JP2021059443A - 巻胴式エレベータの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】かご内負荷にかかわらずエレベータの定格速度を一律に速くすると、モータ、電力変換装置などの駆動能力が増加して、装置が大型化することを抑制する。【解決手段】電力変換装置500によりモータ11を回転して巻胴を駆動する巻胴式エレベータにおいて、制御装置100は、上昇オフ信号又は荷重オフ信号が入力されると、速度切換えオフ信号を発生すると共に、上昇オン信号及び荷重オン信号が入力されると、速度切換えオン信号を発生する速度切換え判断部220を備え、速度パターン生成部303は、速度切換えオフ信号に基づいてかごを定格速度により走行する第1の速度走行パターンを生成し、第1の速度走行パターンを成す第1の速度指令信号を発生し、速度切換えオン信号により定格速度よりも速くかごを走行する第2の速度走行パターンを生成し、この第2の速度走行パターンを成す第2の速度指令信号を発生する、ものである。【選択図】図2
Description
本発明は、巻胴式エレベータの制御装置に関し、特に、かごの最高速度を定格速度よりも速く上昇方向へ走行し得るものである。より詳しくは、かご内の荷重値を検出し、かご内の荷重値が低ければ低いほど、かごの最高速度を速くして上昇方向へ走行できるものである。
ホームエレベータでは、昇降路スペースを狭くする等のために、下記特許文献1に記載のように、釣合い重りが存在せず、かごをロープによりドラムに巻き取る巻胴式エレベータが一般に採用されている。このホームエレベータの制御装置は、エレベータの運転速度を変更するもので、基本の構成要素には、かごの昇降を駆動する駆動手段と、必要に応じて指定速度を切換える速度切換え手段と、この速度切換え手段の切換え操作に応じて駆動手段によるかごの速度を制御する速度制御手段とを備えたものが記載されている。
制御装置に設けられた速度切換手段の切換操作によりエレベータの運転速度を、必要に応じて定格速度より低い所定速度の間で切換えられるようになっている。これにより、特に深夜においては、エレベータの運転速度を定格速度より低い所定速度に切換え、静粛なエレベータ運転可能になるので、家族を始め近隣住宅への騒音による迷惑を軽減することができる。
しかしながら、上記特許文献1に記載のエレベータの制御装置では、切換え操作に基づいてエレベータの定格速度より低い所定速度により、かごを走行するので、輸送効率を阻害する。一方、輸送効率を上げるために、かご内負荷に拘らずエレベータの定格速度を一律に速くすると、モータ、電力変換装置などの駆動能力が増加して、装置が大型化する。
ここで、ホームエレベータ等に採用される巻胴式エレベータでは、下降方向では、かごがかご側の自重で下降するので、モータからの回生制動力を発生する回生運転となる。 これに対して、上昇方向の運転では、かご側の荷重を巻上機の巻胴に巻き取りしなければならない。したがって、巻胴式エレベータでは、上昇方向のかご内の定格負荷に基づいて上記駆動能力が決定される。このように決定された駆動能力を有効に活用するために、かごの下降方向よりも上昇方向が定格速度を遅く設定されているのが一般である。
このような状況下、発明者は、かごが上昇方向の定格速度による走行であっても、かご内の乗員の有無、数によっては上記駆動能力に余裕を有することがあり、かかる点において駆動能力を十分に活用しておらず、かご内の荷重値に基づいてかごの定格速度よりも速い走行により、より一層駆動能力を有効に活用すると共に、輸送効率の向上を図りうることを見出したものである。
ここで、ホームエレベータ等に採用される巻胴式エレベータでは、下降方向では、かごがかご側の自重で下降するので、モータからの回生制動力を発生する回生運転となる。 これに対して、上昇方向の運転では、かご側の荷重を巻上機の巻胴に巻き取りしなければならない。したがって、巻胴式エレベータでは、上昇方向のかご内の定格負荷に基づいて上記駆動能力が決定される。このように決定された駆動能力を有効に活用するために、かごの下降方向よりも上昇方向が定格速度を遅く設定されているのが一般である。
このような状況下、発明者は、かごが上昇方向の定格速度による走行であっても、かご内の乗員の有無、数によっては上記駆動能力に余裕を有することがあり、かかる点において駆動能力を十分に活用しておらず、かご内の荷重値に基づいてかごの定格速度よりも速い走行により、より一層駆動能力を有効に活用すると共に、輸送効率の向上を図りうることを見出したものである。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、モータ、電力変換装置などの駆動能力を上げることなく、エレベータの上昇方向の輸送効率を上げるために、かご内の負荷を検出して、かご側の荷重に応じて、エレベータの定格速度よりも速い走行速度を実現し得る巻胴式エレベータの制御装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明の他の目的は、上記駆動能力をより有効に活用しつつ、輸送効率のさらなる向上を図るために、かご内の荷重値を連続的に検出し、かご内の荷重値が低ければ低いほど、かごの最高速度を連続的に速くしながら上昇方向へ走行できるエレベータの制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明に係る巻胴式エレベータの制御装置は、かごに連結されたロープを巻胴に巻き取り、巻き戻して前記かごを上昇したり下降したりすると共に、速度パターン生成手段からの速度指令信号に基づいて可変電圧可変周波数手段によりモータを回転して前記巻胴を駆動する巻胴式エレベータにおいて、
前記かごが停止していて、前記かごが上昇しようとすると、上昇オン信号を発生すると共に、前記上昇オン信号が発生していない時は上昇オフ信号を発生する走行方向発生手段と、
前記かご内の荷重を検出して検出した荷重値に応じて荷重検出信号を発生する第1の荷重検出手段と、
前記荷重検出信号に基づく荷重検出値が予め定められた荷重閾値以下か否かを判断して、前記荷重閾値以下の場合に第1の荷重オン信号を発生すると共に、前記荷重閾値を越えると第1の荷重オフ信号を発生する荷重判断手段と、
