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JP2017004637A - 導光板、面光源装置、透過型表示装置 - Google Patents

導光板、面光源装置、透過型表示装置 Download PDF

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JP2017004637A JP2015114575A JP2015114575A JP2017004637A JP 2017004637 A JP2017004637 A JP 2017004637A JP 2015114575 A JP2015114575 A JP 2015114575A JP 2015114575 A JP2015114575 A JP 2015114575A JP 2017004637 A JP2017004637 A JP 2017004637A
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Abstract

【課題】モアレの発生を大幅に低減し、良好な映像を表示できる導光板、及び、これを備える面光源装置、透過型表示装置を提供する。【解決手段】導光板13は、背面側に凸となる柱状であり、入光面側の第1斜面部132と対向面側の第2斜面部133と第1斜面部132と第2斜面部133との間に位置する頂面部134とを有する背面側単位光学形状131が導光方向に複数配列され、第2斜面部133が導光板13の板面に平行な面となす角度をβとし、頂面部134が導光板13の板面に平行な面となす角度をγとするとき、0.2°<γ<0.7°、1°<β<5°、(β−γ)<2°という関係を満たすものとした。【選択図】図2

Description

本発明は、導光板、及び、これを備える面光源装置、透過型表示装置に関するものである。
従来、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の透過型表示部を背面から面光源装置(バックライト)によって照明し、映像を表示する透過型表示装置が知られている。
面光源装置は、大きく分けて、各種光学シート等の光学部材の直下に光源を配置する直下型のものと、光学部材の側面側に光源が配置されるエッジライト型のものがある。このエッジライト型の面光源装置は、光源を導光板等の光学部材の側面側に配置することから、直下型のものに比べて面光源装置をより薄型化できるという利点を有し、近年広く用いられている。
一般的に、エッジライト型の面光源装置では、導光板の側面である入光面に対面する位置に光源が配置されており、光源が発する光は、入光面から導光板に入射し、出光面と出光面に対向する背面とで反射を繰り返しながら、入光面に略直交する方向(導光方向)へ進む。そして、導光板の背面に設けられた拡散パターンやプリズム形状等によって光の進行方向を変化させることにより、出光面の導光方向に沿った各位置から少しずつ光がLCDパネル側へ出光していく。
近年では、背面にプリズム形状等の単位光学形状が複数配列された導光板が広く用いられている(特許文献1,2)。
特開2005−259361号公報 特開平9−166713号公報
導光板の背面の単位光学形状としては、例えば、出光面に平行であり、光を対向面側へ導光するために出光面に対して臨界角以上で入射するように光を反射する面と、出光面に対して傾斜しており、反射した光を出光面に対して臨界角未満で入射させて出光面から出射させる斜面とを有するものが知られている。
このような導光板は、光を拡散反射しないので、正面輝度を高くすることができ、また、導光方向において光源から離れた領域であっても、十分に導光することができ、光の均一性も良好である。
上述のような導光板では、主として斜面で反射し、出光面に対して臨界角未満で入射した光の多くが出光面から出射する。また、この斜面は、導光方向に複数配列されている。そのため、導光板からの出光量は、導光方向において大きくなったり、小さくなったりを繰り返して変化している。
これにより、面光源装置の出光面上に明暗縞が生じ、この明暗縞と液晶パネルの画素との干渉により、透過型表示装置の表示面上にモアレが生じて、ディスプレイの画質を大幅に低下させるという問題があった。
特許文献1,2には、上述のような面光源装置の出光面に生じる明暗縞や、透過型表示装置の表示面に生じるモアレに対する対策は、なんら開示されていない。
本発明の課題は、モアレの発生を大幅に低減し、良好な映像を表示できる導光板、及び、これを備える面光源装置、透過型表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、光が入射する入光面(13a)と、前記入光面に交差し光が出射する出光面(13c)と、前記出光面に対向する背面(13d)とを有し、前記入光面から入射した光を前記入光面に対向する面側へ導光しながら前記出光面から出射する導光板であって、前記背面に、背面側単位光学形状(131)が光の導光方向に複数配列され、前記背面側単位光学形状は、背面側に凸となる柱状であり、その配列方向に平行であって該導光板の厚み方向に平行な断面において、その断面形状が、入光面側に位置する第1斜面部(132)と、前記第1斜面部に対向する他方側に位置して入射する光の少なくとも一部を全反射する第2斜面部(133)と、前記第1斜面部と前記第2斜面部との間であって最も背面側に位置する頂面部(134,234)とを有し、前記頂面部は、第1斜面部側の端部が第2斜面部側の端部よりも背面側に位置するように傾斜しており、前記第2斜面部が該導光板の板面に平行な面となす角度をβとし、前記頂面部が該導光板の板面に平行な面となす角度をγとするとき、0.2°<γ<0.7°、1°<β<5°、(β−γ)<2°という関係を満たすこと、を特徴とする導光板(13,23)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の導光板において、前記背面側単位光学形状(131)は、配列ピッチP1が一定であり、前記配列ピッチP1に対して、前記第2斜面部(133)が前記背面側単位光学形状の配列方向において占める寸法Waの比Wa/P1は、前記入光面(13a)から離れるにつれて大きくなること、を特徴とする導光板(13,23)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