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JP2017132990A - ポリエステルフィルム - Google Patents

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祥和 河野
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豊 北村
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準 末光
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Abstract

【課題】ななめからフィルムを観察したときに色調むらが無く、優れた表面品位を有する、光学用途に好適に用いることのできるポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ウーラム社製エリプソメーターM−2000Dを使用して測定した測定角60°の測定波長235〜255nmにおけるψの最大値のばらつきRψ60が0.10以上5.00以下であるポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、色調むらが無く、優れた表面品位を有するポリエステルフィルムに関する。
従来から、2種類以上の樹脂を積層する積層フィルムの技術は、フィルムに様々な特性を付与することが可能であり各種産業用途に広く活用されている。例えば、屈折率が異なる2種類以上の樹脂を光の波長レベルの層厚みで交互に積層することにより発現する光の干渉現象を利用して、特定の波長の光を選択的にカットする光干渉多層膜が知られている。このような多層膜は、用いる樹脂の屈折率、層数、各層厚みを所望の光学設計とすることで、種々の性能を備えた光学フィルターが達成されるため、様々な光学用途向けに用いられている。
積層フィルムの製造方法としては、押出機を複数台用いる共押出法やフィルム同士を張り合わせるラミネート法が知られている。その中でも、共押出法は、多数の層を1つの工程で積層することが可能であり、生産性やコスト面でも非常に有利であるため、一般的な積層フィルムの製造方法として広く用いられている。しかし、共押出法は、積層する2種類以上の樹脂の融点、ガラス転移温度、溶融粘度、親和性などの特性が異なる場合、積層フィルムの厚みむらや積層された各層の層厚みのむらが生じ易く、フィルム特性の均一性の不具合や、フィルム表面の色調むらやフローマークなどの表面品位の低下の課題が有る。
そのような中で、上記課題を解決するために、少なくとも2種以上の樹脂を多層に積層するために用いるフィードブロックが、スリット板を2枚以上用いた構成からなり、該スリット板、スリット幅を制御して積層フィルムを得る方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−176154号公報
特許文献1記載の方法により得られた積層フィルムは、フィードブロックの構造を規定して、積層フィルムの積層構成に厚膜層を含むようにすることで、高い積層精度での多層構造を実現することができる。しかしながら、上記特許文献1に記載の方法で得られた積層フィルムは、フィルム製造時の延伸工程における延伸むらによる積層構造への影響について考慮されていない。そのため、特許文献1に記載の方法で得られた積層フィルムは、積層フィルムを真正面から観察したときは色調むらは見られないものの、ななめから積層フィルムを観察したときには色調むらが見られるという課題がある。
そこで本発明の課題は上記した従来技術の問題点を解決し、特にななめからフィルムを観察したときに色調むらが無く、さらに優れた表面品位を有するポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、ウーラム社製エリプソメーターM−2000Dを使用して測定した測定角60°の測定波長235〜255nmにおけるψの最大値のばらつきRψ60が0.10以上5.00以下であるポリエステルフィルムであることを本旨とする。
本発明により、特にななめからフィルムを観察したときに色調むらが無く、さらに優れた表面品位を有するポリエステルフィルムを提供する。本発明のポリエステルフィルムは、光学用途に好適に用いることのでき、特にLEDを光源とする画面の保護用フィルムに好適に用いることができる。
縦延伸工程の概略図
