以下、本発明に係る好ましい加熱調理器の実施形態について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は、加熱調理器となるオーブンレンジの本体外観を示したものである。同図において、1は加熱動作を行なう調理器本体であり、調理器本体1の外郭をなすキャビネット2の内部には、前面を開口した調理室3が配設されている。また、調理器本体2のほぼ前面を覆うように、調理室3の前面開口部を開閉する扉4が回動可能に取り付けられ、調理室3内に被調理物を出し入れできる構成となっている。
扉4の上部には、縦開きの扉4を開閉するときに手をかける開閉操作用のハンドル5を備えており、扉4の下部には、表示や報知や操作のための操作パネル部6を備えている。操作パネル部6は、調理の設定内容や進行状況などを表示する表示手段7の他に、表示手段7の画面上をタッチ操作することで、調理メニューや調理条件などを選択するための項目選択手段8と、被調理物に対する調理の開始を指示する調理開始指示手段9と、設定を取り消したり調理を中止したりする取消し指示手段10が、ユーザーの手動操作が可能な操作手段としてそれぞれ配設される。ここでの表示手段7は、図示しないバックライト付きのドットマトリックス液晶ディスプレイを使用しており、液晶ディスプレイ背面をバックライトで照射しながら、文字やイラストなどをドットで表示できる。また、選択項目手段8は、表示手段7の手前(表面)側に配置され、複数の透明電極スイッチを有してなるタッチパネルであり、タッチされた位置が検出されるようになっている。
図2は、上記調理器本体1の主要な電気的構成を示すブロック図である。同図において、11は調理器制御手段となるマイクロコンピュータで、このマイクロコンピュータ11は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、計時手段としてのタイマーや、記憶手段としてのメモリや、入出力デバイスなどを備えている。本実施形態では計時手段として、加熱調理を開始した後の経過時間を計測する時間計測部13を備え、記憶手段として、表示手段7に組み込まれたバックライトの明るさ設定を記憶する明るさ設定記憶部14や、調理器本体1で加熱調理が可能な個々の調理メニューに関する全ての情報を記憶する調理メニュー全情報記憶部15などを備えている。ここでいう個々の調理メニューに関する全ての情報とは、その調理メニューに対応する加熱の進行手順や、お気に入りメニューとしての登録の有無や、材料や作りかたなどのレシピ情報や、調理条件として設定された仕上がり度や、調理メニューの名前などを含む。但し、少ない材料で簡単に作れる単純な調理メニューでは、その調理メニューに対応したレシピ情報が含まれていない場合もある。
マイクロコンピュータ11の入力ポートには、前述した項目選択手段8や、調理開始指示手段9や、取消し指示手段10の他に、調理室3内の温度を検出する温度検出手段18と、扉4の開閉状態を検出する扉開閉検出手段19が、それぞれ電気的に接続され、マイクロコンピュータ11の出力ポートには、前述した表示手段7の他に、加熱室2内の被調理物をレンジ加熱するためのマイクロ波加熱手段21と、加熱室2内の被調理物をヒータ加熱するためのヒータ加熱手段22と、調理の終了などをユーザーにブザー音で知らせるブザー報知手段23が、それぞれ電気的に接続される。この中で、マグネトロンやその駆動手段を含むマイクロ波加熱手段21と、ヒータやその駆動手段を含むヒータ加熱手段22は、調理器本体1の内部に加熱手段として配設される。
また本実施形態では、調理器本体1と外部の情報通信端末24(図6を参照)との間の通信を可能とするために、例えば無線や有線の送受信部からなる通信インターフェース25が、マイクロコンピュータ11と電気的に接続される。
マイクロコンピュータ11は、項目選択手段8や、調理開始指示手段9や、取消し指示手段10からの各操作信号と、温度検出手段18や、扉開閉検出手段19からの各検出信号を受けて、時間計測部13からの計時に基づく所定のタイミングで、マイクロ波加熱手段21と、ヒータ加熱手段22に駆動用の制御信号を出力し、また表示手段7に表示用の制御信号を出力する機能を有する。こうした機能は、記憶媒体としての前記メモリに記録したプログラムを、マイクロコンピュータ11が読み取ることで実現するが、特に本実施形態では、マイクロコンピュータ11を加熱制御部27と、表示制御部28と、音声報知設定部29として機能させるプログラムを備えている。
加熱制御部27は、主に被調理物の加熱調理に係る各部の動作を制御するもので、調理開始指示手段9の操作に伴う操作信号を受け取ると、扉開閉検出手段19からの検出信号により、扉4が閉じていると判断した場合に、マイクロ波加熱手段21やヒータ加熱手段22に制御信号を送出して、被調理物に対する種々の加熱調理を制御する。本実施形態では、調理開始指示手段9を操作する前に、調理器本体1側の項目選択手段8からの操作や、通信インターフェース25を介して接続された情報通信端末24からの操作により、加熱の種類(レンジ加熱またはヒータ加熱の選択)や、加熱の時間や、加熱の出力または温度をそれぞれ設定するための情報が、マイクロコンピュータ11に取り込まれると、加熱制御部27がその設定した内容に基づきマイクロ波加熱手段21やヒータ加熱手段22を制御して、被調理物を加熱する手動調理機能と、こうした設定を行なうことなく、調理開始指示手段9を操作する前に、調理器本体1側の項目選択手段8からの操作や、通信インターフェース25を介して接続された情報通信端末24からの操作により、ユーザーが意図して選択した特定の調理メニューの情報がマイクロコンピュータ11に取り込まれると、加熱制御部27がその特定の調理メニューに対応する全ての情報を調理メニュー全情報記憶部15から読み出し、必要に応じてお気に入りメニューとしての登録の有無や、仕上がり度を書き換えた後に、当該特定の調理メニューに従う加熱手順でマイクロ波加熱手段21やヒータ加熱手段22を制御して、被調理物を自動的に加熱する自動調理機能と、をそれぞれ備えている。
表示制御部28は、加熱制御部27と連携して、表示手段7の表示に係る動作を制御するものである。なお、表示制御部28による表示手段7の具体的な画面表示構成については、後程詳しく説明する。
音声報知設定部29は、表示制御部28と連携して、項目選択手段8からの操作信号に基づき、情報通信端末24による音声報知の様々な設定を行なうものである。
図3および図4は、ドッ卜マ卜リクス液晶を含む表示手段7の構造を示したものである。これらの各図において、表示手段7は、調理の設定内容や進行状況などを映像や文字で表示するドットマトリクス液晶ディスプレイを用いた表示部31と、表示部31の外郭部を構成する枠状の保護部材としてのべゼル32と、表示部31へ電源を供給して、映像や文字を表示させるための表示制御用マイコンを実装した表示制御基板33と、表示制御基板33と表示部31とを電気的に接続するフレキシブルプリント回路基板(FPC)34と、により主に構成される。
ベゼル32は、接地のために金属などの導体で形成され、その一部に薄く細長いテープ(帯)状の導電布による導電性部材35が貼り付けられている。なお、ベゼル32の一部に導電性部材35を設ける代わりに、ベゼル32全体を導電性部材で一体に構成して、ベゼル32を接地させてもよい。
表示制御基板33は、図示しないが硬質の絶縁性基材に、電気回路を形成する銅箔などの導電性パターンを形成して構成される。またFPC34は、表示制御基板33よりも薄く柔軟な絶縁性フィルム36に、電気回路を形成する銅箔などの導電性パターン37を貼り合せてなり、導電性パターン37は、表示部31に電源を供給するための信号線となる複数の主パターン37Aの他に、主パターン37Aよりも太く幅広な1つの接地パターン37Bを備えて構成される。
FPC34の一側には、表示制御基板33との接続を図るためのコネクタ38が配設される。コネクタ38は、表示制御基板33の導電性パターンに導通する複数の導電性ピン39を備えており、その中で複数の連続した導電性ピン39Bが、1つの接地パターン37Bの一端に共通して接続され、残りの導電性ピン39Aが、個々の主パターン37Aの一端にそれぞれ接続される。導電性ピン39Bと導通する表示制御基板33の導電性パターンは、最終的にオーブンレンジとして接地される金属製のキャビネット2と電気的に接続される。
表示部31の一側には、主パターン37Aの他端に対向して接続端子40が設けられ、接地パターン37Bの他端には、前述の導電性部材35と同じく、テープ状の導電布による導電性部材41が接続されており、表示部31と主パターン37Aとの導通を図るために、主パターン37Aの他端を接続端子40に差し込んで装着すると、導電性部材35,41どうしが接触して、表示部31を囲むベゼル32がFPC34により表示制御基板33の導電性ピン39Bに接続され、キャビネット2を通して接地される構成となっている。
図5は、前記表示部31と、操作部となる項目選択手段8との位置関係を示したものである。同図において、透明なタッチパネルによる項目選択手段8は、表示部31の画面が表示される表面に臨んで、操作パネル部6の前側に露出するパネル部材43の後(裏)面に配置される。そして本実施形態では、表示部31の外郭部材となるベゼル32を接地することで、表示部31から項目選択手段8に放射されるノイズが低減した関係で、表示部31と項目選択手段8との間隔T1が、表示部の厚みT2と同じか、或いは小さい寸法(T1≦T2)となるような構造を採用しており、これにより表示部31と項目選択手段8とを従来よりも近接させて、双方のずれを小さくすることが可能になる。
