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JP2018067863A - 帯域通過フィルタ - Google Patents

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JP2018067863A
JP2018067863A JP2016206660A JP2016206660A JP2018067863A JP 2018067863 A JP2018067863 A JP 2018067863A JP 2016206660 A JP2016206660 A JP 2016206660A JP 2016206660 A JP2016206660 A JP 2016206660A JP 2018067863 A JP2018067863 A JP 2018067863A
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まなみ 野澤
Manami Nozawa
まなみ 野澤
清春 清野
Kiyoharu Kiyono
清春 清野
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Mitsubishi Electric Tokki Systems Corp
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Abstract

【課題】帯域中心周波数近傍では損失が小さく、帯域外周波数で大きな減衰量が得られる帯域通過フィルタを実現する。【解決手段】帯域通過フィルタ20は、信号が伝搬する主線路6と接地との間に設けられ、帯域中心周波数と比べて低い帯域外周波数で長さが1/4波長の先端開放線路3と、先端開放線路3と並列に接続され、帯域中心周波数と比べて高い帯域外周波数で長さが1/2波長の先端短絡線路4とを有する並列回路を備える。先端開放線路3と先端短絡線路4との特性インピーダンスは帯域中心周波数で並列共振する。【選択図】図1

Description

この発明は、帯域内の信号をほとんど減衰させずに通過させ、帯域外の不要波を減衰させる帯域通過フィルタに関する。
レーダ機器と、通信機器と、観測機器といった機器では、所望の信号以外の帯域外不要波の進入を防ぐ、あるいは、これらの機器の内部で発生した不要波が機器外部へ漏洩することを防ぐために、帯域通過フィルタが用いられる。
特許文献1には、帯域内中心周波数で長さが1/2波長を有する複数個の共振器を、間隔を置いて共振器の半分の長さ、即ち、1/4波長ずつ重なるように配置された構成の半波長側結合フィルタを帯域通過フィルタとして用いることが記載されている。
半波長側結合フィルタでは、共振器の長さの半分、即ち、1/4波長となる周波数帯では共振器間の結合が密、それ以外の周波数では疎となる。そのため、共振器の長さを帯域中心周波数で1/2波長に選ぶことにより、帯域近傍の損失を小さくしつつ、帯域外の周波数帯で大きな減衰量を得ることができる。
特開平11−068402号公報
帯域通過フィルタに要求される特性はレーダ機器と、通信機器と、観測機器といった機器の種別により異なる。機器の種別によっては、所望の周波数帯域が狭く、かつ、帯域近傍の特定の帯域外周波数帯で大きな減衰量を得られる必要がある。
具体例として、帯域中心周波数を4GHz、帯域幅を0.1GHz以下、帯域外周波数3.8GHz及び4.2GHzで50dBの減衰量を得るとする。この場合、半波長側結合フィルタをマイクロ波集積回路技術により実現した場合、少なくとも4段構成にする必要があり、帯域内の損失が約7dBとなる。このように従来の帯域通過フィルタでは、多段構成にする必要があり、帯域内の損失が増加するとともに、形状も大きくなってしまう。
この発明は、帯域中心周波数近傍では損失が小さく、帯域外周波数で大きな減衰量が得られる帯域通過フィルタを実現することを目的とする。
この発明に係る帯域通過フィルタは、
信号が伝搬する主線路と接地との間に設けられた帯域通過フィルタであり、
帯域中心周波数と比べて高い帯域外周波数と低い帯域外周波数とのいずれか一方の帯域外周波数で長さが1/4波長の先端開放線路と、前記先端開放線路と並列に接続され、他方の帯域外周波数で長さが1/2波長の先端短絡線路とを有する並列回路を備え、
前記先端開放線路と前記先端短絡線路との特性インピーダンスが前記帯域中心周波数で並列共振する。
