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JP2018157075A - ウエハ処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光を透過しない支持体を用いた場合であっても光硬化型の粘着テープを硬化でき、処理終了後には粘着テープからウエハを容易に剥離することができるウエハ処理方法を提供することを目的とする。【解決手段】紫外線硬化型粘着剤層と、紫外線透過性の紫外線非硬化型粘着剤層とを有する両面粘着テープを、前記紫外線硬化型粘着剤層側からウエハに貼りつけるウエハ貼り付け工程と、前記紫外線非硬化型粘着剤層側から紫外線を照射して前記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程と、前記両面粘着テープの前記紫外線非硬化型粘着剤層側を支持体に貼りつけることにより前記両面粘着テープを介して前記ウエハを前記支持体に固定する支持体貼り付け工程と、前記支持体に固定された前記ウエハに処理を施すウエハ処理工程と、前記ウエハを前記両面粘着テープから剥離する剥離工程とを有するウエハ処理方法。【選択図】なし

Description

本発明は、光を透過しない支持体を用いた場合であっても光硬化型の粘着テープを硬化でき、処理終了後には粘着テープからウエハを容易に剥離することができるウエハ処理方法に関する。
半導体チップの製造工程において、ウエハや半導体チップの加工時の取扱いを容易にし、破損を防止するために粘着テープが用いられている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合、厚膜ウエハに粘着テープを貼り合わせた後に研削が行われる。
このような粘着テープに用いられる接着剤組成物には、加工工程中にウエハや半導体チップを強固に固定できるだけの高い接着性とともに、工程終了後にはウエハや半導体チップを損傷することなく剥離できることが求められる(以下、「高接着易剥離」ともいう。)。
高接着易剥離を実現した接着剤組成物として、特許文献1には紫外線等の光を照射することにより硬化して粘着力が低下する光硬化型粘着剤を用いた粘着テープが開示されている。粘着剤として光硬化型粘着剤を用いることで、加工工程中には確実に半導体を固定できるとともに、紫外線等を照射することにより容易に剥離することができる。
このような光硬化型粘着剤を用いた両面粘着テープを用いて半導体チップの製造工程を行う場合は、両面粘着テープの片面をウエハに、反対側の面を石英ガラス製の支持体に貼り付けてウエハを固定し、次いで支持体側から光を照射して粘着剤層を硬化させる。
一方、近年安価で取り扱いが容易であることから、支持体を石英ガラス製からアルミニウム製に代替することが検討されている。しかしながら、石英ガラス製の支持体の代わりにアルミニウム製の支持体を用いた場合、アルミニウムが光を透過しないため、従来の方法では光硬化型粘着剤を硬化させることができず、処理終了後に両面粘着テープからウエハを容易に剥離することができないという問題があった。
特開平5−32946号公報
本発明は、光を透過しない支持体を用いた場合であっても光硬化型の粘着テープを硬化でき、処理終了後には粘着テープからウエハを容易に剥離することができるウエハ処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、紫外線硬化型粘着剤層と、紫外線透過性の紫外線非硬化型粘着剤層とを有する両面粘着テープを、前記紫外線硬化型粘着剤層側からウエハに貼りつけるウエハ貼り付け工程と、前記紫外線非硬化型粘着剤層側から紫外線を照射して前記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程と、前記両面粘着テープの前記紫外線非硬化型粘着剤層側を支持体に貼りつけることにより前記両面粘着テープを介して前記ウエハを前記支持体に固定する支持体貼り付け工程と、前記支持体に固定された前記ウエハに処理を施すウエハ処理工程と、前記ウエハを前記両面粘着テープから剥離する剥離工程とを有するウエハ処理方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明のウエハ処理方法は、まず、紫外線硬化型粘着剤層と、紫外線透過性の紫外線非硬化型粘着剤層とを有する両面粘着テープを、上記紫外線硬化型粘着剤層側からウエハに貼りつけるウエハ貼り付け工程を行う。
