでもない場合は、エレベータ4を通常運行パターンで運行する。
≪利用者優先パターン1≫
利用者優先パターン1は、ロボット6からの第1乗車要求に応じた運行を完了する前に、利用者からの第2乗車要求に応じた運行を完了させるパターンの1つである。
運行制御部112は、エレベータ4の運行経路において、第1出発階から第1行先階に向かう方向と、第2乗車要求が示す運行方向とが同一であり、かつ、第2出発階から第2行先階までの区間に第1出発階が含まれる場合に、利用者優先パターン1でエレベータ4を運行する。利用者優先パターン1では、運行制御部112は、第2出発階において利用者をかご41に乗車させて第2行先階までにかご41を運行させる間に、第1出発階においてロボット6をかごに乗車させない。換言すると、利用者優先パターン1では、運行制御部112は、利用者がエレベータ4のかご41に乗車中、ロボット6が存在する第1出発階でかご41を停止せずに通過させる。
また、運行制御部112は、第1出発階においてロボット6をかご41に乗車させなかった場合、当該利用者が第2行先階で降車した後、第1乗車要求に応じた運行を開始する。換言すると、運行制御部112は、利用者優先パターン1の間、ロボット6からの第1乗車要求を維持しておく。
≪利用者優先パターン2≫
利用者優先パターン2は、ロボット6からの第1乗車要求に応じた運行を完了する前に、利用者からの第2乗車要求に応じた運行を完了させるパターンの他の1つである。
運行制御部112は、エレベータ4の運行経路において、第1出発階から第1行先階に向かう方向と、第2乗車要求が示す運行方向とが同一であり、かつ、第1出発階から第1行先階までの区間に第2出発階が含まれる場合に、利用者優先パターン2でエレベータ4を運行する。利用者優先パターン2では、運行制御部112は、第1行先階を、第1出発階から第2出発階までの第1出発階を除く何れかの階に変更するとともに、第1出発階で乗車させたロボット6を変更後の第1行先階において降車させ、第2出発階において利用者をかご41に乗車させる。換言すると、利用者優先パターン2では、運行制御部112は、利用者がエレベータ4のかご41に乗車する前に、変更した第1行先階においてロボット6をかご41から降車させる。
また、運行制御部112は、変更後の第1行先階においてロボット6を降車させた場合、当該ロボット6からの第1乗車要求を取り消す。また、運行制御部112は、利用者が第2行先階で降車すると、第1乗車要求の取り消しに応じて新たに受け付けられた第1乗車要求に応じた運行を開始する。
≪ロボット優先パターン≫
ロボット優先パターンは、利用者からの第2乗車要求に応じた運行を開始する前に、ロボット6からの第1乗車要求に応じた運行を完了させるパターンである。
運行制御部112は、ロボット優先希望が受け付けられ、かつ、かご41内に利用者が乗車していない場合に、ロボット優先パターンでエレベータを運行する。ロボット優先パターンでは、運行制御部112は、かご41にロボット6を第1出発階において乗車させてから第1行先階において降車させた後に、かご41に利用者を第2出発階において乗車させる。
(エレベータ制御装置3およびエレベータ4の構成)
続いて、エレベータ制御装置3およびエレベータ4の構成について、図3を用いて説明する。図3は、エレベータ制御装置3およびエレベータ4の構成の一例を示す図である。
エレベータ4は、利用者またはロボット6を乗車させるかご41、かご41の昇降を制御する運転制御盤40、および、各階の乗場に設けられているドア42を備えている。
エレベータ制御装置3は、エレベータ4と通信可能に接続されているコンピュータである。エレベータ制御装置3は、エレベータ4の運転を制御する。エレベータ制御装置3は、制御部30を備えている。制御部30はCPUであり、制御部30は、エレベータ制御装置3が備える各機能の処理を実行するように制御する。
制御部30は、指示取得部31、運転状況管理部32、およびドア開閉制御部33を備えている。
指示取得部31は、エレベータ管理装置1からの各種指示を取得する。指示取得部31が取得する指示としては、停止階設定指示、行先階設定指示、停止階変更指示、行先階変更指示などが挙げられる。
運転状況管理部32は、エレベータ4のかご41の位置、運転状況、各階の乗場のドア42の開閉状況などを示す各情報を、運転制御盤40から取得する。また、運転状況管理部32は、利用者の運転制御盤40に対する操作(かご呼び)により登録される第2行先階を示す情報を取得する。
ドア開閉制御部33は、エレベータ管理装置1からの指示に応じて、指定された階の乗場のドア42の開閉を制御する。例えば、ドア開閉制御部33は、エレベータ4に対して、指定された階の乗場のエレベータ4のドア42を開状態で保持させたり、該開状態の保持を解除させたりすることが可能である。
(ロボット制御装置5の構成)
続いて、ロボット制御装置5の構成について、図4を用いて説明する。図4は、ロボット制御装置5の構成の一例を示す図である。
ロボット制御装置5は、エレベータ管理装置1、およびロボット6と通信可能に接続されているコンピュータであり、制御部51、記憶部52、および通信部53、54を備える。
制御部51はCPUであり、ロボット制御装置5が備える各機能の処理を実行するように制御する。制御部51は、移動管理部511、および情報収集部512を含む。
記憶部52は、制御部51によって読み出される各種コンピュータプログラム、および、制御部51が実行する各種処理において利用されるデータなどが格納されている記憶装置である。
通信部53は、無線ネットワークに接続するネットワークインタフェースである。無線ネットワークは、ロボット制御装置5およびロボット6間を接続する。制御部51は、通信部53を介してロボット6との間で通信を行う。
通信部54は、施設内ネットワークに接続するネットワークインタフェースである。施設内ネットワークは、上述したように、例えば、建物内に配備された無線または有線のLANである。制御部51は、通信部54を介してエレベータ管理装置1との間で通信を行う。
