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JP2020183350A - 歯磨剤 - Google Patents

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JP2020183350A
JP2020183350A JP2019086983A JP2019086983A JP2020183350A JP 2020183350 A JP2020183350 A JP 2020183350A JP 2019086983 A JP2019086983 A JP 2019086983A JP 2019086983 A JP2019086983 A JP 2019086983A JP 2020183350 A JP2020183350 A JP 2020183350A
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秋雄 川羽田
Akio Kawahata
秋雄 川羽田
宝禮 高槻
Hourei Takatsuki
宝禮 高槻
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Abstract

【課題】漢方薬の視点から、天然由来の抽出物質を備え、高い抗菌効果が発揮され、かつ長期保存にも安定な歯磨剤を提供する。【解決手段】ヒノキチオールとカキタンニンとを組成成分に含み、ヒノキチオールとカキタンニンの少なくとも一方が、ヒノキチオールとカキタンニンを含む天然由来の抽出物である。【効果】ヒノキチオールとカキタンニンの組み合わせは、その相乗効果により高い抗菌活性が発揮され、かつ長期保存にも安定となる。さらにヒノキチオールとカキタンニンは、天然由来の物質から抽出されるため、ヒノキチオール又はカキタンニンのみではなく、天然由来の物質に含まれる様々な成分を備えている。このため、天然由来の物質に含まれる様々な成分とのさらなる相乗作用により、抗菌作用、抗炎症作用や収斂作用が有効に発揮され、かつ長期保存にも安定となる。【選択図】図7

Description

本発明は、歯磨剤の組成物に関し、漢方医学を背景とした自然由来の抽出物を用いて口腔抗菌効果を持つ歯磨剤の組成物に関するものである。
漢方薬の特徴は、通常2種類以上の生薬を用いた複合剤であり、多種の成分が含まれる生薬を特定の組み合わせで調合し、複数ブレンドすることで多種多様成分となり、その作用は穏やかで様々な効果・効能をもたらす。このため漢方薬は、歯肉の出血、発赤、はれ、うみ、痛み、口臭などの、歯肉炎又は歯槽膿漏における諸症状の緩和や、口内炎の治療等を目的として軟膏剤や歯磨剤等の口腔用組成物に配合して使用されている。
特許文献1には、漢方薬剤を含ませた歯磨剤が開示されている。歯磨剤の組成物にSiO成分が63%〜75%以上含まれており、カルシウム、鉄、ナトリウム、マグネシウムなどの天然ミネラルが含有されている水溶性ケイ酸塩(NaSiO−10HO)と漢方薬剤を含ませて、水溶性ケイ酸塩の効果と漢方薬剤の効果である口腔痛みの改善と口腔抗菌効果を提供する。
さらに、漢方薬の効能を基本に、天然由来の物質、或は、天然由来の抽出物としても歯磨剤に使用されている。
特許文献2には、渋柿の有効成分を含有した歯磨剤が開示されている。
特許文献3には、渋柿からの抽出物及びグレープフルーツ種子抽出物からなる天然物を組み合わせることで、口腔内に存在し、う蝕、歯周病、口臭、舌苔等口腔内環境を著しく悪化させる原因菌を幅広く且つ有効に殺菌でき、また歯に優しい清涼剤及び/又は甘味料を前述した渋柿からの抽出物とグレープフルーツ種子抽出物と共に或る割合にて水に含有させる歯磨剤が開示されている。
一方、西洋薬は、一般に、精製されたほぼ純粋な薬物を組成としている。
特許文献4には、殺菌作用又は静菌作用を有する薬効成分が開示されている。薬効成分としては、乳酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸等の有機酸類や、フラボノイド、カテキン、タンニン、カルノソール、クルクミン、クマリン等のポリフェノール類や、ペリルアルデヒド、ピネン、ヒノキチオール等のモノテルペン、ジンギビレン等のセスキテルペン、ジテルペン等のテルペン類や、アリルイソチオシアネート等のイソチオシアネート類や、アリシン等の硫化アリル類や、ロニセリン等のサポニン類等が開示されている。さらに、カプサイシン、メントール、ピぺリン、シンナムアルデヒド、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、次亜塩素酸カルシウム、パラオキシ安息香酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デヒドロ酢酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、キトサン、ペクチン分解物、グリシン、ε−ポリリジン、アルギン酸、キシリトール、カゼイン、ラクトフェリン、プロタミン、リゾチーム、ナイシン等が開示されている。
