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JP2017097084A - 立体像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インテグラル立体方式において視域を拡大した立体像を表示する立体像表示装置を提供する。【解決手段】立体像表示装置1は、透過型の空間光変調器で構成された表示パネル2と、表示する要素画像を背面から照射する複数の点光源Lで構成された点光源パネル3と、点光源Lの照射方向を広げる方向に変更するプリズムアレイ4と、第1から第3要素画像群を切り替えて表示パネル2に表示するとともに、表示対象の要素画像群に対応する照射方向の点光源群のみを点灯するように点光源パネル3の点光源の点灯と消灯の切り替えを行う表示制御手段5と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、インテグラル立体方式により立体像を表示する立体像表示装置に関する。
一般に、任意の視点から立体像を視認することが可能な立体像表示方式の一つとして、インテグラルフォトグラフィ(Integral Photography)と呼ばれる立体写真技術の原理に基づいた方式(インテグラル立体方式)が知られている(特許文献1等参照)。このインテグラル立体方式は、例えば、ディスプレイの観察者側にレンズアレイまたはピンホールアレイを配置し、ディスプレイ面に視点位置の異なる複数の要素画像を表示することで立体像を表示する。
しかし、特許文献1に記載の手法のように、ディスプレイの観察者側にレンズアレイを配置する構成では、レンズアレイの表面形状、反射特性等の影響を受けやすく、立体像の画質が低下してしまう。
一方、インテグラル立体方式の他の手法として、レンズアレイを介さずに、ディスプレイを直接観察者に視認させる手法が存在する(非特許文献1参照)。図18に示すように、非特許文献1に記載の立体像表示装置100は、透過型のディスプレイ(液晶パネル)101の背面にピンホールアレイ102と、その背面にさらに、バックライトユニット103を備える構成としている。
そして、立体像表示装置100は、ディスプレイ101に複数の要素画像を表示し、バックライトユニット103から照射される光を、ピンホールアレイ102を介して点光源の光として、ディスプレイ101の背面から照射することで観察者Mに立体像Tを視認させる。
しかし、特許文献1、非特許文献1に記載の手法のように、ピンホールアレイを用いる手法は、利用できる光量が少なくなるため、表示される立体像が暗くなってしまう。
これに対し、ピンホールアレイを用いずに、点光源をバックライトとして使用する手法が存在する(非特許文献2参照)。図19に示すように、非特許文献2に記載の立体像表示装置200は、透過型のディスプレイ(液晶パネル)201の背面にレンズアレイ202と、その背面にさらに、LEDアレイ203を備える構成としている。
そして、立体像表示装置200は、ディスプレイ201に複数の要素画像を表示し、LEDアレイ203から照射される光を、レンズアレイ202によって集光して点光源(点光源アレイ)とし、ディスプレイ201の背面から照射することで観察者Mに立体像Tを視認させる。
これによって、非特許文献2に記載の手法は、ピンホールアレイを用いず、かつ、レンズアレイよりも前面にディスプレイを配置することで、利用できる光量の低下を抑えるとともに、表示する立体像の画質低下を抑えることができる。
特開2002−228974号公報
H Choi, SW Cho, J Kim, B Lee, "A thin 3D-2D convertible integral imaging system using a pinhole array on a polarizer", OPTICS EXPRESS, vol.14, No.12, pp.5183-5190, June 12, 2006. SW Cho, JH Park, Y Kim, H Choi, J Kim, B Lee, "Convertible two-dimensional-three-dimensional display using an LED array based on modified integral imaging", Optics letters, Vol.31, No.19, pp.2852-2854, October 1, 2006.
