JP2021046095A - 車外モニタ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】車外モニタ装置を改善する。【解決手段】車外モニタ装置１０は、車両１の後方中央を撮像する複数の撮像デバイス１１〜１３の撮像画像に基づく表示画像をそれぞれ表示する複数の表示デバイスとして、中央表示デバイス１４、左表示デバイス１６および右表示デバイス１５を有する。中央表示デバイス１４は、右表示デバイス１５と右表示デバイス１６との間において、右表示デバイス１５および右表示デバイス１６と視認距離に前後差をつけて設けられる。右表示画像と左表示画像との間に並べて視認可能な中央表示画像は、右表示画像および左表示画像と奥行き感を持たせて表示される。【選択図】 図５

Description

本発明は、車外モニタ装置に関する。

自動車などの車両では、従来から後方確認のために、車室に設けられるルームミラー、車体の側面に設けられるドアミラー、などが用いられている。
近年、車両では、これらのルームミラーなどのリアミラー、ドアミラーの替わりに、カメラが用いられるようになってきている。カメラで撮像した車両の後方の画像は、車室に設けられる表示デバイスに表示される。
このように従来のミラーをモニタ化することにより、移動体が視認し易くなるように画像の明るさを調整したり、後方の移動体のヘッドライトの光を弱めるように防眩処理をしたり、することができる。車外環境の影響を抑えて、視認性を向上できることが期待できる。
また、特許文献１のように、車両の後方を撮像した複数の撮像画像を１つの表示画像に合成し、この表示画像に車両の後方を全体的に表示することが考えられる。

特開平１０−２５７４８２号公報

しかしながら、特許文献１のように、車両の後方を撮像した複数の撮像画像を１つの表示画像に合成すると、乗員は、表示画像が平面的であるため、撮像されている後方の他の移動体についての、自車までの距離を把握し難い。
また、１つの表示画像に車両の後方の全体的な画像が表示されている場合、乗員は画像を視認しただけでは、移動体が自車の後方の中央にいるのか、左右にずれた位置にいるのかを判断し難い。
また、車両のドアミラーの位置やルームミラーの位置に互いに離れて設けられる複数の撮像デバイスによる複数の撮像画像を加工して、同一視野での１つの表示画像を生成するためには、単一視点での画像となるように各撮像画像の形状やサイズなどを変換した上で、それらをさらに位置合わせをして合成する必要がある。画像処理が複雑となり、撮像したら直ちに表示するリアルタイムの表示性能が低下する。しかも、生成される表示画像では、これらの複雑な加工処理および合成処理により、撮像されている移動体の像の輪郭や鮮明度が低下する可能性が高い。

このように車外モニタ装置では、改善することが求められる。

本発明に係る車外モニタ装置は、車両の後方中央を撮像する中央撮像デバイス、前記中央撮像デバイスの右側を撮像する右撮像デバイス、および前記中央撮像デバイスの左側を撮像する左撮像デバイス、を含む複数の撮像デバイスと、複数の前記撮像デバイスから撮像画像を取得して、それぞれの撮像画像に基づく表示画像を出力する制御部と、前記車両の車室において乗員により並んで視認可能に設けられ、前記制御部から出力される複数の前記表示画像それぞれを表示する複数の表示デバイスと、を有し、並んで視認可能な複数の前記表示デバイスは、前記前記中央撮像デバイスの中央撮像画像に基づく中央表示画像を表示する中央表示デバイスと、前記中央表示デバイスの左側に設けられ、前記左撮像デバイスの左撮像画像に基づく左表示画像を表示する左表示デバイスと、前記中央表示デバイスの右側に設けられ、前記前記右撮像デバイスの右撮像画像に基づく右表示画像を表示する右表示デバイスと、を含み、前記中央表示デバイスは、前記右表示デバイスと前記右表示デバイスとの間において、前記右表示デバイスおよび前記右表示デバイスと視認距離の前後差を設けられ、前記右表示画像と前記左表示画像との間に並べて視認可能な前記中央表示画像は、前記右表示画像および前記左表示画像と奥行き感を持たせて表示される。

好適には、前記左表示デバイス、および前記右表示デバイスは、前記中央表示デバイスの側の側面が、前記車両の車体の左右両側の側面それぞれの輪郭形状を模した外形形状を有し、前記中央表示デバイスは、前記左表示デバイスおよび前記右表示デバイスによる前記外形形状に挟まれた状態で、前記車両の後方中央の前記中央表示画像を表示し、前記左表示デバイス、および前記右表示デバイスは、前記外形形状の外側において、前記車両の後方左右両側の前記右表示画像および前記左表示画像を表示する、とよい。

