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JP2020105177A - 皮膚外用剤 - Google Patents

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JP2020105177A
JP2020105177A JP2019239586A JP2019239586A JP2020105177A JP 2020105177 A JP2020105177 A JP 2020105177A JP 2019239586 A JP2019239586 A JP 2019239586A JP 2019239586 A JP2019239586 A JP 2019239586A JP 2020105177 A JP2020105177 A JP 2020105177A
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Takashi Fukui
崇 福井
典子 手島
noriko Teshima
典子 手島
梶原 啓吾
Keigo Kajiwara
啓吾 梶原
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Abstract

【課題】赤外線防御効果に優れ、皮膚に塗布した際に白くなりにくく見た目が自然であり、塗布後の化粧のりも良好な皮膚外用剤、及び皮膚の赤外線防御方法を提供する。【解決手段】[1]厚さ30nm以上360nm以下の板状金属酸化物(A)、及び不揮発性油(B)を含有し、質量比[(A)/(B)]が0.05以上5以下である皮膚外用剤、及び[2]前記[1]に記載の皮膚外用剤を皮膚に塗布する皮膚の赤外線防御方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚外用剤、及び皮膚の赤外線防御方法に関する。
太陽光に対する皮膚防御の観点から、日焼け止め化粧料などの紫外線防御化粧料が知られている。一方で、近年は健康意識の高まりにより、赤外線に対する防御機能を有する皮膚外用剤が求められている。
赤外線防御機能を有する皮膚外用剤に関して、例えば特許文献1には、赤外線が皮膚の組織よりも深部の組織に到達することを阻害し、赤外線によるそれらの組織の損傷を防止する防止剤に関する技術として、酸化チタン粉末と酸化亜鉛粉末とからなる赤外線透過遮蔽剤を含有する生体組織の近赤外線損傷の防止剤が開示されている。また特許文献2には、優れた近赤外防御効果と高い透明性を両立した、酸化チタン粉末と酸化亜鉛粉末とからなる近赤外線防御化粧料組成物が開示されている。
国際公開第2009/017104号 特開2017−95361号公報
しかしながら皮膚防御のため、赤外線防御機能をさらに向上させた皮膚外用剤が望まれている。さらに、皮膚外用剤の中でも皮膚化粧料としては、皮膚に塗布した際に白くなりにくく見た目が自然であり、塗布後の化粧のりも良好で使用感に優れることが求められる。
本発明の課題は、赤外線防御効果に優れ、皮膚に塗布した際に白くなりにくく見た目が自然であり、塗布後の化粧のりも良好な皮膚外用剤、及び皮膚の赤外線防御方法を提供することにある。
本発明者らは、所定の形状の金属酸化物及び不揮発性油を所定の割合で含有する皮膚外用剤が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、次の[1]及び[2]に関する。
[1]厚さ30nm以上360nm以下、かつアスペクト比が50以上300以下である板状金属酸化物(A)、及び不揮発性油(B)を含有し、質量比[(A)/(B)]が0.05以上5以下である皮膚外用剤。
[2]前記[1]に記載の皮膚外用剤を皮膚に塗布する皮膚の赤外線防御方法。
本発明の皮膚外用剤は、赤外線の防御効果に優れ、高い遮熱実感が得られるとともに、皮膚に塗布した際に白くなりにくく見た目が自然で塗布後の化粧のりも良好であり、使用感も優れるため、例えば皮膚化粧料として有用である。
[皮膚外用剤]
本発明の皮膚外用剤は、厚さ30nm以上360nm以下、かつアスペクト比が50以上300以下である板状金属酸化物(A)、及び不揮発性油(B)を含有し、質量比[(A)/(B)]が0.05以上5以下である。
本発明において板状金属酸化物の厚さとは、板状金属酸化物粒子において最も短い軸の長さを意味する。
また本発明において赤外線とは、波長780nm〜1mmの電磁波を意味する。このうち本発明の皮膚外用剤は、特に、波長780nm〜2500nmの近赤外線防御効果に優れる。これにより太陽光照射による皮膚温度の上昇を抑え、高い遮熱実感を得ることができる。
なお本明細書においては、赤外線防御効果として波長1500nmの赤外線防御率を指標とする。
本発明の皮膚外用剤の剤型は特に制限されないが、皮膚への塗布しやすさの点から、液状、ゲル状、又はクリーム状であることが好ましい。皮膚外用剤は乳化組成物の形態であってもよく、乳化組成物としては水中油型乳化組成物、油中水型乳化組成物のいずれでもよい。
また本発明の皮膚外用剤は、赤外線防御用の皮膚外用剤の他、化粧水、クリーム、乳液、美容液、サンタン、化粧下地化粧料等の皮膚化粧料であってもよい。皮膚に塗布した際に白くなりにくく見た目が自然であり、塗布後の化粧のりも良好であることから、皮膚化粧料であることが好ましい。
<板状金属酸化物(A)>
本発明の皮膚外用剤は、厚さ30nm以上360nm以下、かつアスペクト比が50以上300以下である板状金属酸化物(A)を含有する。
本発明の皮膚外用剤は成分(A)として所定の厚さを有する板状金属酸化物を含有することにより、赤外線防御効果に優れ、高い遮熱実感が得られるとともに、皮膚に塗布した際にも白くなりにくく見た目が自然になる。
酸化チタン等の無機粒子を含有する皮膚外用剤においては、粒子径が大きいものを用いた方が赤外線防御効果も高くなることが知られている。しかしながら、単に粒子径が大きい無機粒子を用いるだけでは赤外線防御効果の向上に限界があった。また、例えば球状無機粒子であって粒子径が可視光の波長よりも大きいものを皮膚外用剤に配合した場合、皮膚に塗布した際に、粒子表面で可視光の光散乱が生じるために白くなりやすく、見た目の自然さに劣るという欠点があった。そのため、使用する無機粒子の粒子径を制御するだけでは、赤外線防御効果と、皮膚に塗布した際の見た目の自然さとを両立することが困難であった。
本発明者らは、皮膚外用剤中の成分(A)として所定の厚さの板状金属酸化物を用いることで、光の干渉効果により、赤外線領域の光の反射率を選択的に高めながら、可視領域の光の反射率を低減することができ、これにより赤外線防御効果と、皮膚に塗布した際の見た目の自然さとを両立できることを見出した。
成分(A)の厚さが前記所定の範囲(30nm以上360nm以下)であると、成分(A)を含有する外用剤を皮膚に塗布した際に、皮膚上面側で観測される光の反射率が、光の干渉効果により赤外線領域の波長の光に対しては高くなり、かつ、可視領域の波長の光に対しては低くなる。そのため、高い赤外線防御効果と、皮膚に塗布した際の見た目の自然さとを両立できる。
さらに、上記所定の成分(A)を用いることにより、塗布後の化粧のりも良好になる。
上述した作用機構により優れた赤外線防御効果を得る観点、及び、皮膚に塗布した際の見た目の自然さの観点から、成分(A)の厚さは、30nm以上であり、好ましくは50nm以上であり、より好ましくは60nm以上であり、更に好ましくは80nm以上であり、より更に好ましくは105nm以上であり、より更に好ましくは125nm以上である。また、優れた赤外線防御効果を得る観点、及び、皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、並びに塗布後の化粧のりの観点から、成分(A)の厚さは、360nm以下であり、好ましくは330nm以下であり、より好ましくは310nm以下であり、更に好ましくは280nm以下であり、より更に好ましくは270nm以下である。成分(A)の厚さの具体的範囲は、優れた赤外線防御効果を得る観点、及び、皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、並びに塗布後の化粧のりの観点から、30nm以上360nm以下であり、好ましくは50nm以上330nm以下であり、より好ましくは60nm以上310nm以下であり、更に好ましくは60nm以上280nm以下であり、より更に好ましくは80nm以上280nm以下であり、より更に好ましくは105nm以上270nm以下であり、より更に好ましくは125nm以上270nm以下である。
成分(A)の厚さは、走査電子顕微鏡(SEM)による観察画像から求めることができる。具体的には、成分(A)をSEMにより観察倍率10,000倍の条件にて観察し、観察画像中の50個の粒子の厚さを測定して、個数あたりの厚さの平均値を算出することにより求められる。成分(A)の厚さは、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。
