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JP2019008079A - 撮像装置 - Google Patents

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JP2019008079A
JP2019008079A JP2017122695A JP2017122695A JP2019008079A JP 2019008079 A JP2019008079 A JP 2019008079A JP 2017122695 A JP2017122695 A JP 2017122695A JP 2017122695 A JP2017122695 A JP 2017122695A JP 2019008079 A JP2019008079 A JP 2019008079A
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真也 鶴田
Masaya Tsuruta
真也 鶴田
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Abstract

【課題】保持構成の異なる複数のセンサーの出力からカメラの振動成分を除去し、カメラの動き検出を行う撮像装置を提供する。【解決手段】プリント基板(301b)に実装された固定角速度測定デバイス(301c)と、粘弾性部材(301f)上に配置された浮遊角速度測定デバイス(301d)と、前記固定角速度測定デバイス(301c)と前記浮遊角速度測定デバイス(301d)が測定した角速度から撮像装置の動き角速度を算出する角速度検出回路と、角速度検出回路が測定した角速度から適正な流し量となるシャッタースピードを算出するシャッタースピード算出回路と、を備え、前記角速度検出回路が前記固定角速度測定デバイス(301c)と前記浮遊角速度測定デバイス(301d)の測定データから、撮像装置の振動成分を除いた角速度を算出し、流し撮りを行っていると判定した場合、シャッタースピード算出回路が適正なシャッタースピードを算出する。【選択図】図4

Description

本発明は、撮像装置に関し、特に撮像装置の角速度検出方法に関する。
カメラの撮影技術の一つとして、流し撮りという撮影方法がある。流し撮り撮影とは、被写体(動体)を撮影するときに、被写体を追いながら通常よりも遅いシャッター速度で撮影する方法である。この方法によれば、背景が流れ、被写体が静止している画像が得られる。そのため、ユーザは、流し撮りにより、スピード感あふれる写真を撮影することができる。
流し撮り撮影において、背景を流してスピード感を出すためには被写体に対する背景の流れ量を調整することが重要となってくる。しかし、背景の流れ量は、被写体のスピードやレンズの焦点距離により変化するため、現場で何度か試し撮りをした結果で決められることが多く、流し撮りを行うには経験と技術が必要であった。
そこで、従来、流し撮り撮影のシャッター速度を調整する技術が知られている。特許文献1と特許文献2には、撮像装置に内蔵された角速度センサーから、流し撮り撮影中のカメラの角速度を測定し、シャッター速度の増減設定を行う技術が開示されている。
特開2015−219462号公報 得開2015−215553号公報
従来の流し撮りアシスト技術において、角速度センサーはレリーズ前にカメラの動き角速度の測定を行っていた。連写では、1コマ1コマの撮影間隔が短いため、角速度想定時に、直前の撮影のシャッターやミラー駆動等のメカ振動も合わせて測定してしまう。その結果、本来測定すべき角速度よりも大きくなってしまい、適正なシャッタースピードを設定できなくなり、所望の流し量よりも小さくなる虞があった。メカ振動の影響を受けないためには、角速度センサーの測定に影響が出ない程度に振幅が小さくなるまでメカ振動が収束するのを待つ必要がある。そのため、流し撮りアシスト撮影では、通常撮影に比べて、コマ速が落ちてしまうという課題があった。
そこで、本発明の目的は、保持構成の異なる複数のセンサーの出力からカメラの振動成分を除去し、通常撮影時と同じコマ速で流し撮りアシスト撮影を行う撮像装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、
本体ユニット(301a)と、
前記本体ユニット(301a)と締結部材(301g)によって締結されたプリント基板(301b)と、
プリント基板(301b)に実装され、角速度を測定する固定角速度測定デバイス(301c)と、
