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JP2019119002A - チャックテーブル載置治具 - Google Patents

チャックテーブル載置治具 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のチャックテーブルを省スペースに載置可能なチャックテーブル載置治具を得る。【解決手段】被加工物(W)を吸引保持する吸引部(21)と該吸引部を囲繞する外枠部(22)とを備えるチャックテーブル(20)を載置するためのチャックテーブル載置治具であって、下に載置されるチャックテーブルの外枠部に形成した3つ以上の貫通孔(28)に挿入すると共に、上に載置されるチャックテーブルの外枠部に下方から当接して、上下のチャックテーブル間を離間させて保持する少なくとも3つの中間保持部材(50)を備え、最下段のチャックテーブルの上部に中間保持部材を介して複数のチャックテーブルを載置する。【選択図】図3

Description

本発明は、チャックテーブルを載置するためのチャックテーブル載置治具に関する。
半導体等の製造に用いる研削装置では、ウェーハ等の被加工物をチャックテーブル上に吸引保持して研削加工を行う。より詳しくは、チャックテーブルはチャックテーブルベース上に固定され、チャックテーブルベースはモータを内蔵した回転駆動部上に搭載されて、回転駆動部により回転される(例えば、特許文献1参照)。チャックテーブルの上方には、下端に研削砥石が取り付けられた研削ホイールが設けられる。被加工物を吸引保持しているチャックテーブルを回転させると共に、研削ホイールを回転させながら下降させて、被加工物に研削砥石を接触させて研削を行う。
チャックテーブル上の被加工物を高精度に加工するために、チャックテーブルのうち被加工物を保持する保持面(チャックテーブルベース上に固定した状態での上面)の平坦度が重要となる。また、保持面の位置精度を出すためには、チャックテーブルのうちチャックテーブルベースに載置される載置面(下面)にも、凹凸や歪み等が生じないことが求められる。
チャックテーブルはチャックテーブルベースに対して着脱可能である。取り外したチャックテーブルは、保持面及び載置面に傷等が付かないように注意して保管する必要がある。
特開2011−173181号公報
複数のチャックテーブルを保管する際に、互いの保持面や載置面が接触するように上下に重ねて載置すると、保持面や載置面が傷ついたりして平坦度が損なわれてしまうおそれがある。一方、複数のチャックテーブルを水平方向に並べて保管するには広い場所が必要になり、スペース効率が悪い。そのため、広い場所が得られない場合でも、ダメージを与えることなく複数枚のチャックテーブルを効率良く保管したいという要求があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、複数のチャックテーブルを省スペースに載置可能なチャックテーブル載置治具を提供することを目的とする。
本発明は、被加工物を上面に吸引保持する吸引部と該吸引部を囲繞する外枠部とから構成される円板形状のチャックテーブルを複数枚上下に重ねて載置するためのチャックテーブル載置治具に関するものである。チャックテーブルの外枠部には、加工装置のチャックテーブルベースにネジ固定するための貫通孔が3つ以上形成される。チャックテーブル載置治具は、下に載置されるチャックテーブルの外枠部の貫通孔に挿入すると共に上に載置されるチャックテーブルの外枠部に下方から当接して上下のチャックテーブル間を離間させて保持する少なくとも3つの中間保持部材を備えており、最下段のチャックテーブルの上部には中間保持部材を介して複数のチャックテーブルが載置されることを特徴とする。
最下段のチャックテーブルの外枠部を下方から当接して載置場所に載置する少なくとも3つの最下段保持部材を更に備え、最下段保持部材に保持された最下段のチャックテーブルの上部には中間保持部材を介して複数のチャックテーブルを載置することが好ましい。
本発明によれば、複数のチャックテーブルを省スペースに載置可能なチャックテーブル載置治具を得ることができる。
