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JP2019510581A - 移植可能な眼薬送達デバイス - Google Patents

移植可能な眼薬送達デバイス Download PDF

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JP2019510581A JP2018552186A JP2018552186A JP2019510581A JP 2019510581 A JP2019510581 A JP 2019510581A JP 2018552186 A JP2018552186 A JP 2018552186A JP 2018552186 A JP2018552186 A JP 2018552186A JP 2019510581 A JP2019510581 A JP 2019510581A
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Abstract

治療剤の持続放出のためのリザーバを有する移植可能デバイスが記載される。デバイスは、少なくとも部分的に眼に移植されるように構成され、ならびに、保持構造および貫通可能な要素を包含し、貫通可能な要素は、デバイスの近位端領域の少なくとも一部に結合され、その中に延伸する。デバイスは、デバイスの排出口と流体連結して配置される多孔性薬物放出要素、および、1以上の治療剤を含有するように構成された体積を有し、多孔性薬物放出要素を通して排出口と流体連結しているリザーバを包含する。デバイスは、挿入の軸に沿って少なくとも部分的に挿入される。

Description

優先権出願への相互参照
本願は、2016年4月5日に出願された、「移植可能な眼薬送達デバイス」と題する米国仮出願第62/318,582号の優先権を主張し、その全体の内容は、その全体において参照によって本明細書に取り込まれる。
分野
本技術は、移植可能な眼薬送達デバイスに一般に関し、より具体的には、眼における改良された保持を有する詰め替え可能で移植可能な眼薬送達デバイスに関する。
背景
視力に影響を与える疾患は、多様な治療剤で処置され得るが、薬物の眼への送達は、課題であり続ける。眼を介した治療の注入は、痛みを伴い得、および、感染、出血および網膜剥離のいくらかのリスクを伴い得る。頻度に応じて、眼内注入は、患者と医師の両方にとって時間がかかり得る。その結果、少なくともいくつかの例において、薬物は、処方された頻度よりも少なく投与されるかもしれず、次善の処置利益という結果になる。さらに、ボーラス(bolus)眼内注入は、理想的な薬物動態および薬力学を提供しないかもしれない。患者の硝子体液への薬物のボーラス注入は、ピーク薬物濃度が所望の治療量よりも数倍高いという結果になり得、そして患者が次の注入を得る前に、治療効果よりもかなり下の薬物濃度に落ち得る。
概要
強膜を通じて少なくとも部分的に眼に移植されるように構成される薬物送達デバイスが記載される。ある側面において、薬物送達デバイスは、デバイスの近位端領域の近傍に配置され、デバイス中へのアクセスポートを定義する保持構造を包含する。デバイスは、デバイスの近位端領域の少なくとも一部に結合され、その中に延伸する貫通可能な要素、および、デバイスの排出口と流体連結して配置される多孔性薬物放出要素を包含する。デバイスは、1以上の治療剤を含有し、多孔性薬物放出要素を通して排出口と流体連結するように構成された体積を有するリザーバを包含する。デバイスは、挿入の軸に沿って眼中へ少なくとも部分的に挿入されるように構成される。リザーバは、第1三次元形状を有する挿入構成から第2三次元形状を有する拡張された構成に拡大するように構成され得る。
拡張された構成におけるリザーバの体積の第一の部分は、眼の水晶体から離れて拡大し得、および、体積の残余部分よりも大きくなり得る。第1部分および残余部分は、それぞれ眼の視軸の外側にあり続け得る。リザーバは、Non−Compliant材料で形成され得る。リザーバのNon−Compliant材料は、第1三次元形状から第2三次元形状へ拡大し得るが、第2三次元形状を超えて伸びない。リザーバの近位端は、拡張された構成におけるとき、眼の貫通部位を囲む1以上の内部組織表面からある距離で分離され得る。デバイスは、拡張された構成において視軸の外側にあり続け得る。
デバイスは、デバイスの近位端領域からデバイスの遠位端領域に延伸する縦軸を有する、引き延ばされたコア要素をさらに包含し得る。薬物放出要素は、デバイスの遠位端領域の近傍で引き延ばされたコア要素に結合され得、および、保持構造は、デバイスの近位端領域の近傍で引き延ばされたコア要素に結合され得る。引き延ばされたコア要素は、内腔、および、引き延ばされたコア要素の壁を通して延伸する1以上の開口を包含し得る。引き延ばされたコア要素の内腔は、1以上の開口を通してリザーバ体積と流体連結し得る。1以上の開口は、デバイス中へ注入される材料の流れをリザーバ体積中へ向け得る。引き延ばされたコア要素は、円筒形を有し得、および、1以上の開口を通して流れを向けるフローディレクタ(flow director)をさらに包含し得る。フローディレクタは、漏斗形状の領域によって第2円筒領域に結合される第1円筒領域を包含し得る。第1円筒領域は、第2円筒領域よりも大きな断面直径を有し得る。フローディレクタは、引き延ばされたコア要素の内腔内に配置される貫通可能な障壁を包含し得る。貫通可能な障壁は、内腔を密閉し得る。
第2三次元形状は、挿入の軸に相対的に偏心して配置され得る。デバイスが第1三次元形状においてあるとき、デバイスの遠位端領域は、挿入の軸で整列され得る。デバイスが第2三次元形状にあるとき、デバイスの遠位端領域は、挿入の軸で整列される必要はない。第2三次元形状は、曲線の形状であり得、眼の視軸の外側にあり続け、および、貫通部位に隣接する眼の内部表面との接触を避ける。第2三次元形状は、対称または非対称であり得る。
リザーバは、Non−Compliant材料で形成され得る。リザーバのNon−Compliant材料は、デバイスが挿入構成にあるとき、引き延ばされたコア要素の周りで潰れ、体積を1以上の治療剤で満たす前に第1三次元形状を形成する。リザーバのNon−Compliant材料は、デバイスが拡張された構成にあるとき、引き延ばされたコア要素から離れて拡大し得、1以上の治療剤で体積を充填すると第2三次元形状を形成する。
保持構造は、眼およびネックの強膜の外側に延伸するように構成された近位フランジ要素を包含し得る。ネックは、眼の強膜における貫通部位を通して延伸するように構成された近位領域、および、眼の強膜の内側に延伸する遠位延伸部を有し得る。リザーバの近位端は、保持構造の内側表面と肩の上面との間の領域において強膜組織を捕捉するように構成された肩を形成し得る。近位領域は、強膜を通して貫通部位に合うように、断面に沿った大きさにし得、それによって近位領域は、遠位延伸部と比較して狭くされる。ネックの近位領域は、主軸寸法および副軸寸法を有し得る。貫通可能な要素は、ネックの近位領域において配置され得る。副軸寸法は、約1.5mmから約2.6mmの間であり得る。貫通可能な要素は、ネックの近位領域に対して遠位のネックの遠位延伸部において配置され得る。副軸寸法は、約1.0mmから約1.3mmの間であり得る。主直径は、それを通じてリザーバが移植される切開の長さ以下に限定され得る。ネックの近位領域は、実質的に円筒状である断面形状を有し得、および、リザーバ中へ近位領域を通して延伸するアクセスポートは、実質的に円筒状である。ネックの近位領域は、主直径のいずれかの側上に、一対の外の挟まれた領域を形成する実質的にレンズ状の断面形状を有し得る。断面形状は、フランジの下側から約0.50mmから、フランジの下側から約1.0mmの間で取られる断面によって形成され得る。ネックの近位領域は、張り出し得、および、リザーバ中へ近位領域を通して延伸するアクセスポートは、テーパー状にされ得る。近位領域は、保持構造の下側から、少なくとも約0.3mmから約0.7mmである遠位延伸部への長さを有し得る。近位領域を横切る副軸寸法は、約1.0mmから約1.2mmの間であり得る。貫通可能な要素は、ネックの遠位延伸部において配置され得、それによって貫通可能な要素の大部分は、ネックの近位領域に遠位に位置づけられる。
いくつかの変形において、上記の方法、装置、デバイス、およびシステムにおけるいずれの可能な組み合わせにおいても、以下の1以上が選択的に包含され得る。デバイス、システム、および方法のより詳細は、以下の付随の図面および記載において明らかにされる。他の特徴および利点は、記載および図面から明らかだろう。
図面の簡単な説明
これらのおよび他の側面は、今、以下の図面を参照して詳細に記載されるだろう。一般的に言えば、図は、絶対的または比較的に縮尺に合わないが、図示的であることが意図される。また、特徴および要素の相対的な配置は、図示上の明確性の目的のために修正されてもよい。
図1は、ヒトの眼の一部の断面概略図である; 図2は、眼の一部の部分的な断面概略図であり、挿入の軸Aに沿って眼の強膜内に少なくとも部分的に移植される治療デバイスの実装を有する; 図3は、眼の一部の部分的な断面概略図であり、挿入の軸Aに沿って眼の強膜内に少なくとも部分的に移植される治療デバイスの他の実装を有する; 図4は、眼の一部の部分的な断面概略図であり、挿入の軸Aに沿って眼の強膜内に少なくとも部分的に移植される治療デバイスの他の実装を有する; 図5は、眼の一部の部分的な断面概略図であり、挿入の軸Aに沿って眼の強膜内に少なくとも部分的に移植される治療デバイスの他の実装を有する;
図6は、図5の治療デバイスの断面図である; 図7は、図5の治療デバイスの断面図である; 図8は、図5の治療デバイスの断面図である; 図9は、図5の治療デバイスの上視図である; 図10は、治療デバイスの他の実装の断面図であり、フローディレクタの実装を有する;
図11は、治療デバイスの他の実装の断面図であり、フローディレクタの他の実装を有する; 図12は、治療デバイスの他の実装の断面図である; 図13は、治療デバイス上のフランジ要素の実装の部分的な断面透視図である; 図14は、拡張可能な治療デバイスの他の実装の様々な図を図示する; 図15は、拡張可能な治療デバイスの他の実装の様々な図を図示する; 図16は、拡張可能な治療デバイスの他の実装の様々な図を図示する;
図17は、拡張可能な治療デバイスの他の実装の様々な図を図示する; 図18は、拡張可能な治療デバイスの他の実装の様々な図を図示する; 図19Aは、治療デバイスを充填するために挿入されるデバイスの連続的な図を図示する; 図19Bは、治療デバイスを充填するために挿入されるデバイスの連続的な図を図示する; 図19Cは、治療デバイスを充填するために挿入されるデバイスの連続的な図を図示する; 図19Dは、治療デバイスを充填するために挿入されるデバイスの連続的な図を図示する;
図20Aは、折り畳みの様々なステージにおける拡張可能な非対称リザーバを有する、処置デバイスの実装の概略的な上視図である; 図20Bは、折り畳みの様々なステージにおける拡張可能な非対称リザーバを有する、処置デバイスの実装の概略的な上視図である; 図20Cは、折り畳みの様々なステージにおける拡張可能な非対称リザーバを有する、処置デバイスの実装の概略的な上視図である; 図20Dは、折り畳みの様々なステージにおける拡張可能な非対称リザーバを有する、処置デバイスの実装の概略的な上視図である; 図20Eは、折り畳みの様々なステージにおける拡張可能な非対称リザーバを有する、処置デバイスの実装の概略的な上視図である; 図20Fは、折り畳みの様々なステージにおける拡張可能な非対称リザーバを有する、処置デバイスの実装の概略的な上視図である; 図21Aは、処置デバイスでの使用のためのプライミングツール(priming tool)である; 図21Bは、図21Aにおけるプライミングツールの遠位端の、および、そこで保持される、拡張されていない構成における処置デバイスを有する、クローズアップ図である; 図21Cは、流体をプライムされた(primed)処置デバイスを保持する、図21Bのプライミングツールの透視図である; 図21Dは、プライムされた処置デバイスを解放する、プライミングツールの遠位端の詳細図である;
図22Aは、挿入ツールの実装の遠位端を図示する; 図22Bは、プライミングツールと結合される図22Aの挿入ツールを図示する; 図23Aは、挿入ツールの実装の遠位端領域の詳細図である; 図23Bは、挿入ツールの実装の遠位端領域の詳細図である; 図23Cは、処置デバイスの近位端と結合される、図23A〜図23Bの挿入ツールの遠位端領域の詳細図である; 図23Dは、処置デバイスの近位端と結合される、図23A〜図23Bの挿入ツールの遠位端領域の詳細図である; 図23Eは、処置デバイスの近位端と結合される、図23A〜図23Bの挿入ツールの遠位端領域の詳細図である;
図24Aは、移植の様々なステージにおける、処置デバイスと結合された挿入ツールを図示する; 図24Bは、移植の様々なステージにおける、処置デバイスと結合された挿入ツールを図示する; 図24Cは、移植の様々なステージにおける、処置デバイスと結合された挿入ツールを図示する; 図24Dは、移植の様々なステージにおける、図24A〜図24Cの挿入ツールの詳細図である; 図24Eは、移植の様々なステージにおける、図24A〜図24Cの挿入ツールの詳細図である; 図24Fは、移植の様々なステージにおける、図24A〜図24Cの挿入ツールの詳細図である; 図24Gは、図24D〜図24Fの挿入ツールの、部分的に分解された詳細透視図である;
図25は、再充填針およびハブの透視図である;および 図26Aは、処置デバイスの様々な実装の遠位端領域断面図である。 図26Bは、処置デバイスの様々な実装の遠位端領域断面図である。 図26Cは、処置デバイスの様々な実装の遠位端領域断面図である。 図27Aは、副軸寸法に沿った処置デバイスの実装の上端領域の断面図である。 図27Bは、主軸寸法に沿った処置デバイスの実装の上端領域の断面図である。 図28Aは、副軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の断面図である。 図28Bは、主軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の断面図である。 図29Aは、副軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の断面図である。 図29Bは、主軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の断面図である。
図30Aは、副軸寸法に沿った処置デバイスの実装の上端領域の断面図である。 図30Bは、主軸寸法に沿った処置デバイスの実装の上端領域の断面図である。 図31Aは、主軸寸法に沿った処置デバイスの実装の上端領域の側面図である。 図31Bは、副軸寸法に沿った処置デバイスの実装の上端領域の側面図である。 図32Aは、主軸寸法に沿った処置デバイスの実装の上端領域の側面図である。 図32Bは、副軸寸法に沿った処置デバイスの実装の上端領域の側面図である。 図33Aは、副軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の側面図である。 図33Bは、主軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の側面図である。 図34Aは、副軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の側面図である。 図34Bは、主軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の側面図である。
図35Aは、副軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の側面図である。 図35Bは、主軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の側面図である。 図35Cは、図35Aの上端領域の断面図である。 図36は、処置デバイスの様々な実装のフランジからの変化する距離の外周および副直径長さの比較である。 図37Aは、強膜下に移植されるように構成された処置デバイスの実装を示す。 図37Bは、強膜下に移植されるように構成された処置デバイスの実装を示す。 図37Cは、強膜下に移植されるように構成された処置デバイスの実装を示す。 図37Dは、強膜下に移植されるように構成された処置デバイスの実装を示す。 図38Aは、強膜下に移植されるように構成された処置デバイスの他の実装の様々な図を示す。 図38Bは、強膜下に移植されるように構成された処置デバイスの他の実装の様々な図を示す。 図38Cは、強膜下に移植されるように構成された処置デバイスの他の実装の様々な図を示す。 図38Dは、強膜下に移植されるように構成された処置デバイスの他の実装の様々な図を示す。 図38Eは、強膜下に移植されるように構成された処置デバイスの他の実装の様々な図を示す。
図39Aは、本明細書に記載された処置デバイスでの使用のための保持機構の実装の様々な図を示す。 図39Bは、本明細書に記載された処置デバイスでの使用のための保持機構の実装の様々な図を示す。 図39Cは、本明細書に記載された処置デバイスでの使用のための保持機構の実装の様々な図を示す。 図39Dは、本明細書に記載された処置デバイスでの使用のための保持機構の実装の様々な図を示す。 図39Eは、本明細書に記載された処置デバイスでの使用のための保持機構の実装の様々な図を示す。 図40Aは、副軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の側面図である。 図40Bは、主軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の側面図である。 図40Cは、図40Bの上端領域の断面図である。 図41Aは、副軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の側面図である。 図41Bは、主軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の側面図である。 図41Cは、図41Bの上端領域の断面図である。 図42Aは、副軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の側面図である。 図42Bは、主軸寸法に沿った処置デバイスの他の実装の上端領域の側面図である。 図42Cは、図42Bの上端領域の断面図である。
詳細な説明
疾患の処置用の1以上の治療剤を送達するための移植可能デバイス、システムおよび使用方法が、本明細書に記載される。本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、リザーバ体積および容量を最大化する一方、全体的なデバイス侵襲性および眼の生体構造および視力上の影響を最小化する。いくつかの実装において、本明細書に記載されるデバイスは、拡張可能なリザーバを包含し、拡張可能なリザーバは、例えば強膜を通した眼中への最小侵襲性送達のための第1構成に圧縮され得、および、眼における移植に続いて治療剤で満たすと、第2の拡大された構成に拡張され得る。第2構成のとき、リザーバは、眼の視軸に干渉することを回避し得、ならびに損傷および視力への影響を回避するために眼のある解剖構造から安全な距離だけ離れてあり続け得る。
本明細書に記載されるとおり、いくつかの実装において、拡張された構成における拡張可能なリザーバは、偏心性の、非対称な、さもなければ眼組織へのデバイスの配置の軸、例えば強膜を通した挿入の軸からオフセットされた、形状を呈する。このオフセットは、リザーバの拡張された体積の大部分が、眼の前部のある重大な構造、例えば水晶体、毛様体、脈絡膜、網膜、ならびに強膜から離れて向けられること、および、それを通してデバイスが挿入される内部組織層を囲むことという結果になり得る。他の実装において、拡張された構成における拡張可能なリザーバは、デバイスの中心軸と対称に、または同軸であり続け得るが、デバイスの少なくとも一部が曲げられ、角度をつけられ、さもなければ挿入の軸に相対的にオフセットされるような形状になり得る。例えば、拡張されたリザーバは、弧の形状または挿入の軸に相対的な他の曲線形状になり得る。代替的に、拡張されたリザーバは、挿入の軸に相対的な角度を形成するための形状になり得る。これらの実装において、まだ視軸の外側にあり続け、または著しく視野に影響を与える一方で、デバイスの全体的な長さは、長くされ得る。本明細書に記載されるデバイスのこれらのおよび他の特徴は、以下でより詳細に記載されるだろう。
