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JP2018080151A - 新規化合物 - Google Patents

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弥生 城戸
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浩一 日下
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英樹 田頭
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Abstract

【課題】筋肉分化促進作用及び/又は骨分化促進作用を有する植物由来の新規化合物の提供。【解決手段】式(1)で表される化合物、その塩若しくはそのエステル。前記化合物は葛花抽出物から得ることができる。(R1は置換/非置換の1〜10のアルキル基;R2は単糖残基;R3はアシル基、単糖残基、又はカルボキシアルキレンカルボニル基)【選択図】図1

Description

本発明は、植物由来の新規化合物に係り、詳しくは、細胞分化促進作用を有する新規化合物に関する。
植物には、機能性を有する様々な物質が含まれているが、具体的な個々の物質については十分に解明されていないものも多い。
他方で、このような植物に由来する物質であって、細胞分化促進作用を有するものが報告されている。例えば、マンゴスチンからの抽出物に含まれる化合物が、筋肉分化を促進することが報告されている(特許文献1参照)。また、植物由来のケンフェノールが骨分化を促進することが報告されている(特許文献2参照)。
再表2013−129334号公報 特開2009−256350号公報
本発明の課題は、筋肉分化促進作用及び/又は骨分化促進作用を有する植物由来の新規化合物を提供することにある。
本発明者らは、安全性の高い植物由来成分の研究を進める中で、葛の花に、今まで単離されていない新規な物質が含まれていることを見出すと共に、その新規な物質が筋肉分化促進作用及び/又は骨分化促進作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物に関する。

(一般式(1)中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは単糖残基を示し、Rは炭素数1〜10のアシル基、単糖残基、又はカルボキシアルキレンカルボニル基、その塩若しくはそのエステルを示す。)
また、本発明は、上記一般式(1)で表される化合物を含有する組成物に関する。本発明の組成物は、筋肉分化促進及び/又は骨分化促進に用いられることが好ましい。また、本発明の組成物は、上記一般式(1)で表される化合物を0.001%以上含有することが好ましい。
さらに、本発明は、葛花から上記一般式(1)で表される化合物を濃縮して該化合物を0.001%以上含む濃縮物を調製し、該濃縮物含有させることを特徴とする組成物の製造方法に関する。
本発明は、筋肉分化促進作用及び/又は骨分化促進作用を有する新規化合物を提供することができる。
本発明の化合物(A)の1H-NMRの測定結果を示す図である。 本発明の化合物(A)の13C-NMRの測定結果を示す図である。 本発明の化合物(A)の13C-NMR(DEPT135°)の測定結果を示す図である。 本発明の化合物(A)のH-H COSYの測定結果を示す図である。 本発明の化合物(A)のHMQCの測定結果を示す図である。 本発明の化合物(A)のHMBCの測定結果を示す図である。 本発明の化合物(A)のC2C12を用いた筋肉分化促進効果の確認結果を示す図である。 本発明の化合物(A)のMC3T3-E1を用いた骨分化促進効果の確認結果を示す図である。 本発明の化合物(A)のHepG2を用いた肝脂肪蓄積抑制効果の確認結果を示す図である。 本発明の化合物(A)の3T3-L1を用いた体脂肪分解促進効果の確認結果を示す図である。
本発明の化合物は、下記一般式(1)で表される。