好適には、前記左表示デバイス、および前記右表示デバイスは、前記中央表示デバイスに対して左右両側から重なるように設けられ、前記中央表示デバイスの左右両縁部は、中央部を残すようにして、前記右表示デバイスまたは前記左表示デバイスにより視認てきないように覆われる、とよい。

好適には、前記中央表示デバイス、前記左表示デバイス、および前記右表示デバイスは、前記車両の車室に設けられる共通パネルに覆われて設けられ、前記共通パネルは、前記中央表示デバイスに対応する中央開口部、前記左表示デバイスに対応する左開口部、および前記右表示デバイスに対応する右開口部、を有し、前記中央開口部と前記左開口部との間の部分が、前記車両の車体の左側面の輪郭形状に倣った曲面形状に形成され、前記中央開口部と前記右開口部との間の部分が、前記車両の車体の右側面の輪郭形状に倣った曲面形状に形成される、とよい。

好適には、前記左表示デバイスの表示面、および前記右表示デバイスの表示面は、前記中央表示デバイスの側の側面が、前記車両の車体の左右両側の側面それぞれの輪郭形状を模した形状を有する、とよい。

好適には、前記中央表示デバイスと、前記左表示デバイスまたは前記右表示デバイスとの間は、前記車両についてのドアミラーの設置部位から視認され得る車体後部の形状を模した外形形状に形成される、とよい。

好適には、前記中央表示デバイスと、前記左表示デバイスまたは前記右表示デバイスとの間は、前記車両から後方を視認した場合において視認される車体後部の形状を模した外形形状に形成される、とよい。

好適には、前記車両の後方右側を撮像する前記撮像デバイス、および前記車両の後方左側を撮像する前記撮像デバイスは、前記車両の車体についての運転席より後側に設けられる、とよい。

好適には、前記中央表示デバイスは、乗員が着座するために前記車両の車室に設けられるシートの位置を基準として、前記右表示デバイスおよび前記右表示デバイスより乗員から離れる奥側の位置に設けられる、とよい。

本発明では、制御部から出力される複数の撮像デバイスそれぞれの撮像画像に基づく表示画像を表示する複数の表示デバイスは、車両の車室において乗員により並んで視認可能に設けられる。そして、中央表示デバイスは、右表示デバイスと右表示デバイスとの間において、右表示デバイスおよび右表示デバイスと視認距離の前後差を設けて設けられる。このような表示の仕方とすることより、右表示画像と左表示画像との間に並べて視認可能な中央表示画像は、右表示画像および左表示画像と、視認距離の前後差をつけて設けられ、奥行き感を持たせて表示することができる。これら複数の画像は、たとえば単一の画像に加工をされている場合のように、全体が平面的に表示されなくなる。車外モニタ装置は、右表示画像と左表示画像と中央表示画像とを、それぞれ個別の画像として表示しつつ、それらの間に前後差による奥行き感を持たせて表示することができる。乗員は、並んで表示されるこれら複数の画像それぞれが、後方のどの方向の視野についての画像であるのかを、表示の遠近感に基づいて直感的に認識して、それぞれの画像を確認することができる。
しかも、制御部は、複数の撮像デバイスから撮像画像を取得すると、それぞれの撮像画像に基づく表示画像を出力する。各表示デバイスには、それぞれが対応する撮像デバイスの画像に基づく画像を表示する。したがって、リアルタイムでの高い表示性能が得られる。しかも、たとえば複数の撮像画像に撮像される後方の他の移動体は、複数の表示画像にほぼそのままの状態で表示され得る。表示された移動体の像は、撮像での品質を略維持できる。また、乗員は、たとえば、複数の表示画像の双方に同一の後方の移動体が撮像されている場合と、一方のみに撮像されている場合との表示状況の違いにより、後方の移動体についての自車からの方向を容易に把握できる。乗員は、並べて表示される複数の表示画像から、従来のドアミラーとルームミラーとの組み合わせの場合と同等の情報を得ることができる。

図１は、本発明の実施形態に係る車外モニタ装置を有する自動車の一例の走行状況の説明図である。 図２は、図１の自動車に設けられる車外モニタ装置の説明図である。 図３は、図２の複数の表示デバイスについての車室での配置の説明図である。 図４は、本発明の第一実施形態での、重ねて配置される複数の表示デバイスの説明図である。 図５は、図４の複数の表示デバイスについての前後配置と、乗員の視認状態との説明図である。 図６は、本発明の第二実施形態での、重ねて配置される複数の表示デバイスの説明図である。 図７は、図１の自動車の背面図である。 図８は、本発明の第二実施形態の変形例に係る、重ねて配置される複数の表示デバイスの説明図である。 図９は、本発明の第三実施形態での、重ねて配置される複数の表示デバイスおよび共通パネルの説明図である。