本明細書に記載されるデバイスおよびシステムが、本明細書に記載される多様な特徴のいずれも取り込み得ること、および、本明細書に記載されるデバイスおよびシステムの1つの実装の要素または特徴が、代替的に、または本明細書に記載されるデバイスおよびシステムの他の実装の要素または特徴、ならびに米国特許番号第8,399,006号;米国特許番号第8,623,395号;PCT特許公開番号WO2012/019136号;PCT特許公開番号WO2012/019047号;PCT特許公開番号WO2012/065006号;および米国公開番号第2016/0128867号;そこでの参照によって本明細書に取り込まれる全体の開示に記載される様々なインプラントおよび特徴との組み合わせにおいて取り込まれ得ることが、認識されるべきである。例えば、本明細書に記載される拡張可能なリザーバは、デバイスまたはシステムの様々な実装のいずれとも使用されてもよい。様々な組み合わせは、本明細書において考慮されることになるが、簡潔のために、これらの組み合わせの各々の明示的な記載は省略されてもよい。加えて、デバイスの移植およびアクセスのための異なる方法が、本明細書に記載される。様々なインプラントは、多様な異なる方法にしたがって、および、多様な異なるデバイスおよびシステムを使用して、移植され得、充填され得、再充填され得るなどする。様々なデバイスがどのように移植され、および、アクセスされてもよいかのいくつかの代表的な記載は提供されるが、簡潔のために、各インプラントまたはシステムに関する各方法の明示的な記載は、省略されてもよい。
本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、眼の多くの位置に配置され得、および、図に示されるとおりまたは本明細書に記載されるとおり具体的に移植される必要がないことも、認識されるべきである。本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、延長された期間の間、以下の1以上の組織:眼内、血管内、関節内、髄腔内、心膜、管腔内および腹腔内に、治療剤(単数および複数)を送達するように使用され得る。眼への処置の送達について具体的な参照が以下でなされるが、眼の状態以外の医学的状態も、本明細書に記載されるデバイスおよびシステムで処置され得ることもまた、認識されるべきである。例えば、デバイスおよびシステムは、炎症、感染、およびがん性増殖用の処置を送達し得る。いずれの数の薬物の組み合わせも、本明細書に記載されるデバイスおよびシステムのいずれも使用して送達され得る。
本明細書に記載される材料、化合物、組成物、物品、および方法は、開示される主題およびそこにおいて包含される例の具体的な側面の以下の詳細な記載への参照によって、より容易に理解されてもよい。本材料、化合物、組成物、物品、デバイス、および方法が開示され、および記載される前に、以下に記載される側面は、具体的な方法または具体的な試剤に限られず、同様に変化してもよいことが理解されることになる。本明細書で使用される用語法は、特定の側面を記載することのみの目的のためであり、限定することは意図されないことも理解されることになる。
定義
他のとおり定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、発明(単数および複数)が属する分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書の全体の開示の至る所で参照されたすべての特許、特許出願、公開された出願および公報、ウェブサイトおよび他の公開された材料は、他のとおり注記されない限り、それらの全体において参照によって取り込まれる。本明細書の用語に複数の定義がある際において、このセクションにおける用語は、優先する。参照がURLまたは他のかかる識別子もしくはアドレスになされるとき、かかる識別子は変わり得、および、インターネット上の特定の情報は移り変わり得るが、同等の情報は、知られており、および、インターネットおよび/または適切なデータベースを検索することなどによって容易にアクセスされ得ることが理解される。そこでの参照は、かかる情報の利用可能性および公共の普及を証明する。
本明細書で使用されるとおり、前、後、近位、遠位、横方向(lateral)、中間、矢状方向、冠状、横(transverse)などの、相対的な方向を表す用語は、本開示の至る所で使用される。かかる用語法は、デバイスおよびデバイスの特徴を記載する目的のためであり、限定されることは意図されない。例えば、本明細書で使用されるとおり、「近位」は一般的に、デバイスのインプラントを行うユーザーに最も近く、かつ移植のターゲット位置から最も遠いことを意味し、一方、「遠位」は、患者にデバイスのインプラントを行うユーザーから最も遠く、かつ移植のターゲット位置に最も近いことを意味する。
本明細書で使用されるとおり、疾患または不調は、例えば感染または遺伝的欠陥の結果であり、識別可能な症状によって特徴づけられる、生体の病理学的状態を参照する。
本明細書で使用されるとおり、処置は、状態、不調または疾患の症状が改善され、さもなければ有益に変化するいずれの仕方も意味する。処置はまた、本明細書に記載され、および提供されるデバイスのいずれの医薬用途も網羅する。
本明細書で使用されるとおり、特定の医薬組成物の投与などによる特定の不調の症状の改善または緩和は、恒久でも一時的でも、持続的でも過渡的でも、組成物の投与に帰し得、または関し得るいずれの軽減も参照する。
本明細書で使用されるとおり、特定の疾患を処置するための化合物の有効量は、疾患に関する症状を改善し、または何らかの方法で減少させるのに十分な量である。かかる量は、単一の用量として投与され得、または、効果のあるレジメンにしたがって投与され得る。その量は、疾患を治し得るが、典型的に、疾患の症状を改善するために投与される。反復投与は、症状の所望の改善を達成するために要求され得る。医薬的有効量、治療的有効量、生物学的有効量および治療量は、所望の結果、すなわち量的でも質的でも治療効果を達成するのに十分な治療剤の量を参照するために、本明細書で互換的に使用される。特に、in vivoの医薬的有効量は、被検体における(病理学的、臨床的、生化学的および同種のものなどの)望ましくない効果の減少、遅延、または除去という結果になる量である。
本明細書で使用されるとおり、持続放出は、延長された期間の間の、治療剤の有効成分の有効量の放出を網羅する。持続放出は、有効成分の1次放出、有効成分のゼロ次放出、またはゼロ次および1次、もしくはその組み合わせの中間などの放出の他の動態を網羅してもよい。持続放出は、多孔性構造に渡って濃度勾配により駆り立てられる受動的な分子拡散を経由して、治療剤の制御された放出を網羅してもよい。
本明細書で使用されるとおり、被検体は、診断、スクリーニング、監視または処置が予期されるいずれの動物も包含する。動物は、霊長類および飼育動物などの哺乳類を包含する。例示的な霊長類はヒトである。患者は、疾患状態に苦しむ哺乳類、霊長類、ヒト、または家畜被検体などの被検体、または、そのために疾患状態が決定され、もしくは、疾患状態のリスクが決定されることになる被検体を参照する。
本明細書で使用されるとおり、商品名で参照される治療剤は、商品名の下で商業上利用可能な治療剤の製剤、商業上利用可能な製剤の有効成分、有効成分の一般名、または有効成分を含む分子の1以上を網羅する。本明細書で使用されるとおり、治療剤(単数または複数)は、疾患もしくは不調の症状を改善し、または、疾患もしくは不調を改善する剤である。治療剤、治療化合物、治療レジメン、または化学療法は、従来の薬物および薬物治療を包含し、当業者に知られ、および本明細書の他の場所に記載されるワクチンを包含する。治療剤は、体内への制御された持続放出ができる部分を包含するが、それに限られない。
本明細書で使用されるとおり、組成物は、いずれの混合物も参照する。それは、溶液、懸濁液、乳剤、液体、パウダー、ペースト、水性、非水性またはかかる成分のいずれの組み合わせでもあり得る。
本明細書で使用されるとおり、流体は、流れ得るいずれの組成物も参照する。したがって、流体は、半固体、ペースト、溶液、水性混合物、ジェル、ローション、クリームおよび他のかかる組成物の形状である組成物を網羅する。
本明細書で使用されるとおり、キットは、パッケージ化された組み合わせであり、選択的に、組み合わせの使用のための取扱説明書および/またはかかる使用のための他の反応および構成要素を包含する。
眼の生体構造
図1は、ヒトの眼10の一部の断面概略図であり、眼の前眼房、後眼房および硝子体を示す。眼10は、一般的に球状であり、強膜24によって外側上で覆われる。眼10の大部分は、水晶体22と網膜26との間にある澄んだ、ゼリー状の物質である硝子体(本明細書で硝子体液または単に硝子として参照される)30によって充填され、および支持される。網膜26は、眼10の後のセグメントの内側に並び、黄斑32を包含する。網膜26は、光を記録し、信号を視神経経由で脳へ送る。中心窩は、網膜26の黄斑32の中心に位置づけられる眼の一部であり、例えば読んだり運転したりするための鋭い中心視力を担う領域である。視野の中間点から中心窩へ通る想像線は、視軸27と呼ばれる。水晶体22の前面および背面の湾曲の中心を通過する仮定上の直線は、光学軸29である。
弾性の水晶体22は、眼10の前の近傍に位置づけられる。水晶体22は、焦点の調節を提供し、および、毛様体20から水晶体嚢内に浮遊し、毛様体20は、水晶体22の焦点距離を変える筋肉を含有する。水晶体22の前の体積は、虹彩18によって2つに分割され、虹彩18は、水晶体22の開きおよび網膜26に当たる光の量を制御する。瞳孔は、虹彩18の中心にある穴であり、それを通じて前に入る光が通る。虹彩18と水晶体22との間の体積は、後眼房である。虹彩18と角膜12との間の体積は、前眼房である。両方の房は、房水として知られる澄んだ液体で再充填される。
角膜12は、強膜24に延伸し、眼の縁14と呼ばれる位置で接続する。眼の結膜16は、強膜24に渡ってあり、テノン嚢(示されない)は、結膜16と強膜24との間に延伸する。眼10はまた、脈絡膜28と呼ばれる血管組織層も包含し、脈絡膜28は、強膜24の一部と網膜26との間にある。毛様体20は、虹彩18の底と連続的にあり、生体構造上、ひだ部および扁平部25に分割され、後の平面は、およそ4mmの長さである。
本明細書に記載されるデバイスは、眼10の多くの位置に配置され得、例えば上直筋の腱から離れた扁平部領域において、および、腱の後、腱の前、腱の下の1以上、または治療デバイスのネイザル(nasal)もしくは一時的な配置とともに配置され得る。図2に示されるとおり、本明細書に記載されるデバイスは、扁平部領域において強膜24を通して、挿入の軸Aに沿って配置され得、および、デバイスが視野、特に視軸27および光学軸29に干渉することを避けるように拡張され得る。
インプラントのある領域が、扁平部領域における眼の解剖の強膜上の、経強膜の、強膜下の、および硝子体中の側面を占めるように、球を貫通するように設計された経強膜の眼インプラントを外科的に置くことは、手術に続く急性の硝子体出血(VH)のリスクを伴う。本明細書に記載されたデバイスは、外科的移植の時点での硝子体出血のリスクを緩和する1以上の特徴、および手術後の治癒の改良をもたらす。
処置デバイス
本明細書に記載されるデバイスは、薬物送達デバイス、処置デバイス、治療デバイス、ポート送達システム、および同種のものとして参照される。これらの用語は、本明細書で互換的に使用され、および、デバイスの他よりも特定の実装に限定されることを意図されないことが認識されるべきである。本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、本明細書に記載される多様な特徴のいずれも取り込み得、および本明細書に記載されるデバイスおよびシステムの1つの実装の要素または特徴は、代替的に、または本明細書に記載されるデバイスおよびシステムの他の実装の要素または特徴ならびに米国特許番号第8,399,006号;米国特許番号第8,623,395号;PCT特許公開番号WO2012/019136号;PCT特許公開番号WO2012/019047号;PCT特許公開番号WO2012/065006号;および2015年11月10日に出願された米国公開番号第2016/0128867号に記載される様々なインプラントおよび特徴との組み合わせにおいて、取り込まれ得る。様々な組み合わせが本明細書において考慮されるが、簡潔のために、これらの組み合わせの各々の明示的な記載は、省略されてもよい。加えて、デバイスの移植およびアクセスのための異なる方法が、本明細書に記載される。様々なインプラントは、多様な異なる方法にしたがって、および、多様な異なるデバイスおよびシステムを使用して、移植され得、充填され得、再充填され得るなどする。様々なデバイスがどのように移植され、および、アクセスされてもよいかの、いくつかの代表的な記載が提供されるが、簡潔のために、各インプラントまたはシステムに関する各方法の明示的な記載は、省略されてもよい。
本明細書に記載されるとおり多孔性構造(本明細書で薬物放出機構、薬物放出要素、放出制御要素、RCE、またはフリットとしても参照される)は、多くの様々な異なる移植可能な治療デバイスとともに使用され得、米国特許番号第8,399,006号;米国特許番号第8,623,395号;PCT特許公開番号WO2012/019136号;PCT特許公開番号WO2012/019047号;およびPCT特許公開番号WO2012/065006号;そこでの参照によって本明細書に取り込まれる全体の開示に記載されるデバイスの1以上を包含する。
図2および図3ならびに図4〜図9は、拡張可能な処置デバイス100の実装を図示し、拡張可能な処置デバイス100は、眼10の1以上の領域へ1以上の治療剤を送達するように構成される。デバイス100は、近位の保持構造105を包含し得、近位の保持構造105は、平らな突起またはフランジ要素110、多孔性薬物放出要素120、および拡張可能なリザーバ130を有する。アクセスポート111は、アクセスポート111の少なくとも一部内に配置され得る保持構造105および貫通可能な要素115を通して延伸し得る。貫通可能な要素115およびアクセスポート111は、例えばリザーバ130の材料を充填し、再充填し、および/またはフラッシュするために、リザーバ130の内部体積へのアクセスを可能にする。いくつかの実装において、アクセスポート111は、リザーバ130中への保持構造105を通した開口によって形成され得、および、貫通可能な材料および/または貫通可能な要素115によって覆われ得る。材料の貫通に続いて、原位置でリザーバ130を再充填する間に材料がリザーバ130を漏れ出ないようにするために、貫通可能な要素115は、貫通され、および再密閉されるように構成された中隔であり得る。代替的に、フランジ要素110それ自体の1以上の領域は、貫通可能な材料で形成され得る。
薬物放出要素120は、リザーバ130の体積が薬物放出要素120と流体連結するように、デバイス100内の多様な位置に配置され得る。例えば、薬物放出要素120は、リザーバ130内に含有される1以上の治療剤の眼中への放出のために、デバイス100の排出口125内などのデバイス100の遠位端領域の近傍に配置され得る。薬物放出要素120はまた、遠位端領域に近位のデバイスの領域にも配置され得る。薬物放出要素120はまた、網膜などの処置される特定のエリアの方へ配置され得る。
デバイス100は、デバイス100の少なくとも一部、例えばリザーバ130、薬物放出要素120および1以上の排出口125が眼内に配置されるように、眼に移植され得る。いくつかの実装において、デバイス100は、治療剤を硝子体30中へ直接放出するために、扁平部領域から強膜24を通して延伸するように配置され得る。上述のとおり、デバイス100は、挿入の軸Aに沿って眼に配置され得る(図5および図6を参照)。フランジ要素110は、強膜24に沿った配置のために構成される平らな突起を形成し得る。デバイス100の残余が眼内に少なくとも部分的に配置される一方で、フランジ要素110は、デバイス100を保持して補助するために、一般的に眼の外部にあり続け得る。フランジ要素110は、多様な形状、例えば楕円状(oval)、卵形、楕円形(elliptical)、円形、または以下でより詳細に議論されるだろう他の形状のいずれも有し得る。
いくつかの実装において、フランジ要素110は、一般的に、球体の表面に沿った輪郭を有するように曲げられ得る。フランジ要素110が眼の湾曲により良く一致するように、フランジ要素110の外に面する表面112は、凸面形状を有し得、および、内に面する表面113は、凹面形状を有し得る。他の実装において、フランジ要素110は、一般的に平面であり得る。フランジ要素110の縁部は、一般的に滑らかかつ丸くあり得る。いくつかの実装において、フランジ要素110の内に面する表面113が強膜24に接触し得、および、フランジ要素110の外に面する表面112が結膜16(図6に示されない)の下に配置され得るように、フランジ要素110は配置され、結膜16は、フランジ要素110の外に面する表面112を覆い、および、治療デバイス100を保護する。フランジ要素110の外に面する表面112を覆う結膜16は、患者への感染のリスクを減らす一方で、デバイス100へのアクセスを可能にし得る。治療剤がフランジ要素110のアクセスポートを通してデバイス100中へ挿入され、または注入されるとき、結膜16は、治療デバイス100にアクセスするために持ち上げて離され、切開され、または針で穴を開けられてもよい。
図7および図8に最も良く示されるとおり、保持構造105は、近位フランジ要素110ならびにフランジ要素110に隣接して配置されるネックを包含し得る。ネックは、近位領域116および遠位延伸部117を包含し得る。ネックの近位領域116は、切開および/または穴開けなどの、強膜24を通した貫通部位に合うように、断面に沿った大きさにされ得る。例えば近位領域116は、強膜24の貫通部位内によりぴったりと合うように、フランジ要素110に相対的に狭められ得る。図7は、ネックの狭められた近位領域116の第1断面図を示す。図8は、第1断面図に直交する面に沿って取られた、ネックの狭められた近位領域116の第2断面図を示す。ネックの近位領域116は、第1面に沿って取られるとき直径での第1断面距離(first cross-sectional distance across)を有し得、および、断面が第2の直交面に沿って取られるとき直径での第2断面距離を有し得、および、第1断面距離は、第2断面距離と異なり得る。
図7(副軸)の見方において、ネックの近位領域116に渡る距離は、図8(主軸)の見方におけるネックの近位領域116に渡る距離に比べてより短い。いくつかの実装において、ネックの近位領域116の断面形状は、デバイス100がそれを通して挿入される切開、穴開けまたは他の貫通部位の形状を補完し得る。ネックの近位領域116の断面形状は、引き延ばされ得、両凸レンズ状、楕円状、楕円形状の1つを包含するがそれに限られない。いくつかの実装において、ネックの近位領域116の断面形状は、第1軸に沿った第1曲線、および、第1曲線と異なる第2軸に沿った第2曲線である。米国特許番号第8,277,830号は、参照によってその全体において本明細書に取り込まれるが、本明細書に記載されるデバイスの近位領域の幾何学に関するさらなる詳細を記載する。本明細書に記載されるデバイスのネックまたは経強膜の領域の寸法は、以下により詳しく記載されるとおり変わり得るということが認識されるべきである。
上述のとおり、保持構造105のネックは、遠位延伸部117も包含し得る。ネックの遠位延伸部117は、貫通部位での強膜24の内部表面から離れた距離で、眼の内側に延伸し得る。上記のとおり、および図6において最も良く示されるとおり、フランジ要素110は、強膜24に沿った配置のために構成される平らな突起を形成し得る。ネックの近位部分116は、貫通される組織がネックの近位部分116内にぴったりと受け入れられるように、強膜24の貫通部位内で合い得る。遠位延伸部117は、デバイスの挿入軸Aと同軸に配列され得、および、近位部分116から離れた距離に延伸し得る。
ネックの遠位延伸部117は、拡張可能なリザーバ130と、デバイス100の近位端に隣接する眼の内部表面との間の接触を排除する一方、デバイス100の貫通可能な領域を安定にし得る。図2は、リザーバ130を有するデバイス100の実装を示し、リザーバ130は、拡張された構成においてデバイス100の近位端に隣接する眼の内部表面の1以上と接触する。リザーバ130の近位端は、強膜24を通して貫通部位を囲む内部組織表面に対して割り込み得、および、デバイス100の貫通可能な領域を安定化させるために作用し得る。いくつかの実装において、リザーバ130と内部組織表面との間の接触は、眼のデリケートな組織の炎症および/または損傷を回避するために防がれる。例えば、図3に示されるとおり、拡張された構成におけるリザーバ130の近位端は、貫通部位を囲む1以上の内部組織表面からの距離D’で分離され得、またはオフセットされ得る。
