JP2018157075A - ウエハ処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
高接着易剥離を実現した接着剤組成物として、特許文献1には紫外線等の光を照射することにより硬化して粘着力が低下する光硬化型粘着剤を用いた粘着テープが開示されている。粘着剤として光硬化型粘着剤を用いることで、加工工程中には確実に半導体を固定できるとともに、紫外線等を照射することにより容易に剥離することができる。
一方、近年安価で取り扱いが容易であることから、支持体を石英ガラス製からアルミニウム製に代替することが検討されている。しかしながら、石英ガラス製の支持体の代わりにアルミニウム製の支持体を用いた場合、アルミニウムが光を透過しないため、従来の方法では光硬化型粘着剤を硬化させることができず、処理終了後に両面粘着テープからウエハを容易に剥離することができないという問題があった。
以下に本発明を詳述する。
上記紫外線硬化型粘着剤層を構成する紫外線硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分とし、重合開始剤として紫外線重合開始剤を含有する紫外線硬化型粘着剤が挙げられる。上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)とを反応させることにより得ることができる。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは紫外線の照射による紫外線硬化型粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
イソシアネート系架橋剤としては、例えばシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
上記紫外線非硬化型粘着剤層がエポキシ架橋剤を含有することで、紫外線非硬化型粘着剤層の耐熱性を向上させることができる。上記エポキシ架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ベンゼンジ(メタンアミン)等が挙げられる。
紫外線非硬化型粘着剤層上に離型フィルムを有することによって、貼り付け時まで紫外線非硬化型粘着剤層を保護できるとともに両面粘着テープの取り扱い性を向上させることができる。また、離型フィルムが紫外線透過性であることによって紫外線非硬化型粘着剤層を保護したまま後述する硬化工程を行うことができる。
従来のウエハ処理方法では、ウエハと支持体を両面粘着テープを介して固定した後に光硬化が行われていたため、支持体が光を透過しない素材である場合は光硬化を行うことができなかった。しかし、本発明のウエハ処理方法では、両面粘着テープを支持体に貼り付ける前に紫外線硬化型粘着剤層を硬化させるため、支持体が光を透過しない素材であっても粘着剤を硬化させることができ、処理終了後にはウエハを容易に剥離することができる。また、両面粘着テープの紫外線非硬化型粘着剤層が紫外線透過性であることで、紫外線非硬化型粘着剤層側から紫外線硬化型粘着剤層へ紫外線を照射しても充分に紫外線硬化型粘着剤を硬化させることができる。更に、紫外線硬化型粘着剤層はウエハに貼り付けた後に硬化されているため、たとえウエハの処理を行う前に紫外線硬化型粘着剤層を硬化させた場合であっても、ウエハが直ちに剥離することはない。
このような紫外線硬化型粘着剤層に対しては、例えば、波長365nmの光を5mW以上の照度で照射することが好ましく、10mW以上の照度で照射することがより好ましく、20mW以上の照度で照射することが更に好ましく、50mW以上の照度で照射することが特に好ましい。また、波長365nmの光を300mJ以上の積算照度で照射することが好ましく、500mJ以上、10000mJ以下の積算照度で照射することがより好ましく、500mJ以上、7500mJ以下の積算照度で照射することが更に好ましく、1000mJ以上、5000mJ以下の積算照度で照射することが特に好ましい。
本発明では、両面粘着テープの粘着剤層が紫外線硬化型粘着剤層と紫外線非硬化型粘着剤層に分かれているため、支持体貼り付け前に硬化工程を行った場合であっても紫外線非硬化型粘着剤層は硬化することがなく、両面粘着テープを充分な粘着力で支持体に貼り付けることができる。なお、両面粘着テープが上記離型フィルムを有する場合は、上記硬化工程終了後から上記支持体貼り付け工程の前までに上記離型フィルムを剥離する。
上記ウエハへの処理としては、例えば、ウエハを一定の厚みになるまで研削するグラインド処理や、薬液処理、加熱処理又は発熱を伴う処理が挙げられる。薬液処理としては、例えば、電解めっき、無電解めっき等のめっき処理、フッ酸、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)等によるウェットエッチング処理、N−メチル−2−ピロリドン、モノエタノールアミン、DMSO等によるレジスト剥離プロセス、濃硫酸、アンモニア水、過酸化水素水等による洗浄プロセス等が挙げられる。加熱処理又は発熱を伴う処理としては、例えば、スパッタリング、蒸着、エッチング、化学気相成長法(CVD)、物理気相成長法(PVD)、レジスト塗布・パターンニング、リフロー等が挙げられる。なお、本発明のウエハ処理方法ではウエハ処理工程より前に紫外線硬化型粘着剤層を硬化させているため、ウエハ処理工程において200℃以上の高温を伴う処理を行った場合であっても粘着昂進が起こらず処理終了後にウエハを容易に剥離することができる。
上記硬化工程において紫外線硬化型粘着剤層は架橋、硬化しているため、両面粘着テープからウエハを容易に、かつ、糊残りなく剥離することができる。また、剥離にかかる時間が短縮されるため、生産効率を上げることができる。
(紫外線硬化型粘着剤の製造)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、官能基含有モノマーとしてメタクリル酸ヒドロキシエチル6重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万の官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、官能基含有不飽和化合物として2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させて重合性ポリマーを得た。その後、得られた重合性ポリマーの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、シリコーンアクリレート(EBECRYL 350、ダイセル・オルネクス社製)20重量部、シリカフィラー(レオロシール MT−10、トクヤマ製)20重量部、化学架橋材(コロネートL、日本ウレタン工業社製)0.5重量部、光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)1重量部、を混合し、紫外線硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器にブチルアクリレート66.9重量部、2−エチルヘキシルアクリレート30重量部、アクリル酸3重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1重量部、及び、酢酸エチル120重量部を加え、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を添加した。70℃、5時間還流させて、アクリル共重合体(a)の溶液を得た。得られたアクリル共重合体(a)について、カラムとしてWater社製「2690 Separations Model」を用いてGPC法により重量平均分子量を測定したところ、130万であった。