本発明のポリエステルフィルムは、フィルムをななめから見たときの色調むらを抑制させるために、ウーラム社製エリプソメーターM−2000Dを使用して測定した測定角60°の測定波長235〜255nmにおける振幅比の変化ψの最大値のばらつきRψ60が0.10以上5.00以下であることが必要である。ここで、エリプソメーターとは偏光状態の光を試料に入射させ、試料にて相互作用して反射した偏光状態の変化を測定し物質の微細構造を解析する装置であり、エリプソメーターを用いて物資の構造解析を行う手法をエリプソメトリーという。試料にて相互作用して反射した偏光状態の変化は、反射光の位相差の変化Δ、および振幅比の変化ψで表される。エリプソメトリーではブリュースター角で最も測定感度が高くなる。例えば、代表的なポリエステルであるポリエチレンテレフタレートでは、フィルム平面の法線に対して成す角が約60°にブリュースター角を有する。そのため、ポリエチレンテレフタレートフィルムにおいては、測定角60°で測定することでフィルムをななめから観察したときの微小な構造変化を捉えることができる。また、ポリエチレンテレフタレートは245nm付近(235〜255nm)にポリエチレンテレフタラートの構成要素であるベンゼン環のπ→π*遷移ピークを有しており、可視光領域の光学特性に大きな影響を与えることから、エリプソメーターにより245nm付近(235〜255nm)における60°での振幅比ψのばらつき(以下、Rψ60とも呼ぶ)を小さくすることで、フィルムをななめから観察したときの色調むらを抑制できる。なお、Rψ60が小さいということは、ななめからフィルムを見たときの分子構造、配向、密度、各積層膜厚等の光学的要素が均一であることを示す。Rψ60が5.0より大きいとフィルムを斜めから見たときのフィルム表面の色調むらが発生する。またRψ60を0.1より小さいと、色調むらは良好となるが、クロスニコル条件下ではスジが発生してしまう。そのため、LEDを光源とする光学用途に用いる場合、問題となる。Rψ60は好ましくは0.1以上4.0以下、更に好ましくは0.1以上4.0以下である。
本発明におけるRψ60は、後述する実施例のエリプソメトリー法により測定することができる。本発明のポリエステルフィルムが、ウーラム社製エリプソメーターM−2000Dを使用して測定した測定角60°の測定波長235〜255nmにおけるψの最大値のばらつきRψ60が0.10以上5.00以下となることを満たす方法は特に限定されない。Rψ60は、ポリエステルフィルムを延伸する際の延伸むらを小さくすることによって、小さくすることができる。ポリエステルフィルムを延伸する際の延伸むらを小さくする方法としては、延伸ロールの周速差を利用することにより延伸を行う方法によってポリエステルフィルムを延伸する場合、例えば、図1の通り、上流側の延伸ロール5(以下、第1延伸ロールという)及び下流側の延伸ロール6(以下、第2延伸ロールという)を用いて、フィルムに対して延伸処理を行う延伸工程において、第1延伸ロールに近接するニップロールを2本以上(例:図1中1、2)、かつ、第2延伸ロールに近接するニップロールを2本以上(例:図1中3、4)用いることが挙げられる。第1延伸ロールに近接するニップロールが2本より少ない、かつ、第2延伸ロールに近接するニップロールが2本よりすくないと、フィルム延伸時においてフィルムが十分に固定できず、延伸むらが発生しやすい。上流側の延伸ロール、下流側の延伸ロールそれぞれにニップロールを2本以上用いることで、延伸むらを小さくすることができる。一方、ニップロールの数を増やし過ぎると、Rψ60が小さくなりすぎるため、ニップロールの数は、上流側の延伸ロール、下流側の延伸ロールそれぞれに2本以上4本以下であることが好ましい。
また、ニップロールの圧力の総和(上流側の延伸ロール、下流側の延伸ロールに近接するすべてのニップロールにより加わる圧力の総和)は、0.1MPa以上1.0MPa以下とすることが好ましい。ニップロールの圧力の総和が0.1MPaより小さい場合も、フィルム延伸時においてフィルムが十分に固定できず、延伸むらが発生しやすい。一方、ニップロールの圧力の総和が1.0MPaより大きいと、ニップロールの痕がフィルムに付き外観不良となる場合がある。好ましくはニップロールの圧力の総和は0.2MPa以上0.6MPa以下である。
本発明のポリエステルフィルムに用いられるポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。ここで、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体等を挙げることができる。中でも屈折率の高いテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。これらの酸成分は1種類のみを用いても良く、2種類以上を併用しても良く、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合しても良い。また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコール等を挙げることができる。中でも、エチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種類のみを用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
前記ポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリエチレンナフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体等を用いることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂Aからなる層(以下、A層という)とポリエステル樹脂Bからなる層(以下、B層という)を有する積層ポリエステルフィルムであることが好ましい。