ネックの遠位延伸部117は、デバイス100の貫通可能な領域を安定にしている一方で、デバイス100と貫通部位に隣接する組織との間の接触を防ぐことにおいて補助し得る。例えば、リザーバ130が拡張された構成にあるときでさえ、デバイスのリザーバ130が貫通部位の隣接組織層から離れた距離で位置づけられるように、ネックの遠位延伸部117は、十分に長くされ得、および輪郭づけられ得る。いくつかの実装において、ネックの遠位延伸部117は、延伸部117に遠位のデバイス100のいずれの部分も、それ内に移植される硝子30を除く眼の内部構造のいずれにも接触しないように構成された長さおよび輪郭を有する。いくつかの実装において、眼におけるデバイス100の移植および拡張で、フランジ要素110およびネックの近位領域116のみが眼の組織層と接触し、および、遠位延伸部117、リザーバ130、および薬物放出要素120などのデバイス100の残余部分は、硝子30とのみ接触する。拡張された構成におけるリザーバ130の形状はまた、以下でより詳細に議論されるとおり、この接触を防ぐことにおいて補助し得る。
上述のとおり、本明細書に記載されるデバイスは、1以上の薬物放出要素120を包含し得る。薬物放出要素120が1以上の排出口125を通したリザーバ130からの1以上の治療剤の送達を制御し得、または規制し得るように、薬物放出要素120は、1以上の排出口125に隣接して、および/またはそれらの内に配置され得る。リザーバ130の内容物は、流体ストリームとして排出されるというよりも、遅い拡散にしたがって送達され得る。いくつかの実装において、1以上の薬物放出要素120は、遠位端領域、または、デバイスの遠位端領域に近位の領域などの、リザーバ130の領域内にあり得る。いくつかの実装において、薬物放出要素120は、送達される物質への特定の多孔性を有する覆いまたは裏張り(lining)であり得、および、物質の放出の特定の割合を提供するために使用され得る。
薬物放出要素120は、放出制御機構であり得、ウィッキング材料、透過性シリコーン、充填層、小さな多孔性構造または多孔性フリット、複数の多孔性コーティング、ナノコーティング、律速膜、マトリックス材料、焼結多孔性フリット、透過膜、半透過膜、毛細管または曲がりくねったチャネル、ナノ構造、ナノチャネル、焼結微粒子および同種のものを包含するがそれに限られない。薬物放出要素120は、延長された時間の間、リザーバから1以上の治療剤を放出するための多孔性、断面積、および厚さを有し得る。薬物放出要素120の多孔性材料は、材料を通してまたは材料の間に延伸するチャネルによって形成された空隙の一部分に対応する多孔性を有し得る。形成された空隙は、空隙の約3%から約70%の間、約5%から約10%の間、約10%から約25%の間、もしくは約15%から約20%の間、または他のいずれの一部分でもあり得る。薬物放出要素120は、参照によって本明細書に取り込まれる、米国特許番号第8,277,830号においてより詳細に記載される放出制御要素のいずれからも選択され得る。
上述のとおり、本明細書に記載されるデバイスは、リザーバ130を包含し、リザーバ130は、一般的に最小侵襲性の挿入構成から、増加した体積を伴う拡張された構成へと拡大するように構成される。本明細書に記載されるデバイスの挿入構成は、デバイス100が小さなゲージデバイスを使用して眼中へ少なくとも部分的に、または、小さな切開を通して眼中へ直接に挿入され得るように、相対的に薄型の三次元形状を有する。本明細書に記載されるデバイスの多くは、最小侵襲性、例えば約1mmから約5mmの範囲における切開または穴開けを使用して、挿入され得る。いくつかの実装において、切開は、3.2mmの切開である。いくつかの実装において、デバイス100は、内部構造的支持要素(単数または複数)なしに眼組織を通してデバイス100を突き通すことができる程度に十分なコラム強度を有し得ることも、認識されるべきである。デバイスは、眼になされた事前の切開または穴開けなしに、強膜24を通して挿入され得る。例えば、デバイスは、デバイスの内部を通して延伸する針カニューレ要素、および、カニューレ要素の遠位先端で内側に圧力がかけられ、または固定される薬物放出要素120を使用して、挿入され得る。
一般的に、挿入構成にあるとき、眼を貫通するように構成されるデバイス100の部分(例えばリザーバ130)は、眼の外部にあり続けるように構成されるデバイス100の部分(例えばフランジ要素110)の断面直径に比べて、より小さな断面直径を有し得る。いくつかの実装において、挿入構成における(例えば以下でより詳細に記載されるとおり、中心コア要素135の周りで潰れる)リザーバ130の断面直径は、直径で約1.3mmから約1.5mmであり得、ネックの近位部分116の直径は、約2.7mmの長さおよび約1.5mmの幅であり得、および、フランジ要素110は、約4.5mmの長さおよび約3.8mmの幅であり得る。いくつかの実装において、デバイス100は、デバイス100が針の穴を通して挿入され得るように、およそ25ゲージであり得る。この実装において、フランジ要素110は、移植の間針の穴に収容され得、および、針の穴の遠位端から放出され、その時点でフランジ要素110がその形状を取り戻し得るように、弾力性材料(形状記憶または軟質シリコーンなど)であり得る。さらに、挿入構成におけるとき、デバイス100の眼を貫通する部分の断面形状は、円形、楕円状、または他の断面形状を包含して変わり得る。また、挿入構成におけるとき、デバイス100は、その全体の長さに沿って実質的に均一な直径を有し得、または、断面寸法および形状は、デバイス100の長さに沿って変わり得る。いくつかの実装において、挿入構成におけるデバイス100の形状は、眼中への簡単な挿入を容易にするように選択され得る。例えば、デバイス100は、近位端領域から遠位端領域へテーパー状にされ得る。
デバイス100の長さは、デバイス100がどこでどのように眼に移植されることになるかに応じて変わり得る。一般的に、長さは、中心視野に影響せず、もしくは入らないように、またはデバイス100の移植および充填において眼の視軸27を横断しないように、選択される。いくつかの実装において、デバイスの合計の長さは、約2mmから約10mmの間であり得る。いくつかの実装において、デバイスの合計の長さは、約3mmから約7mmの間であり得る。いくつかの実装において、デバイスの眼内領域の長さは、約4mmから約5mmの長さである。
本明細書に記載されるデバイスのリザーバ130は、内部の眼の生体構造上への影響を最小化する一方で、その全体的な容量を最大化し得る特定の輪郭または形状へ拡張し得る。リザーバ130の挿入構成は、第1三次元形状を有し得、および、拡張された構成は、第1三次元形状と異なる第2三次元形状を有し得る。再び図2および図3に関して、拡張された構成におけるリザーバ130は、一般的に、挿入軸Aと相対的に対称であり得る。この実装において、第1三次元形状および第2三次元形状の両方が、デバイス100の縦軸および挿入軸Aと同心であり得る。図4〜図9に示される他の実装において、リザーバは、第1三次元形状を有する挿入構成から、第2三次元形状を有する拡張された構成に拡大するように構成され得、ここで第2三次元形状は、偏心性に配置され、または、一般的に挿入軸Aに相対的に非対称である。この実装において、第1三次元形状は、挿入軸Aと同心であり得、および、第2三次元形状は、挿入軸Aと偏心性であり得る。
図9は、デバイス100の上視図を示し、および、フランジ要素110の中心を通して延伸する挿入の軸Aを図示する。面は、挿入の軸Aと平行に、および、それを通してデバイスが挿入される強膜24の表面に直交して描かれ得る。いくつかの実装において、拡張されたリザーバ130の体積のより多くは、この面の対向する側面よりもこの面の第1側面上に位置づけられ得、第1側面上の拡張された体積が眼の後の領域の方へ延伸し、または、水晶体22との接触を軽減するように眼の水晶体22から離れて拡大する(例えば図5および図13も参照)。したがって、拡張された構成におけるリザーバ130の全体的な体積の一部は、眼の水晶体から離れて拡大し、および、リザーバ130体積の残余部分より大きい。さらに、リザーバ130は、リザーバ体積の大部分が、それを通してデバイスが挿入される強膜の内部表面から離れて延伸するように拡張し得、拡張されたリザーバ130は、脈絡膜滲出、出血に寄与し得、または毛様体または脈絡膜などとの眼とデバイス100との間の他の意図しない接触、損傷または炎症を引き起こし得る、眼の内部表面との接触を避ける。さらに、拡張された構成におけるとき、リザーバ130全体は、一般的に中心視野の外側、眼の視軸の外側などにあり続け得る。
挿入用の薄型の寸法から挿入後の拡張型の寸法へのリザーバ130の拡張性は、デバイスが最小侵襲性の仕方において挿入され、また、増加したリザーバ容量を有することも可能にする。次にこの増加したリザーバ容量は、デバイス100が頻繁に再充填される必要がないように、および/または、眼における薬物のターゲットの治療濃度に達し得るように、デバイスからの薬物送達の期間を増加させる。いくつかの実装において、リザーバ130の体積は、約0.5μLから約100μLの間であり得る。いくつかの実装において、リザーバ130の体積は、少なくとも約1μL、2μL、3μL、4μL、5μL、10μL、15μL、20μL、25μL、30μL、35μL、40μL、45μL、50μL、55μL、60μL、65μL、70μL、75μL、80μL、85μL、90μL、95μL、96μL、97μL、98μL、もしくは99μLまたは他の体積であり得る。
リザーバ130の外壁は、拡張可能だが実効的に硬質または弾性的な伸びのための引張り性能をほとんど有さない、および/または非膨張性の材料である、実質的にNon−Compliant材料で形成され得る。同様に、リザーバ130は、拡張された構成中へ充填され得るが、リザーバ130の材料は、その形状を維持するように構成され、および、伸びないことで、リザーバ130の壁材料の記憶によって作り出される意図しない駆動力を回避する。他の実装において、例えば充填の後のリザーバからの薬物送達の小さな初期ブースト(boost)を提供するために、制御可能な圧力が均圧点までリザーバ130の適合壁によって提供され得るように、リザーバ130の外壁は、適合材料であり得る。拡張可能な、非膨張性の、実質的にNon−Compliant材料の例は、本明細書に提供され、PET、ナイロン、およびアクリルを包含するが、それに限られない。拡張可能な適合材料の例も、本明細書に提供され、シリコーン、ウレタン、およびアクリルを包含するが、それに限られない。
いくつかの実装において、リザーバ130の体積および拡張された構成におけるリザーバ130の形状は、搭載容量を最大化するように選択され、ならびに貫通部位に隣接する水晶体22および/または強膜24から離れた距離を最大化する。例えば、いくつかの実装において、リザーバ130の体積は、60μLであり得、および、拡張された構成におけるリザーバ130の形状は、デバイスの挿入軸Aから離れて延伸し得るD形状、C形状、楕円形、偏心性、または他の形状であり得る(図6を参照)。したがって、より小さな容量の非対称に拡張されたリザーバと比べて、偏心性または非対称に拡張されたリザーバ130は、水晶体22から離れたより大きな距離Dを維持し得る。
拡張された構成におけるリザーバ130はまた、距離D’を最大化するために、近位端上でテーパー状にされ得、拡張されたリザーバ130は、それを通してデバイスが延伸する強膜24からオフセットされる。より大きな距離D’を維持することは、拡張されたリザーバ130との間の接触、例えば拡張されたリザーバ130の近位端と、貫通部位および網膜26、脈絡膜28、強膜24、毛様体20、および/または水晶体22などの眼の他の近隣の組織層を囲む内部組織表面との間の接触を防ぐ手助けとなる。リザーバ130の近位のテーパー状はまた、眼からのデバイス100の改善された除去を可能にする。リザーバ130の形状は、代替的にまたは追加で、遠位端上でテーパー状にされ得る。遠位端のテーパーは、デバイスが視軸に入ることを回避し、および、水晶体などのある内部構造との接触を回避することをさらに手助けし得る。さらに、デバイスの端への滑らかで段階的な移行はまた、以下でより詳細に記載されるとおり、挿入の簡便を改善し得る。
図7および図8に最も良く示されるとおり、本明細書に記載されるデバイスは、デバイス100の近位端領域とデバイス100の遠位端領域との間に延伸する中心コア要素135を包含し得る。中心コア要素135は、一般的に挿入の軸Aと同心であるように、一般的に、デバイス100の縦軸の周りに配置される円筒形の、および相対的に硬質な要素であり得る。中心コア要素135は、内腔137および中心コア要素135の壁を通して延伸する1以上の開口139を包含し得る。いくつかの実装において、中心コア要素135は、デバイス中へ注入される材料を受け入れるために、アクセス部分において貫通可能な要素115に相対的に配置される近位端上に注入口138を包含し得、それは以下でより詳細に記載されるだろう。
注入口138または注入口138の近傍の中心コア要素135の一部は、保持構造105の遠位延伸部117によって囲まれ得る。中心コア要素135はまた、注入口138から離れた距離で位置づけられる排出口を包含し得、注入口138は、例えば中心コア要素135の遠位端の近傍に、デバイス100からの排出口125を形成し得る。薬物放出要素120は、治療剤がリザーバ130から眼中へ放出され得るように、排出口内に配置され得る。中心コア要素135は、意図しない貫通または穴開けからリザーバ130の材料を保護し得る。例えば、充填する間、注入口138の近傍の中心コア要素135の一部は、材料をデバイス中へ注入するように構成される充填針を受け入れ得る。中心コア要素135は、リザーバ130の実質的にNon−Compliantだがより薄い材料に比べて、相対的に硬質で、充填針の鋭い先端上でより引っかかりそうにない材料で形成され得る。したがって、硬質なコア要素135は、充填の間、針による注入口138の近傍でのリザーバ材料の貫通を防ぎ得る。さらに、硬質なコア要素135は、チタンやステンレス鋼のような金属材料などの、尖った充填針によって貫通することができない材料で形成され得、それによってリザーバ壁材料は、初期充填および再充填の間保護される。
中心コア要素135の壁における1以上の開口139は、中心コア要素135の内腔137とリザーバ130との間の流体連通を可能にする。送達要素経由など貫通可能な要素115を通して導入される材料は、腔137内に注入され得、および流体の流れは、リザーバ130中へ1以上の開口139を通して向けられ得る。リザーバ130中への材料の導入は、リザーバ130の内部体積を拡張し、および、リザーバ130の壁がデバイスの縦軸から離れて動くことおよび/または中心コア要素135から離れて動くことを引き起こす。リザーバ体積の拡張は、初期の挿入構成から拡張された構成へ変え、それは以下でより詳細に記載されるだろう。内腔137の直径に関して1以上の開口139の大きさを最適化することは、リザーバ130中へ1以上の開口139を通し、中心コア要素135を通して流れを向けるように手助けし得る。
中心コア要素135はまた、リザーバ130の充填を容易にし、充填の効率を増やすためのフローディレクタ140を包含し得る(図10を参照)。いくつかの実装において、フローディレクタ140は、1以上の開口139を通して流れを向けるために、漏斗形状の領域146によって第2円筒領域144に結合される第1円筒領域142を包含し得る。第1円筒領域142は、第2円筒領域144より近位に配置され得る。第1円筒領域142は、第2円筒領域144よりも大きな断面直径を有し得る。さらに、フローディレクタ140の1以上の開口139は、フローディレクタ140なしのデバイスの実装よりも、大きさにおいてより小さくあり得る。他の実装において、中心コア要素135の内腔137内に配置されるフローディレクタ140は、貫通可能な障壁、例えばそれを通して送達要素が延伸する要素であり得る(図11を参照)。この実装において、フローディレクタ140は、コア要素135の内腔137内に割り込むような大きさにされ、およびかかる形状にされた外径を有するシリコーン要素であり得る。例えば、貫通可能な要素であるフローディレクタ140は、デバイス100が底から充填され得/再充填され得るように、充填/再充填針または他の送達要素によって貫通され得る。
材料は、デバイスの近位端領域もまた充填され、および拡張されるまで、デバイスの遠位端領域において初期に注入され得る。充填/再充填針は、以下でより詳細に記載される。開口139が中心コア要素135の内径に最適化され、フローディレクタ140またはコア要素135を有さないデバイスにおける再充填効率は、ボトムアップ充填を可能にする流体密度、および/または、実質的な混合を可能にする相対的に高い体積交換による。最適化された開口139を伴うフローディレクタ140または他のコア構造を有する、本明細書に記載されるデバイスは、充填されているデバイスからの既存の材料の排出のための最小抵抗の通路を活用し得、例えば逆流を防ぐことによって、および/または、ボトムアップもしくは底からの充填を向けることによって、より低い再充填体積で再充填効率を改善する。
上述のとおり、本明細書に記載される処置デバイスは、挿入ツールによって保持され得、および、穴開けまたは切開を通してターゲット領域中へ挿入され得る。同様に、デバイスの遠位端領域は、初期強膜刺入を簡単にするための形状にされ得る。より大きな直径および/またはより平らな遠位先端を有するデバイスの遠位端領域は、約2mm、または約3mmもの小さな切開または穴開けを見つけ、およびそれを通して挿入することがより困難であり得る。さらに、デバイスの構造的要素との間の接着(例えばリザーバ材料の遠位の縁部が中心コア要素に接着すること)によるデバイスの外の輪郭における突然の縁部は、組織に入れる際に悪影響を与え得る。いくつかの実装において、処置デバイスの遠位端領域は、移植の間滑らかに組織を貫通するように、斜めに切られ、テーパー状にされ、または、弾丸状先端もしくは他の要素を有する。
いくつかの実装において、処置デバイスの遠位端は、例えば処置デバイスに渡って、または遠位端の領域の内側に挿入される、関連したスリーブ131を有し得る(図26A〜図26Cを参照)。いくつかの実装において、スリーブ131は、スリーブ131の近位の部分が薬物放出要素120を受け入れ、中心コア要素135の遠位の排出口内に挿入するように、デバイス100の遠位端の内部領域に結合される。スリーブ131は、内部の空洞132内に薬物放出要素120を受け入れ得、内部の空洞132は、リザーバ130から薬物放出要素120を通した薬物の拡散がスリーブ131によってブロックされないように、スリーブ131の近位端領域から遠位の排出口134を通して延伸する。内部の空洞132を囲むスリーブ131の縁部は、内部の空洞132の内側での組織のコアリング(coring)または捕捉を減少させるために、丸くあり得る。スリーブ131は、テーパー状の幾何学を有するポリマー材料であり得る。
スリーブ131の遠位の部分は、スリーブ131がテーパー状の先端を形成するように、デバイス100の遠位端を超えて延伸し得る(図26Aを参照)。しかしながら、スリーブ131は、デバイス100の遠位端を超えて延伸する必要がないことが認識されるべきである。薬物放出要素120がスリーブ131の内部の空洞132において配置され、スリーブ131の遠位先端でおよそ0.03”になる場所の近傍で、スリーブ131は、0.05”直径のテーパー状になり得る。薬物放出要素120は、ポリマースリーブ131の内部の空洞132に融着され得、次に中心コア要素135に挿入され得、および付着され得る(図26Aを参照)。そしてリザーバ130を形成する材料の遠位の縁部は、中心コア要素135の周りに付着され得る。
他の実装において、スリーブ131は、処置デバイス100の遠位端領域に渡って挿入し得る(図26Bを参照)。例えば、リザーバ130を形成する材料の遠位の縁部は、中心コア要素135、および、スリーブ131の内部の空洞132の近位領域内に一緒に挿入される2つの構成要素に渡って、接着され得る。スリーブ131は、デバイス100の遠位先端を滑らかにし得、および、リザーバ130と中心コア要素135との間の接続点に対する組織の引っかかりを排除し得、切開を通してデバイス100をより滑らかに入れることを提供する。遠位端領域に渡るスリーブ131との間の取付けは、リザーバ130の遠位端と中心コア要素135との間の接着への支持をさらに提供し得る。同様に、スリーブ131は、処置デバイス100の遠位端領域よりもより小さな外径を有し得るが、必ずというわけではない。さらに、丸い縁部は、切開の発見およびそれ中への挿入を改善し得る。
さらなる実装において、スリーブ131は、上記のとおり処置デバイス100の遠位端に渡って挿入し得る(図26Cを参照)。スリーブ131は、デバイスに遠位に延伸し得、および、およそ0.02”である外径を伴う先端を有し得る。前の実装のとおり、スリーブ131は、それを通して薬物がスリーブ131の内部の空洞132を逃れ得る遠位の排出口134に加えて、またはその代替として、コアリングおよび1以上の側面排出口穴133を減少させるように、丸い縁部を有し得る。
本明細書に記載される処置デバイスは、薬物放出要素120を取り付けるためのスリーブ131を取り込む必要はない。例えば、薬物放出要素120はまた、中央コア要素135またはデバイスの他の部分中へ圧入または直接レーザー溶接され得る。取り付けのこれらの代替的な機構は、スリーブ131を取り込む実装と比較して中央コア要素135の減少した直径を可能にすると同時に、製造上の利益を提供してもよい。