以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。

［第一実施形態］
図１は、本発明の実施形態に係る車外モニタ装置１０を有する自動車１の一例の走行状況の説明図である。
図１には、直線状の三車線の車道の中央の車線を走行する自動車１が示されている。自動車１の後方には、同一車線を走行する他の自動車９と、右側の車線を走行する他の自動車９と、左側の車線を走行する他の自動車９と、がいる。
図１の自動車１は、車体２を有する。車体２の中央部分には、ドライバなどの乗員が乗る車室３が形成される。

図２は、図１の自動車１に設けられる車外モニタ装置１０の説明図である。
図２の車外モニタ装置１０は、センタリアカメラ１１、右リアカメラ１２、左リアカメラ１３、センタモニタ１４、右モニタ１５、左モニタ１６、メモリ１７、および、これらが接続されるモニタＥＣＵ１８、を有する。なお、右リアカメラ１２、左リアカメラ１３、センタリアカメラ１１、センタモニタ１４、右モニタ１５、および左モニタ１６の少なくとも一部は、自動車１の車載ネットワークを通じてモニタＥＣＵ１８と接続されてよい。

右リアカメラ１２、左リアカメラ１３、およびセンタリアカメラ１１は、自動車１の後方を左右方向で分けて撮像する複数の撮像デバイスである。
右リアカメラ１２、および左リアカメラ１３は、たとえば図１に示すように従来の自動車１における車体２の左右側面の、たとえば左右のドアミラーの位置に設けられる。右リアカメラ１２および左リアカメラ１３は、自動車１の斜後方向へ向けて設置される。これにより、右リアカメラ１２は、車体２の右側面から略右横方向までの車体２の右後方向の範囲を撮像することができる。左リアカメラ１３は、車体２の左側面から略左横方向までの車体２の左後方向の範囲を撮像することができる。
センタリアカメラ１１は、たとえば図１に示すように自動車１の車室３の後部中央に設けられる。センタリアカメラ１１は、たとえば車体２のルーフの直下に設けられてよい。センタリアカメラ１１は、車体２の真後方向へ向けて設置される。これにより、センタリアカメラ１１は、車体２の真後方向を中央として、車体２の斜後方向を含む後方の範囲を撮像することができる。センタリアカメラ１１の撮像範囲は、右リアカメラ１２の撮像範囲および左リアカメラ１３の撮像範囲と重なってよい。

メモリ１７は、モニタＥＣＵ１８が制御に用いるデータおよびプログラムを記録する。

モニタＥＣＵ１８は、メモリ１７に記録されているプログラムを読み込んで実行する。これにより、モニタＥＣＵ１８は、車外モニタ装置１０の制御部として機能する。
モニタＥＣＵ１８は、右リアカメラ１２による右撮像画像と、左リアカメラ１３による左撮像画像と、センタリアカメラ１１による中央撮像画像とを取得する。
モニタＥＣＵ１８は、取得したこれら複数の撮像画像から、中央表示画像、右表示画像、左表示画像を生成する。モニタＥＣＵ１８は、撮像画像から所定の切り出し範囲の部分画像を切り出し、それを表示画像とすればよい。
モニタＥＣＵ１８は、生成した中央表示画像、右表示画像、左表示画像を、それぞれセンタモニタ１４、右モニタ１５、および左モニタ１６へ出力する。
モニタＥＣＵ１８は、複数の撮像デバイスから撮像画像を取得して、それぞれの撮像画像に基づく表示画像を基本的にそのまま出力してよい。

センタモニタ１４、右モニタ１５、および左モニタ１６は、複数の撮像デバイスにより撮像された画像に基づく表示画像をそれぞれ表示する複数の表示デバイスである。

図３は、図２の複数の表示デバイスについての車室３での基本的な配置の説明図である。
図３には、自動車１の車室３の前方内部が示されている。車室３の前方内部には、フロントガラス４の下側にダッシュボード５が設けられる。
センタモニタ１４、右モニタ１５、および左モニタ１６は、それぞれダッシュボード５に埋め込んで固定的に設けられる液晶パネルでよい。液晶パネルは、基本的に略四角形の板形状を有し、その一面に表示面が形成される。表示面は、表示画像を表示するための単一平面の略四角形の画面である。
センタモニタ１４の右側に、右モニタ１５が設けられる。センタモニタ１４の左側に、左モニタ１６が設けられる。センタモニタ１４、右モニタ１５、および左モニタ１６は、たとえば乗員のサイズなどに応じてその全体的な位置を微調整可能に、ダッシュボード５に設けられてよい。
これにより、車室３の乗員は、自動車１の前方をフロントガラス４越しに確認しながら、その下側に並んで配置される複数のモニタの表示画像により自動車１の後方を視認することができる。