情報収集部512は、ロボット6から、第1乗車要求を示す信号を受信し、受信した信号をエレベータ管理装置1に送信する。また、情報収集部512は、第1乗車要求を示す信号を受信した時点を示す時間情報を、記憶部52に記憶する。なお、情報収集部512は、ロボット6から、第1乗車要求を示す信号とともにロボット優先希望を示す信号を受信した場合は、これらの信号をともにエレベータ管理装置1に送信する。
移動管理部511は、ロボット6に対して、指定された階でエレベータ4のかご41から降車する指示を送信する。この他、移動管理部511は、かご41に乗車する指示、新たな第1乗車要求を行う指示等、ロボット6に対してその移動を制御するための各種信号を送信する。
(ロボット6の構成)
続いて、ロボット6の構成について、図5を用いて説明する。ロボット6は、ロボット制御装置5と通信可能に接続されている自走機能を備える多機能装置である。ある場合において、ロボット6は、自律走行あるいは自立歩行が可能なロボットであってもよい。ロボット6は、制御部61、記憶部62、通信部63、および移動機構64を備える。
制御部61は、ロボット6が備える各機能の処理を実行するように制御する。
記憶部62は、制御部61によって読み出される各種コンピュータプログラム、および、制御部61が実行する各種処理において利用されるデータなどが格納されている記憶装置である。
通信部63は、無線ネットワークに接続するネットワークインタフェースである。無線ネットワークは、ロボット制御装置5およびロボット6間を接続する。制御部61は、通信部63を介してロボット制御装置5との間で通信を行う。
移動機構64は、ロボット6が移動するための駆動機構である。移動機構64は、車輪、キャタピラ、および歩行用の脚など任意の駆動機構であってもよい。
制御部61は、ロボット6の目的地として、現在位置する階と異なる階が設定された場合に、第1乗車要求を示す信号を、ロボット制御装置5に対して送信する。当該第1乗車要求を示す信号には、現在位置する階を第1出発階として特定する情報と、目的地が位置する階を第1行先階として指定する情報とが含まれる。
なお、制御部61は、第1乗車要求を示す信号とともに、ロボット優先希望を示す信号を送信してもよい。例えば、制御部61は、ロボット6が実行している作業の重要度が所定条件を満たす場合に、ロボット優先希望を示す信号をともに送信するようにしてもよい。
また、制御部61は、第1乗車要求を示す信号を送信後、エレベータ4を用いて目的地まで自装置を移動させる制御を行う。具体的には、制御部61は、移動機構64を制御して、当該階にあるエレベータ4の乗場に移動する。また、制御部61は、乗場で待機中に、エレベータ4のドア42が開いたことを検出すると、移動機構64を制御して、自装置をかご41に乗車させる。また、制御部61は、かご41に乗車中に、かご41が行先階に到着してドア42が開いたことを検出すると、移動機構64を制御して、かご41から自装置を降車させる。また、制御部61は、かご41から降車後、移動機構64を制御して、自装置を目的地まで移動させる。
また、制御部61は、ロボット制御装置5から、第1乗車要求が取り消されたことを示す通知を受信する。
また、制御部61は、第1乗車要求が取り消されたことを示す通知を受信した場合、現在ロボット6が位置する階を新たな第1出発階とし、取り消された第1乗車要求が示す第1行先階を新たな第1行先階とする新たな第1乗車要求を示す信号を、ロボット制御装置5に対して送信する。
また、制御部61は、エレベータ4のかご41に乗車中に、ロボット制御装置5から、エレベータ4の指定された階において降車する指示を示す情報を受信した場合、次のように動作するよう構成される。この場合、制御部61は、指定された階に到着してドア42が開くことを検出し、移動機構64を制御して自装置をかご41から降車させる。
(乗場呼び装置9の構成)
乗場呼び装置9は、エレベータ4の各階に設置され、利用者からの乗場呼びを示す操作を受け付ける装置である。例えば、乗場呼び装置9は、エレベータ4のドア42近傍に設置された1以上の操作ボタンを含んで構成される。各操作ボタンは、エレベータ4の運行経路における当該階からの運行方向に対応付けられている。例えば、エレベータ4が上下方向に運行する場合、最上階および最下階以外の各階に設置される乗場呼び装置9は、上方向に対応付けられた操作ボタンと、下方向に対応付けられた操作ボタンとを含む。また、最上階に設置される乗場呼び装置9は、下方向に対応付けられた操作ボタンを含む。また、最下階に設置される乗場呼び装置9は、上方向に対応付けられた操作ボタンを含む。乗場呼び装置9は、施設内ネットワークを介してエレベータ管理装置1と通信可能に接続される。乗場呼び装置9は、操作ボタンに対する操作を受け付けると、第2乗車要求を示す情報を、エレベータ管理装置1に対して送信する。当該情報には、当該操作が行われた階を示す情報と、操作された操作ボタンに対応付けられた運転方向を示す情報とが含まれる。
(エレベータ管理装置1が行う処理)
<処理の概要>
次に、本発明の実施形態1に係るエレベータ管理装置1が行う処理について、図6〜図10を用いて説明する。図6は、エレベータ管理装置1による処理の流れの一例を示す図である。
ステップS101において、運行制御部112は、ロボット制御装置5を介して、ロボット6からの第1乗車要求を受け付ける。
ステップS102において、運行制御部112は、ロボット6からの第1乗車要求に応じたエレベータ4の運行を開始する。具体的には、運行制御部112は、かご41を第1出発階に移動させる指示を、エレベータ制御装置3に送信する。
ステップS103において、運行制御部112は、乗場呼び装置9を介して、利用者からの第2乗車要求を受け付ける。ここでは、利用者からの第2乗車要求の受付は、ロボット6によるエレベータ4の利用が終了する前であるとする。すなわち、ロボット6がエレベータ4に乗車中または乗車待ち状態であることを意味する。
ステップS104において、運行制御部112は、第1出発階から第1行先階に向かう方向と、第2乗車要求が示す運行方向とが同一であるか否かを判断する。ステップS104でNoの場合、後述のステップS112の処理が実行される。