また、優れた赤外線防御効果を得る観点、及び皮膚に塗布した際の見た目の自然さの観点から、成分(A)のアスペクト比は、50以上であり、好ましくは55以上であり、また、優れた赤外線防御効果を得る観点、及び皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、並びに塗布後の化粧のりの観点から、300以下であり、好ましくは230以下であり、より好ましくは200以下であり、更に好ましくは140以下であり、より更に好ましくは125以下であり、より更に好ましくは120以下である。成分(A)のアスペクト比の具体的範囲は、優れた赤外線防御効果を得る観点、及び、皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、並びに塗布後の化粧のりの観点から、50以上300以下であり、好ましくは50以上230以下であり、より好ましくは55以上230以下であり、更に好ましくは55以上200以下であり、より更に好ましくは55以上140以下であり、より更に好ましくは55以上125以下であり、より更に好ましくは55以上120以下である。
成分(A)のアスペクト比は、前記と同様の条件でSEM観察を行い、観察画像中の50個の粒子において、最も短い軸の長さ(厚さ)及び最も長い軸の長さ(長径)を測定して各々の粒子のアスペクト比(長径/厚さ)を算出し、その平均値より求められる。板状金属酸化物のアスペクト比は、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。
成分(A)を構成する金属酸化物は、高屈折率材料である方が高い光干渉効果が得られる。この観点から、成分(A)を構成する好ましい金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化セリウム等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは酸化チタン及び酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは酸化チタンである。すなわち、成分(A)としては好ましくは板状酸化チタン及び板状酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは板状酸化チタンである。
酸化チタンの結晶構造は、ルチル型、アナターゼ型、アモルファスのいずれでもよいが、優れた赤外線防御効果及び遮熱実感を得る観点からはルチル型が好ましい。
成分(A)の板状金属酸化物は、表面処理されていないものでもよく、皮膚外用剤への分散性を高めるために、必要に応じて公知の方法で疎水性処理等の表面処理を行ったものでもよい。なお、成分(A)の板状金属酸化物は、金属酸化物以外の粒子の表面を金属酸化物で表面処理したものとは区別される。
成分(A)の表面処理に用いられる表面処理剤としては、シリコーン;アルキルアルコキシシラン;パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール等のフッ素含有化合物;N−アシルグルタミン酸等によるアミノ酸;その他、レシチン;金属石鹸;ステアリン酸等の脂肪酸;アルキルリン酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、シリコーン及びアルキルアルコキシシランからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
表面処理剤としてのシリコーンは特に制限されないが、例えば、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー等の各種シリコーン油を挙げることができる。
表面処理剤としてのアルキルアルコキシシランとしては、炭素数6〜20の分岐又は直鎖のアルキル基を有するものが好ましく、特に、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランを挙げることができる。
赤外線防御効果を向上させる観点からは、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、及びオクチルトリエトキシシランからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
成分(A)が表面処理されたものである場合、表面処理剤による被覆量は、皮膚外用剤中への分散性を高める観点から、成分(A)の板状金属酸化物の総量に対して、1質量%以上9質量%以下が好ましく、2質量%以上8質量%以下がより好ましい。
皮膚外用剤中の成分(A)の含有量は、優れた赤外線防御効果を得る観点から、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、更に好ましくは6質量%以上であり、より更に好ましくは8質量%以上である。また、皮膚に塗布した際の見た目の自然さ及び、塗布後の化粧のりの観点から、皮膚外用剤中の成分(A)の含有量は、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、更に好ましくは17質量%以下であり、より更に好ましくは12質量%以下である。
皮膚外用剤中の成分(A)の含有量の具体的範囲は、赤外線防御効果と、皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、及び塗布後の化粧のりを両立させる観点から、好ましくは1質量%以上35質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上25質量%以下であり、更に好ましくは6質量%以上17質量%以下であり、より更に好ましくは8質量%以上12質量%以下である。
成分(A)として、市販の板状金属酸化物を用いることもできる。例えば、市販の板状酸化チタンとしてCQV社製「Featheleve PT−9001K」、「Featheleve PT−7001K」、「Featheleve PT−7401K」、「Featheleve PT−7801K」、「Featheleve PT−7901K」等が挙げられる。
(不揮発性油(B))
本発明の皮膚外用剤は、優れた赤外線防御効果を得る観点、及び皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、並びに塗布後の化粧のりの観点から、不揮発性油(B)を含有する。不揮発性油とは、以下の方法(1)により測定される、25℃、6時間での蒸発量が20%未満のものをいう。
方法(1):直径120mmのガラス製シャーレの中に、直径90mmの濾紙を入れ、濾紙にサンプルを1gのせて、65%RHの室内(25℃)に保存する。そして6時間後のサンプルの残留物を測定し、蒸発量を算出する。
また、成分(B)は1気圧下、25℃において液状であることが好ましい。より具体的には、成分(B)は、25℃における粘度が好ましくは500mPa・s以下であり、より好ましくは300mPa・s以下であり、更に好ましくは100mPa・s以下であり、より更に好ましくは50mPa・s以下であり、好ましくは5mPa・s以上である。
当該粘度は、B型粘度計「TVB−10」(東機産業(株)製)を用いて、ロータNo.1、25℃、60rpm、1分間の条件で測定できる。
成分(B)の具体例としては、25℃で液状である不揮発性油であり、例えばエステル油、シリコーン油、炭化水素油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
不揮発性の液状のエステル油としては、例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジカプリン酸ジエチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、及び安息香酸アルキル(C12〜C15)等の安息香酸アルキルからなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
上記の中でも、皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、塗布後の化粧のり、及びべたつき抑制の観点から、炭素数12以上18以下の脂肪酸と炭素数2以上22以下の分岐アルコールとのモノエステル、炭素数6以上18以下の分岐脂肪酸とグリセリンとのトリエステル、炭素数2以上18以下のジカルボン酸と炭素数2以上18以下の分岐アルコールとのジエステル、炭素数6以上18以下の脂肪酸と炭素数2以上10以下の分岐ジアルコールとのジエステル、安息香酸アルキル(C12〜C15)(例えば、フィンソルブTN;Innospec Active Chemicals LLC製)等が好ましく、具体的にはミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、及び安息香酸アルキル(C12〜C15)からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、パルミチン酸イソプロピル及び安息香酸アルキル(C12〜C15)からなる群から選ばれる1種以上が更に好ましい。
不揮発性の液状のシリコーン油としては、皮膚に塗布した際のべたつき抑制の観点からメチルポリシロキサンが好ましく、25℃における粘度が20mPa・s以下のメチルポリシロキサンがより好ましい。
不揮発性の液状の炭化水素油としては、流動パラフィン、水添ポリイソブテン等の軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動オゾケライト、スクワラン、プリスタン、スクワレン、イソヘキサデカン等が挙げられる。これらのうち、皮膚に塗布した際のべたつき抑制の観点から、好ましくは軽質流動イソパラフィン及びイソヘキサデカンからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは軽質流動イソパラフィンである。