チャックテーブルをチャックテーブルベースに取り付けた状態を示す断面図である。 本実施の形態のチャックテーブル載置治具によってチャックテーブルを載置した状態を示す側断面図である。 本実施の形態のチャックテーブル載置治具とチャックテーブルの斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態に係るチャックテーブル載置治具について説明する。図1は、チャックテーブルを研削装置(加工装置)のチャックテーブルベースに取り付けた状態を示す図であり、図2と図3は、チャックテーブルベースから取り外したチャックテーブルを、チャックテーブル載置治具によって載置する状態を示す図である。なお、図2は、同一の断面位置ではなく、複数の異なる断面位置を複合的に示したものである。
まず、主に図1を参照して研削装置とチャックテーブル20について説明する。図1に示すチャックテーブルベース10は、被加工物Wを研削加工する研削装置を構成するものである。研削装置の全体的な構成は周知のものであり、図示を省略している。研削装置はモータを内蔵した回転駆動部11(図1に模式的に示す)を備えており、回転駆動部11上にチャックテーブルベース10が搭載されている。チャックテーブルベース10の上面12は平坦な円形面であり、上面12の周縁に複数のネジ孔13が形成されている。
チャックテーブル20は、被加工物Wを吸引保持する吸引部21と、吸引部21を囲む外枠部22とを有する円板形状の部材である。外枠部22の上面側に形成した凹部23内に吸引部21が配置されており、吸引部21のうち凹部23から露出する保持面24上に被加工物Wが吸引保持される。外枠部22には、保持面24の反対側を向く載置面25が形成されている。チャックテーブル20の表裏に位置する保持面24と載置面25は、互いに平行な平坦面である。
外枠部22の周縁には外周部26が設けられている。外周部26は、保持面24と同方向を向く段差面27を有する。段差面27から載置面25までの外周部26の肉厚は、保持面24から載置面25までのチャックテーブル20の中央部分の肉厚よりも小さい。外周部26には、段差面27から載置面25まで貫通する複数の貫通孔28が形成されている。図3に示すように、本実施の形態のチャックテーブル20では、周方向に等間隔で12個の貫通孔28が形成されている。
図1に示すように、各貫通孔28は、段差面27側に開口する大径部28aと、載置面25側に開口する小径部28bとが同軸上に形成されている2段構造の孔であり、大径部28aと小径部28bの境界部分に大径部28aの底面が形成されている。チャックテーブルベース10には、貫通孔28に対応する数及び配置のネジ孔13が設けられている。
チャックテーブル20は、固定ネジ30を用いてチャックテーブルベース10に取り付けられる。固定ネジ30は、ネジ孔13に螺合可能な雄ネジ部31と、雄ネジ部31よりも大径の頭部32とを有している。各貫通孔28と各ネジ孔13の位置を合わせながら、チャックテーブルベース10の上面12にチャックテーブル20の載置面25を載せる。そして、各貫通孔28に対して大径部28a側から固定ネジ30の雄ネジ部31を挿入し、貫通孔28を貫通させた雄ネジ部31をネジ孔13に螺合させる。頭部32が大径部28aの底部に当接すると貫通孔28への固定ネジ30の挿入が規制される。固定ネジ30を所定のトルクで締め付けると、チャックテーブルベース10に対してチャックテーブル20が固定される。この固定状態で回転駆動部11を駆動させると、チャックテーブルベース10と共にチャックテーブル20が上下方向に向く回転軸を中心として回転する。
チャックテーブル20の吸引部21はポーラスセラミックス等の多孔質体からなり、チャックテーブルベース10にチャックテーブル20を取り付けた状態(図1)で、研削装置の吸引管路35に吸引部21が連通する。吸引管路35を通して吸引源36からの吸引力が吸引部21に作用し、保持面24上の被加工物Wを負圧で吸引保持することができる。
被加工物Wに対する研削を行うときには、保持面24上に被加工物Wを吸引保持しながら回転駆動部11によってチャックテーブル20を回転させる。研削装置は上下方向に向く回転軸を中心として回転可能な研削ホイール(図示略)をチャックテーブル20の上方に備え、研削ホイールを回転させながら下降させる。そして、研削ホイールの下端に取り付けられた研削砥石(図示略)を被加工物Wに接触させて、被加工物Wの研削を行う。研削加工の際には研削水が供給される。
研削装置での加工を行わない状態において、固定ネジ30による締結固定を解除することで、チャックテーブル20をチャックテーブルベース10から取り外すことができる。取り外されたチャックテーブル20は、図2及び図3に示すチャックテーブル載置治具を用いて研削装置外に載置される。本実施の形態のチャックテーブル載置治具は、最下段保持部材40と中間保持部材50とを用いて、複数枚のチャックテーブル20を上下方向に並べて載置させるものであり、以下に詳細を説明する。