この発明は、帯域外周波数でほぼゼロΩを実現でき、かつ、帯域中心周波数では無限大に近い高インピーダンスを実現できる。このため帯域中心周波数近傍では損失が小さく、帯域外周波数で大きな減衰量が得られる。
実施の形態1に係る帯域通過フィルタ20の構成図。 実施の形態1に係る並列回路5の等価回路の説明図。 実施の形態1に係る帯域通過フィルタ20の特性の説明図。 変形例1に係る帯域通過フィルタ20の構成図。 変形例1に係る帯域通過フィルタ20の特性の説明図。 実施の形態2に係る帯域通過フィルタ20の構成図。 実施の形態2に係る帯域通過フィルタ20の特性の説明図。 変形例3に係る帯域通過フィルタ20の構成図。 実施の形態3に係る帯域通過フィルタ20の構成図。 実施の形態3に係る帯域通過フィルタ20の特性の説明図。 変形例5に係る帯域通過フィルタ20の構成図。 変形例5に係る帯域通過フィルタ20の特性の説明図。 実施の形態4に係る帯域通過フィルタ20の構成図。 実施の形態4に係る帯域通過フィルタ20の特性の説明図。 実施の形態5に係る帯域通過フィルタ20の構成図。 実施の形態5に係る帯域通過フィルタ20の特性の説明図。
以下の説明において、同一あるいは相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係る帯域通過フィルタ20の構成を説明する。
帯域通過フィルタ20は、入力端子1と出力端子2との間に設けられた信号が伝搬する主線路6と、接地との間に設けられる。
帯域通過フィルタ20は、帯域中心周波数f0と比べて高い帯域外周波数f2と低い帯域外周波数f1とのいずれか一方の帯域外周波数で長さが1/4波長の先端開放線路と、先端開放線路と並列に接続され、帯域中心周波数f0と比べて高い帯域外周波数f2と低い帯域外周波数f1とのいずれか他方の帯域外周波数で長さが1/2波長の先端短絡線路とを有する並列回路を備える。帯域通過フィルタ20は、先端開放線路と先端短絡線路との特性インピーダンスが帯域中心周波数f0で並列共振する。
図1では、帯域通過フィルタ20は、帯域中心周波数f0と比べて低い帯域外周波数f1で長さL1が1/4波長の先端開放線路3と、先端開放線路3と並列に接続され、帯域中心周波数f0と比べて高い帯域外周波数f2で長さL2が1/2波長の先端短絡線路4とを有する並列回路5を装荷した構成である。帯域通過フィルタ20は、先端開放線路3と先端短絡線路4との特性インピーダンスが帯域中心周波数f0で並列共振する。
先端開放線路3は、帯域外周波数f1で長さが1/4波長であることにより、帯域外周波数f1で直列共振回路と見なすことができる。また、先端短絡線路4は、帯域外周波数f2で長さが1/2波長であることにより、帯域外周波数f2で直列共振回路と見なすことができる。
図2を参照して、実施の形態1に係る並列回路5の等価回路を説明する。
先端開放線路3は、帯域外周波数f1で短絡、帯域中心周波数f0で等価的なインダクタL0、帯域外周波数f2でインダクタとして表せる。一方、先端短絡線路4は帯域外周波数f1でキャパシタ、帯域中心周波数f0で等価的なキャパシタC0、帯域外周波数f2で短絡として表せる。
このため並列回路5は、帯域外周波数f1で短絡、帯域中心周波数f0でインダクタL0とキャパシタC0との並列回路、帯域外周波数f2で短絡として表せる。ここで、帯域中心周波数f0でインダクタL0とキャパシタC0が並列共振するための先端開放線路3の特性インピーダンスZ1と、先端短絡線路4の特性インピーダンスZ2との関係は以下のように求めることができる。
主線路6から先端開放線路3側を見たアドミタンスをY1、先端短絡線路4側を見たアドミタンスをY2とすると、アドミタンスY1、Y2はそれぞれ数1、数2で表せる。
<数1>
Y1=jtan(f0/f1×90)/Z1
<数2>
Y2=−jcot(f0/f2×180)/Z2
ここで並列回路5の総合アドミタンスY0は数3となる。
<数3>
Y0=jtan(f0/f1×90)/Z1−jcot(f0/f2×180)/Z2
帯域中心周波数f0で等価的なインダクタL0とキャパシタC0とが並列共振するための特性インピーダンスZ1と特性インピーダンスZ2との関係は数3からY0=0とおいて数4が求まる。
<数4>
Z1/Z2=tan(f0/f1×90)×tan(f0/f2×180)
特性インピーダンスZ1、Z2を数4に示す関係となるように選ぶことにより、帯域中心周波数f0で等価的なインダクタL0とキャパシタC0とが並列共振したものと見なせる。したがって、帯域中心周波数f0において並列回路5は高インピーダンス、即ち、図2のように開放として表せる。なお、帯域外周波数f1及び帯域外周波数f2が帯域中心周波数f0に近い場合、数4の右辺は1以上となるため、Z1>Z2が成り立つ。