ところで従来の加熱調理器では、操作性向上のための手段として、ドットマトリクス液晶ディスプレイの前面側に複数の透明電極スイッチを有するタッチパネルを配置し、そのタッチパネルへの操作により、ドットマトリクス液晶ディスプレイに表示される映像や文字を切り替える構成としている。しかし、ドットマトリクス液晶ディスプレイから放射されるノイズにより、その前面側に配置する透明電極スイッチが誤動作することが有り、透明電極スイッチの感度を最適化しても応答性が悪くなってしまい、ドットマトリクス液晶ディスプレイの制御方法や、表示制御基板のパターン引き回しを変えるなどの大掛かりな改善を強いられていた。
これに対して本実施形態では、調理条件の選択を行なう操作部としての項目選択手段8と、調理の設定内容や進行状況を表示するドットマトリクス液晶ディスプレイを用いた表示部31と、表示部31を照らすためバックライトとを有し、項目選択手段8は表示部31の前面に配置されている加熱調理器としてのオーブンレンジにおいて、表示部31の外郭部材となるべセル32の全休または一部が導電性を有する部材(導電性部材35)で構成され、ベゼル32がFPC34により制御基板となる表示制御基板33に接続され、キャビネット2を通して接地される構造を採用している。
このように、表示制御基板33やFPC34の配線を利用して、表示部31の外郭部材となるベゼル32を、オーブンレンジの筐体となるキャビネット2と電気的に接続して接地させることで、容易に表示部31から放射されるノイズを低減することが可能になる。
また本実施形態では、FPC34に導電性部材35を接続するための接地パターン37Bが形成されているため、その接地パターン37Bを有効に利用して、表示部31のベゼル32とFPC34を容易に接地することが可能になる。
また本実施形態では、FPC34に配設される接地パターン37Bが、他の表示部31への電源供給のための信号線に相当する主パターン37Aよりも太く幅広に形成されるため、接地された部分を大きく確保して、表示部31から放射されるノイズを効果的に低減することが可能になる。
また、本実施形態の接地パターン37Bは、コネクタ38の連続した複数のピンとなる導電性ピン39Bに接続されているので、連続した複数の導電性ピン39Bを使って、コネクタ38の接地部を大きく確保することで、表示部31から放射されるノイズを効果的に低減することが可能になる。
また、本実施形態の導電性部材35は、テープ状の導電布を用いて構成される。この場合、特別な設備を用意することなく導電性部材35を簡単に製造できる。
さらに本実施形態では、表示部31と操作部となる項目選択手段8との間隔T1が、表示部31の厚みT2よりも小さい構造を採用している。この場合、ベゼル32を接地することで、表示部31からの放射ノイズが少ないため、項目選択手段8がノイズの影響を受けない。また、表示部31と項目選択手段8とのずれを小さくすることが可能になる。
次に、調理器本体1と遠隔通信を行なう情報通信端末24の構成について、図6を参照して説明する。同図において、情報通信端末24は、ユーザーが携帯保持できる箱型の形状を有し、調理設定を行なうための操作部43と、ユーザーの音声を入力するマイク44と、ユーザーに音声で情報を報知するスピー力ー45と、操作画面を表示する表示部46と、を設けてある。なお、ここで使用する情報通信端末24は、オーブンレンジの一部として調理器本体1に付属する専用の端末機器、若しくはオーブンレンジとは別な撮影機能や電話機能を付加した汎用の端末機器(スマートフォン、タブレット端末など)により構成される。
図7は、情報通信端末24の主たる電気的構成を示している。同図において、51は端末制御手段となるマイクロコンピュータで、このマイクロコンピュータ51は、調理器本体1に装備されたマイクロコンピュータ11と同様に、演算処理手段としてのCPUや、計時手段としてのタイマーや、記憶手段としてのメモリや、入出力デバイスなどを備えている。特にここでの情報通信端末24は、記憶手段として、情報通信端末24の音声報知に関する様々な設定を記憶する音声報知設定記憶部52と、スピーカー45から特定の説明文を音声で報知させるために、複数の説明文データをワード単位で記憶する説明文データ記憶部53と、を備えている。ここでいう様々な設定とは、スピーカー45からユーザーに問合せの報知を行なった後、タイマーでカウントされる一定時間以内にマイク44への音声入力が無く、そのまま放置された場合の対応(一定時間放置時対応)についての設定や、スピーカー45からユーザーに報知する様々な問合せを、個別に行なうか否かについての報知内容設定や、スピーカー45からユーザーに報知する音声の大きさの設定などを含み、何れも音声報知設定部29からの音声報知に関する情報を受けて、書換え更新が可能である。
マイクロコンピュータ51の入力ポートには、操作部43と音声認識部54がそれぞれ電気的に接続され、マイクロコンピュータ11の出力ポートには、音声合成部55と表示部46がそれぞれ接続される。音声認識部54は、マイク44に入力された音声信号からワードを特定した信号を生成して、これをマイクロコンピュータ51に送出するもので、例えばマイク44からの音声信号の波形の特徴抽出、特徴の時系列の作成、時系列単語辞書との比較、類似した単語の抽出などのステップを経て、ワードを特定するように構成される。また音声合成部55は、マイクロコンピュータ51からの信号を受けて、スピーカー45に合成音声を出力するもので、ここでは説明文データ記憶部53から選択的に抽出された説明文データを音声合成部55に出力すると、その説明文データに対応する説明文の音声信号がスピーカー45に送出され、スピーカー45から音声で説明文を報知する構成となっている。
そして、情報通信端末24と調理器本体1との間の通信を可能とするために、例えば無線や有線の送受信部からなる通信インターフェース56が、マイクロコンピュータ51と電気的に接続される。
マイクロコンピュータ51は、操作部43からの操作信号と、マイク44からの音声信号と、通信インターフェース56を介して送られてくる調理器本体1からの調理メニューに関する情報を受けて、タイマーの計時に基づく所定のタイミングで、スピーカー45に音声信号を出力し、また表示部46に表示用の制御信号を出力する機能を有する。こうした機能は、記憶媒体としての前記メモリに記録したプログラムを、マイクロコンピュータ51が読み取ることで実現するが、特に本実施形態では、マイクロコンピュータ51をスピーカー制御部57と、通信制御部58と、表示制御部59として機能させるプログラムを備えている。
報知制御部に相当するスピーカー制御部57は、音声合成部55と連携して、主に報知部となるスピーカー45の動作を制御するものである。ここでのスピーカー制御部57は、ユーザーが話したマイク44からの音声入力に基づき、音声認識部54から何らかのワードを特定した信号を受け取ると、通信インターフェース56を利用して調理器本体1側のマイクロコンピュータ11に問合せて、そのワードからユーザーが選択したい調理メニューの候補を、調理メニュー全情報記憶部15に記憶される全ての調理メニューの中から幾つか特定し、その候補の中から選択した一つの調理メニューの全情報を、調理メニュー全情報記憶部15から取り込んで、説明文データ記憶部53から読み出した説明文データに基づき、音声合成部55を通してスピーカー45に報知させる構成を有する。
通信制御部58は、スピーカー45に報知された一つの調理メニューの加熱動作が、次に調理器本体1の調理開始指示手段9を操作するだけで可能となるように、通信インターフェース56を利用して、その一つの調理メニューの情報を調理器本体1に送信するものである。さらに表示制御部59は、スピーカー制御部57や通信制御部58と連携して、表示手段7の表示に係る動作を制御するものである。
なお、端末制御手段として機能するスピーカー制御部57や、表示制御部58や、通信制御部59は、情報通信端末24のマイクロコンピュータ51にではなく、調理器本体1のマイクロコンピュータ11に組み込んでもよい。同様に、音声報知設定記憶部52や説明文データ記憶部53を、調理器本体1のマイクロコンピュータ11に組み込むことも可能である。調理器本体1と情報通信端末24との間で通信が可能であれば、こうした構成がどこに設けられるのかは特に限定されない。
次に、上記構成の調理器本体1と情報通信端末24について、その動作を図8〜図16の各図面を参照して詳しく説明する。なお、以下の説明は、調理器本体1と情報通信端末24が、通信インターフェース25,58を通して互いに通信可能な状態にあることを前提とする。
図8は、ユーザーUが選択したい調理メニューを情報通信端末24に向けて話した際の反応についての例を示している。ユーザーUが選択したい調理メニューとして、その調理メニューに関連した例えば「ケーキを食べたい」というメッセージ情報M1を、情報通信端末24のマイク44に向けて発声すると、音声認識部54で特定されたワードがマイクロコンピュータ51に入力される。
これを受けてスピーカー制御部57は、調理メニュー全情報記憶部15に記憶される全ての調理メニューの中から、メッセージ情報M1に対応する調理メニューの候補を幾つか挙げ、その中の一つとして「スポンジケーキ」の調理メニューに関する全ての情報を調理メニュー全情報記憶部15から取り込んで、当該調理メニューの名前を含む「スポンジケーキはどうでしょう?」というアナウンスA1を、音声合成部55よりスピーカー45に報知させる。したがって、ユーザーUは調理器本体1の近辺にいなくても、情報通信端末24のスピーカー45から報知されるアナウンスA1によって、自身の選択したい調理メニューの情報を得ることができる。