上記紫外線硬化型粘着剤層を構成する紫外線硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分とし、重合開始剤として紫外線重合開始剤を含有する紫外線硬化型粘着剤が挙げられる。上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)とを反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーや、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマーや、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマーや、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマーや、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記紫外線重合開始剤は、例えば、200〜410nmの波長の紫外線を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような紫外線重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの紫外線重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記紫外線硬化型粘着剤は、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することが好ましい。ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することにより、紫外線硬化性が向上する。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは紫外線の照射による紫外線硬化型粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記紫外線硬化型粘着剤は、上記紫外線硬化型粘着剤と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物を含有してもよい。シリコーン化合物は、耐熱性に優れることから、後述するウエハ処理工程で200℃以上の加熱を伴う処理を行う場合であっても粘着剤の焦げ付き等を防止し、剥離時には被着体界面にブリードアウトして、剥離を容易にする。シリコーン化合物が上記紫外線硬化型粘着剤と架橋可能な官能基を有することにより、紫外線照射又は加熱することにより上記紫外線硬化型粘着剤と化学反応して上記紫外線硬化型粘着剤中に取り込まれることから、被着体にシリコーン化合物が付着して汚染することがない。また、シリコーン化合物を配合することにより半導体チップ上への糊残りを防止する効果も発揮される。
上記紫外線硬化型粘着剤は、イソシアネート系架橋剤を含有することが好ましい。
イソシアネート系架橋剤としては、例えばシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
上記紫外線硬化型粘着剤は、ヒュームドシリカ等の無機フィラー、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
上記紫外線硬化型粘着剤層の厚さは特に限定されないが、下限が5μm、上限が100μmであることが好ましい。上記紫外線硬化型粘着剤層の厚みが上記範囲であると充分な粘着力でウエハを保護することができる。上記紫外線硬化型粘着剤層の厚さのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は60μmである。
上記紫外線非硬化型粘着剤層を構成する紫外線非硬化型粘着剤は紫外線透過性かつ紫外線非硬化型であれば特に限定されず、例えば、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。なかでも、被着体の選択性があることからアクリル系粘着剤が好ましい。ここで紫外線透過性とは、上記紫外線硬化型粘着剤層に含まれる紫外線重合開始剤の光吸収波長帯と、上記紫外線非硬化型粘着剤層の光を透過する波長帯が重なることを意味し、特に紫外線硬化型粘着剤層に含まれる上記紫外線重合開始剤の光吸収波長帯と、上記紫外線非硬化型粘着剤層の吸光度0.2以下の波長帯とが重なることが好ましい。
上記紫外線非硬化型粘着剤層は、エポキシ架橋剤を含有することが好ましい。
上記紫外線非硬化型粘着剤層がエポキシ架橋剤を含有することで、紫外線非硬化型粘着剤層の耐熱性を向上させることができる。上記エポキシ架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ベンゼンジ(メタンアミン)等が挙げられる。
上記紫外線非硬化型粘着剤層は、上記紫外線硬化型粘着剤と同様にヒュームドシリカ等の無機フィラー、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
上記紫外線非硬化型粘着剤層の厚さは特に限定されないが、下限が5μm、上限が100μmであることが好ましい。上記紫外線非硬化型粘着剤層の厚みが上記範囲であると充分な粘着力で支持体と接着し、ウエハを確実に固定することができる。上記紫外線非硬化型粘着剤層の厚さのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は60μmである。
