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JP2020016830A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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JP2020016830A JP2018141181A JP2018141181A JP2020016830A JP 2020016830 A JP2020016830 A JP 2020016830A JP 2018141181 A JP2018141181 A JP 2018141181A JP 2018141181 A JP2018141181 A JP 2018141181A JP 2020016830 A JP2020016830 A JP 2020016830A
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Abstract

【課題】分離板のギャップを維持するとともに、漏れ出た余剰の潤滑剤を回収する。【解決手段】本発明の定着装置は、可撓性を有する定着部材と、定着部材の外周面に当接する加圧部材と、定着部材の内側に設けられ、定着部材を加熱する熱源と、定着部材の内側に設けられ、定着部材と加圧部材との間にて定着ニップを形成するニップ形成部材と、定着ニップの記録材搬送方向出口側に設けられ、定着部材から記録材を分離する分離板とを備える。分離板は、定着する記録材の最大幅よりも外側両端部に設けられ、定着部材に当接して分離板を位置決めする位置決め部を有し、定着部材に弾性変形して当接し、潤滑剤を吸収する弾性吸収体が、定着する記録材の最大幅よりも外側両端部に、分離板と一体に設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置では、電子写真記録・静電記録・磁気記録などの画像形成プロセスにより画像が形成され、画像転写方式又は直接方式により未定着トナー画像が記録材シート・印刷紙・感光紙・静電記録紙などの記録材に形成される。記録材に未定着トナー画像を定着させる定着装置として、記録材に形成されたトナー画像を、無端の定着ベルトと加圧ローラとの間のニップ部にて加熱及び加圧し、定着処理を実施する構成が知られている。
回転するベルト(画像面、非画像面を問わず)を備える定着装置として、そのベルトの内側にニップ形成部材を設け、対向する加圧ローラによってニップを形成しつつ、ベルトとニップ形成部材を摺動させる構成が知られている。ベルトとニップ形成部材間の摺動抵抗を減らすため、それらの間に潤滑剤としてのグリスやシリコンオイルを塗布し、これを保持しながら摺動回転させる構成も知られている。
この潤滑剤は、定着立ち上げ時に直接加熱できず、低温状態では摺動抵抗が大きいため、低温でも粘度が低い(サラサラの)材質を選ぶ必要がある。しかし、連続作像時など高温状態が続くと、さらに粘度が下がった潤滑剤が、加圧ローラによる圧力でベルト端部から漏れ出すおそれがある。漏れ出した潤滑剤は、ベルト表面を汚したり、通紙される用紙の表面に付着したりする。また、加圧ローラとの間に入ってスリップさせたりするといった不具合も生じる。
これに対し、特許文献1には、記録媒体を分離する分離板24に一体に設けられたスクレーパ28により、ベルト端部から漏れ出した余剰の潤滑剤を掻き取る構成(図7)が開示されている。また、同文献の図10には、スクレーパ28に代えて分離板24に一体に設けられ、定着ベルト21の回転とともに従転するローラ部材47により、漏れ出した余剰の潤滑剤を吸着する構成が開示されている。
しかし、特許文献1の構成(図7)は、スクレーパ28によって掻き取った余剰の潤滑剤を吸収(回収)する構成を有していないので、スクレーパ28に潤滑剤が溜まりやすい。また、スクレーパ28とベルトの間は、ベルト表層キズやスクレーパの当接面キズにより、微少な隙間が生じやすく、この隙間を潤滑剤がすり抜けるおそれがある。
特許文献1には、窪み部28(図8参照)に吸着剤(フェルトなど)を設けることも記載されている。しかし、この吸着剤はすり抜けた潤滑剤を回収できないため、依然として潤滑剤はベルト内側に回り込むおそれがある。
一方、ローラ部材47を用いる構成(図10)では、潤滑剤を吸収したローラ部材47が膨張してしまうため、適切な分離ギャップが維持できなくなる。
そこで本発明は、分離板のギャップを維持するとともに、漏れ出た余剰の潤滑剤を回収できる定着装置を提供することを課題とする。
前記課題は、可撓性を有する定着部材と、前記定着部材の外周面に当接する加圧部材と、前記定着部材の内側に設けられ、前記定着部材を加熱する熱源と、前記定着部材の内側に設けられ、前記定着部材と前記加圧部材との間にて定着ニップを形成するニップ形成部材と、前記定着ニップの記録材搬送方向出口側に設けられ、前記定着部材から記録材を分離する分離板とを備える定着装置において、前記分離板は、定着する記録材の最大幅よりも外側両端部に設けられ、前記定着部材に当接して前記分離板を位置決めする位置決め部を有し、前記定着部材に弾性変形して当接し、潤滑剤を吸収する弾性吸収体が、前記定着する記録材の最大幅よりも外側両端部に、前記分離板と一体に設けられていることを特徴とする定着装置によって解決される。