例えば、帯域外周波数f1=3.8GHz、帯域中心周波数f0=4GHz、帯域外周波数f2=4.2GHzが選ばれた場合、数4からZ1/Z2=1.82となる。ここで特性インピーダンスZ2=30Ωでは特性インピーダンスZ1=54.6Ω、特性インピーダンスZ2=50Ωでは特性インピーダンスZ1=91Ωとなる。
図3を参照して、実施の形態1に係る帯域通過フィルタ20の特性を説明する。
図3では、実線は、特性インピーダンスZ1=91Ω、特性インピーダンスZ2=50Ωの場合を示し、破線は、特性インピーダンスZ1=54.6Ω、特性インピーダンスZ2=30Ωの場合を示す。
Z1>Z2、かつ、Z1/Z2=1.82に保つことにより、減衰量が3dB以下の帯域幅は約70MHzと比較的狭くなり、帯域中心周波数f0=4GHzで損失がほぼ0dBと小さく、帯域外周波数f1=3.8GHz及び帯域外周波数f2=4.2GHzで約70dBの大きな減衰量が得られる。なお、Z1/Z2が同じであっても、特性インピーダンスZ1、Z2が高いほど減衰量が3dB以下の帯域幅が広くなる。
図1において入力端子1から主線路6を通って、帯域外周波数f1及び帯域外周波数f2の周波数成分の不要波が進入した場合、並列回路5で著しく減衰され、不要波は出力端子2まで到達しない。これに対し、帯域中心周波数f0の周波数成分の信号は減衰されることなく、主線路6を通って出力端子2まで到達する。
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係る帯域通過フィルタ20は、減衰量が小さい帯域が比較的狭く、帯域近傍の帯域外周波数で大きな減衰量が得られる。
半波長側結合フィルタでこのような特性を得るには多段構成にする必要があり、帯域内の損失が増加するとともに形状も大きくなってしまう。これに対して、実施の形態1に係る帯域通過フィルタ20は先端開放線路3と先端短絡線路4との並列共振を利用することにより、帯域は狭いものの帯域内の低損失化が実現できる。また、実施の形態1に係る帯域通過フィルタ20は、先端開放線路3と先端短絡線路4とのみで構成できるため、小さな形状で実現可能である。
***他の構成***
<変形例1>
図4を参照して、変形例1に係る帯域通過フィルタ20の構成を説明する。
図4では、帯域通過フィルタ20は、帯域中心周波数f0と比べて高い帯域外周波数f2で長さL3が1/4波長の先端開放線路7と、先端開放線路7と並列に接続され、帯域中心周波数f0と比べて低い帯域外周波数f1で長さL4が1/2波長の先端短絡線路8とを有する並列回路9を装荷した構成である。帯域通過フィルタ20は、先端開放線路7と先端短絡線路8との特性インピーダンスが帯域中心周波数f0で並列共振する。
先端開放線路7は、帯域外周波数f2で長さが1/4波長であることにより、帯域外周波数f2で直列共振回路と見なすことができる。また、先端短絡線路8は、帯域外周波数f1で長さが1/2波長であることにより、帯域外周波数f1で直列共振回路と見なすことができる。
ここで、並列回路9が帯域中心周波数f0で並列共振するための先端開放線路7の特性インピーダンスZ3と先端短絡線路8の特性インピーダンスZ4との関係は、図2を参照して説明した方法により、数5に示すように得られる。
<数5>
Z3/Z4=tan(f0/f2×90)×tan(f0/f1×180)
特性インピーダンスZ3、Z4を数5に示す関係となるように選ぶことにより、帯域中心周波数f0で等価的なインダクタL0とキャパシタC0とが並列共振したものと見なせる。したがって、帯域中心周波数f0において並列回路9は高インピーダンス特性が得られる。
例えば、帯域外周波数f1=3.8GHz、帯域中心周波数f0=4GHz、帯域外周波数f2=4.2GHzに選んだ場合、数5からZ3/Z4=2.23となり、並列回路5よりも特性インピーダンス比がやや大きくなる。
図5を参照して、変形例1に係る帯域通過フィルタ20の特性を説明する。
図5では、実線は、特性インピーダンスZ3=111.5Ω、特性インピーダンスZ4=50Ωの場合を示す。
変形例1に係る帯域通過フィルタ20も図3に示した特性と同様に、帯域中心周波数f0=4GHzで損失がほぼ0dBと小さく、帯域外周波数f1=3.8GHz及び帯域外周波数f2=4.2GHzで約70dBの大きな減衰量が得られる。