前記上昇オフ信号又は前記第1の荷重オフ信号が入力されると、速度切換えオフ信号を発生すると共に、前記上昇オン信号及び前記第1の荷重オン信号が入力されると、速度切換えオン信号を発生する第1の速度切換え判断手段とを備え、
前記速度パターン生成手段は、前記速度切換えオフ信号に基づいて前記かごを定格速度により走行する第1の速度走行パターンを生成し、この第1の速度走行パターンを成す第1の速度指令信号を発生し、前記速度切換えオン信号により前記定格速度よりも速く前記かごを走行する第2の速度走行パターンを生成し、この第2の速度走行パターンを成す第2の速度指令信号を発生する、
ことを特徴とするものである。
前記かごが停止していて、前記かごが上昇しようとすると、上昇オン信号を発生すると共に、前記上昇オン信号が発生していない時は上昇オフ信号を発生する走行方向発生手段と、
前記かご内の荷重を検出して検出した荷重値に応じて荷重検出信号を発生する第1の荷重検出手段と、
前記荷重検出信号に基づく荷重検出値が予め定められた荷重閾値以下か否かを判断して、前記荷重閾値以下の場合に第1の荷重オン信号を発生すると共に、前記荷重閾値を越えると第1の荷重オフ信号を発生する荷重判断手段と、
前記上昇オフ信号又は前記第1の荷重オフ信号が入力されると、速度切換えオフ信号を発生すると共に、前記上昇オン信号及び前記第1の荷重オン信号が入力されると、速度切換えオン信号を発生する第1の速度切換え判断手段とを備え、
前記速度パターン生成手段は、前記速度切換えオフ信号に基づいて前記かごを定格速度により走行する第1の速度走行パターンを生成し、この第1の速度走行パターンを成す第1の速度指令信号を発生し、前記速度切換えオン信号により前記定格速度よりも速く前記かごを走行する第2の速度走行パターンを生成し、この第2の速度走行パターンを成す第2の速度指令信号を発生する、
ことを特徴とするものである。
このような巻胴式エレベータの制御装置によれば、走行方向発生手段はかごが停止している状態で上昇しようとすると、上昇オン信号を発生し、第1の荷重検出手段が検出した荷重値に応じて荷重検出信号を発生し、速度切換え判断手段は、上昇オフ信号又は第1の荷重オフ信号が入力されると、速度切換えオフ信号を発生すると共に、上昇オン信号及び第1の荷重オン信号が入力されると、速度切換えオン信号を発生する。速度パターン生成手段は、速度切換えオフ信号が入力されると、かごの定格速度により走行する第1の速度走行パターンを生成し、このパターンを成す第1の速度指令信号を発生し、速度切換えオン信号が入力されると、かごの定格速度よりも速くかごを走行するための第2の速度走行パターンを生成し、このパターンを成す第2の速度指令信号を発生する。
これにより、かご内の荷重値が荷重閾値よりも、高くなると第1の荷重オフ信号により上記第1の速度指令信号に基づいてかごを定格速度にて上昇方向へ走行する。一方、かご内の荷重値が荷重閾値よりも、低いと第1の荷重オン信号により上記第2の速度指令信号に基づいてかごを定格速度よりも速い最高速度にて上昇方向へ走行する。ここにいう最高速度は、予め定められた一つの値となる。したがって、上昇方向への一定走行の速度値は、定格速度値と最高速度値の二種類となり、階段的な速度上昇となる。
これにより、かご内の荷重値が荷重閾値よりも、高くなると第1の荷重オフ信号により上記第1の速度指令信号に基づいてかごを定格速度にて上昇方向へ走行する。一方、かご内の荷重値が荷重閾値よりも、低いと第1の荷重オン信号により上記第2の速度指令信号に基づいてかごを定格速度よりも速い最高速度にて上昇方向へ走行する。ここにいう最高速度は、予め定められた一つの値となる。したがって、上昇方向への一定走行の速度値は、定格速度値と最高速度値の二種類となり、階段的な速度上昇となる。
ここに、定格速度とは、かご内が定格負荷の状態で、かごが一定速度により走行する速度をいう。最高速度は、かごの定格速度よりも速くかごを走行させれば良く、かごが最高速度に達する加速度は問わない。但し、加速度を一定にすれば、速度生成パターンが簡易に形成できる。殊に、ホームエレベータのように定格速度が低い用途では加速度を上げても輸送効率向上の寄与度が低いので、加速度を一定にする利点がある。
また、上記最高速度値の上限は、特に定めていないが、第1の荷重オン信号から第1の荷重オフ信号の切換えとなる荷重閾値を低く設定すれば、するほど、かごの最高速度を上昇し得る。
また、上記最高速度値の上限は、特に定めていないが、第1の荷重オン信号から第1の荷重オフ信号の切換えとなる荷重閾値を低く設定すれば、するほど、かごの最高速度を上昇し得る。
これにより、モータ、電力変換装置などの駆動能力を上げることなく、エレベータの上昇方向の輸送効率を上げるために、かご内の負荷を検出して、かご側の荷重に基づいて、エレベータの定格速度よりも速い走行速度を実現できる。したがって、常に駆動能力を過不足ない範囲で、かごの最高速度を定格速度よりも速くできる。
第2の発明に係る巻胴式エレベータの制御装置における前記速度走行パターン生成手段は、さらに、前記荷重検出信号に基づいて前記定格速度よりも速く前記かごを走行する最高速度値を定める前記第2の速度走行パターンを生成する、
ことが好ましい。
これにより、速度パターン生成手段は、荷重検出信号に基づいてかごの定格速度よりも速くかごを走行する最高速度値を求めて第2の速度走行パターンを生成する。よって、第1の発明が定格速度と一つの最高速度値を有して階段的に最高速度を速くしているのに比較して、本発明は、荷重検出信号がかご内の荷重値を連続的に検出すると共に、かご内の荷重値に対して荷重検出信号が比例して増加する特性を有する場合には、かご内の荷重値が低くなるに従い、かごの最高速度値を連続的に速くすることにより上昇方向へ走行できる。モータ、電力変換装置などの定格容量の範囲で、かごが上昇方向へ走行する最高速度値をかご内の荷重値に応じて、連続的に速くできるので、上記定格容量を有効に使い切る点で、効率的である。
ことが好ましい。