前記ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂Bの好ましい組み合わせは、一方の樹脂と同一の基本骨格を含む樹脂を用いることが好ましい。ここで、本発明で言う「基本骨格」とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことを指し、例えば、一方の樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合、エチレンテレフタレートが基本骨格であり、この場合の他の樹脂としては、例えば、エチレンテレフタレート単位とシクロヘキサン1,4−ジメチレンテレフタレート単位からなる重合体(共重合体)が挙げられる。また、別の例として、一方の樹脂がポリエチレンの場合、エチレンが基本骨格である。同一の基本骨格の樹脂を用いると、積層フィルムの製膜において、フローマーク等の積層不良や層間での剥離等の問題が生じ難くなる。
本発明におけるA層を構成するポリエステル樹脂Aとしては、高い積層精度を維持する観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを用いることが好ましい。
本発明におけるB層を構成するポリエステル樹脂Bとしては、屈折率の上昇を抑制する観点から、ジオール成分として1,4−ヘキサンジメタノールを含有することが好ましい。また、酸成分としてシクロイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル酸、シクロヘキサンジカルボン酸を含有、または、スピログリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノキシエタノールフルオレン、ビスフェノールA成分を含有した上記ポリエステル樹脂Aの共重合体を、上記ポリエステル樹脂Aと混合または単独で用いても良い。
本発明のポリエステルフィルムは、前述のポリエステルA層とポリエステルB層を、厚み方向に交互に合計30層以上積層された構造であることが好ましい。より好ましくは、厚み方向に交互に合計250層以上積層された構造であり、さらに好ましくは、800層以上積層された構造である。30層未満の場合、反射波長、反射率、および透過率を制御することができなくなることがある。また、積層装置の大型化や積層数が多くなり過ぎることによる、積層精度の低下に伴う波長選択性の低下を考慮すると、1000層以下であることが現実的である。
本発明のポリエステルフィルムは、前記A層と前記B層の面内平均屈折率の差が0.01以上0.20以下であることが好ましい。前記A層とB層の面内平均屈折率の差が0.20を超える場合、透過光の色付きが大きくなることがある。A層とB層の面内平均屈折率の差が0.01未満の場合、波長帯域400〜460nmなどといった可視光の短波長領域において平均透過率が高くなり、LEDを光源とする画面の保護などに用いる上で、ブルーライト波長をカット出来なくなることがある。
前記A層と前記B層の面内平均屈折率の差が0.01以上0.20以下を達成する手段としては、A層を構成するポリエステル樹脂Aとして、ポリエチレンテレフタレートを用い、B層を構成するポリエステル樹脂Bのグリコール成分として、シクロヘキサンジメタノール成分を酸成分に対して5mol%〜25mol%含有することが好ましい。シクロヘキサンジメタノール成分が5mol%未満の場合、A層とBとの密度差が小さく、A層とB層との屈折率差が不十分となることがある。シクロヘキサンジメタノール成分が25mol%を越える場合、密着性が不足して層間剥離が発生することがある。 また、本発明のポリエステルフィルムは、ディスプレイ部材に貼り合わせ及び貼り合わせ後の乾燥の際のフィルムの収縮を抑制するため、MD方向およびTD方向の100℃における熱収縮率が、いずれも1.00%以下であることが好ましい。好ましくはMD方向およびTD方向の100℃における熱収縮率がいずれも0.70%以下である。一方で、フィルムの平面性の観点からは、MD方向およびTD方向の100℃における熱収縮率が、いずれも0.01%以上であることが好ましい。熱収縮率が0.01%を下回るとフィルム生産工程内でのフィルムのたわみにより、フィルムの平面性が悪化する場合がある。好ましくは、MD方向およびTD方向の100℃における熱収縮率がいずれも0.03%以上である。