上述のとおり、中心コア要素135は、近位端でリザーバ130の上部へ、および、遠位端でリザーバ130の下部へ接着され得る。中心コア要素135とリザーバ130との間の接着、ならびに中心コア要素135と薬物放出要素120との間の接着は、エポテック(Epotech)301のような二液型エポキシなどの接着剤によって達成され得る。いくつかの実装において、構成要素の間の熱融着が使用される。例えば、中心コア要素135およびリザーバ材料の両方がナイロンまたはポリスルホン(PSU)などの熱接着材料から作られる場合、両者は、熱および圧縮を使用して一緒に熱接着されてもよく、接着剤よりもより簡単な製造プロセスおよびより信頼可能な接着を提供する。中心コア要素135はまた、それが同じ熱接着材料で形成されていないにもかかわらず、熱および圧縮を使用してリザーバに接合され得るように、金属材料で形成され得、およびプラスチックの流れを受容するように設計され得る。
いくつかの実装において、中心コア要素135の遠位および/または近位領域は、コポリマー材料の流れを受容するために、コア中へレーザードリルで穴を開けられた小さな穴のパターンなど複数の小さな穴を取り込み得る。リザーバ材料および中心コア要素が類似の材料から作られる場合、または、コアがポリマー材料の流れを受容するように設計された特徴を有する場合、超音波溶接プロセスは、その間の接着を作り出すのに要するエネルギーを提供するために使用され得る。さらなる実装において、中心コア要素135は、薬物放出要素120との間のオーバーモールドプロセスの発達を可能にし得る熱プラスチックで形成され得、デバイスの遠位端で、薬物放出要素120と中心コア要素135との間の接着継ぎ目を作り出す。
本明細書に記載されるデバイスは、フローディレクタ140または中心コア要素135を包含する必要はないことが、認識されるべきである。例えば、図12は、フランジ要素110、アクセスポート111内に配置された貫通可能な障壁115、および遠位延伸部117を有する保持構造105への近位端上で結合された、拡張可能なリザーバ130を有するデバイス100の実装を示す。拡張可能なリザーバ130は、そこに配置された薬物放出要素120を有する排出口125への遠位端領域上で、結合される。しかしながら、取り込まれた中心コア要素135またはフローディレクタ140はない。リザーバ130の材料は、それ自体で潰れることなく、または、挿入構成もしくは挿入の軸Aから離れてゆがむことなく、挿入の軸Aに沿って貫通部位を通して挿入され得るように、デバイスに十分な硬質を提供し得る。
いくつかの実装において、リザーバ130の材料は、デバイスがコラム強度を有し、一般的に、中心コア要素またはフローディレクタなしで眼中へ挿入するのに十分に硬質であるように、ポリエチレンテレフタレート(PET)であり、約0.0005mmから約0.05mmの範囲における壁の厚さを有する。いくつかの実装において、本明細書に記載されるデバイスは、配置の時にリザーバの領域内に挿入され得、そして必要なコラム強度が付与され、デバイスが強膜を通して貫通すると除去され得るスタイレットまたは他の硬質な、縦の要素を使用して、移植され得る。リザーバ130の材料はまた、ウレタン、ナイロン、ペバックス、ポリウレタン、架橋ポリエチレン、FEP、PTFE、および類似の材料および材料の混ぜ合わせを包含し得る。材料はまた、上記材料および拡張可能な要素を製造するためにその分野において知られている他の材料の、複数の層を包含してもよい。
上で議論したとおり、デバイスは、デバイス100の残余が眼内に移植されるとき、デバイス100を保持して補助するために、一般的に眼への外部にあり続けるように構成された平らな突起またはフランジ要素110を有する近位の保持構造105を包含し得る。フランジ要素110はまた、再充填のための貫通可能な中隔の位置を特定するのを助け得る。例えば、中隔は、フランジ110の残りの部分と比べて相対的に暗く現れ得、再充填の間の貫通のためのある種のターゲットを提供する。いくつかの実装において、フランジ要素110は、偏心性に拡張するリザーバ130の拡張の方向が予測可能かつ所望の方向付けにしたがうように、眼にインプラントするためのデバイス100の識別可能な方向付けを提供するように設計され得る。硝子30内に移植されたリザーバ130は、直接に可視化されなくてもよい。したがって、フランジ要素110など、眼の外側から可視化され得るデバイス100の一部上の方向付け標識150は、ユーザーが、リザーバ130の拡張が正しい面においてあることを知ることを可能にする。例えば、図9は、フランジ要素110の上方表面上の点または他の視覚標識である方向付け標識150を図示する。
図13は、リザーバの偏心性の体積の方向付けを示すフランジ要素110の形状である、方向付け標識150を図示する。例えば、拡張可能なリザーバ130は、デバイスの縦軸および/または挿入軸Aに相対的な特定の方向付けに沿って拡張するように設計され得るため、軸Aの周りの拡張可能なリザーバ130の、その部分の相対的な方向付けは、デバイスがある眼内構造上に衝突しないことを確実にする点で重大であり得る。いくつかの実装において、フランジ要素110は、リザーバ充填の方向付けを示すために、ユーザーに可視の、上方表面112上の印または他の方向付け標識150を取り込み得る。方向付け標識150は、偏心性の体積が位置づけられる場所に関するガイダンスを提供する、多様な形状、色彩または形状および色彩の組み合わせのいずれでもあり得る。
代替的に、または加えて、方向付け標識150は、フランジ要素110それ自体の形状であり得る。例えば、フランジ要素110は、デバイスの移植のために方向的ガイダンスをユーザーに提供するような方法における形状になり得る。フランジ要素110は、卵形、楕円形、多角形、三角形、もしくは菱形または側面もしくは角度を有する矢印などの他の形状などの多様な形状、または、リザーバ130が、リザーバ130の他の側面に比べてより大きな拡張を有するように設計される場所を示す部分を、有し得る。図13は、偏心性のリザーバ130の領域の方向付けを示唆する特定の形状を有するフランジ要素110を図示する。充填において、方向付け標識150は、水晶体22などの1以上の眼の内部構造から離れて拡張する、リザーバ130の部分をユーザーに示すだろう。フランジ要素110は、挿入、充填および/または再充填の前に、デバイスの偏心性の体積の方向付けに関する視覚的なフィードバックもユーザーに提供する、調和された特徴を有する挿入および/または充填デバイスと結び付くように調和され得、または構成され得ることが認識されるべきである。
本明細書に記載されるデバイスは、拡張された構成においても対称に分配されるリザーバの拡張を取り込み得る。以前に図2および図3に示したとおり、リザーバ130は、リザーバ130の体積がデバイスの縦軸ならびに挿入の軸Aについて対称に分配されるように、挿入構成から拡張された構成に拡大し得る。他の実装において、本明細書に記載されるデバイスは、断面に沿って対称に分配された、拡張された構成を有し得るが、デバイスそれ自体の全体的な拡張形状は、挿入の軸Aと整列されない曲線または他の形状で形成され得る。図14〜図16は、デバイスの断面に沿って一般的に対称に拡張するリザーバ230を有するデバイス200の実装を示すが、デバイス200の移植される部分(すなわち、近位の保持構造205より遠位のデバイス200の部分)は、挿入の軸Aから離れて曲がる形状にされる。
いくつかの実装において、硝子30内のデバイス200の部分は、一般的に、移植および充填の前に、フランジ要素210の内に面する表面213に垂直に延伸し得る。しかしながら、移植および充填の後、デバイス200は、デバイス200が全体として挿入軸Aに相対的に軸外となるように形成され得、またはかかる形状にされ得る。デバイス200は、デバイス200の最も遠位の領域でさえ、上記のとおり、眼の視軸の外側にあり続け、および/または、内部の眼の生体構造のある構造との接触を避けるように、一般的に配置される。
いくつかの実装において、拡張された構成におけるデバイス200は、眼の視軸の外側にあり続ける曲線の形状に成形可能である。デバイス200は、リザーバ230がデバイスの縦軸の周りで、強膜を通した挿入のための最小侵襲性寸法に潰れる挿入構成を有し得る。強膜を通した挿入の後、保持構造210より遠位の、移植されるデバイス200の部分は、所望の角度および/または曲線にしたがって予め形状づけられ得る。例えば、硝子30に移植されるデバイス200の領域は、挿入軸Aから離れて角度をつけられ得る。他の実装において、硝子30に移植されるデバイス200の領域は、挿入軸Aから離れた曲線、例えば、眼の曲線に近づく曲線で形成され得る(図16を参照)。デバイス200の遠位端領域は、所望の形状にされ、そしてリザーバ230は、治療材料で充填され得、リザーバ230を拡張された構成に拡張する。
拡張された構成は、図14〜図16に示されるとおり、非対称に分配され、拡張された構成であり得る。代替的に、デバイス200の拡張された構成は、デバイス200が眼のある内部構造および/または視野、視軸、および/または光軸上に衝突しないように、上記のとおり非対称に拡張され、または偏心性に拡張され得る。リザーバ230は、参照によって本明細書に取り込まれる米国特許番号第8,277,830号に記載されるものと類似の、硬質な、非拡張可能な構成であり得ることも、認識されるべきである。
図17〜図18は、一般的に対称に拡張するリザーバ230を有する、デバイス200の他の実装を図示する。移植されるデバイス200の部分(すなわち、近位の保持構造205より遠位のデバイス200の部分)は、充填において挿入の軸Aから離れた曲線の形状にされる。デバイス200は、挿入の軸Aに沿って、および一般的に最小侵襲性の仕方において、強膜24を通して硝子30中に挿入されるように構成される挿入構成を有し得る。挿入の後、デバイス200は、拡張された構成にリザーバ230を拡張するように、充填され得る。拡張された構成において、リザーバ230は、デバイス200が視野および/または視軸または光軸27、29上に衝突しないように、眼の周囲の長さの周りに曲線の通路に沿って延伸し得る(図18を参照)。デバイス200は、その後にリザーバ230を拡張するように予め形状づけられ得、および充填され得ることが、認識されるべきである。薬物放出要素は、デバイスの多様な排出口のいずれの内にも配置され得ることが認識されるべきである。例えば、挿入軸から離れて延伸するリザーバ部分の各々は、排出口内もしくはその近傍に配置された薬物放出要素を伴う排出口をそれぞれ有し得、または、リザーバ部分の各々は、単一の排出口、例えば、デバイスの中心軸に沿ってデバイスの遠位端の近傍に配置される排出口を通して治療剤を向け得る。さらに、リザーバの壁は、薬物放出要素としての高度に較正された穿孔を包含し得る。ある実装において、中央コアは、挿入軸Aを備えて一般的に真っ直ぐおよび同心円状であり得、リザーバ230は、中央コアから離れて拡張し、ここでリザーバ230の拡張は、一般に対称的になされ得る(図17を参照)。
本明細書に記載される処置デバイスは、拡張された期間の間、硝子へ薬物を送達するための眼における長期間の保持のために、設計され得る。本明細書に記載される処置デバイスが眼において保持される方法は、変更されてもよい。例えば、ある実装において処置デバイスは、強膜外にあり、デバイスを眼に貼り付けて使用中の安定性を提供するために経強膜または強膜下にあるデバイスの部分と共同して作動するように構成されたフランジ要素を有する、近位保持構造を包含し得る。本明細書に記載される処置デバイスの他の実装は、強膜外の保持構造それ自体を有さず、デバイスを眼に貼り付けるために強膜への縫合に依存する。例えば、デバイスは、経強膜および/または強膜下に移植され得、および、デバイスの近位領域は、デバイスを眼に貼り付けるために強膜に縫合され得る。さらなる実装において、本明細書に記載される処置デバイスは、縫合によってさらに強化される固定を提供する強膜外の保持機構を有してもよい。例えば、保持構造のフランジ要素は、穴、刻み目、その他のデバイスの眼への縫合のための位置を提供する特徴を包含するがそれに限られない、眼におけるデバイスの固定または安定を強化するための1以上のアンカー特徴を取り込むことができる。処置デバイスでの使用のためのある追加の保持および安定化特徴は、以下においてより詳細に記載されるだろう。
本明細書の他の箇所に記載されるとおり、インプラントの近位側面(しばしば本明細書において“上方領域”または“経強膜領域”または“ネック”と言及される)は、眼の外側からのインプラントデポ(depot)/リザーバの再充填を可能にする。例えば、存在する場合の眼組織に相対的な保持構造の配列は、貫通可能な要素を眼の外側からアクセス可能にし、それによって、直接的な眼の硝子体内注射のために一般的に採用される技術が、インプラントのリザーバを再充填しおよび/またはフラッシュするのに使用され得る。以下においてより詳細に記載されるであろうとおり、本明細書に記載されるインプラントを置くことは、結膜の一時的な外科切除を伴い得、続けて平坦な外科用ブレードを使用して扁平部領域に固定された長さ(例えば3.22mm)の切開を創出する。本明細書に記載されるようなインプラントは、針タイプのアクセサリーを介した永続的な物理的アクセスを可能にし得、ならびに、強膜、強膜血管、脈絡膜、および隣接し得る網膜および/または毛様体組織の1以上を包含する経強膜組織に、物理的に接触し得る。経強膜領域におけるインプラントの挿入は、インプラントと、インプラント部位に隣接する眼の組織との間の物理的干渉を引き起こし得、該部位は、切開の縁部を途絶させ得、および、組織がインプラントの周りでより自然または緩められた状態に戻ることを妨げ得る。さらに、脈絡膜は、外科移植の時にインプラントの経強膜および強膜下の構成要素の貫通上で阻害され得、それは組織層の急性剥離のリスクを増加させ得、および、硝子体出血につながり得る手術時の移植の部位での出血のリスクに寄与し得る。以下においてより詳細に記載されるであろうとおり(例えば、図27A−図39Eに関して)、本明細書に記載されるデバイスは、眼における適切な移植のために脈絡膜で強膜インターフェースを通過するものではあるにしても、それでも眼における十分な固定を提供しながら剥離および硝子体出血のリスクを最小化する特徴、および、デバイスでの長引いた処置の時間に渡る多数の針貫通に続く、効果的な密閉を提供するための再密閉中隔領域を取り込み得る。
図27A−図27Bは、処置デバイスの実装の上端領域の断面図であり、それぞれ副軸寸法および主軸寸法を示す保持構造2705を有する。上記の他の実装におけるとおり、上方領域は、強膜に沿って置かれるように構成された平らな突起を形成するフランジ要素2710を包含し得る。フランジ要素2710は、デバイスの残りが少なくとも部分的に眼内に配置される一方で、デバイスの保持を支援するように一般的に眼に対して外部にあり続け得る。上方領域は、近位領域2716および遠位延伸部2717を包含し得る。遠位延伸部2717は、リザーバ(図27A−図27Bに示されない)と、デバイスの近位端に隣接する眼の内部表面との間の接触をなくす一方で、デバイスの貫通可能な領域に安定を提供するように設計され得る。しかしながら、遠位延伸部2717はまた、眼の内部表面との安定する接触を提供する形状および/または特徴を取り込んでもよいことが認識されるべきである。例えば、図28A−図28B、図29A−図29B、および図30A−図30Bは、フランジ要素2710の内部表面と、肩2820Sの上方表面との間の領域における強膜組織を捕捉するように構成された肩2820Sを有する、デバイスの様々な実装の遠位延伸部2717を示す。保持構造2705(肩2820Sを備えるまたは備えない)は、デバイスが外植のリスクを最小化する方法で適所に移植され、固定されることを可能にする。保持構造2705はまた、眼における固定のための補助縫合の必要なしに、デバイスの固定を提供し得る。しかしながら、本明細書に記載されるデバイスのある実装は、保持構造2705を有さず、縫合で固定されることが認識されるべきである。
再び図27A−図27Bに関して、近位領域2716は、強膜を通して貫通部位に合うように断面に沿った大きさにし得、それによって近位領域2716は、遠位延伸部2717と比較して狭められる。図27Aにおける近位領域2716を横切る距離は、図27Bにおける近位領域2716を横切る距離よりも短い。中隔などの貫通可能な要素2715は、デバイスの経強膜領域(すなわち、強膜組織内にあるデバイスの領域)に配置され得る。保持構造2705の副寸法または近位領域2716を横切る距離は、近位領域2716内に配置された貫通可能な要素2715の大きさに関連する。図27A−図27Bに示される保持構造2705の副寸法は、断面をどこで取るかによって約1.5mmから約2.6mmの間であり得る。例えば、最も狭い点での図27Aに示される保持構造2705の副寸法は、およそ1.47mmであり得る。
ある実装において、デバイスの経強膜領域(ならびに強膜を通過するデバイスのいずれの部分)の主直径は、切開の長さより長くなく、および好ましくは切開の長さより短くて、それは約1mmから約5mmの間であり得る。本明細書に記載される処置デバイスの寸法は、一般的に移植およびその後の使用の間の切開の伸びを避ける。ある実装において、切開の組織縁部を‘つっかえて(propping)’開くのに主な責任がある保持構造2705の副直径は、最小化され得る。デバイスの経強膜領域の最小化は、デバイスが切開を大きくさせない仕方において挿入されることを可能にし、ならびに、組織縁部がインプラントネックまたは上端領域の周りでより緩められた状態にあること、および、眼壁組織構造(例えば脈絡膜)への妨害を最小化することを可能にする。ある実装において、インプラントの経強膜領域の最も大きな副直径は、3.3mm、3.2mm、3.1mm、3.0mm、2.9mm、2.8mm、2.7mm、2.6mm、または2.5mmよりも大きくなく、かつ好ましくはそれよりも小さくなくあり得る。ある実装において、インプラントの経強膜領域の最も大きな副直径は、約1.0mmから約2.6mmの間である。
図28A−図28Bは、例えばより大きな直径領域を経強膜領域の外に遠位にシフトすることによって、保持構造2805の経強膜領域が最小化されるデバイスの実装を示す。他の実装におけるとおり、上方領域は、強膜に沿って置くことのために構成されたフランジ要素2810、使用の間強膜組織を受け入れるように設計された近位領域2816、および、デバイスの貫通可能な領域に安定を提供するように設計された遠位延伸部2817を包含し得る。この実装において、貫通可能な要素2815は、ネックの近位領域に対して遠位なネックの遠位延伸部内などの、近位フランジ要素2810から離れた距離にあるアクセスポート2811内に、遠位に配置される。この実装において、貫通可能な要素2815は、移植上で経強膜に受け入れられるであろうネックの部分内にはない。貫通可能な要素2815は、デバイスの経強膜領域から離れたより遠位に配置されるため、経強膜領域の外周および副直径は、最小化され得る。ある実装において、経強膜領域の副直径は、約1mmから約1.2mmの間、または約1mmから約1.3mmの間、または約1mmから約1.4mmの間、または約1mmから約1.5mmの間、または約1mmから約1.6mmの間、または約1mmから約1.7mmの間であり得る。強膜下領域内など、移植上で経強膜領域に遠位に配置された貫通可能なバリアは、硬質または拡張可能なリザーバを備えて使用されてもよい。しかしながら、かかる構成を備えて拡張可能なリザーバを取り込むことが好ましくあり得るということが認識されるべきである。貫通可能なバリアを強膜下領域へ遠位に動かすことは、バリアが、そうでなければ流体充填のために利用可能な体積を占めるという結果になり得る。拡張可能なリザーバは、リザーバ容量または利用可能な薬物有効荷重(payload)を危うくしない方法で、貫通可能なバリアによって占められた体積が主リザーバ体積によって再び捕捉されることを可能にする。本明細書に記載される拡張可能なリザーバの構成(例えば非対称または偏心した拡張)はまた、より大きな薬物有効荷重を備えてさえ、内部の眼構造に衝撃を与えないことを確実にする。
経強膜の、近位領域2816およびアクセスポート2811の形状は、円筒状、両凸レンズ状、漏斗状、円錐状、または他のテーパー形状を包含するがそれに限らず、変わり得る。図28A−図28Bならびに図30A−図30Bに示されるアクセスポート2811および近位領域2816は、実質的に真っ直ぐであり、一般的に円筒状の経強膜領域を形成する。しかしながら、近位領域2816および/またはアクセスポート2811は、実質的に円筒状である必要はないということが認識されるべきである。例えば、図35Cおよび図41Cは、円筒状のアクセスポート2811およびわずかに張り出された近位領域2816を示す。わずかに張り出された近位領域2816は、再充填針による貫通のためのより大きなターゲットエリアを提供する。リザーバの方へのアクセスポート2811の先細りは、針へのガイダンスを提供する。また、より大きなアクセスポートエリアは、再密閉を容易にし得るより大きな胴回りを有する中隔の使用を可能にする。