前記した非特許文献2に記載の手法は、レンズアレイ202(図19)の焦点距離と、ディスプレイ201(図19)に表示する要素画像の大きさとによって、視域が決まってしまう。例えば、レンズアレイの焦点距離をf、要素画像の大きさ(例えば、幅)をwとしたとき、視域角(水平視域角)θは、以下の式(1)で特定される。
Figure 2017097084
このように視域は、レンズアレイの焦点距離を短くすることで大きくすることができる。しかし、この場合、レンズの焦点距離を短くすると視域は広がるが、焦点距離を短くすることで単位視域角度あたりの要素画像の画素数が減少する場合は、立体像の奥行き再現性能が低下し、深い奥行きの立体像が表示できなくなる。もしくは、レンズの焦点距離を短くすることで要素画像の総数が少なくなる場合には、立体像の解像度が低下してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、立体像の画質を保持しつつ、視域を拡大することが可能な立体像表示装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る立体像表示装置は、インテグラル立体方式により立体像を表示する立体像表示装置であって、透過型の空間光変調器で構成された表示手段と、表示手段を背面から照射する複数の点光源で構成された照明手段と、照明手段の前面に配置され、予め定めた数の点光源の組に対して、当該組に含まれる点光源の照射方向を広げる方向にそれぞれ変更する照射方向変更手段と、表示制御手段と、を備え、表示制御手段は、要素画像切り替え手段と、点光源切り替え手段と、を備える構成とした。
かかる構成において、立体像表示装置は、照射方向変更手段によって、予め定めた数の点光源の組に含まれる各点光源の照射方向を変更することで、1つの点光源の広がりよりも光の広がりを大きくして表示手段に照射することができる。
また、立体像表示装置は、要素画像切り替え手段によって、照射方向ごとに対応する要素画像群を切り替えて表示手段に表示することで、異なる照射方向、すなわち、異なる表示方向で立体像を表示する要素画像群を時分割で表示することができる。
また、立体像表示装置は、点光源切り替え手段によって、表示対象の要素画像群に含まれる要素画像に対応する点光源のみを点灯するように、表示手段における要素画像群の表示と同期して、照明手段における点灯対象の点光源の点灯と他の点光源の消灯との切り替えを行うことで、表示手段に対して、表示対象となる要素画像群の個々の要素画像の領域を照射することができる。
これによって、立体像表示装置は、表示手段における点光源からの照射方向が異なる要素画像群の表示切り替えと、その要素画像群の表示に対応して、各要素画像を点光源により照射する動作を時分割で繰り返すことで、表示手段において、視域を広げて要素画像群を表示することができる。
なお、本発明に係る立体像表示装置は、表示手段を反射型の空間光変調器とし、照射方向変更手段と表示手段との間に、照明手段の点光源からの光を表示手段に反射し、表示手段の空間光変調器からの反射光を透過する偏光ビームスプリッタを備える構成としてもよい。
本発明は、以下に示す優れた効果を奏するものである。
本発明によれば、表示方向の異なる複数の要素画像群を時分割で切り替えて表示するため、要素画像の数が表示手段の画素数により制限されず、要素画像同士を一部重複した位置に表示することができる。
これによって、本発明は、点光源アレイを使用したインテグラル立体方式において、表示手段が従来と同一の画素数であっても、異なる視域の要素画像を表示することができ、画質を保持して視域を拡大させることができる。
本発明の第1実施形態に係る立体像表示装置の外観を、一部内部を拡大表示して示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るプリズムアレイを構成するプリズムと点光源との関係を示す図であって、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は平面図である。 本発明の第1実施形態に係る立体像表示装置の表示制御手段の構成を示すブロック構成図である。 本発明の第1実施形態に係る立体像表示装置の第1要素画像群から第3要素画像群の表示タイミングと、第1点光源群から第3点光源群の点灯タイミングとを示すタイミングチャートである。 第1要素画像群から第3要素画像群の生成例を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る立体像表示装置の動作を説明するための図であって、(a)は第1要素画像群の表示時、(b)は第2要素画像群の表示時、(c)は第3要素画像群の表示時を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る立体像表示装置の表示パネルの構成を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係る立体像表示装置の表示パネルの構成を説明するための図である。 