ところで、車室３にセンタモニタ１４、右モニタ１５、および左モニタ１６を設け、これらにセンタリアカメラ１１、右リアカメラ１２、および左リアカメラ１３により撮像された画像に基づく表示画像を表示する場合、表示画像において移動体が視認し易くなるように画像の明るさを調整したり、表示画像において後方の移動体のヘッドライトの光を弱めるように防眩処理をしたり、することができる。このようなモニタ化により、従来のルームミラーなどのリアミラーやドアミラーと比べて、画像が視認し易くなる。車外環境の影響を抑えて、後方の視認性を向上できることが期待できる。
しかしながら、自動車１の後方の撮像画像を複数のモニタに並べて表示するだけでは、複数の画像が平面的に並べて表示されることになる。乗員は、これらの画像を視認しただけで、自車の後方にいる他の移動体についての自車からの距離や方向を判断し難い。
特に、従来のルームミラーやドアミラーでは、乗員は視線を各ミラーの設置位置へ切り替えて各ミラーの映像を確認している。この場合、乗員は、視認しているミラーについての認識に基づいて、それに映っている後方の移動体についての自車から方向を容易に判断できる。
このように車外モニタ装置１０では、さらなる改善が求められる。

図４は、本発明の第一実施形態での、重ねて配置される複数の表示デバイスの説明図である。図４は、複数の表示デバイスとしてのセンタモニタ１４、右モニタ１５、および左モニタ１６を、車室３の上から見た配置図である。
図５は、図４の複数の表示デバイスについての前後配置と、乗員の視認状態との説明図である。図５は、自動車１の車室３を上から見た図である。
図５には、自動車１の車室３に設けられ、乗員が着座するシート６が併せて図示されている。

そして、図５に示すように、シート６の前側には、センタモニタ１４、右モニタ１５、および左モニタ１６がダッシュボード５に並んで埋め込まれる。センタモニタ１４、右モニタ１５、および左モニタ１６は、シート６に着座した乗員についての前方視野にその全体が収まるように、ダッシュボード５に並べて設けられる。

また、右モニタ１５と左モニタ１６とは、センタモニタ１４の表示面２１の幅より狭い間隔で、自動車１の左右方向に並べて設けられる。右モニタ１５と左モニタ１６との間についての、自動車１の前側に、センタモニタ１４が配置される。センタモニタ１４は、右モニタ１５と左モニタ１６と比べて、シート６から離れて設けられる。センタモニタ１４の表示面２１は、乗員が着座するために自動車１の車室３に設けられるシート６の位置を基準として、右モニタ１５の表示面２２および左モニタ１６の表示面２３より乗員から離れる奥側の位置に設けられる。

これにより、シート６に着座した乗員の視野では、センタモニタ１４の表示面２１は、右モニタ１５の表示面２２と左モニタ１６の表示面２３との間において、右モニタ１５の表示面２２と左モニタ１６の表示面２３と視認距離の前後差を設けるように乗員から離れる奥側の位置に設けられる。
右モニタ１５の右表示画像と左モニタ１６の左表示画像との間に並べて視認可能なセンタモニタ１４の中央表示画像は、右表示画像および左表示画像と奥行き感を持たせて表示されることになる。

また、図４に示すように、略四角形の外形の右モニタ１５についてのセンタモニタ１４の側である左縁部２５は、略四角形の外形のセンタモニタ１４の略四角形の表示面２１についての右縁部２４分と重なる。
略四角形の外形の左モニタ１６についてのセンタモニタ１４の側である右縁部２４は、略四角形の外形のセンタモニタ１４の略四角形の表示面２１についての左縁部２５分と重なる。
これにより、センタモニタ１４の略四角形の表示面２１の左右両縁部は、その中央部を残すようにして、右モニタ１５および左モニタ１６により視認てきないように覆われる。