また、天然由来の薬効成分も開示されており、柿抽出物、月桂樹抽出物、マスティック抽出物、茶抽出物、ワサビ抽出物、カラシ抽出物、ショウガ抽出物、コショウ抽出物、ミョウガ抽出物、トウガラシ抽出物、柑橘類抽出物、グレープフルーツ種子抽出物、キウイ抽出物、リンゴ抽出物、オオバ抽出物、エゴノキ抽出物、カワラヨモギ抽出物、ホオノキ抽出物、レンギョウ抽出物、スイカズラ抽出物、ニンニク抽出物、ネギ抽出物、ウコン抽出物、クミン抽出物、クローブ抽出物、コリアンダー抽出物、ローズマリー抽出物、シナモン抽出物、モウソウチク抽出物、クマザサ抽出物、マッシュルーム抽出物、レンコン抽出物、ホップ抽出物、マツ抽出物、高麗人参抽出物、ニーム抽出物、ベイ油、オレガノ油、アニス油、タイム油、レモングラス油、ガーリック油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、プロポリス、乳酸菌等である
歯磨剤等の口腔用組成物として、例えばヒノキチオールは、殺菌作用や組織収斂作用を有することが知られており、歯肉炎又は歯周病における症状の緩和や、口内炎の治療等を目的として使用されている。しかしながら、ヒノキチオールは本来昇華性の物質であること、さらに光によって分解されるため、口腔用組成物として配合すると、抗菌活性が低下し、保存安定性に劣り、長期保存すると経時的に変色や相分離が生じるという問題があった。
特許文献5には、ヒノキチオールの上記問題に対して、ヒノキチオールを含有する口腔用組成物に、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸二カリウム二水塩、エデト酸四ナトリウム二水塩から選ばれる1種又は2種以上のエデト酸塩と、エタノールと、水とを適当な割合で配合することを開示している。これによりヒノキチオールの製剤中での安定性が高まり、高い抗菌活性が発揮される上、長期保存しても変色がほとんど生じることがなく、相液分離安定性に優れ、経時での保存安定性に優れた製剤が得られる。
特許文献6には、ヒノキチオールの殺菌作用が比較的低く、口腔内の病原菌数を十分に低減できないという知見から、(a)ヒノキチオール、(b)アルカリ金属のフッ化物、フルオロリン酸、及びフルオロリン酸の塩よりなる群から選択される少なくとも1種のフッ素化合物、(c)メントールを含有させ、更に(a)ヒノキチオール1重量部当たり、(b)フッ素化合物を1.25重量部以上、且つ(c)メントールを7.5重量部以上含有させることによって、ヒノキチオールの殺菌作用が飛躍的に向上することが開示されている。
特許文献7には、柿渋抽出物から得られる純度が30%以上のカキタンニンと、非発酵性の四糖類以下の少糖類で構成した口腔内病原性細菌殺菌剤が開示されている。タンパク成分と結合力の高いカキタンニンは、病原性細菌を吸着し、反応して除去(破壊)する。
WO2013/141500号公報 特開2002−322075号公報 特開2005−002107号公報 特開2018−197207号公報 特開2010−150155号公報 特開2015−127305号公報 特開2006−298827号公報
従来、口腔内における抗菌作用を有する様々な種類の歯磨剤が提案されているが、さらなる抗菌作用の向上により、虫歯予防、歯肉炎、歯周炎予防及び長期保存に対する安定性が期待されている。
本発明は、漢方薬の視点から、天然由来の抽出物を備え、高い抗菌作用が発揮され、かつ長期保存にも安定な歯磨剤を提供することを目的とする。
(1)本発明は、ヒノキチオールとカキタンニンとを組成成分に含み、前記ヒノキチオールと前記カキタンニンの少なくとも一方が、前記ヒノキチオールと前記カキタンニンを含む天然由来の抽出物質であることを特徴とする歯磨剤である。
(2)本発明は、前記ヒノキチオールと前記カキタンニンの重量比は、前記ヒノキチオールを1として、前記カキタンニンが、0.5〜3であることを特徴とする歯磨剤である。
(3)本発明は、前記ヒノキチオールを含む天然由来の抽出物質は、フェノール類からなる酸性油分と、ツヨプセン及びセスキテルペン類からなる中性油分の成分で構成されていることを特徴とする歯磨剤である
(4)本発明は、前記ヒノキチオールを含む天然由来の抽出物質は、青森ヒバ、台湾ヒノキ又はウエスタンレッドシダーを原材料としていることを特徴とする歯磨剤である
(5)本発明は、前記カキタンニンを含む天然由来の抽出物質に、さらにビタミンCを含む成分で構成されていることを特徴とする歯磨剤である
(6)本発明は、前記カキタンニンを含む天然由来の抽出物質は、渋柿を原材料としていることを特徴とする歯磨剤である。
(1)本発明の歯磨剤は、ヒノキチオールとカキタンニンとを組成成分に含み、ヒノキチオールとカキタンニンの少なくとも一方が、ヒノキチオールとカキタンニンを含む天然由来の抽出物質である。ヒノキチオールとカキタンニンの組み合わせは、その相乗効果により高い抗菌活性が発揮され、かつ長期保存にも安定となる。さらにヒノキチオールとカキタンニンは、天然由来の物質から抽出されるため、ヒノキチオール又はカキタンニンのみではなく、天然由来の物質に含まれる様々な成分を備えている。このため、天然由来の物質に含まれる様々な成分とのさらなる相乗作用により、高い抗菌作用、抗炎症作用や収斂作用が発揮され、かつ長期保存にも安定となる
(2)本発明の歯磨剤は、ヒノキチオールとカキタンニンの重量比は、ヒノキチオールを1として、カキタンニンが、0.5〜3であることが好適であり、高い抗菌作用が発揮される。ヒノキチオールが歯磨剤に含有される量は、0.18wt%は以下としている。