粘弾性部材(301f)上に配置され、角速度を測定する浮遊角速度測定デバイス(301d)と、
前記固定角速度測定デバイス(301c)と前記角速度測定デバイス(301d)が測定した角速度から撮像装置の動き角速度を算出する角速度検出回路(201a)と、
角速度検出回路(201a)が測定した角速度から適正な流し量となるシャッタースピードを算出するシャッタースピード算出回路(201b)と、
を備え、
前記角速度検出回路(201a)が前記固定角速度測定デバイス(301c)と前記浮遊角速度測定デバイス(301d)の測定データから、撮像装置の振動成分を除いた角速度を算出し、流し撮りを行っていると判定した場合、シャッタースピード算出回路(201b)が適正なシャッタースピードを算出することを特徴とする。
本発明に係る撮像装置によれば、保持構成の異なる複数のセンサーの出力からカメラの振動成分を除去し、通常撮影時と同じコマ速で流し撮りアシスト撮影を行うことができる。
発明の実施形態にかかわるデジタル一眼レフカメラの主要な電気的構成を示すブロック図である。 背景の流れ量を算出する原理説明図である。 流し撮りアシスト撮影のカメラ内動作を示すフローチャートである。 角速度測定ユニット301の一つの概略構成を示している。 流し撮りアシスト撮影において、連写する場合のカメラ内動作を示すフローチャートである。 通常撮影動作時のカメラボディ200の角速度と時間の関係を示す模式図を示している。 角速度測定ユニット301の種々の変形例を示している。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかわるデジタル一眼レフカメラの主要な電気的構成を示すブロック図である。
デジタル一眼レフカメラは、レンズユニット100とカメラボディ200によって構成される。
レンズユニット100は、焦点距離をある一定の範囲で自在に変化させるズームレンズ群101と被写体像を結像させるフォーカスレンズ群102を含んでいる。
ズームレンズ駆動手段103は、たとえばステッピングモータ等(不図示)のアクチュエータによって構成され、ズームレンズ群101の位置を変化させることにより、被写体像の光学的な倍率を変化させる。
フォーカスレンズ駆動手段104は、ズームレンズ駆動手段103と同様のアクチュエータで構成され、フォーカスレンズ群102の位置を移動させることにより、被写体にピントを合わせる。
レンズ制御回路105は、ズームレンズ群101とフォーカスレンズ群102の移動量と移動速度に必要な駆動量をズームレンズ駆動手段103とフォーカスレンズ駆動手段104に伝達し、制御する。
レンズマウント接点106はカメラボディ200に接続されると、カメラボディ200からレンズ制御回路105へ信号を送受信する機能を備えている。
CPU201は、カメラボディ200内に配置され、レンズユニット100及びカメラボディ200の各種制御を行うための演算処理装置である。
CPU201は、角速度検出回路201a、シャッタースピード算出回路201b等で構成されている。
ミラーユニット202は、メインミラー(不図示)とサブミラー(不図示)から構成され、メインミラーとサブミラーの角度位置を変更することによって、レンズユニット100を通過する撮影光束の向きを変更する。
ミラー駆動手段203は、モータ(不図示)やギヤトレイン(不図示)などから構成され、CPU201からの信号に応じてミラーユニット202のメインミラーとサブミラーを駆動させる。
ファインダーユニット204は、メインミラーによって反射された撮影光束を正立正像に変換反射するペンタダハプリズム(不図示)、ファインダを覗くユーザに焦点検出動作の状態表示を知らせる高分子液晶パネル(不図示)、被写体の明るさを検知する測光センサ(不図示)等によって構成されている。
シャッターユニット205は、例えば、機械式フォーカルプレーンシャッタであり、不図示の先羽根群と後羽根群を走行させる機構を備えている。
シャッター駆動回路206は、CPU201の信号を受けて、ユーザが光学ファインダ204から被写体像を観察している時には撮影光束を遮り、撮像時にはレリーズ信号に応じて所望の露光時間を得るようにシャッターユニット205を制御する。
撮像素子207は、行列配列された画素が設けられた撮像面を有するCMOSイメージセンサやCCD等が用いられる。
撮像素子207は、レンズユニット100を介して被写体から入射した光を撮像面で受光し、被写体からの光を光電変換することで得られた画像をCPU201に供給する。
ここで、撮像素子207の撮像面には、被写体の画像を撮像するための撮像画素と、像面位相差方式のオートフォーカスに用いられ、被写体の光像の位相差を検出するための位相差検出画素とが設けられている。