また通信制御部58は、アナウンスA1に含まれる「スポンジケーキ」の調理メニューが、ユーザーUの選択したい調理メニューであるとの情報を、通信インターフェース56を介して調理器本体1に送信する。調理器本体1のマイクロコンピュータ11は、情報通信端末24から当該「スポンジケーキ」の調理メニューに関する情報を取得すると、電源投入直後の切状態から「スポンジケーキ」の調理メニューを選択した状態に遷移し、次に調理開始指示手段9を操作すると、加熱制御部27に備えた自動調理機能で、「スポンジケーキ」の調理メニューによる加熱動作が自動的に開始する。こうして、ユーザーUは音声入力だけで、一つの調理メニューによる加熱動作を調理器本体1側で行なえる状態となり、調理メニューの選択を直感的に行なうことができる。
以上のように本実施形態の加熱調理器としてのオーブンレンジは、加熱動作を行なう調理器本体1と、その調理器本体1と通信が可能な情報通信端末24を制御する端末制御手段となるマイクロコンピュータ51と、を備え、情報通信端末24には、調理設定を行なうための操作部43と、ユーザーの音声を入力する入力部してのマイク44と、ユーザーに情報を報知する報知部としてのスピーカー45と、操作画面を表示する表示部46が設けられており、マイク44からの音声入力に基づき、ユーザーが選択したい調理メニューの候補を特定し、その中から一つの調理メニューの情報となる名前を、スピーカー45に報知させる報知制御部としてのスピーカー制御部57と、スピーカー45で報知した一つの調理メニューの加熱動作が調理器本体1で可能となるように、当該一つの調理メニューの情報を調理器本体1に送信する通信制御部58と、をマイクロコンピュータ51に備えている。
この場合、情報通信端末24のマイク44を通して音声が入力されると、スピーカー制御部57はその音声を認識して、ユーザーが選択したい調理メニューの候補を特定し、その中から一つの調理メニューを、情報通信端末24のスピーカー45から報知させる。それと共に、報知された一つの調理メニューの情報を調理器本体1に送信して、当該一つの調理メニューによる加熱動作を調理器本体1側で可能にする。したがって、ユーザーは調理器本体1の近辺にいなくても、情報通信端末24を通して音声による調理メニューの情報を得ることができる。また、ユーザーはキー操作を行なうことなく、音声入力だけで一つの調理メニューによる加熱動作が行なえるようになり、調理メニューの選択を直感的に行なうことが可能になる。
図9は、ユーザーUが選択したい調理メニューを、情報通信端末24に向けて話した際の反応についての例である。ユーザーUが選択したい調理メニューとして何らかのメッセージ情報M2を、情報通信端末24のマイク44に向けて発したものの、マイク44から入力されたメッセージ情報M2が情報通信端末24側で認識できず、スピーカー制御部57がメッセージ情報M2に対応する調理メニューの候補を抽出できなかった場合に、再度の音声入力をユーザーUに促すために、「もう一度音声入力をお願いします」というアナウンスA2を、音声合成部55よりスピーカー45に報知させる。
こうしたアナウンスA2は、マイク44から入力されたメッセージ情報M2を音声認識部54が特定のワードに認識できなかった場合は勿論、音声識別部54で特定のワードに認識できたものの、そのメッセージ情報M2に対応する調理メニューの候補が存在しない場合にも、スピーカー45から音声で報知される。これによりユーザーUは、選択したい調理メニューの候補が選び出せず、再度音声入力が必要なことを理解できる。
以上のように、本実施形態のスピーカー制御部57は、マイク44からの音声入力で、ユーザーUが選択したい調理メニューの候補を特定できなかった場合に、再度の音声入力を促すためのアナウンスA2を報知するように、スピーカー45を制御する構成を有している。
この場合、ユーザーUが話した内容から、スピーカー制御部57が調理メニューの候補を特定できなかった場合に、再度の音声入力を促すアナウンスA2をスピーカー45からユーザーに報知するので、選択したい調理メニューの候補が選び出せずに、再度音声入力が必要なことをユーザーUが直ちに理解でき、音声認識に関するユーザーUの利便性を高めることが可能になる。
図10は、ユーザーUが選択したい調理メニューを、情報通信端末24に向けて話した際の反応についての例である。前述のアナウンスA1は、調理メニューの名前である「スポンジケーキ」というワードに、その調理メニューがユーザーの意図した調理メニューかどうかの確認を促す「はどうでしょう?」というワードを続けている。この「スポンジケーキはどうでしょう?」というアナウンスA1をスピーカー45から報知した後、「はい」や「OK」のような肯定のメッセージ情報M3がマイク44から音声入力されると、スピーカー制御部57は、アナウンスA1で提示した調理メニューがユーザーUの意図した調理メニューであることを確認して、その調理メニューの名前を含む「スポンジケーキを設定しました」というアナウンスA3を、音声合成部55よりスピーカー45に報知させる。
一方、前述のメッセージ情報M3に代わり、「いいえ」や「NG」のような否定のメッセージ情報がマイク44から音声入力された場合、スピーカー制御部57は、アナウンスA1で提示した調理メニューがユーザーUの意図した調理メニューではないことを確認して、「スポンジケーキ」とは別な調理メニューの候補の名前と、再度その調理メニューでの確認を促すアナウンスをスピーカー45に報知させる(例えば、「シフォンケーキはどうでしょう」)。
また、本例の通信制御部58は、スピーカー45から報知された一つの調理メニューが、ユーザーUの意図した調理メニューであることを確認するまでは、その調理メニューに関する情報を調理器本体1側へ直ちに送出せず、スピーカー45から報知された一つの調理メニューが、ユーザーUの意図した調理メニューであるとの確認が取れたら、そこでその調理メニューに関する情報を調理器本体1と通信して送出する。ここで調理器本体1に送出する情報は、図8の例と同様に、スピーカー45から報知された一つの調理メニューが、ユーザーUの選択したい調理メニューであるとの情報を含む。
こうすれば、ユーザーUはスピーカー45から一つの調理メニューが報知される毎に、その調理メニューがユーザーUの意図した調理メニューであるのか否かを、音声で直接指示することができる。また、ユーザーUの意図しない調理メニューが調理器本体1に送出されることはなく、ユーザーUの意図した調理メニューを選択した状態に、調理器本体1を確実に遷移させることができる。
以上のように、本実施形態のスピーカー制御部57は、ユーザーUが選択したい調理メニューの候補の中から選び出された一つの調理メニューの情報に続けて、ユーザーの意図した調理メニューであるかどうかの確認を促すアナウンスA1をスピーカー45に報知させ、その後で通信制御部58は、マイク44からのユーザーUの音声入力に基づき、アナウンスA1に含まれる一つの調理メニューが、ユーザーの意図した選択したい調理メニューであることの確認が取れたら、その一つの調理メニューの情報を調理器本体1に送信する構成としている。
この場合、スピーカー45から一つの調理メニューを報知した後に、その一つの調理メニューの情報を直ちに調理器本体1へ送信するのではなく、報知した一つの調理メニューがユーザーの意図した選択したい調理メニューであることを音声入力により確認した後、調理器本体1との間で通信を行なって、その調理メニューの情報を調理器本体1へ送信するので、音声認識に関するユーザーの利便性を高めることが可能になる。
図11は、ユーザーUが選択したい調理メニューを、情報通信端末24で確認した後の反応についての例である。ここでのスピーカー制御部57は、ユーザーUの意図した調理メニューである「スポンジケーキ」が、お気に入りメニューとして登録できると判断すると、その旨と登録するかどうかの確認を促すために、前述の「スポンジケーキを設定しました」というアナウンスA3に続いて、例えば「お気に入りに登録できるメニューです 登録しますか?」というアナウンスA4で、音声合成部55よりスピーカー45に報知させる。これをユーザーUが聞いて、例えば「登録」のような肯定のメッセージ情報M4をマイク44に向けて発すると、「スポンジケーキ」の調理メニューをお気に入りメニューとして登録することを確認して、「お気に入りに登録しました」というアナウンスA5を、音声合成部55よりスピーカー45に報知させる。これによりユーザーUは、スピーカー45からアナウンスA1で報知された調理メニューが、お気に入り登録できるかどうかを、アナウンスA4で認識することができ、その後のお気に入り登録も、音声で直接指示することができる。
なお、スピーカー制御部57で選び出した一つの調理メニューとして、例えば「スポンジケーキ」の調理メニューがお気に入りとして登録できるか否かは、前述のアナウンスA1を報知する際に、調理メニュー全情報記憶部15から取り込まれる「スポンジケーキ」の調理メニューに関する全ての情報の中で、お気に入りメニューとしての登録の有無を確認することで判断でき、お気に入りメニューとして登録されていなければ、上述のアナウンスA4がスピーカー45から報知される。