MD方向およびTD方向の100℃における熱収縮率をいずれも0.01%以上1.00%以下とする方法としては、例えば、二軸延伸後のフィルムの熱処理条件を調整する方法が挙げられる。処理温度は高温とすることで、配向緩和がおこり、熱収縮率は低減される傾向になるが、寸法安定性、フィルムの品位の観点から二軸延伸後の熱処理温度は170℃〜240℃であれば好ましく、175℃〜230℃であればさらに好ましく、180℃〜220℃であれば最も好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルムは、ディスプレイ部材に貼り合わせ後の外観不良を抑制するために、MD方向の100℃における熱収縮率むらが0.01%以上0.30%以下であることが好ましい。好ましくは、MD方向の100℃における熱収縮率むらが0.01%以上0.10%以下である。MD方向の100℃における熱収縮むらが0.30%より大きい場合、部材貼り合わせ後の使用環境によってはフィルム上にシワなどの外観不良が生じる場合がある。また、MD方向の100℃における熱収縮むらを0.01%より小さくしようとする場合、ポリエステルフィルム生産工程内ロール間延伸時のニップロール圧を高くする必要が生じる結果、ニップロール圧に起因する外観不良が生じる場合がある。
上記を達成する方法としては前述のロールによる延伸工程において、ニップロールの圧力の総和(上流側の延伸ロール、下流側の延伸ロールに近接する全てのニップロールにより加わる圧力の総和)は、0.1MPa以上1.0MPa以下であることが好ましい。このような態様とすることにより、応力がより均一となるだけでなく、ニップロールを押し当てることに起因するニップロール痕の発生を軽減することができる。上記の観点から、ニップロールの圧力の総和は、より好ましくは0.2MPa以上0.6MPa以下であり、さらに好ましくは0.4MPa以上0.5MPa以下である。
また、本発明のポリエステルフィルムは、MD方向およびTD方向のヤング率が2.5GPa以上4.5GPa以下であることが好ましい。ヤング率を2.5GPa以上とすることで、ディスプレイ部材に貼り合わせの際の搬送時の張力による微小なフィルム変形を抑制でき、外観不良を抑制することが可能である。またヤング率が4.5GPa以下とすることで、経時での分子の緩和を抑制し、色調むらや外観不良を抑制することが可能となる。更に好ましくは3.0GPa以上4.2GPa以下である。
本発明の積層ポリエステルフィルムのMD方向およびTD方向のヤング率が2.5GPa以上4.5GPa以下を満足する方法は特に限定されないが、長手方向に延伸する際の延伸倍率を調整する方法や長手方向の温度を調整する方法、横延伸後の熱処理の温度を調整する方法が挙げられる。
次に、本発明のポリエステルフィルムの好ましい製造方法を、二種のポリエステル樹脂を用いた例にとって以下に説明する。もちろん本発明は係る例に限定して解釈されるわけではない。また、多層積層ポリエステルフィルムの積層構造の形成自体は、特開2007−307893号公報の〔0053〕〜〔0063〕段の記載を参考とすれば実現できるものである。
ポリエステル樹脂をペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルター等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。これらの樹脂はダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。そして、ダイから吐出された多層に積層されたシートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させることが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させたりする方法も好ましい。
また、複数のポリエステル樹脂からなる多層積層ポリエステルフィルムを作製する場合には、複数の樹脂を2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出し、多層積層装置に送り込まれる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィードブロックやスタティックミキサー等を用いることができるが、特に、本発明の構成を効率よく得るためには、多数の微細スリットを有する部材を少なくとも別個に2個以上含むフィードブロックを用いることが好ましい。このようなフィードブロックを用いると、装置が極端に大型化することがないため、熱劣化による異物が少なく、積層数が極端に多い場合でも、高精度な積層が可能となる。また、幅方向の積層精度も従来技術に比較して格段に向上する。また、任意の層厚み構成を形成することも可能となる。この装置では、各層の厚みをスリットの形状(長さ、幅)で調整できるため、任意の層厚みを達成することが可能となったものである。
このようにして所望の層構成に形成した溶融多層積層体をダイへと導き、上述と同様にキャスティングフィルムが得られる。
このようにして得られたキャスティングフィルムは、二軸延伸されることが好ましい。ここで、二軸延伸とは、長手方向および幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次に二方向に延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに長手方向および/または幅方向に再延伸を行ってもよい。