不揮発性の液状の高級脂肪酸としては、炭素数12以上22以下の脂肪酸が挙げられ、具体的には、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸等が挙げられる。
不揮発性の液状の高級アルコールとしては、例えば、炭素数12以上28以下のアルコールが挙げられ、具体的には、オレイルアルコール、2−デシルテトラデシノール、ドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
成分(B)は、25℃で液状である不揮発性油のうち、皮膚に塗布した際のべたつき抑制の観点から、好ましくはエステル油、シリコーン油及び炭化水素油からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはパルミチン酸イソプロピル、安息香酸アルキル(C12〜C15)、メチルポリシロキサン、及び軽質流動イソパラフィンからなる群から選ばれる1種以上であり、メチルポリシロキサンを含むことが更に好ましい。
本発明の皮膚外用剤において、質量比[(A)/(B)]は、優れた赤外線防御効果を得る観点、及び皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、並びに塗布後の化粧のりの観点から、好ましくは0.05以上であり、より好ましくは0.1以上であり、更に好ましくは0.2以上であり、より更に好ましくは0.26以上であり、より更に好ましくは0.3以上である。また、質量比[(A)/(B)]は、皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、並びに塗布後の化粧のりの観点から、好ましくは5以下であり、より好ましくは2以下であり、更に好ましくは0.75以下であり、より更に好ましくは0.5以下であり、より更に好ましくは0.45以下である。皮膚外用剤中の質量比[(A)/(B)]の具体的範囲は、優れた赤外線防御効果と、皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、並びに塗布後の化粧のりとを両立させる観点から、好ましくは0.05以上5以下であり、より好ましくは0.1以上2以下であり、より好ましくは0.1以上0.75以下であり、更に好ましくは0.2以上0.5以下であり、より更に好ましくは0.26以上0.45以下であり、より更に好ましくは0.3以上0.45以下である。
本発明の皮膚外用剤中の成分(B)の含有量は、前記質量比[(A)/(B)]が0.05以上5以下となる量である限り特に制限されないが、優れた赤外線防御効果、及び皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、並びに塗布後の化粧のりの観点から、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、更に好ましくは15質量%以上であり、より更に好ましくは20質量%以上であり、より更に好ましくは25質量%以上であり、より更に好ましくは28質量%以上であり、また、優れた赤外線防御効果、及び塗布後の化粧のりの観点から、好ましくは45質量%以下であり、より好ましくは38質量%以下であり、更に好ましくは35質量%以下であり、より更に好ましくは32質量%以下である。皮膚外用剤中の成分(B)の含有量の具体的範囲は、優れた赤外線防御効果、及び皮膚に塗布した際の見た目の自然さと、塗布後の化粧のりとを両立させる観点から、好ましくは1質量%以上45質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上45質量%以下であり、更に好ましくは15質量%以上38質量%以下であり、より更に好ましくは20質量%以上38質量%以下であり、より更に好ましくは25質量%以上35質量%以下であり、より更に好ましくは28質量%以上32質量%以下である。
本発明の皮膚外用剤が油中水型乳化組成物である場合、成分(B)の含有量は、油中水型とする観点から、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、更に好ましくは18質量%以上である。また、油中水型乳化組成物中の成分(B)の含有量の上限は、乳化安定性の観点から、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。
本発明の皮膚外用剤が水中油型乳化組成物である場合は、成分(B)の含有量は、水中油型とする観点から、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、更に好ましくは10質量%以下である。また、水中油型乳化組成物中の成分(B)の含有量の下限は、乳化安定性の観点から、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上である。
また優れた赤外線防御効果を得る観点、皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、塗布後の化粧のりの観点から、皮膚外用剤中の成分(A)、(B)の合計含有量は、好ましくは2質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは35質量%以上であり、上限は100質量%である。
(揮発性油(B)’)
本発明の皮膚外用剤は、成分(B)’として、さらに揮発性油を含有することができる。揮発性油とは、以下の方法(1)により測定される、25℃、6時間での蒸発量が20%以上のものをいう。
方法(1):直径120mmのガラス製シャーレの中に、直径90mmの濾紙を入れ、濾紙にサンプルを1gのせて、65%RHの室内(25℃)に保存する。そして6時間後のサンプルの残留物を測定し、蒸発量を算出する。
成分(B)’は、皮膚に塗布した際のべたつき抑制の観点から、好ましくは揮発性シリコーン油であり、より好ましくは直鎖状オルガノポリシロキサン及び環状オルガノポリシロキサンのうち、25℃で液状であり揮発性のものである。
直鎖状オルガノポリシロキサンの具体例としては、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−[(トリメチルシリル)オキシ]−トリシロキサンが挙げられる。
環状オルガノポリシロキサンとしては、炭素数が1以上5以下のアルキル基を置換基として有する4〜6員環の環状シロキサンが挙げられ、具体例として、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
上記の中でも、成分(B)’としては皮膚に塗布した際のべたつき抑制の観点から、環状オルガノポリシロキサンが好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサンがより好ましい。
成分(B)’として用いることができる揮発性シリコーン油の市販品としては、信越化学工業(株)製の「KF−96A−1cs」(オクタメチルトリシロキサン)、「KF−96L−1.5cs」(デカメチルテトラシロキサン)、「KF−96L−2cs」(ドデカメチルペンタシロキサン)、「KF−995」(デカメチルシクロペンタシロキサン)、「TMF−1.5」(1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−[(トリメチルシリル)オキシ]−トリシロキサン)、東レ・ダウコーニング(株)製の「SH200C Fluid 1cs」(オクタメチルトリシロキサン)、「SH200C Fluid 1.5cs」(デカメチルテトラシロキサン)、「SH200C Fluid 2cs」(ドデカメチルペンタシロキサン)、「SH245 Fluid」(デカメチルシクロペンタシロキサン)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の「TSF405」(デカメチルシクロペンタシロキサン)が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤が成分(B)’を含有する場合、その含有量は、優れた赤外線防御効果及び遮熱実感を得る観点、皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、塗布後の化粧のり、べたつき抑制効果の観点から、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上であり、好ましくは75質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下であり、更に好ましくは40質量%以下である。皮膚外用剤中の成分(B)’の含有量の具体的範囲は、好ましくは5質量%以上75質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上60質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以上40質量%以下である。
(界面活性剤(C))