本発明の第4実施形態に係る立体像表示装置の点光源パネルの構成を説明するための図である。 本発明の第5実施形態に係る立体像表示装置の点光源パネルの構成を説明するための図である。 本発明の第4,第5実施形態に係る立体像表示装置の表示制御手段の構成を示すブロック構成図である。 本発明の第4実施形態に係る立体像表示装置の第1要素画像群から第3要素画像群の表示タイミングと、第1点光源群から第3点光源群の点灯タイミングとを示すタイミングチャートである。 本発明の変形例に係るプリズムアレイを構成するプリズムと点光源との関係を示す図であって、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は平面図である。 本発明の変形例に係る照射方向変更手段(レンズアレイ)を用いた立体像表示装置の光路を示す図であって、(a)は第1要素画像群の表示時、(b)は第2要素画像群の表示時、(c)は第3要素画像群の表示時を示す図である。 本発明の変形例に係る透過率分布を持たない(100%透過)の開口部を有する開口アレイを備えた立体像表示装置の構成を示す図である。 本発明の変形例に係る透過率分布を持つ開口部を有する開口アレイを備えた立体像表示装置の構成を示す図である。 本発明の変形例に係る反射型の立体像表示装置の光路を示す図であって、(a)は第1要素画像群の表示時、(b)は第2要素画像群の表示時を示す図である。 レンズアレイを用いない従来の立体像表示装置の構成を模式的に示す図である。 レンズアレイを用いて点光源により立体像を表示する従来の立体像表示装置の構成を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〔立体像表示装置の構成〕
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る立体像表示装置1の構成について説明する。
立体像表示装置1は、インテグラル立体方式により、観察者Mに立体像Tを視認させるものである。この立体像表示装置1は、表示パネル2と、点光源パネル3と、プリズムアレイ4と、表示制御手段5と、を備える。
表示パネル(表示手段)2は、インテグラル立体方式における複数の要素画像e(要素画像群)を表示するものである。この表示パネル2は、背面透過型ディスプレイであって、透過型の空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)で構成することができる。
この表示パネル2には、表示制御手段5によって、複数の要素画像eからなる要素画像群が表示される。このとき、表示パネル2には、時分割で、異なる要素画像群(第1要素画像群、第2要素画像群、第3要素画像群)が順次表示される。ここでは、要素画像eは、単色画像、例えば、白黒画像とする。
第1要素画像群は、個々の要素画像eが、後記する第1点光源群L,L,…によって照射される位置に表示される画像である。第2要素画像群は、個々の要素画像eが、後記する第2点光源群L,L,…によって照射される位置に表示される画像である。また、第3要素画像群は、個々の要素画像eが、後記する第3点光源群L,L,…によって照射される位置に表示される画像である。
なお、要素画像eの配列は、ここでは、正方配列の例で説明するが、任意の配列(例えば、俵積み配列等)であればよい。また、要素画像eの形状は、矩形である必要はなく、円等であっても構わない。
点光源パネル(照明手段)3は、表示パネル2の背面に配置され、表示パネル2を照射するもの(バックライト)である。この点光源パネル3は、複数の点光源L(点光源群)で構成される。個々の点光源Lは、高輝度で微細な光源であって、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、エレクトロルミネセンス(EL:Electro Luminescence)光源等である。ここでは、点光源Lは、単色光を発光する光源、例えば、白色光を発光する白色点光源とする。なお、点光源Lの光は表示パネル2のSLMで変調されるため、点光源Lは、例えば、偏光フィルム等によって、SLMに対応して偏光方向が揃えられた光(例えば、S偏光)を発光するものとする。
この点光源パネル3の個々の点光源Lは、表示パネル2に表示されるインテグラル立体方式における要素画像eの表示位置を照射する位置に配置されている。なお、点光源Lと要素画像eとの位置関係については後で説明する。
また、個々の点光源Lは、点灯タイミングの異なる第1点光源群L,L,…と、第2点光源群L,L,…と、第3点光源群L,L,…とに区分され、表示制御手段5の制御によって、時分割で点灯される。なお、第1点光源群L,L,…は、共通の電源ライン(不図示)に接続され、表示制御手段5の制御によって一度にON/OFFが制御される。また、第2点光源群L,L,…および第3点光源群L,L,…についても、それぞれ独立した電源ライン(不図示)に接続され、表示制御手段5の制御によって一度にON/OFFが制御される。