図3に示すように、最下段保持部材40は、チャックテーブル20の外周部26に沿う細長い湾曲形状の台座部41を有する。台座部41の下部には台座部41よりも幅広の接地部42が設けられている。台座部41と接地部42は、チャックテーブル20を傷つけにくい材質(合成樹脂等)で形成される。台座部41の上端は平坦な載置面43となっており、載置面43の両端付近に一対のネジ孔44が上向きに形成されている。一対のネジ孔44の相対的な位置関係(間隔)は、チャックテーブル20上に設けられた12個の貫通孔28のうち周方向に隣り合う一対の貫通孔28の位置関係(間隔)に対応している。
図3に示すように、3つの最下段保持部材40によって最下段のチャックテーブル20を支持する。以下、最下段のチャックテーブル20をチャックテーブル20Aとする。チャックテーブル20Aは、保持面24を下方に向けて、段差面27が各最下段保持部材40の載置面43に載せられる(図2参照)。この状態で貫通孔28の小径部28bが上向きに開口する。
3つの最下段保持部材40は周方向に等間隔で配置されており、各最下段保持部材40で載置面43上に形成されている一対のネジ孔44と、チャックテーブル20A上の貫通孔28とが位置合わせされる。より詳しくは、12個の貫通孔28のうち、周方向に隣り合う2つの貫通孔28が一対のネジ孔44と上下方向に重なり、次の2つの貫通孔28はネジ孔44と重ならない、という周期が3回繰り返される。
そして、ネジ孔44と重なる各貫通孔28に対して上方から固定ネジ45を挿入し、貫通孔28を貫通した固定ネジ45をネジ孔44に螺合させる。固定ネジ45は、ネジ孔44に螺合する雄ネジ部46と、雄ネジ部46よりも大径の頭部47とを有し、頭部47が載置面25に当接するとそれ以上の挿入が規制される。各固定ネジ45を所定のトルクで締め付けると、チャックテーブル20Aが各最下段保持部材40に対して固定される。
なお、チャックテーブルベース10にチャックテーブル20を取り付けるための固定ネジ30(図1)を、最下段保持部材40の取り付け用の固定ネジ45(図2、図3)として流用してもよい。この場合、最下段保持部材40に形成するネジ孔44を、チャックテーブルベース10のネジ孔13と同じスペック(内径やネジピッチ)に設定する。
最下段保持部材40の上下方向の高さ(載置面43から接地部42の下面までの距離)は、チャックテーブル20Aにおける保持面24から段差面27までの厚みよりも大きい。従って、図2のように各最下段保持部材40の接地部42を載置場所の支持面G上に支持させると、保持面24を支持面Gから上方に離間させた状態でチャックテーブル20Aが支持される。すなわち、各最下段保持部材40は、支持面Gに対してチャックテーブル20Aを上方に離間させるスペーサーとして機能しながら、チャックテーブル20Aを下方から支持する。なお、支持面Gは、研削装置が設置される部屋の床面であってもよいし、チャックテーブル載置用の棚等の上面であってもよい。
3つの最下段保持部材40を用いることで、チャックテーブル20Aを安定して載置することができる。特に、3つの最下段保持部材40が周方向に等間隔で配置され、且つ各最下段保持部材40は周方向に長い載置面43によってチャックテーブル20Aを支持するので、安定性に優れる。
また、各最下段保持部材40は、チャックテーブル20Aの外周部26を支持するので、被加工物W(図1)の保持に直接的に関与する中央部分の保持面24や載置面25にダメージを与えることがない。しかも、合成樹脂等からなる各最下段保持部材40は、載置面43の接触によってチャックテーブル20Aの外周部26(段差面27)を損傷させるおそれが少ない。
図2及び図3に示すように、最下段のチャックテーブル20Aの上部に配置される二段目以降の各チャックテーブル20は、中間保持部材50を用いて載置される。
図3に示すように、中間保持部材50は、小径部51と大径部52と棒状部53が同軸上に並ぶ構成を有している。小径部51と大径部52は、チャックテーブル20を傷つけにくい材質(合成樹脂等)で形成される。小径部51の径は貫通孔28の大径部28aの内径に対応し、棒状部53の径は貫通孔28の小径部28bの内径に対応している。大径部52は小径部51及び棒状部53よりも大径であり、貫通孔28内には挿入不可である。棒状部53は大径部52の端面から突出しており、棒状部53のうち大径部52に近い基端側の一部領域の外面は、弾性体54で覆われている。