位相差検出画素から出力される画素信号から得られる、分割領域ごとの被写体の像(画像)、つまり瞳分割した像の位相差(像間の距離)に基づいてデフォーカス量が算出される。
CPU201は算出したデフォーカス量を、レンズマウント接点108を通してレンズ制御回路105に送信し、フォーカスレンズ駆動手段104はレンズ製制御回路105の信号に応じて、フォーカスレンズ102を駆動させる。
撮像素子207上の撮像画素に結像された被写体像は、光電変換によって撮像信号に変換され、アナログ信号として蓄積され、画像処理部208に送信される。
画像処理部208は、撮像素子207で蓄積された被写体像のアナログ信号を順次受信し、デジタル信号に変換したのち、色補正、デモザイク処理、階調補正(γ補正)、YC分離処理等の画像処理を行い、画像データに変換する。
外部メモリ209は、例えば、SDメモリカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)といった、カメラボディ200に着脱可能な不揮発性メモリである。
画像処理部207で作成された画像データは、所定の圧縮方式、例えばJPEG方式でデータ圧縮され、外部メモリ209に保存される。
表示ユニット210は、回転、開閉可能なTFT液晶で構成されている。表示ユニット210は、画像処理部208で変換された画像データや外部メモリ411から読みだされ伸張された画像データを表示する。動画撮影中には、撮像素子207が受光した撮影光束を毎時、画像処理部208が画像変換し、表示ユニット210に被写体像を表示する。
電源211は、着脱可能な二次電池、または家庭用のAC電源等で構成されており、各ユニットへ電源を供給する。
角速度測定ユニット301は、カメラボディ200の角速度を検出し、CPU201の角速度検出回路201aに角速度データを送信する。角速度検出回路201aは、角速度測定ユニット301から受信した角速度データから、ユーザがカメラをパンニングしているか否か、すなわちユーザが流し撮り撮影を行っているかを判定する。角速度検出回路201aが流し撮り撮影を行っていると判定した時、角速度データをシャッタースピード算出回路201bに送信する。
シャッタースピード算出回路201bは、角速度算出回路201aから受信した角速度データをもとに、適正な流れ量に必要なシャッタースピードを算出する。算出されたシャッタースピードはシャッター駆動回路206に送信され、算出されたシャッタースピードとなるように、シャッターユニット205は先羽根群と後羽根群を走行させる。
図2(a)は、背景の流れ量を算出する原理説明図である。
流し撮り撮影における背景の流れ量は、背景像401の撮像素子207面上における移動量pで定義することができる。
シャッタースピード算出回路201bは、背景像401の移動量pを撮像素子207の画素ピッチ数として記憶している。
レンズユニット100の焦点から撮像素子207面上までの焦点距離をLとすると、カメラをパンニングする角度θは
と表せる。
さらに、カメラをパンニングする角速度をωとすると、シャッタースピードtは
として表せる。
従って、背景像401の移動量pと焦点距離Lは既知の値であるため、パンニングする角速度ωが求まれば、シャッタースピードtを求めることができる。
図2(b)は、流し撮り撮影時のシャッタースピードtと角速度ωとの関係を示すグラフである。グラフの縦軸はシャッタースピードtの逆数である1/tであり、横軸は角速度ωである。グラフ中には、焦点距離200mmのレンズと焦点距離50mmのレンズを使用したときのシャッタースピードtと角速度ωの関係性の一例を示している。さらに、焦点距離50mmに関して、背景の流れ量のユーザ設定「大、中、小」をそれぞれ示している。
ある角速度ω1、レンズの焦点距離50mmとして、背景の流れ量を大、中、小、で比較すると、背景の流れ量を「大」で設定した場合は、もっともシャッタースピードtが遅くなり、背景の流れ量を「小」で設定した場合は、もっともシャッタースピードtが早くなる。シャッタースピードtを遅くすることによって、背景像401の撮像素子207面上における移動量pが大きくなり、背景の流れ量が大きくなる。
次に、ある角速度ω1として、レンズの焦点距離50mmと焦点距離200mmで比較すると、焦点距離200mmの方が、シャッタースピードtが速くなる。また、シャッタースピードtと角速度ωとの関係性は、焦点距離200mmの方が、急峻になる。焦点距離Lを大きくすることによって、カメラをパンニングする角度が小さくなるため、シャッターススピードtは小さくなる。