また、変形例1に係る帯域通過フィルタ20は、並列回路9の構成要素として、先端開放線路7と先端短絡線路8で済むため、並列回路5と同様に、小さな形状で実現可能である。
<変形例2>
なお、実施の形態1では、先端開放線路3と先端短絡線路4とを同じ位置に接続した場合について説明したが、先端開放線路3と先端短絡線路4とを電気的に等価である1/2波長離れた位置に接続した場合であっても同じである。
同様に、変形例1では、先端開放線路7と先端短絡線路8とを同じ位置に接続した場合について説明したが、先端開放線路7と先端短絡線路8とを電気的に等価である1/2波長離れた位置に接続した場合であっても同じである。
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1と異なる構成の帯域通過フィルタ20について説明する。
***構成の説明***
図6を参照して、実施の形態2に係る帯域通過フィルタ20の構成を説明する。
帯域通過フィルタ20は、帯域中心周波数f0と比べて低い帯域外周波数f1で長さが1/4波長の先端開放線路3と、先端開放線路3と並列に接続され、帯域中心周波数f0と比べて高い帯域外周波数f2で長さが1/4波長の先端開放線路7とを有する並列回路10を装荷した構成である。帯域通過フィルタ20は、先端開放線路3と先端開放線路7との特性インピーダンスが帯域中心周波数f0で並列共振する。
実施の形態1で説明したように、先端開放線路3は、帯域外周波数f1で直列共振回路と見なすことができる。また、変形例1で説明したように、先端開放線路7は、帯域外周波数f2で直列共振回路と見なすことができる。
ここで、並列回路10が帯域中心周波数f0で並列共振するための先端開放線路3の特性インピーダンスZ1と先端開放線路7の特性インピーダンスZ3との関係は、図2を参照して説明した方法により、数6に示すように得られる。
<数6>
Z1/Z3=−tan(f0/f1×90)/tan(f0/f2×90)
特性インピーダンスZ1、Z3を数6に示す関係となるように選ぶことにより、帯域中心周波数f0において並列回路10は高インピーダンス特性が得られる。
例えば、帯域外周波数f1=3.8GHz、帯域中心周波数f0=4GHz、帯域外周波数f2=4.2GHzに選んだ場合、数6からZ1/Z3=0.9となる。そのため、実施の形態1で説明した先端開放線路3と先端短絡線路4との特性インピーダンス比、あるいは、変形例1で説明した先端開放線路7と先端短絡線路8との特性インピーダンス比より小さくなる。
図7を参照して、実施の形態2に係る帯域通過フィルタ20の特性を説明する。
図7では、実線は、特性インピーダンスZ1=50Ω、特性インピーダンスZ3=55Ωの場合を示す。
実施の形態2に係る帯域通過フィルタ20も図3に示した特性と同様に、帯域中心周波数f0=4GHzで損失がほぼ0dBと小さく、帯域外周波数f1=3.8GHz及び帯域外周波数f2=4.2GHzで約70dBの大きな減衰量が得られる。
***実施の形態2の効果***
以上のように、実施の形態2に係る帯域通過フィルタ20は、減衰量が小さい帯域が比較的狭く、帯域近傍の帯域外周波数で大きな減衰量が得られる。また、実施の形態2に係る帯域通過フィルタ20は、先端開放線路3と先端開放線路7とのみで構成できるため、小さな形状で実現可能である。さらに、並列回路10が帯域中心周波数で並列共振するための先端開放線路3と先端開放線路7との特性インピーダンス比を小さくできるため、実施の形態2に係る帯域通過フィルタ20は容易に実現可能である。
***他の構成***
<変形例3>
図8を参照して、変形例3に係る帯域通過フィルタ20の構成を説明する。
帯域通過フィルタ20は、帯域中心周波数f0と比べて高い帯域外周波数f2で長さが1/2波長の先端短絡線路4と、先端短絡線路4と並列に接続され、帯域中心周波数f0と比べて低い帯域外周波数f1で長さが1/2波長の先端短絡線路8とを有する並列回路11を装荷した構成である。帯域通過フィルタ20は、先端短絡線路4と先端短絡線路8との特性インピーダンスが帯域中心周波数f0で並列共振する。
実施の形態1で説明したように、先端短絡線路4は、帯域外周波数f2で直列共振回路と見なすことができる。また、変形例1で説明したように、先端短絡線路8は、帯域外周波数f1で直列共振回路と見なすことができる。
ここで、並列回路11が帯域中心周波数f0で並列共振するための先端短絡線路4の特性インピーダンスZ2と先端短絡線路8の特性インピーダンスZ4との関係は、図2を参照して説明した方法により、数7に示すように得られる。