これにより、速度パターン生成手段は、荷重検出信号に基づいてかごの定格速度よりも速くかごを走行する最高速度値を求めて第2の速度走行パターンを生成する。よって、第1の発明が定格速度と一つの最高速度値を有して階段的に最高速度を速くしているのに比較して、本発明は、荷重検出信号がかご内の荷重値を連続的に検出すると共に、かご内の荷重値に対して荷重検出信号が比例して増加する特性を有する場合には、かご内の荷重値が低くなるに従い、かごの最高速度値を連続的に速くすることにより上昇方向へ走行できる。モータ、電力変換装置などの定格容量の範囲で、かごが上昇方向へ走行する最高速度値をかご内の荷重値に応じて、連続的に速くできるので、上記定格容量を有効に使い切る点で、効率的である。
第3の発明に係る巻胴式エレベータの制御装置は、かごに連結されたロープを巻胴に巻き取り、巻き戻して前記かごを上昇したり下降したりすると共に、速度パターン生成手段からの速度指令信号に基づいて可変電圧可変周波数手段によりモータを回転して前記巻胴を駆動する巻胴式エレベータにおいて、
前記かごが停止していて、前記かごが上昇しようとすると、上昇オン信号を発生すると共に、前記上昇オン信号が発生していない時は上昇オフ信号を発生する走行方向発生手段と、
前記かご内の荷重値が予め定められた荷重閾値以下では、第2の荷重オン信号を発生し、前記荷重閾値を越えると、第2の荷重オフ信号を発生する第2の荷重検出手段と、
前記上昇オフ信号又は前記第2の荷重オフ信号が入力されると、速度切換えオフ信号を発生し、前記上昇オン信号及び前記第2の荷重オン信号が入力されると、速度切換えオン信号を発生する第2の速度切換え判断手段と、を備え、
前記第2のパターン生成手段は、前記速度切換えオフ信号に基づいて前記かごを定格速度により走行する第1の速度走行パターンを生成し、この第1の速度走行パターンを成す第1の速度指令信号を発生し、前記速度切換えオン信号により前記定格速度よりも速く前記かごを走行する第2の速度走行パターン信号を成し、この第2の速度走行パターンを成す第2の速度指令信号を発生する、
ことを特徴とするものである。
前記かごが停止していて、前記かごが上昇しようとすると、上昇オン信号を発生すると共に、前記上昇オン信号が発生していない時は上昇オフ信号を発生する走行方向発生手段と、
前記かご内の荷重値が予め定められた荷重閾値以下では、第2の荷重オン信号を発生し、前記荷重閾値を越えると、第2の荷重オフ信号を発生する第2の荷重検出手段と、
前記上昇オフ信号又は前記第2の荷重オフ信号が入力されると、速度切換えオフ信号を発生し、前記上昇オン信号及び前記第2の荷重オン信号が入力されると、速度切換えオン信号を発生する第2の速度切換え判断手段と、を備え、
前記第2のパターン生成手段は、前記速度切換えオフ信号に基づいて前記かごを定格速度により走行する第1の速度走行パターンを生成し、この第1の速度走行パターンを成す第1の速度指令信号を発生し、前記速度切換えオン信号により前記定格速度よりも速く前記かごを走行する第2の速度走行パターン信号を成し、この第2の速度走行パターンを成す第2の速度指令信号を発生する、
ことを特徴とするものである。
このような巻胴式エレベータの制御装置によれば、走行方向発生手段はかごが停止している状態で、上昇しようとすると、上昇オン信号を発生し、第2の荷重検出手段は、かご内の荷重値が予め定められた荷重閾値以下では、第2の荷重オン信号を発生し、荷重閾値を越えると、第2の荷重オフ信号を発生する。第2の速度パターン生成手段は、速度切換えオフ信号により第1の速度走行パターンを生成すると共に、速度切換えオン信号によりかごの定格速度よりも速くかごを走行する第2の速度走行パターンを生成する。可変電圧可変周波数手段は第1の速度走行パターンに基づいてモータを回転してかごを定格速度により走行し、第2の速度走行パターンに基づいてモータを回転してかごを最高速度により走行する。
これにより、請求項1の効果に加え、荷重検出手段がかご内の荷重値が予め定められた荷重閾値以下では、荷重オン信号を発生し、荷重閾値を越えると、荷重オフ信号を発生するので、請求項1の荷重検出手段と比較して簡易な構成となる。しかも、請求項1に記載の荷重判断手段が不要となる。
これにより、請求項1の効果に加え、荷重検出手段がかご内の荷重値が予め定められた荷重閾値以下では、荷重オン信号を発生し、荷重閾値を越えると、荷重オフ信号を発生するので、請求項1の荷重検出手段と比較して簡易な構成となる。しかも、請求項1に記載の荷重判断手段が不要となる。
第4の発明に係る巻胴式エレベータの制御装置は、オン信号又はオフ信号に基づいて最高速度抑制オン信号を発生する最高速度抑制手段と、
前記第1及び第2の速度切換え判断手段は、さらに、前記最高速度抑制オン信号に基づいて前記速度切換えオフ信号を発生する、ことが好ましい。
ここで、スイッチをオン(オフ)にしてオン信号(オフ信号)発生すると、最高速度抑制手段は、最高速度抑制オン信号を発生する。時計装置により、設定された時間帯で、オン信号又はオフ信号に基づいて最高速度抑制オン信号を発生するものを例示できる。さらに、外部システムからオン信号又はオフ信号に基づいて最高速度抑制オン信号を発生しても良い。ここに、外部システムとは、巻胴式エレベータ以外の電気機器を含めて全体で省エネルギーを図るエネルギーマネジメントシステムを例示できる。これにより、深夜の時間帯の騒音減少、省エネルギーなどで、かごを定格速度以上で運転することを利用者が望まない場合にも簡易に対応できる。
前記第1及び第2の速度切換え判断手段は、さらに、前記最高速度抑制オン信号に基づいて前記速度切換えオフ信号を発生する、ことが好ましい。
ここで、スイッチをオン(オフ)にしてオン信号(オフ信号)発生すると、最高速度抑制手段は、最高速度抑制オン信号を発生する。時計装置により、設定された時間帯で、オン信号又はオフ信号に基づいて最高速度抑制オン信号を発生するものを例示できる。さらに、外部システムからオン信号又はオフ信号に基づいて最高速度抑制オン信号を発生しても良い。ここに、外部システムとは、巻胴式エレベータ以外の電気機器を含めて全体で省エネルギーを図るエネルギーマネジメントシステムを例示できる。これにより、深夜の時間帯の騒音減少、省エネルギーなどで、かごを定格速度以上で運転することを利用者が望まない場合にも簡易に対応できる。
第5の発明に係る巻胴式エレベータの制御装置は、前記モータの回転に基づいて速度検出して速度検出信号を発生する速度検出手段と、
前記第2の速度走行パターンを成す前記第2の速度指令信号と前記速度検出信号との差となる速度偏差値を求める速度偏差手段と、
