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JP2019094280A - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

水中油型乳化化粧料 Download PDF

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JP2019094280A JP2017223215A JP2017223215A JP2019094280A JP 2019094280 A JP2019094280 A JP 2019094280A JP 2017223215 A JP2017223215 A JP 2017223215A JP 2017223215 A JP2017223215 A JP 2017223215A JP 2019094280 A JP2019094280 A JP 2019094280A
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Abstract

【課題】優れた紫外線防御効果を有し、経時安定性、及び耐水性が良好で、かつ優れた耐摩擦性を有する水中油型乳化化粧料を提供する。【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含有する、水中油型乳化化粧料であって、(A)油溶性有機紫外線吸収剤を含む液状油剤(B)耐塩性水溶性高分子(C)疎水化処理微粒子金属酸化物粉末(A)成分中にIOB値が0.10以上の成分を40質量%以上含有し、(A)成分を化粧料総量中に3質量%以上30質量%以下含有し、(C)成分の(A)成分に対する含有質量比(C/A)が0.4以上1.0以下である、水中油型乳化化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、日焼け止め効果に優れた水中油型乳化化粧料に関する。
近年、日常生活における日焼け止め対策の重要性が指摘されてきており、紫外線に対する防御効果を有する化粧料においても、さっぱりとした使用感で連用使用しやすい、水中油型乳化型の日焼け止め化粧料が開発されてきている。
これらの水中油型乳化化粧料には、紫外線防御効果を高めるため、紫外線吸収剤や、酸化亜鉛や酸化チタン等の金属酸化物粉末が用いられている。しかし、金属酸化物粉末を多く配合すると、経時で粉末の凝集、沈降等が生じるばかりでなく、粘度低下、乳化分離、析出などの経時安定性の低下が起こるという問題があった。
これらの問題を改善するために、ポリアクリル酸アミド、キサンタンガム、(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン)コポリマー等の水溶性高分子を用いた水中油型乳化化粧料(特許文献1、2参照)、シリコーン油を主成分とする油相中に側鎖型アミノ変性シリコーンとシリコーン油に相溶するHLB5以下の両親媒性物質とを含む水中油型乳化組成物(特許文献3参照)が提案されている。
特開2003−104859号公報 特開2010−215602号公報 特開2009−209123号公報
特許文献1〜3に記載された水中油型乳化組成物では、水中油型乳化組成物の経時安定性は改善されてはいるが、十分な紫外線防御効果が得られないという問題があった。
この問題に対し、有機紫外線吸収剤や金属酸化物粉末を溶解・分散し得る液状油を高配合することで十分な紫外線防御能力を発揮することができると考えられるが、液状油の高配合により耐水、耐汗性が悪くなり、実使用における紫外線防御効果(耐久性)が低下してしまう、塗膜が摩擦によって変形、崩壊しやすいという問題が生じることが判明した。
従って本発明の課題は、優れた紫外線防御効果を有し、経時安定性、及び耐水性が良好で、かつ優れた耐摩擦性を有する水中油型乳化化粧料を提供することにある。
本発明者らは、IOB値が特定の範囲にある特定量の液状油剤、耐塩性水溶性高分子、及び疎水化処理微粒子金属酸化物粉末を用い、かつ疎水化処理微粒子金属酸化物粉末の液状油剤に対する含有質量比が特定範囲にある場合に、高い経時安定性が得られるともに、紫外線防御能に優れ、その耐水性及び耐摩擦性も極めて良好である水中油型乳化化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有する、水中油型乳化化粧料であって、
(A)油溶性有機紫外線吸収剤を含む液状油剤
(B)耐塩性水溶性高分子
(C)疎水化処理微粒子金属酸化物粉末
(A)成分中にIOB値が0.10以上の成分を40質量%以上含有し、(A)成分を化粧料総量中に3質量%以上30質量%以下含有し、(C)成分の(A)成分に対する含有質量比(C/A)が0.4以上1.0以下である、水中油型乳化化粧料。
本発明の水中油型乳化化粧料は、優れた紫外線防御効果を有し、経時安定性、及び耐水性が良好で、かつ優れた耐摩擦性を有する。
本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有する、水中油型乳化化粧料であって、
(A)油溶性有機紫外線吸収剤を含む液状油剤
(B)耐塩性水溶性高分子
(C)疎水化処理微粒子金属酸化物粉末
(A)成分中にIOB値が0.10以上の成分を40質量%以上含有し、(A)成分を化粧料総量中に3質量%以上30質量%以下含有し、(C)成分の(A)成分に対する含有質量比(C/A)が0.4以上1.0以下である、水中油型乳化化粧料である。
本発明において、「液状」とは、1気圧下、25℃の環境下において、流動性を有している状態をいい、すなわち、融点以上の温度条件の下にある状態(融点を有さない非晶性物質においては溶融点以上の温度条件の下にある状態)をいう。また、「固体状」とは、1気圧下、25℃の環境下において、流動性を有してない状態をいい、すなわち、融点未満の温度条件の下にある状態(融点を有さない非晶性物質においては溶融点未満の温度条件の下にある状態)をいう。
本発明において、「IOB値」とは、有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、すなわち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。有機概念図とは、炭素数に基づく有機性(共有結合性)と、置換基に基づく無機性(イオン結合性)の2因子に分け、有機軸と無機軸と名づけた直交座標上にマッピングしたものであり、有機化合物の性状を予測する指標のひとつとして知られているものである。
本発明において、「油溶性」とは、水への溶解度が1w/w%以下であることをいう。
[(A)成分:油溶性有機紫外線吸収剤を含む液状油剤]
本発明の水中油型乳化化粧料は、(A)油溶性有機紫外線吸収剤を含む液状油剤を含有する。(A)液状油剤は、前記のように1気圧下、25℃で流動性を有する油剤である。
前記(A)成分は、紫外線防御効果を高めるために、油溶性有機紫外線吸収剤を含有する。油溶性有機紫外線吸収剤としては、液状の有機紫外線吸収剤、及び固体状の有機紫外線吸収剤から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。本発明において、紫外線防御効果をより高める観点から、前記(A)成分中に、液状の有機紫外線吸収剤、及び固体状の有機紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
液状の有機紫外線吸収剤としては、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラジメチルアミノ酸安息香酸アミル、パラジメチルアミノ酸安息香酸2−エチルヘキシル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、ジメチルジエチルベンザルマロネート等が挙げられる。これらのうち、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、ジメチルジエチルベンザルマロネートが好ましく、乳化状態及び経時安定性を改善できる点から、より好ましくはパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、オクトクリレン、ジメチルジエチルベンザルマロネートであり、さらに好ましくはパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルである。液状の有機紫外線吸収剤は、単独又は2種以上を適宜組み合わせて含有させることができる。なお、液状の有機紫外線吸収剤は、液状油としても(A)成分中に含有されうる。