の導光板において、前記頂面部(234)は、背面側への高さが異なる複数の面(234a〜234d)を有し、前記複数の面は、該導光板の板面に平行な面と角度γをなし、導光方向において最も第1斜面部側に位置する面(234a)が最も背面側への高さが小さく、第2斜面部側へ向かうにつれて背面側への高さが大きくなること、を特徴とする導光板(23)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の導光板(13,23)と、前記導光板の前記入光面(13a)に対面する位置に設けられ、前記入光面へ光を投射する光源部(12)と、前記導光板の出光面側に配置され、前記導光板から出射した光を、そのシート面の法線方向又は法線方向となす角度が小さくなる方向へ向ける偏向作用を有する偏向光学シート(15)と、前記導光板の背面側に配置され、前記導光板の前記背面から出射した光を導光板側に反射する反射部材(14)と、を備える面光源装置(10)である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の面光源装置(10)と、前記面光源装置によって背面側から照明される透過型表示部(11)と、を備える透過型表示装置(1)である。
本発明によれば、モアレの発生を大幅に低減でき、良好な映像を表示できる導光板、及び、これを備える面光源装置、透過型表示装置を提供することができる。
第1実施形態の透過型表示装置1を説明する図である。 第1実施形態の導光板13を説明する図である。 背面側単位光学形状131における光の様子を説明する図である。 プリズムシート15を説明する図である。 比較例1,2の導光板13B,13Cを説明する図である。 第2実施形態の導光板23を説明する図である。 モアレを生じさせる明暗縞について説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中において、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。例えば、光学シートは、光学フィルムとしてもよいし、光学板としてもよい。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、シート面(板面,フィルム面)とは、各シート(板,フィルム)において、そのシート(板,フィルム)全体として見たときにおける、シート(板,フィルム)の平面方向となる面を示すものであるとする。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の透過型表示装置1を説明する図である。
第1実施形態の透過型表示装置1は、LCDパネル11と面光源装置10とを備えている。透過型表示装置1は、LCDパネル11を背面側から面光源装置10で照明し、LCDパネル11に形成される映像情報を表示する。
なお、図1を含め以下の図中及び以下の説明において、理解を容易にするために、透過型表示装置1の使用状態において、透過型表示装置1の画面に平行であって互いに直交する2方向をX方向(X1−X2方向)、Y方向(Y1−Y2方向)とし、透過型表示装置1の画面に直交する方向をZ方向(Z1−Z2方向)とする。なお、Z方向においてZ1側が背面側であり、Z2側は観察者側である。
透過型表示装置1の画面は、LCDパネル11の最もZ2側(観察者側)の面(以下、表示面という)11aに相当する。また、透過型表示装置1の「正面方向」とは、この表示面11aの法線方向であり、Z方向に平行であり、後述する導光板13の板面の法線方向やプリズムシート15のシート面の法線方向と一致するものとする。また、透過型表示装置1の表示面11aは、XY面に平行であり、後述する導光板13の板面、プリズムシート15のシート面と平行であるとする。
LCDパネル11は、透過型の液晶表示素子により形成された略板状の部材であり、その表示面11aに映像情報を形成する透過型表示部である。本実施形態のLCDパネル11の外形及び表示面11aは、Z方向から見て略矩形形状であり、X方向に平行な対向する2辺と、Y方向に平行な対向する2辺とを有している。
面光源装置10は、LCDパネル11をZ1側(背面側)から照明する装置であり、所謂、エッジライト型の面光源装置(バックライト)である。
面光源装置10は、光源部12、導光板13、反射シート14、プリズムシート15、光学シート16を備えている。導光板13、反射シート14、プリズムシート15、光学シート16等は、Z方向から見て略矩形形状であり、X方向に平行な対向する2辺と、Y方向に平行な対向する2辺とを有している。
光源部12は、LCDパネル11を照明する光を発する部分である。光源部12は、導光板13のX方向の一方(X1側)の端面である入光面13aに対面する位置に、Y方向に沿って配置されている。
光源部12は、点光源121がY方向に所定の間隔で複数配列されて形成されている。点光源121は、LED(Light Emitting Diode)光源である。
なお、光源部12は、例えば、Y方向に延在する冷陰極管等の線光源としてもよいし、Y方向に延在するライトガイドの端面に光源を配置した形態としてもよい。また、光源部12の発する光の利用効率を向上させる観点から、光源部12の外側(X1側やZ2側)を覆うように不図示の反射板を設けてもよい。
導光板13は、光を導光する略平板状の部材であり、入光面13aと、対向面13bと、出光面13cと、背面13dとを有している。導光板13は、光源部12が発する光を入光面13aから入射させ、出光面13cと背面13dとで全反射させながら、入光面13aに対向する対向面13b側(X2側)へ、主にX方向に導光しながら、出光面13cからプリズムシート15側(Z2側)へ適宜出射させる。
本実施形態の導光板13の入光面13a及び対向面13bは、導光板13のX方向の両端部(X1側端部、X2側端部)に位置している。また、特に断りがない場合、導光板13の出光面13c、背面13dは、それぞれ、導光板13全体として見たときの出光側の面、背面側の面であり、XY面及び導光板13の板面に平行であるとする。
以下、導光板13の各部について説明する。
図2は、第1実施形態の導光板13を説明する図である。図2(a)は、出光側単位光学形状135を説明する図であり、図2(b)は、背面側単位光学形状131を説明する図である。図2(a)では、導光板13のYZ面に平行な断面の一部を拡大して示し、図2(b)では、導光板13のXZ面に平行な断面の一部を拡大して示している。