プリズムアレイ(照射方向変更手段)4は、点光源パネル3の点光源群ごとに光路を変更するものである。このプリズムアレイ4は、複数のプリズムPで構成され、点光源パネル3の前面に配置される。また、個々のプリズムPは、予め定めた数(ここでは3個)の点光源の組に対して、当該組に含まれる点光源の照射方向を広げる方向にそれぞれ変更する。
また、プリズムPは、平面視で台形(等脚台形)形状であって、特定の屈折率を有するガラス(台形ガラス)等で構成される。
ここで、図2を参照して、プリズムPと点光源Lとの位置関係について説明する。
図2(a)の側面図、(c)の平面図に示すように、点光源パネル3上の点光源Lは、プリズムアレイ4のプリズムPの台形底面から、光を照射する位置に配置される。
また、図2(b)の正面図、(c)の平面図に示すように、プリズムPは、照射方向を変更する各面に、第1点光源Lと第2点光源Lと第3点光源Lとがそれぞれ対応する位置に配置される。
また、第1点光源Lおよび第3点光源Lは、それぞれ、プリズムPの別の斜面部に光を照射し、第2点光源Lは、プリズムPの上面部に光を照射する位置に配置される。
これによって、第1点光源L、第2点光源Lおよび第3点光源Lからの光は、水平方向に広がる方向に照射されることになる。
なお、各点光源間には、他の光の照射を防止するため、遮蔽板(不図示)を備えることが望ましい。
図1に戻って、立体像表示装置1の構成について説明を続ける。
表示制御手段5は、要素画像の表示パネル2への表示と点光源パネル3における点光源の点灯とを同期して行うものである。
ここで、図3を参照(適宜図1参照)して、表示制御手段5の詳細な構成について説明する。
図3に示すように、表示制御手段5は、切り替え信号生成手段50と、要素画像切り替え手段51と、点光源切り替え手段52と、を備える。
切り替え信号生成手段50は、所定時間を計時し、要素画像群の表示切り替え、および、点光源群の点光切り替えを行う切り替え信号を生成するものである。
ここでは、切り替え信号生成手段50は、要素画像切り替え信号生成手段501と、点光源切り替え信号生成手段502と、を備える。
要素画像切り替え信号生成手段501は、第1要素画像群、第2要素画像群および第3要素画像群の表示を所定時間で切り替えるタイミングを示す要素画像切り替え信号を生成するものである。
この要素画像切り替え信号生成手段501は、図示を省略したタイマによって所定時間を計時し、要素画像切り替え信号を生成する。
ここでは、要素画像切り替え信号生成手段501は、図4に示すように、予め定めたフレームFの時間内で、第1要素画像群と第2要素画像群と第3要素画像群とを切り替えて表示する要素画像切り替え信号を生成する。
この要素画像切り替え信号生成手段501は、生成した要素画像切り替え信号を要素画像切り替え手段51に出力する。
なお、要素画像切り替え信号生成手段501が計時する所定時間(周期)は、要素画像群を切り替える際に、観察者Mにフリッカを視認させない程度のフレームレート(30fps以上)となる1/90秒以下が望ましい。
点光源切り替え信号生成手段502は、第1点光源群、第2点光源群および第3点光源群の点灯と消灯とを所定時間で切り替えるタイミングを示す点光源切り替え信号を生成するものである。
この点光源切り替え信号生成手段502は、図示を省略したタイマによって所定時間を計時し、点光源切り替え信号を生成する。
ここでは、点光源切り替え信号生成手段502は、図4に示すように、予め定めたフレームFの時間内で、第1点光源群と第2点光源群と第3点光源群とを順番に点灯する点光源切り替え信号を生成する。
この点光源切り替え信号生成手段502は、生成した点光源切り替え信号を点光源切り替え手段52に出力する。
なお、点光源切り替え信号生成手段502は、要素画像切り替え信号生成手段501との間で同期をとり、第1要素画像群の表示タイミングと第1点光源群の点灯タイミングとを合わせている。また、点光源切り替え信号生成手段502は、同様に、第2要素画像群の表示タイミングと第2点光源群の点灯タイミングとを合わせている。また、点光源切り替え信号生成手段502は、同様に、第3要素画像群の表示タイミングと第3点光源群の点灯タイミングとを合わせている。
要素画像切り替え手段51は、異なる視点位置の複数の要素画像で構成された要素画像群と、その複数の要素画像とはさらに異なる視点位置の要素画像で構成された要素画像群とを、所定時間で切り替えて表示パネル2に表示するものである。
ここでは、要素画像切り替え手段51は、3つの要素画像群として、第1要素画像群と、第2要素画像群と、第3要素画像群とを所定時間で切り替えて表示パネル2に表示する。このとき、要素画像切り替え手段51は、切り替え信号生成手段50から入力される要素画像切り替え信号に同期して、第1要素画像群の表示と、第2要素画像群の表示と、第3要素画像群の表示とを順次繰り返す。これによって、表示パネル2には、第1要素画像群と第2要素画像群と第3要素画像群とが、一定周期で順番に表示されることになる。