固体状の有機紫外線吸収剤としては、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス〔4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕−1,3,5−トリアジン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、及びジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシルが挙げられる。固体状の有機紫外線吸収剤は、単独又は2種以上を適宜組み合わせて含有させることができる。
これらのうち、好ましくは2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス〔4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕−1,3,5−トリアジン、及び4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンであり、より好ましくは2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、及び2,4,6−トリス〔4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕−1,3,5−トリアジンである。なお、本発明における固体状の有機紫外線吸収剤は、化粧料中では液状で存在していると考えられる。
これらの成分の市販品例としては、UVINUL MC80(パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル;BASF社製)、UVINUL APLUS(2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル;BASF社製)、TINOSORBS(2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン;BASF社製)、UVINULT−150(2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン;BASF社製)、ソフトシェードDH(ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル;味の素社製)、PARSOL1789(4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン;DSM社製)等が挙げられる。
前記(A)成分中に含まれる前記有機紫外線吸収剤以外の油剤としては、1気圧下、25℃の環境下において液状であれば特に限定されず、通常の化粧料に用いられる油剤が挙げられる。具体的には、α−オレフィンオリゴマー、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素油;トリオクタン酸グリセリル、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、ダイズ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマシ油、綿実油、ミンク油等のトリグリセリド;オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ジオレイン酸プロピレングリコール、オレイン酸イソデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサノイン、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール、安息香酸アルキル等のエステル油;2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の分岐又は不飽和の高級アルコール;ジメチルポリシロキサンなどを挙げることができる。前記油剤は、単独又は2種以上を適宜組み合わせて含有させることができる。
これらのうち、好ましくはパルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサノイン、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール、安息香酸アルキルC12−15であり、より好ましくは、パルミチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサノイン、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、安息香酸アルキルC12−15である。
前記(A)成分は、IOB値が0.10以上の成分を40質量%以上含有するものであり、好ましくはIOB値が0.10以上0.60以下、より好ましくはIOB値が0.10以上0.40以下の成分を40質量%以上含有する。前記(A)成分中に、IOB値が0.10以上の成分を40質量%以上含有することにより、油性感を調整しつつ、固体状の有機紫外線吸収剤の(A)液状油剤への溶解性を向上させることが可能であり、紫外線防御効果を高めることができる。
IOB値が0.10以上である成分の具体的な例としては、オレイン酸(IOB値=0.42)、イソステアリン酸(IOB値=0.43)、ミリスチン酸イソプロピル(IOB値=0.18)、ミリスチン酸ブチル(IOB値=0.17)、パルミチン酸イソプロピル(IOB値=0.16)、オレイン酸エチル(IOB値=0.16)、カプリル酸セチル(IOB値=0.13)、ラウリン酸ヘキシル(IOB値=0.17)、ミリスチン酸デシル(IOB値=0.13)、オレイン酸デシル(IOB値=0.11)、ラウリン酸イソステアリル(IOB値=0.10)、ミリスチン酸イソトリデシル(IOB値=0.11)、ミリスチン酸イソセチル(IOB値=0.10)、ミリスチン酸イソステアリル(IOB値=0.10)、パルミチン酸オクチル(IOB値=0.13)、ジオレイン酸プロピレングリコール(IOB値=0.16)、オレイン酸イソデシル(IOB値=0.11)、イソステアリン酸イソプロピル(IOB値=0.15)、2−エチルヘキサン酸セチル(IOB値=0.13)、2−エチルヘキサン酸ステアリル(IOB値=0.12)、ジカプリン酸プロピレングリコール(IOB値=0.26)、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(IOB値=0.35)、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル(IOB値=0.33)、トリエチルヘキサノイン(IOB=0.35)、イソノナン酸イソノニル(IOB値=0.12)、セバシン酸ジイソプロピル(IOB値=0.4)、イソステアリン酸プロピレングリコール(IOB値=0.4)、安息香酸アルキルC12−15(IOB値=0.184)、2−オクチルドデカノール(IOB値=0.26)、イソステアリルアルコール(IOB値=0.29)、オレイルアルコール(IOB値=0.28)、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(IOB値=0.28)、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル(IOB値=0.68)、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(IOB値=0.43)、2,4,6−トリス〔4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕−1,3,5−トリアジン(IOB値=0.55)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル(IOB値=1.00)、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(IOB値=0.47)等が挙げられる。
前記(A)成分中に含まれるIOB値が0.10以上の成分の含有割合は、40質量%以上、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、また、好ましくは100質量%以下である。具体的には、40〜100質量%が好ましく、60〜100質量%がより好ましく、80〜100質量%がさらに好ましく、90〜100質量%がさらに好ましく、95〜100質量%がさらに好ましい。