一般式(1)中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示し、かかるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。ただし、Rが置換基を有する場合、その炭素数はアルキル基の炭素数に含めないものとする。アルキル基としては、具体的に、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、イソプロピル基)、ブチル基(n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基)、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基等を挙げることができる。これらの中でも、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。置換基としては、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、アリール基等を挙げることができる。
一般式(1)中、Rは単糖残基を示し、五炭糖(ペントース)、六炭糖(ヘキソース)の糖残基が好ましい。五炭糖としては、リブロース、キシルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボースが挙げられる。また、六炭糖としては、ガラクトース、グルコース、マンノース、フルクトース、アロース、タロース、グロース、アルトロース、イドース、プシコース、ソルボース、タガトース等が挙げられる。これらの中でも、キシロース又はグルコースが好ましく、グルコースがより好ましい。
一般式(1)中、Rは炭素数1〜10のアシル基、単糖残基又はカルボキシアルキレンカルボニル基を示す。アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。単糖残基としては、上記Rと同様のものを挙げることができる。カルボキシアルキレンカルボニル基は、[*−C(O)−(CH−COOH]で表すことができ、*は、酸素原子との連結部分を示す。nは、自然数であり、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。すなわち、Rは、カルボキシメチレンカルボニル基又はカルボキシエチレンカルボニル基であることが好ましく、カルボキシメチレンカルボニル基であることがより好ましい。
また、Rはカルボン酸塩や、カルボン酸エステルであってもよく、薬学的に許容されるものが好ましい。塩やエステルは、本発明の化合物の精製中又は精製後に調製することができる。塩としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩等を例示することができる。エステルとしては、メチルエステル、エチルエステル等を例示することができる。
本発明の化合物としては、下記構造式で表される化合物(本発明の化合物(A)ということがある)が特に好ましい。
本発明の化合物(A)は、例えば、葛の花より抽出することや、葛の花より単離精製することにより得ることができる。本発明の化合物(A)の抽出方法は、特に制限されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、アセトン等の有機溶媒等により行うことができる。使用する溶媒は常温〜沸点以下であれば特に制限されない。本発明の化合物(A)の単離精製方法は、特に制限されないが、例えば、次の方法により行うことができる。まず、葛花をメタノール水溶液等で抽出し、乾燥して粗乾燥物を得る。かかる粗乾燥物を、下記条件にて分取HPLCに供し、10〜13分付近のピークを回収する。メタノールを除去後、オクタデシルシリルシリカゲル固相抽出カラムに吸着させる。水で洗浄後、メタノールで溶出し、乾燥して、本発明の化合物(A)を得る。
[分取HPLCの条件]
移動相 水/メタノール/酢酸 550/450/5
流速 4mL/min
カラム GL science InertSustain C18 10mm×150mm
カラム温度 35℃
サンプル注入量 100μL
サンプル濃度 100mg/1mL(10%)
本発明の組成物としては、本発明の化合物を含むものであれば特に制限されるものではないが、本発明の化合物を0.001%以上含有することが好ましく、0.01%以上含有することがより好ましく、0.05%以上含有することがさらに好ましく、1.0%以上含有することが特に好ましく、5.0%以上含有することがとりわけ好ましい。