<数7>
Z2/Z4=−tan(f0/f1×180)/tan(f0/f2×180)
特性インピーダンスZ2、Z4を数7に示す関係となるように選ぶことにより、帯域中心周波数f0において並列回路11は高インピーダンス特性が得られる。
例えば、帯域外周波数f1=3.8GHz、帯域中心周波数f0=4GHz、帯域外周波数f2=4.2GHzに選んだ場合、数7からZ2/Z4=1.1となり、実施の形態2に係る帯域通過フィルタ20と同様に特性インピーダンス比が小さくなる。
変形例3に係る帯域通過フィルタ20も図7に示した特性と同様に、帯域中心周波数f0で損失がほぼ0dBと小さく、帯域外周波数f1及び帯域外周波数f2で約70dBの大きな減衰量が得られる。また、変形例3に係る帯域通過フィルタ20は、先端短絡線路4と先端短絡線路8とのみで構成できるため、小さな形状で実現可能である。さらに、並列回路11が帯域中心周波数で並列共振するための先端短絡線路4と先端短絡線路8との特性インピーダンス比を小さくできるため、変形例3に係る帯域通過フィルタ20は容易に実現可能である。
<変形例4>
なお、実施の形態2では、先端開放線路3と先端開放線路7とを同じ位置に接続した場合について説明したが、先端開放線路3と先端開放線路7とを電気的に等価である1/2波長離れた位置に接続した場合であっても同じである。
同様に、変形例3では、先端短絡線路4と先端短絡線路8とを同じ位置に接続した場合について説明したが、先端短絡線路4と先端短絡線路8とを電気的に等価である1/2波長離れた位置に接続した場合であっても同じである。
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1,2で説明した並列回路を複数備える点が実施の形態1,2と異なる。
***構成の説明***
図9を参照して、実施の形態3に係る帯域通過フィルタ20の構成を説明する。
帯域通過フィルタ20は、帯域中心周波数f0で長さがほぼ1/4波長の伝送線路12を介して、実施の形態1,2で説明した並列回路が複数縦続接続されている。図9では、帯域通過フィルタ20は、帯域中心周波数f0で長さがほぼ1/4波長の伝送線路12を介して、実施の形態1で説明した並列回路5が2つ縦続接続されている。ここでは、伝送線路12の特性インピーダンスZ5は、電源又は負荷インピーダンスZ0とほぼ等しい。特性インピーダンスZ0は、通常50Ωである。
図10を参照して、実施の形態3に係る帯域通過フィルタ20の特性を説明する。
図10では、実線は、実施の形態3に係る帯域通過フィルタ20、つまり2つの並列回路5を縦続接続した場合を示す。破線は、実施の形態1に係る帯域通過フィルタ20、つまり1つの並列回路5を用いた場合を示す。
2つの並列回路5を伝送線路12を介して縦続接続することにより、帯域近傍における2つの並列回路5のリアクタンス成分が互いに相殺され、帯域幅が必要以上に狭くなること無く低損失化が図れる。また、帯域外周波数f1及び帯域外周波数f2における減衰量は実施の形態1で説明した並列回路5を1つ用いる場合に比べ、2倍の減衰量が得られる。
***実施の形態3の効果***
以上のように、実施の形態3に係る帯域通過フィルタ20は、複数の並列回路5を縦続接続している。これにより、並列回路5を1つ用いる場合に比べ、帯域幅が必要以上に狭くなること無く低損失化が図れる。また、帯域外周波数f1及び帯域外周波数f2における減衰量を大きくできる。
***他の構成***
<変形例5>
実施の形態3に係る帯域通過フィルタ20は、同じ並列回路が複数縦続接続された構成であった。変形例5として、直列共振周波数の異なる並列回路を複数縦続接続した構成を説明する。
図11を参照して、変形例5に係る帯域通過フィルタ20の構成を説明する。
帯域通過フィルタ20は、直列共振周波数の異なる並列回路が帯域中心周波数f0で長さがほぼ1/4波長の伝送線路12を介して複数縦続接続されている。図11では、帯域通過フィルタ20は、実施の形態1で説明した並列回路5と、並列回路5と直列共振周波数の異なる並列回路5’との2つの並列回路が縦続接続されている。
並列回路5’は、帯域中心周波数f0と比べて低い帯域外周波数f3で長さL6が1/4波長の先端開放線路3’と、先端開放線路3’と並列に接続され、帯域中心周波数f0と比べて高い帯域外周波数f4で長さL7が1/2波長の先端短絡線路4’とを有する。