上記両面粘着テープは、基材を有するサーポートタイプであってもよく、基材を有さないノンサポートタイプであってもよい。上記両面粘着テープが上記紫外線硬化型粘着剤層と上記紫外線非硬化型粘着剤層との間に基材を有する場合、取り扱い性を向上させることができる。なお、上記基材は、後述する硬化工程において紫外線硬化型粘着剤層を硬化させることができるように紫外線透過性であることが好ましい。
上記基材は紫外線透過性であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、テレフタル酸ブタンジオールポリテトラメチレングリコール共重合体、テレフタル酸ブタンジオールポリカプロラクトン共重合等が挙げられる。なかでも、耐熱性に優れることからポリエチレンナフタレートが好ましい。
上記基材の好ましい厚みは下限が12μm、上限が100μmである。上記基材の厚みが上記範囲であることによって、ウエハを充分に保護でき、取り扱い性に優れた両面粘着テープとすることができる。
上記両面粘着テープは、上記紫外線非硬化型粘着剤層の上記紫外線硬化型粘着剤層が積層された面とは反対側の面に紫外線透過性の離型フィルムが積層されていることが好ましい。
紫外線非硬化型粘着剤層上に離型フィルムを有することによって、貼り付け時まで紫外線非硬化型粘着剤層を保護できるとともに両面粘着テープの取り扱い性を向上させることができる。また、離型フィルムが紫外線透過性であることによって紫外線非硬化型粘着剤層を保護したまま後述する硬化工程を行うことができる。
上記紫外線透過性の離型フィルムは、紫外線透過性であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、テレフタル酸ブタンジオールポリテトラメチレングリコール共重合体、テレフタル酸ブタンジオールポリカプロラクトン共重合等が挙げられる。なかでもポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
本発明のウエハ処理方法は、次いで上記紫外線非硬化型粘着剤層側から紫外線を照射して上記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程を行う。
従来のウエハ処理方法では、ウエハと支持体を両面粘着テープを介して固定した後に光硬化が行われていたため、支持体が光を透過しない素材である場合は光硬化を行うことができなかった。しかし、本発明のウエハ処理方法では、両面粘着テープを支持体に貼り付ける前に紫外線硬化型粘着剤層を硬化させるため、支持体が光を透過しない素材であっても粘着剤を硬化させることができ、処理終了後にはウエハを容易に剥離することができる。また、両面粘着テープの紫外線非硬化型粘着剤層が紫外線透過性であることで、紫外線非硬化型粘着剤層側から紫外線硬化型粘着剤層へ紫外線を照射しても充分に紫外線硬化型粘着剤を硬化させることができる。更に、紫外線硬化型粘着剤層はウエハに貼り付けた後に硬化されているため、たとえウエハの処理を行う前に紫外線硬化型粘着剤層を硬化させた場合であっても、ウエハが直ちに剥離することはない。
上記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる光の照射条件は用いる重合性ポリマーと光重合開始剤との組み合わせによって適宜調節することができる。例えば、側鎖にビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性ポリマーと、200〜410nmの波長で活性化する光重合開始剤を用いる場合、365nm以上の波長の光を照射することにより、上記紫外線硬化型粘着剤層を架橋、硬化させることができる。
このような紫外線硬化型粘着剤層に対しては、例えば、波長365nmの光を5mW以上の照度で照射することが好ましく、10mW以上の照度で照射することがより好ましく、20mW以上の照度で照射することが更に好ましく、50mW以上の照度で照射することが特に好ましい。また、波長365nmの光を300mJ以上の積算照度で照射することが好ましく、500mJ以上、10000mJ以下の積算照度で照射することがより好ましく、500mJ以上、7500mJ以下の積算照度で照射することが更に好ましく、1000mJ以上、5000mJ以下の積算照度で照射することが特に好ましい。
本発明のウエハ処理方法は、次いで上記両面粘着テープの上記紫外線非硬化型粘着剤層側を支持体に貼りつけることにより上記両面粘着テープを介して上記ウエハを上記支持体に固定する支持体貼り付け工程を行う。
本発明では、両面粘着テープの粘着剤層が紫外線硬化型粘着剤層と紫外線非硬化型粘着剤層に分かれているため、支持体貼り付け前に硬化工程を行った場合であっても紫外線非硬化型粘着剤層は硬化することがなく、両面粘着テープを充分な粘着力で支持体に貼り付けることができる。なお、両面粘着テープが上記離型フィルムを有する場合は、上記硬化工程終了後から上記支持体貼り付け工程の前までに上記離型フィルムを剥離する。
本発明のウエハ処理方法では、次いで、上記支持体に固定された上記ウエハに処理を施すウエハ処理工程を行う。