本発明の皮膚外用剤は、赤外線防御効果と、皮膚に塗布した際の見た目の自然さとを両立する観点、及び、油性成分を水中に分散、又は水溶性成分を油中に分散させる観点から、さらに界面活性剤(C)を含有することが好ましい。
成分(C)としては、公知の界面活性剤、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤を使用できる。また、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤も使用できる。
本発明の皮膚外用剤は、赤外線防御効果と、皮膚に塗布した際の見た目の自然さとを両立する観点、及び、油性成分を水中に分散、又は水溶性成分を油中に分散させる観点からは、少なくともシリコーン系界面活性剤を含むことが好ましく、ノニオン性のシリコーン系界面活性剤を含むことがより好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、下記一般式(1)〜(3)で表されるポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。

〔式中、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基又はフェニル基を示し、Rは式−(CH−O−(CO)−(CO)−R(Rは水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基、rは1以上5以下の数、sは1以上50以下の数、tは0以上30以下の数)で表される基を示し、R及びRはR又はRのいずれか一つと同一の基を示し、pは5以上300以下の数、qは1以上50以下の数を示す。ただし、Rのすべてがフェニル基となることはない。〕

〔式中、R、R、p及びqは前記と同じであり、Rは炭素数2以上20以下のアルキル基を示し、R及びRはR、R又はRのいずれか一つと同一の基を示し、uは1以上30以下の数を示す。ただし、Rのすべてがフェニル基となることはない。〕

〔式中、Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を示し、R10は式−Q−O−(CO)−(CO)14(Qは炭素数1以上4以下の2価の炭化水素基、R14は水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基又はアセチル基、xは1以上の数、yは0以上の数)で表される基を示し、R11は式−Q−O−R15(Qは炭素数1以上4以下の2価の炭化水素基、R15は炭素数8以上30以下の炭化水素基)で表される基を示し、R12及びR13はR、R10又はR11のいずれか一つと同一の基を示し、αは0以上の数、β及びγは1以上の数を示す。〕
なお、上記一般式(1)〜(3)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、その目的を逸脱しない範囲で、シリコーン鎖が分岐構造を有していたり、ポリエーテル以外の官能基で共変性されていてもよい。
上記一般式(1)で表されるポリエーテル変性シリコーンの市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製の「KF−6015」、「KF−6017」、東レ・ダウコーニング(株)製の「SH3775M」(ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体)、「SH3772C」等が挙げられる。上記一般式(2)で表されるポリエーテル変性シリコーンとしては、アルキルポリエーテル変性シリコーンと称されるものが挙げられ、市販品としては、例えばゴールドシュミット社製の「アビルWE−09」、信越化学工業(株)製の「KF−6038」等が挙げられる。上記一般式(3)で表されるポリエーテル変性シリコーンとしては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル共変性オルガノポリシロキサンが挙げられ、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサンをポリオキシアルキレンアリルエーテルとアリルアルキルエーテルで共変性することにより容易に製造することができる。
また、シリコーン系界面活性剤として、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーンを用いることができる。かかる部分架橋型ポリエーテル変性シリコーンは、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと脂肪族不飽和基含有化合物とを付加重合させたもので、特開平4−272932号公報、特開平5−140320号公報等に記載されているものが例示される。
部分架橋型ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン重合物は、下記一般式(4):
16 17 SiO(4−a−b−c)/2 (4)
〔式中、R16は炭素数1以上18以下の置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基又はハロゲン化炭化水素基を示し、R17は式−C2nO(CO)(CO)18(R18は水素原子、炭素数1以上10以下の飽和脂肪族炭化水素基又は−C(O)−R19(R19は炭素数1以上5以下の飽和脂肪族炭化水素基)で表される1価の基を示し、dは2以上200以下の数、eは0以上200以下の数、d+eは3以上200以下の数、nは2以上6以下の数をそれぞれ示す)で表されるポリオキシアルキレン基を示し、aは1≦a≦2.5、bは0.001≦b≦1、cは0.001≦c≦1をそれぞれ示す。〕
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び/又は下記一般式(5):
16 SiO(4−f−g)/2 (5)
〔式中、R16は前記と同じであり、fは1≦f≦3、gは0.001≦g≦1.5をそれぞれ示す。〕
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、下記一般式(a):
2m−1O(CO)(CO)2m−1 (a)
〔式中、hは2以上200以下の数、iは0以上200以下の数、h+iは3以上200以下の数、mは2以上6以下の数をそれぞれ示す。〕
で表されるポリオキシアルキレン及び/又は下記一般式(b):
16 20 SiO(4−j−k)/2 (b)
〔式中、R16は前記と同じであり、R20は末端に脂肪族不飽和基を有する炭素数2以上10以下の1価の炭化水素基を示し、jは1≦j≦3、kは0.001≦k≦1.5をそれぞれ示す。〕
で表されるオルガノポリシロキサンとの組み合わせにおいて、上記一般式(4)及び/又は上記一般式(a)で表される成分を必須成分とする重合物である。
シリコーン系界面活性剤以外の界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型のノニオン性界面活性剤がより好ましい。ノニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、花王(株)製「エマルゲン121−G」(ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル)、花王(株)製「エマルゲン1620G」(ポリオキシエチレン(20)2−ヘキシルデシルエーテル)、花王(株)製「エマルゲン2020G」(ポリオキシエチレン(20)オクチルドデシルエーテル)等が挙げられる。
成分(C)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記の中でも、成分(C)としては前記一般式(1)〜(3)で表されるポリエーテル変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上のシリコーン系界面活性剤が好ましく、前記一般式(1)で表されるポリエーテル変性シリコーンであるシリコーン系界面活性剤がより好ましい。
本発明の皮膚外用剤が成分(C)を含有する場合、その含有量は、赤外線防御効果と、皮膚に塗布した際の見た目の自然さとを両立する観点、及び、油性成分を水中に分散、又は水溶性成分を油中に分散させる観点から、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下であり、より更に好ましくは1.5質量%以下である。本発明の皮膚外用剤中の成分(C)の含有量の具体的範囲は、好ましくは0.1質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以上10質量%以下であり、更に好ましくは0.3質量%以上5質量%以下であり、より更に好ましくは0.5質量%以上1.5質量%以下である。
(水性媒体)
本発明の皮膚外用剤は、成分(A)を分散させ、及び他の配合成分を分散又は溶解させて皮膚への塗布性を向上させる観点から、さらに水性媒体を含有することができる。当該水性媒体としては、成分(A)及び他の配合成分を分散又は溶解しうるものであれば特に制限されず、例えば、水;エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の炭素数4以下の1価アルコール;1,3−ブチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の炭素数6以下の低分子ジオール及びトリオールが挙げられる。これらの中でも、水及び炭素数4以下の1価アルコールからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、水及びエタノールからなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