前記速度偏差値が予め定められた速度偏差閾値を越えると、最高速度制限信号を発生する最高速度制限手段と、を備え
前記第1又は第2の速度パターン生成手段は、前記最高速度制限信号の発生した時の現在の前記第2の速度指令信号に基づいて、前記かごを一定走行させる、
ことが好ましい。
前記第2の速度走行パターンを成す前記第2の速度指令信号と前記速度検出信号との差となる速度偏差値を求める速度偏差手段と、
前記速度偏差値が予め定められた速度偏差閾値を越えると、最高速度制限信号を発生する最高速度制限手段と、を備え
前記第1又は第2の速度パターン生成手段は、前記最高速度制限信号の発生した時の現在の前記第2の速度指令信号に基づいて、前記かごを一定走行させる、
ことが好ましい。
これにより、最高速度走行パターンにより、かごが加速している時に速度偏差値が速度偏差閾値を越えると、最高速度制限手段から最高速度制限信号を発生して、現在の速度指令信号によりモータを制御して、かごを制限された最高速度により一定速走行する。これにより、かごを加速することを止めて一定走行するので、第2の速度指令信号にモータの回転が追従しやすくなる。これにより、速度偏差も減少して、モータの速度制御系が適切にフィードバック制御を維持できるので、かごを安定走行できる。
上記最高速度制限手段は、かごの上昇走行において、速度検出信号が定格速度を越えるとオフからオンに切換る速度スイッチ手段のオンに基づいて動作するようにしても良い。かごが定格速度を越えて最高速度により走行する際の第2の速度指令信号に基づくモータの追従性の安全性を担保するためである。
上記最高速度制限手段は、かごの上昇走行において、速度検出信号が定格速度を越えるとオフからオンに切換る速度スイッチ手段のオンに基づいて動作するようにしても良い。かごが定格速度を越えて最高速度により走行する際の第2の速度指令信号に基づくモータの追従性の安全性を担保するためである。
第6の発明に係る巻胴式エレベータの制御装置は、前記かごが前記定格速度を越えて走行していることを判断して表示オン信号を発生すると共に、前記かごが前記定格速度を越えて走行していないと判断すると、表示オフ信号を発生する表示判断手段と、
前記表示オン信号に基づいて定格速度を越えてかごが走行していることを文字、図形、音声のいずれか一つで表現すると共に、前記表示オフ信号に基づいて前記表現を消滅する表示手段を、備えることが好ましい。
これにより、かごが定格速度を越えて走行していることを表示手段に表現することにより、エレベータの利用者が視覚などで確認でき、利便性が向上する。
前記表示オン信号に基づいて定格速度を越えてかごが走行していることを文字、図形、音声のいずれか一つで表現すると共に、前記表示オフ信号に基づいて前記表現を消滅する表示手段を、備えることが好ましい。
これにより、かごが定格速度を越えて走行していることを表示手段に表現することにより、エレベータの利用者が視覚などで確認でき、利便性が向上する。
本発明によれば、モータ、電力変換装置などの駆動能力を上げることなく、エレベータの上昇方向の輸送効率を上げるために、かご内の負荷を検出し、かご側の荷重に応じて、エレベータの定格速度よりも速い走行速度を実現し得る巻胴式エレベータの制御装置を提供することができる。
さらに、他の本発明によれば、上記駆動能力をより有効に活用しつつ、輸送効率のさらなる向上を図るために、かご内の荷重値を連続的に検出し、かご内の荷重値が低ければ低いほど、かごの最高速度が速く上昇方向へ走行することができる。
実施の形態1.
本発明の一実施の形態を図1から図3によって説明する。図1は、本発明の一実施の形態による巻胴式エレベータである。図1において、個人住宅などに施設される巻胴式エレベータ1は、3停止で、かご3の上端部にロープ5の一端部が連結固定され、昇降路の上部に設けられた吊り車7を介して、ロープ5の他端部が昇降路の下部に設けられた巻上機9の巻胴9dに連結固定されている。加えて、巻胴式エレベータ1は、巻胴9dの軸に回転軸が連結固定された三相交流のモータ11を有しており、巻上機9には、巻胴9dを拘束開放可能なブレーキ9bを設けている。
本発明の一実施の形態を図1から図3によって説明する。図1は、本発明の一実施の形態による巻胴式エレベータである。図1において、個人住宅などに施設される巻胴式エレベータ1は、3停止で、かご3の上端部にロープ5の一端部が連結固定され、昇降路の上部に設けられた吊り車7を介して、ロープ5の他端部が昇降路の下部に設けられた巻上機9の巻胴9dに連結固定されている。加えて、巻胴式エレベータ1は、巻胴9dの軸に回転軸が連結固定された三相交流のモータ11を有しており、巻上機9には、巻胴9dを拘束開放可能なブレーキ9bを設けている。
かご3内には、乗り込んだ乗員の荷重を検出して荷重値としての入力値に比例して出力値としての荷重検出信号が増加する入出力特性21aを備えた第1の荷重検出装置21が設けられており、行先階を指定すると共に、押されることによりかご呼び信号を発生するかご呼び釦23も設けられている。加えて、かご3内には、かご3が定格速度よりも速い最高速度で走行していることを表示したり、音声を発したりする音声発声機能付きの表示器400を有している。そして、乗り場の各階には、かご3を目的の乗場階に呼ぶ乗り場呼び釦31〜33が設けられており、乗り場呼び釦31〜33が押されると、乗り場呼び信号を発生するように形成されている。なお、乗り場呼び信号とかご呼び信号とを併せて呼び信号という。
図1において、巻胴式エレベータ1は、モータ11を駆動制御するエレベータの制御装置100を有している。制御装置100は、かご3を定格速度と、定格速度を越えた最高速度とを切換える速度切換えオン・オフ信号(速度切換え信号)を発生する速度切換え指令器200を有しており、モータ11を速度制御するモータ制御器300に速度切換え信号が入力される。そして、モータ制御器300からの速度指令信号に基づいて電力変換装置500から交流の可変電圧可変周波数を発生してモータ11を駆動制御している。加えて、モータ11の回転位置を検出して位置検出信号を発生するエンコーダ13が設けられており、位置検出信号と上記荷重検出信号とがモータ制御器300に入力されている。なお、速度切換え指令器200には、最高速度抑制信号、上昇信号、荷重信号が入力されている。