以上のように、本実施形態では、制御部から出力される複数の撮像デバイスそれぞれの撮像画像に基づく表示画像を表示する複数の表示デバイスは、自動車１の車室３において乗員により並んで視認可能に設けられる。そして、センタモニタ１４の表示面２１は、右モニタ１５の表示面２２と左モニタ１６の表示面２３との間において、右モニタ１５の表示面２２および左モニタ１６の表示面２３と視認距離の前後差をつけて設けられる。このような表示の仕方とすることより、右表示画像と左表示画像との間に並べて視認可能な中央表示画像は、右表示画像および左表示画像と、視認距離の前後差を設けて奥行き感を持たせて表示することができる。これら複数の画像は、たとえば単一の画像に加工をされている場合のように、全体が平面的に表示されなくなる。車外モニタ装置１０は、右表示画像と左表示画像と中央表示画像とを、それぞれ個別の画像として表示しつつ、それらの間に前後差による奥行き感を持たせて表示することができる。乗員は、並んで表示されるこれら複数の画像それぞれが、後方のどの方向の視野についての画像であるのかを、表示の遠近感に基づいて直感的に認識して、それぞれの画像を確認することができる。

しかも、制御部は、複数の撮像デバイスから撮像画像を取得すると、それぞれの撮像画像に基づく表示画像をほぼそのままに出力する。各表示デバイスには、それぞれが対応する撮像デバイスの画像に基づく画像を表示する。したがって、リアルタイムでの高い表示性能が得られる。しかも、たとえば複数の撮像画像に撮像される後方の他の移動体は、複数の表示画像にほぼそのままの状態で表示され得る。表示された移動体の像は、撮像での品質を略維持できる。また、乗員は、たとえば、複数の表示画像の双方に同一の後方の移動体が撮像されている場合と、一方のみに撮像されている場合との表示状況の違いにより、後方の移動体についての自車からの方向を容易に把握できる。乗員は、並べて表示される複数の表示画像から、従来のドアミラーとルームミラーとの組み合わせの場合と同等の情報を得ることができる。

本実施形態では、左モニタ１６および右モニタ１５は、センタモニタ１４の表示面２１に対して左右側から重なるように設けられる。センタモニタ１４の表示面２１の左右両縁部は、中央部を残すようにして、右モニタ１５または左表示デバイスにより視認てきないように覆われる。これにより、センタモニタ１４は、通常のモニタと同様に四角形の表示面２１に形成することができる。制御部としてのモニタＥＣＵ１８は、中央撮像画像から中央表示画像を生成する加工において、画像の輪郭を変形する必要はない。そして、そのような四角形の中央表示画像を表示しつつ、その表示についての左右側部に対して、自動車１の車体２の左右側の側面の輪郭形状の右モニタ１５および左表示デバイスが重なるため、視認される中央表示画像は、自動車１の車体２の左右側の側面の輪郭形状に挟まれている状態で表示することができる。

［第二実施形態］
次に、本発明の第二実施形態に係る車外モニタ装置１０について説明する。以下の説明では、主に上述した実施形態との相違点について説明する。上述した実施形態と同様の構成要素には、上述した実施形態と同じ符号を用いて、その説明を省略する。

図６は、本発明の第二実施形態での、重ねて配置される複数の表示デバイスの説明図である。

右モニタ１５についてのセンタモニタ１４の側である左縁部２５は、その上端が下端より左側へ突出するようにゆるやかに湾曲した形状に形成される。右モニタ１５の表示面２２についても、左縁の上端が下端より左側へ突出するように、左縁部２５に沿ってゆるやかに湾曲した形状に形成される。この場合、モニタＥＣＵ１８は、右リアカメラ１２から取得した右撮像画像についての左縁部２５分を同形状に切り欠いた右表示画像を生成して、右モニタ１５へ出力すればよい。
また、左モニタ１６についてのセンタモニタ１４の側である右縁部２４は、その上端が下端より右側へ突出するようにゆるやかに湾曲した形状に形成される。左モニタ１６の表示面２３についても、右縁の上端が下端より右側へ突出するように、右縁部２４に沿ってゆるやかに湾曲した形状に形成される。この場合、モニタＥＣＵ１８は、左リアカメラ１３から取得した左撮像画像についての右縁部２４分を同形状に切り欠いた左表示画像を生成して、左モニタ１６へ出力すればよい。

図７は、図１の自動車１の背面図である。自動車１の後部は、ドアミラーで視認され得る。

図７の自動車１の車体２の右側面は、その上部が左側へ傾斜して下部が略垂直となるように、ゆるやかに湾曲した形状に形成される。図６の右モニタ１５の左縁部２５は、この車体２の右側の側面の輪郭形状についての、ドアミラーの設置部位から視認され得る範囲Ａを模した外形形状に形成されている。
自動車１の車体２の左側面は、その上部が右側へ傾斜して下部が略垂直となるように、ゆるやかに湾曲した形状に形成される。図６の左モニタ１６の右縁部２４は、この車体２の左側の側面の輪郭形状についての、ドアミラーの設置部位から視認され得る範囲Ａを模した外形形状に形成されている。