先端開放線路3’は、帯域外周波数f3で長さが1/4波長であることにより、帯域外周波数f3で直列共振回路と見なすことができる。また、先端短絡線路4’は、帯域外周波数f4で長さが1/2波長であることにより、帯域外周波数f4で直列共振回路と見なすことができる。また、並列回路5’を構成する先端開放線路3’の特性インピーダンスZ6と先端短絡線路4’の特性インピーダンスZ7との関係は、並列回路5と同様に、帯域中心周波数f0で高インピーダンスとなるように選ばれる。
このように並列回路5に直列共振周波数の異なる並列回路5’を付加することにより、帯域中心周波数f0で高インピーダンスを維持しつつ、帯域外周波数f1及び帯域外周波数f2と、帯域外周波数f3及び帯域外周波数f4とで同時に低インピーダンスを実現できる。
図12を参照して、変形例5に係る帯域通過フィルタ20の特性を説明する。
並列回路5に直列共振周波数の異なる並列回路5’を縦続接続することにより、帯域中心周波数f0の近傍で低損失を維持しつつ、帯域外周波数f1から帯域外周波数f3に渡る周波数帯と、帯域外周波数f2から帯域外周波数f4に渡る周波数帯とで大きな減衰量が得られる。つまり、大きな減衰量が得られる帯域外周波数の帯域幅の広帯域化が図れる。
<変形例6>
実施の形態3では、2つの並列回路5を伝送線路12を介して縦続接続した。しかし、3つ以上の並列回路5を縦続接続してもよい。この場合、帯域外周波数f1及び帯域外周波数f2における減衰量をさらに大きくすることができる。
同様に、変形例6では、2つの並列回路5,5’を伝送線路12を介して縦続接続した。しかし、直列共振周波数の異なる3つ以上の並列回路を縦続接続してもよい。これにより、大きな減衰量が得られる帯域外周波数の帯域幅のさらなる広帯域化が図れる。
<変形例7>
実施の形態3では、実施の形態1で説明した並列回路5を用いた。しかし、並列回路5に代えて、変形例1で説明した並列回路9、又は、実施の形態2で説明した並列回路10、又は、変形例3で説明した並列回路11を用いてもよい。この場合にも、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
同様に、変形例5では、並列回路5と、並列回路5と直列共振周波数の異なる並列回路5’とを用いた。しかし、並列回路5及び並列回路5’に代えて、変形例1で説明した並列回路9と、並列回路9と直列共振周波数の異なる並列回路9’とを用いてもよい。また、並列回路5及び並列回路5’に代えて、実施の形態2で説明した並列回路10と、並列回路10と直列共振周波数の異なる並列回路10’とを用いてもよい。また、並列回路5及び並列回路5’に代えて、変形例3で説明した並列回路11と、並列回路11と直列共振周波数の異なる並列回路11’とを用いてもよい。
実施の形態4.
実施の形態4は、先端短絡線路に代えてインダクタとキャパシタとの直列回路を用いて並列回路を構成する点が実施の形態1〜3と異なる。
***構成の説明***
図13を参照して、実施の形態4に係る帯域通過フィルタ20の構成を説明する。
実施の形態1で説明した並列回路5の先端短絡線路4に代えて、インダクタ13とキャパシタ14との直列回路15を用いて並列回路16が構成されている。
直列回路15のインダクタ13とキャパシタ14は、帯域外周波数f2で直列共振する値である。そのため、直列回路15は帯域外周波数f2で短絡、帯域中心周波数f0では等価的にキャパシタとなり、先端短絡線路4と同じ機能となる。
実施の形態1で示した並列回路5と同様に、並列回路16が帯域外周波数f1、帯域外周波数f2で短絡、帯域中心周波数f0で開放となるインダクタ13及びキャパシタ14の値を次のように求めることができる。
インダクタ13の値をL1、キャパシタ14の値をC1とすると、主線路6から直列回路15側を見たアドミタンスY3は数8で与えられる。
<数8>
Y3=jωC1/(1−ωL1C1)
ここでωは角周波数である。この直列回路15がω2=2πf2で直列共振するためのL1とC1との関係はY3=∞と置けば数9で求まる。
<数9>
C1=1/(ω2L1)
数9を数8に代入し、帯域中心周波数f0におけるアドミタンスY3は数10で求まる。
<数10>
Y3=jf0/{2πL1(f2−f0)}
アドミタンスY3が数1で示したアドミタンスY1と帯域中心周波数f0で並列共振するための総合アドミタンスY0=Y1+Y3=0とするとL1は数11で求まる。
<数11>
L1=−Z1f0/{2π(f2−f0)×tan(f0/f1×90)}