本発明の組成物は、例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、健康食品や、一般的な食品や、食品添加剤や、飼料等として用いることができる。健康食品としては、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品、保健機能食品、特別用途食品、栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント、美容食品等を挙げることができる。本発明の経口組成物は、筋肉分化促進(誘導)作用、骨分化促進(誘導)作用、肝脂肪蓄積抑制作用、体脂肪分解促進作用を有しており、筋肉分化促進(誘導)用組成物、骨分化促進(誘導)用組成物、肝脂肪蓄積抑制用組成物、体脂肪分解促進用組成物として用いることができる。
本発明の組成物を筋肉分化促進用組成物として用いる場合、本発明の化合物を含み、筋肉分化促進に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではない。例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに筋肉分化促進作用(効果)がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。具体的に本発明の筋肉分化促進用組成物としては、医薬品(医薬部外品を含む)やいわゆる健康食品が挙げられ、ロコモティブシンドロームの予防・改善効果、サルコペニアの予防・改善効果、筋肉増強効果、筋肉増強による代謝向上効果がある旨を表示したものが挙げられる。また、いわゆる健康食品においては、より具体的に、「筋肉を増強する」、「筋肉増強による代謝向上を図る」、「筋肉量や筋力を維持する」、「筋肉をつくる力をサポートする」、「歩行能力を維持する」、「歩行能力を改善する」等を表示したものを例示することができる。
本発明の組成物を骨分化促進用組成物として用いる場合、本発明の化合物を含み、骨分化促進に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではない。例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに骨分化促進作用(効果)がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。具体的に本発明の骨分化促進用組成物としては、医薬品(医薬部外品を含む)やいわゆる健康食品が挙げられ、骨粗鬆症の予防・改善効果、骨増強効果がある旨を表示したものが挙げられる。また、いわゆる健康食品においては、より具体的に、「骨を増強する」、「骨の健康維持に」、「骨の健康が気になる方に」、「骨が脆くなるのを防ぐ」、「骨の成分の維持に役立つ」、「骨代謝の働きを助ける」、等を表示したものを例示することができる。
本発明の組成物は、経口用又は注射剤等の外用として使用することができる。経口用として用いる場合、その形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤、粒状剤、棒状剤、板状剤、ブロック状剤、固形状剤、丸状剤、ペースト状剤、クリーム状剤、カプレット状剤、ゲル状剤、チュアブル状剤、スティック状剤等を挙げることができる。これらの中でも、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤の形態が特に好ましい。
本発明の組成物がサプリメントの場合には、必要に応じて賦形剤や他の成分と共に、本発明の化合物をサプリメント全体の0.00001〜50質量%含有させることが好ましく、0.0001〜40質量%含有させることがより好ましく、0.0005〜30質量%含有させることがさらに好ましい。
本発明の組成物の製造方法としては、葛花から本発明の化合物を単離して、該単離した化合物を含有させる方法や、葛花から本発明の化合物を濃縮して、該化合物を0.001%以上含む濃縮物を調製し、該濃縮物を含有させる方法を挙げることができる。濃縮物における本発明の化合物の濃度としては、0.01%以上であることがより好ましく、0.05%以上であることがさらに好ましく、1.0%以上であることが特に好ましく、5.0%以上であることがとりわけ好ましい。