出光側単位光学形状135は、図1及び図2(a)に示すように、出光側(LCDパネル11側、Z2側)に凸となる柱状であり、導光板13の観察者側(Z2側)の面に、長手方向(稜線方向)をX方向とし、Y方向に複数配列されて形成されている。
出光側単位光学形状135は、図2(a)に示すように、その配列方向に平行であって導光板13の板面に直交する断面(YZ面)での断面形状が、略五角形形状である。
この出光側単位光学形状135の頂角は、δ1であり、谷側の斜面がZ方向となす角度は、δ2である。また、出光側単位光学形状135の配列ピッチは、P2である。本実施形態の配列ピッチP2は、出光側単位光学形状135の配列方向の幅W2に等しい(P2=W2)形態となっている。
出光側単位光学形状135の配列ピッチP2は、10〜100μm程度とすることが好ましい。
配列ピッチP2がこの範囲よりも小さいと、出光側単位光学形状135の製造が困難となり、設計通りの形状が得られなくなり、所望する光学性能が得られない場合がある。また、配列ピッチP2がこの範囲よりも大きいと、LCDパネル11の画素とのモアレが生じやすくなったり、面光源装置10等としての使用状態において、出光側単位光学形状135のピッチが筋状に認識されやすくなったりする。従って、配列ピッチP2は、上記範囲とすることが好ましい。
なお、出光側単位光学形状135は、上記の例に限らず、所望する光学性能に合わせて、その形状を変更してもよい。例えば、出光側単位光学形状135は、断面形状が二等辺三角形形状や台形形状等となる多角柱形状や、長軸が導光板13の板面(出光面13c)に直交する楕円柱の一部形状としてもよいし、円柱の一部形状としてもよい。また、出光側単位光学形状135は、複数種類の曲面や平面を組み合わせてなる形状としてもよい。
出光側単位光学形状135は、その長手方向(稜線方向)が、導光板13の主たる光の導光方向(X方向)に平行であり、導光方向に直交する方向(Y方向)に複数配列されている。出光側単位光学形状135は、導光板13から出射する光に対して、その配列方向における光線制御作用を有し、導光板13からの出射光のY方向における集光性等を向上させることができる。なお、このような光線制御作用を必要としない場合には、出光面13cに出光側単位光学形状135を形成しない形態としてもよい。
背面側単位光学形状131は、図1,図2(b)に示すように、背面側(Z1側)に凸となる柱状であり、導光板13の背面側(Z1側)の面に、長手方向(稜線方向)をY方向とし、導光方向となるX方向に複数配列されている。
背面側単位光学形状131は、図2(b)に示すように、その配列方向に平行であって導光板13の板面に直交する方向における断面(XZ面)における断面形状が略四角形形状である。背面側単位光学形状131は、入光面側(X1側)に位置する第1斜面部132と、対向面側(X2側)に位置し、入射する光の少なくとも一部を全反射する第2斜面部133と、第1斜面部132及び第2斜面部133との間に位置する頂面部134とを有している。
背面側単位光学形状131の配列ピッチは、P1である。本実施形態の配列ピッチP1は、背面側単位光学形状131の配列方向の幅W1に等しい(P1=W1)形態となっている。
背面側単位光学形状131の配列ピッチP1は、P1=80〜300μm程度とすることが好ましい。
配列ピッチP1が、この範囲よりも小さいと、背面側単位光学形状131の製造が困難となり、設計通りの形状が得られなくなり、所望する光学性能が得られない場合がある。また、配列ピッチP1がこの範囲よりも大きいと、LCDパネル11の画素とのモアレが生じやすくなったり、面光源装置10等としての使用状態において、背面側単位光学形状131のピッチが筋状に認識されやすくなったりする。
従って、配列ピッチP1は、上記範囲とすることが好ましい。
図3は、背面側単位光学形状131における光の様子を説明する図である。
図2に示すように、第1斜面部132は、導光板13の板面(XY面)と角度αをなしている。また、第2斜面部133は、導光板13の板面と角度βをなしている。また、頂面部134は、導光板13の板面と角度γをなしている。角度α,β,γは、α>β>γ>0°である。
第1斜面部132は、図2(b),図3に示すように、入光面側端部よりも対向面側端部(頂面部134側の端部)が背面側(Z2側)となるように傾斜している。第1斜面部132と導光板13の板面(出光面13cに平行な面)とがなす角度αは、約50〜85°である。導光板13内を対向面側(X2側)へ導光する光は、入光面13aから対向面13bへ(X1側からX2側へ)進むが、第1斜面部132が上述のような形状であるので、第1斜面部132に入射しにくい。
第2斜面部133は、図2(b),図3に示すように、対向面側端部よりも入光面側端部の方が背面側(Z2側)となるように傾斜しており、導光板13の板面(XY面)と角度βをなしている。
第2斜面部133は、導光板13内を導光する光の一部が入射し、入射した光の少なくとも一部を全反射する斜面である。図3に示すように、第2斜面部133で全反射する光(光L1)は、全反射により、出光面13c(XY面に平行な面)に対する入射角度が小さくなる方向に進行方向が変化する。そして、第2斜面部133で全反射した後に、出光面13cに対して臨界角以上で入射した光は、導光を続けるが、臨界角未満で出光面13cに入射した光の少なくとも一部(光L1)は、導光板13から出射する。
頂面部134は、図2(b),図3に示すように、その第2斜面部133側(対向面側、X2側)の端部が、第1斜面部132側(入光面側、X1側)の端部よりも出光面側(Z2側)に位置するように傾斜しており、導光板13の板面(XY面)と角度γをなしている。
図3に示すように、導光方向(X方向)に進み頂面部134に入射した光の少なくとも一部は、全反射して出光面13c側へ進む。このとき、全反射により出光面13cに対して、出光面13cに対する入射角度が小さくなる方向へ、光の進行方向が変化する。
多くの光(光L2)は、出光面13cで全反射して対向面側へ導光を続けるが、一部の光(光L3)は、出光面13cへ臨界角未満の角度で入射して導光板13から出光する。