得られたアクリル共重合体(a)の溶液に含まれるアクリル共重合体(a)の固形分100重量部に対して、エポキシ系架橋剤(綜研化学社製 商品名「E−5C」)を固形分比で0.1重量部を添加し、攪拌して紫外線非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。
得られた紫外線硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、片面に離型処理を施した50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥皮膜の厚さが40μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させて、紫外線硬化型粘着剤層を得た。
得られた紫外線非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、片面に離型処理を施した厚さ50μmの透明なPETフィルム上に乾燥皮膜の厚さが40μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させて、紫外線非硬化型粘着剤層を得た。
得られた紫外線硬化型粘着剤層及び紫外線非硬化型粘着剤層のPETフィルムが積層していない面同士を貼り合わせて両面粘着テープを得た。
両面粘着テープの紫外線硬化型粘着剤層側の面を、直径20cm、厚さ700μmのシリコンウエハに貼り付けて積層体を得た。次いで、高圧水銀UV照射機を用いて、365nmの紫外線を半導体保護テープ表面への照射強度が100mW/cm2となるよう照度を調節して、紫外線非硬化型粘着剤層側から30秒間照射して、紫外線硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。その後、積層体の紫外線非硬化型粘着剤層をアルミニウム製の支持体に貼り付け、260℃、6分間の熱処理を合計3回行った。熱処理終了後、シリコンウエハを両面粘着テープから剥離したところ、シリコンウエハを容易に剥離することができた。
実施例1で得られた紫外線硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、片面に離型処理を施した50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥皮膜の厚さが20μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させて、紫外線硬化型粘着剤層を得た。
一方、別の片面に離型処理を施した厚さ50μmの透明なPETフィルム上に実施例1で得られた紫外線非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、乾燥皮膜の厚さが20μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させて、紫外線非硬化型粘着剤層を得た。両面にコロナ処理が施された厚さ25μmのPENフィルムの片面に得られた紫外線硬化型粘着剤層を貼り合わせ、もう片方の面に得られた紫外線非硬化型粘着剤層を貼り合わせて両面粘着テープを得た。
得られた両面粘着テープについて、実施例1と同様にしてウエハの処理を行ったところ、シリコンウエハを容易に剥離することができた。
(ウエハの処理)
実施例1で得られた両面粘着テープの紫外線硬化型粘着剤層側の面を、直径20cm、厚さ700μmのシリコンウエハに貼り付け、紫外線非硬化型粘着剤層側の面をアルミニウム製の支持体に貼り付けた。次いで、高圧水銀UV照射機を用いて、365nmの紫外線を支持体表面への照射強度が100mW/cm2となるよう照度を調節して、支持体側から30秒間照射した。その後、積層体に260℃、6分間の熱処理を合計3回行った。熱処理終了後、シリコンウエハを両面粘着テープから剥離しようとしたが、シリコンウエハを剥離することができなかった。
Claims (5)
- 紫外線硬化型粘着剤層と、紫外線透過性の紫外線非硬化型粘着剤層とを有する両面粘着テープを、前記紫外線硬化型粘着剤層側からウエハに貼りつけるウエハ貼り付け工程と、
前記紫外線非硬化型粘着剤層側から紫外線を照射して前記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程と、
前記両面粘着テープの前記紫外線非硬化型粘着剤層側を支持体に貼りつけることにより前記両面粘着テープを介して前記ウエハを前記支持体に固定する支持体貼り付け工程と、
前記支持体に固定された前記ウエハに処理を施すウエハ処理工程と、
前記ウエハを前記両面粘着テープから剥離する剥離工程とを有する
ことを特徴とするウエハ処理方法。 - 紫外線硬化型粘着剤層に含まれる紫外線重合開始剤の光吸収波長帯と、紫外線非硬化型粘着剤層の吸光度0.2以下の波長帯とが重なることを特徴とする請求項1記載のウエハ処理方法。
- 紫外線非硬化型粘着剤層がエポキシ架橋剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のウエハ処理方法。
- 紫外線硬化型粘着剤層と紫外線透過性の紫外線非硬化型粘着剤層との間に、紫外線透過性の基材を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載のウエハ処理方法。
- 紫外線非硬化型粘着剤層の紫外線硬化型粘着剤層が積層された面とは反対側の面に紫外線透過性の離型フィルムが積層されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のウエハ処理方法。
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