(3)本発明の歯磨剤は、ヒノキチオールを含む天然由来の抽出物質は、フェノール類からなる酸性油分と、ツヨプセン及びセスキテルペン類からなる中性油分の成分で構成されていることが好適であり、高い抗菌作用が発揮される
(4)本発明の歯磨剤は、ヒノキチオールを含む天然由来の抽出物は、青森ヒバ、台湾ヒノキ又はウエスタンレッドシダーを原材料とすることが好適であり、青森ヒバ、台湾ヒノキ又はウエスタンレッドシダーに含まれるヒノキチオール以外の成分との相乗作用により、高い抗菌活性が発揮され、かつ長期保存にも安定となる
(5)本発明の歯磨剤は、カキタンニンを含む天然由来の抽出物質は、さらにビタミンCを含む成分で構成されていることにより、ビタミンCの抗菌効果が相乗され、高い抗菌作用が発揮される
(6)本発明の歯磨剤は、カキタンニンを含む天然由来の抽出物質は、渋柿を原材料としていることが好適であり、渋柿に含まれるカキタンニン以外の成分との相乗作用により、高い抗菌作用が発揮され、かつ長期保存にも安定となる
ヒノキチオールの化学構造式を示している。 青森ヒバからヒノキチオールを抽出する製造工程を示している。 ヒバ油およびヒノキチオールの各種菌類に対する最小発育阻止濃度を示している。 松尾等により提案されたカキタンニンの推定構造を示している。 カキタンニンの最小発育阻止濃度を示している。 渋柿の成分を示している。 高純度ヒノキチオール抽出物と高純度カキタンニン抽出物の配合を変えて、黄色ブトウ球菌に対する最小発育阻止濃度を測定した結果である。
漢方医学は、江戸時代に中国医学から独立して始まっており、効果や安全性に関する長い経験に基づいて、特有の理論体系を築き上げている。漢方医学は、主に体質を表す「証」という概念を持っている。漢方診療は「証」に随って治療する(随証治療)のが原則であり、体全体の調子を整えることで結果的に病気を治していく。このため、生薬の組み合わせ自体が重んじられ、その生薬を様々に組み合わせることで、処方できる漢方薬が生成されてきた。漢方薬は生薬の組み合わせが一定の比率をもって初めて効果を発揮するため、配合比も重要な要素である。
これに対して、西洋医学では、精製されたほぼ純粋な薬物を用いた、所謂「西洋薬」を使い、ひとつの病気に対して、同系統の薬の投与がなされる。西洋医学は、客観的で分析されたものであり、病気に対してピンポイントでの治療となる。このため、細菌を殺す、精密検査をするなどは、西洋医学のほうが得意とする分野であるが、西洋医学では対応しにくい不定愁訴や検査には現れにくいちょっとした不調は漢方医学が勝っている場合がある。口内不定愁訴として出現しやすい身体症状には、口内乾燥症、舌痛証、口臭症、味覚障害等がある。これらの不定愁訴は、西洋医学的には診断や検査を行っても、その原因や病態を明らかにできない身体症状である。
一方、漢方医学では、西洋医学的には説明のつかない症状を、望診、聞診、問診と切診によって、八網、六病位、気血水、五臓の基本的概念を通じて説明できる。
口腔領域疾患としては、口内炎、口腔乾燥症、舌痛症、味覚障害、顎関節症、歯周病、口臭などがある。これらの不定愁訴を含めた口腔領域疾患に対して、漢方薬が改善効果を有していることは事実である。漢方薬は生薬の組み合わせが一定の比率をもって効果を生じるものであり、生薬の持つ様々な成分が相乗された効果であると考えられる。
歯磨剤の薬効成分に関しても同様であり、ほぼ純粋な薬物を組成成分とする西洋薬に対して、生薬を原材料とした抽出物を組成成分とすることは、様々な成分の相乗効果による効果が生じるものと考えられる。
口腔には、球菌、桿菌、ラセン菌など様々な形態をした微生物が存在し、未知のものを含めて約700種類の細菌が生息していると考えられている。歯垢はこれらの細菌の塊で、1g中に1000億個の細菌が存在すると言われている。歯の表面、歯周ポケット、舌などに100億個に近い細菌が住み着き、う蝕、歯周病、口内炎、口臭などの各種疾患を誘発し、歯周病があれば、歯周ポケット内などの細菌を含めて1000億個を超える細菌が見つかると言われている。
歯質の主成分はハイドロキシアパタイトであり、通常は、リン酸イオンやカルシウムイオンの溶出(脱灰)と、リン酸カルシウムやハイドロキシアパタイトへの結晶化(再石灰化)が平衡状態にある。う蝕の初期段階は、エナメル質に白斑(ホワイトスポット)といわれる歯の表層下脱灰病巣を生じる。そして、ストレプトコッカス・ミュータンス等の細菌がショ糖等の分解から有機酸を産生しpHを低下させ、歯のカルシウム等を溶出させることにより脱灰を促進することで進行する
歯周病は、Pg菌などの嫌気性菌と呼ばれる歯周病菌が原因となる。嫌気性菌はLPS(リポ多糖体)と呼ばれる内毒素を産生し、身体の様々な細胞に刺激を与えて、そこから炎症性サイトカインという物質が分泌され、線維芽細胞やマクロファージなどの細胞を刺激して、そこから破骨細胞分化因子(RANKL)という物質を分泌させる。プレ破骨細胞(骨を吸収させる細胞)上にある受容体とRANKLが結びつくと破骨細胞が一気に成熟し、破骨細胞により歯槽骨が吸収され、歯周病が進行する。
これらの口腔領域疾患に対して、漢方治療は随証治療が原則である。西洋医学的診断では、病因が明確にされず、対応が困難な疾患に対しても、現時点での体質や症状から気血水、陰陽、虚実、寒熱、表裏、五臓、六病位などの東洋医学的な概念を用いて診断された証に基づき治療方針が決定される。西洋医学的には異なる口腔疾患であっても、漢方診断で同じ証と判断されれば同じような漢方薬が処方され、西洋医学的には同じ病名であっても体質などが異なれば、異なる漢方薬が投与されることもある。このような状況を踏まえ、今後、西洋医学と漢方医学が融合した口腔医療が確立していくものと考えられている。