しかし、γ<βであるので、頂面部134での全反射前後での角度変化は、第2斜面部133での全反射前後での角度変化よりも小さい。従って、頂面部134で全反射して導光板13から出射する光は、第2斜面部133で全反射して導光板13から出射する光に比べて少ない。
このような導光板13において、光の導光効率及び取り出し効率の双方を向上させる観点等から、角度βは、1°<β<5°を満たすことが好ましい。
また、角度γは、0.2°<γ<0.7°を満たすことが、光の導光効率を上げ、かつ、導光板13の導光方向における出光量の差を低減し、導光板13の出光量差に起因する面光源装置の出光面の明暗縞とLCDパネル11の画素との干渉によるモアレを改善する観点から好ましい。
さらに、角度γ、角度βは、(β−γ)<2°を満たすことが、導光板13の出光量差に起因する面光源装置の出光面の明暗縞とLCDパネル11の画素との干渉によるモアレを改善する観点から好ましい。
これらの理由の詳細については、後述する。
図2(b)に示すように、背面側単位光学形状131の配列方向における第2斜面部133の寸法をWaとするとき、配列ピッチP1に対する寸法Waの比Wa/P1は、導光方向において入光面側から対向面側へ向かうにつれて大きくなっている。
本実施形態の比Wa/P1は、最も入光面13a側(X1側)では0であり、対向面13b側へ向かうにつれて次第に大きくなり、最も対向面側(X2側)では約0.5となっている。
この比Wa/P1は、上記のように角度γがγ>0°である場合、最も入光面側での最小値が約0、最も対向面側での最大値が約0.5となるような範囲内であれば、上記の例に限らず、所望する光学性能等に応じて、適宜その値を設定できる。
本実施形態のように、角度γが0.2°<γ<0.7°である場合、頂面部134に入射した光の一部が、頂面部134で全反射して出光面13cに臨界角未満で入射し、導光板13から出射するので、比Wa/P1=0となる領域を設けても(例えば、背面側単位光学形状131を第2斜面部133がない形状である領域を設けても)、導光板13から光を出射させることができる。
対向面側へ向かうにつれて比Wa/P1を大きくすることにより、背面側単位光学形状131における第2斜面部133の占める割合が大きくなる。これにより、対向面側(X2側)への導光効率が向上し、また、光量が低下する対向面側においても効率よく導光板13から光を出光させることができ、導光方向における明るさの均一性を向上させることができる。
なお、本実施形態の比Wa/P1は、背面側単位光学形状131の配列方向(導光方向、X方向)に沿って、連続的に、次第に変化する形態とするが、これに限らず、例えば、段階的に変化する形態としてもよい。
導光板13は、背面側単位光学形状131を賦形する凹状の成形型を、バイト等で切削する等して作製し、その成形型を用いて、押出成形法や射出成形する等により形成される。使用する熱可塑性樹脂は、光透過性が高いものであれば特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、COP(シクロオレフィンポリマー)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂等が挙げられる。
なお、これに限らず、導光板13は、押出成形等により成形したシート状の部材の両面に、紫外線成形法によって、背面側単位光学形状131及び出光側単位光学形状135を一体に形成して、導光板13としてもよい。
図1に戻って、反射シート14は、光を反射可能なシート状の部材であり、導光板13よりも背面側(Z1側)に配置されている。この反射シート14は、導光板13からZ1側へ向かう光を反射して、導光板13側へ向ける機能を有している。
反射シート14は、例えば、主として拡散反射性を有し、反射率の高い白色の樹脂製のシート状部材等を用いることができる。
また、反射シート14は、光の利用効率等を高める観点等から、主として鏡面反射性(正反射性)を有するものを用いてもよい。例えば、反射シート14は、少なくとも反射面(導光板13側の面)が金属等の高い反射率を有する材料により形成されたシート状の部材、高い反射率を有する材料により形成された薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート状の部材等を用いることができる。
図4は、プリズムシート15を説明する図である。図4では、プリズムシート15のXZ面に平行な断面の一部を拡大して示している。
プリズムシート15は、導光板13よりもLCDパネル11側(Z2側、観察者側)に配置されている(図1参照)。プリズムシート15は、導光板13の出光面13cから出射し、Z方向(正面方向)に対して角度をなす方向へ進む光の進行方向を、Z方向又は、Z方向となす角度が小さい方向へ偏向(集光)する作用を有する偏向光学シートである。
プリズムシート15は、プリズム基材層152と、プリズム基材層152のZ1側(導光板13側)に複数配列されて形成された単位プリズム151とを有している。
プリズム基材層152は、プリズムシート15のベース(基材)となる部分である。プリズム基材層152は、光透過性を有する樹脂製のシート状の部材が用いられる。
単位プリズム151は、Z1側(導光板13側)に凸となる柱形状であり、プリズム基材層152の背面側(Z1側)の面に、長手方向(稜線方向)をY方向とし、X方向に複数配列されている。この単位プリズム151の配列方向は、透過型表示装置1の表示面の法線方向(Z方向)から見て、導光板13の背面側単位光学形状131の配列方向に平行であり、出光側単位光学形状135の配列方向と直交している。
本実施形態の単位プリズム151は、略三角柱形状であり、入光面側の面153と、対向面側の面154とを有している。その配列方向(X方向)及びシート面に直交する方向(Z方向)に平行な断面(XZ面)での単位プリズム151の断面形状は、頂角をεとする略三角形形状である。
入光面側の面153は、シート面に平行な面(XY面)と角度θ3をなしている。
対向面側の面154は、外側へ凸となる折れ面状となっており、プリズム基材層側の第1の面154aと、頂角側の第2の面154bとを有している。第1の面154aは、シート面に平行な面(XY面)と角度θ1をなし、第2の面154bは、シート面に平行な面(XY面)と角度θ2をなしている。