ステップS104でYesの場合、ステップS105において、運行制御部112は、ロボット優先希望を受け付けているか否かを判断する。
ステップS105でYesの場合、ステップS106において、運行制御部112は、上述したロボット優先パターンでエレベータ4の運行を制御する。本ステップの処理の詳細については後述する。
ステップS105でNoの場合、ステップS107において、運行制御部112は、第1出発階から第1行先階までの区間に第2出発階が含まれるか否かを判断する。
ステップS107でYesの場合、ステップS108において、運行制御部112は、上述した利用者優先パターン2でエレベータ4の運行を制御する。本ステップの処理の詳細については後述する。
ステップS107でNoの場合、ステップS109において、運行制御部112は、利用者から、第2行先階の登録を受け付ける処理を実行する。本ステップの処理の詳細については後述する。
ステップS110において、運行制御部112は、第2出発階から第2行先階までの区間に第1出発階が含まれるか否かを判断する。
ステップS110でYesの場合、ステップS111において、運行制御部112は、上述した利用者優先パターン1でエレベータ4の運行を制御する。本ステップの処理の詳細については後述する。
ステップS110でNoの場合、ステップS112において、運行制御部112は、上述した通常運行パターンでエレベータ4の運行を制御する。
図7は、エレベータ管理装置1による処理の流れの他の一例を示す図である。図7に示す処理の流れは、図6に示した処理の流れに対して、ロボット6からの第1乗車要求と、利用者からの第2乗車要求とを受け付ける順序が異なる。
ステップS101aにおいて、運行制御部112は、乗場呼び装置9を介して、利用者からの第2乗車要求を受け付ける。
ステップS102aにおいて、運行制御部112は、利用者からの第2乗車要求に応じたエレベータ4の運行を開始する。具体的には、運行制御部112は、かご41を第2出発階に移動させる指示を、エレベータ制御装置3に送信する。
ステップS103aにおいて、運行制御部112は、ロボット制御装置5を介して、ロボット6からの第1乗車要求を受け付ける。ここでは、ロボット6からの第1乗車要求の受付は、利用者によるエレベータ4の利用が終了する前であるとする。
ステップS104〜S112までの処理については、図6で説明した通りであるため、説明を繰り返さない。
なお、図6、7に示した処理の流れは、図示した順序に限られない。例えば、ステップS109における第2行先階の登録を受け付ける処理は、ステップS103またはステップS101aにおいて第2乗車要求を受け付けてから、ステップS110における判断までの間、任意のタイミングで実行されうる。
以上で、エレベータ管理装置1が行う処理の概要の説明を終了する。
<ロボット優先パターンにおける処理の詳細>
図8は、ステップS106におけるロボット優先パターンによる処理の詳細な一例を示す図である。
ステップS201において、運行制御部112は、利用者がかご41に乗車する前であるか否かを判断する。ステップS201でNoの場合、図6または図7のステップS112が実行され、通常運行パターンでエレベータ4の運行が制御される。すなわち、ロボット優先希望を受け付けている場合であっても、既に利用者がかご41に乗車している場合、エレベータ4は、ロボット優先パターンではなく通常運行パターンで運行される。
ステップS201においてYesの場合、ステップS202において、運行制御部112は、ロボット6が未だ乗車していなければ、かご41を第1出発階まで運転し、第1出発階で停止させてロボット6を乗車させる。ロボット6が既に乗車している場合、本ステップの処理は省略される。ロボット6が既に乗車しているケースとしては、例えば、図6のステップS102における第1乗車要求に応じた運行の開始により、ステップS103において第2乗車要求が受け付けられるまでの間に、既にロボット6がかご41に乗車している場合が考えられるが、これに限られない。
ステップS203において、運行制御部112は、かご41を第1行先階まで運転し、第1行先階で停止させてロボット6を乗車させる。
ステップS204において、運行制御部112は、第2乗車要求に応じた運行を開始する。
以上で、ロボット優先パターンにおける処理の詳細な説明を終了する。
<利用者優先パターン2における処理の詳細>
図9は、ステップS108における利用者優先パターン2による処理の詳細な一例を示す図である。
ステップS301において、運行制御部112は、かご41が利用者の第2出発階に到達する前であるか否かを判断する。ステップS301でNoの場合、図6または図7のステップS112が実行され、通常運行パターンでエレベータ4の運行が制御される。すなわち、(i)ロボット6および利用者が要求する運行方向が同一であり、かつ、(ii)第1出発階から第1行先階までの間に第2出発階が含まれる場合であっても、(iii)第1乗車要求および第2乗車要求のうち2つ目の乗車要求が受け付けられた時点で、既にかご41が利用者の第2出発階に到達している場合、利用者優先パターン2ではなく通常運行パターンで運行される。
ステップS301においてYesの場合、ステップS302において、運行制御部112は、ロボット6の第1行先階を、第1出発階から第2出発階までの第1出発階を除く何れかの階に変更する。
ステップS303において、運行制御部112は、ロボット6が未だ乗車していなければ、かご41を第1出発階まで運転し、第1出発階で停止させてロボット6を乗車させる。ロボット6が既に乗車している場合、本ステップの処理は省略される。ロボット6が既に乗車している例の詳細については、図8のステップS202で説明した通りである。
ステップS304において、運行制御部112は、かご41を第2出発階に向けて移動させる。また、運行制御部112は、第2出発階に到達する前に、かご41を変更後の第1行先階で停止させてロボット6を降車させる。