なお、ここでは、要素画像切り替え手段51は、図示を省略した記録媒体、伝送経路等から要素画像群(第1要素画像群、第2要素画像群、第3要素画像群)を入力する。もちろん、表示制御手段5にハードディスク等の記憶装置を備え、予めその記憶装置に記憶されている要素画像群(第1要素画像群、第2要素画像群、第3要素画像群)を読み出すこととしてもよい。
ここで、図5を参照して、立体像表示装置1で表示する要素画像群について説明する。
図5では、従来の立体像撮像装置300(300,300,300)を、水平方向に3台並べて配置している(ただし、レンズアレイLaは共用)。なお、図5では、立体像撮像装置300を上面視した状態を示している。
個々の立体像撮像装置300は、レンズアレイLaを介して被写体Oをそれぞれ撮像面D,D,Dに撮像することで、要素画像群を取得するものである。
図5に示すように、それぞれの要素画像群(第1要素画像群E、第2要素画像群E、第3要素画像群E)は、それぞれの立体像撮像装置300(300,300,300)で撮像された要素画像群とする。
これによって、中央の立体像撮像装置300で撮像された第2要素画像群Eに対して、立体像撮像装置300,300で撮像された第1要素画像群E、第3要素画像群Eは、視点位置をさらに左右に移動して撮像した要素画像群となる。
なお、ここでは、立体像撮像装置300を用いて被写体Oを撮像し、要素画像群(第1要素画像群E、第2要素画像群E、第3要素画像群E)として取得することとしたが、被写体OをCGとした場合、仮想的なレンズアレイを仮想空間上に配置して、計算により要素画像群(第1要素画像群E、第2要素画像群E、第3要素画像群E)を生成することとしてもよい。
図3に戻って、表示制御手段5の構成について説明を続ける。
点光源切り替え手段52は、表示対象の要素画像群に含まれる要素画像に対応する点光源のみを点灯するように、要素画像群の表示と同期して、点灯対象の点光源の点灯と他の点光源の消灯との切り替えを行うものである。
ここでは、点光源切り替え手段52は、点光源パネル3において、第1点光源群L,L,…と、第2点光源群L,L,…、第3点光源群L,L,…とを所定時間で切り替えて点灯する。このとき、点光源切り替え手段52は、切り替え信号生成手段50から入力される点光源切り替え信号に同期して、第1点光源群を点灯する場合、第2点光源群および第3点光源群を消灯し、第2点光源群を点灯する場合、第1点光源群および第3点光源群を消灯し、第3点光源群を点灯する場合、第1点光源群および第2点光源群を消灯する処理を順次繰り返す。
なお、点光源切り替え手段52は、点光線群を点灯する場合、外部電源(不図示)から入力される電流を点光源群ごとの電源ラインに供給し、点光線群を消灯する場合、電流の電源ラインへの供給を停止すればよい。
これによって、点光源パネル3では、第1点光源群の点灯と他の点光源群の消灯、第2点光源群の点灯と他の点光源群の消灯、第3点光源群の点灯と他の点光源群の消灯が一定周期で切り替えられることになる。
このように、表示制御手段5は、要素画像切り替え手段51による要素画像群の切り替えと、点光源切り替え手段52による点光線群の切り替えとを、時分割して行うことができる。
以上説明したように立体像表示装置1(図1)を構成することで、1つの点光源に対応する要素画像の画素数を変えずに、時分割で点灯する点光源の位置と、要素画像の表示位置とを切り替えることで、表示パネル2上において、水平方向に視点位置の異なる要素画像の数を増やすことができる。
なお、点光源の数は、立体像の解像度に相当し、1つの点光源に対応する要素画像の画素数が多いほど、奥行き再現性が高い立体像として観察者に視認させることができる。すなわち、立体像表示装置1は、表示パネル2の画素数が従来と同じであっても、水平方向の要素画像の数を増やすことができるため、奥行き再現性を維持したまま、立体像を視認する視域を広げることができる。
〔立体像表示装置の動作〕
次に、図6を参照(適宜図1,図3参照)して、本発明の第1実施形態に係る立体像表示装置1の動作について説明する。
立体像表示装置1は、表示制御手段5の切り替え信号生成手段50によって、逐次、一定周期で要素画像群の表示を切り替えるための切り替え信号を生成する。
ここでは、切り替え信号生成手段50の要素画像切り替え信号生成手段501と点光源切り替え信号生成手段502とが、同期をとり、要素画像切り替え信号と点光源切り替え信号とを生成する。
そして、立体像表示装置1は、表示制御手段5の要素画像切り替え手段51によって、要素画像切り替え信号の第1要素画像群を表示するタイミングで、図6(a)に示すように、表示パネル2に点光源Lの第1点光源群L,L,…のプリズムアレイ4を介して照射される予め定めた照射位置に対応する位置に要素画像e(第1要素画像群e,e,…)を表示する。
さらに、立体像表示装置1は、表示制御手段5の点光源切り替え手段52によって、点光源切り替え信号の第1点光源を点灯するタイミングで、図6(a)に示すように、点光源パネル3の点光源Lのうちで、第1点光源群L,L,…を点灯し、第2点光源群L,L,…および第3点光源群L,L,…を消灯する。