図3は、流し撮りアシスト撮影のカメラ内動作を示すフローチャートである。
本実施例で説明する「流し撮りアシスト撮影モード」とは、ユーザが設定した背景の流し量に合わせて、カメラがシャッタースピードを調整する機能を指す。
ユーザが流し撮りアシスト撮影モードを選択することで、カメラが流し撮りアシスト撮影モードを起動する。
ステップS101において、CPU201は、ユーザが設定した背景の流し量を読み込む。ユーザは背景の流し量を「大、中、小」の3段階の中から選択することができる。
ステップS102において、CPU201は、SW1がONになったか判定する。SW1がONになったと判定された場合、次のステップS103に移行する。
ステップS103において、角速度測定ユニット301は角速度の測定を開始する。角速度測定デバイス301は6ビット分の角速度データを測定する。さらに、測定した角速度データをCPU201内の角速度検出回路201aに送信する。
ステップS104において、角速度検出回路201aは、角速度測定ユニット301から受信した角速度データの平均値を計算する。計算された角速度から、ユーザが流し撮りを行っているか判定する。流し撮りを行っていると判定した場合、次のステップS105に移行する。
ステップS105において、シャッタースピード算出回路201bは、図2を用いて前述したように、角速度検出回路201aで算出した角速度とステップS101で読み込んだ背景の流れ量から、適切なシャッタースピードを算出する。
ステップS106において、CPU201は算出されたシャッタースピードを読み込み、設定する。この時、設定されたシャッタースピードは、ファインダーユニット204内のファインダ内液晶パネル等に表示される。
ステップS107において、SW2がONになったか判定する。SW2がONになったと判定された場合、次のステップS108に移行する。
ステップS108において、CPU201はミラー駆動手段203に、ミラーユニット202を駆動する信号を送信する。ミラーユニット202はCPU201からの信号を受けて、ミラーユニット202の主ミラーとサブミラーをヒンジ中心に回転駆動し、撮影光路内から退避させ、ミラーアップ動作を完了させる。
ステップS109において、CPU201はシャッター駆動回路206に、ステップS106で設定されたシャッタースピードで駆動する信号を送信する。シャッター駆動回路206は、CPU201から受信した信号を基に、シャッター先幕を走行させる。
次に、ステップS110において、シャッター駆動回路206は、シャッター後幕を走行させる。
ステップS111において、CPU201は、シャッター後幕が走行したことを確認したのち、ミラーユニット202の主ミラーとサブミラーは、再度ヒンジ中心に回転駆動し、所定の待機位置まで駆動し、ミラーダウン動作を完了する。
ステップS112において、次の撮影の駆動準備ために、シャッターユニット205内のシャッター先幕とシャッター後幕を駆動するためのト―ションばねを付勢する。
図4(a)は、角速度測定ユニット301の一つの概略構成を示している。
角速度測定ユニット301は、保持構成の異なる二つの角速度測定デバイスとそれら保持部材で構成されている。
本体ユニット301aは、ミラーユニット202やシャッターユニット205、撮像素子207等と締結されており、カメラボディ200の骨格として構成されている。
ハード基板301bは複数の導電層と絶縁層で構成されたプリント基板である。ハード基板301bの絶縁層にはガラス繊維を含む樹脂から製造されている。ハード基板301bは、本体ユニット301aに締結されており、ハード基板301bの表面には、CPU201や画像処理部208を構成する集積回路が実装されている。そして、本体ユニット301aの導電層にはそれら実装部品を電気的に接続するための電気回路が配線されている。
固定角速度測定デバイス301cは、ハード基板301bに実装されている電子部品の一つである。固定角速度測定デバイス301cはカメラボディ200の角速度を測定する。測定した角速度データをハード基板301b内の配線を介して、CPU201内の角速度検出回路201aに送信する。
浮遊角速度測定デバイス301dは、フレキシブルプリント基板301eに実装されている電子部品の一つである。浮遊角速度測定デバイス301dは、固定角速度測定デバイス301cと同様に、カメラボディ200の角速度を測定する。
フレキシブルプリント基板301eは、導電パターンを柔軟性ある絶縁フィルムによって覆ったプリント基板の一種である。