また、本発明の化合物やその濃縮物を既存の食品に対して添加して、本発明の組成物(食品)を製造することもできる。かかる既存の食品としては、特に制限されないが、例えば、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料、スムージー、青汁等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳、ヨーグルト等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及びその加工食品;ソース、醤油等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、牛丼、ハヤシライス、オムライス、おでん、マーボドーフ、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール、各種ソース、各種スープ等のレトルトパウチ食品などを挙げることができる。
[本発明の化合物(A)の調製]
葛花1gに対し50%メタノール水溶液約80mLを加え、85℃の水浴上で還流抽出した。これをろ過し減圧乾固した。得られた乾固物を葛花粗抽出物とした。次に、葛花粗抽出物100mgに対し50%エタノール1mLを加え、下記の条件で分取HPLCにて分画した。
[分取HPLCの条件]
移動相 水/メタノール/酢酸 550/450/5
流速 4mL/min
カラム GL science InertSustain C18 10mm×150mm
カラム温度 35℃
サンプル注入量 100μL
サンプル濃度 100mg/1mL(10%)
10〜13分付近のピークを回収し、減圧濃縮した。メタノールを除去後、オクタデシルシリルシリカゲル固相抽出カラム(Wtaters社製 Sep-Pak C18 )に吸着させた。次に水で洗浄後、メタノールで溶出しこれを減圧乾固し、本発明の化合物を得た。
上記のように調製された本発明の化合物(A)の構造を解析すべく、NMR( 1H、13C、DEPT135°、H-HCOSY、HMQC、HMBC)の測定を行った。その結果を図1〜図6に示す。
なお、本発明の化合物(A)の糖ユニットを定性するために、酸を加え加熱することで分解し、HPLC(ELSD)により分析したところ、グルコース標準溶液と溶出時間は一致し、本発明の化合物(A)がグルコースユニットを有する化合物であることを確認した。
これらの結果より、本発明の化合物(A)は、下記の構造であることが特定された。
[試験1:C2C12を用いた筋肉分化促進効果の確認]
上記本発明の化合物(A)を用いて、以下に示す方法により、筋肉分化促進効果の確認を行った。
(1)10%ウシ胎児血清(FBS、biowest社製)含有DMEM(Sigma Aldrich社製)で、所定の数になるまで、C2C12(理化学研究所より入手)を5%CO2、37℃、湿潤条件で培養した。
(2)培地を取り除き、DPBS(ナカライテスク社製)で3度洗浄した後、Trypsin-EDTA(Sigma Aldrich社製)で細胞を剥離した。
(3)新鮮な10%FBS含有DMEMを加えてトリプシン反応を停止した後、細胞をチューブへ集め、遠心機(HimacCF7D、日立工機社製)で800rpm、3分遠心して細胞を沈殿させた。
(4)2×104 cells/mLになるように新鮮な10%FBS含有DMEMに細胞を懸濁し、96ウェルプレート(コーニング社製)に100μLずつ播種して2日間5%CO2、37℃、湿潤条件で前培養した。
(5)各サンプルを20mMになるようにDMSO(和光純薬社製)に溶解し、これを2%ウマ血清(HS、GEMINI BIO-PRODUCTS社製)含有DMEMで200倍に希釈し、これをさらに所定の2倍の濃度になるように0.5%DMSOを含む2%HS含有DMEMで希釈した。
サンプルとしては、本発明の化合物(A)(実施例)と、その比較として、下記構造のゲニスチン(比較例1)及びゲニステイン(比較例2)を用いた。
(6)前培養をした細胞の培地を除き、2%HS含有DMEMを50μL、サンプル、2%HS含有DMEMを50μL添加して、さらに培養を続けた。
(7)24時間後、培地を除き、細胞からRneasy mini(Qiagen社製)でRNAを精製した。
(8)精製したRNAより、ReverTra Ace(登録商標) qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(東洋紡社製)でcDNAを合成した。
(9)内部標準としてGAPDH(Mm_Gapdh_3_SG QuantiTect Primer Assay、Qiagen社製)、測定遺伝子としてMyog(Mm_Myog_1_SG QuantiTect primer assay、Qiagen社製)のプライマー、QuantiNOVA SYBR GREEN(Qiagen社製)を用いて、Rotor-Gene Q(Qiagen社製)でPCRを行った。