歯磨剤に含まれる薬効成分も、100億個に近い細菌に対して、精製されたほぼ純粋な薬物を用いた西洋薬では対応できない場合も多い。漢方薬は、天然由来の2種類以上の生薬を用いた複合剤であり、多種の成分が含まれる生薬を特定の組み合わせで調合し、複数ブレンドすることで多種多様成分を含み、西洋薬では対応できない場合に対しても効能がある場合もある。
本発明者等は、天然由来の生薬には漢方医学の観点からは様々な組成成分が含まれており、その成分分析から、様々な組み合わせによる漢方薬の考え方を取り入れた薬効成分を検討し、次の知見を得た。
即ち、ヒノキチオールを含有する天然由来の抽出物質に、カキタンニンを含有する天然由来の抽出物質を組み合わせることにより、その相乗効果が抗菌活性を促進し殺菌効果を向上させ、長期に亘る保存安定性に優れていること、さらに、包装材の保存安定性にも優れ、長期間に亘って劣化が抑制されることである。
ヒノキチオールとカキタンニンの組み合わせによる相乗効果が生ずるとともに、ヒノキチオールを含有する天然物である原材料とカキタンニンを含有する天然物である原材料に含まれる様々な組成成分がさらなる相乗効果を生じているものと考えられる。
なお、本明細書では、「ヒノキチオール」は化学物質の一種を意味し、「ヒノキチオールを含有する天然由来の抽出物質」は、天然物である原材料からヒノキチオールを精製して抽出する製造過程における様々な抽出物質を含んでいること意味し、さらに、最終的に生成されたヒノキチオールでも、純粋にヒノキチオールだけでなく、他の成分も含まれている場合も含んでいる。また、「カキタンニン」も化学物質の一種を意味し、「カキタンニンを含有する天然由来の抽出物質」は、天然物である原材料からカキタンニンを精製して抽出する製造過程における様々な抽出物質を含んでいること意味し、さらに、最終的に生成されたカキタンニンでも、純粋にカキタンニンだけでなく、他の成分も含まれている場合も含んでいる。
<ヒノキチオール及びヒノキチオールを含有する天然由来の抽出物質>
図1は、ヒノキチオールの化学構造式を示している。化学式はC1012で、初めて発見された不飽和七員環化合物(単環式モノテルペン)であり、芳香族化合物の一つである。ヒノキチオールは、1936年に台湾に自生するタイワンヒノキの精油から、台湾帝国大学に赴任していた野副教授により発見された物質である。
ヒノキチオールは殺菌作用や組織収斂作用を有することが知られており、歯茎の出血、うみ、痛み、口のねばり、口臭などの、歯肉炎又は歯槽膿漏における諸症状の緩和や、口内炎の治療等を目的として歯磨剤等の口腔用組成物に配合して使用されている。
ヒノキチオールは、台湾ヒノキ、青森ヒバ、北米産のウエスタンレッドシダーなどに含まれている。ヒノキチオールの製造法としては従来から種々の方法が知られているが、ヒノキチオールの抽出、生成については、天然のヒバ油から抽出する方法とジシクロペンタジエン等から化学的に合成する方法がある。天然のヒノキチオールについては、含有量が1番多いのが青森ヒバで、約0.006%程度である。ヒノキチオールは、ヒバ油から抽出する場合、1tの材木から約10kgのビバ油が取れ、その約1%である100g程度がヒノキチオールである。
ヒノキチオールを安価に安定して製造可能な化学的に合成する方法は、入手が容易なシクロペンタジエンを原料に、イソプロピルシクロペンタジエンを得、これにジクロロケテンを付加させ、この付加体を加溶媒分解することによって得る方法が知られている。イソプロピルシクロペンタジエンは、1−イソプロピルシクロペンタジエン、2−イソプロピルシクロペンタジエンと5−イソプロピルシクロペンタジエンの異性体3種から成るが、ヒノキチオールは、1−イソプロピルシクロペンタジエンからのみ生成することが知られている。このため、他の異性体は、ヒノキチオールの異性体であるγ−ツヤプリシンが生成するため精製が必須となり、1−イソプロピルシクロペンタジエンを選択的に合成することによって、ヒノキチオールの収率を向上させる。
1−イソプロピルシクロペンタジエンを選択的に合成する方法としては、例えばシクロペンタジエンにグリニャール試薬(エチルマグネシウムブロマイド)とイソプロピルトシレートを反応させて、1−イソプロピルシクロペンタジエンを選択的に得る方法や、シクロペンタジエンとアルカリ金属またはアルカリ金属水素化物とからシクロペンタジエニル金属を調製し、シクロペンタジエニル金属とイソプロピル化剤とを、生成物のイソプロピルシクロペンタジエンと二液相を形成する非プロトン性極性溶媒の存在下で反応させ、更にイソプロピルシクロペンタジエン中の5−イソプロピルシクロペンタジエンを、熱により1−イソプロピルシクロペンタジエンを得る方法等が知られている。
化学的に合成されたヒノキチオールは安価に安定的に入手できるため、本発明においては、カキタンニンを含む天然由来の抽出物質との組み合わせで利用できる。
ヒノキチオールを天然のヒバ油から抽出する方法は、例えば青森ヒバを原材料として、製材後のおが屑を水蒸気蒸留して得られるヒバ油をアルカリで酸性油を抽出し、次に酸性油をリン酸で処理する。ヒノキチオールの純度を向上するには、蒸留後、再結晶を繰り返す。