浮遊角速度測定デバイス301dが測定した角速度データは、フレキシブルプリント基板301e内の配線を通って、CPU201内の角速度検出回路201aに送信される。
フレキシブルプリント基板301eは、ハード基板301bとFPCコネクタ等で電気的に接続されている。
さらに、フレキシブルプリント基板301eとハード基板301bの間に粘弾性部材301fが挟まれている。
図4(b)は、図4(a)におけるA−A断面の概略図を示している。
ハード基板301bは、本体ユニット301aと締結部材301gによって締結されている。固定角速度測定デバイス301cと浮遊角速度測定デバイス301dは、光軸302に対して線対称となる位置に配置されている。図4(b)内の長さL1は光軸302と固定角速度測定デバイス301cの中心との距離を示しており、長さL2は光軸302と浮遊角速度測定デバイス301dの中心との距離を示している。固定角速度測定デバイス301cと浮遊角速度測定デバイス301dは、長さL1と長さL2が等しくなるように、配置されている。また、固定角速度測定デバイス301cと浮遊角速度測定デバイス301dは、光軸302とz軸方向の高さが同じなるように配置されている。
図4(c)は、浮遊角速度測定デバイス301dの保持構成を示す模式図である。
本保持構成の振動の影響を考察するうえで、フレキシブルプリント基板301eは振動に影響を及ぼさないので、本模式図では省略されている。粘弾性部材301fはバネ定数kと粘弾性係数c粘弾性部材301fの固有振動数をωn、粘弾性係数をζとすると、浮遊角速度測定デバイス301dの振幅Xとハード基板301aの振幅Aの減衰比τは、下記の式で表せる。
図4(b)で示したように、二つの角速度測定デバイスは光軸302を基準として同じ配置となっている。ミラーユニット202やシャッターユニット205等の駆動機構は光軸302を中心に配置され、光軸302を重心として振動する。そのため、二つの角速度測定デバイスは駆動機構による振動を同程度受ける配置になっている。
一方で、図4(c)で示したように、浮遊角速度測定デバイス301dは、粘弾性部材301fを介してハード基板301bに配置されているため、駆動機構による振動が減衰比τだけ減衰されている。
以上のことから、二つの角速度測定デバイスが測定した角速度データから、カメラの角速度を求める方法を以下に説明する。
流し撮りアシスト撮影において、駆動機構による振動の影響を考慮すると、二つの角速度測定デバイスの角速度は、簡易的に下式のように表せる。
固定角速度測定デバイスが出力する角速度をωr、浮遊角速度測定デバイスが出力する角速度をωf、ユーザがカメラをパンニングする角速度をωp、駆動機構による振動の角速度をωbとすると、
となる。
ここで、上式よりユーザがカメラをパンニングする角速度をωpは
と表せる。
このように、上式を用いて、二つの角速度測定デバイスの角速度から、ユーザがカメラをパンニングする角速度ωpを求めることが出来る。
図5は、流し撮りアシスト撮影において、連写する場合のカメラ内動作を示すフローチャートである。
ステップS112までは単写の流し撮りアシスト撮影と同様であるため、ここでは、2枚目以降の撮影を行う処理動作を説明する。
ステップS201では、CPU201は、SW2がONになっているか判定する。
SW2がOFFになっていると判定した場合は、撮影が終了したと判定する。SW2がONになっていると判定した場合は、ステップS202とステップS203に移行する。
ステップS202では、ステップS108と同様に、CPU201はミラー駆動手段203に、ミラーユニット202を駆動する信号を送信する。
ステップS203では、ステップS202の処理動作と並行して、角速度測定ユニット301は角速度の測定を開始する。固定角速度測定デバイス301cと浮遊角速度測定デバイス301dは、それぞれ6ビット分の角速度データを測定する。さらに、測定した角速度データをCPU201内の角速度検出回路201aに送信する。
ステップS204では、角速度検出回路201aはCPU201の内部メモリに記録されている粘弾性部材301fの固有振動数ωnと粘弾性係数ζを読み出し、二つの角速度測定デバイスから送信された角速度データから、ユーザがカメラをパンニングする角速度ωpを算出する。
ステップS205では、ステップS105と同様に、ステップS101で設定された背景の流し量にあう適正なシャッタースピードを計算する。そして、ステップS206において、ステップS106と同様に、CPU201は算出されたシャッタースピードを読み込み、設定する。
ステップS206からステップS209は、ステップS109からステップS112までと同様の処理を行い、ステップS210に移行する。