また、本例の通信制御部58は、前述のように一つの調理メニューとして例えば「スポンジケーキ」の調理メニューを、お気に入りメニューとして登録することの確認が取れたら、そこでその調理メニューに関する情報を調理器本体1と通信して送出する。ここで調理器本体1に送出する情報は、調理メニュー全情報記憶部15に記憶する「スポンジケーキ」の調理メニューに関する全ての情報の中で、お気に入りメニューとしての登録を無から有に書換え更新する情報を含む。以後、「スポンジケーキ」の調理メニューは、お気に入りメニューとして登録された状態となる。お気に入りに登録されたことは、スピーカー45から報知されるアナウンスA5により、ユーザーUが音声で確認できる。
以上のように、本実施形態のスピーカー制御部57は、ユーザーUが選択したい調理メニューの候補の中から選び出された一つの調理メニューを、お気に入りメニューとして登録できる場合に、その旨と登録するかどうかの確認を促すアナウンスA4をスピーカー45に報知させ、その後で通信制御部58は、マイク44からのユーザーUの音声入力に基づき、前記一つの調理メニューをお気に入りメニューとして登録することの確認が取れたら、その一つの調理メニューの情報を調理器本体1に送信して、調理器本体1側でお気に入りメニューとして登録させる構成としている。
この場合、スピーカー45から報知した一つの調理メニューがお気に入りメニューとして登録できる場合、登録するかどうかの確認をスピーカー45からアナウンスA4で促し、その後で音声入力によりお気に入りメニューとして登録することの確認が取れたら、一つの調理メニューの情報を調理器本体1に送信するので、報知された調理メニューがお気に入り登録できるかどうかを、ユーザーUが直感的に認識できる。
図12は図8と同様に、ユーザーUが選択したい調理メニューを情報通信端末24に向けて話した際の反応についての例である。ユーザーUがマイク44に向けて音声入力した前記メッセージ情報M1に対して、情報通信端末24側で候補として挙げた調理メニューの中から、一つの調理メニューをアナウンスに含めて報知する際、図12の(a−1)に示すように、「スポンジケーキ」の調理メニューをお気に入りメニューとして登録する前は、ケーキに関係するどの調理メニューもお気に入りに登録されておらず、スピーカー制御部57は、「ケーキを食べたい」というメッセージ情報M1を受けて、ケーキに関係する調理メニューの候補の中から、ランダムに一つの調理メニューを選び出し、その調理メニューの名前を含む例えば「シフォンケーキはどうでしょう?」というアナウンスA6を、音声合成部55よりスピーカー45に報知させる。
それに対して、図12の(a−2)に示すように、「スポンジケーキ」の調理メニューをお気に入りメニューとして登録した後は、スピーカー制御部57が、「ケーキを食べたい」というメッセージ情報M1を受けて、ケーキに関係する調理メニューの候補の中から、お気に入りメニューとして登録した「スポンジケーキ」の調理メニューを優先して選び出し、「スポンジケーキはどうでしょう?」というアナウンスA1を、音声合成部55よりスピーカー45に報知させる。こうして、ユーザーUが選択したい調理メニューの候補の中で、ユーザーUが既に登録したお気に入りメニューが含まれていれば、そのお気に入りメニューの名前を含んだアナウンスA1を、スピーカー45からユーザーUに向けて優先的に報知することが可能になる。
以上のように、本実施形態のスピーカー制御部57は、ユーザーUが選択したい調理メニューの候補の中で、お気に入りメニューとして登録された調理メニューが含まれていれば、その調理メニューの情報をスピーカー45に優先的に報知させる構成を有している。
この場合、ユーザーUが選択したい調理メニューの候補の中で、ユーザーUが既に登録したお気に入りメニューが含まれていれば、そのお気に入りメニューの情報が優先的にスピーカー45からユーザーUに報知されるので、ユーザーUの嗜好に合った調理メニューを容易に選択できる。
図13は、ユーザーUが選択したい調理メニューを、情報通信端末24で確認した後の反応についての例である。ここでのスピーカー制御部57は、ユーザーUの意図した調理メニューである「スポンジケーキ」が、仕上がり度を調節できると判断した場合には、その旨と仕上がり度を調節するかどうかの確認を促すために、前述の「スポンジケーキを設定しました」というアナウンスA3に続いて、例えば「仕上がり調節できるメニューです 調節しますか?」というアナウンスA8で、音声合成部55よりスピーカー45に報知させる。これをユーザーUが聞いて、例えば「強め1にする」のような仕上がり度を特定するメッセージ情報M5をマイク44に向けて発すると、仕上がり度を強め1に調節することを確認して、「仕上がり調節を強め1に設定しました」というアナウンスA9を、音声合成部55よりスピーカー45に報知させる。これによりユーザーUは、スピーカー45からアナウンスA1で報知された調理メニューの仕上がり度が調節できるかどうかを、アナウンスA8で認識することができ、その後の仕上がり度も、音声で直接指示することができる。
なお、スピーカー制御部57で選び出した一つの調理メニューとして、例えば「スポンジケーキ」の調理メニューの仕上がり度が調節できるか否かは、前述のアナウンスA1を報知する際に、調理メニュー全情報記憶部15から取り込まれる「スポンジケーキ」の調理メニューに関する全ての情報の中で、仕上がり度の設定が変更できるかどうかで判断でき、仕上がり度の設定が変更できる場合は、上述のアナウンスA8がスピーカー45から報知される。
また、本例の通信制御部58は、前述のように一つの調理メニューとして、例えば「スポンジケーキ」の調理メニューの仕上がり度を調節することの確認が取れたら、その調理メニューに関する情報を調理器本体1と通信して送出する。ここで調理器本体1に送出する情報は、調理メニュー全情報記憶部15に記憶する「スポンジケーキ」の調理メニューに関する全ての情報の中で、仕上がり度の設定をユーザーUからのメッセージ情報M5に基づき書換え更新する情報を含む。以後、「スポンジケーキ」の仕上がりは、「強め1」に設定された状態となる。仕上がり度の設定が調節されたことは、スピーカー45から報知されるアナウンスA9により、ユーザーUが音声で確認できる。
以上のように、本実施形態のスピーカー制御部57は、ユーザーUが選択したい調理メニューの候補の中から選び出された一つの調理メニューの仕上がりを調節できる場合に、その旨と仕上がりを調節するかどうかの確認を促すアナウンスA8をスピーカー45に報知させ、その後で通信制御部58は、マイク44からのユーザーUの音声入力に基づき、前記一つの調理メニューの仕上がりを調節することの確認が取れたら、その一つの調理メニューの情報を調理器本体1に送信して、調理器本体1側で仕上がりの設定を調節させる構成としている。
この場合、スピーカー45から報知した一つの調理メニューについて、仕上がりを調節できる場合には、仕上がりを調節するかどうかの確認を促すアナウンスA8がスピーカー45から報知され、これを受けて仕上がりを調節することの確認が取れたら、一つの調理メニューの情報を調理器本体1に送信するので、一つの調理メニューについて仕上がり調節ができるかどうかを、ユーザーUが直感的に認識できる。
図14は、ユーザーUが選択したい調理メニューを、情報通信端末24で確認した後の反応についての例である。ここでのスピーカー制御部57は、ユーザーUの意図した調理メニューである「スポンジケーキ」について、その材料や作りかたを記載したレシピ情報が、表示手段7で見られる場合には、その旨とレシピ情報を見るかどうかの確認を促すために、前述の「スポンジケーキを設定しました」というアナウンスA3に続いて、例えば「レシピ情報を見られるメニューです レシピ情報を見ますか?」というアナウンスA10で、音声合成部55よりスピーカー45に報知させる。これをユーザーUが聞いて、例えば「レシピを見る」のような肯定のメッセージ情報M6をマイク44に向けて発すると、レシピ情報を見ることを確認して、「レシピ情報を表示します」というアナウンスA11を、音声合成部55よりスピーカー45に報知させる。これによりユーザーUは、スピーカー45からアナウンスA1で報知された調理メニューに関するレシピ情報が表示手段7で表示できるかどうかを、アナウンスA10で認識することができ、その後のレシピ情報の表示も、音声で直接指示することができる。
なお、スピーカー制御部57で選び出した一つの調理メニューとして、例えば「スポンジケーキ」の調理メニューのレシピ情報が見られるか否かは、前述のアナウンスA1を報知する際に、調理メニュー全情報記憶部15から取り込まれる「スポンジケーキ」の調理メニューに関する全ての情報の中で、レシピ情報が含まれているかどうかで判断でき、レシピ情報が含まれている場合は、上述のアナウンスA10がスピーカー45から報知される。
また、本例の通信制御部58は、前述のように一つの調理メニューとして、例えば「スポンジケーキ」の調理メニューのレシピ情報を見ることの確認が取れたら、その調理メニューに関する情報を調理器本体1と通信して送出する。ここで調理器本体1に送出する情報は、「スポンジケーキ」の調理メニューに関し、レシピ情報を表示手段7に表示させる情報を含む。これを受けて調理器本体1側では、「スポンジケーキ」の調理メニューに関するレシピ情報を、表示制御部28が表示手段7に表示させる。当該レシピ情報は、調理器本体1の表示手段7だけでなく、情報通信端末24の表示部46に表示させてもよい。
以上のように、本実施形態のスピーカー制御部57は、ユーザーUが選択したい調理メニューの候補の中から選び出された一つの調理メニューについて、材料や作りかたを記載したレシピ情報が見られる場合に、その旨と前記レシピ情報を見るかどうかの確認を促すアナウンスA10をスピーカー45に報知させ、その後で通信制御部58は、マイク44からのユーザーUの音声入力に基づき、前記レシピ情報を見ることの確認が取れたら、その一つの調理メニューの情報を調理器本体1に送信して、調理器本体1側の表示手段7でレシピ情報を表示させる構成としている。