モータ制御器300は、速度切換え指令器200からの速度切換えオフ信号によって、定格速度によりかご3を走行する第1の速度走行パターンを生成し、この第1の速度走行パターンを成す第1の速度指令信号を発生すると共に、速度切換え指令器200からの切換えオン信号によって、定格速度よりも速くかご3を走行する第2の速度走行パターンを成し、この第2の速度走行パターンを成す第2の速度指令信号を発生するように形成されている。
図2おいて、制御装置100は、最高速度抑制部205からの最高速度抑制信号を速度切換え判断部220に入力し、速度切換え判断部220からの速度切換え信号をモータ制御器300に入力している。最高速度抑制部205は、抑制スイッチ205sがオフからオンにしてオン信号により最高速度抑制オン信号を発生して、この抑制オン信号をモータ制御器300に入力すると、かご3を定格速度により走行するように形成されている。
加えて、最高速度抑制信号部205は、暦により指定された日の時間帯を設定して、この時間帯にオン信号を発生する時計205tを有し、この時間帯に限り最高速度抑制オン信号を発生して、最高速度抑制部205に入力すると、この抑制オン信号をモータ制御器200に入力すると、上記同様に定格速度でかご3を走行できる。設定された時間帯が深夜であれば、巻胴式エレベータ1の駆動源等から発生する騒音を減少でき、静粛性を得ることができる。なお、設定された時間帯以外はオフ信号を発生している。
さらに、最高速度抑制部205は、外部システム205mからのオン信号に基づいて最高速度抑制オン信号を発生して、上記同様に定格速度でかご3を走行できる。ここで、外部システム205mとは、巻胴式エレベータ1以外の電気機器を含めたホーム全体で、省エネルギーを図るエネルギーマネジメントシステムを例示でき、具体的には、HEMSがある。上記に示すように最高速度抑制オン信号は、抑制スイッチ205s、時計205t、外部システム205mのいずれから発生したものでも、かご3が最高速度になることを抑制して定格速度でかご3を走行できる。ここで、最高速度抑制オン信号と、最高速度抑制オフ信号とを併せて、最高速度抑制信号という。なお、上記オン信号とオフ信号との論理は逆でも良く、逆にした場合は、オフ信号に基づいて最高速度抑制オン信号を発生することとなる。
最高速度抑制信号部205は、抑制スイッチ205s、時計205t、外部システム205mからすべてオフ信号が発生していると、最高速度抑制オフ信号を発生する。この最高速度抑制オフ信号がモータ制御器300に入力すると、最高速度制限部335からの最高速度制限信号がモータ制御器300に入力されていない限り、かご3が最高速度により走行するように形成されている。
速度切換え指令器200には、呼び信号とかご3の停止階と速度検出信号が入力される走行方向発生部207を有しており、荷重信号を発生する荷重判断部220とを有しており、走行方向発生部207は、かご3が停止していて、かご3が上昇しようとすると、上昇オン信号を発生すると共に、上昇オン信号を発生していない時に、上昇オフ信号を発生する。よって、上昇オフ信号は、かご3が走行していたり、かご3が停止していても、下降したりしようとする時などに発生する。ここで、かご3が停止していることは、エンコーダ13の位置検出信号に基づいて判断でき、かご3が上昇しようとすることは、呼び信号と、かご3の停止階とから判断できる。
荷重判断部209は、荷重検出信号に基づく荷重検出値が予め定められた荷重閾値以下か否かを判断して、荷重閾値以下の場合に第1の荷重オン信号を発生すると共に、荷重閾値を越えると第1の荷重オフ信号を発生するように形成されている。速度切換え判断部220は、上昇オン信号と、第1の荷重オン信号とが入力されると、速度切換えオン信号が発生すると共に、最高速度抑制オン信号、第1の荷重オフ信号、上昇オフ信号のいずれか一つの入力により速度切換えオフ信号を発生するように形成されている。なお、第1の荷重オン信号と第1の荷重オフ信号とを併せて、第1の荷重信号という。
モータ制御器300は、かご3の現在位置から目的階の位置まで走行するための位置指令信号を生成する位置指令部301を有しており、エンコーダ13からの位置検出信号と位置指令信号との差を求める位置減算器epにより位置偏差信号を得ている。速度パターン生成部303は、位置偏差信号の入力を受けて、モータ11の速度指令信号となる速度走行パターンを生成するもので、速度切換えオフ信号に基づいて図3(a)に示す時間対速度の定格速度曲線Vnでかご3を定格速度により走行させる第1の速度走行パターンとしての定格速度走行パターンを生成し、定格速度走行パターンを成す第1の速度指令信号を発生するように形成されている。
速度パターン生成部303は、速度切換えオン信号に基づいて定格速度よりも速くかご3を最高速度Vmで走行する図3(a)に示す時間対速度の最高速度走行曲線VLでかご3を走行させる第2の速度走行パターンとしての最高速度走行パターンを生成し、最高速度走行パターンを成す第2の速度指令信号を発生するように形成されている。ここで、最高速度値の範囲Vmは、荷重閾値以下となる第1の荷重オン信号が発生している状態で、荷重検出信号値が低いほど定格速度値Vnを越えて、最高速度により走行し、最高速度の最大速度値VLの範囲になっている。かご3内の荷重値が低くなるにつれて最高速度を速くするためで、一点鎖線に示すように多数の最高速度走行パターンを生成するものである。
制御装置100は、エンコーダ13の位置検出信号を微分器321により速度検出信号を得て、この速度検出信号と、速度パターン生成部303からの第1又は第2の速度指令信号との差を求める速度減算器evにより速度偏差信号を得ている。速度制御部305は、速度偏差信号の入力を受けて、電流指令信号(トルク指令信号)を生成するように形成されている。トルク制御部307は、モータ11に流れる電流を検出する電流検出器331からの電流検出信号と、電流指令信号との差を求める電流減算器eiにより電流偏差信号を入力していて、出力から発生したトルク指令信号により電力変換装置500を介してモータ11を駆動制御している。