図2は、青森ヒバからヒノキチオールを抽出する製造工程を示している。ステップS1では、天然の青森ヒバ木部をおが屑にする。ステップS2で、このおが屑を水蒸気蒸留装置に入れ、水蒸気にて蒸す(水蒸気蒸留)。この時にヒバ油が抽出され(ステップS3)、同時にヒバ留出水が抽出される(ステップS4)。ヒバ留出水は、ヒバ油がより多量に得られ、ヒバ油の酸性成分が溶解している。ステップS5でヒバ留出水を樹脂吸着することにより、ヒバ酸性油を得る(ステップS7)。ヒバ油からは、ステップS6でアルカリ抽出して、ヒバ酸性油を得る(ステップS7)。ヒバ酸性油は、フェノール類から成る酸性油成分(カルバクロール、ヒノキチオール、β―ドラブリン、I−ロジン酸等)で構成されている。この時、ヒバ中性油も抽出される(ステップS8)。ヒバ中性油は、セスキテルペン類から成る中性油成分(ツヨブセン、パラサイメン、セドロール等)で構成されている。
ステップ9では、得られたヒバ酸性油を分画する。この分画により、ヒノキチオール、α−ツヤブリシン、β―ドラブリンを含むトロボロン類が得られる(ステップS10)。ステップ11で、得られたトロボロン類を精製する。この精製により、ヒノキチオールが得られる(ステップ12)。精製により得られたヒノキチオールの純度を高くするために、蒸留と再結晶を繰り返してもよい。
ヒノキチオールを青森ヒバから抽出する製造工程を説明したが、本発明における「ヒノキチオールを含む天然由来の抽出物質」は、製造工程で生成される「ヒバ留出水」、「ヒバ油」、「ヒバ酸性油」、「トロボロン類」と「精製されたヒノキチオール」を含んだトータルでの名称を意味している。「精製されたヒノキチオール」とはいっても、トロボロン類の成分であるヒノキチオールの比率が高くなるだけであり、「ヒノキチオールを含む天然由来の抽出物質」に含めている。勿論、蒸留と再結晶を繰り返して高純度にした場合は、「ヒノキチオール」としてもよい。
抗菌作用は、ヒノキチオールは勿論、ヒノキチオールが含まれるヒバ油でも作用し、例えば、阿部等の「ヒバ油およびヒノキチオールの各種菌類に対する最小発育阻止濃度」の報告がある(阿部敏弘、斎藤幸司「木材抽出成分の薬理効果」木材保存、Vol. 19−2、1993)。
図3は、ヒバ油およびヒノキチオールの各種菌類に対する最小発育阻止濃度を示している。ヒバ油およびヒノキチオールとも、菌種を問わず細菌、真菌、担子菌等に効果があり、抗菌スペクトルが広く、様々な菌に対応できることが分かる。このため、防腐剤としても機能する。
各種菌類に対する最小発育阻止濃度は、例えば、黄色ブトウ球菌に対して、ヒバ油が800μg/mL、ヒノキチオールが100μg/mLである。緑膿菌に対しての最小発育阻止濃度は、ヒバ油が3,200μg/mL、ヒノキチオールが200μg/mLである。
ヒバ油には、ヒノキチオールが約1%含まれており、各種菌類に対する最小発育阻止濃度がヒノキチオールのみに依存するものとすると、ヒバ油の最小発育阻止濃度は、ヒノキチオールの最小発育阻止濃度の100倍となるはずである。ところが、黄色ブトウ球菌に対しては、ヒバ油の最小発育阻止濃度は、ヒノキチオールの最小発育阻止濃度の8倍である。また、緑膿菌に対しては、ヒバ油の最小発育阻止濃度は、ヒノキチオールの最小発育阻止濃度の16倍である。
ヒバ油最小発育阻止濃度は、ヒノキチオール以外の含有成分も抗菌活性に関与していることが推定できる。ヒバ油には、フェノール類から成る酸性油成分(カルバクロール、ヒノキチオール、β−ドラブリン等)が含まれており、ヒノキチオール以外のβ−ドラブリン等との相乗効果によるものと推察できる。
<カキタンニン及カキタンニンを含有する天然由来の抽出物質>
図4は、カキタンニンの推定構造を示している。このカキタンニンの推定構造は、松尾等により提案された構造である(松尾友明、伊藤三郎「カキタンニンをめぐって」生物と化学 Vol.15,No.11,1978)。カキタンニンは、縮合型タンニンであり、いくつものフラボノイドが炭素‐炭素結合によって高分子になったプロアントシアニジン骨格を有している。縮合型タンニンは、茶の渋味成分である4種のカテキン類(エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレートおよびエピガロカテキンガレート)が化学構造的にC−C結合によって縮合した化合物であり、カキタンニンには加水分解性タンニンである没食子酸がエステル結合している。
カキタンニンは、抗酸化・抗菌作用があるとして知られているポリフェノールの一種で、分子量は11000〜15000程度と高分子であり、官能基であるフェノール性水酸基(−OH)が多い。カキタンニンは、タンパク成分との結合力が強く、このため、病原性細菌の細胞膜含まれるタンパク成分と強く結合するため、病原性細菌を吸着しやすく、強い抗菌効果を示す。
カキタンニンは、渋柿から抽出する製造技術がある。例えば、渋柿の未成熟な果実を破砕し、適量の水を加えた後、発酵させる、破砕時にカキタンニンと強固に吸着する糖、ペクチンなどの果実成分を発酵酵母により分解してカキタンニンを精製する。高濃度のカキタンニンを得るには、1〜3年以上かかる場合が多い。このため、アルコール、リン酸二カリウム、アルカロイドによって分別・沈殿させて高濃度のカキタンニン成分を回収する方法もある。
本発明におけるカキタンニンは、化学的に合成できるものではないので、高濃度に精製されたカキタンニン抽出物質と考えてもよく、カキタンニンを含有する天然由来の抽出物質は、カキタンニンを高濃度に精製する過程における抽出物質である。