二段目のチャックテーブル20(以下、チャックテーブル20Bとする)は、3つの中間保持部材50を用いて、最下段のチャックテーブル20Aの上部に載置される。チャックテーブル20Bはチャックテーブル20Aと同一の構造であり、チャックテーブル20Aと同様に、チャックテーブル20Bも保持面24を下向きにして載置される。各中間保持部材50は、最下段のチャックテーブル20Aの貫通孔28に棒状部53が挿入され、二段目のチャックテーブル20Bの貫通孔28に小径部51が挿入される。
大径部52の端面がチャックテーブル20Aの外周部26に上方から当接して、各中間保持部材50の上下方向位置が定まる。棒状部53は、チャックテーブル20Aの貫通孔28の小径部28bの内面によって水平方向の位置を定められ、貫通孔28から下方に突出する。この状態で、小径部28bの内面に対して、棒状部53の外側に設けた弾性体54(図3参照)が接触する。弾性体54を介在させることにより、貫通孔28の内面を損傷から保護すると共に、中間保持部材50のガタつきを抑制することができる。
図2に示すように、二段目のチャックテーブル20Bは、貫通孔28の大径部28aの底面が各中間保持部材50の小径部51の端面に当接することによって上下方向の位置が定まる(下方への移動が規制される)。また、大径部28aの内面が各中間保持部材50の小径部51の周面に当接することによって、チャックテーブル20Bの水平方向の位置が定まる。
各中間保持部材50における小径部51の端面から大径部52の端面までの上下方向の高さは、チャックテーブル20Bの保持面24から段差面27までの厚みよりも大きい。従って、以上のようにチャックテーブル20Aとチャックテーブル20Bの互いの外周部26の間に各中間保持部材50の小径部51及び大径部52を挿入させると、チャックテーブル20Bの保持面24とチャックテーブル20Aの載置面25が上下方向に離間した状態となる。すなわち、各中間保持部材50は、チャックテーブル20Aとチャックテーブル20Bを上下方向に離間させるスペーサーとして機能しながら、チャックテーブル20A上にチャックテーブル20Bを載置させる。
図3に示すように、3つの中間保持部材50は、周方向に等間隔となる配置でチャックテーブル20Bを支持する。別言すれば、チャックテーブル20A、20Bのそれぞれにおける12個の貫通孔28のうち、1つの貫通孔28に対して中間保持部材50が挿入され、次の3つの貫通孔28に中間保持部材50が挿入されない、という周期が3回繰り返される。
3つの中間保持部材50を用いることで、チャックテーブル20A上にチャックテーブル20Bを安定して載置することができる。特に、3つの中間保持部材50が周方向に等間隔で配置されているので、特定の方向へ傾かせる力が作用しにくく安定性に優れる。
また、各中間保持部材50は、チャックテーブル20Aやチャックテーブル20Bの外周部26に接触するので、被加工物W(図1)の保持に直接的に関与する中央部分の保持面24や載置面25にダメージを与えることがない。しかも、合成樹脂等からなる各中間保持部材50の小径部51や大径部52は、チャックテーブル20Aの外周部26やチャックテーブル20Bの外周部26(貫通孔28)を接触によって損傷させるおそれが少ない。
なお、最下段のチャックテーブル20Aでは、12個の貫通孔28のうち6つに固定ネジ45が挿入されている。そのため、チャックテーブル20Bを載置するための3つの中間保持部材50の棒状部53は、チャックテーブル20Aのうち固定ネジ45が挿入されていない残り6つの貫通孔28から選択して挿入されている。この構成は、単に固定ネジ45と干渉しない位置に中間保持部材50を配置するというだけでなく、3つの最下段保持部材40と3つの中間保持部材50の周方向位置を異ならせることによる載置の安定性向上という効果も得られる。
二段目のチャックテーブル20Bの上部には、三段目のチャックテーブル20(チャックテーブル20Cとする)が上下方向に離間して載置される。チャックテーブル20Bと同様に、チャックテーブル20Cは3つの中間保持部材50を用いて載置される。各中間保持部材50を用いたチャックテーブル20Cの載置の詳細は、先のチャックテーブル20Bの載置と同様であるため、重複した説明を省略する。