単位プリズム151は、配列ピッチがP3、配列方向の幅がW3である。本実施形態の単位プリズム151は、配列方向において配列ピッチP3と配列方向のレンズ幅W3とが等しい(P3=W3)形態となっている。
単位プリズム151の配列ピッチP3は、一般的に10〜200μmとすることができる。しかし、近年、単位プリズム151の配列の高精細化が急速に進んでおり、より効率よく導光板13からの光を正面方向へ向けるために、配列ピッチP3は、10〜40μmとすることが好ましい。配列ピッチP3が、10μmよりも小さいと、製造が困難であり、好ましい光学性能が得られない。また、配列ピッチP3が40μmよりも大きいと、LCDパネル11の画素との干渉によるモアレが生じやすくなったり、面光源装置10等としての使用状態において、単位プリズム151のピッチが筋状に認識されやすくなったりする。そのため、単位プリズム151の配列ピッチP1は、上記範囲が好ましい。
導光板13からの出射光は、その多くが、XZ面内において、正面方向(Z方向)に対してX2側に大きく角度をなす方向に出射する。プリズムシート15は、図4に示すように、導光板13から出射した光L(光L4,L5)を入光面側の面153から入射させ、対向面側の面154で全反射させることにより、その進行方向を正面方向(Z方向)又は正面方向に対してなす角度が小さくなる方向へ偏向(集光)する。
なお、単位プリズム151は、上記の例に限らず、二等辺三角形柱形状や他の多角柱形状としてもよいし。また、単位プリズム151は、対向面側の面154が3つ以上の面からなる折れ面状としてもよいし、入光側の面も複数の面からなる折れ面状となっていてもよい。また、単位プリズム151は、曲面と平面とを組み合わせた形状としてもよい。
プリズムシート15は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂製や、PC樹脂製等のシート状のプリズム基材層152の片面に、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂により単位プリズム151を複数配列して形成することにより作製される。
なお、これに限らず、例えば、プリズムシート15は、PC樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン共重合体)樹脂、PET樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂等の熱可塑性樹脂を押し出し成形すること等により形成してもよい。
図1に戻って、光学シート16は、特定の偏光状態の光を透過し、それ以外の偏光状態の光については反射する機能を有する偏光選択反射シートである。光学シート16は、プリズムシート15のLCDパネル11側(Z2側、観察者側)に設けられている。
光学シート16は、その透過軸が、LCDパネル11の入光側(Z1側)に位置する不図示の偏光板の透過軸と平行となるように配置することが、輝度向上や光の利用効率向上の観点から好ましい。
このような偏光選択反射性を有する光学シート16としては、例えば、DBEFシリーズ(住友スリーエム株式会社製)を使用することができる。
なお、光学シート16は、各種汎用の光拡散性を有するシート状の部材を、面光源装置10及び透過型表示装置1として所望される光学性能や、導光板13等の他の光学部材の光学特性等に合わせて、適宜選択して用いてよい。
例えば、光学シート16は、光を拡散する作用を有する光拡散シートとしてもよい。光学シート16として、光拡散シートを用いることにより、視野角を適度に広げたり、LCDパネル11の不図示の画素と単位プリズム151等とによって生じるモアレ等を低減したりする効果が得られる。
このような光拡散シートは、拡散材を含有する樹脂製のシート状の部材や、基材となる樹脂製のシート状の部材の少なくとも片面等に拡散材を含有するバインダをコートした部材や、基材となる樹脂製のシート状の部材の片面等にマイクロレンズアレイが形成されたマイクロレンズシート、レンチキュラーレンズシート等の各種光学シート等を用いることができる。
また、前述のプリズムシート15のプリズム基材層152の出光側(Z2側)の面に、光学シート16との光学密着の防止や、光拡散機能の付与を目的として、微細凹凸形状を形成してもよい。このような凹凸形状としては、ビーズ状フィラーを含有するバインダをコートして形成したマット層等が好適であるが、この限りではない。
さらに、偏光選択反射性を有する光学シート16の背面側(Z1側)に、さらに、上述のような光拡散性を有するシート等を配置してもよい。
図7は、モアレを生じさせる明暗縞について説明する図である。図7には、角度γ=0°である背面側単位光学形状131bを有する導光板13Bとプリズムシート15が示されている。理解を容易にするために、プリズムシート15は、その単位プリズム151を省略して簡単に示している。
背面側単位光学形状が背面側に凸となる三角柱形状であった場合、その頂角が反射シート14を損傷したり、頂角が破損したりするという問題が生じやすい。そのため、図7に示すような、四角柱形状であって、頂面部134が出光面13c(XY面)に平行(γ=0°)な背面側単位光学形状131bを形成した導光板が用いられてきた。
このような背面側単位光学形状131bを有する導光板では、主として第2斜面部133で全反射した光は、出光面13cから出光するが、頂面部134で全反射した光は、全反射の前後で出光面13cに対する角度が変化しないため、その多くが導光し続ける。そのため、導光板13Bからの出光量は、第2斜面部133で全反射した光が出光面13cに入射する領域では大きく、それ以外の領域では小さく、導光方向において大きくなったり、小さくなったりを繰り返す。
導光板13Bよりも観察者側(Z2側)には、導光板13Bから出光した光を正面方向へ立ち上げるためのプリズムシート15が配置されるが、プリズムシート15を正面方向から観察した場合、この導光板13Bからの出光量の差に起因する明暗縞が生じている。この明暗縞は、長手方向を導光方向に直交する方向(Y方向)とする明線と暗線とが、導光方向に繰り返し現れる形態である。
導光板13Bからの出光量の差による微細な明暗縞は、光拡散シート等、面光源装置に用いられる各種光学シートでは解消されず、面光源装置の出光面においても生じている。