図5は、カキタンニンの最小発育阻止濃度を示している。この最小発育阻止濃度は、リリース化学工業(株)より公開されているパンシルPS−M(パンシル:登録商標)のデータの引用である。パンシルPS−Mは、高濃度に精製されたカキタンニン抽出物であり、カキタンニンの抗菌効果を示している。
カキタンニンを抽出するための天然由来の原材料は、渋柿であり、渋柿には様々な成分が含まれている。
図6は、渋柿の成分を示している。この成分表は、文部科学省・日本食品標準成分表2015年版(七訂)準拠の「食品成分表2017」によっている。
渋柿には渋み成分であるカキタンニンが少量含まれている。また、成分中にビタミンCも多く含まれていることがわかる。ビタミンC(L−アスコルビン酸ナトリウム)にはコラーゲン合成促進効果があり、コラーゲン線維の再生を促すため、歯肉を健康に保つ機能を備えている。コラーゲン線維は、歯根膜の構成要素であり、歯肉と歯槽骨を結合している。
歯周病は、プラーク(歯垢)を形成している歯周病菌が、コラゲナーゼという酵素を出して化学反応を促進し、免疫反応による炎症を起こしたりして歯肉のコラーゲン線維を破壊していく病気である。このため、予防には、プラークを除去しコラーゲン線維の再生・強化を行う必要がある。ビタミンCを線維芽細胞に加えることで、コラーゲン線維の再生・強化を行うことができる。
ビタミンCは強い抗酸化作用(還元性)があり、発生した活性酸素を除去する働きをする。活性酸素は不安定で強い酸化力を持っており、口内に存在していると細胞に悪影響を及ぼすが、ビタミンCの抗酸化力で活性酸素を無害化する事ができる。また、同時にビタミンE(トコフェロール)を含ませてもよい。ビタミンEは、発生した活性酸素を無害化でき,ビタミンCとビタミンEの併用による相乗効果がある。さらに、ビタミンAと併用してもよく、これらのビタミン類は、渋柿の成分に含まれているため、渋柿から抽出する天然由来のカキタンニン抽出物はこれらの相乗効果で強い抗菌作用を促し、歯周病等の予防効果が顕著となる。
<ヒノキチオールとカキタンニンの配合比>
本発明では、西洋医学的に特定した物質は、ヒノキチオールとカキタンニンであり、天然由来のヒノキチオール抽出物質と天然由来のカキタンニン抽出物質と言う事もできる。薬効効果は、漢方医学的観点から物質の組み合わせと配合による相乗効果であり、ヒノキチオールとカキタンニンの組み合わせが高い薬効効果を生じる知見を得ており、その配合比について検討した。
使用したヒノキチオールは、ヒバ酸性油から高精度にヒノキチオールを抽出し、約80%のヒノキチオール成分を有するヒノキチオール抽出物質であり、高純度ヒノキチオール抽出物質と称することとする。また、カキタンニンも、渋柿から高精度にカキタンニンを抽出し、約80%のカキタンニン成分を有するカキタンニン抽出物質であり、高純度カキタンニン抽出物質と称することとする。
この高純度ヒノキチオール抽出物質と高純度カキタンニン抽出物質の配合を変えて、黄色ブトウ球菌に対する最小発育阻止濃度を測定した。
図7は、高純度ヒノキチオール抽出物質と高純度カキタンニン抽出物質の配合を変えて、黄色ブトウ球菌に対する最小発育阻止濃度を測定した結果である。横軸は、高純度ヒノキチオール抽出物質と高純度カキタンニン抽出物質の配合比であり、高純度ヒノキチオール抽出物質に対する純度カキタンニン抽出物質の配合比を示している。縦軸は、黄色ブトウ球菌に対する最小発育阻止濃度(μg/mL)である。
高純度ヒノキチオール抽出物質のみ(配合比が0)の場合は、ヒノキチオールと同程度の最小発育阻止濃度であり、配合比が1となるまでは最小発育阻止濃度が減少した。ヒノキチオールとカキタンニンの相乗効果と考えられる。配合比が1から3までは、ほぼ80(μg/mL)と一定であり、配合比が4以上になると、最小発育阻止濃度は、ヒノキチオールの最小発育阻止濃度を超える結果となった。この結果から、ヒノキチオールとカキタンニンの配合比は、0.5〜3が最適範囲と考えられる。
<天然由来のヒノキチオール抽出物質と天然由来のカキタンニン抽出物質の相乗効果>
天然由来のヒノキチオール抽出物質と天然由来のカキタンニン抽出物質の相乗効果に関しての知見は、ヒノキチオールを含有する天然物である原材料とカキタンニンを含有する天然物である原材料に含まれる様々な組成成分が、さらなる相乗効果を生じているものと考えられる。天然由来のヒノキチオール抽出物質には、フェノール類から成る酸性油成分(カルバクロール、ヒノキチオール、β―ドラブリン、I−ロジン酸等)が含まれている。このフェノール類に対して、天然由来のカキタンニン抽出物質に含まれるビタミンC及びビタミンEとの併用することにより、歯周病菌の一種であるマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMPs)の濃度増大を抑制する効果がある。
歯周病は、プラーク(歯垢)を形成している歯周病菌がLPS(リポ多糖体)と呼ばれる内毒素を産生し、コラゲナーゼという酵素を出して歯肉のコラーゲン線維を破壊していく病気であるが、歯周病菌の一種に、マトリックスメタロプロテイナーゼがある。