ステップS305において、乗車要求受付部111は、第1乗車要求の取り消しを、ロボット制御装置5を介してロボット6に通知する。
ステップS306において、運行制御部112は、かご41を第2出発階に向けて移動させ、第2出発階で停止させて利用者を乗車させる。
ステップS307において、乗車要求受付部111は、かご41に乗車中の利用者による第2行先階の登録を、エレベータ制御装置3を介して受け付ける。
ステップS308において、運行制御部112は、かご41を第2行先階に向けて移動させ、第2行先階で停止させて利用者を降車させる。
ステップS309において、乗車要求受付部111は、ロボット6からの新たな第1乗車要求を、ロボット制御装置5を介して受け付ける。
ステップS310において、運行制御部112は、新たな第1乗車要求に応じた運行を開始する。
なお、図9に示した処理の流れは、図示した順序に限られない。例えば、ステップS302における第1行先階の変更は、ステップS303におけるロボット6の乗車から、ステップS304におけるロボット6の降車までの間に、任意のタイミングで実行されてもよい。また、ステップS305における第1乗車要求の取り下げ通知は、ステップS302における第1行先階の変更からステップS309における新たな第1乗車要求の受け付けまでの間であれば、任意のタイミングで実行されてもよい。また、ステップS309における新たな第1乗車要求の受け付けは、ステップS305における第1乗車要求の取り下げ通知からステップS310における新たな第1乗車要求に応じた運行開始までの間であれば、任意のタイミングで実行されうる。
以上で、利用者優先パターン2における処理の詳細な説明を終了する。
<第2行先階の登録を受け付ける処理の詳細>
図10は、ステップS109における第2行先階の登録を受け付ける処理の詳細な一例を示す図である。
ステップS401において、運行制御部112は、ロボット6がかご41に乗車する前であるか否かを判断する。ステップS401でNoの場合、図6または図7のステップS112が実行され、通常運行パターンでエレベータ4の運行が制御される。
ステップS401においてYesの場合、ステップS402において、運行制御部112は、利用者が未だ乗車していなければ、かご41を第2出発階まで運転し、第2出発階で停止させて利用者を乗車させる。利用者が既に乗車している場合、本ステップの処理は省略される。利用者が既に乗車しているケースとしては、例えば、図7のステップS102aにおける第2乗車要求に応じた運行の開始により、ステップS103aにおいて第1乗車要求が受け付けられるまでの間に、既に利用者がかご41に乗車している場合が考えられるが、これに限られない。
ステップS403において、乗車要求受付部111は、かご41に乗車中の利用者による第2行先階の登録を、エレベータ制御装置3を介して受け付ける。
以上で、第2行先階の登録を受け付ける処理の詳細な説明を終了する。
<利用者優先パターン1における処理の詳細>
図11は、ステップS111における利用者優先パターン1による処理の詳細な一例を示す図である。
ステップS501において、運行制御部112は、利用者を乗せて第2出発階から第2行先階までかご41を移動する間、第1出発階を通過する。
ステップS502において、運行制御部112は、かご41を第2行先階で停止させて、利用者を降車させる。
ステップS503において、運行制御部112は、第1乗車要求に応じた運行を開始する。
以上で、利用者優先パターン1における処理の詳細な説明を終了する。
(ロボット制御装置5およびロボット6が行う処理)
図12は、ロボット制御装置5による処理の流れの一例を示す図である。
ステップS601において、ロボット制御装置5の移動管理部511は、エレベータ管理装置1から、ロボット6を一時降車させる指示を受けたか否かを判断する。当該指示には、一時降車させる階を特定する情報が含まれる。
ステップS601でNoの場合、ロボット制御装置5による処理は、終了する。
ステップS601でYesの場合、ステップS602において、移動管理部511は、ロボット6に対して、指定された階においてかご41から降車するよう、ロボット6に指示する。ロボット6は、指定された階に到着してドア42が開いたことを検出すると、かご41から降車する。
ステップS603において、移動管理部511は、エレベータ管理装置1から、第1乗車要求の取り消しの通知を受け付ける。
ステップS604において、移動管理部511は、新たな第1乗車要求を行うよう、ロボット6に指示する。これにより、ロボット6は、現在位置する階を新たな第1出発階とし、取り消された第1乗車要求と同じ第1行先階を新たな第1行先階とする新たな第1乗車要求を、ロボット制御装置5に送信する。ロボット制御装置5の移動管理部511は、ロボット6から受信した新たな第1乗車要求を、エレベータ管理装置1に送信する。
以上で、ロボット制御装置5およびロボット6による処理の説明を終了する。
(具体例)
図13〜図15を用いて、エレベータ管理システム100によるエレベータ4の運行パターンの具体例について説明する。なお、これらの具体例では、エレベータ4を同時期に利用するロボット6および利用者の数は、1ずつであるものとする。
<利用者優先パターン1の具体例>
図13は、利用者優先パターン1でエレベータ4が運行される具体例G1〜G4を模式的に示す図である。各具体例では、(イ)ロボット6による第1乗車要求および利用者による第2乗車要求の受け付け順序と、(ロ)第1出発階、第1行先階、第2出発階、および第2行先階の相対的な位置関係とのうち少なくとも一方が他と異なる。なお、どの具体例でも、ロボット6および利用者が要求する運転方向は同一である。
≪具体例G1≫
具体例G1では、(イ)利用者による第2乗車要求が受け付けられた後に、ロボット6による第1乗車要求が受け付けられている。また、(ロ)第2出発階、第1出発階、第1行先階、および第2行先階の各階は、エレベータ4の運行経路において下から上へこの順に並んでいる。つまり、第2出発階および第2行先階の間に、第1出発階が含まれている。