最高速度制限部335は、かご3の上昇走行において、速度検出信号が定格速度を越えるとオフからオンに切換る定格速度スイッチ333のオンにより、速度偏差信号が入力され、速度偏差値が予め定めた速度偏差閾値を越えると、図3(b)に示すように、最高速度制限信号を速度パターン生成部303に入力する。これにより、速度パターン生成部303は、かご3を最高速度走行への加速をやめて、現在の速度指令信号に切換えて、現在の速度指令信号により制限された最高速度Vemとなる一定速度によりかご3を走行する最高速度制限パターンを生成し、最高速度制限パターンを成す速度指令信号を発生するように形成されている。
表示器400には、かご3が定格速度を越えて走行していることを判断して表示オン信号を発生すると共に、かご3が定格速度を越えて走行していないと判断すると、表示オフ信号を発生する表示判断部402を有しており、表示部404には、表示オン信号に基づいて定格速度を越えてかご5が走行していることを文字、図形で表示したり、音声を発したりすると共に、表示オフ信号に基づいて文字などの表現を消滅するものである。
上記のように構成された巻胴式エレベータの制御装置の動作を図1から図6によって説明する。図4から図6は図2による巻胴式エレベータの制御装置の動作を示すフローチャートである。
<かごが定格速度によりも速い最高速度により走行する場合の動作>
図4において、乗り場呼び釦31〜33又はかご呼び釦21が押されたか否かを呼び信号の発生により判断して(ステップS101)、押されたことを検出すると共に、停止階と目的階とが異なると、位置指令部301は、かご3が停止階から走行して到着する目的階までの位置(距離)を設定する(ステップS103)。これにより、位置指令部301は、設定された位置に基づいて位置指令信号を生成する。
<かごが定格速度によりも速い最高速度により走行する場合の動作>
図4において、乗り場呼び釦31〜33又はかご呼び釦21が押されたか否かを呼び信号の発生により判断して(ステップS101)、押されたことを検出すると共に、停止階と目的階とが異なると、位置指令部301は、かご3が停止階から走行して到着する目的階までの位置(距離)を設定する(ステップS103)。これにより、位置指令部301は、設定された位置に基づいて位置指令信号を生成する。
荷重判断部209は、荷重検出装置21からの荷重検出信号により予め定めた荷重閾値以下と判断すると荷重オン信号を発生し(ステップS105)、走行方向発生部207は、かご3が停止していて、かご3の目的階と現在階から上昇方向にかご3が走行しようとしている判断すると、上昇オン信号を発生する(ステップS107)。ここで、かご3の下降方向への走行は、上昇方向よりも走行速度が速く設定されているので、かご3を最高速度にする必要がないからである。
速度切換え指令器200は、最高速度抑制部205から最高速度抑制オン信号が入力されていないと判断すると(ステップS109)、荷重検出器21からの荷重検出信号が入力されている状態で、速度切換え判断部220からの速度切換えオン信号を速度パターン生成部303に入力する。速度パターン生成部303は、図3(a)に示すように荷重検出信号にり、かご3内の荷重値が低ければ低いほど、かご3の最高速度値を連続的に速くする最高速度走行パターンを生成する(ステップS111)。次に、制御装置100は、モータ11のブレーキ9bを開放する(ステップS115)。
次に、図5において、速度パターン生成部303から生成した最高速度走行パターンを成す第2の速度指令信号を発生して、この速度指令信号と速度検出信号との差を速度減算器esに求めた速度偏差信号を速度制御部305に入力すると、速度制御部305は電流指令信号を生成して、電流検出信号との差を電流減算器eiに求めた電流偏差信号をトルク制御部307に入力する。トルク制御部307は、電力変換装置500を介してモータ11を駆動制御してかご3を加速する(ステップS201)。最高速度制限部335は、速度偏差値が予め定められた速度偏差閾値を越えた否かを判断して越えなければ(ステップS203)、表示器400の表示判断部402は、かご3が定格速度を越えたか否かを速度検出信号によって判断する(ステップS207)。定格速度を越えると、表示器400の表示部404に、かご3が「最高速度」になっていることを文字で表示する(ステップS209)。速度制御部305は、速度指令信号から定められた最高速度にかご3が達するか否かを判断する(ステップS211)。
図6において、かご3が定められた最高速度に達すると、かご3を最高速度により一定速走行する(ステップS301)。やがて、かご3が減速位置に達すると(ステップS303)、速度制御部305は、かご3が目的階までの距離に合わせて減速し(ステップS305)、表示器400の表示判断部402は、速度検出信号からかご3が定格速度よりも低下したか否かを判断し(ステップS307)、定格速度よりも低下すると、表示部404に表示されていた「最高速度」の表示を消滅する(ステップS309)。やがて、かご3が目的階に到着すると(ステップS311)、制御装置100は、ブレーキ9bを拘束して巻上機9を制動してかご3を制止する(ステップS313)。
<かごを目標の最高速度により走行しようとしたが目標の最高速度より低い速度に切換える場合の動作>
図5のステップS203において、最高速度制限部335は、速度偏差値値が予め定めた速度偏差閾値を越えると、最高速度制限信号を速度パターン生成部303に入力する。これにより、速度パターン生成部303は、かご3を最高速度走行への加速をやめて、現在(今回)の速度指令信号に切換えて、現在の速度指令信号により一定速度となる制限された最高速度によりかご3を走行する(ステップS223)。何らかの原因により速度指令信号に実速度が追随できていなからである。そして、速度パターン生成部303は、最高速度から制限された最高速度で走行するため、図3(b)に示すように、新たに最高速度制限走行パターンを生成して(ステップS225)、速度制御部305は、この走行パターンに基づいて速度指令信号を発生しながらモータ11を駆動してかご3を制限された最高速度Vemにより一定走行する(ステップS227)。