マトリックスメタロプロテイナーゼは,結合組織線維の付着の喪失・歯槽骨破壊を引き起こし、歯肉炎から歯周炎への病態の進行を促す酵素群である。MMPsの遺伝子多型として,MMP−1,−3遺伝子の転写を促進するプロモーター領域の遺伝子多型が報告されている。MMP−1の遺伝子多型は−1607に位置するグアニン(G)の挿入・欠失多型で(1G/2G),Gの挿入により転写因子結合配列が形成され,転写活性が上昇する。MMP−3の遺伝子多型は,−1171に位置するアデニン(A)挿入・欠失多型(5A/6A)で,5Aアレルのほうがより高いプロモーター活性を示すことが明らかになっている。
歯肉炎・歯周炎等の歯周病における組織破壊に関与するマトリックスメタロプロテイナーゼは、主としてヒト歯肉上皮細胞や歯肉線維芽細胞、歯根膜細胞の産生するコラゲナーゼやゼラチナーゼであるとされている。特定の歯周病菌が歯周組織に感染し、外来刺激を受けた歯周組織中の上皮細胞や歯肉線維芽細胞、歯根膜細胞からマトリックスメタロプロテイナーゼが産生された結果、歯と歯周組織を結合させている歯根膜構造がマトリックスメタロプロテイナーゼに破壊され、歯周病の一因となる。
天然由来のヒノキチオール抽出物に含まれるフェノール類とから成る性油成分(カルバクロール、ヒノキチオール、β―ドラブリン、I−ロジン酸等)が含まれている。このフェノール類と天然由来のカキタンニン抽出物質に含まれるビタミンCやビタミンEとの組み合わせ、即ち、天然由来のヒノキチオール抽出物と天然由来のカキタンニン抽出物質の組み合わせが、菌の歯周組織に対する刺激作用を取り除くことが可能となり、歯周病の予防を可能としている。
<歯磨剤>
歯磨剤は、薬効成分の他、湿潤剤、研磨剤、発泡剤、粘結剤と香料剤を基本成分としている。湿潤剤は、歯磨剤に適度の湿り気と可塑性を与える。研磨剤は、歯の表面を傷つけずにプラーク等の汚れを落とす。発泡剤は、口腔内に歯磨剤を拡散させ、口腔中の汚れを洗浄する。粘結剤は、粉体と液体成分を結合させ、保形性及び適度の粘度を与える。香料剤は、香味の調和を図り、爽快感や香りをつけ、歯磨剤を使い易くする。なお、その他、保存剤、甘味剤、防腐剤、着色料等を含有させてもよい。
湿潤剤としては、例えば、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、マルチトール、ラクトール、エリスリトール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等がある。
研磨剤としては、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウムシリカゲル、沈降シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト等がある。
発泡剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、マルチトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ヤシ油脂肪酸モノグリセリンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−アシルグルタメート等のN−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等がある。
粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガカントガム、カラヤガム、アラビアガム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ビーガム、ラポナイト等がある。
香料剤としては、メントール、アネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、シトロネリルアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油、丁字油、ユーカリ油等がある。
保存剤としては、安息香酸ナトリウムやパラベン類がある。甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン等がある。防腐剤としては、ブチルパラベン、エチルパラベン、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等がある。
本発明においては、歯磨剤としての成分は、上記具体例として挙げた物質の何れを使用してもよい。
〔実施例1〕
歯磨剤として実施した実施例1は、薬用成分として高純度ヒノキチオール抽出物質と高純度カキタンニン抽出物質を、ほぼ1:1の割合で配合している。甘味剤としてはトレハロールを使用し、研磨剤に炭酸カルシウムを使用している。以下に、実施例1の歯磨剤における組成成分と配合割合(wt%)を示す。
薬用成分:高純度ヒノキチオール抽出物質(0.18)
高純度カキタンニン抽出物質(0.2)
基剤 :精製水
湿潤剤 :濃グリセリン(6)、プロピレングリコール(0.3)、海藻エキス(1)
粘結剤 :ポリアクリル酸ナトリウム(2)
甘味剤 :キシリトール(1)
pH調整剤:乳酸ナトリウム液(0.3)、炭酸カリウム
着香剤 :香料(0.3)
研磨剤 :炭酸カルシウム(0.05)
清涼剤 :l−メントール(0.02)
抗酸化剤:テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル(0.01)、
d−δ−トコフェロール(0.01)