皮膚外用剤中の水性媒体の含有量は、皮膚外用剤の剤型により適宜選択することができるが、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、更に好ましくは8質量%以上であり、より更に好ましくは10質量%以上であり、好ましくは98質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、より更に好ましくは50質量%以下である。
皮膚外用剤中の水性媒体の含有量の具体的範囲は、好ましくは1質量%以上98質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上98質量%以下であり、更に好ましくは8質量%以上90質量%以下であり、より更に好ましくは10質量%以上70質量%以下であり、より更に好ましくは10質量%以上50質量%以下である。
<その他の成分>
本発明の皮膚外用剤は、上記成分以外に、必要に応じて他の成分、例えば、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、乳化剤、油ゲル化剤、制汗剤、香料、保湿剤、増粘剤、殺菌剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤等を含有させることもできる。
(紫外線吸収剤)
本発明の皮膚外用剤は、紫外線防御効果を付与する観点から、さらに紫外線吸収剤を含有してもよい。
紫外線吸収剤としては、成分(B)、(B)’以外の有機紫外線吸収剤であることが好ましく、油溶性の有機紫外線吸収剤、又は水溶性の有機紫外線吸収剤を用いることができる。紫外線防御効果、皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、塗布後の化粧のりのよさを得る観点、及びべたつき抑制の観点から、紫外線吸収剤は油溶性の有機紫外線吸収剤であることが好ましい。なお「油溶性」とは、水への溶解度が1w/w%以下であることをいう。
なお、本発明の効果を得る観点から、紫外線吸収剤は、例えば無機充填材の表面を紫外線吸収性材料で被覆した紫外線吸収剤等の、無機系の紫外線吸収剤は含まないことが好ましい。
油溶性の有機紫外線吸収剤としては、サリチル酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、及びその他の有機紫外線吸収剤のうち油溶性のものを用いることができる。
例えば、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(例えば、BASF製「ユビナールMC80」)、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;
4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン(例えば、DSMニュートリションジャパン社製「パラソール1789」)等のベンゾイルメタン系紫外線吸収剤;
オクトクリレン(例えば、DSMニュートリションジャパン社製「パラソール340」)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル(例えば、味の素(株)製「ソフトシェードDH」)、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、シノキサート、メチル−O−アミノベンゾエート、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、オクチルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル、例えば、BASF製「ユビナールAplus」)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、BASF製「チノソーブS」)、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(例えば、BASF製「チノソーブM」)、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン(以下、「エチルヘキシルトリアゾン」ともいう。例えば、BASF製「ユビナールT150」);等が挙げられる。
水溶性の有機紫外線吸収剤としては、サリチル酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、及びその他の有機紫外線吸収剤のうち水への溶解度が1w/w%を超えるものを用いることができ、例えば、サリチル酸トリエタノールアミン塩、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等が挙げられる。
上記の中でも、紫外線防御効果の観点から、紫外線吸収剤としてはパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オクトクリレン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、及び2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジンからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及び2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジンからなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、UVA及びUVBを共に防御する観点からは、これらを2種以上組み合わせることが更に好ましい。より更に好ましくは、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、及びビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンからなる群から選ばれる1種以上であり、これらを2種以上組み合わせることがより更に好ましい。
皮膚外用剤が紫外線吸収剤を含有する場合、その含有量は、紫外線防御効果の観点から、皮膚外用剤中、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは1.5質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上であり、より更に好ましくは7質量%以上である。また、優れた赤外線防御効果を得る観点、及び塗布後の化粧のりの観点から、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以下であり、より更に好ましくは15質量%以下である。皮膚外用剤中の紫外線吸収剤の含有量の具体的範囲は、赤外線防御効果、及び塗布後の化粧のりと、紫外線防御効果を両立する観点から、好ましくは0.2質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以上25質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以上20質量%以下であり、より更に好ましくは7質量%以上15質量%以下である。
(紫外線散乱剤)
本発明の皮膚外用剤は、紫外線防御効果を得る観点から、さらに紫外線散乱剤を含有してもよい。
紫外線散乱剤としては、紫外線を散乱する効果が高い点から、無機粒子が好ましく、成分(A)以外の金属酸化物粒子がより好ましい。該金属酸化物としては成分(A)以外の、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム等が挙げられ、成分(A)以外の酸化チタン及び酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上が更に好ましい。
紫外線散乱剤に用いられる上記無機粒子は、皮膚外用剤への分散性の観点から、表面処理により疎水化されたものであることが好ましい。疎水化のための表面処理方法としては、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン(ハイドロジェンジメチコン)、メチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体等によるシリコーン処理;パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール等によるフッ素処理;N−アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理;ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等によるシラン化合物処理;ヘキサメチルジシラザン、オクチルジシラザン等によるシラザン処理;レシチン処理;金属石鹸処理;カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラギン酸、アラキドン酸、ベヘン酸等による脂肪酸処理;アルキルリン酸エステル処理;シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム等による無機化合物処理;等が挙げられる。これら表面処理方法は、1種又は2種以上を用いることができる。