これにより、中央表示画像と、左表示画像または右表示画像との間は、自動車１についてのたとえばドアミラーの設置部位から視認され得る車体２後部の形状を模した外形形状に形成される。
センタモニタ１４は、右モニタ１５および左モニタ１６よる車体２の左右の外形形状に挟まれた状態で、右モニタ１５および左モニタ１６より奥側において、自動車１の後方中央の中央表示画像を表示する。そして、中央表示画像は、その左右縁が自動車１の車体２の左右側面の輪郭形状を模した形状の枠内で視認されるように、センタモニタ１４の表示面２１に表示される。
左モニタ１６は、車体２の左側面の外形形状の外側となる左側において、自動車１の後方左側の左表示画像を表示する。そして、左表示画像は、左モニタ１６についての、自動車１の車体２の左側面の輪郭形状を模した形状の表示面２３に表示される。
右モニタ１５は、車体２の右側面の外形形状の外側となる右側において、自動車１の後方右側の右表示画像を表示する。そして、右表示画像は、右モニタ１５についての、自動車１の車体２の右側面の輪郭形状を模した形状の表示面２２に表示される。

以上のように、本実施形態では、左モニタ１６、および右モニタ１５は、センタモニタ１４の側の側面が、たとえばドアミラーで視認され得る自動車１の車体２の左右側の側面それぞれの輪郭形状を模した外形形状を有する。これにより、センタモニタ１４は、左モニタ１６および右モニタ１５による外形形状の間の奥側において、それらに挟まれた状態で、自動車１の後方中央の中央表示画像を表示することができる。また、左モニタ１６、および右モニタ１５は、それらの車体２の両側面を模した外形形状の外側において、自動車１の後方左右側の右表示画像および左表示画像を、中央表示画像と前後差をもって表示することができる。

本実施形態では、さらに、左モニタ１６の表示面２３、および右モニタ１５の表示面２２は、センタモニタ１４の側の側面が、たとえばドアミラーで視認され得る自動車１の車体２の左右側の側面それぞれの輪郭形状を模した形状を有する。これにより、センタモニタ１４の左右側に設けられる左モニタ１６および右モニタ１５は、センタモニタ１４に近づけて配置することができる。その結果、左モニタ１６とセンタモニタ１４との間の、自動車１の車体２の左側の側面の輪郭形状を模した外形形状の右縁部２４の幅を細くすることができる。右モニタ１５とセンタモニタ１４との間の、自動車１の車体２の右側の側面の輪郭形状を模した外形形状の左縁部２５の幅を細くすることができる。画像の間となるこれらの部分が細くなることにより、左モニタ１６および右モニタ１５は、センタモニタ１４とともに、自動車１の後方の全体の画像としてのまとまりがよくなり、一体感を持って後方を表示することができる。左表示画像と右表示画像とが、中央表示画像から分離されている印象が生じ難くなる。

図８は、第二実施形態の変形例に係る、重ねて配置される複数の表示デバイスの説明図である。

図８では、左モニタ１６についての右縁部２４は、図７の自動車１の車体２の右側の側面の輪郭形状についての、車室３のシート６から後方を視認した場合の範囲Ｂを模した外形形状に形成されている。
右モニタ１５についての左縁部２５は、図７の自動車１の車体２の左側の側面の輪郭形状についての、車室３のシート６から後方を視認した場合の範囲Ｂを模した外形形状に形成されている。
これにより、センタモニタ１４は、左モニタ１６および右モニタ１５による外形形状の間の奥側において、それらに挟まれた状態で、自動車１の後方中央の中央表示画像を表示することができる。また、左モニタ１６、および右モニタ１５は、それらの車体２の両側面を模した外形形状の外側において、自動車１の後方左右側の右表示画像および左表示画像を、中央表示画像と前後差をもって表示することができる。
中央表示画像、およびその左右の右表示画像および左表示画像は、自動車１の車室３のシート６から後方を視認した場合において視認され得る場合と同様のレイアウトにて、車両の後方の全体の画像として表示され得る。

［第三実施形態］
次に、本発明の第三実施形態に係る車外モニタ装置１０について説明する。以下の説明では、主に上述した実施形態との相違点について説明する。上述した実施形態と同様の構成要素には、上述した実施形態と同じ符号を用いて、その説明を省略する。