近位領域2816の長さも変わり得る。例えば、図28A−図28Bは、フランジ要素2810の内部に面する表面2813から遠位延伸部2817の肩2820Sへの間で延伸する距離xを示す。図29A−図29Bは、図28A−図28Bの実装の距離xよりもわずかに長い距離xを示す。肩2820Sが取り込まれない実装において、距離xは、フランジ要素2810の内部に面する表面2813から中隔がある拡大領域への間の距離であり得る。距離xは、約0.2mから約3.0mmの間であり得、および、この領域を横切る副寸法は、約1mmから約3.0mmであり得る。ある実装において、距離xは、約0.2mmから約0.7mmであり得、および、この領域を横切る副寸法は、約1mmから約1.2mmであり得る。距離xの長さならびにアクセスポート内のバリアの長さは、全体の移動距離、したがって再充填針の長さおよび安定性に影響を与え得るということが、認識されるべきであり、以下においてより詳細に記載される。
図31A−図31B、図32A−図32B、図33A−図33B、図34A−図34B、図35A−図35B、図40A−図40B、図41A−図41B、および図42A−図42Bは、それぞれ主軸寸法および副軸寸法に沿った処置デバイスの様々な実装の上端領域の側面図を図示する。図36および以下の表1もまた、図31A−図35Bの処置デバイスの様々な実装のフランジからの、変化する距離の外周および副直径長さの比較を示す。これらの実装のいくつかは、インプラントの経強膜領域内に配置される貫通可能なバリアを有する(図31A−図31B、図32A−図32B、図35A−図35B、および図40A−図40Bを参照);他方で他は、インプラントの経強膜領域の外側により遠位に動かされた貫通可能なバリアを有する(図33A−図33B、図34A−図34B、図41A−図41B、および図42A−図42Bを参照)。さらにまた、デバイスの様々な実装の上端領域内に取り込まれた貫通可能なバリアの全体の形状は、変わり得る。これらの実装のいくつかは、より大きな全体の胴回りを有する、より球状の貫通可能なバリアを取り込み(図31A−図31B、図32A−図32B、図41A−図41Cおよび図42A−図42Cを参照)、 他方で他は、わずかにより小さな全体寸法を有する貫通可能なバリアを取り込む(図33A−図33B、図34A−図34B、図35A−図35C、および図40A−図40C)。したがって、様々な実装の外周、主軸および副軸直径長さは、変わり得る。本明細書の他の箇所に記載されるとおり、上端領域の構成のいずれも、様々な処置デバイス構成のいずれをも備えて取り込まれ得、硬質な、拡張不可能なリザーバまたは拡張するリザーバを包含する。一般的に、リザーバ体積に進入しないように貫通可能なバリアが経強膜領域内に配置される上端領域は、小さな体積のリザーバで使用されてもよい。貫通可能なバリアが強膜下領域内に配置される上端領域は、貫通可能なバリアがリザーバ体積に進入し得るため、好ましくは拡張可能なリザーバまたはより大きな体積容量を有するリザーバで使用されてもよい。ある実装において、硬質な処置デバイス(本明細書において“rPDS”として言及される)の上端領域は、図31A−図31Bに示されるものを包含し得る。他の実装において、拡張可能な処置デバイス(本明細書において“ePDS”として言及される)の上端領域は、図32A−図32Bに示されるものを包含し得る。ある実装において、貫通可能な要素がデバイスにおいてより遠位にシフトされる場合(図33A−図33Bおよび図34A−図34Bにおいてなど)、上端領域は、拡張可能な処置デバイスで取り込まれ得る。図35A−図35Cに示される上端領域は、硬質な処置デバイスの実装で取り込まれ得る。図40A−図40C、ならびに図41A−図41C、および図42A−図42Cに示される上端領域は、拡張可能なリザーバを有する実装で使用され得る。
ある実装において、追加の材料は、rPDSと比較してePDSの主軸に沿ったネック領域で見られ得る。図31Aは、rPDSの主軸を図示し、および図32Aは、ePDSの主軸を図示する。これらの図は、ePDSにおいてわずかに異なる断面形状および大きさにされたネック領域を示す。図36および表1もまた、追加的にこれらの実装におけるrPDSおよびePDSのネック領域の比較を示す。例えば、図36に最も良く示されるとおり、フランジから0.50mmのrPDSネックの外周は、約6.1mmであり得、他方でePDSネックの外周は、約6.6mmでわずかに大きくあり得る。追加的に、この位置での断面の形状は、rPDS形状がより円形であり得る一方で、この位置でのePDSの断面形状は、形状においてよりレンズ形であり得、それによって主直径のいずれかの側上に“耳(ears)”を形成する、挟まれた領域を有する両凸形状を形成するということにおいて、rPDSとePDSとの間で違い得る。図36はまた、フランジから0.75mmならびに1.00mmの距離で、ePDSとrPDSとの間の断面の大きさおよび断面形状におけるこの相違を示す。ePDSの断面形状は、切開内にシステムの追加の安定性を提供する。例えば、ネック領域でのこの追加の材料は、切開内により著しい回転防止機能を提供し得、それは置かれる間ならびに一度移植されたとき、PDSの偏心しまたは非対称な拡張可能なリザーバにとって特に有用であり得る。ある実装において、上記のePDSにおけるネック領域の“耳”は、システムを安定化し、および回転防止機能を提供するために使用され得る。中隔の大部分が凹みにされ、またはリザーバ体積中へ下方に動かされるePDSのより小さなネック寸法もまた、本明細書において考慮される(例えば、表1のePDS3を参照)。
本明細書に記載される処置デバイスのいずれの貫通可能なバリアも、米国公開番号第2014/0296800号に記載されるものを包含し得、本明細書において参照によって取り込まれる。貫通可能なバリアは、そこで記載される多くの特徴のいずれも使用して、アクセスポート内の貫通可能なバリアの強化された保持を提供する1以上の特徴を取り込み得る。例えば、貫通可能なバリアは、アクセスポート内の対応する領域に合うような形状にされ得る。貫通可能なバリアは、さらに保持を支持するために、アクセスポートを通ってリザーバ体積中へ延伸するように構成されたスカート領域などの、1以上の特徴を取り込み得る。デバイスは、貫通可能なバリアの統合性およびアクセスポートとのその密閉係合を改良するためのカバーを包含し得る。アクセスポートは、貫通可能なバリア、および/または、一次的な貫通可能なバリアより上および/または下に配置される二次的な貫通可能なバリアの少なくとも領域を囲むように構成されたドーナッツ形状の要素などの、内部のアンカー特徴を包含し得る。例えば、図28A−図28B、図29A−図29B、図30A−図30B、図33A−図33B、図34A−図34B、図41A−図41C、および図42A−図42Cに示される実装において、二次的な貫通可能なバリアは、貫通可能なバリアより上に配置され得、それによって再充填針は、リザーバを充填するために二次的な貫通可能なバリアおよび一次的な貫通可能なバリアの両方を通して延伸しなければならない。2つのバリアは、より頑丈な密閉を提供する、あるレベルの冗長性をシステムに提供する。二次的な貫通可能なバリアは、一次的なバリアと同じ材料または異なる材料で形成され得る。一次的な貫通可能なバリアの材料は、例えば、針によるなど改良された貫通のためのバリアの中心領域の近くでより低いデュロメータの材料を、改良された保持のために周囲長の近くでより高いデュロメータの材料を、およびバリアの上に配置される追加の低いデュロメータの材料を、有し得る。この実装において、貫通可能なバリアは、上端領域を通して場所中へそれを引くことによって製造され、およびデバイスの近位端から切り取られる中隔であり得る。中隔は、リップ、フランジまたは中隔が充填および再充填上でデバイスのアクセスポートを通して外へ取り除かれることを防ぐのを助ける他の特徴を取り込み得る。中隔は、場所中へ接着させられ得る。図40A−図40Cに示される上端領域は、上端領域を通して場所中へ引くことによって製造され、およびデバイスの近位端領域から切り取られる中隔を包含し得る。しかしながら、中隔は、リップまたはフランジを取り込む必要はなく、全体の形状において円筒状であり得、および場所中へ接着させられ得る。図41A−図41Cおよびまた図42A−図42Cに示される上端領域は、デバイスの強膜下領域上に配置される球状の貫通可能なバリアを取り込み、それによってデバイスの経強膜領域は、全体の寸法において最小化され得る。これらの実装はまた、フランジ要素と共に固定の安定化を強化するために、強膜下の側上の肩領域を取り込み得る。図41A−図41Cにおける貫通可能なバリアの実装は、経強膜に延伸するわずかに漏斗状の領域を有し得、他方で図42A−図42Cにおける貫通可能なバリアは、経強膜領域を通して延伸する真っ直ぐな領域を有し得る。
本明細書に記載される貫通可能なバリアは、貫通可能な材料で形成される中隔である必要はない。例えば、本明細書に記載される処置デバイスのいずれも、貫通可能なバリアとして中隔を備えるまたは備えないバルブ機構を取り込み得る。バルブは、リザーバを薬物で充填するために、鈍針または引き延ばされたカニューレなど、それを通して引き延ばされた充填デバイスを受け入れるように構成され得る。バルブは、充填デバイスによる遠位方向における力の適用上で開くように構成され得る。バルブの開口は、充填デバイスが流体密閉係合を形成することを可能にし得、および充填デバイスに取り付けられる流体容器と処置デバイスのリザーバとの間の流体連通を可能にし得る。バルブおよび充填デバイスは、注入の間密閉するように構成され得、それによって流体は、流体がバルブ/充填デバイスインターフェイスの間で漏れることを防ぐ仕方において、リザーバに入る。バルブの構成は、分割中隔、チェックバルブ、ボールバルブ、フラップバルブ、ディスクバルブ、ダックビルバルブ、または他のバルブ構成を包含するがそれに限らず、変わり得る。ある実装において、貫通可能なバリアは、ツイストバルブであり得る。ツイストバルブは、流体がデバイスに入ることまたはそれを出ることを防ぐ蛇行状の路を包含し得る。充填針は、外の中隔材料の貫通のための鋭利な要素および蛇行状の路を通した挿入のための鈍い閉塞具を包含し得る。閉塞具が蛇行状の路を通して挿入されると、それは充填針の遠位先端がリザーバ内に位置付けられるまで路を真っ直ぐにし、それによって材料は、リザーバから挿入され/取り除かれ得る。路からの充填針の除去上に、路のねじれが戻り、流体密閉シールを維持する。
上述のとおり、図36および表1もまた、図31A−図35Bの処置デバイスの様々な実装のフランジからの変わる距離の外周および副直径長さの比較を示す。
最小化された副直径は、多くの移植可能なデバイスのいずれ中へも取り込まれ得、かかるデバイスのリザーバは、再充填可能、拡張可能、または硬質なものであるかに関らないということが認識されるべきである。貫通可能な要素を経強膜領域に遠位に再配置することは、ずっと狭い断面寸法を可能にする。ePDS2の経強膜領域は、最小の全体の外周および副軸寸法を有する。しかしながら、これは、デバイスの全体の有効荷重の大きさまたはリザーバ容量に影響を与え得る。表1のePDS2に関して、リザーバ壁は拡張可能であり、それによって貫通可能な要素は、薬物送達のためのデバイスの全体の有効荷重の大きさに悪影響を与えることなく、さらにデバイスの内部中へ進入し得る。対照的に、硬質な壁デバイスは、薬物送達のための全体の有効荷重の大きさにおける少なくともいくらかの減少を被ってもよい。
本明細書に記載される処置デバイスはまた、近位の保持構造を差し控えてもよく、その代わり、眼において処置デバイスを固定するための代替的な方法を取り込んでもよい。図37A−図37Dおよび図38A−図38Eもまた、完全に硝子体腔の内側にある眼の内側の強膜下に移植されるように構成された、処置デバイス3700の実装を図示する。本明細書に記載される他の実装と同様に、デバイス3700は、排出口3725を定義し、リザーバ3730の遠位端の近くの放出制御要素(示されない)を支持するように構成される、上方フランジ3710および遠位ブッシング3738を包含し得る。上方フランジ3710は、アクセスポート3711をデバイス中へ、および貫通可能なバリアまたは中隔を支持するために定義し得る。アクセスポート3711は、眼の外側からのデバイス3700の再アクセスのための相対的に大きなターゲットを提供し得る。ある実装において、アクセスポート3711の直径は、全体でおよそ1.5mmであり得る。上方フランジ3710は、眼の湾曲に合致するような輪郭にされ得る。
上方フランジ3710は、拡張可能なリザーバ3730に結合され得る。リザーバ3730の柔軟性は、リザーバ3730の有効荷重容量を最大化し得る一方で、デバイス3700が小さな切開の大きさを通して挿入されることを可能にする。例えば、移植前にリザーバ3730は、空であり潰れている状態であり得る。リザーバ3730の壁は、様々に潰れた状態となり得、それによって空のデバイスの全体の直径が挿入のために最小化される。例えば、ある実装において、リザーバ壁は、アコーディオン様の仕方において上方フランジ3710に対して潰れ得る(図37A−図37Dを参照)。デバイス3700の潰れた構成は、例えば、強膜を通して狭い寸法を挿入する前にデバイスを90度回すことによって、切開を通して挿入され得る。強膜内に配置されると、デバイスは、90度回して戻され得、それによって上方フランジ3710は、固定のために強膜の内部表面に平らに配置される。アクセスポート3711とデバイスの遠位端との間に延伸するデバイスの中心軸に沿ってアコーディオン様の仕方において潰れることよりもむしろ、リザーバ壁はまた、中心軸Aの周りに折り曲げられ得または包まれ得る(図38A−図38Eを参照)。ある実装において、デバイス3700は、近位領域および遠位領域に結合された中心ポスト要素を取り込み得、および、壁は、中心ポスト要素の周りで折り曲がるまたは包まれる。代替的に、引き延ばされた送達要素は、デバイス3700を通して延伸し得、それによってリザーバ3730の壁は、引き延ばされた送達要素の周りで折り曲が得るまたは包み得る。ある実装において、リザーバ3730の壁は、他よりもデバイス3700の一側面のより近くに拡張するように構成され、それによって、拡張された形状は、デバイスの中心軸に相対的に偏心する。この実装において、壁は、本明細書の他の箇所に記載されるとおり折り曲がり得る。
本明細書に記載されるデバイス実装のいずれも、いずれの組み合わせにおける眼におけるデバイスの固定を提供する1以上の特徴をも取り込み得る。特徴は、処置デバイスが使用中のときに強膜上の位置に配置されるように構成されたフランジ要素を有する、近位の保持構造を包含し得る。特徴はまた、経強膜のおよび/または強膜下の固定を改良するために、処置デバイス(すなわち近位領域および遠位延伸部)の上端の相対的な形状を包含し得る。特徴はまた、処置デバイスの縫合を可能にする特徴を包含し得る。これらの特徴は、単独でまたは組み合わせにおいて使用され得る。例えば、本明細書に記載される処置デバイスは、適所に縫合することにのみ依拠し得、または縫合することは、強化された固定特徴として取り込まれ得る。本明細書に記載される処置デバイスは、固定のために縫合に依拠する必要はなく、デバイスを適所に維持するための処置デバイスの上端の1以上の特徴に依拠し得る。したがって、処置デバイスの固定のための特徴は、強膜下、強膜内、および/または強膜上の特徴であり得る。
挿入する際に、デバイス3700は、強膜24の内部表面に縫合され得、経強膜交換針が強膜24を通してデバイス3700にアクセスし、および再充填することを可能にする(図37A−図37Dを参照)。上方フランジ3710は、安定化のために強膜の内部表面に対して縫合することを介してデバイス3700を取り付けるために、複数のアンカー特徴3712を取り込み得る。アンカー特徴3712は、フランジ3710を通した穴、ループ、または他の縫合を受け入れるように構成された特徴であり得る。アンカー特徴3712の配列および/または結果となる縫合パターンは、可視化ガイダンスを提供し得、および、ターゲット位置を確認するための超音波イメージングなど、可視化の他の方法の補助的使用を備えるまたは備えないターゲットガイドとして使用され得る。
図39A−図39Eは、強膜上の固定のためのアンカー特徴3912を有する保持構造3905の実装を図示する。本明細書の他の箇所に記載されるとおり、保持構造3905は、強膜に沿って置くために構成されたフランジ要素3910、使用の間強膜組織を受け入れるように設計された近位領域3916、および遠位延伸部3917を包含し得る。遠位延伸部3917は、デバイスの貫通可能な領域への安定化を提供するように設計され得る。例えば、近位領域3916は、強膜の内部表面との接触を安定化させるための肩を有し得、または、強膜の内部表面との接触を回避するように設計され得る。フランジ要素3910は、その中に貫通可能な要素(示されない)が配置され得るアクセスポート3911を定義し得る。中隔などの貫通可能な要素は、アクセスポート3911の近位端の近くに配置され得、または、移植上で経強膜ではないネックの部分内のより遠位に配置され得る。近位領域3916は、強膜を通して貫通部位に合うような断面に沿った大きさにされ得、それによって遠位延伸部3917と比較して狭くされる。近位領域3916を横切る距離は、本明細書の他の箇所に記載されるとおりの他のものと比較して、1つの寸法に沿って短くされ得、または、近位領域3916は、一般的に円筒状であり得る。本明細書の他の箇所に記載されるとおり、ネックの経強膜部分の寸法は、特に中隔が経強膜領域へ遠位に配置される場合、最小化され得、切開の組織縁部がより緩められ、ならびに、傷のより良い治癒のためにより整列しおよび互いに対向しやすくすることを可能にする。強膜上の固定のためのアンカー特徴3912は、刻み目をつけられた領域3939を介してアクセスポート3911のいずれかの側の外の方へ延伸する、1以上のウイング3938を包含し得る。刻み目をつけられた領域3939は、強膜の縫合を容易にし得る。アンカー特徴3912は、切開内でデバイスを固定すること、ならびに手術後に切開を閉じる補助をすることを提供する。例えば、図39Dに示されるとおり、上方フランジ3910は、切開線ILに沿って横たわり得、および、刻み目をつけられた領域3939は、刻み目をつけられた領域3939の周りならびに強膜切開線IL対向する壁を通して延伸し得る縫合ループSLを据え付けるために、使用され得る。上方フランジ3910を強膜に固定するために縫合ループSLが締められるにつれ、組織縁部もまた接近する。ウイング3938の全体のスパンは、変わり得、および全体の切開長とおよそ同じ長さであり得、それによってウイング3938切開を広げ、および組織縁部の並置のための縫合アンカー特徴を提供する。ある実装において、各ウイング3938は、単一よりも多くの刻み目をつけられた領域3939を有し得る。例えば、各ウイング3938は、2、3またはより多い刻み目をつけられた領域3939を有し得、それによって単一より多くの縫合ループSLがアクセスポート3911の各側上に形成され得る。したがって、アクセスポート3911のいずれかの側上の各ウイング3938は、一般的に円形または楕円形の形状を有し得、または2つの刻み目をつけられた領域3939が取り込まれる場合、8の字形状、または3つの刻み目をつけられた領域3939が取り込まれる場合、“雪だるま”形状などを有し得る。アクセスポート3911のいずれかの側上の複数の刻み目をつけられた領域3939は、より多数の縫合ループSLが切開に沿って縫い付けられることを可能にする。これは、より長い切開長が保持だけでなく切開の閉止を改良するためにも有用であり得る。ウイング3938はまた、上方フランジ3910を通した穴などの他のアンカー特徴を取り込んでもよく、それによって追加の縫合が据え付けられ得るということが認識されるべきである。一般に、フランジを通した穴は、組織縁部を一緒に描くのに、刻み目をつけられた領域3939ほど有用ではないだろう。
使用方法
本明細書に記載される処置デバイスは、多様な位置において使用され得、および、多様な方法で移植され得ることが認識されるべきである。本明細書に記載される移植方法および処置デバイスの使用は、移植される処置デバイスの種類および処置のための意図される位置および薬物に応じて変わり得る。以下でより詳細に記載されるとおり、本明細書に記載される処置デバイスは、1以上のデバイスを使用してプライムされ得、移植され得、充填され得、再充填され得、および/または外植され(explanted)得る。
処置デバイス移植の1つの実装において、強膜切開は、従来の技術にしたがって作り出される。強膜切開は、強膜24を通して処置デバイスの挿入部位の後に作り出され得、または、強膜切開は、強膜24を通してそのポスト(post)の挿入部位の上に直接、作り出され得る。結膜16は、強膜24のエリアを曝すために、解剖され得、および、引込められ得る。結膜16における切開は、処置デバイスの意図される挿入部位から遠隔に作られ得る。強膜の切開または穴開けは、形成され得る。強膜の切開または穴開けは、送達デバイスツールで、または、上記のとおり処置デバイスの遠位先端を使用して作られ得る。いくつかの実装において、処置デバイスは、無縫合の外科的方法およびデバイスを使用して移植される。他の実装において、処置デバイスは、強膜弁の下などの強膜下に配置され得る。