本発明の定着装置は、位置決め部により分離板のギャップを維持するとともに、定着部材に当接する弾性吸収体が、漏れ出た余剰の潤滑剤を回収する。したがって、良好に定着記録材を分離できるとともに、漏れ出た潤滑剤が定着部材の長手方向内側に拡がるのを確実に防止できる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置の概略的な断面構成図である。 本発明の一実施形態に係る分離板、定着ベルト及び加圧ローラの構成を示す斜視図(その1)である。 定着ベルトと位置決め部の位置関係を説明する図3の側面図である。 定着ベルトと弾性吸収体の位置関係を説明する図3の側面拡図である。 本発明の一実施形態に係る分離板、定着ベルト及び加圧ローラの構成を示す斜視図(その2)である。 (a)は図3の変形例を示す分離部材と弾性吸収体の斜視図であり、(b)は図6の変形例を示す分離部材と弾性吸収体の斜視図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。この画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、そのプリンタ本体の中央には、中間転写ベルト30の展張方向に沿って4つの作像部4Y、4C、4M、4Kが並置して設けられている。各作像部4Y、4C、4M、4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容する以外は、同じ構成である。
具体的に、それぞれ画像ステーションを構成する各作像部4Y、4C、4M、4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6とを備えている。また、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8などを備えている。なお、図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみに色用符号を付し、その他の作像部4Y、4C、4Mにおいては符号を省略している。
作像部4Y、4C、4M、4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光を照射するようになっている。
作像部4Y、4C、4M、4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、転写体としての中間転写ベルト30と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ31と、二次転写手段としての二次転写ローラ36とを備える。さらに、転写装置3は二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33、テンションローラ34、及びベルトクリーニング装置35を備えている。
中間転写ベルト30は、無端状のベルトであり、二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33及びテンションローラ34によって張架されている。ここでは、二次転写バックアップローラ32が回転駆動することによって、中間転写ベルト30は図の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ31には、プリンタ本体の電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。
二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、一次転写ローラ31と同様に、二次転写ローラ36にもプリンタ本体の電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。
ベルトクリーニング装置35は、中間転写ベルト30に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードを有する。
プリンタ本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には補給用のトナーを収容した4つのトナーボトル2Y、2C、2M、2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y、2C、2M、2Kと各現像装置7との間には、周知のように補給路が設けられ、この補給路を介して各トナーボトル2Y、2C、2M、2Kから各現像装置7へトナーが補給されるようになっている。