以下逐次二軸延伸による製造方法について説明する。延伸倍率は、MD方向およびTD方向のヤング率が2.5GPa以上4.5GPa以下とするために、長手方向に、好ましくは2.5倍以上4.0倍以下、さらに好ましくは2.7倍以上3.5倍以下が採用される。また通常は、2本のロールの周速差により延伸が施されるが、ウーラム社製エリプソメーターM−2000Dを使用して測定した測定角60°の測定波長235〜255nmにおけるψの最大値のばらつきRψ60が0.10以上5.00以下とするために、上流側の延伸ロール(以下、第1延伸ロールという)及び下流側の延伸ロール(以下、第2延伸ロールという)について、第1延伸ロールに近接するニップロールが2本以上であり、こと第2延伸ロールに近接するニップロールが2本以上、ニップロールの圧力の総和が0.1MPa以上1.0MPa以下とすることが好ましい。ニップロールの本数と圧力を前記とすることにより長手方向の延伸時にフィルムを幅方向に対して均一に延伸することが可能となる。ニップロールが前記の本数に満たない、または、ニップロールの総圧力が0.1MPaに満たない場合、幅方向で延伸点が固定できず延伸むらを発生させ、面内の分子構造の不均一による色調むらの原因となる場合がある。またニップロールの総圧力が1.0MPaより大きくなる場合、ニップロールの痕がフィルムに転写し外観不良を引き起こしたり、ニップロールの寿命を低下させ生産性を低下させる原因となる。また長手方向の延伸温度は、また、延伸温度としては積層ポリエステルフィルムを構成する樹脂のガラス転移温度−10℃〜ガラス転移温度+50℃が好ましく、ポリエステル樹脂Aにポリエチレンテレフタレートを使用する場合、延伸温度は70℃以上90℃以下とすることが好ましい。
このようにして得られた一軸延伸されたフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
また、幅方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸をいい、通常は、テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、多層積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては多層積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃の範囲が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、MD方向およびTD方向の100℃における熱収縮率が0.10%以上1.00%以下とするために、テンター内で170℃〜240℃の熱処理を行うのが好ましく、175℃〜230℃であればさらに好ましく、180℃〜220℃であれば最も好ましい。熱処理を行うことにより、フィルムの寸法安定性が向上する。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に弛緩処理などを併用してもよい。
本発明のポリエステルフィルムは、ななめ方向から観察したときでも色調むらの無い優れた表面品位を有し、さらに光学的に優れた透過性を有するため、光学用フィルムとして好ましく用いることができる。特にLEDを光源とする画面の保護に用いる画面保護用フィルムとして好適に用いることができる。
以下、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、諸特性は以下の方法により測定した。
(1)フィルムの積層数
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVでフィルムの断面を40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuOやOsOなどを使用した染色技術を用いても良い。
(2)フィルムの主配向軸およびそれに直交する軸(TD方向、MD方向)
フィルムの任意の点において100mm×100mmの寸法でサンプルを切り出し、KSシステムズ製(現王子計測機器)のマイクロ波分子配向計MOA−2001A(周波数4GHz)を用い、ポリエステルフィルムの面内の主配向軸を求め、TD方向とし、それに直交する方向をMD方向とした。
(3)屈折率
ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bをそれぞれ単独で用いて、積層ポリエステルフィルムと同じ製膜条件で単膜フィルムを製膜した。この際の製膜方法は、キャスティングまでは同じ方法で未延伸フィルムを製膜した。次いで、未延伸フィルムからサンプルを100mm×100mmの寸法に切り出し、二軸延伸装置(東洋精機(株))を用いて延伸し、さらに、得られた延伸フィルムを200mm×200mmの金枠に貼り付けてトンネルオーブン(泰伸製作所製)を用いて熱処理を施し、単膜フィルムを得た。なお、製膜時の熱処理温度が熱可塑性樹脂を溶融する温度の場合は、ポリイミドフィルムなどの支持体で挟みトンネルオーブンで熱処理を施した。得られた単膜フィルムのフィルム巾方向中央部からサンプルを長さ40m×巾35mmの寸法で切り出し、アッベ屈折率計4T(アタゴ(株)製)を用いて、MD、TDの屈折率を求めた。光源は、ナトリウムD線 波長589nmを用いた。MDとTDの屈折率の平均を面内屈折率とし、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂B間での面内平均屈折率の差を面内屈折率差(絶対値)として求めた(|ポリエステル樹脂Aの面内平均屈折率−ポリエステル樹脂Bの面内平均屈折率|)。なお、浸液には、ヨウ化メチレン、テストピースの屈折率は、1.74のものを用いた。