(10)PCRの結果は、Rotor Gene Q Pure Detection(Qiagen社製)を用いて解析した。
(11)分化誘導をかけ、サンプルを加えていない群を100とした相対値を算出した。
その結果を図7に示す。数値は、高いほど筋肉分化促進効果が高いことを示す。図7に示すように、構造の類似するゲニステイン、ゲニスチンは、筋肉分化促進効果が全くみられず、むしろ筋肉分化を阻害しているのに対して、本発明の化合物(A)は、優れた筋肉分化促進効果を示すことがわかる。
[試験2:MC3T3-E1を用いた骨分化促進効果の確認]
上記本発明の化合物(A)を用いて、以下に示す方法により、骨分化促進効果の確認を行った。
(1)10%ウシ胎児血清(FBS、biowest社製)含有MEMα(アスコルビン酸不含、Thermo Fisher Scientific社製)で、所定の数になるまで、MC3T3-E1(DSファーマバイオメディカル社より入手)を5%CO2、37℃、湿潤条件で培養した。
(2)培地を取り除き、DPBS(ナカライテスク社製)で2度洗浄した後、Trypsin-EDTA(Sigma Aldrich社製)で細胞を剥離した。
(3)新鮮な10%FBS含有MEMαを加えてトリプシン反応を停止した後、細胞をチューブへ集め、遠心機(HimacCF7D、日立工機社製)で800rpm、3分遠心して細胞を沈殿させた。
(4)4×105 cells/mLになるように新鮮な10%FBS含有MEMαに細胞を懸濁し、96ウェルプレート(コーニング社製)に100μLずつ播種して1日間5%CO2、37℃、湿潤条件で前培養した。
(5)アスコルビン酸ナトリウム(和光純薬製)とβグリセロリン酸二ナトリウム(ナカライテスク社製)を10%FBS含有MEMαにそれぞれ50μg/mL、10mMになるように溶解し、分化誘導培地とした。
(6)各サンプルを20mMになるようにDMSO(和光純薬社製)に溶解し、これを分化誘導培地で200倍に希釈し、これをさらに所定の2倍の濃度になるように0.5%DMSOを含む10%FBS含有MEMαで希釈した。
サンプルとしては、本発明の化合物(A)(実施例)、ゲニスチン(比較例1)、ゲニステイン(比較例2)を用いた。
(7)前培養をした細胞の培地を除き、10%FBS含有MEMα、分化誘導培地、被験物質含有分化誘導培地を100μL添加した。
(8)2もしくは3日に一度、培地を交換しながら、14日間5%CO2、37℃、湿潤条件で培養を続けた。
(9)培養後、培地を除き、無血清DMEMで1度洗浄した後、無血清培地で30倍に希釈したCell Counting-Kit 8(同仁化学社製)を150μL添加して37℃で適当な発色まで保温した。
(10)450nmの吸光度をプレートリーダー(ThermoScientific社製)で測定した。
(11)Cell Counting-Kit 8を除き、TRAP/ALP染色キット(和光純薬社製)の説明書に従い、アルカリホスファターゼ(ALP)活性を染色した。
(12)グリシン(和光純薬社製)、塩化マグネシウム無水(和光純薬社製)、塩化亜鉛(和光純薬社製)をそれぞれ0.1M、1mM、1mMになるように超純水に溶解し、水酸化ナトリウム(Sigma Aldrich社製)でpH10.4に調整し、グリシン緩衝液とした。
(13)グリシン緩衝液5mlに4-ニトロフェニルリン酸二ナトリウム塩六水和物 5mgタブレット(Sigma Aldrich社製)を一粒溶解し、ALP染色後のウェルに150μL加えた。
(14)37℃で30分加温した後、上清100μLをアッセイプレート(AGCテクノグラス社製)に移し405nmの吸光度をプレートリーダーで測定した。
(15)pNPPの値をCell Counting-Kit 8の値で除し、分化誘導をかけてサンプルを加えていない群を100として相対値を算出した。
なお、化合物(A)の終濃度は1.56μM(0.0089%)〜25μM(0.14%)であった。
その結果を図8に示す。数値は、高いほど骨分化促進効果が高いことを示す。図8に示すように、構造の類似するゲニステイン、ゲニスチンは、骨分化促進効果がみられず、むしろ骨分化を阻害する傾向があるのに対して、本発明の化合物(A)は、優れた骨分化促進効果を示すことがわかる。