この場合、スピーカー45から報知した一つの調理メニューについて、材料や作りかたを記載したレシピ情報を見ることができる場合には、レシピ情報を見るかどうかの確認を促すアナウンスA10がスピーカー45から報知され、これを受けて音声入力によりレシピ情報を見ることの確認が取れたら、一つの調理メニューの情報を調理器本体1に送信するので、一つの調理メニューについてレシピ情報があるかどうかを、ユーザーUが直感的に認識できる。
図15は、ユーザーUヘの報知後、一定時問以内にマイク44からの音声入力がない場合の反応についての例である。ここでのスピーカー制御部57は、例えば前述の「お気に入りに登録できるメニューです 登録しますか?」というアナウンスA4をスピーカー45に報知させた後、一定時間以内にユーザーUから何等音声入力がない場合、再度「お気に入りに登録できるメニューです 登録しますか?」というアナウンスA4をスピーカー45に報知させて、ユーザーUからの音声入力による回答を促しており、ユーザーUは情報通信端末24からの問合わせに対して、何らかの応答が必要なことを理解できる。
また、上記アナウンスA4を報知する代わりに、動作設定記憶部52から読み出した予め決められた音声の入力がない場合の設定を自動的に反映して、その設定に基づき、マイクロコンピュータ51が情報通信端末24を適切に制御してもよい。例えば予め決められた音声の入力がない場合の設定として、「はい」などの肯定の返答があったものと認識して、スピーカー制御部57が「お気に入りに登録しました」というアナウンスA5をスピーカー45に報知させ、またお気に入りメニューとしての登録を無から有に書換え更新する情報を、通信制御部58が調理器本体1に送出する。こうすれば、ユーザーUが情報通信端末24からの問合わせに対して、応答し忘れたままの状態になったとしても、マイクロコンピュータ51が適切に動作を自動進行させることが可能になる。
以上のように本実施形態では、スピーカー45からの報知後、一定時間以内にマイク44への音声の入力がない場合の対応として、スピーカー制御部57がスピーカー45に再度報知を行なわせて音声の入力を促すか、或いは予め決められた音声の入力がない場合の設定を自動的に反映して、その設定に基づき、端末制御手段となるマイクロコンピュータ51が情報通信端末24を制御する構成としている。
この場合、スピーカー45からユーザーへの報知後、一定時間以内に音声の入力がなければ、その対応として、再度ユーザーに内容を報知して音声の入力を促すか、或いは予め決められた音声の入力がない場合の設定が自動的に反映され、その設定に基づき情報通信端末24の動作が制御される。したがって、ユーザーが音声の入力を行わない場合であっても、音声による調理メニューの情報の報知を、より快適に行なうことができる。
図16は、音声報知に関する各種報知内容の設定例について、表示制御部28が表示手段7の表示部31に表示させる画面の遷移を示している。同図において、(b−1)は電源投入直後に表示部31に表示される初期画面であり、この初期画面(b−1)はいわゆるタブ形式の画面で、その上側には使用頻度の高いメニューボタンを下側に表示する「毎日1」のタブボタンT1や「毎日2」のタブボタンT2と、手動調理のためのメニューボタンを下側に表示する「手動」のタブボタンT3と、料理集のメニューボタンを下側に表示する「料理集」のタブボタンT4と、ブザー報知手段23などの各種設定用のメニューボ夕ンを下側に表示する「設定」のタブボタンT5が横並びに配置される。初期画面(b−1)では、「毎日1」に関連した6つのメニューボタン、すなわち「レンジ」メニューボタンB1と、「お気に入り」メニューボタンB2と、「履歴」メニューボタンB3と、「ごはん」メニューボタンB4と、「おかず」メニューボタンB5と、「二品あたため」メニューボタンB6が、項目選択表示部として各々表示される。
初期画面(b−1)が表示される状態で、「設定」のタブボタンT5上をタッチ操作すると、項目選択手段8からの操作信号を受けて、表示制御部28は表示部31の画面表示を、初期画面(b−1)から「設定」の選択画面(b−2)に切替える。「設定」の選択画面(b−2)では、「ブザー」設定用のメニューボタンB7と、「液晶の明るさ」設定用のメニューボタンB8と、「お気に入り削除」設定用のメニューボタンB9と、「庫内灯」設定用のメニューボタンB10と、「お手入れ」設定用のメニューボタンB11と、「音声報知設定」用のメニューボタンB12が、項目選択表示部として各々表示される。
ここで、「音声報知設定」用のメニューボタンB12上をタッチ操作すると、表示制御部28は表示部31の画面表示を、「設定」の選択画面(b−2)から「音声報知設定」用の画面(b−3)に切替える。「音声報知設定」用の画面(b−3)では、設定したい音声報知の項目を選択する画面が表示され、選択可能な項目に対応して、「一定時間放置時対応」用の選択ボタンB13と、「報知内容設定」用の選択ボタンB14と、「音声の大きさ」用の選択ボタンB15が、項目選択表示部として各々表示される。
ここで、「一定時間放置時対応」用の選択ボタンB13上をタッチ操作すると、表示制御部28は表示部31の画面表示を、「音声報知設定」用の画面(b−3)から「一定時間放置時対応」用の設定画面(b−4)に切替える。「一定時間放置時対応」用の設定画面(b−4)では、図15で説明したように、ユーザーUヘの報知後、一定時問以内にマイク44からの音声入力がない場合に、報知内容を聞き直すか否かを選択する「する/しない」切替ボタンB16と、自動進行を行なうか否かを選択する「する/しない」切替ボタンB17と、設定画面(b−4)に表示された状態で、音声報知設定記憶部52に記憶する一定時間放置時対応の設定を書換え更新する決定ボタンB18が、項目選択表示部として各々表示される。
切替ボタンB16,B17は、何れもその上をタッチ操作する毎に、切替ボタンB16,B17上の表示が「する」または「しない」に切替わる構成となっており、例えば図16に示す設定画面(b−4)の表示状態から、決定ボタンB18の上をタッチ操作すると、音声報知設定部29は通信インターフェース25,56を介して、調理器本体1と情報通信端末24との間で通信を行ない、一定時間放置時対応について、音声報知設定記憶部52に記憶する報知内容の聞き直しの設定を「する」に書換え更新し、自動進行の設定を「しない」に書換え更新する。
以後、報知内容の聞き直しを「する」に設定すると、図15に示すように、スピーカー45から問合せの報知を行なった後、一定時間が経過してもそのまま放置された場合に、同じ問合せの報知をスピーカー45から再度行なうのに対し、報知内容の聞き直しを「しない」に設定すると、同じ問合せの報知を行なわない。また、自動進行の設定を「しない」に設定すると、スピーカー45から問合せの報知を行なった後、一定時間が経過してもそのまま放置された場合に、そのまま返答待ちの状態を維持するのに対し、自動進行の設定を「する」に設定すると、情報通信端末24側で予め決められた対応(例えば、「はい」などの肯定の返答があったものとする)を反映して、情報通信端末24としての動作を先に進める。こうして、一定時間放置時の対応について、音声報知設定記憶部52に記憶する情報通信端末24側の動作設定を、ユーザーUからの操作入力により音声報知設定部29が何時でも変更することが可能になる。
また、前記「音声報知設定」用の画面(b−3)で、「報知内容設定」用の選択ボタンB14上をタッチ操作すると、表示制御部28は表示部31の画面表示を、「報知内容設定」用の設定画面(b−5)に切替える。「報知内容設定」用の画面(b−5)では、図11で説明したお気に入りの登録報知に関するアナウンスA4を行なうか否かを選択する「する/しない」切替ボタンB19と、図13で説明した仕上がり調節に関するアナウンスA8を行なうか否かを選択する「する/しない」切替ボタンB20と、図14で説明したレシピ情報のアナウンスA10を行なうか否かを選択する「する/しない」切替ボタンB21と、設定画面(b−5)に表示された状態で、音声報知設定記憶部52に記憶する報知内容の設定を個々に書換え更新する決定ボタンB22が、項目選択表示部として各々表示される。
ここでも切替ボタンB19,B20,B21は、何れもその上をタッチ操作する毎に、切替ボタンB19,B20,B21の表示が「する」または「しない」に切替わる構成となっており、例えば図16に示す設定画面(b−5)の表示状態から、決定ボタンB22の上をタッチ操作すると、音声報知設定部29は通信インターフェース25,56を介して、調理器本体1と情報通信端末24との間で通信を行ない、音声報知設定記憶部52に記憶する報知内容の設定について、お気に入り登録の報知設定を「する」に書換え更新し、仕上がり調節の報知設定を「する」に書換え更新し、レシピ情報の報知設定を「する」に書換え更新する。