(4)ヤング率
フィルムをMD方向およびTD方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出し、サンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期張力チャック間距離を50mmとし、温度25℃、湿度65%RHの条件下で、引張速度を300mm/分で引張試験を行った。ヤング率は、引張試験で記録した応力−歪み曲線におけるスタート点の立ち上がり勾配からASTM・D−882−67に準じて測定し、単位はMPaで表した。なお、評価は、MD方向およびTD方向それぞれ3サンプルの測定値の平均値をMD方向およびTD方向のヤング率とした。
(5)熱収縮率(100℃)
フィルムをMD方向およびTD方向にそれぞれ長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。サンプルに100mmの間隔(中央部から両端に50mmの位置)で標線を描き、3gの錘を吊るして100℃に加熱した熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行った。熱処理後の標線間距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から下記式により熱収縮率を算出した。なお、評価は、MD方向およびTD方向それぞれ3サンプルの測定値の平均値を100℃におけるフィルムMD方向およびTD方向の熱収縮率とした。
熱収縮率(%)={(加熱処理前の標線間距離)−(加熱処理後の標線間距離)}/(加熱処理前の標線間距離)×100
(6)MD方向の熱収縮率むら(100℃)
フィルムをMD方向にそれぞれ長さ150mm×幅100mmに切り出し、そこから150mm×幅10mmの矩形を10本切り出しサンプルとした。サンプルに100mmの間隔(中央部から両端に50mmの位置)で標線を描き、3gの錘を吊るして100℃に加熱した熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行った。熱処理後の標線間距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から(5)と同様の式により10サンプルそれぞれについて熱収縮率を算出し、10サンプルの熱収縮率の最大値と最小値の差を100℃におけるMD方向の熱収縮むらとした。
(7)R60ψ
フィルムの任意の点において50mm×50mmの寸法でサンプルを切り出し、ウーラム社製エリプソメーターM−2000Dを用い、サンプル上の任意の箇所にて、フィルム平面の法線と入射光の成す角が60°、測定反射光の反射強度が0.20以上となるようにサンプルをセットし、standard mesureモードにて測定繰り返し回数10回にて測定を行った。その後、1回目測定時の入射光方向を方向Aとし、その後、測定箇所の中心から任意の方向に10mm以上、かつ、方向Aから光が入射するようにサンプルを移動させて、同様の測定を4回繰り返し(任意の5点において測定を行い)、各点にて測定波長235〜255nmにおけるψ値の最大値を求めた。R60ψは、50mm×50mmのサンプルにおいて測定して得られた5点の測定値の最大値と最小値の差として求めた。
(8)色調むら
フィルムの任意の点において100mm×100mmの寸法でサンプルを切り出し、分光測色計コニカミノルタ(株)製CM−3600dを用い、フィルム平面の法線と入射光の成す角が60°となるようにサンプルをセットし、サンプル上の任意の箇所の色度a、色度b、明度Lを、測定径φ25.4mmのターゲットマスク条件下で、透過光にて測定した。その後測定箇所の中心から30mm以上あけるようにサンプルを移動させて同様の測定を4回繰り返した(任意の5点において測定を行った)。次に、式ΔE=((ΔL+(Δa+(Δb1/2を用いて色差ΔEを求めた。色調むらは、100mm×100mmのサンプルにおける30mmの間隔で測定して得られた5点の色差ΔEの最大値と最小値の差を、下記の基準で評価し、○:きわめて良好、△:良好、×:不可とした。
○:4.0以下
△:4.0より大きく5.0以下
×:5.0より大きい
(9)貼り合わせ検査
100mm幅のポリエステルフィルムに張力200Nでポリエステルフィルム表面に下記ウレタン系熱硬化型接着剤をウェット厚みで5g/m2塗布し、乾燥温度90℃で1分乾燥し、PETフィルム(東レ株式会社製、商品名:ルミラー、タイプU35・品番188)を用いて、ニップ圧力0.4MPa温度50℃でニップロールを使用して貼り合わせを行い、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを下記の基準で評価し、○:きわめて良好、△:良好、×:不可とした。