図９は、本発明の第三実施形態での、重ねて配置される複数の表示デバイスおよび共通パネル４０の説明図である。
図９（Ａ）に示すように、自動車１の車室３に設けられるダッシュボード５には、共通パネル４０が取外可能に設けられる。
センタモニタ１４、右モニタ１５、および左モニタ１６は、共通パネル４０の内側に並べて配置される。センタモニタ１４は、右モニタ１５および左モニタ１６から離れるように、大きな前後差を開けて配置される。

共通パネル４０は、図９（Ｂ）に示すように、その略全体を構成する略長方形の横長の平面部４１と、横長の平面部４１の中央に形成される凹部４２と、を有する。
凹部４２には、中央開口部４３が形成される。
横長の平面部４１についての、凹部４２の右側部分には、右開口部４４が形成される。
横長の平面部４１についての、凹部４２の左側部分には、左開口部４５が形成される。
そして、共通パネル４０についての、中央開口部４３と左開口部４５との間の部分４６は、自動車１の車体２の左側面の輪郭形状に倣った曲面形状に形成される。
共通パネル４０についての、中央開口部４３と右開口部４４との間の部分４７は、自動車１の車体２の右側面の輪郭形状に倣った曲面形状に形成される。

このような凹凸形状の共通パネル４０に対して、センタモニタ１４の表示面２１は、図９（Ｃ）に示すように、中央開口部４３と重なる。
右モニタ１５の表示面２２は、右開口部４４と重なる。
左モニタ１６の表示面２３は、左開口部４５と重なる。

以上のように、本実施形態では、センタモニタ１４、左モニタ１６、および右モニタ１５は、自動車１の車室３に設けられる共通パネル４０に覆われ、共通パネル４０に並んで形成される中央開口部４３、左開口部４５、右開口部４４と重ねて設けられる。そして、共通パネル４０において、中央開口部４３と左開口部４５との間の部分４６は、自動車１の車体２の左側面の輪郭形状に倣った曲面形状に形成される。また、中央開口部４３と右開口部４４との間の部分４７は、自動車１の車体２の右側面の輪郭形状に倣った曲面形状に形成される。
これにより、左開口部４５、右開口部４４は、共通パネル４０の平面部４１に形成され、中央開口部４３は、共通パネル４０の凹部４２の内側に形成されるようになる。センタモニタ１４は、共通パネル４０の凹部４２の内側において、自動車１の後方中央の中央表示画像を表示することができる。また、左モニタ１６、および右モニタ１５は、共通パネル４０の表面の平面部４１において、自動車１の後方左右側の右表示画像および左表示画像を、中央表示画像と前後差をもって表示することができる。

なお、センタモニタ１４、左モニタ１６、および右モニタ１５を覆う共通パネル４０は、上述した実施形態では一体に形成されている。この他にもたとえば、共通パネル４０は、左右で三分割されて、モニタごとに分割して取り外すことができるように形成されてもよい。

以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。

上述した実施形態では、右リアカメラ１２、および左リアカメラ１３は、ドアミラーの位置に設けられている。
この他にもたとえば、右リアカメラ１２および左リアカメラ１３は、車体２の後面に設けられてもよい。右リアカメラ１２は、たとえば図７の車体２の後面において、ルーフ高さの右上位置３３、または車体２の上下方向の中央位置３４に設けられてもよい。左リアカメラ１３は、たとえば図７の車体２の後面において、ルーフ高さの左上位置３５、または車体２の上下方向の中央位置３６に設けられてもよい。同様に、センタリアカメラ１１は、たとえば図７の車体２の後面において、ルーフ高さの中央位置３１、または車体２の上下方向の中央位置３２に設けられてもよい。センタリアカメラ１１は、基本的に車体２の左右方向の中央であるＹ０位置にあればよい。
このように車体２の後面に複数の撮像デバイスを設けることにより、撮像画像には、車体２が映り込まないようになる。撮像画像は、車両の後方を車体２により遮られることなく撮像されたものとなり、モニタ表示以外の目的にも、たとえば車両の後方の移動体の有無、移動体の方向、移動体の距離を検出するために、好適に利用し得る。車両の後方の移動体の方向および距離は、たとえば右リアカメラ１２の撮像画像と左リアカメラ１３の撮像画像とに映り込む移動体について、それぞれの撮像位置に基づく三角法の演算により演算することができる。この場合、右リアカメラ１２と左リアカメラ１３とは、ステレオカメラとして機能し得る。

１…自動車（車両）、２…車体、３…車室、６…シート、１０…車外モニタ装置、１１…センタリアカメラ、１２…右リアカメラ、１３…左リアカメラ、１４…センタモニタ、１５…右モニタ、１６…左モニタ、１８…モニタＥＣＵ、２４…右縁部、２５…左縁部、４０…共通パネル、４２…凹部、４３…中央開口部、４４…右開口部、４５…左開口部