前記(A)成分中に含まれるIOB値が0.10以上0.60以下の成分の含有割合は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上であり、また、好ましくは100質量%以下、さらに好ましくは99質量%以下、さらに好ましくは95質量%以下である。具体的には、40〜100質量%が好ましく、50〜99質量%がより好ましく、65〜95質量%がさらに好ましい。
前記(A)成分の化粧料総量に対する含有量は、耐水性及び耐摩擦性に優れ、かつ、紫外線防御効果を保持する点から、3質量%以上30質量%以下である。また、(A)成分の含有量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がより好ましく、また25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。具体的には、3〜30質量%であり、5〜25質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましく、15〜20質量%がさらに好ましい。
前記油溶性有機紫外線吸収剤の(A)成分に対する含有量は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%が以上さらに好ましく、また80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。具体的には、30〜80質量%が好ましく、40〜75質量%がより好ましく、50〜70質量%がさらに好ましい。当該範囲内であれば、液状油含有量を低減しつつ、紫外線防御効果を高めることができる。
液状の有機紫外線吸収剤の(A)成分に対する含有量は、15質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましく、また60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。具体的には、15〜60質量%が好ましく、25〜55質量%がより好ましく、35〜50質量%がさらに好ましい。当該範囲内であれば、良好な紫外線防御効果が得られるとともに、経時安定性及び使用感も良好である。
固体状の有機紫外線吸収剤の(A)成分に対する含有量は、10質量%以上が好ましく、12質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、また35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。具体的には、10〜35質量%が好ましく、12〜30質量%がより好ましく、15〜25質量%がさらに好ましい。当該範囲内であれば、良好な紫外線防御効果が得られるとともに、安定性及び使用感も良好である。
固体状の有機紫外線吸収剤の油溶性有機紫外線吸収剤の総量に対する含有量は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上がさらに好ましく、また60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。具体的には、10〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましく、25〜40質量%がさらに好ましい。当該範囲内であれば、良好な紫外線防御効果が得られるとともに、安定性及び使用感も良好である。
[(B)成分:耐塩性水溶性高分子]
本発明の水中油型乳化化粧料は、(B)耐塩性水溶性高分子を含有する。
本発明で用いられる(B)耐塩性水溶性高分子としては、ポリアクリルアミド、アクリルアミド系コポリマー、疎水変性ポリエーテルポリウレタン等が挙げられる。(B)耐塩性水溶性高分子は、単独又は2種以上を適宜組み合わせて含有させることができる。
本発明において、「水溶性高分子」とは、水と混合することで膨潤し増粘効果を発揮するものを意味する。また、「耐塩性」とは、化粧料に配合される範囲で塩や金属酸化物を添加しても、極端に粘弾性が低下しにくい性質をいう。
アクリルアミド系コポリマーとしては、アクリルアミド及び/又はアクリロイルジメチルタウリンを構成単位として含むコポリマーが挙げられる。
アクリルアミド及び/又はアクリロイルジメチルタウリンを構成単位として含むコポリマーとしては、アクリル酸ヒドロキシエチルとアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体、アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体、アクリルアミドとアクリル酸塩との共重合体、アクリル酸とアクリルアミドとアクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩の共重合体、ビニルピロリドンとアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体等を挙げることができる。
より具体的には、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー、及び(アクリル酸/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、アクリル酸/アクリルアミド/アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25)クロスコポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス−25)クロスポリマー等が挙げられる。
これらの成分の市販品例としては、ポリアクリルアミドとしては、SEPIGEL501(ポリアクリルアミド、ポリソルベート85、ミネラルオイル、イソパラフィン)、SEPIGEL 305(ポリアクリルアミド、水添ポリイソブテン(または(C13,14)イソパラフィン)、ラウレス-7、水);アクリルアミド系コポリマーとしては、SEPINOV EMT 10((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー)、SIMULGEL NS((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、スクワラン、ポリソルベート 60、水)、SIMULGEL FL((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、イソヘキサデカン、ポリソルベート60、水)、SEPIPLUS S((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ポリイソブテン、PEG-7トリメチロールプロパンヤシ油アルキルエーテル、水)、SIMULGEL EG((アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、イソヘキサデカン、ポリソルベート 80、水)、SEPIPLUS 265((アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー、ポリイソブテン、ポリソルベート20、水)、SEPIPLUS 400(アクリル酸/アクリルアミド/アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ポリイソブテン、ポリソルベート20、水)、Aristflex AVC((アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー)、Aristflex HMB((アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25)クロスポリマー)、Aristoflex HMS((アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス−25)クロスポリマー);疎水変性ポリエーテルポリウレタンとしては、Avalure flex‐6((PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー、トリデセス−6)が挙げられる。