これによって、表示パネル2において、第1点光源群L,L,…が点灯されている時間内に、第1要素画像群e,e,…が表示されることになる。
なお、図6(a)に示すように、プリズムPの傾斜角度をθとし、プリズムPの屈折率をnとすると、プリズムPに水平に入射した光線がプリズムPを通過後に表示パネル2を照射する角度φは、以下の式(2)で特定される。
Figure 2017097084
よって、プリズムアレイ4には、式(2)により、予め所望の方向に光の方向を制御するように角度θを求め、その求めた角度を傾斜角度としたプリズムPを用いればよい。
そして、立体像表示装置1は、表示制御手段5の要素画像切り替え手段51によって、要素画像切り替え信号の第2要素画像群を表示するタイミングで、図6(b)に示すように、表示パネル2に点光源Lの第2点光源群L,L,…のプリズムアレイ4を介して照射される予め定めた照射位置に対応する位置に要素画像e(第2要素画像群e,e,…)を表示する。
さらに、立体像表示装置1は、表示制御手段5の点光源切り替え手段52によって、点光源切り替え信号の第2点光源を点灯するタイミングで、図6(b)に示すように、点光源パネル3の点光源Lのうちで、第2点光源群L,L,…を点灯し、第1点光源群L,L,…および第3点光源群L,L,…を消灯する。
これによって、表示パネル2において、第2点光源群L,L,…が点灯されている時間内に、第2要素画像群e,e,…が表示されることになる。
そして、立体像表示装置1は、表示制御手段5の要素画像切り替え手段51によって、要素画像切り替え信号の第3要素画像群を表示するタイミングで、図6(c)に示すように、表示パネル2に点光源Lの第3点光源群L,L,…のプリズムアレイ4を介して照射される予め定めた照射位置に対応する位置に要素画像e(第3要素画像群e,e,…)を表示する。
さらに、立体像表示装置1は、表示制御手段5の点光源切り替え手段52によって、点光源切り替え信号の第3点光源を点灯するタイミングで、図6(c)に示すように、点光源パネル3の点光源Lのうちで、第3点光源群L,L,…を点灯し、第1点光源群L,L,…および第2点光源群L,L,…を消灯する。
これによって、表示パネル2において、第3点光源群L,L,…が点灯されている時間内に、第3要素画像群e,e,…が表示されることになる。
立体像表示装置1は、以上の動作を順次繰り返すことで、水平方向に視点位置の異なる要素画像の数を増やして表示することができる。
なお、ここでは、立体像表示装置1は、表示パネル2に表示する要素画像eを単色画像(白黒画像)、点光源パネル3の点光源Lを単色光(白色光)光源とし、単色の立体像を表示する構成であった。
しかし、立体像表示装置1は、カラーの立体像を表示することも可能である。以下、立体像表示装置1のカラー化について説明する。
〔立体像表示装置のカラー化(その1)〕
まず、図7を参照(適宜図1,図3参照)して、立体像をカラー表示する本発明の第2実施形態である立体像表示装置1Bについて説明する。
図7に示した立体像表示装置1Bは、立体像表示装置1の表示パネル2を、表示パネル2Bに替えて構成している。すなわち、立体像表示装置1Bは、表示パネル2Bと、点光源パネル3と、プリズムアレイ4と、表示制御手段5と、を備える。なお、図7では、表示制御手段5の記載を省略し、図1に比べ、要素画像eを拡大して表している。
表示パネル(表示手段)2Bは、表示パネル2と同様、背面透過型ディスプレイである。この表示パネル2Bは、赤色(R),緑色(G),青色(B)のカラーフィルタを備えた3つのサブピクセルspを1つの画素gとして構成された空間光変調器(SLM)である。
この表示パネル2Bには、表示パネル2と同様、表示制御手段5(図3)によって、複数の要素画像eからなる要素画像群が表示される。このとき、表示パネル2Bには、時分割で、異なる視点位置の要素画像群(第1要素画像群、第2要素画像群、第3要素画像群)が順次表示される。また、第1要素画像群、第2要素画像群および第3要素画像群は、それぞれ画素ごとにR,G,Bの各階調を有するカラーの要素画像eで構成された画像群である。
なお、点光源パネル3、プリズムアレイ4および表示制御手段5は、図1および図3で説明した立体像表示装置1と同じものであるため、説明を省略する。
これによって、立体像表示装置1Bは、立体像表示装置1と同様の効果を奏するとともに、立体像をカラーで表示することができる。
なお、図7では、R,G,Bのサブピクセルを1画素とする画素構造を有した表示パネル2Bを用いたが、図8に示すように、Gを斜め方向のG1(第1緑色)、G2(第2緑色)としたR,G1,G2,Bのサブピクセルを1画素とする画素構造を有した表示パネル2Cを用いた立体像表示装置1C(本発明の第3実施形態)として構成してもよい。
このとき、要素画像群(第1要素画像群、第2要素画像群、第3要素画像群)は、表示パネル2Cに対応したR,G1,G2,Bのカラーの要素画像eとすればよい。