Claims (9)

1. 車両の後方中央を撮像する中央撮像デバイス、前記中央撮像デバイスの右側を撮像する右撮像デバイス、および前記中央撮像デバイスの左側を撮像する左撮像デバイス、を含む複数の撮像デバイスと、
   複数の前記撮像デバイスから撮像画像を取得して、それぞれの撮像画像に基づく表示画像を出力する制御部と、
   前記車両の車室において乗員により並んで視認可能に設けられ、前記制御部から出力される複数の前記表示画像それぞれを表示する複数の表示デバイスと、
   を有し、
   並んで視認可能な複数の前記表示デバイスは、
   前記前記中央撮像デバイスの中央撮像画像に基づく中央表示画像を表示する中央表示デバイスと、
   前記中央表示デバイスの左側に設けられ、前記左撮像デバイスの左撮像画像に基づく左表示画像を表示する左表示デバイスと、
   前記中央表示デバイスの右側に設けられ、前記前記右撮像デバイスの右撮像画像に基づく右表示画像を表示する右表示デバイスと、
   を含み、
   前記中央表示デバイスは、前記右表示デバイスと前記右表示デバイスとの間において、前記右表示デバイスおよび前記右表示デバイスと視認距離の前後差をつけて設けられ、
   前記右表示画像と前記左表示画像との間に並べて視認可能な前記中央表示画像は、前記右表示画像および前記左表示画像と奥行き感を持たせて表示される、
   車外モニタ装置。
   
2. 前記左表示デバイス、および前記右表示デバイスは、前記中央表示デバイスの側の側面が、前記車両の車体の左右両側の側面それぞれの輪郭形状を模した外形形状を有し、
   前記中央表示デバイスは、前記左表示デバイスおよび前記右表示デバイスによる前記外形形状に挟まれた状態で、前記車両の後方中央の前記中央表示画像を表示し、
   前記左表示デバイス、および前記右表示デバイスは、前記外形形状の外側において、前記車両の後方左右両側の前記右表示画像および前記左表示画像を表示する、
   請求項１記載の、車外モニタ装置。
   
3. 前記左表示デバイス、および前記右表示デバイスは、前記中央表示デバイスに対して左右両側から重なるように設けられ、
   前記中央表示デバイスの左右両縁部は、中央部を残すようにして、前記右表示デバイスまたは前記左表示デバイスにより視認てきないように覆われる、
   請求項１または２記載の、車外モニタ装置。
   
4. 前記中央表示デバイス、前記左表示デバイス、および前記右表示デバイスは、前記車両の車室に設けられる共通パネルに覆われて設けられ、
   前記共通パネルは、前記中央表示デバイスに対応する中央開口部、前記左表示デバイスに対応する左開口部、および前記右表示デバイスに対応する右開口部、を有し、
   前記中央開口部と前記左開口部との間の部分が、前記車両の車体の左側面の輪郭形状に倣った曲面形状に形成され、
   前記中央開口部と前記右開口部との間の部分が、前記車両の車体の右側面の輪郭形状に倣った曲面形状に形成される、
   請求項１記載の、車外モニタ装置。
   
5. 前記左表示デバイスの表示面、および前記右表示デバイスの表示面は、前記中央表示デバイスの側の側面が、前記車両の車体の左右両側の側面それぞれの輪郭形状を模した形状を有する、
   請求項１から４のいずかれ一項記載の、車外モニタ装置。
   
6. 前記中央表示デバイスと、前記左表示デバイスまたは前記右表示デバイスとの間は、前記車両についてのドアミラーの設置部位から視認され得る車体後部の形状を模した外形形状に形成される、
   請求項１から５のいずかれ一項記載の、車外モニタ装置。
   
7. 前記中央表示デバイスと、前記左表示デバイスまたは前記右表示デバイスとの間は、前記車両から後方を視認した場合において視認される車体後部の形状を模した外形形状に形成される、
   請求項１から５のいずかれ一項記載の、車外モニタ装置。
   
8. 前記車両の後方右側を撮像する前記撮像デバイス、および前記車両の後方左側を撮像する前記撮像デバイスは、前記車両の車体についての運転席より後側に設けられる、
   請求項１から７のいずれか一項記載の、車外モニタ装置。
   
9. 前記中央表示デバイスは、乗員が着座するために前記車両の車室に設けられるシートの位置を基準として、前記右表示デバイスおよび前記右表示デバイスより乗員から離れる奥側の位置に設けられる、
   請求項１から８のいずかれ一項記載の、車外モニタ装置。
   
   
   

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