このようにL1が求まる。また、C1はここで求めたL1を数9に代入すれば求まる。例えば特性インピーダンスZ1=100Ω、帯域外周波数f1=3.8GHz、帯域中心周波数f0=4.0GHz、帯域外周波数f2=4.2GHzとすればL1=3.22nH、C1=0.45pFと求められる。
図14を参照して、実施の形態4に係る帯域通過フィルタ20の特性を説明する。
図14では、実線は、特性インピーダンスZ1=100Ω、L1=3.22nH、C1=0.45pFの場合を示す。
実施の形態1に係る帯域通過フィルタ20と同様に、減衰量が3dB以下の帯域幅は約70MHzと比較的狭くなり、帯域中心周波数f0=4GHzで損失がほぼ0dBと小さく、帯域外周波数f1=3.8GHz及び帯域外周波数f2=4.2GHzで約70dBの大きな減衰量が得られる。
以上のように、実施の形態4に係る帯域通過フィルタ20は、先端短絡線路4に代えて、インダクタ13とキャパシタ14との直列回路15を用いる。この場合であっても、先端短絡線路4を用いた場合と同様に、帯域中心周波数f0で低損失になり、帯域外周波数f1及び帯域外周波数f2で大きな減衰量が得られる。また、この場合には、長さが1/2波長の先端短絡線路4が不要となるため著しい小型化が図れる。
***他の構成***
<変形例8>
実施の形態4では、実施の形態1で説明した並列回路5を構成する先端短絡線路4に代えて、直列回路15を用いた。しかし、他の実施の形態、又は、変形例で説明した先端短絡線路4、先端短絡線路4’、先端短絡線路8に代えて、直列回路15を用いてもよい。
実施の形態5.
実施の形態5は、並列回路に容量性素子が並列接続された点が実施の形態1〜4と異なる。
***構成の説明***
図15を参照して、実施の形態5に係る帯域通過フィルタ20の構成を説明する。
図15では、帯域通過フィルタ20は、実施の形態1で説明した並列回路5に、容量性素子17が並列接続されている。
並列回路5を構成する先端開放線路3の特性インピーダンスZ1と先端短絡線路4の特性インピーダンスZ2との関係が数4を満足した場合に、帯域中心周波数f0における並列回路5のインピーダンスが無限大に近い高インピーダンスになる。しかし、並列回路5を、マイクロ波集積回路技術を用いて誘電体基板上に実現する場合、誘電体基板の誘電率又は基板厚等のバラツキにより、必ずしも数4を満足できない場合がある。この場合、帯域通過フィルタ20の帯域近傍の損失が増加してしまう。
これを避けるためには、特性インピーダンスZ1又は特性インピーダンスZ2の微調整が必要となるが、先端開放線路3又は先端短絡線路4の線路幅を微調整するのは難しい。そこで、実施の形態5に係る帯域通過フィルタ20では、並列回路5の並列共振周波数を低域側にずらす機能を有する容量性素子17が付加されている。
容量性素子17は、具体例としては、先端開放スタブである。先端開放スタブの長さを変えることで容量性素子17の値を容易に微調整可能である。具体的には、先端開放線路3と先端短絡線路4とを有する並列回路5の並列共振周波数を、特性インピーダンスZ1又は特性インピーダンスZ2のバラツキを考慮し、予め所望の帯域中心周波数f0から高域側にずらす。これに容量性素子17を付加することで並列共振周波数を所望の帯域中心周波数f0に微調整することができる。
図16を参照して、実施の形態5に係る帯域通過フィルタ20の特性を説明する。
図16では、実線は、容量性素子17が付加されている場合を示し、破線は、容量性素子17が付加されていない場合を示す。
破線で示すように並列回路5の並列共振周波数を帯域中心周波数f0から高域側にずらすには、実施の形態1で示した特性インピーダンス比Z1/Z2を1.82よりも小さくすることで実現できる。つまり、先端開放線路3の特性インピーダンスZ1を低くするか、先端短絡線路4の特性インピーダンスZ2を高くすることで実現できる。このような状態で容量性素子17を付加することで、実線で示すように並列回路5の並列共振周波数を所望の帯域中心周波数f0に微調整することができる。
***実施の形態5の効果***
以上のように、先端開放線路3の特性インピーダンスZ1あるいは先端短絡線路4の特性インピーダンスZ2にバラツキが生じた場合であっても、容量性素子17を付加することにより、並列回路5の並列共振周波数を所望の帯域中心周波数f0に調整することができる。その結果、帯域近傍の低損失化を図れる。
***他の構成***
<変形例9>