以後、お気に入り登録の報知を「する」に設定すると、図11で説明したお気に入りの登録報知に関するアナウンスA4が報知され、仕上がり調節の報知を「する」に設定すると、図13で説明した仕上がり調節に関するアナウンスA8が報知され、レシピ情報の報知を「する」に設定すると、図14で説明したレシピ情報に関するアナウンスA10が報知される。逆に、お気に入り登録の報知を「しない」に設定すると、お気に入りの登録報知に関するアナウンスA4は報知されず、仕上がり調節の報知を「しない」に設定すると、仕上がり調節に関するアナウンスA8は報知されず、レシピ情報の報知を「しない」に設定すると、レシピ情報に関するアナウンスA10は報知されない。こうして、前述したお気に入り登録や、仕上がり調節や、レシピ情報の報知の有無について、音声報知設定記憶部52に記憶する設定を、ユーザーUからの操作入力により音声報知設定部29が何時でも変更することが可能になる。
また、前記「音声報知設定」用の画面(b−3)で、「音声の大きさ」用の選択ボタンB15上をタッチ操作すると、表示制御部28は表示部31の画面表示を、「音声の大きさ」用の設定画面(b−6)に切替える。この設定画面(b−6)では、設定しようとする音声の大きさを表示する音量表示部H1の他に、項目選択表示部として、音量表示部H1に表示する音量の大きさを減らす減量ボタンB23と、音量表示部H1に表示する音量の大きさを増やす増量ボタンB24と、設定画面(b−6)に表示された状態で、音声報知設定記憶部52に記憶する音声の大きさの設定を書換え更新する決定ボタンB25が各々表示される。
ここでは、減量ボタンB23の上をタッチ操作すると、設定しようとする音量の大きさが減り、増量ボタンB24の上をタッチ操作すると、設定しようとする音量の大きさが増える。設定しようとする音量の大きさは、ユーザーUが直感的に理解できるように、音量表示部H1で左右にスライド移動する四角記号の位置と、その記号の中の数字により表示される。そして、例えば図16に示す設定画面(b−6)の表示状態から、決定ボタンB22の上をタッチ操作すると、音声報知設定部29は通信インターフェース25,56を介して、調理器本体1と情報通信端末24との間で通信を行ない、音声報知設定記憶部52に記憶する音声の大きさの設定を、「4」のレベルに書換え更新する。
以後、スピーカー制御部57は、「4」の設定レベルに対応した大きさで音声が報知されるようにスピーカー45を制御し、設定レベルが変更される毎に、その設定レベルに応じた音量で、スピーカー45から各種のアナウンスA1〜A11を報知させる。こうして、スピーカー45から報知する音声の大きさについて、音声報知設定記憶部52に記憶する設定を、ユーザーUからの操作入力により音声報知設定部29が何時でも変更することが可能になる。
以上のように本実施形態では、スピーカー45から問合せの報知を行なった後、一定時間以内にマイク44への音声の入力がない場合の対応について、ユーザーUからの操作入力により設定変更可能にする第1設定変更部としての音声報知設定部29を備えている。
この場合、スピーカー45からユーザーUへの問合せの報知後、一定時間以内にマイク44からの音声の入力がない場合の対応について、ユーザーUからの入力でその内容を設定変更できるので、ユーザーUの嗜好に合った音声報知を行なうことができる。
また、本実施形態の音声報知設定部29は、お気に入り登録や、仕上がり調節や、レシピ情報について、スピーカー45からの報知の有無を、ユーザーUからの操作入力により個別に設定変更可能にする第2設定変更部としての機能を備えている。
この場合、スピーカー45からユーザーUへのお気に入り登録や、仕上がり調節や、レシピ情報の報知の有無について、ユーザーUからの入力で設定変更できるので、ユーザーUの嗜好に合った音声報知を行なうことができる。
また、本実施形態の音声報知設定部29は、スピーカー45から報知する音声の大きさを、ユーザーUからの操作入力により設定変更可能にする第3設定変更部としての機能を備えている。
この場合、スピーカー45からから報知する音声の大きさを、ユーザーUからの入力で設定変更できるので、ユーザーUの嗜好に合った音声報知を行なうことができる。
前述のように本実施形態では、調理器本体1側の表示手段7を構成する表示部30に、調理メニューに関連したレシピ情報を表示させることができる。こうした「レシピ情報」用の画面を表示部31に表示させること自体は、従来から知られており、図17に示すように、表示部31の画面上側には、調理メニューの名前として例えば「ハンバーグ」と、その調理メニューに対応する番号として例えば「No.24」を示した調理メニュー表示部H2が配置され、その調理メニュー表示部H2の下側表示領域には、レシピ情報の内容として材料を示した材料表示部H3,H4や、作りかたを示した作りかた表示部H5,H6,H7の一つが選択的に配置される。
ここで、表示部31の一画面を1ページとすると、レシピ情報が材料や作りかたを含めて数ページにもなる場合があり、図17の例では、表示部31の一画面上に材料が2ページ、作りかたが3ページで、全5ページにも渡ってレシピ情報が表示される。そして従来は図示しないが、次のページに進みたいときには、「次へ」のボタン上をタップ操作し、前のページに戻りたいときには、「前へ」のボタン上をタップ操作することになり、その都度1画面に1ページずつ材料表示部H3,H4または作りかた表示部H5,H6,H7の何れかを表示させていた。
しかし、こうした表示方法では、例えば第3ページを表示中に、作りかた表示部H5に記載されている「A」という具材が何かを確認したい場合に、第1ページに戻って材料表示部H3を表示させ、そこに記載される「A」の具材が「玉ねぎ」と「バター」であることを確認してから、再び元に表示していた第3ページに進まなければならず、非常に分かりにくく手間であった。
こうした問題を改善したレシピ情報の好適な画面表示例を、図18〜図23に示す。
図18では、表示制御部28が表示部31に「レシピ情報」用の画面を表示させる際に、その表示部31の一画面を縦の境界線L1で複数に分割して、調理メニュー表示部H2の下側に、材料表示部H11と作りかた表示部H12を同時に表示させる機能が付加されている。このように、表示部31の一画面を複数の表示部H11,H12に分割し、レシピ情報を複数の表示部H11,H12で表示する機能を有することで、見やすいように、そして分かりやすいようにユーザーUが好みに応じて、それぞれの表示部H11,H12に何を表示させるのかを決めることができ、長いレシピ情報であっても、表示部31にわかりやすく表示させる加熱調理器を提供できる。
また特に図18では、「ハンバーグ」の調理メニューに関するレシピ情報について、表示部31の画面を2分割して、画面左側の表示領域に材料表示部H11を表示させ、画面右側の表示領域に作りかた表示部H12を表示させている。これは、表示部31の画面を複数に分割して、それぞれにレシピ情報を表示させる機能を利用して、ユーザーUの好みにより画面を特に2つに分割する機能を使用することで、画面左側に第1ページの材料表示部H11を表示させながら、画面右側で第1ページの作りかた表示部H12を表示させる分かりやすい表示方法を実現できる。したがって、例えば作りかた表示部H1にしばしば表示される「A」や、丸囲みの「1」のような記述があったとしても、それに対応する食材が何であったかを確認したい場合に、タップ操作でページを進めたり戻したりして別のページを表示させる手間がなく、表示部31の同一画面上で直ちに確認できる。なお本例に限らず、表示部31における画面の分割数は2に限定されず、複数であればよい。
図19は、表示部31の画面表示に関する第1変形例であり、ここでは「ハンバーグ」の調理メニューに関するレシピ情報について、表示部31の画面を縦の境界線L1で左右に2分割して、画面左側の表示領域に第1ページの材料表示部H12を表示させ、画面右側の表示領域に第2ページの材料表示部H13を表示させている。
表示部31における画面の左側と右側では、それぞれ個別に表示内容を切替え操作することが可能であり、画面左側にレシピ情報の材料を表示させながら、画面右側でレシピ情報の作りかたを表示させるだけでなく、画面左側に作りかたを表示させつつ、画面右側に材料を表示させたり、画面の左側と右側にそれぞれ作りかたを表示させたり、或いはそれぞれ材料を表示させたりすることができる。例えば、作りかたの文面が長いレシピ情報であれば、作りかたの前半のページを画面右側に表示させ、作りかたの後半のページを画面左側させたりといったように、ユーザーUの操作で見やすく表示したりすることもできる。また、表示部31上のタップ操作などにより、画面の左側と右側でそれぞれ表示させるページを個別に進めたり戻したりすることも可能である。
このように、表示部31の画面を複数分割した際に、それぞれの表示領域で個別にレシピ情報の表示内容を切替え操作できる構成とすることで、レシピ情報の中でユーザーUの好みとする部分を、一画面の中で見やすいように表示させることが可能になる。
図20は、表示部31の画面表示に関する第2変形例であり、ここでは「ハンバーグ」の調理メニューに関するレシピ情報について、表示部31の画面を横の境界線L2で上下に2分割して、画面上側の表示領域に第1ページの材料表示部H14を表示させ、画面下側の表示領域に第1ページの作りかた表示部H15を表示させている。
図18や図19に示す例では、表示部31の画面を左右に2分割してレシピ情報を表示させているが、図20に示すように、ユーザーUの好みに合わせて、表示部31の画面を上下に2分割してレシピ情報を表示させることも可能である。こうした表示の選択は、例えば表示部31上のタップ操作により切替え可能であり、表示部31の画面を2分割してレシピ情報を表示させる際に、左右に分割して表示するか、上下に分割して表示するかを、ユーザーUの操作で切替え可能に構成することで、ユーザーUの好みに合わせて見やすいように、表示内容を上下または左右に選択して切替えることが可能となる。