また、化合物(A)の0.05%組成物を用いて同様の試験を実施したところ、分化誘導をかけてサンプルを加えていない群を100とした相対値は120.2であり、優れた骨分化促進効果を示すことがわかった。
[試験3:HepG2を用いた肝脂肪蓄積抑制効果の確認]
上記本発明の化合物(A)を用いて、以下に示す方法により、肝脂肪蓄積抑制効果の確認を行った。
(1)10%FBS(biowest社製)含有DMEM(Sigma Aldrich社製)で、所定の数になるまで、HepG2(理化学研究所より入手)を5%CO2、37℃、湿潤条件で培養した。
(2)培地を取り除き、DPBS(ナカライテスク社製)で3度洗浄した後、Trypsin-EDTA(Sigma Aldrich社製)で細胞を剥離した。
(3)新鮮な10%FBS含有DMEMを加えてトリプシン反応を停止した後、細胞をチューブへ集め、遠心機(HimacCF7D、日立工機社製)で800rpm、3分遠心して細胞を沈殿させた。
(4)2×105 cells/mLになるように新鮮な10%FBS含有DMEMに細胞を懸濁し、96ウェルプレート(コーニング社製)に100μLずつ播種して1日間5%CO2、37℃、湿潤条件で前培養した。
(5)各サンプルを20mMになるようにDMSO(和光純薬社製)に溶解し、これをFBS不含DMEMで200倍に希釈し、これをさらに所定の2倍の濃度になるように0.5%DMSOを含む10%FBS不含DMEMで希釈した。
サンプルとしては、本発明の化合物(A)(実施例)、ゲニスチン(比較例1)、ゲニステイン(比較例2)を用いた。
(6)DMEMにBSA(和光純薬社製)を3%になるように、オレイン酸(和光純薬社製)を3mMになるように溶解させた。
(7)前培養をした細胞の培地を除き、BSA、オレイン酸含有DMEMを50μL、サンプル含有DMEMを50μL添加して、さらに培養を続けた。
(8)24時間後、培地を取り除いてDPBSで3回洗浄し、超純水で希釈した10%ホルマリン(ナカライテスク社製)に室温で20分間細胞を浸し、細胞を固定した。
(9)ホルマリンを除き、DPBSで3回洗浄した後、水で希釈した60%イソプロパノール(関東化学社製)を加え、1分間室温で放置した。
(10)オイルレッドO150mgをイソプロパノール50mLに溶解し、これを超純水で6:4になるように希釈して、0.22μmフィルター(アドバンテック東洋社製)で使用直前に濾過した。
(11)オイルレッドO溶液をイソプロパノールを除いた96ウェルプレートへ100μL加え、室温で20分間染色した。
(12)オイルレッドO溶液を除いた後、60%イソプロパノールで1回洗浄し、DPBSで2回洗浄した。
(13)100%イソプロパノールを100μL加え、30分間浸透しながら、オイルレッドOを溶出させた。
(14)溶出したオイルレッドOを含むイソプロパノールを新しい96ウェルプレートへ移し、520nmの吸光度をプレートリーダー(ThermoScientific社製)で測定した。
(15)吸光度を測定したイソプロパノールを元のプレートへ戻し、イソプロパノールを40℃で加温して蒸発させた。
(16)乾燥後、プレートへDPBSを10μL加え、Pierce BCA Protein Assay Kit(Thermo Fisecher Scientific社製)でタンパク質量を測定した。
(17)オイルレッドOの値をタンパク質量で除し、さらに、オレイン酸とBSAを添加した群を100とした相対値を算出した。
その結果を図9に示す。数値は、低いほど肝脂肪蓄積抑制効果が高いことを示す。図9に示すように、構造の類似するゲニステイン、ゲニスチンは、肝脂肪蓄積抑制効果がみられないのに対して、本発明の化合物(A)は、優れた肝脂肪蓄積抑制効果を示すことがわかる。
[試験4:3T3-L1を用いた体脂肪分解促進効果の確認]
上記本発明の化合物(A)を用いて、以下に示す方法により、体脂肪分解促進効果の確認を行った。
(1)10%FBS(biowest社製)含有DMEM(Sigma Aldrich社製)で、所定の数になるまで、3T3-L1(理化学研究所より入手)を5%CO2、37℃、湿潤条件で培養した。
(2)培地を取り除き、DPBS(ナカライテスク社製)で3度洗浄した後、Trypsin-EDTA(Sigma Aldrich社製)で細胞を剥離した。
(3)新鮮な10%FBS含有DMEMを加えてトリプシン反応を停止した後、細胞をチューブへ集め、遠心機(HimacCF7D、日立工機社製)で800rpm、3分遠心して細胞を沈殿させた。