香味剤 :ハッカ油(0.01)
〔実施例2〕
歯磨剤として実施した実施例2は、薬用成分としてヒノキチオール抽出物質とカキタンニン抽出物質を、ほぼ1:2の割合で配合している。ヒノキチオールとカキタンニンの配合比とすると、約1:0.8である。甘味剤としてはトレハロールを使用し、研磨剤にリン酸カルシウムを使用している。以下に、実施例2の歯磨剤における組成成分と配合割合(wt%)を示す。
薬用成分:ヒノキチオール抽出物質(0.36)
カキタンニン抽出物質(0.78)
基剤 :精製水
湿潤剤 :濃グリセリン(6)、プロピレングリコール(0.3)、海藻エキス(1)
粘結剤 :ポリアクリル酸ナトリウム(2)
甘味剤 :キシリトール(1)
pH調整剤:乳酸ナトリウム液(0.3)、炭酸カリウム
着香剤 :香料(0.3)
研磨剤 :リン酸カルシウム(0.05)
清涼剤 :l−メントール(0.02)
抗酸化剤:テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル(0.01)、
d−δ−トコフェロール(0.01)
香味剤 :ハッカ油(0.01)
〔実施例3〕
歯磨剤として実施した実施例3は、薬用成分としてヒノキチオール抽出物質と高純度カキタンニン抽出物質を、ほぼ1.5:1の割合で配合している。ヒノキチオールとカキタンニンの配合比とすると、約1:1.5である。甘味剤としてはキシリトールを使用し、研磨剤にリン酸カルシウムを使用している。以下に、実施例2の歯磨剤における組成成分と配合割合(wt%)を示す。
薬用成分:ヒノキチオール抽出物質(0.36)
高純度カキタンニン抽出物質(0.2)
基剤 :精製水
湿潤剤 :濃グリセリン(6)、プロピレングリコール(0.3)、海藻エキス(1)
粘結剤 :ポリアクリル酸ナトリウム(2)
甘味剤 :キシリトール(1)
pH調整剤:乳酸ナトリウム液(0.3)、炭酸カリウム
着香剤 :香料(0.3)
研磨剤 :リン酸カルシウム(0.05)
清涼剤 :l−メントール(0.02)
抗酸化剤:テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル(0.01)、
d−δ−トコフェロール(0.01)
香味剤 :ハッカ油(0.01)
〔実施例4〕
歯磨剤として実施した実施例4は、薬用成分として化学的に合成されたヒノキチオールとカキタンニン抽出物質を、ほぼ1:3の割合で配合している。合成されたヒノキチオールは、ほぼ純粋なヒノキチオールである。ヒノキチオールとカキタンニンの配合比とすると、約1:2である。甘味剤としてはキシリトールを使用し、研磨剤にリン酸カルシウムを使用している。以下に、実施例4の歯磨剤における組成成分と配合割合(wt%)を示す。
薬用成分:合成されたヒノキチオール(0.1)
カキタンニン抽出物質(0.3)
基剤 :精製水
湿潤剤 :濃グリセリン(6)、プロピレングリコール(0.3)、海藻エキス(1)
粘結剤 :ポリアクリル酸ナトリウム(2)
甘味剤 :キシリトール(1)
pH調整剤:乳酸ナトリウム液(0.3)、炭酸カリウム
着香剤 :香料(0.3)
研磨剤 :リン酸カルシウム(0.05)
清涼剤 :l−メントール(0.02)
抗酸化剤:テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル(0.01)、
d−δ−トコフェロール(0.01)
香味剤 :ハッカ油(0.01)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態による限定は受けない。
10 ヒノキチオールの化学構造式
12 ヒノキチオールの製造過程
14 ヒバ油およびヒノキチオールの各種菌類に対する最小発育阻止濃度
16 カキタンニンの推定化学構造
18 カキタンニンの最小発育阻止濃度
20 配合比と最小発育阻止濃度



Claims (6)

  1. ヒノキチオールと、
    カキタンニンと、
    を組成成分に含み、
    前記ヒノキチオールと前記カキタンニンの少なくとも一方が、前記ヒノキチオールと前記カキタンニンを含む天然由来の抽出物質であること、
    を特徴とする歯磨剤。
  2. 前記ヒノキチオールと前記カキタンニンの重量比は、前記ヒノキチオールを1として、前記カキタンニンが、0.5〜3であること、
    を特徴とする請求項1に記載の歯磨剤。
  3. 前記ヒノキチオールを含む天然由来の抽出物質は、フェノール類からなる酸性油分と、ツヨプセン及びセスキテルペン類からなる中性油分の成分で構成されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の歯磨剤。
  4. 前記ヒノキチオールを含む天然由来の抽出物質は、青森ヒバ、台湾ヒノキ又はウエスタンレッドシダーを原材料としていること、
    を特徴とする請求項3に記載の歯磨剤。
  5. 前記カキタンニンを含む天然由来の抽出物質は、さらにビタミンCを含む成分で構成されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の歯磨剤。
  6. 前記カキタンニンを含む天然由来の抽出物質は、渋柿を原材料としていること、
    を特徴とする請求項5に記載の歯磨剤。


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