これらのうち好ましくは、アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体が挙げられ、より好ましくは、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーが挙げられる。
(B)成分の含有量は、本発明の化粧料総量に対して、塗布時の伸ばしやすさの点で、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、0.8質量%以上がさらに好ましい。また、4質量%以下が好ましく、3.5質量%以下がより好ましく、2.5質量%以下がさらに好ましい。具体的な含有量は0.1〜4質量%が好ましく、0.5〜4質量%がより好ましく、0.8〜3.5質量%がより好ましく、0.8〜2.5質量%がさらに好ましい。
[(C)成分:疎水化処理微粒子金属酸化物粉末]
本発明の水中油型乳化化粧料は、(C)疎水化処理微粒子金属酸化物粉末を含有する。
本発明で用いられる(C)疎水化処理微粒子金属酸化物粉末としては、紫外線を散乱する効果が高い点から、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化セリウムから選択される1種又は2種以上の金属酸化物粉体を用いることが好ましい。また、これらの金属酸化物粉体は+2価以上の微量元素を含有させることができ、鉄、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、イットリウム等の金属を、単独又は2種以上を適宜組み合わせて、前記微粒子金属酸化物粉末に含有させることができる。
微粒子酸化亜鉛粉末としては、例えばFINEX−25、FINEX−50、FINEX−75(堺化学工業株式会社製)、MZ500シリーズ、MZ700シリーズ(テイカ株式会社製)、ZnO−350(住友大阪セメント株式会社製)などが市販され、特許第3073887号公報に記載される薄片状酸化亜鉛粉末も挙げられる。微粒子酸化チタン粉末としては、TTO−55シリーズ、TTO−51シリーズ(石原産業株式会社製)、JRシリーズ、JAシリーズ(テイカ株式会社製)などが市販されている。また、微粒子酸化セリウムとしては、ニッキ社又はセイミケミカル社から販売される高純度セリウムが含まれる。このうち、微粒子酸化亜鉛粉末又は微粒子酸化チタン粉末を用いることが好ましい。
本発明に用いる微粒子金属酸化物粉末の平均粒子径は、粉末凝集防止の点から0.01μm以上が好ましく、0.012μm以上がより好ましく、0.015μm以上がさらに好ましい。また、製剤の不透明化防止の点から、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.4μm以下がさらに好ましい。具体的な平均粒子径は、好ましくは0.01〜1μm、より好ましくは0.012〜0.5μm、さらに好ましくは0.015〜0.4μmである。なお、平均粒子径は、レーザー回折/散乱法により測定される。
本発明で用いる微粒子金属酸化物粉末の形状としては、球状、薄片状、棒状、紡錘状、針状、不定形状等が挙げられるが、平均粒子径が前記範囲にあれば任意の形状のものを使用することができる。
前記微粒子金属酸化物粉末への疎水化処理としては、特に限定されず、種々の表面処理、例えば、フッ素化合物処理、シリコーン処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理、シラン化合物又はシラザン化合物等によって事前に表面処理を行うことができる。
例えば、シリコーンの表面処理剤を用いた処理、メチルハイドロジェンポリシロキサン又は下記式(1)のメチルハイドロジェンポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体の表面処理剤を用いた処理、シラン化合物又はシラザン化合物の表面処理剤を用いた処理が好ましく挙げられる。中でも、好ましくはシリコーンを用いた表面処理、メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いた表面処理、シラン化合物又はシラザン化合物を用いた表面処理、より好ましくはメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いた表面処理、シラン化合物又はシラザン化合物を用いた表面処理である。
(式中、m、nは整数、1≦m+n≦60)
前記シリコーンを用いた表面処理としては、特許第3187440号公報に記載されるように、酸化亜鉛粉末等の金属酸化物をオルガノポリシロキサン類及びシリコーン樹脂よりなるシリコーン化合物(但し、シラン化合物を除く)の少なくとも1種で非気相状態で被覆した後、酸素含有雰囲気中で600〜950℃の温度で焼成することにより、酸化珪素で金属酸化物表面を被覆する方法が挙げられる。
前記シラン化合物又はシラザン化合物としては、炭素数1〜20のアルキル基若しくはフルオロアルキル基を有し、無機酸化物と反応性を有するシラン化合物又はシラザン化合物が好ましく、具体的には下記一般式(2)で示されるシラン化合物又は一般式(3)で示されるシラザン化合物であり、これらを1種又は2種以上用いることができる。
RR SiX3−p (2)
(pは0又は1の整数であり、Rは炭素数1〜20のアルキル基又はフルオロアルキル基(直鎖であっても分岐鎖であっても構わない)を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xはハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。)
SiNHSiR (3)
(R〜Rは、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基又はフルオロアルキル基(直鎖であっても分岐鎖であっても構わない)を示す。)
具体的なシラン化合物としては、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのうち特に好ましくはオクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランである。シラザン化合物の好ましい例としては、ヘキサメチルジシラザン、オクチルジシラザンなどが挙げられ、これらのうち特に好ましくはオクチルジシラザンである。当該シラン化合物又はシラザン化合物は処理が均一にできやすく、かつ供給が容易でコスト的に安価である特徴があり、さらにこれらの化合物で表面処理した(C)微粒子金属酸化物粉末を配合した化粧料は分散性等の特性が優れているので好ましい。
前記シラン化合物又はシラザン化合物での処理方法としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、低級アルコール等の有機溶媒中でシラン化合物又はシラザン化合物と酸化亜鉛粉末等の金属酸化物とを混合し、場合により微粉砕した後、有機溶媒を加熱や減圧により除去し、好ましくは80〜250℃で加熱処理する方法等で、シラン化合物又はシラザン化合物を酸化亜鉛等の金属酸化物の表面で反応性基にて化学反応させる方法が挙げられる。
また、特開2007−326902号公報に記載されるように、化粧料顔料に、特定のポリシロキサン化合物を被覆処理した後に、アルキルアルコキシシランを水中にて表面処理する方法も挙げられる。
微粒子金属酸化物粉末への表面処理剤の被覆量は、用いられるこれら粉末の総量に対して、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、また15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。具体的な被覆量は、3〜15質量%であるのが好ましく、より好ましくは5〜10質量%である。当該範囲内であれば、これら粉末表面に表面処理剤が均一に被覆され、酸化亜鉛等の金属酸化物粉末表面で表面処理剤が凝集や、析出することがない。
本発明で用いる(C)疎水化処理微粒子金属酸化物の含有量は、化粧料総量に対して、8質量%以上が好ましく、9質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、また25質量%以下が好ましく、23質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。具体的な含有量としては、8〜25質量%が好ましく、9〜23質量%がより好ましく、10〜20質量%がさらに好ましい。当該範囲内であれば、粉末の分散性が良好で、製剤の粘度上昇が大きくなるという問題も生じない。