ポストは、排出口の少なくとも1つがターゲット送達部位内に、またはその近傍に配置されるまで、およびフランジ要素が存在する場合、フランジ要素の内に面する表面が眼の外の表面と当接し得るまで、(硝子または前眼房内などの)眼中へ挿入され得る。必要な場合、縫合または他の要素などの追加の固定要素は、本明細書の他の箇所に記載されたとおり眼における処置デバイスの移植に続いて使用され得る。処置デバイスは、1、2、3、4、5、10、15、20、25日または少なくとも約3年までの日、月および年のいずれも包含するがそれに限られない、症状を処置するのに十分な期間の間、1以上の治療剤を眼に送達する配置にあり続け得る。治療剤が所望の期間の間送達された後、処置デバイスは、さらなる送達のために再充填され得、または除去され得る。ある実装において、処置デバイスは、再充填をすることなく少なくとも90日、少なくとも3月、少なくとも6月、または少なくとも12月の間、薬物を送達するように構成される。
一般的に、本明細書に記載される処置デバイスの実装は、薬物溶液、薬物懸濁液および/または薬物マトリックスを含有する。本明細書に記載される処置デバイスはまた、1以上の固体薬物コアとして処方される治療剤、または、延長された期間の間、治療的有効量で1以上の治療剤を送達するように処方されるペレットを含有し得る。その時間に渡って処置デバイスが治療的有効量を送達する期間は、変わり得る。いくつかの実装において、処置デバイスは、デバイスの再充填が必ずしも必要でないように、デバイスの有効寿命に渡って療法を提供するように移植される。
図19A〜図19Dは、本明細書に記載される処置デバイスをプライムし、充填し、および/または再充填するように設計される、一般化したツール300を示す。ツール300は、それを通して内部充填カニューレ310が延伸し得る内部の腔を有する、トロカール(trocar)導入カニューレ305を包含し得る。導入カニューレ305は、カニューレ305の遠位端がリザーバ130の近位端領域(図19Bを参照)、および/または、存在する場合に中心コア要素135の近位端に入るまで、デバイス100の近位領域において貫通可能な要素115を通して延伸し得る。ツール300の領域は、遠位先端315がリザーバ130中のあまりにも遠くに延伸することを防ぐためのハードストップを有し得る。内部充填カニューレ310は、導入カニューレ305の内部の腔を通して、および、少なくともリザーバ130の近位端領域中へ延伸し得る(図19Cを参照)。充填カニューレ310は、リザーバ130の遠位端領域の方のリザーバ130中へさらに延伸し得る。充填カニューレ310の全体的な長さは、充填カニューレ310がリザーバ130の遠位端領域または存在する場合に中心コア要素135の方へ延伸し得るように、それを伴って使用されるだろう処置デバイスに基づいて選択され得る。
または、デバイスがフローディレクタ140を包含する場合、充填カニューレ310は、フローディレクタ140の少なくとも領域を通して延伸するように構成される長さを有し得る。充填カニューレ310は、鈍くされ、およびそれを通して材料が充填カニューレ310の外に流れてもよい開口320を有する、遠位先端315を包含し得る(図19Dを参照)。開口320は、充填カニューレ310の側壁においてあり得、および/または、充填カニューレ310の遠位先端315であり得る。さらに、充填カニューレ310からの開口320が単一より多くあり得る。充填カニューレ310を通した、および、遠位先端315の近傍の開口320の外への材料の流れは、ボトムアップの仕方におけるリザーバ130の充填を可能にする。導入カニューレ305の遠位端領域は、リザーバ130から既存の材料を受け入れるように構成され得、既存の材料は、充填カニューレ310を通した新しい材料での充填においてリザーバ130から外にフラッシュされ得る。これは、フローディレクタ140との組み合わせにおいて、再充填効率を増やし得る。ツール300は、例えばそれぞれが本明細書に全体において取り込まれる米国特許番号第8,399,006号;米国特許番号第8,623,395号;米国公開番号第2013/0324918号;および米国公開番号第2013/0165860号に記載される、他の再充填デバイスの1以上の特徴を取り込み得る。アクセス領域の全体の長さ、ならびに処置デバイスのアクセス領域に据え付けられた貫通可能なバリア次第で、充填カニューレ310は、多様な長さおよび/または補強構造のいずれを有してもよいということが理解されるべきである。
本明細書に記載されるとおり、処置デバイスは、一般的にNon−Compliant材料で形成される拡張可能なリザーバを有し得る。リザーバは、送達要素の内部の体積内に合うように折り曲げられ得、および、拡張において信頼可能に展開され得る。図20A〜図20Fは、概略的な上視図において、リザーバ折り畳みの様々なステージにおける処置デバイス2100の実装を示す。処置デバイス2100は、偏心性の仕方においてデバイスの軸Aを囲むリザーバ2130を有する。簡単のために、リザーバ2130の折り畳みは、この軸Aの観点で記載されるだろう。軸Aは、存在する場合に中心コア2135の中心軸と同軸であり得るが、中心コア要素2135は、デバイスが以下に記載されるとおり折り畳まれるために存在する必要はないことが、認識されるべきである。リザーバ2130は、偏心性であり得、それにおいてリザーバ2130の拡張された体積のより多くは、リザーバ2130が軸Aに相対的に、非対称に拡張するように、軸Aと平行に描かれる面の対向する側面よりも、第1側面上に位置づけられ得る。
図20Aに示されるとおり、折り畳まれていない構成における非対称リザーバ2130は、長軸LAおよび短軸SAを有する楕円状の断面形状を伴う、中心領域を有し得る。リザーバ2130の拡張される部分の偏心性の体積EVは、軸Aと平行に描かれる面の第1側面上に位置づけられ得る。図20Bは、リザーバ2130の折り畳みにおける第1ステップを示し、その間に、長軸LAに沿ったリザーバ2130の対向する領域は、互いの方へ内側に促され(urged)、リザーバ体積の中心の近傍に狭められ、縮んだ領域を作り出す。そして短軸SAに沿ったリザーバ2130の対向する領域は、互いの方へ、および中心軸Aの方へ促され得る(図20Cを参照)。この構成は、リザーバ130の材料において4つの折り畳みまたはひだ2137a、2137b、2137c、2137dを作り出し、軸Aのいずれかの側面上の2つは、リザーバ130の長軸LAに沿って外の方へ延伸する。
各ひだ2137a、2137b、2137c、2137dは、ひだ端2138a、2138b、2138c、2138dを有し得る。隣接するひだ2137a、2137cは、第1谷2139aを形成し得、および、隣接するひだ2137b、2137dは、第2谷2139bを形成し得る。第1の2つのひだ2137a、2137cのひだ端2138a、2138cは、偏心性の体積EV側面の方へ軸Aに相対的に、時計回りの仕方において促され得、および、第2の2つのひだ2137b、2137dのひだ端2138b、2138dは、偏心性の体積EV側面の方へ軸Aに相対的に、反時計回りの仕方において促され得、第3の谷2139cを形成する(図20Dを参照)。ひだ端2138aは、ひだ2137aが第3の谷2139cの内側に下へ折り畳まれるまで、時計回りの方向において促され得る。ひだ2137bは、第1谷2139a上へ、中心コア2135に対して上へ折り畳まれる(図20E)。そしてひだ端2138cは、ひだ2137cがひだ2137a上に重なるまで、軸Aに相対的に反時計回りの仕方において促される。ひだ2137dは、第2谷2139b上へ、中心コア2135に対して上へ折り畳まれる。
デバイスの軸Aに相対的なリザーバ2130の非対称な形状および折り畳みプロセスは、ひだ2137a、2137cが、ひだ2137b、2137dに相対的な材料のより長い「翼」を形成するという結果になる。さらに、この構成は、ひだ2137b、2137dが中心コア2135の側面に対して圧力をかけられる一方で、ひだ2137cがひだ2137aに重なるという結果になる。しかしながら、ひだ2137cは、第3の谷2139c中へ折り畳まれ得、および、ひだ2137aがひだ2137c上に重なり得ることが、認識されるべきである。一般的に、より長い2つのひだ(すなわち、リザーバの偏心性の体積EV側面上のひだ)は、長さの少なくとも一部に重なり合い得る一方で、より短い2つのひだ(すなわち、対向する側面上のひだ)は、重なり合わない。上記の折り畳みはまた、非対称なリザーバの領域を生み出すために必要とされてもよい過剰な材料を扱うために、必要な限りにおいて適合材料に適用されることが認識されるべきである。リザーバはまた、本明細書の他の箇所に記載されるとおり、アコーディオン式に畳み込み、強膜切開を通して横に挿入されてもよいことが認識されるべきである。
本明細書に記載される処置デバイスは、参照によって本明細書に取り込まれる米国公開番号第2015/0080846号に記載される1以上のデバイスを使用してプライムされ得、および、挿入され得る。いくつかの実装において、折り曲げられた処置デバイス2100は、プライミングツール2200内に保持され得る。図21A〜21Bは、搭載されていないプライミングツール2200、および、処置デバイス2100を搭載したプライミングツール2200のクローズアップをそれぞれ示す。プライミングツール2200は、分離したツールであり得、または、処置デバイス2100を充填し、および/またはインプラントするために使用される送達システムと統合され得る。いくつかの実装において、ユーザーは、ツール2200の近位端上の柄2205によって、および、遠位端上の対向するクラムシェル(clamshell)2210に動作的に結合される、プライミングツール2200を保持し得る。柄2205は、クラムシェル2210が互いに対して閉じられた配置において偏るように、および、内側への圧搾が互いから離れた距離に対向するクラムシェル2210を動かすように、逆ピンセット型の作動機構を有し得る。
クラムシェル2210は、処置デバイス2100の少なくとも一部を含有するように構成される、凹みにされた内部の幾何学をそれぞれ有し得る。例えば、クラムシェル2210の1つは、第1凹み部分を有し得、および第2のクラムシェル2210は、第2凹み部分を有し得、クラムシェル2210が一緒に閉じられた配置にあるとき、凹み部分は、処置デバイス2100の外の輪郭と実質的に同じ形状を有する空洞2215を形成する。プライミングツール2200は、対向する凹み部分によって形成される空洞2215内に処置デバイス2100を保持し得、および、リザーバ2130の折り畳まれるひだは、特に以下でより詳細に記載されるとおりプライムする間、制約され得、および拡張を防がれ得る。クラムシェル2210は、処置デバイス2100のプライムの間、最適な表示および/または視覚による適応のために実質的に澄んだ材料で形成され得る。
プライミングツール2200は、処置デバイス2100がプライミングツール2200内に保持されるとき、処置デバイス2100の上方表面がアクセスされ得るように、クラムシェル2210との間のチャネル2220をさらに包含し得る(図21B)。例えばチャネル2220は、図21Cに示されるとおり、患者への挿入の前にデバイスをプライムし、および/または充填するために、処置デバイス2100の隔壁を通した針の挿入を可能にする。プライミングツール2200のチャネル2220は、処置デバイスの針と隔壁との間の適切な整列およびアクセスを提供する1以上の特徴を取り込み得る。
処置デバイス2100は、プライミング針を使用してプライムされ得る。プライミング針は、挿入ツールの一部であり得、または、分離したツールの分離したプライミング針であり得る。プライミング針は、プライミングツール2200の対向するクラムシェル2210との間の空洞2215内に制約される、処置デバイス2100の隔壁を貫通し得る。プライミング針は、プライミング流体の量で充填されるシリンジに結合され得る。シリンジは、空気をデバイス2100の外へ出して空にするために、流体を制約されたデバイス中へ注入するプランジャなどを経由して作動され得る。空気は、注入されたプライミング流体がデバイス2100のリザーバ2130中へ注入されるとき、処置デバイスの遠位端210での薬物放出要素など、処置デバイス2100における多孔性構造を通して空にされ得る。プライミング流体は、生理食塩水などの流体であり得、または、患者に送達される薬物溶液であり得る。処置デバイス2100はクラムシェル2210との間で制約されるため、プライミングは、見るからにはリザーバ2130を拡張しない。
図22A〜図22Bは、プライミングツール2200での使用のための挿入ツール2300の実装を示す。挿入ツール2300は、プライミングツール2200および/またはプライミング針から分離しているものとして記載されるが、様々なツールは、単一のデバイスまたは保持、プライミング、および挿入という様々な機能を果たすシステム内に統合され得ることが認識されるべきである。挿入ツール2300は、近位の柄2305および遠位の針ポスト2310を包含し得、点にされた(pointed)先端2315、選択的に針ポスト2310と柄2305との間に配置された台座要素2325を有する。針ポスト2310は、プライミングツール2200のチャネル2220を通して挿入され得、および、クラムシェル2210との間に保持される処置デバイス2100の上方表面の方へ向けられ得る。針ポスト2310は、デバイス2100が挿入ツール2300に固定されるように、クラムシェル2210内に保持される処置デバイス2100の隔壁を通して貫通し得る。処置デバイス2100がプライムされ、および挿入ツール2300に固定されると、プライミングツール2200は、互いに離れてクラムシェル2210を動かすために作動され得、その間の空洞2215内から処置デバイス2100を解放する(図21Dを参照)。
再び図22A〜図22Bに関して、挿入ツール2300は、1以上のボディ幾何学、視覚標識、および/または機械的な調和特徴を取り込み得、プライミングツール2200内に保持される処置デバイス2100の隔壁を通した、針ポスト2310の挿入上の適切な整列を可能にする。例えば、挿入ツール2300の一部は、ツールの円筒形表面から外の方へ延伸する、上昇した、機械的なキー2301を包含し得る。キー2301は、プライミングツール2200の一部において、対応する形状にされたスロット2302中へスライドし得る。キー2301は、挿入ツール2300がプライミングツール2200に相対的な、ある方向付けにあるときにのみ、針が隔壁を貫通するように、スロット2302を通してスライドする。キー2301は、針ポスト2310がチャネル2220を通して挿入するときにキー2301がプライミングツール2200と当接するように、針が他のいずれの方向付けにおいても隔壁を貫通することを防ぐ。挿入ツール2300はまた、ユーザーが所望の、または知られている方向付けにおいて処置デバイス2100に相対的に挿入ツール2300を配置するようにガイドするための、1以上の視覚によるマーカーを取り込み得る。同様に、処置デバイス2100が挿入ツール2300によって貫通されると、オペレータは、一般的に処置デバイス2100の相対的な方向付けが挿入ツール2300によって保持されることに気づき得、および、いずれの方向にリザーバ2130の偏心性の体積が拡張し、それに応じて切開を通して処置デバイス2100を挿入し得るかを知るだろう。
挿入ツール2300によって保持される処置デバイス2100は、既知の仕方において、ターゲット領域の穴開けまたは切開を通して挿入され得るが、処置デバイス2100の方向付けは、所望の場合、挿入されると回転して調節され得る。いくつかの実装において、挿入ツール2300は、挿入の軸Aの周りに処置デバイス2100を回転させるように具体的に設計される、1以上の特徴を取り込み得る。上述のとおり、挿入ツール2300は、切開を通して処置デバイス2100を促すように構成される台座要素2325を包含し得る。台座要素2325は、処置デバイス2100と係合し、トルクを適用するような形状にされた遠位端2320を有し得る。図23A〜23Eにおいて最も良く示されるとおり、台座要素2325の遠位端2320は、処置デバイス2100の近位端でフランジ要素2110の少なくとも一部を受け入れるような大きさにされ、およびかかる形状にされた空洞2330を包含し得る。
本明細書の他の場所に記載されるとおり、処置デバイス2100の近位フランジ要素2110は、具体的な幾何学、例えば長軸および短軸または非対称な形状を有し得る。挿入ツール2300の遠位端2320は、フランジ要素2110が空洞2330内に挿入するように、フランジ要素2110に渡って下にスライドし得、フランジ要素2110、したがって処置デバイス2100は、挿入ツール2300の回転上で回転する。加えて、遠位端2320は、フランジ要素2110の部分と接触し得る空洞2330の、対向する側面上に位置づけられる縁部特徴2335の組を包含し得、軸Aの周りでの時計回りまたは反時計回りの方向における処置デバイス2100の回転をさらに補助する。台座要素2325はまた、挿入の間に、処置デバイス2100の上方表面と当接するように構成される、その最も遠位の端で平らな面を有し得ることが認識されるべきである。
台座要素2325および/または針ポスト2310は、柄2305に相対的に可動であり得、例えば、上記のとおり回転され得、遠位の方向に前進され得、および/または近位の方向に引込められ得る。代替的に、台座要素2325および針ポスト2310は、治療デバイスを据え付けるために、柄2305に相対的に固定され得、挿入ツール2300全体は、オペレータによって時計回り、反時計回り、または患者に相対的に遠位または近位の方向に動かされる。処置デバイス2100がターゲット処置位置内に適切に方向づけられると、台座要素2325は、単一の前進動作で処置デバイス2100を切開におけるその最後の配置中へ据え付けるように使用され得る。
図24A〜図24Fは、柄2305、針ポスト2310、台座要素2325、アクチュエータ2345、および対向するエンドエフェクタ2350を有する、挿入ツール2300の実装を図示する。針ポスト2310および台座要素2325は、互いに、ならびに柄2305およびエンドエフェクタ2350と同軸に延伸し得る。上記のとおり、処置デバイス2100は、針ポスト2310がデバイス2100の隔壁を通して延伸するように、挿入ツール2300によって保持され得る。針ポスト2310は、対向するエンドエフェクタ2350によって形成される開口2360を通して可視であり得る(図24Dを参照)。挿入ツール2300のエンドエフェクタ2350は、処置デバイス2100の近位端上に締め得る。エンドエフェクタ2350が処置デバイス2100のフランジ要素2110の周りに閉じられるとき、それらの遠位端2355は、フランジ要素2110の下側面の近傍の、処置デバイス2100の領域の周りを包む。
しかしながら、フランジ要素2110の下側面の周りを包むこれらの遠位端2355の厚さは、処置デバイス2100のこの領域を充填し、該領域は、さもなければ、デバイス2100が切開内に完全に据え付けられる場合、それを通してデバイス2100が移植される組織によって囲まれる。したがって、デバイス2100が所定の位置に据え付けられる場合、エンドエフェクタ2350は、例えば摺動アクチュエータ2345によって互いから離れて促され得る(図24Eを参照)。エンドエフェクタ2350内で、および、針ポスト2310に渡って同軸に延伸する台座要素2325は、処置デバイス2100のフランジ要素2110の上方表面に対して押し付けるように、遠位に促され得る(図24Fを参照)。したがって、処置デバイス2100は、切開内へ下に促され得、および、据え付けられ得る。遠位の方向における台座要素2325の動き、および、外の方向におけるエンドエフェクタ2350の動きは、台座要素2325が遠位の方向に延伸する前に、エンドエフェクタ2350がフランジ要素2110から離れて動くように、アクチュエータ2345の単一の作動上に、または、ステップごとの仕方において、実質的に同時に起こり得る。
いくつかの実装において、台座要素2325は、エンドエフェクタ2350の内部表面にかみ合わせるような形状にされた外の表面を有し得、台座要素2325は、処置デバイス2100を据え付けるエンドエフェクタ2350を通して遠位に前進される場合、エンドエフェクタ2350を外の方向に促す。図24Gにおいて最も良く示されるとおり、エンドエフェクタ2350は、エンドエフェクタ2350の組が軸Aおよび互いの方へ、および軸Aおよび互いから離れて、旋回し得るように、ヒンジピンによって、それらの近位端で柄に結合され得る。台座要素2325は、エンドエフェクタ2350の中心チャネル内の、軸Aに同軸のエンドエフェクタ2350との間に遠位に延伸し得る。エンドエフェクタ2350の中心チャネルは、エンドエフェクタ2350の中心チャネルを通して延伸する台座要素2325の外の表面上の対応する表面特徴2360をかみ合わせるように構成されるカムなどの特徴2365を包含し得る。