明暗縞の明線は、主に背面側単位光学形状131bの第2斜面部133で反射して出光した光によるものであり、明線のピッチは、第2斜面部133のピッチ(すなわち背面側単位光学形状131bの配列ピッチ)に略対応する。第2斜面部133の配列ピッチは、非常に小さい(P1=80〜300μm)のため、明暗縞のピッチも小さく、面光源装置の出光面での明暗縞は、人間の目に視認されにくい。
しかし、この明暗縞が生じている面光源装置にLCDパネルを積層し、透過型表示装置としてその表示面に映像を表示すると、この明暗縞とLCDパネルの画素(ドット)との干渉によって、透過型表示装置の表示面上に、明暗縞の明線よりも明るい明線が400〜500μmピッチで生じるモアレが発生する。このモアレの明線は、明るく、その配列ピッチが人間の目に認識されやすい大きさであるため、ディスプレイの画質を大幅に低下させるという問題があった。そして、このモアレは、入光面側でより顕著に視認される傾向があった。
そこで、本願発明は、背面側単位光学形状131の角度γ、角度βに関して、以下の3式を満たすものとすることにより、上記の明暗縞を大幅に低減し、モアレを大幅に改善して良好な映像を表示するものとした。
0.2°<γ<0.7° ・・・(式1)
1°<β<5° ・・・(式2)
(β−γ)<2° ・・・(式3)
式1に関して、γ≦0.2°となる場合、頂面部134での全反射前後での出光面13cに対する角度変化が小さくなりすぎ、頂面部134で全反射して導光板13から出射する光が少なくなる。そのため、導光板13から出光する光の大半が第2斜面部133で全反射した光となる。そのため、導光板13の導光方向における出光量の差に起因する明暗縞が改善されない。
また、角度γ≧0.7°となる場合、頂面部134での全反射前後での出光面13cに対する角度変化が大きくなり、頂面部134で全反射して導光板13から出射する光が増える。そのため、導光効率が低下し、対向面側が暗くなる等、明るさの面均一性が低下する。
以上のことから、角度γは、上記式1を満たすことが好ましい。
式2に関して、β≦1°であると、導光方向(X方向)に進む光が、第2斜面部133で全反射したとき、全反射前後での出光面13c(XY面に平行な面)となす角度の変化量が小さくなり過ぎる。そのため、β≦1°では、出光面13cに臨界角未満で入射する光が減少し、導光板13から十分に光を取り出すことができず、光の取り出し効率が低下する。
また、β≧5°であると、導光方向(X方向)に進む光が、第2斜面部133で全反射したとき、全反射前後での出光面13cとなす角度の変化量が大きくなり過ぎ、入光面側で出光量が増えるが対向面側での出光量が減少し、導光効率が低下する。また、β≧5°であると、導光板13からの出光方向のばらつきも大きくなるので、プリズムシート15での正面方向(Z方向)への偏向作用が不十分となり、光の収束性が低下して、正面輝度が低下する。
以上のことから、角度βは、上記の式2を満たすことが好ましい。
式3に関して、(β−γ)≧2°となる場合、角度βと角度γとの差が大きく、第2斜面部133で全反射して出光する光と、頂面部134で全反射して出光する光との出光量の差が大きく、明暗縞が低減されない。従って、角度β及び角度γは、式3の範囲を満たすことが好ましい。
ここで、第1実施形態の実施例の導光板13と比較例1,2,3の導光板とを用意し、透過型表示装置を組み立て、モアレの有無に関して調べた。
図5は、比較例1,2の導光板13B,13Cを説明する図である。
図5(a)は、比較例1の導光板13Bを示し、図5(b)は、比較例2の導光板13Cを示している。図5では、比較例1,2の導光板13B,13CのXZ面に平行な断面の一部を拡大して示している。
以下に、実施例及び比較例1〜3の導光板の詳細について説明する。
実施例の導光板13の背面側単位光学形状131は、配列ピッチP1=148μm、角度β=1.8°、角度γ=0.4°、β−γ=1.4°であり、前述の式1〜式3を満たしている。
比較例1の導光板13Bは、背面側単位光学形状131bの角度γ=0°である点以外は、実施例の導光板13と略同様の形態である。この比較例1の導光板13Bの背面側単位光学形状131bは、配列ピッチP1=148μm、角度β=2.3°、角度γ=0°<0.2°、β−γ=2.3°>2°であり、式2を満たしているが、式1及び式3を満たしていない。
比較例2の導光板13Cは、背面側単位光学形状131cの角度β,γが(β−γ)>2°である点以外は、実施例の導光板13と略同様の形態である。この比較例2の導光板13Cの背面側単位光学形状131cは、配列ピッチP1=148μm、角度β=2.5°、角度γ=0.4°、β−γ=2.1°>2°であり、式1及び式2を満たしているが、式3を満たしていない。
図示していないが、比較例3の導光板は、背面側単位光学形状の角度γ>0.7°である点以外は、実施例の導光板13と略同様の形態である。この比較例3の導光板の背面側単位光学形状は、配列ピッチP1=148μm、角度β=2.4°、角度γ=0.8°>0.7°、β−γ=1.6°であり、式1を満たしていないが、式2及び式3を満たしている。
実施例の導光板13及び比較例1,2の導光板13B、13C、比較例3の導光板は、いずれも、アクリル系樹脂製であり、その屈折率は1.49である。また、実施例の導光板13及び比較例1,2の導光板13B、13C、比較例3の導光板は、その厚みが約600μmである。
実施例の導光板13、比較例2の導光板13C、比較例3の導光板の比Wa/P1は、最も入光面側で0、最も対向面側で約0.5であり、入光面側から対向面側へ連続的に大きくなっている。比較例1の導光板13Bの比Wa/P1は、最も入光面側で約0.2、最も対向面側で約0.8であり、入光面側から対向面側へ連続的に大きくなっている。
実施例の導光板13及び比較例1、2の導光板13B、13C、比較例3の導光板において、出光側単位光学形状135は、図2(a)に示すような五角形柱形状であり、配列ピッチP2=36μm、角度δ1=140°、角度δ2=45°である。
これらの実施例の導光板13及び比較例1,2の導光板13B,13C、比較例3の導光板を、それぞれ面光源装置10に組み込み、透過型表示装置1を作成して映像(白色画面)を表示し、モアレの有無を目視によって調べた。
実施例の導光板13及び比較例1,2の導光板13B,13C、比較例3の導光板をそれぞれ組み込む透過型表示装置1において、各導光板以外の他の部材は、同じものを用いている。
光源部12は、点光源121にLED光源(白色光)を用いている。