(C)疎水化処理微粒子金属酸化物として、疎水化処理微粒子酸化亜鉛粉末を、(C)成分中に60質量%以上含有することが、UVA防御能の向上、高温安定性の改善に繋がるため好ましい。
本発明においては、(A)成分に対する、(C)成分の含有質量比(C/A)は、耐摩擦性を向上させ、良好な経時安定性を得るために、0.4以上1.0以下とすることが必要である。(A)成分に対する、(C)成分の含有質量比は、0.4以上1.0以下であればよいが、0.5以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、0.7以上がさらに好ましく、また0.98以下が好ましく、0.95以下がより好ましく、0.93以下がさらに好ましい。具体的には0.5〜1.0が好ましく、0.6〜1.0がより好ましく、0.6〜0.97がさらに好ましく、0.6〜0.95がさらに好ましく、0.6〜0.93がさらに好ましい。
本発明の水中油型乳化化粧料には、(D)成分として、前記(B)成分以外の水溶性高分子を含有させるのが、使用感、経時安定性を高める点から好ましい。(D)(B)成分以外の水溶性高分子としては、キサンタンガムが好ましい。その含有量は、化粧料総量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上が好ましく、また5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。具体的な含有量としては、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜1質量%である。
本発明の水中油型乳化化粧料には、(E)炭素数1〜3の飽和1価アルコールを含有させるのが、塗布時の伸びの良さを高め、べたつき感の抑制、経時安定性、耐水、耐汗性を高める点から好ましい。(E)炭素数1〜3の飽和1価アルコールとしては、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。これらの炭素数1〜3の飽和1価アルコールは、1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
本発明の(E)成分の含有量は、特に限定されるものではないが、塗布時の伸びを高め、べたつき感を抑制し、経時安定性、耐水、耐汗性を改善する点から、化粧料総量に対して、3質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましく、6質量%以上がさらに好ましく、また20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、12質量%以下がさらに好ましい。具体的な含有量としては、3〜20質量%が好ましく、より好ましくは4〜15質量%であり、さらに好ましくは6〜12質量%である。
本発明の水中油型乳化化粧料には、(F)多価アルコールを含有させるのが、保湿性、塗布時の伸びの良さを高める点から好ましい。(F)成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量650未満)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(平均分子量650未満)、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等のグリコール類;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンが挙げられる。このうち、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、が好適に使用でき、より好ましくはジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンである。これらの多価アルコールは、1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
(F)成分の含有量は、保湿性、塗布時の伸びの良さを高める点から、化粧料総量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、また30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。具体的な含有量としては、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、0.5〜15質量%がさらに好ましく、1〜15質量%がさらに好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。
本発明の水中油型乳化化粧料には、使用感、経時安定性を調整する目的で、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、特に制限されず、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、天然系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、シロキサン誘導体等のシリコーン含有界面活性剤、パーフルオロアルキル基を含有する界面活性剤等のいずれでも用いることができ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
これらの界面活性剤のうち、非イオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン含有界面活性剤が好ましく、具体的には、モノイソステアリン酸ソルビタン、ジメチコンコポリオール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO平均付加モル数60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO平均付加モル数40)、ポリオキシエチレンヒマシ油(EO平均付加モル数40)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(EO平均付加モル数20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数20)、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(EO平均付加モル数20)、ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数7)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数7)トリメチロールプロパンヤシ油アルキルエーテル等が挙げられる。
本発明の水中油型乳化化粧料では、上記界面活性剤を使用しなくとも使用感、経時安定性が良好であり、多量に界面活性剤を配合すると、界面活性剤に由来するべたつき感が生じてしまうことがあるため、好ましい界面活性剤の配合量は化粧料総量に対して、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましい。具体的な範囲として記載すると0〜3質量%が好ましく、0〜1質量%がより好ましく、0〜0.5質量%がさらに好ましい。
本発明の水中油型乳化化粧料には、使用感、経時安定性を調整する目的で、乳化剤を含有させることができる。乳化剤としては、パルミチン酸デキストリン、ベヘネス−2等が挙げられる。
乳化剤の配合量は化粧料総量に対して、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。具体的な範囲として記載すると0〜3質量%が好ましく、0〜2質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましい。
本発明の水中油型乳化化粧料において、水の含有量は、経時安定性に優れた水中油型乳化組成物を形成する点から、水中油型乳化化粧料総量に対して、40質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましく、また75質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。具体的には、好ましくは40〜75質量%であり、より好ましくは45〜70質量%である。