同様に、台座要素2325がアクチュエータ2345によって前方の直線方向に促されるとき、台座要素2325の外の表面上の特徴2360は、エンドエフェクタ2350の特徴2365をかみ合わせ、エンドエフェクタ2350が互いから離れた外の方へ旋回することを促す。これは、フランジ要素2110が妨害のない仕方において切開内に据え付けられ得るように、エンドエフェクタ2350の遠位端によって保持される処置デバイス2100のフランジ要素2110を放出する。アクチュエータ2345は、保持ばねによって台座要素2325に結合され得、保持ばねは、アクチュエータ2345に対して押し付け、処置デバイス2100の周りの閉じられた配置においてエンドエフェクタ2350を偏った状態に保つ。保持ばねはまた、針ポスト2310が移植の前に処置デバイス2100の隔壁に穴を開けることを避け得る。したがって、挿入ツールのこの実装は、エンドエフェクタ2350の遠位端によるフランジ要素2110によって処置デバイス2100を保持し得、および、デバイス2100を据え付けるために作動されるまで、針ポスト2310および台座要素2325を近位の配置において偏らせ得る。
リザーバ2130は、移植およびデバイスの据え付けに続いて充填され得、および拡張され得る。しかしながら、リザーバ2130は、以下でより詳細に記載されるとおり、処置デバイス2100を最後に、切開内に完全に据え付ける前、間、または後に、充填され得ることが認識されるべきである。いくつかの実装において、充填針2500は、処置デバイス2100が充填されたとき、その流体戻り通路を経由して視覚的なフィードバックを提供するハブを有する、30ゲージ針であり得る(図25を参照)。例えば、充填針2500は、戻り流体を見るための透明または半透明のチャンバを包含し得る。充填針2500はまた、1以上の戻り流体通路穴を包含し得る。充填針は、プライム流体が処置デバイス2100から除去されるまで、治療流体をデバイス2100中へ注入するために使用され得る。リザーバ2130は、デバイス2100が流体で充填される場合、拡張する。デバイス2100は、最大の拡張を確実にするために、わずかに超過して充填され得る。
いくつかの実装において、充填針2500は、上記のとおりプライムするために使用され、および処置デバイスから空気を空にするために使用されるプライム針と同じであり得る。充填針2500はまた、上記のとおり配置中へ処置デバイスを保持し、送達するために使用される挿入デバイス2300上の針と同じであり得る。プライミング針、針ポスト2310、および充填針2500は、処置デバイス2100における隔壁の3つの貫通がプライム、挿入および充填の間に起こるように、それぞれ分離したデバイスであり得ることが認識されるべきである。プライミング針、針ポスト2310、および充填針2500は、隔壁の単一の貫通がプライム、挿入および充填の間に行われるように、同じ針であり得ることが認識されるべきである。代替的に、初期に治療デバイスをプライムし、挿入し、および充填するために2つの貫通のみが必要とされるように、プライム針および針ポスト2310は同じ構成要素であって充填針2500は分離した構成要素であり、または、プライム針は分離した構成要素であって針ポスト2310および充填針2500は同じ構成要素であり得る。本明細書に記載される処置デバイスは、期間の間の後で再充填され得ることもまた、認識されるべきである。処置デバイスの隔壁は、例えばそれぞれ参照によって本明細書に取り込まれる米国特許番号第9,033,911号または米国公開番号第2013/0165860号に記載されるとおり、再充填針での再充填の間貫通され得る。再充填針および充填針は、同じ種類の針であり得、または、互いから別個であり得る。例えば、充填針は、再充填針がかかる特徴を取り込まない一方で、充填を可視化するための特徴を取り込んでもよいし、取り込まなくてもよい。
本明細書の他で言及したとおり、引き延ばされたネック領域および/または冗長な貫通可能バリアを有するデバイス実装と共に使用された、充填針および/または再充填針は、より短いネック領域を有するデバイス実装と共に使用された針よりも長くてもよい。ある実装において、冗長なバリアシステムが取り込まれるときなど、針は、中隔を通したより長い移動を収容するための1以上の補強構造、または、効率的にシステムを再充填するための再充填針の遠位端近くの戻り穴の集結を包含してもよい。例えば、引き延ばされた上端領域を有し、および例えばネックの近位部分内にない冗長な中隔または貫通可能な要素を取り込んだデバイスのリザーバにアクセスするために、針は、より長い長さ、その長さの少なくとも領域を取り囲む補強構造、および/または針の遠位端近くの戻り流体穴を包含するがそれに限られない、より良い貫通を提供するための1以上の特徴を取り込んでもよい。
移植されたリザーバの拡張された体積が達成されると、デバイスは、(例えば毎3、4、5、6月または毎12月もの)予測可能な間隔で、再充填され得る。しかしながら、眼に移植された、拡張されたデバイスの体積を変えることは望ましくないかもしれず(例えば、移植された眼における動きは、囲む構造への潜在的な外傷または眼内圧力における揺らぎにつながるかもしれず)、したがってそれは回避されるべきことである。移植および拡張された、本明細書に記載される処置デバイスは、リザーバの外径または輪郭がデバイスの使用の至る所で、および充填状況にかかわらず、実質的に変わらないように、一貫した体積を維持し得る。さらに、本明細書に記載される処置デバイスは、流体がリザーバ中へ注入される間でさえ、および/または、流体がリザーバから除去される間でさえ(例えば、フローディレクタを伴い、またはそれを伴わずに再充填針を使用して)、同じ拡張された形状を維持し得る。例えば、薬物は、時間をかけて多孔性薬物送達要素を通して、および拡張されたリザーバの外へ、受動的に発散する。
この眼中への薬物放出にかかわらず、拡張されたリザーバは、流体、例えば硝子からリザーバに入る流体で充填され続け得、および、薬物製剤流体は、リザーバにあり続ける。リザーバ材料は、リザーバの内部が薬物で充填されるか否かにかかわらず、その物理的構造を維持する傾向にある実質的にNon−Compliant材料で形成され得る。さらに、本明細書に記載される処置デバイスの再充填は、負圧および/または陽圧がその内で高まらないように行われ得る。使用される再充填および交換デバイスは、リザーバ内での流体の吸引または排出を回避するための特徴を取り込み得、代わりに、実質的に一定の内部圧力を維持する間、流体を交換し得る。処置デバイスもまた、この圧力中立の交換を奨励する1以上の特徴を取り込み得る。例えば、処置デバイスは、腔を囲む壁、腔への注入口、腔からの排出口、および注入口と排出口との間の中心コア要素の壁を通して延伸する1以上の開口を有する、リザーバの体積を通して延伸する中心コア要素を取り込み得る。
腔は、1以上の開口を介してリザーバの体積と流体連結し得る。いくつかの実装において、1以上の開口は、流体がリザーバ内にあり続けながら、新しい薬物製剤流体の交換を奨励するために、中心コア要素の壁に沿って位置づけられる。例えば、第1開口は、注入口を通した再充填/交換針の挿入上で、新しい薬物製剤がこの第1開口の近傍に送達されるように、中心コア要素の遠位端領域の近傍に位置づけられ得る。少なくとも第2開口は、中心コア要素の近位端領域の近傍に位置づけられ得る。新しい薬物製剤と交換される、リザーバ内にあり続ける流体は、第2開口(単数および複数)を通してリザーバ体積を出得る。再充填/交換針の排出口の腔は、流体が排出口の腔を通して処置デバイスから除去されるように、この第2開口の近傍に配置され得る。中心コア要素における注入口および排出口の開口のこの配列は、混合することなく、および、拡張可能なリザーバの外径または輪郭に影響を与え得るリザーバ体積内の圧力に影響を与えることなく、流体の交換(例えば古い製剤に代わって新しい製剤)を奨励し得る。
さらに、中心コア要素は、再充填針が中心コア要素の注入口を通して挿入される場合、リザーバの材料を保護し得る。処置デバイスの挿入構成は、リザーバのNon−Compliant材料が中心コアの周りで潰れ、1以上の治療剤で体積を充填する前に第1三次元形状を形成するときである。リザーバのNon−Compliant材料は、拡張された構成にあるとき、1以上の治療剤で体積を充填すると第2三次元形状を形成する中心コア要素から離れて、拡大する。そして、充填で達成されるこの第2三次元形状は、充填状況にかかわらず、または、流体がリザーバに追加されるかどうか、もしくはリザーバから取られるかどうかにかかわらず、処置デバイスの寿命を通じて維持される。
本明細書に記載される処置デバイスは、除去される必要はなく、および、治療上効果的またはそれを超える限り無期限に、所定の位置にあり続け得る。しかしながら、処置デバイス2100は、外植され得る(すなわち、ターゲット位置から除去される)。リザーバ2130は、挿入の外形よりも大きな外形に拡張されるため、リザーバ2130は、好ましくは除去の前に拡張されない。吸引針は、チュービングまたは他のコネクタなどによって吸引デバイスに接続され得る。吸引デバイスは、真空を作り出し、およびリザーバ2130からの吸引のための吸引力を提供する真空ロックシリンジであり得る。シリンジは、例えば処置デバイス2100のリザーバ2130を吸引し、残りの内容物を除去するためのルアーロックレバーによって、作動され得る。このシステムは、デバイスの再充填のために、および/またはデバイスの除去のために、リザーバ2130の内容物を吸引するために使用され得る。
吸引される内容物は、吸引プロセスの完了時の視覚的なフィードバックのために、吸引デバイスを通して可視化され得る。吸引は、デバイス2100が切開空洞を通して外植され得るように、拡張されたリザーバは薄型に潰れ得る。より小さな外形は、要求される除去の力を減少させ得、ならびに、出血および損傷を引き起こし得る内部の組織との接触を限定し得る。本明細書に記載される、吸引され、および潰れる処置デバイスは、参照によって本明細書に取り込まれる米国特許公開番号第2015/0080846号に記載される方法にしたがって、および、そのデバイスを使用して除去され得る。長いカニューレまたはスタイレットは、外植の間、例えばデバイス2100が中心コア要素135を有さない場合、外植の間の除去の簡便のために、リザーバ130のより小さな外径への排出の間、治療デバイスの安定化において補助し得る。
適応
本明細書に記載される処置デバイスは、緑内障のほかに多様な他の眼症状を処置し、および/または予防するために使用され得、他の眼の状態は、萎縮型または滲出型加齢黄斑変性(AMD)、網膜神経節細胞の神経保護、白内障または老眼予防、がん、血管新生、新血管形成、脈絡膜新生血管(CNV)病変、網膜剥離、増殖性網膜症、増殖性糖尿病性網膜症、変性疾患、血管疾患、閉塞、鋭的外傷性損傷によって引き起こされる感染、内因性/全身性感染などの眼内炎、術後感染、後部ぶどう膜炎、網膜炎または脈絡膜炎などの炎症、および、新生物および網膜芽細胞腫などの腫瘍を包含するが、それに限られない。本明細書に記載されるデバイスおよび方法を使用して処置され得、および/または予防され得るさらなる状態は、血友病および他の血液疾患、成長障害、糖尿病、白血病、肝炎、腎不全、HIV感染、セレブロシド欠損症およびアデノシンデアミナーゼ欠損症などの遺伝子疾患、高血圧症、敗血症性ショック、多発性硬化症などの自己免疫疾患、グレーヴス病、全身性エリテマトーデスおよび関節リウマチ、ショックおよび消耗症、嚢胞性線維症、乳糖不耐症、クローン病、炎症性腸疾患、消化管または他のがん、変性疾患、外傷、貧血などの複数の全身性状態を包含するが、それに限られない。
治療剤
本明細書に記載される処置デバイスによって送達されてもよく、および/または、本明細書に参照によって取り込まれる出願に記載される治療剤の例は、以下および2016/0128867として公開された、米国出願番号第14/937,754の表1に提供され、その全体において本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載されるデバイスから送達され得る治療剤は、トリアムシノロンアセトニド、ビマトプロスト(Lumigan)またはビマトプロストの遊離酸、ラタノプロストまたはラタノプロストの遊離酸もしくは遊離酸の塩、ラニビズマブ(Lucentis(商標))、トラボプロスト(Travatan、Alcon)またはトラボプロストの遊離酸もしくは遊離酸の塩、チモロール(Timoptic、Merck)、レボブノロール(Betagan、Allergan)、ブリモニジン(Alphagan、Allergan)、ドルゾラミド(Trusopt、Merck)、ブリンゾラミド(Azopt、Alcon)を包含するが、それに限られない。治療デバイスによって送達されてもよい追加の治療剤の例は、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミキシン、グラミシジン、セファレキシン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコールカナマイシン、リファンピシン、シプロフロキサシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、エリスロマイシンおよびペニシリンなどの抗生物質;アムホテリシンBおよびミコナゾールなどの抗真菌剤;スルホンアミド、スルファジアジン、スルファアセトアミド、スルファメチゾールおよびスルフスオキサゾール、ニトロフラゾンおよびプロピオン酸ナトリウムなどの抗菌剤;イドクスウリジン、トリフルオロチミジン、アシクロビル、ガンシクロビルおよびインターフェロンなどの抗ウイルス剤;クロモグリク酸ナトリウム、アンタゾリン、メタピリリン、クロルフェニラミン、ピリラミン、セチリジンおよびプロパンピリジンアミンなどの抗アレルギー剤;ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾン21−リン酸、フルオシノロン、メディソン、プレドニゾロン、プレドニゾロン21−リン酸、酢酸プレドニゾロン、フルオロメタロン、ベタメタゾンおよびトリアムシノロンなどの抗炎症剤;サリチレート、インドメタシン、イブプロフェン、ジクロフェナク、フルルビプロフェンおよびピロキシカムなどの非ステロイド性抗炎症剤;フェニレフリン、ナファゾリンおよびテトラヒドロゾリンなどの充血除去剤;ピロカルピン、サリチレート、塩化アセチルコリン、フィソスチグミン、エセリン、カルバコール、ジイソプロピルフルオロフォスフェート、ヨウ化ホスホリンおよび臭化デカカリウムなどの縮瞳薬および抗コリンエステラーゼ;硫酸アトロピン、シクロペントラート、ホマトロピン、スコポラミン、トロピカミド、ユーカトロピンおよびヒドロキシアンフェタミンなどの散瞳薬;エピネフリンなどの交感神経様作用剤;カルムスティーン、シスプラチンおよびフルオロウラシルなどの抗新生物剤;ワクチンおよび免疫刺激薬などの免疫学的薬物;エストロゲン、エストラジオール、プロゲスタチオナール、プロゲステロン、インスリン、カルシトニン、副甲状腺ホルモンとペプチドおよびバソプレッシン視床下部放出因子などのホルモン剤;マレイン酸チモロール、塩酸レボブノロールおよび塩酸ベタキソロールなどのベータアドレナリン遮断剤;表皮成長因子、線維芽細胞増殖因子、血小板由来成長因子、トランスフォーミング増殖因子ベータ、ソマトトロピンおよびフィブロネクチンなどの成長因子;ジクロロフェンアミド、アセタゾラミドおよびメタゾラミドなどの炭酸脱水酵素阻害剤、および、プロスタグランジン、アンチプロスタグランジン、プロスタグランジン前駆体などの他の薬物を包含する。本明細書に記載される仕方において、眼の中への制御された持続放出ができる、当業者に知られた他の治療剤はまた、本明細書に記載されるデバイスの態様に従った使用のために好適である。
治療剤はまた、アバレリックス、アバタセプト、アブシキシマブ、アダリムマブ、アルデスロイキン、アレファセプト、アレムツズマブ、アルファ−1−プロテイナーゼ阻害剤、アルテプラーゼ、アナキンラ、アニストレプラーゼ、抗血友病因子、抗胸腺細胞グロブリン、アプロチニン、アルシツモマブ、アスパラギナーゼ、バシリキシマブ、ベカプレルミン、ベバシズマブ、ビバリルジン、ボツリヌス毒素A型、ボツリヌス毒素B型、カプロマブ、セトロレリキス、セツキシマブ、絨毛性ゴナドトロピンアルファ、凝固因子IX、凝固因子VIIa、コラゲナーゼ、コルチコトロピン、コシントロピン、シクロスポリン、ダクリズマブ、ダルベポエチンアルファ、デフィブロチド、デニロイキンジフチトックス、デスモプレシン、ドルナーゼアルファ、ドロトロレゴンアルファ、エキュリズマブ、エファリズマブ、エンフビルチド、エポエチンアルファ、エプチフィバチド、エタネルセプト、エクセナチド、フェリプレシン、フィルグラスチム、フォリトロピンベータ、ガルススルファーゼ、ゲムツズマブオゾガマイシン、グラチラマーアセテート、グルカゴン組換え、ゴセレリン、ヒト血清アルブミン、ヒアルロニダーゼ、イブリツモマブ、イスルファス、免疫グロブリン、インフリキシマブ、インスリングラルギン組換え体、インスリンリスプロ組換え体、インスリン組換え体、インスリンブタ、インターフェロンアルファ−2a組換え体、インターフェロンアルファ−2b組換え体、インターフェロンアルファコン−1、インターフェロンアルファ−n1、インターフェロンアルファ−n3、インターフェロンベータ−1b、インターフェロンガンマ−1b、レピルジン、ロイプロリド、ルトロピンアルファ、メカセルミン、メノトロピンス、ムロモナブ、ナタリズマブ、ネシリタイド、オクトレオチド、オマリズマブ、オレレベキン、OspAリポタンパク質、オキシトシン、パリファミン、パリビズマブ、パニツムマブ、ペグマゼースウシ、ペガプタニブ、ペガスパスマゼ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ−2a、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペグビソマント、プラムリンチド、ラニビズマブ、ラスブリカーゼ、レテプラーゼ、リツキシマブ、サケカルシトニン、サルグラモスチム、セクレチン、サーモレリン、ヨード化された血清アルブミン、ソマトロピン組換え体、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ、テリパラチド、サイロトロピンアルファ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ユーロフォリトロピン、ウロキナーゼまたはバソプレシンの1以上も包含する。
治療剤は、細胞タンパク質のイムノフィリンファミリーの結合要素によって作用する、1以上の化合物を包含し得る。かかる化合物は、「イムノフィリン結合化合物」として知られている。イムノフィリン結合化合物は、化合物の「リムス」ファミリーを包含するがそれに限られない。使用されてもよいリムス化合物の例は、シクロフィリンおよびFK506−結合タンパク質(FKBP)を包含するがそれに限られず、シロリムス(ラパマイシン)およびその水溶性類似体SDZ−RAD、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、CCI−779(Wyeth)、AP23841(Ariad)、およびABT−578(Abbott Laboratories)を包含する。化合物のリムスファミリーは、脈絡膜新生血管を包含する血管新生介在性疾患および眼の状態の処置、予防、阻害、発症の遅延のための、またはその後退を引き起こすための組成物、デバイスおよび方法において使用されてもよい。化合物のリムスファミリーは、滲出型AMDを包含するAMDを予防し、処置し、阻害し、発症を遅らせるために、またはその後退を引き起こすために使用されてもよい。ラパマイシンは、脈絡膜新生血管を包含する血管新生介在性疾患および眼の状態を予防し、処置し、阻害し、発症を遅らせるために、またはその後退を引き起こすために使用されてもよい。ラパマイシンは、滲出型AMDを包含するAMDを予防し、処置し、阻害し、発症を遅らせるために、またはその後退を引き起こすために使用されてもよい。