上記ウエハへの処理としては、例えば、ウエハを一定の厚みになるまで研削するグラインド処理や、薬液処理、加熱処理又は発熱を伴う処理が挙げられる。薬液処理としては、例えば、電解めっき、無電解めっき等のめっき処理、フッ酸、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)等によるウェットエッチング処理、N−メチル−2−ピロリドン、モノエタノールアミン、DMSO等によるレジスト剥離プロセス、濃硫酸、アンモニア水、過酸化水素水等による洗浄プロセス等が挙げられる。加熱処理又は発熱を伴う処理としては、例えば、スパッタリング、蒸着、エッチング、化学気相成長法(CVD)、物理気相成長法(PVD)、レジスト塗布・パターンニング、リフロー等が挙げられる。なお、本発明のウエハ処理方法ではウエハ処理工程より前に紫外線硬化型粘着剤層を硬化させているため、ウエハ処理工程において200℃以上の高温を伴う処理を行った場合であっても粘着昂進が起こらず処理終了後にウエハを容易に剥離することができる。
本発明のウエハ処理方法は、次いで、上記ウエハを上記両面粘着テープから剥離する剥離工程を有する。
上記硬化工程において紫外線硬化型粘着剤層は架橋、硬化しているため、両面粘着テープからウエハを容易に、かつ、糊残りなく剥離することができる。また、剥離にかかる時間が短縮されるため、生産効率を上げることができる。
本発明によれば、光を透過しない支持体を用いた場合であっても光硬化型の粘着テープを硬化でき、処理終了後には粘着テープからウエハを容易に剥離することができるウエハ処理方法を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(紫外線硬化型粘着剤の製造)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、官能基含有モノマーとしてメタクリル酸ヒドロキシエチル6重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万の官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、官能基含有不飽和化合物として2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させて重合性ポリマーを得た。その後、得られた重合性ポリマーの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、シリコーンアクリレート(EBECRYL 350、ダイセル・オルネクス社製)20重量部、シリカフィラー(レオロシール MT−10、トクヤマ製)20重量部、化学架橋材(コロネートL、日本ウレタン工業社製)0.5重量部、光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)1重量部、を混合し、紫外線硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。
(紫外線非硬化型粘着剤の製造)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器にブチルアクリレート66.9重量部、2−エチルヘキシルアクリレート30重量部、アクリル酸3重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1重量部、及び、酢酸エチル120重量部を加え、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を添加した。70℃、5時間還流させて、アクリル共重合体(a)の溶液を得た。得られたアクリル共重合体(a)について、カラムとしてWater社製「2690 Separations Model」を用いてGPC法により重量平均分子量を測定したところ、130万であった。
得られたアクリル共重合体(a)の溶液に含まれるアクリル共重合体(a)の固形分100重量部に対して、エポキシ系架橋剤(綜研化学社製 商品名「E−5C」)を固形分比で0.1重量部を添加し、攪拌して紫外線非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。
(両面粘着テープの製造)
得られた紫外線硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、片面に離型処理を施した50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥皮膜の厚さが40μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させて、紫外線硬化型粘着剤層を得た。
得られた紫外線非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、片面に離型処理を施した厚さ50μmの透明なPETフィルム上に乾燥皮膜の厚さが40μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させて、紫外線非硬化型粘着剤層を得た。