このR,G1,G2,Bの各色で画素を構成する手法は、一般的にデュアルグリーン方式と呼ばれている。このデュアルグリーン方式は、光の3原色の中で視覚の解像度に最も寄与している緑色を、RおよびBに対して斜め方向に半画素ずらして配置することで、視覚的に解像度を高める方式である。
これによって、立体像表示装置1Cは、立体像表示装置1Bと同様の効果を奏するとともに、視覚的に解像度を向上させた立体像を表示することができるため、立体像の奥行き再現性をさらに高めることができる。
〔立体像表示装置のカラー化(その2)〕
次に、図9を参照(適宜図1,図3参照)して、立体像をカラー表示する本発明の第4実施形態である立体像表示装置1Dについて説明する。
図9に示した立体像表示装置1Dは、立体像表示装置1の点光源パネル3を、点光源パネル3Bに替えて構成している。すなわち、立体像表示装置1Dは、表示パネル2と、点光源パネル3Bと、プリズムアレイ4と、表示制御手段5B(図11参照)と、を備える。なお、図9では、表示制御手段5Bの記載を省略し、図1に比べ、要素画像eを拡大して表している。
表示パネル2およびプリズムアレイ4は、図1で説明した立体像表示装置1と同じものであるため、説明を省略する。すなわち、この実施形態では、表示パネル2の空間光変調器(SLM)には、カラーフィルタを備える必要はない。
点光源パネル(照明手段)3Bは、点光源パネル3と同様、表示パネル2の背面に配置され、表示パネル2を照射するバックライトである。この点光源パネル3Bは、複数の点光源L(点光源群)で構成される。個々の点光源Lは、高輝度で微細な光源であって、例えば、発光ダイオード、エレクトロルミネセンス光源等である。ここでは、点光源Lは、R(赤色),G(緑色),B(青色)の各色を発光する点光源の組で構成されたカラー点光源Lcである。
個々のカラー点光源Lcは、点灯タイミングの異なる第1点光源群(第1カラー点光源群Lc,Lc,…)と、第2点光源群(第2カラー点光源群Lc,Lc,…)と、第3点光源群(第3カラー点光源群Lc3,Lc3,…)に区分され、表示制御手段5Bの制御によって、順次、時分割で点灯される。
さらに、第1カラー点光源群の個々のカラー点光源Lcを構成するRGBの各色の光源は、表示制御手段5Bの制御によって、第1カラー点光源群が点灯される発光時間において、当該発光時間を3分割した時間で、順次、点灯される。
同様に、第2カラー点光源群の個々のカラー点光源Lcを構成するRGBの各色の光源は、表示制御手段5Bの制御によって、第2カラー点光源群が点灯される発光時間において、当該発光時間を3分割した時間で、順次、点灯される。
同様に、第3カラー点光源群の個々のカラー点光源Lcを構成するRGBの各色の光源は、表示制御手段5Bの制御によって、第3カラー点光源群が点灯される発光時間において、当該発光時間を3分割した時間で、順次、点灯される。
なお、第1カラー点光源群Lc,Lc,…は、色(R,G,B)ごとに共通の電源ライン(不図示)に接続され、表示制御手段5Bの制御によって一度にON/OFFが制御される。また、第2カラー点光源群Lc,Lc,…は、色(R,G,B)ごとに共通の電源ライン(不図示)であって、第1カラー点光源群Lc,Lc,…の電源ラインとは異なる電源ラインに接続され、表示制御手段5Bの制御によって一度にON/OFFが制御される。また、第3カラー点光源群Lc,Lc,…は、色(R,G,B)ごとに共通の電源ライン(不図示)であって、第1カラー点光源群Lc,Lc,…および第2カラー点光源群Lc,Lc,…の電源ラインとは異なる電源ラインに接続され、表示制御手段5Bの制御によって一度にON/OFFが制御される。
表示制御手段5Bは、要素画像の表示パネル2への表示と点光源パネル3Bにおける点光源の点灯とを同期して行うものである。
ここで、図11を参照(適宜図1参照)して、表示制御手段5Bの構成について説明する。
図11に示すように、表示制御手段5Bは、切り替え信号生成手段50Bと、要素画像切り替え手段51Bと、点光源切り替え手段52Bと、を備える。
切り替え信号生成手段50Bは、所定時間を計時し、要素画像群の表示切り替え、および、点光源群の点光切り替えを行う切り替え信号を生成するものである。
ここでは、切り替え信号生成手段50Bは、要素画像切り替え信号生成手段501Bと、点光源切り替え信号生成手段502Bと、を備える。
要素画像切り替え信号生成手段501Bは、第1要素画像群、第2要素画像群および第3要素画像群の表示を所定時間で切り替えるタイミングを示す要素画像切り替え信号を生成するものである。
この要素画像切り替え信号生成手段501Bは、図示を省略したタイマによって所定時間を計時し、要素画像切り替え信号を生成する。
ここでは、要素画像切り替え信号生成手段501Bは、図12に示すように、予め定めたフレームFの時間内で、第1要素画像群と第2要素画像群と第3要素画像群とを切り替えて表示する要素画像切り替え信号を生成する。このとき、要素画像切り替え信号生成手段501Bは、図12に示すように、第1要素画像群を表示する時間区間をさらに3等分し、R用の要素画像群を表示する区間(R表示)と、G用の要素画像群を表示する区間(G表示)と、B用の要素画像群を表示する区間(B表示)とを示す要素画像切り替え信号を生成する。