○:フィルムにスジ及びシワの発生がなかった。
△:フィルムにスジもしくはシワが発生していたが太さ3mm未満、かつ、長さ10mm未満であった。
×:フィルムに太さ3mm以上、あるいは、長さ10mm以上のスジもしくはシワが1個以上確認できる。
[接着剤]
三井化学ポリウレタン株式会社製ウレタンプレポリマー溶液“タケネート A−971”5重量部、三井化学ポリウレタン株式会社製ウレタンプレポリマー溶液“タケラック A−3”0.5重量部を酢酸エチル5重量部に溶解させたものを用いた。
(10)クロスニコル検査
フィルムの任意の点において100mm×100mmの寸法でサンプルを切り出し、クロスニコル条件下にてフィルムの外観を確認し、下記の基準で評価し、○:きわめて良好、△:良好、×:不可とした。
○:フィルムにスジの発生がなかった。
△:フィルムにスジの発生があるが太さ3mm未満、かつ、長さ10mm未満である。
×:フィルムに太さ3mm以上、あるいは、長さ10mm以上のスジが1本以上確認できる。
(11)ガラス板貼り検査
フィルムを100mm×100mmの寸法でサンプルを切り出し、パナック株式会社製光学粘着フィルム“パナクリーン”(登録商標)(厚み:50μm、品番:PD−S1)を用いてガラス板上に貼り付け、フィルムガラス板積層体とした。その後、100℃に熱したオーブンにおいて1時間静地した。その後室温まで冷やし、フィルムガラス板積層体の外観を確認し、下記の基準で評価し、○:きわめて良好、△:良好、×:不可とした。
○:フィルムにシワの発生がなかった。
△:フィルムにシワの発生があるが太さ3mm未満、かつ、長さ10mm未満である。
×:フィルムに太さ3mm以上、あるいは、長さ10mm以上のシワが1本以上確認できる。
(実施例1)
光学特性の異なる2種類のポリエステル樹脂として、固有粘度0.8のポリエチレンテレフタレートを用いた。(以下、PETとも表す、なお、延伸・熱処理後のフィルムでの面内屈折率は約1.66であった)。非晶性のポリエステル樹脂Bとしてシクロヘキサンジメタノールが30mol%共重合された共重合ポリエステル59wt%とPET41wt%を均等に分散したブレンドチップを用いた(以下、PETGということがある、延伸・熱処理後のフィルムでの面内屈折率は1.59であった、B層の総シクロヘキサンジメタノール量18mol%)。これらポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bをそれぞれ乾燥後、押出機に供給した。
このようにして準備したポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、それぞれ、ベント付き二軸押出機にて280℃の溶融状態とした後、ギヤポンプおよびフィルターを介して、909層のフィードブロックにて合流させた。なお、両表層部分はポリエステル樹脂Aとなるようにし、かつ隣接するポリエステル樹脂Aからなる層Aとポリエステル樹脂Bからなる層Bの層厚みは、ほぼ同じになるようにした。つづいて909層フィードブロックにて合流させ、T−ダイに導いてシート状に成形した後、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、キャストフィルムを得た。なお、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bの重量比が約1:1になるように吐出量を調整し、隣接する層の厚み比が約1となるにようにした。
得られたキャスティングフィルムは、85℃から100℃に設定したロール群で加熱し、第一延伸ロールと第二延伸ロールがそれぞれ2本のニップロールされている工程にて、縦方向に3.0倍延伸した。なおニップロールの圧力の総和は0.5MPaとした。その後一軸延伸フィルムをテンター装置に導き、100℃の熱風で予熱後、110℃の温度で幅方向に3.5倍延伸し、そのままテンター装置にて、温度220℃で熱処理を施した。その後リラックス率3%および150℃の熱風にて熱処理を行い、室温まで徐冷後、ワインダーで巻き取り、厚み42μmでの積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例2)
縦延伸倍率を3.7倍にした以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
縦延伸倍率を2.5倍にした以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例4)
縦延伸倍率を2.7倍にしニップロールの圧力の総和を0.6MPaとした以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例5)
縦延伸倍率を2.8倍にしニップロールの圧力の総和を0.4MPaとした以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例6)