紫外線散乱剤の粒子形状としては、球状、棒状、紡錘状、針状、板状、不定形状等が挙げられるが、紫外線散乱効果を有するものであれば特に制限されない。
紫外線散乱剤の個数平均粒子径は、通常1nm以上であり、優れた紫外線防御効果を得る観点から、好ましくは5nm以上であり、より好ましくは8nm以上であり、更に好ましくは10nm以上である。また、皮膚に塗布した際の見た目の自然さの観点から、好ましくは500nm以下であり、より好ましくは300nm以下であり、更に好ましくは100nm以下であり、より更に好ましくは60nm以下である。
上記個数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)にて、100,000倍率の条件で、画像中の300個の粒子の粒子径の最大短径を測定し、平均値を算出することにより得られる。ここで、最大短径とは、長径と直交する短径のうち、最大径を有する短径を意味する。
紫外線散乱剤は市販品を用いることもできる。紫外線散乱剤として用いられる、成分(A)以外の酸化チタン粒子の市販品としては、例えばテイカ(株)製の「MT−100TV」(水酸化アルミニウム、ステアリン酸処理)、「MTY−110M3S」(水酸化アルミニウム、シリカ、ハイドロジェンジメチコン処理)等が挙げられる。
紫外線散乱剤として用いられる、成分(A)以外の酸化亜鉛粒子の市販品としては、例えば堺化学工業(株)製の「FINEX−50−LPTM」(ジメチコン処理)、「FINEX−25」(表面処理なし)、「FINEX−25LP」(ジメチコン処理)、テイカ(株)製の「MZ−300」(表面処理なし)、「MZ−504R3M」(ハイドロジェンジメチコン処理)、「MZY−303S」(ハイドロジェンジメチコン処理)、「MZ−306X」(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン処理)、「MZ−200」(表面処理なし)、「MZY−203S」(ハイドロジェンジメチコン処理)、「MZ−150」(表面処理なし)、「MZY−153S」(ハイドロジェンジメチコン処理)、「MZ−505S」、「MZY−505S」等が挙げられる。
紫外線散乱剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の皮膚外用剤が紫外線散乱剤を含有する場合、その含有量は、紫外線防御効果の観点から、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上である。また、皮膚への塗り広げやすさ、皮膚に塗布した際の滑らかさを得る観点からは当該含有量は、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは18質量%以下であり、更に好ましくは15質量%以下である。皮膚外用剤中の紫外線散乱剤の含有量の具体的範囲は、好ましくは1質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上18質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以上15質量%以下である。
(皮膚外用剤の製造方法)
本発明の皮膚外用剤の製造方法は特に限定されず、皮膚外用剤の剤型に応じて公知の方法を適宜用いることができる。例えば、成分(A)、(B)及びその他の全成分を配合し、ディスパー等により均一に混合する方法が挙げられる。又は、水性媒体以外の全成分を配合し、ディスパー等により均一に混合した後に、水性媒体を配合して更にホモジナイザー等により撹拌混合する方法も用いることができる。
皮膚外用剤が油中水型乳化組成物、又は水中油型乳化組成物である場合は、水相と油相とをそれぞれ調製した後、両者を混合する方法も用いることができる。
[皮膚の赤外線防御方法]
本発明はまた、本発明の皮膚外用剤を皮膚に塗布する、皮膚の赤外線防御方法を提供する。本発明の赤外線防御方法は、前記本発明の皮膚外用剤を皮膚に塗布する工程を有していれば特に制限されない。
本発明の赤外線防御方法においては、波長1500nmの赤外線防御率が、好ましくは10%以上であり、より好ましくは12%以上であり、更に好ましくは15%以上である。波長1500nmの赤外線防御率が10%以上であると皮膚の遮熱実感が良好である。赤外線防御率(%)は、分光光度計で測定した赤外線透過率をX(%)とした場合に100−X(%)で表される値であり、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
上述の実施形態に関し、本発明はさらに以下の実施態様を開示する。
<1>
厚さ30nm以上360nm以下、かつアスペクト比が50以上300以下である板状金属酸化物(A)、及び不揮発性油(B)を含有し、質量比[(A)/(B)]が0.05以上5以下であり、好ましくは0.1以上2以下であり、より好ましくは0.1以上0.75以下であり、更に好ましくは0.2以上0.5以下であり、より更に好ましくは0.26以上0.45以下であり、より更に好ましくは0.3以上0.45以下である皮膚外用剤。
<2>
成分(A)の厚さが、好ましくは50nm以上であり、より好ましくは60nm以上であり、更に好ましくは80nm以上であり、より更に好ましくは105nm以上であり、より更に好ましくは125nm以上であり、また、好ましくは330nm以下であり、より好ましくは310nm以下であり、更に好ましくは280nm以下であり、より更に好ましくは270nm以下である、<1>に記載の皮膚外用剤。
<3>
成分(A)のアスペクト比が、好ましくは55以上であり、また、好ましくは230以下であり、より好ましくは200以下であり、更に好ましくは140以下であり、より更に好ましくは125以下であり、より更に好ましくは120以下である、<1>又は<2>に記載の皮膚外用剤。
<4>
成分(A)を構成する金属酸化物が、好ましくは酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化アルミニウム、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは酸化チタン及び酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは酸化チタンである、<1>〜<3>のいずれか1に記載の皮膚外用剤。
<5>
成分(A)の含有量が、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、更に好ましくは6質量%以上であり、より更に好ましくは8質量%以上であり、また、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、更に好ましくは17質量%以下であり、より更に好ましくは12質量%以下である、<1>〜<4>のいずれか1に記載の皮膚外用剤。
<6>
成分(B)がエステル油、シリコーン油、炭化水素油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる1種以上であり、好ましくはエステル油、シリコーン油及び炭化水素油からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはパルミチン酸イソプロピル、安息香酸アルキル(C12〜C15)、メチルポリシロキサン、及び軽質流動イソパラフィンからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはメチルポリシロキサンを含む、<1>〜<5>のいずれか1に記載の皮膚外用剤。
<7>
成分(B)の含有量が好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、更に好ましくは15質量%以上であり、より更に好ましくは20質量%以上であり、より更に好ましくは25質量%以上であり、また、好ましくは45質量%以下であり、より好ましくは38質量%以下であり、更に好ましくは35質量%以下であり、より更に好ましくは32質量%以下である、<1>〜<6>のいずれか1に記載の皮膚外用剤。
<8>
油中水型乳化組成物であり、成分(B)の含有量が好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、更に好ましくは18質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。<1>〜<6>のいずれか1に記載の皮膚外用剤。
<9>
水中油型乳化組成物であり、成分(B)の含有量が好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、更に好ましくは10質量%以下であり、また、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上である、<1>〜<6>のいずれか1に記載の皮膚外用剤。
<10>