図5のステップS203において、最高速度制限部335は、速度偏差値値が予め定めた速度偏差閾値を越えると、最高速度制限信号を速度パターン生成部303に入力する。これにより、速度パターン生成部303は、かご3を最高速度走行への加速をやめて、現在(今回)の速度指令信号に切換えて、現在の速度指令信号により一定速度となる制限された最高速度によりかご3を走行する(ステップS223)。何らかの原因により速度指令信号に実速度が追随できていなからである。そして、速度パターン生成部303は、最高速度から制限された最高速度で走行するため、図3(b)に示すように、新たに最高速度制限走行パターンを生成して(ステップS225)、速度制御部305は、この走行パターンに基づいて速度指令信号を発生しながらモータ11を駆動してかご3を制限された最高速度Vemにより一定走行する(ステップS227)。
<かごが定格速度により走行する場合の動作>
図4に示すように、ステップS105において、荷重検出装置21からの荷重検出信号により予め定めた荷重値(閾値)以下か判断して閾値を越えている場合は、かご3を定格速度にて走行する。モータ11などの駆動能力を越えることになるからである。また、上記ステップS107において、下降方向にかご3が走行しようとしていると判断した場合は、かご3を定格速度にて走行する。かご3の下降方向は、上昇方向の定格速度よりも速い定格速度により走行させているからである。上記ステップS109において、最高速度抑制部205から最高速度抑制オン信号が入力されると、かご3を定格速度にて走行する。最高速度抑制オン信号を優先してかご3を走行させるからである。
図4に示すように、ステップS105において、荷重検出装置21からの荷重検出信号により予め定めた荷重値(閾値)以下か判断して閾値を越えている場合は、かご3を定格速度にて走行する。モータ11などの駆動能力を越えることになるからである。また、上記ステップS107において、下降方向にかご3が走行しようとしていると判断した場合は、かご3を定格速度にて走行する。かご3の下降方向は、上昇方向の定格速度よりも速い定格速度により走行させているからである。上記ステップS109において、最高速度抑制部205から最高速度抑制オン信号が入力されると、かご3を定格速度にて走行する。最高速度抑制オン信号を優先してかご3を走行させるからである。
本実施の形態によれば、速度パターン生成部303は、荷重検出信号に基づいてかご3の定格速度よりも速い最高速度でかご3を走行するための第2の速度指令信号を生成する。よって、かご3内の荷重値が低ければ低いほど、かご3の最高速度値を連続的に速くすることができる。これにより、モータ11、電力変換装置500などの定格容量の範囲で、かご3の最高速度値をより速くできるので、効率的であると共に、輸送効率もより向上できる。
実施の形態2.
本発明の他の実施の形態を図7及び図8によって説明する。図7は、他の実施の形態による巻胴式エレベータの制御装置を示した表示器を省略したブロック図、図8は、図7による巻胴式エレベータの制御装置によるかごの定格速度、最高速度と時間との関係を示す走行曲線図である。図7中、図2と同一符号は同一部分を示し、説明を省略する。
図7において、かご3の下部には、かご3内の荷重値が予め定められた荷重閾値以下では、第2の荷重オン信号を発生し、荷重閾値を越えると、第2の荷重オフ信号を発生する第2の入出力特性521aを有する第2の荷重検出装置521を備えている。
第2の制御装置1100には、第2の速度切換え部1200を有し、第2の速度切換え判断部1220には、第2の荷重オン・オフ信号となる第2の荷重信号が入力されている。これにより、本実施の形態では、実施の形態1となる制御装置100の図2に示す荷重判断部209が省略されている。
本発明の他の実施の形態を図7及び図8によって説明する。図7は、他の実施の形態による巻胴式エレベータの制御装置を示した表示器を省略したブロック図、図8は、図7による巻胴式エレベータの制御装置によるかごの定格速度、最高速度と時間との関係を示す走行曲線図である。図7中、図2と同一符号は同一部分を示し、説明を省略する。
図7において、かご3の下部には、かご3内の荷重値が予め定められた荷重閾値以下では、第2の荷重オン信号を発生し、荷重閾値を越えると、第2の荷重オフ信号を発生する第2の入出力特性521aを有する第2の荷重検出装置521を備えている。
第2の制御装置1100には、第2の速度切換え部1200を有し、第2の速度切換え判断部1220には、第2の荷重オン・オフ信号となる第2の荷重信号が入力されている。これにより、本実施の形態では、実施の形態1となる制御装置100の図2に示す荷重判断部209が省略されている。
モータ制御器1300の速度パターン生成部1303は、本実施の形態では、図8に示すように、定格速度走行パターンと一つの最高走行速度値を有する最高速度走行パターンとを切換えて、この二種類の速度走行パターンを生成している。これに対して、実施の形態1では、図2及び図3(a)に示すように第1の速度パターン生成部303は、第1の荷重検出装置21からの荷重検出信号に基づいて予め定めた荷重閾値以下では、荷重検出信号に基づいて連続的にかご3の最高速度を速くしている。
これにより、かご3の荷重値を連続して検出する上記実施の形態1の第1の荷重検出装置21よりも、荷重閾値を境に第2の荷重オン信号、第2の荷重オフ信号のいずれかを発生する第2の荷重検出装置521が簡易な構成となる。これにより、実施の形態1の荷重判断部70が不要となる。従って、実施の形態1に比較して制御装置1100が簡易な構成となる。
本発明は、上記発明の実施の形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様も本発明に含まれる。例えば、図2において、荷重検出信号を速度パターン生成部303に入力しなくても良い。このようにすると、実施の形態2の速度パターン生成部1303と同様な構成となり、図8に示すように、速度パターン生成部1303は、荷重閾値を越えると、定格速度走行パターンを発生し、荷重閾値以下では、一つの最高速度値を有する最高速度走行パターンの二種類を生成することになる。よって、この変形例による速度パターン生成部1303では、実施の形態1の速度パターン生成部303よりも簡易な構成となる。
また、図2及び図7において、定格速度スイッチ333を省き、最高速度制限部335には、速度偏差信号を直接入力しても良い。この構成によれば、かご3の加速開始から最高速度制限部335は、速度偏差値が速度偏差閾値を越えると最高速度制限信号を発生するので、かご3が定格速度よりも遅くなることがある。この場合には、明らかに異常であるので、表示判断部402が速度検出信号に基づいてかご3が定格速度に達していないことを判断して、表示器400にその旨を表示することが好ましい。