また、本発明の水中油型乳化化粧料には、上記成分の他に、目的に応じて本発明の効果を損なわない範囲内で、高級アルコール類、脂肪酸類、エステル類、ステロール類、ステロール脂肪酸エステル類、炭化水素類、油脂類、シリコーンオイル、保湿剤、植物エキス、ビタミン類、酸化防止剤、防菌防腐剤、消炎剤、昆虫忌避剤、生理活性成分、塩類、キレート剤、中和剤、pH調整剤、香料等を配合することができる。
本発明の水中油型乳化化粧料は、シャンプー、リンス、コンディショナーなどの毛髪化粧料、洗顔料、クレンジング化粧料、日焼け止め化粧料、パック、マッサージ化粧料などの皮膚化粧料として好適に利用できる。これらのうち、特に日焼け止め化粧料(化粧水、クリーム、乳液、美容液等)、サンタン、化粧下地化粧料、紫外線防御能を有するファンデーション等に適用するのが好ましい。
本発明の水中油型乳化化粧料の剤形としては、液状、乳液状、クリーム状、ペースト状、固形状、多層状などに適応が可能であり、さらにシート剤、スプレー剤、ムース剤としても適用できる。
上述の実施形態に関し、本発明はさらに以下の実施態様を開示する。
〔1〕下記の(A)〜(C)成分を含有する、水中油型乳化化粧料であって、
(A)油溶性有機紫外線吸収剤を含む液状油剤
(B)耐塩性水溶性高分子
(C)疎水化処理微粒子金属酸化物粉末
(A)成分中にIOB値が0.10以上の成分を40質量%以上含有し、(A)成分を化粧料総量中に3質量%以上30質量%以下含有し、(C)成分の(A)成分に対する含有質量比(C/A)が0.4以上1.0以下である、水中油型乳化化粧料。
〔2〕前記(A)成分が好ましくは液状の有機紫外線吸収剤、及び固体状の有機紫外線吸収剤から選ばれる1種又は2種以上である、〔1〕に記載の水中油型乳化化粧料。
〔3〕前記液状の有機紫外線吸収剤が、好ましくはパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、及びジメチルジエチルベンザルマロネートから選ばれる1種又は2種以上を含有する、〔1〕又は〔2〕に記載の水中油型乳化化粧料。
〔4〕前記固体状の有機紫外線吸収剤が、好ましくは2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス〔4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕−1,3,5−トリアジン、及び4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンから選ばれる1種又は2種以上、より好ましくは2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、及び2,4,6−トリス〔4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕−1,3,5−トリアジンから選ばれる1種又は2種以上を含有する、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔5〕前記(A)成分中に含まれる前記有機紫外線吸収剤以外の油剤として、好ましくはパルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサノイン、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール、安息香酸アルキルC12−15、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルであり、より好ましくは、パルミチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサノイン、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、安息香酸アルキルC12−15パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサノイン、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール、安息香酸アルキルC12−15から選ばれる1種又は2種以上、より好ましくは、パルミチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサノイン、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、安息香酸アルキルC12−15から選ばれる1種又は2種以上を含有する、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔6〕前記(A)成分が、好ましくはIOB値が0.10以上0.60以下、より好ましくはIOB値が0.10以上0.40以下の成分を40質量%以上含有する、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔7〕前記(A)成分中に含まれるIOB値が0.10以上の成分の含有割合が、40質量%以上、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、また、好ましくは100質量%以下である、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔8〕前記(A)成分中に含まれるIOB値が0.10以上の成分の含有割合が、好ましくは40〜100質量%、より好ましくは60〜100質量%、さらに好ましくは80〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%、さらに好ましくは95〜100質量%である、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔9〕前記(A)成分中に含まれるIOB値が0.10以上0.60以下の成分の含有割合が、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上であり、また好ましくは100質量%以下、より好ましくは99質量%以下、さらに好ましくは95質量%以下である、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔10〕前記(A)成分中に含まれるIOB値が0.10以上0.60以下の成分の含有割合が、好ましくは40〜100質量%、より好ましくは50〜99質量%、さらに好ましくは65〜95質量%である、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔11〕前記(A)成分の化粧料総量に対する含有量が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、また好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である、〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔12〕前記(A)成分の化粧料総量に対する含有量が、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%、さらに好ましくは15〜20質量%である、〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔13〕前記油溶性有機紫外線吸収剤の(A)成分に対する含有量が、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、またン好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である、〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔14〕前記油溶性有機紫外線吸収剤の(A)成分に対する含有量が、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは40〜75質量%、さらに好ましくは50〜70質量%である、〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔15〕液状の有機紫外線吸収剤の(A)成分に対する含有量が、好ましくは15質量%以上、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは35質量%以上、また好