成分(A)、(B)の合計含有量が、好ましくは2質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは35質量%以上であり、100質量%以下である、<1>〜<9>のいずれか1に記載の皮膚外用剤。
<11>
さらに揮発性油(B)’を含有し、その含有量が好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上であり、また、好ましくは75質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下であり、更に好ましくは40質量%以下である、<1>〜<10>のいずれか1に記載の皮膚外用剤。
<12>
成分(B)’が揮発性シリコーン油、好ましくは直鎖状オルガノポリシロキサン及び環状オルガノポリシロキサンからなる群から選ばれる1種以上、より好ましくは環状オルガノポリシロキサン、更に好ましくはデカメチルシクロペンタシロキサンである、<11>に記載の皮膚外用剤。
<13>
さらに界面活性剤(C)を含有し、その含有量が、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下であり、より更に好ましくは1.5質量%以下である、<1>〜<12>のいずれか1に記載の皮膚外用剤。
<14>
成分(C)が少なくともシリコーン系界面活性剤を含み、好ましくはノニオン性のシリコーン系界面活性剤を含む、<13>に記載の皮膚外用剤。
<15>
厚さ80nm以上280nm以下の、板状酸化チタン及び板状酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上の板状金属酸化物(A)、及び不揮発性油(B)を含有し、質量比[(A)/(B)]が0.2以上5以下である、皮膚外用剤。
<16>
厚さ80nm以上280nm以下の、板状酸化チタン及び板状酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上の板状金属酸化物(A)、及び不揮発性油(B)を含有し、成分(B)の含有量が15質量%以上38質量%以下であり、質量比[(A)/(B)]が0.2以上0.5以下である、皮膚外用剤。
<17>
皮膚化粧料である<1>〜<16>のいずれか1に記載の皮膚外用剤。
<18>
<1>〜<17>のいずれか1に記載の皮膚外用剤を皮膚に塗布する皮膚の赤外線防御方法。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。なお本実施例において、各種測定及び評価は以下の方法により行った。
(厚さ、長径、アスペクト比の測定)
成分(A)、及び、成分(A)以外の無機粒子(表中において「成分(A)’」と表記する)の厚さ、長径、及びアスペクト比は、走査型電子顕微鏡((株)キーエンス製「VE−9800」)を用いて、加速電圧:10keV、観察倍率:10,000倍の条件で観察することにより求めた。
成分(A)及び板状の成分(A)’の厚さは、観察画像中の50個の粒子の厚さを測定し、個数あたりの平均値を算出することにより求めた。アスペクト比は50個の粒子の厚さ及び長径を測定して各々の粒子のアスペクト比(長径/厚さ)を算出し、その平均値から求めた。
(赤外線防御率)
各例の皮膚外用剤28.5mgを5cm×5cmのポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)基板(HelioScreen社製「HD6」)に塗布し、15分間乾燥させて測定用の試料とした。また、同様にグリセリンをPMMA基板に塗布し、15分乾燥させたものを対照用の試料とした。測定用試料、対照用試料それぞれについて、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3600」)にて、積分球モードで、波長1500nmの透過率を測定した。測定用試料の透過率を対照用試料の透過率で除した値を透過率X(%)とし、100−X(%)を赤外線防御率とした。この値が大きいほど、赤外線防御効果が高いことを意味する。
(皮膚に塗布した際の見た目の自然さ)
各例の皮膚外用剤約0.1gを、前腕内側の約2cm×5cmの面積に塗布した直後の白さについて、とても白く、非常に不自然さを感じる場合を1点、自然な白さで違和感がない場合を5点として5段階で評価した。専門パネラー5名で評価を行い、その平均点を評価結果とした。
<評価基準>
1:とても白く、非常に不自然さを感じる
2:やや白く、不自然さを感じる
3:どちらでもない
4:自然な白さだが、やや違和感がある
5:自然な白さで違和感がない
(塗布後の化粧のり)
各例の皮膚外用剤約0.1gを、前腕内側の約2cm×5cmの面積に塗布し、その上にパウダーファンデーションを塗布した際のファンデーションの「のりの良さ」を、ファンデーションが不均一で非常にのりが悪い場合を1点、ファンデーションが均一で非常にのりが良い場合を5点として5段階で評価した。専門パネラー5名で評価を行い、その平均点を評価結果とした。
<評価基準>
1:ファンデーションが不均一で非常にのりが悪い
2:ファンデーションがやや不均一でややのりが悪い
3:どちらでもない
4:ファンデーションがやや均一でややのりが良い
5:ファンデーションが均一で非常にのりが良い
(総合評価)
表1に示す評価結果において、赤外線防御率が10%以上、皮膚に塗布した際の見た目の自然さが3.5以上、かつ、塗布後の化粧のりが3.5以上である場合を合格(A評価)とし、上記基準を満たさない評価項目が一つでもある場合を不合格(C評価)として表1に示した。
製造例1(板状酸化チタン2の製造)
2重管型反応器(内側配管開口径170μm、外側配管開口径400μm)の内側開口部よりオルトチタン酸テトラ−n−ブチルを30質量%溶解させたトルエン溶液(以下第1液とする。)を流量0.29ml/minで送液し、外側開口部より水を1質量%溶解させた1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)アミド溶液(以下第2液とする。)を流量20.8ml/minで送液し、2液を接触させゾル−ゲル反応させることによって板状酸化チタンのゲルを得た。なお、第1及び第2液の温度(反応温度)は25℃、第1及び第2液の液接触部での接触時間(反応時間)は3秒とした。得られたスラリーを金属メッシュで濾過し、金属メッシュ上に残った板状酸化チタンのゲルをエタノールで洗浄した後に乾燥及び焼成し、固体の板状酸化チタン2を得た。前記方法で測定した板状酸化チタン2の厚さは264nm、アスペクト比は57であった。
製造例2(比較用板状酸化チタン1の製造)
製造例1において、第1液の流量を0.14ml/min、第2液の流量を10.4ml/minとしたことを除いて製造例1と同様にして比較用板状酸化チタン1を得た。前記方法で測定した比較用板状酸化チタン1の厚さは388nm、アスペクト比は39であった。
実施例1〜11、比較例1〜5(皮膚外用剤の製造及び評価)
表1に示す成分のうち、水、エタノールを除く全成分を配合してディスパーで均一に混合した。次いで得られた混合液に水及びエタノールを添加し、ホモジナイザーを用いて均一に混合し、表1に示す組成の、油中水型の皮膚外用剤を製造した。得られた皮膚外用剤について、前記方法で評価を実施した。結果を表1に示す。なお、表1に記載した配合量は各成分の有効成分量(質量%)である。
表1の配合成分は下記のとおりである。
*1:CQV社製「Featheleve PT-7801K」の(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー7.5質量%被覆処理品
*2:製造例1で得られた板状酸化チタン2の(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー7.5質量%被覆処理品
*3:CQV社製「Featheleve PT-9001K」の(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー7.5質量%被覆処理品
*4:製造例2で得られた比較用板状酸化チタン1の(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー7.5質量%被覆処理品
*5:BASF社製「Flamenco Satin Blue」(酸化チタン被覆層の厚さ:10nm)の(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー7.5質量%被覆処理品
*6:信越化学工業(株)製「シリコーン KF−96A−10cs」
*7:Innospec Active Chemicals社製「フィンソルブTN」
*8:花王(株)製「エキセパール IPP」
*9:日油(株)製「パールリーム 4」、軽質流動イソパラフィン(水添ポリイソブテン)
*10:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF405」
*11:東レ・ダウコーニング(株)製「SH3775M」、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(PEG−12ジメチコン)