ステップS210では、CPU201はSW2がONになっているか判定する。SW2がONになっていると判定すると、撮影が継続されていると判定し、ステップS202とステップS203に移行し、撮影動作を繰り返す。SW2がOFFであると判定した場合は、流し撮りアシスト撮影を終了する。
図6は、通常撮影動作時のカメラボディ200のロール回転方向の角速度と時間の関係を示す模式図である。
グラフの縦軸は角速度(deg/s)であり、横軸は時間(ms)である。また、グラフの実線が固定角速度測定デバイス301cから出力された角速度であり、点線が浮遊角速度測定デバイス301dから出力された角速度である。
浮遊角速度測定デバイス301dが出力する角速度は、固定角速度測定デバイス301cに比べ減衰比τだけ小さい。図6が示すように撮影動作時のミラーUP、シャッター先幕走行、シャッター後幕走行、ミラーDOWN、シャッターチャージの動作時に、大きな角速度が検出されている。特にシャッター先幕走行時とシャッター後幕走行時の振動が大きいため、角速度測定ユニット301が測定する角速度も大きくなる。駆動機構の振動の影響で、固定角速度測定デバイス301cの測定最大値を超えた場合、正しく角速度ωpを算出できなくなる。
そこで、図5のフローチャートで説明したように、1コマ目の撮影後、かつ2コマ目の撮影のシャッター走行前に角速度測定を行う必要がある。すなわち、図6で示すように、連写で流し撮り撮影を行う場合、1コマ目のシャッターシャージ動作が完了し、2コマ目の撮影動作と開始同時に、角速度の測定を開始する。本実施例では、ミラーアップの振動による影響を除去した角速度を測定可能なため、角速度の測定期間とミラーアップのタイミングが重なって良い。
以上のように、保持構成の異なる二つの角速度測定デバイスを用いることによって、カメラボディ200が振動中の場合でも、ユーザがパンニングする角速度のみを抽出し、流し撮りに適正なシャッタースピードを設定することが出来る。
次に、角速度測定ユニット301の種々の変形例を説明する。
図7(a)は、角速度測定ユニット301構成の変形例1の断面概略図を示している。
固定角速度測定デバイス301cはハード基板301bに実装されており、光軸302上に配置されている。浮遊角速度測定デバイス301dはフレキシブルプリント基板301eに実装されており、粘弾性部材301fを介して、ハード基板301b上に光軸302上に配置されている。ハード基板301bは本体ユニット301aに対して、複数の締結部材301gで締結される。浮遊角速度測定デバイス301dは、固定角速度測定デバイス301cが実装されるハード基板301bの反対面に配置されている。図4(b)で示した構成では、ハード基板301bのz軸方向外側に向けて、粘弾性部材301fを配置するスペースが必要である。図7(a)で示した構成では、カメラボディ200の内側に向けて浮遊角速度測定デバイス301dを配置できるので省スペース化できる。
図7(b)は、角速度測定ユニット301構成の変形例2の断面概略図を示している。
固定角速度測定デバイス301cは、図6(a)の構成例と同様に、ハード基板301bに実装されており、光軸302上に配置されている。浮遊角速度測定デバイス301dは、浮遊ハード基板301hに実装されており、光軸302上に配置されている。浮遊ハード基板301hは、撮像素子207が実装されるプリント回路基板である。浮遊ハード基板310hは、本体ユニット301aと、ハード基板301bの間に配置され、ハード基板301bに対して略平行に配置されている。マウント106と撮像素子207の撮像面との光路長を調整するため、浮遊ハード基板301hは、z軸方向の位置を移動するための弾性部材301iによって本体ユニット301aに対して支持されている。図7(b)の構成では、撮像素子207が実装された基板を利用することが出来るため、粘弾性部材301fを用いる必要がない。
図7(c)は、角速度測定ユニット301構成の変形例3の断面概略図を示している。