この場合、図7においてステップS104でYes、ステップS105でNo、ステップS107でNo、S110でYesとなるため、エレベータ4の運行パターンは、利用者優先パターン1となる。具体的には、利用者が、第2出発階でかご41に乗車して第2行先階まで移動するまでの間に、かご41は、ロボット6が待機する第1出発階を通過する。その後、利用者が第2出発階で降車した後に、かご41が第1出発階まで移動する。ロボット6は、第1出発階でかご41に乗車して第1行先階まで移動する。
≪具体例G2≫
具体例G2では、具体例G1と同様、(イ)利用者による第2乗車要求が受け付けられた後に、ロボット6による第1乗車要求が受け付けられている。また、具体例G1とは異なり、(ロ)第2出発階、第1出発階、第2行先階、および第1行先階の各階は、エレベータ4の運行経路において下から上へこの順に並んでいる。つまり、第2出発階および第2行先階の間に、第1出発階が含まれている。
この場合も、図7においてステップS104でYes、ステップS105でNo、ステップS107でNo、S110でYesとなるため、エレベータ4の運行パターンは、利用者優先パターン1となる。その詳細については、具体例1で説明した通りであるため、説明を繰り返さない。
≪具体例G3≫
具体例G3では、具体例G1と異なり、(イ)ロボット6による第1乗車要求が受け付けられた後に、利用者による第2乗車要求が受け付けられている。また、具体例G1と同様、(ロ)第2出発階、第1出発階、第1行先階、および第2行先階の各階は、エレベータ4の運行経路において下から上へこの順に並んでいる。つまり、第2出発階および第2行先階の間に、第1出発階が含まれている。
この場合、図6においてステップS104でYes、ステップS105でNo、S107でNo、S110でYesとなるため、エレベータ4の運行パターンは、利用者優先パターン1となる。その詳細については、具体例1で説明した通りであるため、説明を繰り返さない。
≪具体例G4≫
具体例G4では、具体例G3と同様、(イ)ロボット6による第1乗車要求が受け付けられた後に、利用者による第2乗車要求が受け付けられている。また、具体例G2と同様、(ロ)第2出発階、第1出発階、第2行先階、および第1行先階の各階は、エレベータ4の運行経路において下から上へこの順に並んでいる。つまり、第2出発階および第2行先階の間に、第1出発階が含まれている。
この場合も、図6においてステップS104でYes、ステップS105でNo、S107でNo、S110でYesとなるため、エレベータ4の運行パターンは、利用者優先パターン1となる。その詳細については、具体例1で説明した通りであるため、説明を繰り返さない。
<利用者優先パターン2の具体例>
図14は、利用者優先パターン2でエレベータ4が運行される具体例G5〜G9を模式的に示す図である。各具体例では、上述した(イ)、(ロ)の少なくとも一方が他と異なる。なお、どの具体例でも、ロボット6および利用者が要求する運転方向は、共に上方向で同一である。
≪具体例G5≫
具体例G5では、(イ)利用者による第2乗車要求が受け付けられた後に、ロボット6による第1乗車要求が受け付けられている。また、(ロ)第1出発階、第2出発階、第2行先階、および第1行先階の各階は、エレベータ4の運行経路において下から上へこの順に並んでいる。つまり、第1出発階および第1行先階の間に、第2出発階が含まれている。
この場合、図7においてステップS104でYes、ステップS105でNo、ステップS107でYesとなるため、エレベータ4の運行パターンは、利用者優先パターン2となる。具体的には、ロボット6は、第1出発階で一旦かご41に乗車するが、第1出発階から第2行先階までの第1出発階を除く何れかの階で降車する。また、当初の第1乗車要求は、取り消される。このため、ロボット6は、降車した階を新たな第1出発階として、当初の第1行先階を新たな第1行先階とする新たな第1乗車要求を行う。かご41は、ロボット6が降車した後、第2出発階まで移動する。そこで、利用者は、第2出発階でかご41に乗車して第2行先階まで移動する。利用者が第2出発階で降車した後に、かご41が第1出発階に移動し、ロボット6は、第1出発階でかご41に乗車して第1行先階まで移動する。
≪具体例G6≫
具体例G6では、具体例G5と同様、(イ)利用者による第2乗車要求が受け付けられた後に、ロボット6による第1乗車要求が受け付けられている。また、具体例G5とは異なり、(ロ)第1出発階、第2出発階、第1行先階、および第2行先階の各階は、エレベータ4の運行経路において下から上へこの順に並んでいる。つまり、第1出発階および第1行先階の間に、第2出発階が含まれている。
この場合も、図7においてステップS104でYes、ステップS105でNo、S107でYesとなるため、エレベータ4の運行パターンは、利用者優先パターン2となる。その詳細については、具体例5で説明した通りであるため、説明を繰り返さない。
≪具体例G7≫
具体例G7では、具体例G5と異なり、(イ)ロボット6による第1乗車要求が受け付けられた後に、利用者による第2乗車要求が受け付けられている。また、具体例G5と同様、(ロ)第1出発階、第2出発階、第2行先階、および第1行先階の各階は、エレベータ4の運行経路において下から上へこの順に並んでいる。つまり、第1出発階および第1行先階の間に、第2出発階が含まれている。
この場合、図6においてステップS104でYes、ステップS105でNo、S107でYesとなるため、エレベータ4の運行パターンは、利用者優先パターン2となる。その詳細については、具体例5で説明した通りであるため、説明を繰り返さない。
≪具体例G8≫
具体例G8では、具体例G7と同様、(イ)ロボット6による第1乗車要求が受け付けられた後に、利用者による第2乗車要求が受け付けられている。また、具体例G6と同様、(ロ)第1出発階、第2出発階、第1行先階、および第2行先階の各階は、エレベータ4の運行経路において下から上へこの順に並んでいる。つまり、第1出発階および第1行先階の間に、第2出発階が含まれている。