二段目のチャックテーブル20Bでは、12個の貫通孔28のうち3つに中間保持部材50の小径部51が挿入されている。そのため、三段目のチャックテーブル20Cを載置するための3つの中間保持部材50の棒状部53は、チャックテーブル20Bのうち小径部51が挿入されていない残り9つの貫通孔28から選択して挿入されている。より詳しくは、載置状態のチャックテーブル20Aからチャックテーブル20Cまでを上面視すると、12個の貫通孔28のうち、6つの貫通孔28が3つの最下段保持部材40と重なる位置にあり、別の3つの貫通孔28がチャックテーブル20Bを支持する3つの中間保持部材50と重なる位置にある。そして、上面視して残る3つの貫通孔28と重なる位置に、チャックテーブル20Cを支持する3つの中間保持部材50が配されている。このように、三段目までの全ての段のチャックテーブル20A、20B、20Cにおいて、周方向の位置を異ならせて最下段保持部材40や中間保持部材50による支持を行うことで、負荷の偏りを低減させて載置の安定性向上を図ることができる。
図2に示す四段目のチャックテーブル20(チャックテーブル20D)は、二段目及び三段目のチャックテーブル20B、20Cと同様に、周方向に位置を異ならせた3つの中間保持部材50を用いて、チャックテーブル20Cの上部に上下方向に離間させて載置される。
図示を省略するが、中間保持部材50を用いて、さらに五段目以降のチャックテーブル20を載置することができる。
以上のように、本実施の形態のチャックテーブル載置治具を用いることで、複数枚のチャックテーブル20を、互いの保持面24や載置面25を接触させることなく、上下方向に重ねて(並べて)載置することができる。複数枚のチャックテーブル20の載置に必要な支持面G上のスペースは、チャックテーブル20一枚分で済む。つまり、複数枚のチャックテーブル20を、保持面24や載置面25の平坦度が損なわれるようなダメージを与えずに、省スペースに保管することができる。
チャックテーブル載置治具を構成する最下段保持部材40や中間保持部材50は、色分け等によって識別性を向上させてもよい。例えば、最下段保持部材40と中間保持部材50の色を異ならせることができる。また、上記実施の形態では、二段目以降のチャックテーブル20の載置に用いる中間保持部材50を全て共通としているが、各段で異なるスペックの中間保持部材を用いる場合には、各段用の中間保持部材を色分けしてもよい。
上記実施の形態では、各段のチャックテーブル20の載置に用いる最下段保持部材40と中間保持部材50の数をそれぞれ3つとしているが、各段のチャックテーブルの載置に4つ以上の最下段保持部材や中間保持部材を用いることも可能である。すなわち、チャックテーブルの安定した支持のために、各段用の最下段保持部材や中間保持部材は少なくとも3つ必要である。そして、チャックテーブルの大きさや貫通孔の数といった条件に応じて3つ以上の任意の数を選択できる。
なお、上記実施の形態のように、最下段保持部材40や中間保持部材50は周方向に等間隔で配置すると安定性において有利であるが、十分な安定性が得られることを条件として、等間隔ではない配置にすることも可能である。
上記実施の形態では、中間保持部材50の小径部51を、チャックテーブル20の貫通孔28の大径部28aに対して下方から挿入している。これにより、二段目以降のチャックテーブル20の水平方向の安定性を高めることができる。これと異なる変形例として、中間保持部材50の小径部51を貫通孔28に挿入せずに、小径部51の端面をチャックテーブル20の段差面27に当接させる構成を採用することもできる。
この変形例では、上側のチャックテーブル20に対して中間保持部材50による水平方向の移動規制が行われなくなるが、上下方向の支持は行われる。よって、上記実施の形態と同様に複数枚のチャックテーブル20を上下方向に並べて載置することが可能である。
また、この変形例は、上下のチャックテーブル20で貫通孔28の相対的な位置関係が一致していなくても成立する。そのため、例えば上下に並ぶチャックテーブルのスペック(貫通孔の数や周方向間隔)が異なる場合にも適用が可能である。
上記実施の形態のチャックテーブル20は肉厚が小さい外周部26を周縁に有しているが、周縁まで肉厚が一定の(保持面24から段差面27までが面一となるような)チャックテーブルの載置にも適用が可能である。上記実施の形態では、中間保持部材50の棒状部53がチャックテーブル20の貫通孔28から下方に突出している。別言すれば、棒状部53の長さに余裕があるため、図示のチャックテーブル20よりも周縁部の肉厚が大きい(貫通孔が深い)チャックテーブルの載置にも中間保持部材50をそのまま利用することができる。