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である、〔1〕〜〔14〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔16〕液状の有機紫外線吸収剤の(A)成分に対する含有量が、好ましくは15〜60質量%、より好ましくは25〜55質量%、さらに好ましくは35〜50質量%である、〔1〕〜〔15〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔17〕固体状の有機紫外線吸収剤の(A)成分に対する含有量が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、また好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である、〔1〕〜〔16〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔18〕固体状の有機紫外線吸収剤の(A)成分に対する含有量が、好ましくは10〜35質量%、より好ましくは12〜30質量%、さらに好ましくは15〜25質量%である、〔1〕〜〔17〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔19〕固体状の有機紫外線吸収剤の油溶性有機紫外線吸収剤の総量に対する含有量が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上、また好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である、〔1〕〜〔18〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔20〕固体状の有機紫外線吸収剤の油溶性有機紫外線吸収剤の総量に対する含有量が、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%、さらに好ましくは25〜40質量%である、〔1〕〜〔19〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔21〕前記(B)成分が、好ましくはアクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体、より好ましくは、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを含有する、〔1〕〜〔20〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔22〕前記(B)成分の含有量が、化粧料総量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.8質量%以上、また、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3.5質量%以下、さらに好ましくは2.5質量%以下である、〔1〕〜〔21〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔23〕前記(B)成分の含有量が、化粧料総量に対して、好ましくは0.1〜4質量%、より好ましくは0.5〜4質量%、さらに好ましくは0.8〜3.5質量%、さらに好ましくは0.8〜2.5質量%である、〔1〕〜〔22〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
〔24〕前記(C)成分が、好ましくは酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化セリウムから選択される1種又は2種以上の金属酸化物粉体を含有する、〔1〕〜〔23〕のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
以下、実施例及び比較例にて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜14、比較例1〜4
表1に示した処方に従い水中油型乳化化粧料を常法により調製した。これらを用いて、下記に示した(1)紫外線防御能、(2)耐水性、(3)経時安定性、(4)使用感、(5)耐摩擦性、を評価した。結果を表1に示す。
(1)紫外線防御能
紫外線防御能は、下記in vitro SPF測定により評価した。
石英ガラス板上に表1に示した水中油型乳化化粧料の各試料を2mg/cmになるように1分間均一に塗布し、冷暗所で15分乾燥させた。乾燥後、SPFアナライザー(SPF 290S plus、Optometricus USA 社製)にて、正方形の石英ガラス板上の中点、各頂点、各頂点を結んだ辺の中点の計9箇所の吸収スペクトル(波長350nm)の透過率(%)を測定し、9箇所の平均を求めた。結果は、その透過率(%)から求められるSPF値(−)を示した。(N=3)
紫外線防御能は、以下の基準によって評価した。
〔評価基準〕
A:SPF値が50よりも高い
B:SPF値が40以上50以下
C:SPF値が20以上40以下
D:SPF値が20よりも低い
(2)耐水性
石英ガラス板上に表1に示した水中油型乳化化粧料の各試料を2mg/cmになるように均一に塗布し、15分間自然乾燥させた。その後、試料塗布した石英ガラス板に一定の距離(10mm)から紫外線を照射した。その際の透過紫外線をSPFアナライザー(SPF 290S plus、Optometricus USA 社製)で290〜400nmの範囲で石英ガラス板上の6箇所以上において検出し、平均化したスペクトルを得て、SPF値を算出した。
その後、試料を塗布した石英ガラス板ごと塗布面が上に来るように20℃の水浴に浸し、水温を20℃に保ちながら15分軽く水を撹拌し続けた。その後、石英ガラス板をゆっくり取り出し、30分以上放置して乾燥させた。この作業を2回繰り返した後、再度、同様の方法にSPF値を求め、浸水処理前後でのSPF値残存率を算出した。
〔耐水性評価〕
耐水性は、浸水処理前後でのSPF値残存率から、下記の基準で判定した。
SPF値残存率(%)=(試料塗布した石英ガラス板を水浴に浸した後に測定したSPF値)/(試料塗布した石英ガラス板を水浴に浸す前に測定したSPF値)×100
〔評価基準〕
A:SPF値残存率が90%以上
B:SPF値残存率が70%以上90%未満
C:SPF値残存率が50%以上70%未満
D:SPF値残存率が50%未満
(3)経時安定性
表1に示した水中油型乳化化粧料を60℃で1月間保存し、その後、外観を目視により評価した。
〔粘度変化判定基準〕
A:変化なし又は若干の粘度変化が見られる
B:明らかな粘度変化が見られる
C:分離している
(4)使用感
表1に示した水中油型乳化化粧料を専門パネラー5名に使用してもらった。25℃、57RH%下で前腕内側の直径3cmの円に各化粧料を0.02mL塗布し、1分間かけて塗り延ばした際の使用感として、「塗布時のきしみ感のなさ」、「塗布後のべたつき感のなさ」を、好ましい場合を5、好ましくない場合を1として、0.1刻みで評価し、5名の平均スコアを求めた。以下の評価基準及び判定基準に基づき、評価と判定を行った。〔評価基準〕
5:好ましい
4:やや好ましい
3:どちらともいえない
2:やや好ましくない
1:好ましくない
〔判定基準〕
A:平均スコアが4.5以上
B:平均スコアが3.0以上4.5未満
C:平均スコアが1.5以上3.0未満
D:平均スコアが1.5未満
(5)耐摩擦性
上記(1)紫外線防御能評価方法と同様の手順で石英ガラス板に表1に示した水中油型乳化化粧料の試料を塗布、乾燥させた。その後、摩擦試験機(トライポマスター、トリニティーラボ社製)にて摩擦を負荷した(重さ20g、10回往復)。摩擦負荷後の石英ガラス板について、再度同様の方法にてSPF値を求め、摩擦負荷前後でのSPF値残存率を算出した。
〔耐摩擦性評価〕
摩擦負荷前後の各SPF値から、下記の基準で判定した。
耐摩擦性評価(%)=(試料塗布した石英ガラス板を摩擦後に測定したSPF値)/(試料塗布した石英ガラス板を摩擦前に測定したSPF値)×100
〔評価基準〕
A:70%以上
B:50%以上70%未満
C:30%以上50%未満
D:30%未満
表1において用いた成分の詳細を以下に示す。
*1:パルソール 1789:4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(DSM社製)