ハード基板301bは基板中央に切欠きがあり、締結部材301gによって、本体ユニット301aに締結されている。浮遊ハード基板301hはハード基板301bの切欠き部内に、ハード基板301bと平行に配置されている。浮遊ハード基板301bは、図6(b)の構成と同様に、弾性部材301iによって本体ユニット301aに対して支持されている。浮遊角速度測定デバイス301cは基板間接続フレキシブルプリント基板301jに実装されている。基板間接続フレキシブルプリント基板301jはハード基板301bと浮遊ハード基板301hを電気的に接続するフレキシブルプリント基板である。図7(c)内の長さL3は固定角速度測定デバイス301dと光軸302とのx軸方向の距離を示しており、長さL4は浮遊角速度測定デバイス301cと光軸302とのx軸方向の距離を示している。固定角速度測定デバイス301cと浮遊角速度測定デバイス301dは、長さL3と長さL4が等しくなるように、配置されている。図7(c)で示した構成では、浮遊角速度測定デバイス301cは駆動機構の振動の影響を受けにくい基板間接続フレキシブルプリント基板301jに実装されているため、図7(b)と同様に、粘弾性部材301fを用いる必要がない。
本実施例では、角速度の測定区間を直前の撮影のシャッターチャージ完了後からとしたが、シャッター後幕走行後から角速度の測定を開始してもよい。また、測定最大値が大きい固定角速度測定デバイス301cを使用すれば、どのタイミングでも角速度を測定可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
201a 角速度検出回路、201b シャッタースピード検出回路、
301a 本体ユニット、301b プリント基板、
301c 固定角速度測定デバイス、301d 浮遊角速度測定デバイス、
301e フレキシブルプリント基板、301f 粘弾性部材、
301g 締結部材

Claims (5)

  1. 本体ユニット(301a)と、
    前記本体ユニット(301a)と締結部材(301g)によって締結されたプリント基板(301b)と、
    プリント基板(301b)に実装され、角速度を測定する固定角速度測定デバイス(301c)と、
    粘弾性部材(301f)上に配置され、角速度を測定する浮遊角速度測定デバイス(301d)と、
    前記固定角速度測定デバイス(301c)と前記角速度測定デバイス(301d)が測定した角速度から撮像装置の動き角速度を算出する角速度検出回路(201a)と、
    角速度検出回路(201a)が測定した角速度から適正な流し量となるシャッタースピードを算出するシャッタースピード算出回路(201b)と、
    を備え、
    前記角速度検出回路(201a)が前記固定角速度測定デバイス(301c)と前記浮遊角速度測定デバイス(301d)の測定データから、撮像装置の振動成分を除いた角速度を算出し、流し撮りを行っていると判定した場合、シャッタースピード算出回路(201b)が適正なシャッタースピードを算出することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記固定角速度測定デバイス(301c)と前記浮遊角速度測定デバイス(301d)は、垂直方向に光軸(302)と同じ高さに配置され、さらに水平方向に光軸(302)を中心に線対称となる位置に配置されること特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記固定角速度測定デバイス(301c)と前記浮遊角速度測定デバイスが(301d)が垂直方向かつ水平方向において光軸(302)上に配置され、さらに前記浮遊角速度測定デバイス(301d)は、プリント基板(301b)に対して前記固定角速度測定デバイス(301c)の実装面と反対面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記固定角速度測定デバイス(301c)と前記浮遊角速度測定デバイス(301d)が垂直方向かつ水平方向において光軸(302)上に配置され、さらに前記浮遊角速度測定デバイス(301d)は、弾性部材(301i)に支持された浮遊プリント基板(301h)に実装され、弾性部材(301i)は前記本体ユニット(301a)に固定されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 弾性部材(301i)に支持された前記浮遊プリント基板(301h)と前記プリント基板(301b)は、基板間接続フレキシブルプリント基板(301j)で電気的に接続され、前記浮遊角速度測定デバイス(301d)は基板間接続フレキシブルプリント基板(301j)に実装され、前記固定角速度測定デバイス(301c)と前記浮遊角速度測定デバイス(301d)は、垂直方向に光軸(302)と同じ高さに配置され、さらに水平方向に光軸(302)を中心に線対称となる位置に配置せれることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
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