熱処理温度を180℃にした以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例7)
熱処理温度を240℃にした以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例8)
ニップロールの圧力の総和は0.15MPaとした以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例9)
ニップロールの圧力の総和は0.8MPaとした以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例10)
非晶性のポリエステル樹脂Bとしてシクロヘキサンジメタノールが30mol%共重合された共重合ポリエステル20wt%とPET80wt%を均等に分散したブレンドチップを用いた(以下、PETGということがある、延伸・熱処理後のフィルムでの面内屈折率は1.64であった、B層の総シクロヘキサンジメタノール量6mol%)以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例11)
非晶性のポリエステル樹脂Bとしてスピログリコール成分20mol%共重合したポリエチレンテレフタレートの共重合体(延伸・熱処理後のフィルムでの面内屈折率は1.51であった)を用いた以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例12)
非晶性のポリエステル樹脂Bとしてスピログリコール成分20mol%共重合したポリエチレンテレフタレートの共重合体(延伸・熱処理後のフィルムでの面内屈折率は1.51であった)を用い、33層のフィードブロックとした以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(比較例1)
ニップロールの圧力の総和は1.2MPaとした以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(比較例2)
ニップロールの圧力の総和は0.05MPaとした以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(比較例3)
第二延伸ロール上のニップロールを第2ニップロールのみとし、熱処理温度を250℃にした以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
(比較例4)
第一延伸ロール上のニップロールを第1ニップロールのみとし、熱処理温度を180℃にした以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
Figure 2017132990
本発明の積層ポリエステルフィルムは、特にななめからフィルムを観察したときに色調むらが無く、さらに優れた表面品位を有する、光学用途に好適に用いることができる。本フィルムは特にLEDを光源とする画面の保護などに用いることができる。
1:第0ニップロール
2:第1ニップロール
3:第2ニップロール
4:第3ニップロール
5:第1延伸ロール
6:第2延伸ロール
7:ポリエステルフィルム

Claims (8)

  1. ウーラム社製エリプソメーターM−2000Dを使用して測定した測定角60°、測定波長235〜255nmにおける振幅比の変化ψの最大値のばらつきRψ60が0.10以上5.00以下であるポリエステルフィルム。
  2. ポリエステル樹脂Aからなる層(以下、A層という)とポリエステル樹脂Bからなる層(以下、B層という)を厚み方向に交互に30層以上積層しており、前記ポリエステル樹脂Aと前記ポリエステル樹脂Bの屈折率差が0.01以上0.20以下である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  3. MD方向およびTD方向の100℃における熱収縮率がいずれも0.01%以上1.00%以下である請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
  4. MD方向の100℃における熱収縮率むらが0.01%以上0.30%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  5. MD方向およびTD方向のヤング率がいずれも2.5GPa以上4.5GPa以下である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  6. 光学用フィルム用途に用いられる請求項1〜5いずれかに記載のポリエステルフィルム。
  7. LEDを光源とする画面の保護用フィルムに用いる請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステルフィルムを用いた画面保護用フィルム。
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