得られた紫外線硬化型粘着剤層及び紫外線非硬化型粘着剤層のPETフィルムが積層していない面同士を貼り合わせて両面粘着テープを得た。
(ウエハの処理)
両面粘着テープの紫外線硬化型粘着剤層側の面を、直径20cm、厚さ700μmのシリコンウエハに貼り付けて積層体を得た。次いで、高圧水銀UV照射機を用いて、365nmの紫外線を半導体保護テープ表面への照射強度が100mW/cmとなるよう照度を調節して、紫外線非硬化型粘着剤層側から30秒間照射して、紫外線硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。その後、積層体の紫外線非硬化型粘着剤層をアルミニウム製の支持体に貼り付け、260℃、6分間の熱処理を合計3回行った。熱処理終了後、シリコンウエハを両面粘着テープから剥離したところ、シリコンウエハを容易に剥離することができた。
(実施例2)
実施例1で得られた紫外線硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、片面に離型処理を施した50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥皮膜の厚さが20μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させて、紫外線硬化型粘着剤層を得た。
一方、別の片面に離型処理を施した厚さ50μmの透明なPETフィルム上に実施例1で得られた紫外線非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、乾燥皮膜の厚さが20μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させて、紫外線非硬化型粘着剤層を得た。両面にコロナ処理が施された厚さ25μmのPENフィルムの片面に得られた紫外線硬化型粘着剤層を貼り合わせ、もう片方の面に得られた紫外線非硬化型粘着剤層を貼り合わせて両面粘着テープを得た。
得られた両面粘着テープについて、実施例1と同様にしてウエハの処理を行ったところ、シリコンウエハを容易に剥離することができた。
(比較例1)
(ウエハの処理)
実施例1で得られた両面粘着テープの紫外線硬化型粘着剤層側の面を、直径20cm、厚さ700μmのシリコンウエハに貼り付け、紫外線非硬化型粘着剤層側の面をアルミニウム製の支持体に貼り付けた。次いで、高圧水銀UV照射機を用いて、365nmの紫外線を支持体表面への照射強度が100mW/cmとなるよう照度を調節して、支持体側から30秒間照射した。その後、積層体に260℃、6分間の熱処理を合計3回行った。熱処理終了後、シリコンウエハを両面粘着テープから剥離しようとしたが、シリコンウエハを剥離することができなかった。
本発明によれば、光を透過しない支持体を用いた場合であっても光硬化型の粘着テープを硬化でき、処理終了後には粘着テープからウエハを容易に剥離することができるウエハ処理方法を提供することができる。

Claims (5)

  1. 紫外線硬化型粘着剤層と、紫外線透過性の紫外線非硬化型粘着剤層とを有する両面粘着テープを、前記紫外線硬化型粘着剤層側からウエハに貼りつけるウエハ貼り付け工程と、
    前記紫外線非硬化型粘着剤層側から紫外線を照射して前記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程と、
    前記両面粘着テープの前記紫外線非硬化型粘着剤層側を支持体に貼りつけることにより前記両面粘着テープを介して前記ウエハを前記支持体に固定する支持体貼り付け工程と、
    前記支持体に固定された前記ウエハに処理を施すウエハ処理工程と、
    前記ウエハを前記両面粘着テープから剥離する剥離工程とを有する
    ことを特徴とするウエハ処理方法。
  2. 紫外線硬化型粘着剤層に含まれる紫外線重合開始剤の光吸収波長帯と、紫外線非硬化型粘着剤層の吸光度0.2以下の波長帯とが重なることを特徴とする請求項1記載のウエハ処理方法。
  3. 紫外線非硬化型粘着剤層がエポキシ架橋剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のウエハ処理方法。
  4. 紫外線硬化型粘着剤層と紫外線透過性の紫外線非硬化型粘着剤層との間に、紫外線透過性の基材を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載のウエハ処理方法。
  5. 紫外線非硬化型粘着剤層の紫外線硬化型粘着剤層が積層された面とは反対側の面に紫外線透過性の離型フィルムが積層されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のウエハ処理方法。
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