*2:ユビナール MC80:パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(BASF社製)
*3:ユビナール Aplus:2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル(BASF社製)
*4:ユビナールT−150:2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン(BASF社製)
*5:TINOSORB S:2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(BASF社製)
*6:セピゲル501:ポリアクリルアミド、ポリソルベート85、ミネラルオイル、イソパラフィン;ポリアクリルアミドを20質量%含有(SEPPIC社製)
*7:シマルゲル EG:アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー(SEPPIC社製)
*8:Aristflex AVC:(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー(Clariant社製)
*9:Avalure flex−6:(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー、トリデセス−6(Lubrizol社製)
*10:Pemulen TR−1:アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(LubrizolAdvanced Materials社)
本実施例、比較例及び処方例で用いた疎水化処理微粒子金属酸化物粉末は下記のものを用いた。
(製造例1 メチルハイドロジェンポリシロキサン表面処理微粒子酸化チタン粉末の製造)
微粒子酸化チタン粉末(略球状、平均粒子径0.017μm)95質量部とメチルハイドロジェンポリシロキサン(KF−99P、信越化学工業社製)5質量部とイソプロピルアルコールからなるスラリーを作製し、よく攪拌・粉砕した後、溶媒を減圧下に加熱留去し、空気中160℃で4時間加熱処理を行い、メチルハイドロジェンポリシロキサン表面処理微粒子酸化チタン粉末を得た。
(製造例2 オクチルトリエトキシシラン表面処理微粒子酸化亜鉛粉末の製造)
微粒子酸化亜鉛粉末(略球状、平均粒子径0.02μm)93質量部とオクチルトリエトキシシラン7質量部と、トルエンからなるスラリーを作製し、ビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製ダイノミル)を用いて粉砕・解砕を行った。次いで、トルエンを減圧下に加熱留去した後、送風気流型乾燥機を用いて150℃にて4時間加熱処理し、オクチルトリエトキシシラン表面処理微粒子酸化亜鉛粉末を得た。
(製造例3 メチルハイドロジェンポリシロキサン表面処理微粒子酸化亜鉛粉末の製造)
微粒子酸化亜鉛粉末(略球状、平均粒子径0.02μm)93質量部とメチルハイドロジェンポリシロキサン(KF−99P、信越化学工業社製)7質量部とイソプロピルアルコールからなるスラリーを作製し、よく攪拌・粉砕した後、溶媒を減圧下に加熱留去し、空気中150℃で4時間加熱処理を行い、メチルハイドロジェンポリシロキサン表面処理微粒子酸化亜鉛粉末を得た。
表1の結果から、本発明の実施例に係る水中油型乳化化粧料は、比較例の水中油型乳化化粧料と比べて、UV防御能、耐水性、経時安定性、使用感に優れ、更に耐摩擦性にも優れるものであることは明らかである。
以下に本発明の水中油型乳化化粧料の処方例を挙げる。
実施例15 (日焼け止め)
下記組成の水中油型乳化化粧料(日焼け止め)を作製し評価したところ、紫外線防御効果、耐水性、使用感、経時安定性、耐摩擦性の全ての点において優れていた。
(配合成分) (質量%)
1.イソノナン酸イソノニル 1.5
2.トリエチルヘキサノイン 2.0
3.パルミチン酸イソプロピル 2.0
4.ジメチコン(6cs) 2.0
5.ユビナールMC80 7.0
6.(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン)コポリマー
(SIMULGEL EG、SEPPIC社製) 2.2
7.オクチルトリエトキシシラン表面処理微粒子酸化亜鉛粉末(製造例2)
12
8.ユビナールT150 1.5
9.Tinosorb S 2.0
10.ユビナールAplus 0.5
11.キサンタンガム 0.1
12.1,3−ブチレングリコール 2.0
13.エタノール 10.0
14.グリセリン 2.0
15.エデト酸二ナトリウム 0.01
16.香料 0.05
17.精製水 残部
実施例16 (化粧用下地)
下記組成の水中油型乳化化粧料(化粧用下地)を作製し評価したところ、紫外線防御効果、耐水性、使用感、経時安定性、耐摩擦性の全ての点において優れていた。
(配合成分) (質量%)
1.イソノナン酸イソノニル 1.5
2.トリエチルヘキサノイン 2.0
3.パルミチン酸イソプロピル 1.0
4.ジメチコン(6cs) 1.0
5.ユビナールMC80 7.0
6.(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン)コポリマー
(SIMULGEL EG、SEPPIC社製) 2.2
7.メチルハイドロジェンポリシロキサン表面処理微粒子酸化チタン粉末(製造例1)
5.0
8.オクチルトリエトキシシラン表面処理顔料酸化チタン粉末 8.0
9.ユビナールT150 1.5
10.Tinosorb S 1.5
11.ユビナールAplus 1.0
12.リン脂質 1.0
13.ベヘニルアルコール 1.0
14.キサンタンガム 0.1
15.1,3−ブチレングリコール 2.0
16.エタノール 7.0
17.グリセリン 2.0
18.エデト酸二ナトリウム 0.01
19.香料 0.05
20.精製水 残部

Claims (8)

  1. 下記の(A)〜(C)成分を含有する、水中油型乳化化粧料であって、
    (A)油溶性有機紫外線吸収剤を含む液状油剤
    (B)耐塩性水溶性高分子
    (C)疎水化処理微粒子金属酸化物粉末
    (A)成分中にIOB値が0.10以上の成分を40質量%以上含有し、(A)成分を化粧料総量中に3質量%以上30質量%以下含有し、(C)成分の(A)成分に対する含有質量比(C/A)が0.4以上1.0以下である、水中油型乳化化粧料。
  2. 前記(A)成分中にIOB値が0.10以上0.60以下の成分を40質量%以上含有する、請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
  3. 前記(C)成分の(A)成分に対する含有質量比(C/A)が0.6以上1.0以下である、請求項1又は2に記載の水中油型乳化化粧料。
  4. 前記(A)成分中に含まれる油溶性有機紫外線吸収剤として、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、及びジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシルからなる群から選択される1種以上の25℃で固体状の有機紫外線吸収剤を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
  5. 固体状の有機紫外線吸収剤の(A)成分に対する含有量が10質量%以上35質量%以下である、請求項4に記載の水中油型乳化化粧料。
  6. 前記(B)成分が、ポリアクリルアミド、アクリルアミド系コポリマー、及び疎水変性ポリエーテルポリウレタンからなる群から選択される1種以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
  7. 前記(C)成分の疎水化処理がメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いた表面処理及びシラン化合物又はシラザン化合物を用いた表面処理からなる群から選択される1種以上の表面処理である、請求項1〜6のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
  8. 日焼け止め用途に用いる請求項1〜7のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
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