一方、プリンタ本体の下部には、記録材としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11などが設けられている。ここで、記録材には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙など)、トレーシングペーパ、OHPシートなどが含まれる。また、周知のように、手差し給紙機構が設けられていてもよい。
プリンタ本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、二次転写ニップへ用紙Pを搬送する搬送手段としての一対のレジストローラ12が配設されている。
また、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。さらに、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙Pを装置外へ排出するための一対の排紙ローラ13が設けられている。また、プリンタ本体の上面部には、装置外に排出された用紙Pをストックするための排紙トレイ14が設けられている。
本実施形態に係るプリンタの基本的動作は次のようである。作像動作が開始されると、各作像部4Y、4C、4M、4Kにおける各感光体5が図の時計回りに回転駆動され、各感光体5の表面が帯電装置6によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体5の表面には、露光装置9からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、二次転写バックアップローラ32が図の反時計回りに回転駆動し、中間転写ベルト30を図の矢印で示す方向に周回走行させる。そして、各一次転写ローラ31に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。これにより、各一次転写ローラ31と各感光体5との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。
その後、各感光体5の回転に伴い、感光体5上の各色のトナー画像が一次転写ニップに達したときに、一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、各感光体5上のトナー画像が中間転写ベルト30上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト30の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。また、中間転写ベルト30に転写しきれなかった各感光体5上のトナーは、クリーニング装置8によって除去される。各感光体5の表面は、その後、除電され、表面電位が初期化される。
画像形成装置1の下部では、給紙ローラ11が回転駆動を開始し、給紙トレイ10から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、レジストローラ12によってタイミングを計られ、二次転写ローラ36と二次転写バックアップローラ32との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ36には、中間転写ベルト30上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。
その後、中間転写ベルト30の周回走行に伴って、中間転写ベルト30上のトナー画像が二次転写ニップに達したときに、そのニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト30上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。また、このとき用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト30上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置35によって除去され、除去されたトナーはプリンタ本体内に置かれた廃トナー収容器へと搬送され、回収される。
その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ13によって装置外へ排出され、排紙トレイ14上にストックされる。
以上の説明は、用紙P上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部4Y、4C、4M、4Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。
図2は、本発明の一実施形態に係る定着装置の概略的な断面構成図である。図2に示すように、定着装置20は、薄肉で可撓性を有する筒状の定着部材である無端状の定着ベルト21と、この定着ベルト21の外周面に当接する加圧部材である加圧ローラ22とを有している。定着ベルト21は、その内部(ループ内)に配された複数の定着熱源としてのハロゲンヒータ23A、23B(以下、第1ハロゲンヒータ23A、第2ハロゲンヒータ23Bともいう)の輻射熱によって加熱される。なお、ハロゲンヒータは、主たる熱源である定着熱源としての、輻射型熱源を代表するものである。