上記実施の形態では、中間保持部材50と異なる構成の最下段保持部材40を用いて、最下段のチャックテーブル20Aの安定性を向上させているが、最下段のチャックテーブル20Aの支持を中間保持部材50と同様の部材で行うことも可能である。この場合、中間保持部材50から下方に突出する棒状部53が支持面G(図2)と干渉することを防ぐべく、棒状部53を備えないタイプの中間保持部材50を準備するか、支持面G上に棒状部53を挿入可能な孔を形成するとよい。
また、最下段保持部材40の変形例として、固定ネジ45による固定に変わる構成を採用してもよい。例えば、固定ネジ45のようなネジではなく、外面にネジが形成されていない棒状の部材を、最下段のチャックテーブル20Aの貫通孔28を通して最下段保持部材40に挿入させてもよい。この場合、最下段保持部材40に設けるのは、ネジ孔44ではなく、内面にネジを有さないシンプルな孔とすることができる。
最下段保持部材40のさらに異なる変形例として、ネジ孔44に代えて、上方に突出する棒状の突起を設けてもよい。この突起は、最下段のチャックテーブル20Aの貫通孔28に対して下方から挿入されて、チャックテーブル20Aの水平方向の位置を安定させる。さらに、当該突起の外面に雄ネジを形成して、貫通孔28から上方に突出した突起に対してナットを螺合させる構成にしてもよい。ナットによって上方へのチャックテーブル20Aの移動が規制されて、上下方向にチャックテーブル20Aを安定させることができる。
上記実施の形態では、各チャックテーブル20に12個の貫通孔28が形成されているが、貫通孔の数は12個以外でもよい。但し、中間保持部材50のようなチャックテーブル載置治具を挿入させるために、各チャックテーブルは少なくとも3つ以上の貫通孔を備えるものとする。
上記実施の形態のチャックテーブル20は、研削装置のチャックテーブルベース10に取り付けられるが、研削装置以外の加工装置(例えば切削装置等)に搭載されるチャックテーブルの載置にも本発明は適用が可能である。また、チャックテーブルに吸引保持されて加工される被加工物の種類や大きさも限定されない。
また、本発明の各実施の形態を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
また、本発明の実施の形態は上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施形態をカバーしている。
以上説明したように、本発明のチャックテーブル載置治具によれば、表裏の面にダメージを与えることなく複数のチャックテーブルを省スペースに載置可能であり、チャックテーブルの保管スペースに制約がある作業環境等で特に有用である。
10 :チャックテーブルベース
11 :回転駆動部
13 :ネジ孔
20 :チャックテーブル
21 :吸引部
22 :外枠部
24 :保持面(チャックテーブルの上面)
25 :載置面
26 :外周部
27 :段差面
28 :貫通孔
28a :大径部
28b :小径部
30 :固定ネジ
40 :最下段保持部材(チャックテーブル載置治具)
41 :台座部
42 :接地部
43 :載置面
44 :ネジ孔
45 :固定ネジ
50 :中間保持部材(チャックテーブル載置治具)
51 :小径部
52 :大径部
53 :棒状部
54 :弾性体
G :支持面
W :被加工物

Claims (2)

  1. 被加工物を上面に吸引保持する吸引部と該吸引部を囲繞する外枠部とから構成される円板形状のチャックテーブルを複数枚上下に重ねて載置するためのチャックテーブル載置治具であって、
    チャックテーブルの外枠部には、加工装置のチャックテーブルベースにネジ固定するための貫通孔が3つ以上形成され、
    下に載置されるチャックテーブルの該外枠部の該貫通孔に挿入すると共に上に載置されるチャックテーブルの該外枠部に下方から当接して上下のチャックテーブル間を離間させて保持する少なくとも3つの中間保持部材を備え、
    最下段のチャックテーブルの上部には該中間保持部材を介して複数のチャックテーブルを載置することを特徴とする、チャックテーブル載置治具。
  2. 最下段の該チャックテーブルの該外枠部を下方から当接して載置場所に載置する少なくとも3つの最下段保持部材を更に備え、
    該最下段保持部材に保持された最下段のチャックテーブルの上部には該中間保持部材を介して複数のチャックテーブルを載置する、請求項1記載のチャックテーブル載置治具。
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