この場合も、図6においてステップS104でYes、ステップS105でNo、S107でYesとなるため、エレベータ4の運行パターンは、利用者優先パターン2となる。その詳細については、具体例5で説明した通りであるため、説明を繰り返さない。
<通常運行パターンの具体例>
図15は、通常運行パターンでエレベータ4が運行される具体例G9〜G12を模式的に示す図である。各具体例では、上述した(イ)、(ロ)の少なくとも一方が他と異なる。なお、どの具体例でも、ロボット6および利用者が要求する運転方向は同一である。
≪具体例G9≫
具体例G9では、(イ)利用者による第2乗車要求が受け付けられた後に、ロボット6による第1乗車要求が受け付けられている。また、(ロ)第2出発階、第2行先階、第1出発階、および第1行先階の各階は、エレベータ4の運行経路においてこの順に下から上へ並んでいる。
この場合、図7においてステップS104でYes、ステップS105でNo、ステップS107でNo、ステップS110でNoとなるため、エレベータ4の運行パターンは、通常運行パターンとなる。ここで、ロボット6による第1乗車要求が受け付けられた時点で、かご41が、第2出発階よりも下に位置しており、運行方向が上方向であったとする。この場合、エレベータ4は、前方における呼びに順次に応答する。すなわち、かご41は、第2出発階まで移動して利用者を乗車させ、上方向に第2行先階まで移動して利用者を降車させる。その後、かご41は、第1出発階まで移動して第1出発階でロボット6を乗車させ、さらに上方向に第1行先階まで移動してロボット6を降車させる。
≪具体例G10≫
具体例G10では、具体例G9と同様、(イ)利用者による第2乗車要求が受け付けられた後に、ロボット6による第1乗車要求が受け付けられている。また、具体例G5とは異なり、(ロ)第1出発階、第1行先階、第2出発階、および第2行先階の各階は、エレベータ4の運行経路において下から上へこの順に並んでいる。
この場合も、図7においてステップS104でYes、ステップS105でNo、ステップS107でNo、ステップS110でNoとなるため、エレベータ4の運行パターンは、通常運行パターンとなる。ここで、ロボット6による第1乗車要求が受け付けられた時点で、かご41が、第1出発階よりも下に位置しており、運行方向が上方向であったとする。この場合、エレベータ4は、前方における呼びに順次に応答する。すなわち、かご41は、第1出発階まで移動してロボット6を乗車させ、上方向に第1行先階まで移動してロボット6を降車させる。その後、かご41は、上方向に第2出発階まで移動して利用者を乗車させ、さらに上方向に第2行先階まで移動して利用者を降車させる。
≪具体例G11≫
具体例G11では、具体例G9と異なり、(イ)ロボット6による第1乗車要求が受け付けられた後に、利用者による第2乗車要求が受け付けられている。また、具体例G10と同様、(ロ)第1出発階、第1行先階、第2出発階、および第2行先階の各階は、エレベータ4の運行経路において下から上へこの順に並んでいる。
この場合、図6において、ステップS104でYes、ステップS105でNo、ステップS107でNo、ステップS110でNoとなるため、エレベータ4の運行パターンは、通常運行パターンとなる。ここで、利用者による第2乗車要求が受け付けられた時点で、かご41が、第1出発階よりも下に位置しており、運行方向が上方向であったとする。この場合、エレベータ4は、前方における呼びに順次に応答する。その詳細については、具体例G10で説明した通りであるため、説明を繰り返さない。
≪具体例G12≫
具体例G12では、具体例G11と同様、(イ)ロボット6による第1乗車要求が受け付けられた後に、利用者による第2乗車要求が受け付けられている。また、具体例G9と同様、(ロ)第2出発階、第2行先階、第1出発階、および第1行先階の各階は、エレベータ4の運行経路において下から上へこの順に並んでいる。
この場合、図6において、ステップS104でYes、ステップS105でNo、ステップS107でNo、ステップS110でNoとなるため、エレベータ4の運行パターンは、通常運行パターンとなる。ここで、利用者による第2乗車要求が受け付けられた時点で、かご41が、第2出発階よりも下に位置しており、運行方向が上方向であったとする。この場合、エレベータ4は、前方における呼びに順次に応答する。その詳細については、具体例G9で説明した通りであるため、説明を繰り返さない。
(本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態は、エレベータの運行経路において、ロボット6および利用者が要求する運行方向が同一であり、かつ、利用者の第2出発階から第2行先階までの区間にロボット6の第1出発階が含まれる場合には、利用者が第2出発階から第2行先階まで乗車している間、第1出発階を通過してロボット6をかご41に乗車させない。また、本実施形態は、エレベータの運行経路において、ロボット6および利用者が要求する運行方向が同一であり、かつ、ロボット6の第1出発階から第1行先階までの区間に利用者の第2出発階が含まれる場合には、利用者が第1行先階で乗車する前に、ロボット6をかご41から降車させる。これらの制御は、ロボット6の第1乗車要求および利用者の第2乗車要求のいずれが先行して受け付けられた場合であっても可能である。したがって、利用者による第2乗車要求がロボット6による第1乗車要求より後に受け付けられた場合であっても、利用者が優先される可能性が高まる。その結果、本実施形態は、ロボット6および利用者を同乗させないエレベータ4の運行において、利用者の利便性をより向上させることができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
(エレベータ管理システム100の構成)
エレベータ管理システム100において、ロボット制御装置5は必須の構成ではない。このことについて、図13を用いて説明する。図13は、本発明の別の実施形態に係るエレベータ管理システム100の構成の一例を示す図である。