定着ベルト21の内部には、定着ベルト21を介して加圧ローラ22とで定着ニップNを形成するニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持するステー部材25(支持部材)とが配されている。定着ベルト21の幅方向に渡って配されたニップ形成部材24が、ステー部材25によって固定支持されることで、加圧ローラ22からの圧力によってニップ形成部材24に撓みが生じることを防止する。よって、加圧ローラ22の軸方向(長手方向)に渡って均一なニップ幅が得られるようになっている。
ニップ形成部材24は、機械的強度が高く耐熱温度200℃以上の耐熱性部材、特に耐熱性樹脂、例えばポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、それらをガラス繊維で強化したもので構成されている。これにより、トナー定着温度域で、熱によるニップ形成部材24の変形を防止し、安定した定着ニップの状態を確保し、出力画質の安定化を図っている。
また、ステー部材25やハロゲンヒータ23A、23Bは、その長手方向両端を、定着装置20の側板あるいは別途設けられたホルダに固定保持されている。ニップ形成部材24の長手方向両端部には、主たる熱源(定着熱源)とは別の端部熱源としての端部ヒータ26が一体に取り付けられている。端部ヒータ26としては、一般的に、セラミックセータのような抵抗発熱体である接触伝熱型熱源が用いられる。
定着ベルト21の長手方向における熱移動を容易にする均熱部材とも称される熱移動補助部材27が、ニップ形成部材24と端部ヒータ26それぞれの定着ベルト21の内周面に対向する各面を覆うように配されている。これにより、小サイズ紙通紙時や端部ヒータ26点灯時に定着ベルト21の端部領域に熱が留まることを防止して、積極的に定着ベルト21の幅方向、すなわち、熱移動補助部材27の長手方向に熱を移動させて、長手方向の温度不均一を解消させる。
そのため、熱移動補助部材27は短時間で熱移動が可能となる熱伝導率の高い材料、例えば銅(398W/mk)やアルミニウム(236W/mk)などで形成されている。図2では、熱移動補助部材27の定着ベルト21の内周面に対向する面が定着ベルト21に直接接触する面であり、ニップ形成面となっており、平坦状に形成されているが、凹形状やその他の形状であってもよい。凹形状のニップ形成面であると、用紙先端の排出方向が加圧ローラ寄りになり、分離性が向上してジャムの発生が抑制される。
周知のように、定着ベルト21の外周側の適切な位置、例えば定着ニップNのベルト回転方向上流側には、ベルト温度を検知する温度センサ29が設けられている。また、加圧ローラ22を定着ベルト21へ加圧する解除可能な加圧手段も設けられている。さらに、定着装置20の用紙搬送方向下流側には、定着ベルト21から用紙Pを分離する分離板41が配されている。この分離板41の詳細は後述する。
低熱容量化を図るため、フィルムのように薄肉で小径化した無端状の定着ベルト21は、ニッケルやSUSなどの金属材料やポリイミドなどの樹脂材料で形成された内周側の基材と、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などで形成された外周側の離型層によって構成されている。基材と離型層の間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、あるいはフッ素ゴムなどのゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。
この弾性層の厚さを100μm程度にすれば、未定着トナーを押し潰して定着させるときに弾性層の弾性変形により、ベルト表面の微小な凹凸を吸収でき、光沢ムラの発生を回避できる。低熱容量化の観点から、定着ベルト21は、全体として厚さ1mm以下に、直径20〜40mmに設定されている。そして、定着ベルト21を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さは、20〜50μm、100〜300μm、10〜50μmの範囲に設定されている。
さらに低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト21全体の厚さを0.2mm以下にするのがよく、さらに望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよく、直径は30mm以下とするのが望ましい。
断面T字状のステー部材25は定着ニップN側と反対側が起立した起立部25aを有しており、主たる熱源としてのハロゲンヒータ23A、23Bが起立部25aによって隔てられるように配置されている。ハロゲンヒータ23A、23Bは、一方が小サイズ紙に対応した長手方向中央部に発熱部を有するものであり、他方が大サイズ紙に対応して長手方向両端部に発熱部を有するものである。