図21は、表示部31の画面表示に関する第3変形例であり、ここでは表示部31の画面を縦の境界線L1で左右に2分割して、画面左側の表示領域には「ハンバーグ」に関する調理メニュー表示部H16と、「ハンバーグ」の調理メニューについてレシピ情報の材料を示した材料表示部H17が表示され、画面右側の表示領域には別な「鶏のから揚げ」に関する調理メニュー表示部H18と、「鶏のから揚げ」の調理メニューについてレシピ情報の材料を示した材料表示部H19が表示される。つまりここでは、異なる調理メニューである「ハンバーグ」と「鶏のから揚げ」のレシピ情報を、表示部31の同一画面上で左右に並べて表示させており、1種類の調理メニューのレシピ情報について、材料と作りかたを同一画面上で別々に表示させたり、作りかただけを同一画面上で別々に表示させたりするだけでなく、別な調理メニューのレシピ情報を同一画面上で並べて別々に表示することも可能になる。
従来であれば、一画面に一種類の調理メニューのレシピ情報しか表示されず、ある調理メニューのレシピ情報を表示させている最中に、他の調理メニューのレシピ情報を確認しようとしたり、他の調理メニューのどちらを調理するのかを悩んだりした場合に、表示するページを行き来する必要が有った。しかし本例では、異なる調理メニューのレシピ情報を、表示部31の同一画面上で並べて表示できる構成となっているため、材料や作りかた、調理時間などを簡単に比較することができ、調理メニューの選択の時間や手間を省くことが可能となる。
また、図21に示すような別々の調理メニューに関するレシピ情報を、表示部31の同一画面上で並べて表示している状態から、好みの調理メニューを表示部31上でタップ操作するなどして選択すると、次に調理開始指示手段9を操作するだけで、その選択した調理メニューによる加熱動作が自動的に開始する構成とするのが好ましい。これにより、別々の調理メニューに関するレシピ情報を、表示部31の同一画面上で並べて表示している状態から、表示するページを戻すなどの煩わしい操作を行なうことなく、そのまま調理を開始できる状態に移行することが可能となり、手間を省くことができる。
図22は、表示部31の画面表示に関する第4変形例であり、ここでは「ハンバーグ」の調理メニューに関するレシピ情報について、表示部31の表示画面を分割して、材料表示部H11と作りかた表示部H12をそれぞれ表示させた場合に、画面右側の作りかた表示部H12に対して、画面左側の材料表示部H11の文字を大きく表示させたものである。ここでは、表示部31の画面を分割した際に、それぞれの表示領域に表示される文字の大きさを、例えば表示部31上でのタップ操作により個別に変更することができる。
例えば、画面左側にレシピ情報の材料となる材料表示部H11を表示し、画面右側にレシピ情報の作りかたとなる作りかた表示部H12を表示させている状態で、表示部31の画面を見ながら材料の準備をするような場合は、画面左側の材料表示部H11の文字を大きくすれば、調理器本体1から離れていても、レシピ情報の文字を読み取りやすく表示できるといった使い方も可能になる。
このように本例では、表示部31の表示画面を複数に分割して、それぞれの表示領域でレシピ情報を表示させるものにおいて、個別に文字の大きさを変更できる構成としている。そのため、ユーザーUの見やすいように、好みに合わせてそれぞれの表示領域で、個別に文字の大きさを変更することができる。
図23は、表示部31の画面表示に関する第5変形例であり、ここでは「ハンバーグ」の調理メニューに関するレシピ情報について、表示部31の表示画面を分割して、材料表示部H11と作りかた表示部H12をそれぞれ表示させた場合に、画面左側の材料表示部H11に対して、画面右側の作りかた表示部H12の表示面積を大きくしたものである。ここでは、表示部31の画面を分割した際に、それぞれの表示領域の大きさを、例えば表示部31上のタップ操作で縦の境界線L1を左右にスライド可能にすることで変更でき、一方の表示領域のレシピ情報を、他方の表示領域のレシピ情報よりも多く表示させることができる。
例えば、表示部31の画面を見ながら調理の下ごしらえをしていて、手が汚れたりして表示部31の画面上での操作がし辛いようなときに、作りかた表示部H12の表示領域を予め大きくしておけぱ、一画面に表示させる文字が多くなり、次ぺージにまで及んでいた作りかたの表示が一ページで収まるようになったり、仮に一ページに収まらなかったとしても、ぺ一ジ切替えの操作回数を少なくしたりできる。
また第4変形例との組み合わせで、例えば作りかた表示部H12の表示領域を大きくし、さらに作りかた表示部H12の文字を大きく表示させることで、調理器本体1から離れていても作りかた表示部H12が非常に見やすくなる。
このように本例では、表示部31の表示画面を複数に分割して、それぞれの表示領域でレシピ情報を表示させるものにおいて、表示領域の大きさを変更できる構成としている。そのため、ユーザーUの見やすいように、好みに合わせてそれぞれの表示領域の大きさを変更できる。
さらに、表示領域の大きさと文字の大きさを組み合わせて変更できるようにすることで、ユ一ザーUの好みに合った表示方法にすることも可能となる。
上述した図18〜図23の各例で、表示部31の画面を分割して、それぞれの表示領域にレシピ情報を表示した場合の一つの調理メニューや、それぞれの表示領域に並べて表示した複数の調理メニューや、表示部31の画面を分割した際に、どちらの方向(左右または上下)に表示領域を並べたのかや、各表示領域における文字の大きさや、各表示領域の大きさなどの、表示部31のレシピ情報を表示する際に変更した表示方法の設定を、それぞれ個別に、或いは全てまとめて、マイクロコンピュータ11のメモリに記憶させる構成とするのが好ましい。
このように、レシピ情報に関する表示部31の表示方法の設定を、その変更の度にメモリに記憶させておけぱ、それ以前にレシピ情報を比較した調理メニューを選び直す手問が省け、記憶させたリストから簡単に再度表示させることが可能になる。また、画面左側は必ずレシピ情報の材料を表示させ、画面右側はレシピ情報の作りかたを表示させるようなユーザーUであれば、そのような表示方法の設定をメモリに記憶させておけば、レシピ情報を表示部31に表示させる度に、表示方法を変更する必要がなくなる。
つまり、表示部31の画面を分割して、それぞれの表示領域で文字の大きさや表示領域の大きさなどを変更した場合に、その変更した表示方法の設定を、例えばマイクロコンピュータ11のメモリに記憶できる構成にすることで、例えば文字や表示領域の大きさを変更した場合に、後でメモリから表示方法の設定を読み込むことで、再び同じような状態で表示部31にレシピ情報を表示させることができる。
ところで加熱調理器においては、調理時聞の設定を行う手段として、表示部に表示される操作画面上で、タッチパネル表面の特定範囲内を夕ッチ操作する構成が従来技術として知られている。しかし、この構成ではタッチした場所が表示されず、夕ッチして設定される調理時間と、夕ッチする場所の対応がユーザーに分かりづらい。また、調理時間の細かい設定がやり辛いという問題があった。そこで本実施形態では、より直感的でかつ、操作も容易にした上で細かい調理時間の設定を可能にする加熱調理器を提案する。
図24と図25は、加熱制御部27がマイクロ波加熱手段21を制御してレンジ加熱を行なう場合に、表示制御部28が表示部31に表示させる画面の遷移を示したものである。なお本実施形態では、マイクロ波加熱手段21への通電動作により、調理室3内に収容した被調理物にマイクロ波を放射して、被調理物をレンジ加熱する構成となっている。
図24の(c)は、電源投入直後に表示部31に表示される初期画面であり、この初期画面(c)はいわゆるタブ形式の画面で、その上側には使用頻度の高いメニューボタンを下側に表示する「毎日」のタブボタンT11と、手動調理のためのメニューボタンを下側に表示する「手動」のタブボタンT12と、自動調理のためのメニューボタンを下側に表示する「自動」のタブボタンT13と、自動調理の中で特定のメニューを選択できるメニューボタンを下側に表示する「おすすめ」のタブボタンT14と、ブザー報知手段23などの各種設定用のメニューボ夕ンを下側に表示する「設定」のタブボタンT15が横並びに配置される。初期画面(c)では、「毎日」に関連した6つのメニューボタン、すなわち「レンジ600W」メニューボタンB31と、「あたため」メニューボタンB32と、「のみもの」メニューボタンB33と、「3つの解凍」メニューボタンB34と、「ノンフライ」メニューボタンB35と、「トースト」メニューボタンB36が、項目選択表示部として各々表示される。
初期画面(c)が表示される状態で、「手動」のタブボタンT12上をタッチ操作すると、項目選択手段8からの操作信号を受けて、表示制御部28は表示部31の画面表示を、初期画面(c)から「手動」の調理モードの選択画面(c−1)に切替える。「手動」の選択画面(c−1)では、「レンジ」メニューボタンB37と、「オーブン」メニューボタンB38と、「過熱水蒸気」メニューボタンB39と、「発酵」メニューボタンB40と、「グリル」メニューボタンB41と、「スチームレンジ」メニューボタンB42が、項目選択表示部として各々表示される。
ここで、「レンジ」メニューボタンB37上をタッチ操作すると、表示制御部28は表示部31の画面表示を、「手動」の選択画面(c−1)から「レンジ」出力ワット数の選択画面(c−2)に切替える。この選択画面(c−2)では、レンジ加熱の出力を選択する画面が表示され、選択可能な項目に対応して、「600W」の選択ボタンB43と、「500W」の選択ボタンB44と、「200W」の選択ボタンB45と、「100W」の選択ボタンB46と、表示部31を次ページの選択画面(c−2)に切替えるための「次へ」ボタンB47が、項目選択表示部として各々表示される。