反射シート14は、PET樹脂製の白色シートである。
プリズムシート15:
プリズム基材層152は、厚さ125μm、PET樹脂製のシート状の部材である。
単位プリズム151は、アクリルウレタン樹脂(紫外線硬化型樹脂)製であり、略三角柱形状である。単位プリズム151は、配列ピッチP3=18μm、角度θ1=58.5°、角度θ2=56°、角度θ3=58.3°、角度ε=65.7°である。
光学シート16は、偏光選択反射シート(住友スリーエム株式会社製 DBEF−D3−260)である。
LCDパネル11は、有効表示画面8インチ、不図示の画素の配列ピッチが90μm、導光方向(X方向)における透過部(カラーフィルタ)の割合が78%である。
モアレの評価方法は、実施例の導光板13及び比較例1,2の導光板13B,13C、比較例3の導光板を組み込んだ各透過型表示装置1を暗室環境下に用意し、その表示面に白色画面を表示する。そして、その表示面の中心からZ方向に沿ってZ2側に20センチ離れた位置から観察者が表示面を観察し、モアレが視認されるか否かを被験者が目視で判断する。なお、モアレは、明室環境下に比べて暗室環境下の方が観察しやすいため、暗室環境下において評価を行った。
Figure 2017004637
表1は、実施例の導光板13及び比較例1,2の導光板13B,13C、比較例3の導光板の角度β、γ等と透過型表示装置に組み込んで映像を表示した場合のモアレの強度に関してまとめた表である。
表1に示すように、比較例1の導光板13Bを用いた透過型表示装置では、その画面に、導光板13Bからの出光量差に起因した明暗縞とLCDパネル11の画素との干渉によるモアレが画面全体に著しく生じていた。このモアレは、強度が強く、良好な映像の視認を大きく妨げ、画質を著しく低下させた。
比較例2の導光板13Cを用いた透過型表示装置では、比較例1の導光板13Bを用いた透過型表示装置よりも強度が弱いモアレが発生しており、画質の低下が生じていた。
比較例3の導光板を用いた透過型表示装置では、画面にモアレは生じていたが、比較例1及び比較例2の透過型表示装置に比べて、その強度は弱かった。しかし、対向面側の輝度が低下して暗く、輝度ムラが生じており、明るさの面均一性が低下していた。
また、比較例2の導光板13C、比較例3の導光板を用いた透過型表示装置では、導光板の入光面側(光源部側)の比Wa/P1が0〜10%程度の領域では、モアレは生じておらず、対向面側に向かうにつれてモアレが発生し、その強度が強くなっていた。これは、比Wa/P1が0〜10%程度の領域では、第2斜面部133が小さく、第2斜面部133に入射する光は少なく、各導光板から出射する光は、ほとんどが頂面部134で全反射して出光面13cに臨界角未満で入射した光であり、出光量差がわずかであり、明暗縞がほとんど発生しないか生じてもその明暗差がわずかであるためであった。
一方、実施例の導光板13を用いた実施例の透過型表示装置1では、モアレは生じていたが、非常に弱く、映像の視認に与える影響は非常に小さく、良好な映像が視認された。
また、実施例の導光板13を用いた透過型表示装置1では、導光効率が高く、明るさの面均一性が高かった。
さらに、実施例の導光板13を用いた透過型表示装置1においても、導光板の入光面側の比Wa/P1が0〜10%程度の領域では、モアレは生じておらず、対向面側に向かうにつれてモアレが発生していたが、その強度は小さく、画質にほとんど影響が出ず、良好な映像が観察された。
以上のことから、本実施形態によれば、導光板13の導光方向における出光量の変化を低減して明暗縞の差を大幅に低減し、モアレの発生を改善し、良好な映像を表示できる。
また、本実施形態によれば、導光方向における輝度ムラを大幅に抑制し、明るさの面均一性も良好な透過型表示装置1とすることができる。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態の導光板23を説明する図である。図6では、導光板23のXZ面に平行な面での断面を拡大して示している。
第2実施形態の導光板23は、頂面部234が、複数の斜面で形成された階段状となっている点が異なる以外は、第1実施形態の導光板13と略同様の形態である。したがって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の導光板23は、Z2側の面に出光側単位光学形状135が複数配列されて形成され、Z1側の面に背面側単位光学形状231が複数配列されて形成されている。
背面側単位光学形状231は、背面側(Z1側)に凸となる柱状であり、長手方向(稜線方向)をY方向とし、導光方向となるX方向に複数配列されている。背面側単位光学形状231は、図5に示すように、その配列方向に平行であって導光板13の板面に直交する方向における断面(XZ面)における断面形状が略四角形形状である。
背面側単位光学形状231は、入光面側(X1側)に位置する第1斜面部132と、対向面側(X2側)に位置し、入射する光の少なくとも一部を全反射する第2斜面部133と、第1斜面部132及び第2斜面部133との間に位置する頂面部234とを有している。
頂面部234は、背面側(Z1側)への高さhの異なる複数の面を有している。ここで、背面側(Z1側)への高さhとは、背面側単位光学形状231間の谷底に位置する点vを通り導光板13の板面に平行な面から、背面側(Z1側)に位置する各面の中央となる点への寸法であるものとする。
一例として、図5に示す頂面部234は、4つの面234a,234b,234c,234dを有している。この面234a〜234dは、出光面13cに平行な面(XY面)に対していずれも角度γをなし、対向面側端部が入光面側端部よりも高さhが低い(Z2側に位置する)形態となっている。また、各面234a〜234dは、背面側単位光学形状231の長手方向(Y方向)を長手方向とし、背面側単位光学形状231の配列方向(X方向)に平行な方向に配列されている。
面234a〜234dのうち、最も第1斜面部132側(入光面側、X1側)に位置する面234aがZ方向において最も出光面側(Z2側)に位置し、第2斜面部133側(対向面側、X2側)に向かうにつれて、次第に背面側(Z1側)となり、最も第2斜面部133側に位置する面234dは、最も背面側(Z1側)に位置している。頂面部234は、これらの面234a〜234dにより、配列方向(X方向)に沿って階段状となっている。従って、この導光板23は、反射シート14との接触面積が小さい。