ハロゲンヒータ23A、23Bは、プリンタ本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されており、その出力制御は、定着ベルト21の外周に設けられた温度センサ29によるベルト表面の温度検知結果に基づいて行われる。このようなヒータの出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。
また、ステー部材25とハロゲンヒータ23A、23Bの間には反射部材28A、28Bが配されている。これにより、ハロゲンヒータ23A、23Bの定着ベルト21に対する加熱効率を上げるとともに、ハロゲンヒータ23A、23Bからの輻射熱によりステー部材25が加熱されることによる無駄なエネルギー消費を抑制できる。反射部材28A、28Bを備える代わりに、ステー部材25表面に断熱若しくは鏡面処理を行っても同様の効果を得ることができる。
加圧ローラ22は、芯金と、芯金の表面に設けられた発泡性シリコーンゴムやフッ素ゴムなどから成る弾性層と、弾性層の表面に設けられたPFAやPTFEなどから成る離型層によって構成されている。バネなどの加圧手段により加圧ローラ22が定着ベルト21に押し付けられ定着ベルト21と圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層が押し潰されることで、所定幅の定着ニップNが形成される。
加圧ローラ22は、プリンタ本体に設けられたモータなどの駆動源によって回転駆動する。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力が定着ニップNで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転する。定着ベルト21は定着ニップNで挟み込まれて回転し、定着ニップN以外では両端部に配された側板フランジにガイドされ、走行する。
本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータなどの熱源を配設してもよい。弾性層はソリッドゴムでもよいが、加圧ローラの内部に熱源が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。
続いて、本発明の特徴的構成について説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る分離板、定着ベルト及び加圧ローラの構成を示す斜視図(その1)である。図3において、図2と同一物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。また、説明の都合上、一方の端部を説明するが、他端も同様の構成を備えてよい。
図3に示すように、無端状の定着ベルト21の外周面に加圧ローラ22が当接し、定着ニップを形成している。また、定着時に搬送される記録材の最大幅は、加圧ローラ22の両端よりも内側にある。
定着ニップの記録材搬送方向出口側に、定着ベルト21から記録材を分離する分離板41が設けられている。分離板41は、回転軸42を中心に回転可能に支持され、ねじりコイルバネといった付勢手段により、定着ベルト21に向かう方向へ付勢力(回転力T)が付勢されている。また分離板41は、端部(定着する記録材の最大幅よりも外側両端部)に切り曲げが施され、定着ベルト21に対向して鈍角に曲げられた面で構成される位置決め部41aを有する。
図4は、定着ベルトと位置決め部の位置関係を説明する図3の側面図である。図4に示すように、位置決め部41aは、先端エッジ41dを避けて定着ベルト21に当接しており、また、表層にフッ素材などの低摩擦材コーティングが施されている。そのため、定着ベルト21を傷つけることなく、低負荷で摺動接触できる。
一方、エッジ41cは、定着ベルト21から分離ギャップGでもって離間した位置にある。エッジ41cは、定着ニップを抜けた記録材の先端に入り込み、その記録材を定着ベルト21から分離して搬送する。分離ギャップGが小さい方が、腰の弱い薄紙であっても、定着ベルト21への巻き付きを防止し、定着ベルト21から剥がして分離できる。そのため、エッジ41cには、面取りや段付き切削、又は薄板の溶接などを施し、分離ギャップGを抑えることが好ましい。
図3に戻り、説明を続ける。さらに分離板41は、位置決め部41aよりも長手方向内側に形成された切欠き部44を有する。そして、潤滑剤を吸収する弾性吸収体45が、位置決め部41aの切り曲げの逃げ部分46において、分離板41と一体に設けられている。これにより、弾性吸収体45は、切欠き部44を介して定着ベルト21に当接する。
弾性吸収体45は、適度な弾性力(柔軟性)を有し、漏れ出た潤滑剤を吸収できる部材で構成することが望ましい。一例として、フェルト材や発泡シリコーンゴムを用いることができる。また、この弾性吸収体45は、加圧ローラ22の両端よりも長手方向外側に設けられていること、すなわち、加圧ローラ22の幅は、弾性吸収体45よりも長手方向内側にあることが望ましい。これにより、漏れた潤滑剤が加圧ローラ22を介して記録材に至るのを防止できる。