1 巻胴式エレベータ、3 かご、5 ロープ、9 巻上機、9d 巻胴、11 モータ、13 エンコーダ、21 第1の荷重検出装置(第1の荷重検出手段)、100,1100,1100 エレベータの制御装置、200 第1の速度切換え指令器、205 最高速度抑制部(最高速度抑制手段)、207 走行方向発生部(走行方向発生手段)、209 荷重判断部(荷重判断手段)、220 第1の速度切換え判断部(第1の速度切換え判断手段)、303,1303 速度パターン生成部(速度パターン生成手段)、335 最高速度制限部(最高速度制限手段)、400 表示器、402 表示判断部(表示判断手段)、404 表示部(表示手段)、500 電力変換装置(可変電圧可変周波数手段)、521 第2の荷重検出装置(第2の荷重検出手段)、1200 第2の速度切換え指令器、1220 第2の速度切換え判断部(第2の速度切換え判断手段)。
Claims (6)
- かごに連結されたロープを巻胴に巻き取り、巻き戻して前記かごを上昇したり下降したりすると共に、速度パターン生成手段からの速度指令信号に基づいて可変電圧可変周波数手段によりモータを回転して前記巻胴を駆動する巻胴式エレベータにおいて、
前記かごが停止していて、前記かごが上昇しようとすると、上昇オン信号を発生すると共に、前記上昇オン信号が発生していない時は上昇オフ信号を発生する走行方向発生手段と、
前記かご内の荷重を検出して検出した荷重値に応じて荷重検出信号を発生する第1の荷重検出手段と、
前記荷重検出信号に基づく荷重検出値が予め定められた荷重閾値以下か否かを判断して、前記荷重閾値以下の場合に第1の荷重オン信号を発生すると共に、前記荷重閾値を越えると第1の荷重オフ信号を発生する荷重判断手段と、
前記上昇オフ信号又は前記第1の荷重オフ信号が入力されると、速度切換えオフ信号を発生すると共に、前記上昇オン信号及び前記第1の荷重オン信号が入力されると、速度切換えオン信号を発生する第1の速度切換え判断手段とを備え、
前記速度パターン生成手段は、前記速度切換えオフ信号に基づいて前記かごを定格速度により走行する第1の速度走行パターンを生成し、この第1の速度走行パターンを成す第1の速度指令信号を発生し、前記速度切換えオン信号により前記定格速度よりも速く前記かごを走行する第2の速度走行パターンを生成し、この第2の速度走行パターンを成す第2の速度指令信号を発生する、
ことを特徴とする巻胴式エレベータの制御装置。 - 前記速度パターン生成手段は、さらに、前記荷重検出信号に基づいて前記定格速度よりも速く前記かごを走行する最高速度値を定める前記第2の速度走行パターンを生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の巻胴式エレベータの制御装置。 - かごに連結されたロープを巻胴に巻き取り、巻き戻して前記かごを上昇したり下降したりすると共に、速度パターン生成手段からの速度指令信号に基づいて可変電圧可変周波数手段によりモータを回転して前記巻胴を駆動する巻胴式エレベータにおいて、
前記かごが停止していて、前記かごが上昇しようとすると、上昇オン信号を発生すると共に、前記上昇オン信号が発生していない時は上昇オフ信号を発生する走行方向発生手段と、
前記かご内の荷重値が予め定められた荷重閾値以下では、第2の荷重オン信号を発生し、前記荷重閾値を越えると、第2の荷重オフ信号を発生する第2の荷重検出手段と、
前記上昇オフ信号又は前記第2の荷重オフ信号が入力されると、速度切換えオフ信号を発生し、前記上昇オン信号及び前記第2の荷重オン信号が入力されると、速度切換えオン信号を発生する第2の速度切換え判断手段と、を備え、
前記パターン生成手段は、前記速度切換えオフ信号に基づいて前記かごを定格速度により走行する第1の速度走行パターンを生成し、この第1の速度走行パターンを成す第1の速度指令信号を発生し、前記速度切換えオン信号により前記定格速度よりも速く前記かごを走行する第2の速度走行パターンを生成し、この第2の速度走行パターンを成す第2の速度指令信号を発生する、
ことを特徴とする巻胴式エレベータの制御装置。 - オン信号又はオフ信号に基づいて最高速度抑制オン信号を発生する最高速度抑制手段と、
前記第1及び第2の速度切換え判断手段は、さらに、前記最高速度抑制オン信号に基づいて前記速度切換えオフ信号を発生する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の巻胴式エレベータの制御装置。 - 前記モータの回転に基づいて速度検出して速度検出信号を発生する速度検出手段と、
前記第2の速度走行パターンを成す前記第2の速度指令信号と前記速度検出信号との差となる速度偏差値を求める速度偏差手段と、
前記速度偏差値が予め定められた速度偏差閾値を越えると、最高速度制限信号を発生する最高速度制限手段と、を備え
前記速度パターン生成手段は、前記最高速度制限信号の発生した時の現在の前記第2の速度指令信号に基づいて、前記かごを一定走行させる、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の巻胴式エレベータの制御装置。 - 前記かごが前記定格速度を越えて走行していることを判断して表示オン信号を発生すると共に、前記かごが前記定格速度を越えて走行していないと判断すると、表示オフ信号を発生する表示判断手段と、
前記表示オン信号に基づいて定格速度を越えてかごが走行していることを文字、図形、音声のいずれか一つで表現すると共に、前記表示オフ信号に基づいて前記表現を消滅する表示手段を、
備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の巻胴式エレベータの制御装置。
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JP2019185707A JP2021059443A (ja) | 2019-10-09 | 2019-10-09 | 巻胴式エレベータの制御装置 |
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