また、面234a〜234dの間に斜面234eが形成されている。この斜面234eは、導光板13の板面(XY面に平行な面)と角度αをなし、第1斜面部132に平行な斜面である。
第2実施形態の導光板23は、角度γ、角度βに関する前述の式1〜式3を満たしている。
なお、本実施形態では、面234a〜234dは、その配列方向における幅が等しい例を挙げて説明するが、配列方向における幅は、等しくなくてもよい。また、各面間の背面側への高さhの差は、一定であってもよいし、異なっていてもよい。さらに、面234a〜234dが導光板13の板面となす角度γは、前述の式1〜式3を満たすならば、各面によって異なっていてもよい。
本実施形態によれば、透過型表示装置の表示面に表れるモアレを抑制し、良好な映像を表示できる。
また、本実施形態によれば、導光方向における輝度ムラを抑制し、明るさの面均一性を向上させることができる。
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)面光源装置10は、対向面13bを第2入光面13bとし、この面に対向する位置にさらに光源部12を配置してもよい。
この場合、例えば、背面側単位光学形状131は、その配列方向(X方向)において、入光面13aから導光板13の中心点までは、上述の実施形態の形状であり、その中心点から第2入光面13bまでは、上述の実施形態のX方向を逆転した形状とする。このとき、中心点から第2入光面13bまでは、X2側に向かうにつれて比Wa/P1が次第に小さくなる形状とすることが好ましい。導光板13の背面13dは、XZ面に平行な断面において、X方向(導光方向)の中心を通りZ方向に平行な直線を軸として対称な形状となる。
(2)導光板13は、入光面側(X1側)が厚く、対向面側(X2側)へ進むにつれて次第に薄くなる形状としてもよい。
(3)出光側単位光学形状135は、配列ピッチP2が配列方向における幅W2よりも大きく、各出光側単位光学形状135間に、平面部や凹部等が形成された形状としてもよい。なお、背面側単位光学形状131,231についても同様に、配列ピッチP1が幅W1よりも大きな形状としてもよい。
(4)面光源装置10は、導光板13の背面側(Z1側)に反射シート14が配置される例を示したが、これに限らず、例えば、反射シート14ではなく、面光源装置10又は透過型表示装置1の筐体の導光板13の背面側に位置する面に、白色や銀色等の光反射性を有する塗料や金属箔等を塗付又は転写等して形成してもよい。
(5)使用環境や所望の光学性能に合わせて、面光源装置10として導光板13と組み合わせて用いる各種光学シート等は、適宜選択して用いることができる。例えば、プリズムシート15以外の偏向作用を有する光学シートを用いてもよい。また、プリズムシート15とLCDパネル11との間に、拡散作用を有する光学シートや、各種レンズ形状やプリズム形状が形成された他の光学シート等を組み合わせて配置してもよい。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 透過型表示装置
10 面光源装置
11 LCDパネル
12 光源部
13,23 導光板
131,231 背面側単位光学形状
132 第1斜面部
133 第2斜面部
134,234 頂面部
135 出光側単位光学形状
14 反射シート
15 プリズムシート
151 単位プリズム
16 光学シート

Claims (5)

  1. 光が入射する入光面と、前記入光面に交差し光が出射する出光面と、前記出光面に対向する背面とを有し、前記入光面から入射した光を前記入光面に対向する面側へ導光しながら前記出光面から出射する導光板であって、
    前記背面に、背面側単位光学形状が光の導光方向に複数配列され、
    前記背面側単位光学形状は、背面側に凸となる柱状であり、その配列方向に平行であって該導光板の厚み方向に平行な断面において、その断面形状が、入光面側に位置する第1斜面部と、前記第1斜面部に対向する他方側に位置して入射する光の少なくとも一部を全反射する第2斜面部と、前記第1斜面部と前記第2斜面部との間であって最も背面側に位置する頂面部とを有し、
    前記頂面部は、第1斜面部側の端部が第2斜面部側の端部よりも背面側に位置するように傾斜しており、
    前記第2斜面部が該導光板の板面に平行な面となす角度をβとし、前記頂面部が該導光板の板面に平行な面となす角度をγとするとき、
    0.2°<γ<0.7°
    1°<β<5°
    (β−γ)<2°
    という関係を満たすこと、
    を特徴とする導光板。
  2. 請求項1に記載の導光板において、
    前記背面側単位光学形状は、配列ピッチP1が一定であり、
    前記配列ピッチP1に対して、前記第2斜面部が前記背面側単位光学形状の配列方向において占める寸法Waの比Wa/P1は、前記入光面から離れるにつれて大きくなること、
    を特徴とする導光板。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の導光板において、
    前記頂面部は、背面側への高さが異なる複数の面を有し、
    前記複数の面は、
    該導光板の板面に平行な面と角度γをなし、
    導光方向において最も第1斜面部側に位置する面が最も背面側への高さが小さく、第2斜面部側へ向かうにつれて背面側への高さが大きくなること、
    を特徴とする導光板。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の導光板と、
    前記導光板の前記入光面に対面する位置に設けられ、前記入光面へ光を投射する光源部と、
    前記導光板の出光面側に配置され、前記導光板から出射した光を、そのシート面の法線方向又は法線方向となす角度が小さくなる方向へ向ける偏向作用を有する偏向光学シートと、
    前記導光板の背面側に配置され、前記導光板の前記背面から出射した光を導光板側に反射する反射部材と、
    を備える面光源装置。
  5. 請求項4に記載の面光源装置と、
    前記面光源装置によって背面側から照明される透過型表示部と、
    を備える透過型表示装置。
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