(4)2×105 cells/mLになるように新鮮な10%FBS含有DMEMに細胞を懸濁し、96ウェルプレート(コーニング社製)に100μLずつ播種して2日間5%CO2、37℃、湿潤条件で前培養した。
(5)IBMX(和光純薬社製)を0.5M、Dexamethasone(和光純薬社製)を1mMになるようにDMSOに溶解した。
(6)前培養した細胞から培地を除き、10%FBS含有DMEMに0.5M IBMX、1mM Dexamethasone、10mg/mL インスリン溶液(Sigma Aldrich社製)をそれぞれ終濃度が0.5mM、1μM、10μg/mLになるように添加した培地を添加し、2日間5%CO2、37℃、湿潤条件で培養した。
(7)2日後、細胞から培地を取り除き、10%FBS含有DMEMに終濃度10μg/mLになるようにインスリンを添加した培地を加え、さらに4日間5%CO2、37℃、湿潤条件で培養した。この間、2日おきに同培地で培地交換をした。
(8)各サンプルを20mMになるようにDMSO(和光純薬社製)に溶解し、これを10%FBS含有DMEMで200倍に希釈し、これをさらに所定の2倍の濃度になるように0.5%DMSOを含む10%FBS含有DMEMで希釈した。
サンプルとしては、本発明の化合物(A)(実施例)、ゲニスチン(比較例1)、ゲニステイン(比較例2)を用いた。
(9)細胞から培地を取り除き、50μLの10%FBS含有DMEMを添加した後、各濃度のサンプルを含む培地を同量添加して、さらに1日間5%CO2、37℃、湿潤条件で培養した。
(10)1日後、培地を新しい1.5mLチューブへ移し、F-キットグリセロール(日本ロシュ社製)を用いて遊離グリセロール濃度を測定した。
(11)培地を取り除いた細胞をPBSで3回洗浄し、Pierce BCA Protein Kit Assay(Thermo Fisecher Science社製)でタンパク質量を測定した。
(12)遊離グリセロール濃度をタンパク質量で除し、サンプルを加えていない培地を100として各サンプル添加時の遊離グリセロール量の相対値を算出した。
その結果を図10に示す。数値は、高いほど体脂肪分解促進効果が高いことを示す。図10に示すように、構造の類似するゲニステイン、ゲニスチンは、体脂肪分解促進効果がみられず、むしろ体脂肪分解促進を阻害する傾向があるのに対して、本発明の化合物(A)は、優れた体脂肪分解促進効果を示すことがわかる。
下記表1に示す配合により、青汁を製造した。
下記表2に示す配合により、ハードカプセルを製造した。
下記表3に示す配合により、ソフトカプセルを製造した。
下記表4、表5に示す配合により、錠剤を製造した。
下記表6に示す配合により、顆粒剤を製造した。
下記表7に示す配合により、ドリンク剤を製造した。
本発明の新規化合物は、筋肉分化促進(誘導)用組成物、骨分化促進(誘導)用組成物等して用いることができ、産業上有用である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物。

    (一般式(1)中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは単糖残基を示し、Rは炭素数1〜10のアシル基、単糖残基、又はカルボキシアルキレンカルボニル基、その塩若しくはそのエステルを示す。)
  2. 一般式(1)において、Rが置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rが六炭糖の単糖残基を示し、Rが炭素数1〜5のアシル基、又はカルボキシメチレンカルボニル基、その塩若しくはそのエステルを示すことを特徴とする請求項1記載の化合物。
  3. 一般式(1)において、Rが置換基を有してもよいメチル基を示し、Rがグルコース残基を示し、Rがカルボキシメチレンカルボニル基、その塩若しくはそのエステルを示すことを特徴とする請求項2記載の化合物。
  4. 下記構造式で表されることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の化合物を含有することを特徴とする組成物。
  6. 筋肉分化促進に用いられることを特徴とする請求項5記載の組成物。
  7. 骨分化促進に用いられることを特徴とする請求項5記載の組成物。
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