表1より、実施例1〜11の皮膚外用剤は赤外線防御効果、皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、及び塗布後の化粧のりが良好である。例えば実施例1〜3と比較例1との対比から、板状酸化チタンとして本発明で規定する所定の厚さ範囲のものを用いると赤外線防御効果が良好になるとともに、皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、塗布後の化粧のりが良好になることがわかる。特に厚さが80nm以上280nm以下の範囲である成分(A)を用いると赤外線防御効果がより向上する。
これに対し、成分(A)に代えて厚さが360nmを超える板状酸化チタンを用いた比較例1の皮膚外用剤は赤外線防御効果が低く、皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、塗布後の化粧のりも悪化した。成分(A)に代えて金属酸化物以外の板状無機粒子を用いた比較例2でも優れた赤外線防御効果が得られなかった。
成分(B)を含有しない比較例3では皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、塗布後の化粧のりが悪化した。
また、皮膚外用剤中の成分(A)と成分(B)の質量比[(A)/(B)]が0.05未満である比較例4、質量比[(A)/(B)]が5を超える比較例5では皮膚に塗布した際の見た目の自然さ、塗布後の化粧のりを良好にすることができず、比較例4では赤外線防御効果も低いものであった。
処方例1(皮膚外用剤の製造)
下記に示す成分のうち、水及びエタノールを除く全成分を配合してディスパーで均一に混合した。次いで得られた混合液に水及びエタノールを添加し、ホモジナイザーを用いて均一に混合し、下記組成の油中水型乳化組成物(皮膚外用剤)を製造した。
(質量%)
(A)板状酸化チタン1
(CQV社製「Featheleve PT-7801K」のオクチルトリエトキシシラン2質量%被覆処理品、厚さ134nm/アスペクト比112) 15.0
(B)メチルポリシロキサン
(信越化学工業(株)製「シリコーン KF−96A−10cs) 6.0
(B)流動イソパラフィン
(日油(株)製「パールリームEx」) 15.0
(B)’デカメチルシクロペンタシロキサン
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF405」)
10.0
(C)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体
(東レ・ダウコーニング(株)製「シリコーン SH3775M」) 1.0
N−プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体
(花王(株)製「ポリシリコーン−9」) 0.2
紫外線吸収剤
(パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、BASF社製「ユビナールMC80」)
10.0
(ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、BASF社製「チノソーブS」) 2.0
酸化チタン(テイカ(株)製「JR−1000」) 5.0
エタノール 10.0
グリセリン 1.0
水 バランス
合計 100.0
(質量比(A)/(B)=0.71)
処方例2(皮膚外用剤の製造)
配合槽に、下記に示す成分のうち水、1,3−ブチレングリコール、及びエタノールを入れて撹拌して水相を調製した。一方、80℃程度の温度において、残りの成分を添加し、混合して油相を調製した。得られた水相に、油相を添加し、ホモジナイザーを用いて均一に混合し、冷却して、下記組成の水中油型乳化組成物(皮膚外用剤)を製造した。
(質量%)
(A)板状酸化チタン1
(CQV社製「Featheleve PT-7801K」のオクチルトリエトキシシラン2質量%被覆処理品、厚さ134nm/アスペクト比112) 8.0
(B)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール
(日清オイリオ(株)製「エステモールN−01」) 5.0
(B)’ デカメチルシクロペンタシロキサン
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF405」) 3.0
(C)モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン
(花王(株)製「レオドール TW−S120V」) 0.6
(C)ステアリン酸ソルビタン
(花王(株)製「レオドール SP−S10V」) 0.6
乳化剤
((アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー分散液、セピック社製「SIMULGEL EG」) 1.5
紫外線吸収剤
(パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、BASF社製「ユビナールMC80」)
10.0
(ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、BASF社製
「チノソーブS」) 1.0
紫外線散乱剤
(水酸化アルミニウム・ステアリン酸被覆微粒子酸化チタン、テイカ(株)製「MT−100TV」) 3.0
エタノール 10.0
1,3−ブチレングリコール 1.0
水 バランス
合計 100.0
(質量比(A)/(B)=1.6)
処方例3(皮膚外用剤の製造)
配合槽に、下記に示す成分のうち水、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー、1,3−ブチレングリコール、及びエタノールを入れて撹拌して水相を調製した。一方、80℃程度の温度において、下記に示す成分のうち水酸化カリウム以外の残りの成分を添加し、混合して油相を調製した。得られた水相に油相を添加して撹拌した後、水酸化カリウムを添加して、ホモジナイザーを用いて均一に混合し、冷却して、下記組成の水中油型乳化組成物(皮膚外用剤)を製造した。
(質量%)
(A)板状酸化チタン1
(CQV社製「Featheleve PT-7801K」のオクチルトリエトキシシラン2質量%被覆処理品、厚さ134nm/アスペクト比112) 10.0
(B)パルミチン酸イソプロピル(花王(株)製「エキセパールIPP」) 3.0
(B)メチルポリシロキサン
(信越化学工業(株)製「シリコーン KF−96A−10cs」) 1.0
(C)モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン
(花王(株)製「レオドール TW−S120V」) 0.1
増粘剤
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー、ルーブリゾール社製「PEMULEN TR−1」) 0.4
油ゲル化剤
(パルミチン酸デキストリン、千葉製粉(株)製「レオパールKL2」) 1.0
紫外線吸収剤
(パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、BASF社製「ユビナールMC80」)
8.0
(ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、BASF社製「チノソーブS」) 2.0
紫外線散乱剤
(水酸化アルミニウム・ステアリン酸被覆微粒子酸化チタン、テイカ(株)製「MT−100TV」) 5.0
エタノール 5.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
水酸化カリウム 0.25
水 バランス
合計 100.0
(質量比(A)/(B)=2.5)
本発明の皮膚外用剤は、赤外線の防御効果に優れるとともに、皮膚に塗布した際に白くなりにくく見た目が自然で塗布後の化粧のりも良好であり、使用感も優れるため、例えば皮膚化粧料として有用である。

Claims (8)

  1. 厚さ30nm以上360nm以下、かつアスペクト比が50以上300以下である板状金属酸化物(A)、及び不揮発性油(B)を含有し、質量比[(A)/(B)]が0.05以上5以下である皮膚外用剤。
  2. 前記板状金属酸化物(A)の含有量が1質量%以上35質量%以下である請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 前記板状金属酸化物(A)が板状酸化チタン及び板状酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. 前記不揮発性油(B)がエステル油、シリコーン油、炭化水素油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  5. 油中水型乳化組成物であり、前記不揮発性油(B)の含有量が10質量%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  6. 水中油型乳化組成物であり、前記不揮発性油(B)の含有量が30質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  7. 皮膚化粧料である請求項1〜6のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の皮膚外用剤を皮膚に塗布する皮膚の赤外線防御方法。
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