「レンジ」出力ワット数の選択画面(c−2)を表示させた状態で、例えば「600W」の選択ボタンB43の上をタッチ操作すると、レンジ加熱の出力が600Wに設定され、表示制御部28は表示部31の画面表示を、選択画面(c−2)から「レンジ600W」出力の加熱時間の初期設定画面(c−3)に切替える(図25を参照)。この初期設定画面(c−3)では、上側に手動調理メニューの名前である「レンジ」と、その調理メニューの出力である「600W」を示したメニュー出力表示部H21が配置され、メニュー出力表示部H21の下側表示領域には、調理時間が設定される調理時間設定バーR1と、設定した調理時間を数字で示す時間表示部H22がそれぞれ配置される。
調理時間設定バーR1は、四角で囲まれた部分が、個々に個別のボタン表示部H23として機能する。ボタン表示部H23は横方向に並んで複数配置され、これにより調理時間設定バーR1は全体で枠状に形成される。調理時間設定バーR1の上部には調理時間設定バーR1の左端を0として、そこから右端に至るまでの設定時間を数字で示す目盛表示部H24が配置される。
加熱時間の初期設定画面(c−3)を表示させた状態にして、調理時間設定バーR1の上で枠内の任意の箇所をタッチすると、そのタッチした位置に対応する調理時間が設定され、表示制御部28は表示部31の画面表示を、設定時間アイコンI1の存在しない初期設定画面(c−3)から、設定時間アイコンI1の存在する設定画面(c−4)に切替える。
この加熱時間の設定画面(c−4)では、調理時間設定バーR1の上側に、設定した調理時間が例えば「3分30秒」のように時間表示部H22で表示され、調理時間設定バーR1の表面に重ね合わせて、現在の設定時間を記号で示す設定時間アイコンI1が、調理時間設定バーR1の左端を基端として表示される。また、設定した調理時間を微調節するために、時間表示部H22の左側には、設定した調理時間を減らすための「−」表示ボタンB48が配置され、時間表示部H22の右側には、設定した調理時間を増やすための「+」表示ボタンB49が配置される。
設定時間アイコンI1は、その右端となる先端にボタン表示部H23よりも縦長で細帯状のスライド表示部H25が配置され、設定画面(c−4)で設定時間アイコンI1を表示させた状態で、スライド表示部H25上に指を触れたまま、調理時間設定バーR1に沿って横方向に指をスライドすることで、設定画面(c−5)に示すように、現在指で触っている箇所に相当する調理時間(例えば「15分00秒」)が時間表示部H22に表示されると共に、設定時間アイコンI1の先端もスライド表示部H25を含んで横方向に移動する。なお本例では、設定時間アイコンI1を調理時間設定バーR1の表面に重ね合わせて表示させているが、調理時間設定バーR1の表面、上部、下部、側面のいずれか1つ、または複数の位置に設定時間アイコンI1を配置させてもよい。
前述の初期設定画面(c−3)を表示させた状態で、調理時間設定バーR1のボタン表示部H23上で指をタッチまたはスライドすると、0〜5分の間は1つのボタン表示部H23が30秒間隔の値に、5〜10分の間は1つのボタン表示部H23が1分間隔の値に、10〜30分の間は1つのボタン表示部H23が5分間隔の値に、調理時間が長くなる程、1つのボタン表示部H23の時間間隔も大きくなって、離散的に設定することができる。図25では、初期設定画面(c−3)において、調理時間設定バーR1のボタン表示部H23上で、目盛表示部H24に表示される0〜5分の間に指をタッチさせることにより、次の設定画面(c−4)で、設定時間が30秒間隔の3分30秒に設定されている。
また、初期設定画面(c−3)で表示される調理時間設定バーR1は、ユーザーUの設定によって別な初期設定画面(c−6)のように、例えば最大値が10分で、離散的に設定可能な調理時間の最小単位となる1つのボタン表示部H23が、0〜10分の全領域で30秒間隔の値となるように、複数の設定から選択することができる。
前述のように、設定画面(c−5)では、設定された調理時間が「15分00秒」であることが時間表示部H22に表示されている。この状態から、設定画面(c−5)の右上部に配置された「+」表示ボタンB49をタッチすると、設定画面(c−7)のように、設定した調理時間が15分から16分に1分単位で増加する。この増加値は、調理時間設定バーR1のボタン表示部H23上で指をタッチまたはスライドして離散的に設定される同じ調理時間の最小単位(5分)よりも小さく、調理時間設定バーR1上で操作するよりも、「+」表示ボタンB49をタッチ操作する方が、調理時間を細かく可変設定できる。
これは、設定画面(c−5)の左上部に配置された「−」表示ボタンB48をタッチ操作した場合も同じことが言え、「−」表示ボタンB48や「+」表示ボタンB49をタッチ操作する毎に、設定した調理時間が1分単位で増減する。したがって、調理時間設定バーR1上でのタッチ操作やスライド操作により、調理時間を大まかに設定した後に、「−」表示ボタンB48や「+」表示ボタンB49をタッチ操作して、設定した調理時間をより細かく可変できる。
そして、設定画面(c−7)内の時間表示部H22で表示されるように、例えば調理時間を「16分00秒」に設定した後に、調理開始指示手段9を押動操作して、調理室3内の被調理物に対する加熱調理を開始すると、設定画面(c−8)に示すように、調理の進行に従って設定時間アイコンI1のスライド表示部H25が基端側に移動すると共に、時間表示部H22には調理の残時間が表示される。したがってユーザーUは、加熱調理が開始してからの残時間を時間表示部H22だけでなく、設定時間アイコンI1の表示により直感的に認識できる。
このように本例では、調理操作を行なう操作部としての項目選択手段8と、項目選択手段8を操作するための画面を表示するドットマトリクス液晶ディスプレイを用いた表示部31とを備え、ユーザーUが調理を行なう時間を設定する際に、表示部31に調理時間設定バーR1が表示され、この調理時間設定バーR1上で、調理時間設定バーR1の枠内の任意の箇所をタッチすると、タッチした位置に対応する調理時間が表示部31の画面内の時間表示部H22に数字で表示されると共に、調理時間設定バーR1の表面、上部、下部、側面のいずれか1つ、または複数の位置に、現在設定されている調理時間が調理時間アイコンI1に記号で表示される構成となっている。
この場合、ユーザーUが調理時間を設定するのに時間設定バーR1の枠内の任意の箇所をタッチすると、現在設定されている調理時間に対応して、時間設定バーR1の近傍に調理時間アイコンI1が表示され、それとは別に設定した調理時間が表示部31の画面内に表示される。したがって、調理時間の設定をユーザーUが直感的に行なうことが可能になる。
また、調理時間アイコンI1の先端に位置するスライド表示部H25を調理時間設定バーR1に沿って横方向にスライド操作すると、調理時間が可変設定される構成となっている。
この場合、ユーザーUは調理時間アイコンI1の表示上でのスライド操作により、調理時間の設定をより直感的に行なうことが可能となる。
また、調理時間設定バーR1の上で指をタッチまたはスライドすると、調理時間が連続的ではなく離散的に設定され、その最小単位はタッチまたはスライドした位置に応じて、複数の異なる値(30秒,1分,5分)となるように構成されている。したがって、調理時間設定バーR1の上で指をタッチまたはスライドする位置に応じて、調理時間の設定をユーザーUが細かく調整できる。
また、調理時間設定バーR1の上で指をタッチまたはスライドして離散的に設定される調理時間の最小単位や最大値は、ユーザーUの例えば操作入力により複数の設定の中から選択できる構成とする。こうすると、調理時間設定バーR1の上でタッチ操作やスライド操作により離散的に設定できる調理時間の最小単位や最大値を、ユーザーUの意志で可変できるため、調理時間の設定をユーザーUが細かく調整できる。
また表示部31には、設定した調理時間を表示する時間表示部H22の他に、設定した調理時間を微調節する微調節ボタンとして、「−」表示ボタンB48や「+」表示ボタンB49が配置され、これらの「−」表示ボタンB48や「+」表示ボタンB49上をタッチ操作して離散的に設定できる調理時間の最小単位は、調理時間設定バーR1の上でタッチ操作やスライド操作により離散的に設定できる調理時間の最小単位と同等もしくは小さい構成となっている。
そのため、最初に調理時間設定バーR1上でのタッチ操作やスライド操作により、調理時間を大まかに設定した後に、「−」表示ボタンB48や「+」表示ボタンB49をタッチ操作して、設定した調理時間をユーザーUがより細かく可変できる。
また、表示部31が設定画面(c−7)を表示した状態から、調理開始指示手段9を押動操作して加熱調理を開始すると、設定画面(c−8)に示すように、設定した調理時間を示す設定時間アイコンI1が、設定時の表示位置から加熱調理の進行に従って移動するように構成される。これによりユーザーUは、加熱調理が開始してからの残時間を、設定時間アイコンI1の表示により直感的に認識できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば第1設定変更部〜第3設定変更部に相当する音声報知設定部は、その一部または全体の機能を情報通信端末24のマイクロコンピュータ51に組み込んで、情報通信端末24側で各種の設定変更を行なえるように構成してもよい。