図13に示すエレベータ管理システム100は、エレベータ管理装置1が、ロボット制御装置5を介さずに直接、ロボット6を制御する構成である。
エレベータ管理システム100は、エレベータ管理装置1、エレベータ制御装置3、エレベータ4、ロボット6、および乗場呼び装置9を含んでいる。
エレベータ管理装置1は、エレベータ制御装置3、ロボット6、および乗場呼び装置9と通信可能に接続されているコンピュータであり、制御部11、記憶部12、および通信部13を備えている。
エレベータ管理装置1は、建物に設けられたエレベータ4の運転を管理する。また、エレベータ管理装置1は、建物に配備されているロボット6の移動および動作などを制御する。
エレベータ管理装置1の制御部11は、乗車要求受付部111、および運行制御部112に加えて、図4に示す制御部51と同様の機能を備えるロボット制御部(図示せず)を備えている。
図13に示すエレベータ管理システム100は、例えば、エレベータ管理システム100の導入に合わせて、専用のロボット6を建物に配備させる場合などに好適である。
〔変形例1〕
上述した各実施形態において、建物に配備されたロボット6の数が1であるものとして説明した。これに限らず、各実施形態において、建物には、複数のロボット6が配備されていてもよい。この場合、ロボット制御装置5は、各ロボット6の移動および動作を制御する。ロボット制御装置5と各ロボット6との間の通信では、各ロボット6に付与された識別情報(id)が用いられる。また、エレベータ管理装置1は、ロボット6のidを指定して、各種処理を行う。例えば、ロボット6からの第1乗車要求を示す信号には、上述した情報に加えて、ロボット6のidが含まれる。また、例えば、ロボット6を一時降車させる指示、新たな第1乗車要求を行わせる指示は、ロボット6のidを指定して行われる。これにより、複数のロボット6が配備されている場合であっても、各実施形態は、上述と同様の効果を奏する。
〔変形例2〕
上述した各実施形態において、建物に設置されたエレベータ4の数が1であるものとして説明した。これに限らず、各実施形態において、建物には、複数号機のエレベータ4が設置されていてもよい。この場合、エレベータ制御装置3は、エレベータ4の号機ごとに設けられてもよい。この場合、運行制御部112は、(1)ロボット6からの第1乗車要求および利用者からの第2乗車要求の何れか一方を受け付けてから当該一方に応じた運行が完了するまでの期間に他方を受け付けた場合であって、かつ、(2)エレベータ4の全ての号機が乗車要求に応じて運行中である場合に動作する。すなわち、運行制御部112は、(1)(2)が満たされた場合に、当該ロボット6の第1出発階、当該ロボット6の第1行先階、および当該利用者の第2出発階の相対的な位置関係に基づいて、利用者およびロボット6がエレベータ4のかご41に乗り合わせることを回避可能なように、エレベータ4の運行を制御する。これにより、複数号機のエレベータ4を有する場合であっても、各実施形態は、上述と同様の効果を奏する。
〔変形例3〕
上述した各実施形態において、運行制御部112は、ロボット6を一時降車させた場合、ロボット6に、新たな第1乗車要求を行わせるとして説明した。これに限らず、運行制御部112は、ロボット6を一時降車させた場合に、ロボット6に新たな第1乗車要求を行わせなくてもよい。本変形例では、運行制御部112は、ロボット6に第1乗車要求の取り消しを通知するとともに、ロボット6を降車させた階を新たな第1出発階とし、取り消した第1乗車要求が示す第1行先階を新たな第1行先階とする新たな第1乗車要求を生成して記憶すればよい。これにより、エレベータ管理装置1と、ロボット制御装置5またはロボット6との間の通信量を減らすことができる。
〔変形例4〕
上述した各実施形態において、ロボット6は、第1乗車要求を示す信号とともにロボット優先希望を送信するものとして説明した。これに限らず、ロボット6から第1乗車要求を示す信号を受信したロボット制御装置5が、当該第1乗車要求を示す信号をロボット優先希望とともに、エレベータ管理装置1に送信してもよい。これにより、ロボット制御装置5が、ロボット6の利用を利用者より優先させるか否かを決定することができる。
〔変形例5〕
上述した各実施形態において、ロボット優先パターンでエレベータ4が運行されるのは、第1乗車要求とともにロボット優先希望を受け付けた場合である例について説明した。これに限らず、第1乗車要求を受け付けたときのロボット6の位置に応じて、ロボット優先パターンでエレベータ4が運行される場合があってもよい。例えば、エレベータ管理装置1の運行制御部112は、ロボット6の現在の位置と乗場との距離が閾値以下の場合、ロボット優先パターンでエレベータ4を運行してもよい。
また、第1乗車要求の受け付け後にロボット6が移動した移動距離に応じて、ロボット優先パターンでエレベータ4が運行される場合があってもよい。例えば、運行制御部112は、ロボット6の移動距離が閾値以上の場合、ロボット優先パターンでエレベータ4を運行してもよい。
この場合、ロボット制御装置5の情報収集部512は、ロボット6から、当該ロボット6の現在の位置を示す位置情報を収集する。また、情報収集部512は、収集した位置情報を、収集した時点を示す時間情報に関連付けて記憶部52に記憶する。例えば、ロボット6の位置情報は、所定間隔毎にロボット6から送信される。また、例えば、ロボット6の位置情報は、情報収集部512からの要求に応じて、ロボット6から送信される。
また、情報収集部512は、エレベータ管理装置1からの位置情報の要求に応じて、ロボット6に位置情報を要求し、エレベータ管理装置1に送信する。また、情報収集部512は、エレベータ管理装置1からの移動距離情報の要求に応じて、移動距離情報を算出し、エレベータ管理装置1に送信する。移動距離情報は、ロボット6から乗場呼びを示す信号を受信した時点から現在までに移動した距離を示し、記憶部52を参照することにより算出可能である。
〔ソフトウェアによる実現例〕