なお、弾性吸収体45は、分離板41の平面部に貼付けしてもよいし、又は図示しない引っ掛けなどで弾性吸収体45の弾性力を利用して嵌合してもよい。
図5は、定着ベルトと弾性吸収体の位置関係を説明する図3の側面拡大図である。図5に示すように、弾性吸収体45の定着ベルト21に対向する面は、少なくとも一部が位置決め部41aの定着ベルト21に対向する面よりも、定着ベルト21側に突出している(凸部47)。付勢手段による回転力Tが作用すると、この凸部47が圧縮されて潰れ、位置決め部41aは定着ベルト21の表面に当接する。すなわち、弾性吸収体45は定着ベルト21に弾性変形して当接し、また、分離板41は、位置決め部41aによって定着ベルト21に対し位置決めされる。
本実施形態の定着装置20において、記録材の分離は次のように行われる。図3に示すように、まず、加圧ローラ22が図中矢印A1方向に回転すると、その回転力によって、定着ベルト21が図中矢印A2方向に連れ回される。そして分離板41の位置決め部41aが、定着ベルト21の表面に(摺動しながら)当接するため、分離板41のエッジ41cは定着ベルト21に対し、分離ギャップG(図4参照)の間隔をもって位置決めされる。
ここで、連続通紙などにより装置の高温状態が続き、粘度が下がった潤滑剤が加圧ローラ22による圧力で定着ベルト21の端部から漏れ出たとする。漏れ出た潤滑剤は粘性が低いため、定着ベルト21の表面を幅方向内側(図中矢印B1方向)に伝って、位置決め部41aの接触面にまで到達する。ここで潤滑剤の一部は、位置決め部41aの接触面から先端エッジ41dに回り込み、掻き取られる。なお、これを「先端への回り込み潤滑剤」という。
一方、掻き取られなかった潤滑剤は定着ベルト21の幅方向内側にさらに拡がり、続いて弾性吸収体45の接触面に到達する。この潤滑剤はここで弾性吸収体45に吸収され、その内部を矢印方向(図中矢印B2方向)に移動する。
また、付勢手段は、回転力Tにより潤滑剤を吸収した弾性吸収体45を圧縮し、位置決め部41aを定着ベルト21に当接させる。したがって、弾性吸収体45に潤滑剤が溜まっても、所定の分離ギャップGは維持される。
これら潤滑剤が掻き取られた後も、位置決め部41aの接触面には潤滑剤が極薄く留まる。しかし、位置決め部41aと定着ベルト21との摺動抵抗を減らすには好適であり、薄膜状であれば、分離ギャップGの増大も避けられる。
このように、本実施形態の定着装置20は、潤滑剤が吸収されても分離ギャップGを維持できるとともに、漏れ出た余剰潤滑剤を吸収(確実に回収)できる。したがって、良好に定着記録材を分離できるとともに、漏れ出た潤滑剤が定着ベルト21の内側に拡がるのを確実に防止できる。
また、次のような有利な点もある。一般に、スクレーパ(分離板41)とベルトは、スクレーパ当接面キズやベルト表層キズによって両者に微小な隙間が発生し易く、この隙間を潤滑剤がすり抜けると、掻き取りできなくなる。それに対し、本実施形態の定着装置20は、弾性吸収体45が定着ベルト21に弾性変形して当接しているため、確実に漏れ潤滑剤を回収できる。したがって、スクレーパ当接面キズやベルト表層キズなどの劣化にも対応できる。
図6は、本発明の一実施形態に係る分離板、定着ベルト及び加圧ローラの構成を示す斜視図(その2)である。図6において、図3と同一物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
弾性吸収体45の設置箇所は、位置決め部41aの長手方向内側に限らない。図6に示すように、位置決め部41aの長手方向外側に切欠き部44aを形成し、その切欠き部44aを介して弾性吸収体45を定着ベルト21に当接させてもよい。
弾性吸収体45は接触抵抗が少ないので定着ベルト21の端部や図示しない定着ユニット側板などに接触していても問題ない。このため、弾性吸収体45の幅を図6よりさらに外側に拡げれば、定着ベルト21の端部や側板に漏れた潤滑剤を、より効率よく回収できる。
図7(a)は図3の変形例を示す分離部材と弾性吸収体の斜視図であり、図7(b)は図5の変形例を示す分離部材と弾性吸収体の斜視図である。図7において、図3、6と同一物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図7(a)、(b)において、弾性吸収体45a、45bは、それぞれ切欠き部を介して定着ベルト21に当接するとともに、分離板41の位置決め部41aを覆って設けられている。すなわち、位置決め部41aの定着ベルト21との当接面に対し、反対側の面を覆って設けられている。これにより、上記した「先端への回り込み潤滑剤」も吸収でき、潤滑剤の拡散を確実に抑えることができる。
以上、実施形態を用いて本発明を詳細に説明した。この実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して使用できる。