実施の形態5では、実施の形態1で説明した並列回路5に容量性素子17を付加した場合について説明した。しかし、変形例1で説明した並列回路9、又は、実施の形態2で説明した並列回路10、又は、変形例3で説明した並列回路11に、容量性素子17を付加してもよい。この場合にも、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
1 入力端子、2 出力端子、3,7 先端開放線路、4,8 先端短絡線路、5,9,10,11,16 並列回路、6 主線路、12 伝送線路、13 インダクタ、14 キャパシタ、15 直列回路、17 容量性素子、20 帯域通過フィルタ。

Claims (8)

  1. 信号が伝搬する主線路と接地との間に設けられた帯域通過フィルタであり、
    帯域中心周波数と比べて高い帯域外周波数と低い帯域外周波数とのいずれか一方の帯域外周波数で長さが1/4波長の先端開放線路と、前記先端開放線路と並列に接続され、他方の帯域外周波数で長さが1/2波長の先端短絡線路とを有する並列回路を備え、
    前記先端開放線路と前記先端短絡線路との特性インピーダンスが前記帯域中心周波数で並列共振する帯域通過フィルタ。
  2. 信号が伝搬する主線路と接地との間に設けられた帯域通過フィルタであり、
    帯域中心周波数と比べて低い帯域外周波数で長さが1/4波長の第1先端開放線路と、前記第1先端開放線路と並列に接続され、前記帯域中心周波数と比べて高い帯域外周波数で長さが1/4波長の第2先端開放線路とを有する並列回路を備え、
    前記第1先端開放線路と前記第2先端開放線路との特性インピーダンスが前記帯域中心周波数で並列共振する帯域通過フィルタ。
  3. 信号が伝搬する主線路と接地との間に設けられた帯域通過フィルタであり、
    帯域中心周波数と比べて高い帯域外周波数で長さが1/2波長の第1先端短絡線路と、前記第1先端短絡線路と並列に接続され、前記帯域中心周波数と比べて低い帯域外周波数で長さが1/2波長の第2先端短絡線路とを有する並列回路を備え、
    前記第1先端短絡線路と前記第2先端短絡線路との特性インピーダンスが前記帯域中心周波数で並列共振する帯域通過フィルタ。
  4. 信号が伝搬する主線路と接地との間に設けられた帯域通過フィルタであり、
    帯域中心周波数と比べて高い帯域外周波数と低い帯域外周波数とのいずれか一方の帯域外周波数で長さが1/4波長の先端開放線路と、前記先端開放線路と並列に接続され、他方の帯域外周波数で直列共振する値に設定されたインダクタとキャパシタとを有する直列回路とを有する並列回路を備え、
    前記先端開放線路と前記直列回路との特性インピーダンスが前記帯域中心周波数で並列共振する帯域通過フィルタ。
  5. 信号が伝搬する主線路と接地との間に設けられた帯域通過フィルタであり、
    帯域中心周波数と比べて高い帯域外周波数で直列共振する値に設定された第1インダクタと第1キャパシタとを有する第1直列回路と、前記第1直列回路と並列に接続され、他方の帯域外周波数で直列共振する値に設定された第2インダクタと第2キャパシタとを有する第2直列回路とを有する並列回路を備え、
    前記第1直列回路と前記第2直列回路との特性インピーダンスが前記帯域中心周波数で並列共振する帯域通過フィルタ。
  6. 前記帯域通過フィルタは、
    前記並列回路が前記帯域中心周波数で長さが1/4波長の伝送線路を介して複数接続された
    請求項1から5までのいずれか1項に記載の帯域通過フィルタ。
  7. 前記帯域中心周波数と比べて高い帯域外周波数と、前記帯域中心周波数と比べて低い帯域外周波数との少なくともいずれかは、複数接続された前記並列回路によって異なる
    請求項6に記載の帯域通過フィルタ。
  8. 前記帯域通過フィルタは、さらに、
    前記並列回路と並列に接続された容量性素子
    を備える請求項1から7までのいずれか1項に記載の帯域通過フィルタ。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006128912A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 Ntt Docomo Inc 共振器及び可変共振器
JP2010220139A (ja) * 2009-03-19 2010-09-30 Fujitsu Ltd フィルタ、フィルタリング方法、および通信装置

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