治療剤は、ピロリジン、ジチオカルバメート(NFカッパB阻害剤);スクアラミン;TPN470類似体およびフマギリン;PKC(プロテインキナーゼC)阻害剤;Tie−1およびTie−2キナーゼ阻害剤;Velcade(商標)(ボルテゾミブ、注入用)などのプロテオソーム阻害剤;ラニブズマブ(Lucentis(商標))および同じ標的に向けられた他の抗体;ペガプタニブ(Macugen(商標));ビトロネクチン受容体型インテグリンの環状ペプチドアンタゴニストなどのビトロネクチン受容体アンタゴニスト;.アルファ.−v/.ベータ.−3インテグリンアンタゴニスト;.アルファ.−v/.ベータ.−1インテグリンアンタゴニスト;ロシグリタゾンまたはトログリタゾンなどのチアゾリジンジオン;デキストランおよび金属配位の使用によってCNVを標的とする.ガンマ.−インターフェロンまたはインターフェロンを包含するインターフェロン;色素上皮由来因子(PEDF);エンドスタチン;アンギオスタチン;タミスタチン;カンスタチン;酢酸アネコルタブ;アセトニド;トリアムシノロン;テトラチオモリブデート;VEGF発現を標的とするリボザイムを包含する、血管新生因子のRNAサイレンシングまたはRNA干渉(RNAi);Accutane(商標)(13−シスレチノイン酸);キノプリル、カプトプリル、およびペリンドジルを包含するがそれに限られないACE阻害剤;mTOR(ラパマイシンの哺乳類標的)の阻害剤;3−アミノサリドマイド;ペントキシフィリン;2−メトキシエストラジオール;コルチカイン;AMG−1470;ネパフェナク、ロフェコキシブ、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、NS398、セレコキシブ、バイオックス、および(E)−2−アルキル−2(4−メタンスルホニルフェニル)−1−フェニルエテンなどのシクロオキシゲナーゼ阻害剤;t−RNAシンターゼモジュレーター;メタロプロテアーゼ13阻害剤;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤;カリウムチャネル遮断剤;エンドルペリン;6−チオグアニンのプリン類似体;環状過酸化物ANO−2;(組換え)アルギニンデイミナーゼ;エピガロカテキン−3−ガレート;セリバスタチン;スラミンの類似体;VEGFトラップ分子;アポトーシス阻害剤;Visudyne(商標)、snET2および光線力学療法(PDT)で使用されてもよい他の光増感剤;肝細胞増殖因子の阻害剤(成長因子またはその受容体に対する抗体、c−metチロシンキナーゼの小分子阻害剤、HGFの短縮型、例えばNK4)の1以上を包含し得る。
治療剤は、VEGF受容体キナーゼの阻害剤;VEGFA、VEGFC、VEGFD、bFGF、PDGF、Ang−1、Ang−2、PDGFR、cKIT、FGF、BDGF、mTOR、αvβ3、αvβ5、α5β1インテグリン、およびアルファ2アドレナリン受容体の阻害剤;補体因子B(例えばTA106)、補体因子D(CFD)(ランパリズマブ/TNX−234)、C3(例えばAPL−2、新規コンプスタチン類似体)、C5(例えばエキュリズマブ、ジムラ、ARC1905、ALN−CC5)、C5a(例えばJPE−1375)、およびチューブリンの阻害剤;AAV−CD56を包含し得る。治療剤はまた、補体因子H(CFH)、改変された小型CFH、または組換えCFH(rCFH)も包含し得る。
治療剤は、他の治療剤および治療との組み合わせを包含し得、血管新生または新血管形成、特にCNVの処置のために有用な剤および治療を包含するが、それに限られない。かかる追加の剤および治療の非限定例は、ピロリジン、ジチオカルバメート(NFカッパB阻害剤);スクアラミン;TPN470類似体およびフマギリン;PKC(プロテインキナーゼC)阻害剤;Tie−1およびTie−2キナーゼ阻害剤;VEGF受容体キナーゼの阻害剤;Velcade(商標)(ボルテゾミブ、注入用)などのプロテオソーム阻害剤;ラニビズマブ(Lucentis(商標))および同じ標的に向けられた他の抗体;ペガプタニブ(Macugen(商標));ビトロネクチン受容体型インテグリンの環状ペプチドアンタゴニストなどのビトロネクチン受容体アンタゴニスト;.アルファ.−v/.ベータ.−3インテグリンアンタゴニスト;.アルファ.−v/.ベータ.−1インテグリンアンタゴニスト;ロシグリタゾンまたはトログリタゾンなどのチアゾリジンジオン;デキストランおよび金属配位の使用によってCNVを標的とする.ガンマ.−インターフェロンまたはインターフェロンを包含するインターフェロン;色素上皮由来因子(PEDF);エンドスタチン;アンギオスタチン;タミスタチン;カンスタチン;酢酸アネコルタブ;アセトニド;トリアムシノロン;テトラチオモリブデート;VEGF発現を標的とするリボザイムを包含する、血管新生因子のRNAサイレンシングまたはRNA干渉(RNAi);Accutane(商標)(13−シスレチノイン酸);キノプリル、カプトプリル、およびペリンドジルを包含するがそれに限られないACE阻害剤;mTOR(ラパマイシンの哺乳類標的)の阻害剤;3−アミノサリドマイド;ペントキシフィリン;2−メトキシエストラジオール;コルチカイン;AMG−1470;ネパフェナク、ロフェコキシブ、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、NS398、セレコキシブ、バイオックス、および(E)−2−アルキル−2(4−メタンスルホニルフェニル)−1−フェニルエテンなどのシクロオキシゲナーゼ阻害剤;t−RNAシンターゼモジュレーター;メタロプロテアーゼ13阻害剤;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤;カリウムチャネル遮断剤;エンドルペリン;6−チオグアニンのプリン類似体;環状過酸化物ANO−2;(組換え)アルギニンデイミナーゼ;エピガロカテキン−3−ガレート;セリバスタチン;スラミンの類似体;VEGFトラップ分子;肝細胞増殖因子の阻害剤(成長因子またはその受容体に対する抗体、c−metチロシンキナーゼの小分子阻害剤、HGFの短縮型、例えばNK4);アポトーシス阻害剤;Visudyne(商標)、snET2および光線力学療法(PDT)を伴う他の光増感剤;およびレーザー光凝固を包含する。
プロスタグランジン類似体(PGA)は、毛様体および/または線維柱帯を通して房水流出を増やすために使用され得、トラボプロスト(0.004%)、ビマトプロスト(0.03%、0.01%)、タフルプロスト(0.0015%)、およびラタノプロスト(0.005%)を包含する。ベータ遮断薬は、毛様体による房水産生を減らすために使用され得る。この分類における薬物は、チモロール(0.5%)を包含する。炭酸脱水酵素阻害剤はまた、毛様体による房水産生を減らすために使用され得る。この分類における薬物は、ブリンゾラミド(1%)、メタゾラミド、ドルゾラミド(2%)、およびアセタゾラミドを包含する。アルファアンタゴニストは、毛様体による房水産生を減らし、および、線維柱帯を通して流出を増やすために使用され得る。したがって、薬物は、前眼房および後眼房の両方に位置づけられる組織をターゲットにし、そのようにしてデバイスは、いずれの位置においても治療結果を達成するために移植され得る。この分類における薬物は、ブリモニジン(0.1%、0.15%)およびアプラクロニジン(0.5%、1.0%)を包含する。本明細書において考慮される治療剤の商業上利用可能な組み合わせは、COMBIGAN(登録商標)(ブリモニジン酒石酸塩/マレイン酸チモロール眼科用液剤;Allergan)、およびCOSOPT(登録商標)(塩酸ドルゾラミド−マレイン酸チモロール眼科用液剤;Merck)を包含する。さらに、本明細書において考慮される他の持続放出治療剤は、結膜下ラタノプロスト(Psivida/Pfizer)、前房内ビマトプロスト(Allergan)、および硝子体内ブリモニジン(Allergan)を包含する。
本明細書に記載される治療剤のための様々な薬学的に許容される担体は、例えばスターチ、ゼラチン、糖、アカシアなどの天然ガム、アルギン酸ナトリウムおよびカルボキシメチルセルロースなどの固体;シリコーンゴムなどのポリマー;滅菌水、生理食塩水、デキストロース、水または生理食塩水中のデキストロースなどの液体;ヒマシ油およびエチレンオキシドの縮合生成物、低分子量脂肪酸の液体グリセリルトリエステル;低級アルカノール;脂肪酸のモノまたはジグリセリド、またはレシチンなどのリン脂質、ポリソルベート80、および同種のものなどの乳化剤とともに、コーン油、ピーナッツ油、ゴマ油、ヒマシ油、および同種のものなどの油;グリコールおよびポリアルキレングリコール;懸濁化剤の存在下での水性媒体、例えば単体で、またはレシチン、ポリオキシエチレンステアレートおよび同種のものなどの好適な調剤用剤とともに、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリ(ビニルピロリドン)および類似した化合物などを包含し得る。担体はまた、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤または他の関連する材料などのアジュバントを含有してもよい。
材料
一般的に、本明細書に記載されるデバイスの構成要素は、生物的適合性および好ましくはデバイスが接触する体液および組織において不溶性の材料で製作される。材料は、一般的に、接触する眼の部分への炎症を引き起こさない。材料は、一例として、例えばシリコーンエラストマおよびゴム、ポリオレフィン、ポリウレタン、アクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、およびポリスルホンを包含する、様々なポリマーを包含してもよい。本明細書に記載されるデバイスの1以上の構成要素は、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリウレタン、アクリロニトリルのコポリマー、ポリ塩化ビニルのコポリマー、ポリアミド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリフッ化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステル、ポリビニルブチレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリエーテル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ナイロン、セルロース、ゼラチン、シリコーンゴムおよび多孔性ゴムを包含するがそれに限られない、透過性材料で製作され得る。本明細書に記載されるデバイスの1以上の構成要素は、ポリメチルメタクリレート、シリコーンエラストマ、またはシリコーンゴムを包含するがそれに限られない、非生分解性ポリマーで製作され得る。本明細書に記載されるデバイスの製作において使用されてもよい他の好適な耐食性生物的適合性ポリマーは、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどのポリオレフィン、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリ塩化ビニルなどの酢酸ビニルの単重合体および共重合体、ポリエチルメタクリレートなどのアクリレートの単重合体および共重合体、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、2−ピロリドン、ポリアクリロニトリルブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリフッ化ビニルなどのフルオロポリマー、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリルの単重合体および共重合体、セルロースアセテート、アクリロニトリルブタジエンスチレンの単重合体および共重合体、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリイミド、天然ゴム、ポリイソブチレン、ポリメチルスチレン、およびその他の類似の耐食性生物的適合性ポリマーを包含してもよい。
本明細書に記載されるデバイスの構成要素の1以上は、特定の形状に拡張され得る、実質的にNon−Compliant材料で製作され得る。本明細書に記載されるデバイスの構成要素の1以上は、硬質な、非柔軟性材料で製作され得る。本明細書に記載されるデバイスの構成要素の1以上は、ニチノール(Ni−−Ti合金)などの形状記憶合金(SMA)、および、オリゴ(e−カプロラクトン)ジメタクリレートおよびn−ブチルアクリレートに基づくAB−ポリマーネットワークなどの形状記憶ポリマー(SMP)を包含するがそれに限られない、形状記憶材料および/または超弾性材料で製作され得る。形状記憶合金は、一般的に、少なくとも2つの相:(1)相対的に低い引張強度を有し、相対的に低温で安定的であるマルテンサイト相、および、(2)相対的に高い引張強度を有し、マルテンサイト相よりも高い温度で安定的であるオーステナイト相を有する。形状記憶特徴は、オーステナイト相が安定的な温度よりも高い温度に材料を加熱することによって、材料上に付与される。材料がこの温度に加熱される間、デバイスは、「覚えられるべき」所望の形状である「記憶形状」に保持される。
本明細書は、多くの詳述を含有するが、これらは、クレームされることまたはクレームされてもよいことの範囲上の限定として解釈されるべきではなく、むしろ特定の態様への具体的な特徴の記載として解釈されるべきである。別の態様の文脈において本明細書に記載されるある特徴はまた、単一の態様における組み合わせにおいて実装され得る。逆に、単一の態様の文脈において記載される様々な特徴はまた、複数の態様において別々に、または、好適なサブコンビネーションにおいて実装され得る。さらに、特徴は、ある組み合わせにおいて作用するとして、および、初期にそのようにクレームされてさえ、上で記載されているかもしれないが、クレームされた組み合わせからの1以上の特徴は、いくつかの場合において組み合わせから削除され得、および、クレームされた組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形に向けられてもよい。同様に、操作は、特定の順序において図面に描写されるが、これは、かかる操作が、示された特定の順序または順番において行われるべきこと、または、望ましい結果を達成するためにすべての図示された操作が行われるべきことを要するとして理解されるべきではない。少数の例および実装のみが開示される。記載された例および実装への変形、変更および強化および他の実装は、開示されることに基づいてなされてもよい。クレームされる主題は、その詳細な記載とともに記載され、前述の記載は、添付の特許請求の範囲でクレームされる主題の範囲を図示し、限定はしないことが意図される。

Claims (36)

  1. 強膜を通して少なくとも部分的に眼に移植されるように構成される薬物送達デバイスであって、デバイスは、
    デバイスの近位端領域の近傍に配置され、デバイス中へのアクセスポートを定義する保持構造;
    デバイスの近位端領域の少なくとも一部に結合され、その中に延伸する貫通可能な要素;
    デバイスの排出口と流体連結して配置される多孔性薬物放出要素;および
    1以上の治療剤を含有し、多孔性薬物放出要素を通して排出口と流体連結するように構成された体積を有するリザーバ
    を含み、
    ここでデバイスは、挿入の軸に沿って眼中へ少なくとも部分的に挿入されるように構成される、
    前記デバイス。
  2. リザーバが、第1三次元形状を有する挿入構成から第2三次元形状を有する拡張された構成に拡大するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
  3. 拡張された構成におけるリザーバの体積の第1部分が、眼の水晶体から離れて拡大し、体積の残余部分よりも大きい、請求項2に記載のデバイス。
  4. 第1部分および残余部分の各々が、眼の視軸の外側にあり続ける、請求項3に記載のデバイス。
  5. リザーバがNon−Compliant材料で形成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のデバイス。
  6. リザーバのNon−Compliant材料は、第1三次元形状から第2三次元形状に拡張するが、第2三次元形状を超えては伸びない、請求項5に記載のデバイス。
  7. リザーバの近位端が、拡張された構成におけるとき、眼の貫通部位を囲む1以上の内部組織表面からある距離で分離される、請求項2〜6のいずれか一項に記載のデバイス。
  8. デバイスが、拡張された構成において視軸の外側にあり続ける、請求項2〜7のいずれか一項に記載のデバイス。
  9. デバイスの近位端領域からデバイスの遠位端領域に延伸する縦軸を有する引き延ばされたコア要素をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のデバイス。
  10. 薬物放出要素がデバイスの遠位端領域の近傍で引き延ばされたコア要素に結合され、および、保持構造がデバイスの近位端領域の近傍で引き延ばされたコア要素に結合される、請求項9に記載のデバイス。
  11. 引き延ばされたコア要素が、内腔および引き延ばされたコア要素の壁を通して延伸する1以上の開口を含む、請求項9に記載のデバイス。
  12. 引き延ばされたコア要素の内腔が、1以上の開口を通してリザーバ体積と流体連結する、請求項11に記載のデバイス。
  13. 1以上の開口が、デバイス中へ注入される材料の流れをリザーバ体積の中へ向ける、請求項11または12に記載のデバイス。
  14. 引き延ばされたコア要素が、円筒形を含み、および、1以上の開口を通して流れを向けるフローディレクタをさらに含む、請求項12に記載のデバイス。
  15. フローディレクタが、漏斗形状の領域によって第2円筒領域に結合される第1円筒領域を含み、ここで第1円筒領域は、第2円筒領域よりも大きい断面直径を有する、請求項14に記載のデバイス。
  16. フローディレクタが、引き延ばされたコア要素の内腔内に配置される貫通可能な障壁を含み、ここで貫通可能な障壁は、内腔を密閉する、請求項14に記載のデバイス。
  17. 第2三次元形状が、挿入の軸に相対的に偏心して位置づけられる、請求項2に記載のデバイス。
  18. デバイスが、第1三次元形状にあるとき、デバイスの遠位端領域が挿入の軸で整列され、および、第2三次元形状にあるとき、デバイスの遠位端領域が挿入の軸で整列されない、請求項2に記載のデバイス。
  19. 第2三次元形状が、眼の視軸の外側にあり続け、および、貫通部位に隣接する眼の内部表面との接触を避ける曲線の形状である、請求項2に記載のデバイス。
  20. 第2三次元形状が、対称または非対称である、請求項2に記載のデバイス。
  21. リザーバが、Non−Compliant材料で形成され、リザーバのNon−Compliant材料は、デバイスが挿入構成にあるとき、引き延ばされたコア要素の周りで潰れ、1以上の治療剤で体積を充填する前に第1三次元形状を形成し、および、ここでリザーバのNon−Compliant材料は、デバイスが拡張された構成にあるとき、引き延ばされたコア要素から離れて拡大し、1以上の治療剤で体積を充填すると第2三次元形状を形成する、請求項1に記載のデバイス。
  22. 保持構造が、眼の強膜の外側に延伸するように構成された近位フランジ要素およびネックを含み、ネックは、眼の強膜における貫通部位を通して延伸するように構成された近位領域、および、眼の強膜の内側に延伸する遠位延伸部を有する、請求項1〜21のいずれか一項に記載のデバイス。
  23. リザーバの近位端が、保持構造の内部表面と肩の上方表面との間の領域において強膜組織を捕捉するように構成された肩を形成する、請求項22に記載のデバイス。
  24. 近位領域が、強膜を通して貫通可能な部位に合うように断面に沿った大きさにされ、それによって近位領域が、遠位延伸部と比較して狭くされる、請求項22に記載のデバイス。
  25. ネックの近位領域が、主軸寸法および副軸寸法を有する、請求項22に記載のデバイス。
  26. 貫通可能な要素が、ネックの近位領域において配置される、請求項25に記載のデバイス。
  27. 副軸寸法が、約1.5mmから約2.6mmの間である、請求項26に記載のデバイス。
  28. 貫通可能な要素が、ネックの近位領域に遠位のネックの遠位延伸部において配置される、請求項25に記載のデバイス。
  29. 副軸寸法が、約1.0mmから約1.3mmの間である、請求項28に記載のデバイス。
  30. 主直径が、それを通してリザーバが移植される切開の長さよりも大きくない、請求項25に記載のデバイス。
  31. ネックの近位領域が、実質的に円筒状の断面形状を有し、および、リザーバ中へ近位領域を通して延伸するアクセスポートが、実質的に円筒状である、請求項22に記載のデバイス。
  32. ネックの近位領域が、主直径のいずれかの側上で一対の外で挟まれる領域を形成する実質的にレンズ形状の断面形状を有する、請求項22に記載のデバイス。
  33. 断面形状が、フランジの下側から約0.50mmから、フランジの下側から約1.0mmへの間で取られる断面によって形成される、請求項32に記載のデバイス。
  34. ネックの近位領域が、張り出され、および、リザーバ中へ近位領域を通して延伸するアクセスポートが、テーパー状である、請求項22に記載のデバイス。
  35. 近位領域が、少なくとも約0.3mmから約0.7mmの、保持構造の下側から遠位延伸部への長さを有し、および、近位領域を横切る副寸法が、約1.0mmから約1.2mmである、請求項22に記載のデバイス。
  36. 貫通可能な要素が、ネックの遠位延伸部において配置され、それによって貫通可能な要素の大部分が、ネックの近位領域に遠位に位置付けられる、請求項22〜35のいずれか一項に記載のデバイス。
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