エレベータ管理装置1、エレベータ制御装置3、ロボット制御装置5、およびロボット6の制御ブロック(特に制御部11、30、51、61)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、エレベータ管理装置1、エレベータ制御装置3、ロボット制御装置5、およびロボット6は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
100 エレベータ管理システム
1 エレベータ管理装置
3 エレベータ制御装置
4 エレベータ
5 ロボット制御装置
6 ロボット
9 乗場呼び装置
11、30、51、61 制御部
12、52、62 記憶部
13、53、54、63 通信部
111 乗車要求受付部
112 運行制御部
511 移動管理部
512 情報収集部

Claims (9)

  1. 複数階床を有する建物に設けられたエレベータのかごの運行を管理するエレベータ管理装置であって、
    前記かごに第1出発階から第1行先階まで乗車することを要求するロボットからの第1乗車要求、および、第2出発階から前記かごに乗車することを要求する利用者からの第2乗車要求を受け付ける乗車要求受付部と、
    前記第1乗車要求および前記第2乗車要求に応じて前記エレベータの運行を制御する運行制御部と、を備え、
    前記運行制御部は、
    前記第1乗車要求および前記第2乗車要求の何れか一方を受け付けてから当該一方に応じた運行が完了するまでの期間に他方を受け付けた場合に、前記エレベータの運行経路における前記第1出発階、前記第1行先階、および前記第2出発階の相対的な位置関係に基づいて、前記利用者と前記ロボットとが前記かごに乗り合わせることを回避可能なように前記エレベータの運行を制御する、
    エレベータ管理装置。
  2. 前記第2乗車要求は、前記第2出発階からの運行方向を指定する情報を含み、
    前記乗車要求受付部は、前記利用者の行先階である第2行先階の登録をさらに受け付け、
    前記運行制御部は、
    前記エレベータの運行経路において、前記第1出発階から前記第1行先階に向かう方向と、前記第2乗車要求が示す運行方向とが同一であり、かつ、前記第2出発階から前記第2行先階までの区間に前記第1出発階が含まれる場合に、
    前記第2出発階において前記利用者を前記かごに乗車させて前記第2行先階までに前記かごを運行させる間に、前記第1出発階において前記ロボットを前記かごに乗車させない、
    請求項1に記載のエレベータ管理装置。
  3. 前記運行制御部は、前記第1出発階において前記ロボットを前記かごに乗車させなかった場合、前記第2行先階において前記利用者が降車した後、前記第1乗車要求に応じた運行を開始する、
    請求項2に記載のエレベータ管理装置。
  4. 前記第2乗車要求は、前記第2出発階からの運行方向を指定する情報を含み、
    前記運行制御部は、
    前記エレベータの運行経路において、前記第1出発階から前記第1行先階に向かう方向と、前記第2乗車要求が示す運行方向とが同一であり、かつ、前記第1出発階から前記第1行先階までの区間に前記第2出発階が含まれる場合に、
    前記第1行先階を、前記第1出発階から前記第2出発階までの前記第1出発階を除く何れかの階に変更するとともに、前記第1出発階で乗車させた前記ロボットを変更後の第1行先階において降車させ、前記第2出発階において前記利用者を前記かごに乗車させる、
    請求項1から3の何れか1項に記載のエレベータ管理装置。
  5. 前記運行制御部は、前記変更後の第1行先階において前記ロボットを降車させた場合、前記第1乗車要求を取り消し、
    前記乗車要求受付部は、前記第1乗車要求を取り消した後、前記ロボットに前記第1乗車要求が取り消された旨を通知するとともに、
    前記変更後の第1行先階を新たな第1出発階として、前記変更前の第1行先階を新たな第1行先階として前記かごに乗車することを要求する前記ロボットからの新たな第1乗車要求を受け付ける、
    請求項4に記載のエレベータ管理装置。
  6. 前記乗車要求受付部は、前記第1乗車要求と共に前記ロボットを優先することを示す優先情報を受け付け、
    前記運行制御部は、前記優先情報が受け付けられ、かつ、前記かご内に前記利用者が乗車していない場合に、前記かごに前記ロボットを前記第1出発階において乗車させてから前記第1行先階において降車させた後に、前記かごに前記利用者を前記第2出発階において乗車させる、
    請求項1に記載のエレベータ管理装置。
  7. 前記優先情報は、前記ロボットが実行している作業の重要度が所定条件を満たすことを示す情報である、請求項6に記載のエレベータ管理装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のエレベータ管理装置と、
    前記ロボットと、
    前記エレベータと、
    を含むエレベータ管理システム。
  9. 複数階床を有する建物に設けられたエレベータの運行を管理するエレベータ管理装置の制御方法であって、
    前記かごに第1出発階から第1行先階まで乗車することを要求するロボットからの第1乗車要求、および、第2出発階から前記かごに乗車することを要求する利用者からの第2乗車要求を受け付ける乗車要求受付ステップと、
    前記第1乗車要求および前記第2乗車要求に応じて前記エレベータの運行を制御する運行制御ステップと、を備え、
    前記運行制御ステップにおいて、
    前記第1乗車要求および前記第2乗車要求の何れか一方を受け付けてから当該一方に応じた運行が完了するまでの期間に他方を受け付けた場合に、前記エレベータの運行経路における前記第1出発階、前記第1行先階、および前記第2出発階の相対的な位置に基づいて、前記利用者と前記ロボットとが前記かごに乗り合わせることを回避可能なように前記エレベータの運行を制御する、
    エレベータ管理装置の制御方法。
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