例えば、本発明に係る定着装置は、図1に示すカラーレーザープリンタに限らず、モノクロ画像形成装置や、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機に搭載できる。
1 画像形成装置
2 ボトル収容部
2Y、2M、2C、2K トナーボトル
3 転写装置
4Y、4M、4C、4K 作像部
5 感光体
6 帯電装置
7 現像装置
8 クリーニング装置
9 露光装置
10 給紙トレイ
11 給紙ローラ
12 レジストローラ
13 排紙ローラ
14 排紙トレイ
20 定着装置
21 定着ベルト
22 加圧ローラ
23A 第1ハロゲンヒータ
23B 第2ハロゲンヒータ
24 ニップ形成部材
25 ステー部材
25a 起立部
26 端部ヒータ
27 熱移動補助部材
28A、28B 反射部材
29 温度センサ
30 中間転写ベルト
31 一次転写ローラ
32 二次転写バックアップローラ
33 クリーニングバックアップローラ
34 テンションローラ
35 ベルトクリーニング装置
36 二次転写ローラ
41 分離板
41a 位置決め部
41c エッジ
41d 先端エッジ
42 回転軸
44、44a 切欠き部
45、45a、45b 弾性吸収体
46 逃げ部分
47 凸部
A1、A2、B1、B2 矢印
G 分離ギャップ
N 定着ニップ
P 用紙(記録材)
R 搬送路
T 回転力
特開2011−043666号公報

Claims (13)

  1. 可撓性を有する定着部材と、
    前記定着部材の外周面に当接する加圧部材と、
    前記定着部材の内側に設けられ、前記定着部材を加熱する熱源と、
    前記定着部材の内側に設けられ、前記定着部材と前記加圧部材との間にて定着ニップを形成するニップ形成部材と、
    前記定着ニップの記録材搬送方向出口側に設けられ、前記定着部材から記録材を分離する分離板と
    を備える定着装置において、
    前記分離板は、定着する記録材の最大幅よりも外側両端部に設けられ、前記定着部材に当接して前記分離板を位置決めする位置決め部を有し、
    前記定着部材に弾性変形して当接し、潤滑剤を吸収する弾性吸収体が、前記定着する記録材の最大幅よりも外側両端部に、前記分離板と一体に設けられていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記分離板を付勢し、前記位置決め部を前記定着部材に当接させる付勢手段を備え、
    前記弾性吸収体は、前記定着部材に圧縮されて当接していることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記付勢手段による付勢力がない場合、前記弾性吸収体の前記定着部材に当接する面は、前記位置決め部の前記定着部材に当接する面よりも前記定着部材側に突出していることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記付勢手段は、前記潤滑剤を吸収した前記弾性吸収体を圧縮し、前記位置決め部を前記定着部材に当接させることを特徴とする請求項2又は3に記載の定着装置。
  5. 前記分離板は、前記定着する記録材の最大幅よりも外側両端部に形成された切欠き部を有し、前記弾性吸収体は、前記切欠き部を介して前記定着部材に当接することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の定着装置。
  6. 前記切欠き部は、前記位置決め部よりも長手方向内側に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記切欠き部は、前記位置決め部よりも長手方向外側に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  8. 前記弾性吸収体は、さらに前記分離板の前記位置決め部を覆って設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の定着装置。
  9. 前記弾性吸収体は、前記加圧部材の両端よりも長手方向外側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の定着装置。
  10. 前記弾性吸収体は、フェルト材で構成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の定着装置。
  11. 前記弾性吸収体は、発泡シリコーンゴムで構成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の定着装置。
  12. 前記加圧部材の回転力により、前記定着部材が連れ回されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の定着装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の定着装置を備える画像形成装置。
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