この要素画像切り替え信号生成手段501Bは、生成した要素画像切り替え信号を要素画像切り替え手段51Bに出力する。
点光源切り替え信号生成手段502Bは、第1点光源群、第2点光源群および第3点光源群の点灯と消灯とを所定時間で切り替えるタイミングを示す点光源切り替え信号を生成するものである。
この点光源切り替え信号生成手段502Bは、図示を省略したタイマによって所定時間を計時し、点光源切り替え信号を生成する。
ここでは、点光源切り替え信号生成手段502Bは、図12に示すように、予め定めたフレームFの時間内で、第1点光源群と第2点光源群と第3点光源群とを順番に点灯する点光源切り替え信号を生成する。このとき、点光源切り替え信号生成手段502Bは、図12に示すように、第1点光源群を点灯する時間区間をさらに3等分し、R用の点光源群を表示する区間(R点灯)と、G用の点光源群を点灯する区間(G点灯)と、B用の点光源群を点灯する区間(B点灯)とを示す点光源切り替え信号を生成する。
この点光源切り替え信号生成手段502Bは、生成した点光源切り替え信号を点光源切り替え手段52Bに出力する。
なお、点光源切り替え信号生成手段502Bは、要素画像切り替え信号生成手段501Bとの間で同期をとり、第1要素画像群の各色の要素画像群の表示タイミングと第1点光源群の各色の点光源群の点灯タイミングとを合わせている。また、点光源切り替え信号生成手段502Bは、同様に、第2要素画像群の各色の要素画像群の表示タイミングと第2点光源群の各色の点光源群の点灯タイミングとを合わせている。また、点光源切り替え信号生成手段502Bは、同様に、第3要素画像群の各色の要素画像群の表示タイミングと第3点光源群の各色の点光源群の点灯タイミングとを合わせている。
要素画像切り替え手段51Bは、異なる視点位置の複数の要素画像で構成された要素画像群と、その複数の要素画像とはさらに異なる視点位置の要素画像で構成された要素画像群とを、所定時間で切り替えて表示パネル2に表示するものである。
ここでは、要素画像切り替え手段51Bは、3つの要素画像群として、第1要素画像群と、第2要素画像群と、第3要素画像群とを所定時間で切り替えて表示パネル2に表示する。このとき、要素画像切り替え手段51Bは、表示対象の要素画像群を表示する時間区間において、当該要素画像群を構成するR,G,Bの各色の要素画像群を時分割で切り替えて表示する。
これによって、表示パネル2には、カラーの第1要素画像群と第2要素画像群と第3要素画像群とが、一定周期で順番に表示されることになる。
点光源切り替え手段52Bは、表示対象の要素画像群に含まれる要素画像に対応する点光源のみを点灯するように、要素画像群の表示と同期して、点灯対象の点光源の点灯と他の点光源の消灯との切り替えを行うものである。
ここでは、点光源切り替え手段52Bは、点光源パネル3Bにおいて、第1点光源群と、第2点光源群と、第3点光源群とを所定時間で切り替えて点灯する。このとき、点光源切り替え手段52Bは、切り替え信号生成手段50Bから入力される点光源切り替え信号に同期して、第1点光源群における各色の点光源群の時分割の点灯と、第2点光源群における各色の点光源群の時分割の点灯と、第3点光源群における各色の点光源群の時分割の点灯とを順次繰り返す。すなわち、点光源切り替え手段52Bは、各色の要素画像群の表示時に、当該要素画像群を構成する要素画像の位置に対応する点光源のうちで、表示対象の要素画像群と同じ色の光源のみを点灯する。
なお、点光源切り替え手段52Bは、点光線群を点灯する場合、外部電源(不図示)から入力される電流を各色に対応した点光源群ごとの電源ラインに供給し、点光線群を消灯する場合、電流の電源ラインへの供給を停止すればよい。
これによって、点光源パネル3Bでは、第1点光源群の点灯と他の点光源群の消灯、第2点光源群の点灯と他の点光源群の消灯、第3点光源群の点灯灯と他の点光源群の消灯が、一定周期で切り替えられることになる。
このように、立体像表示装置1Dは、画素をサブピクセルに区分してサブピクセルごとに異なる色のカラーフィルタを用いた立体像表示装置1Bに対して、画素全体の色を切り替えることでサブピクセルの区分がなくなり、高精細な要素画像による高精細なカラー立体像を表示することができる。
なお、図9では、RGBの各色を発光する点光源を組としたカラー点光源を備えた点光源パネル3Bを用いたが、図10に示すように、さらにGの点光源を増やし、R,G1,G2,Bの各色を発光する点光源を組としたカラー点光源を備えた点光源パネル3Cを用いた立体像表示装置1E(本発明の第5実施形態)として構成してもよい。
この場合、表示制御手段5B(図11参照)は、図12で示した要素画像群(第1要素画像群、第2要素画像群、第3要素画像群)の表示区間を、R,G1,G2,Bに4等分して、要素画像群の表示を制御し、点光源群(第1点光源群、第2点光源群、第3点光源群)の点灯区間を、R,G1,G2,Bに4等分して、点光源群の点灯を制御すればよい。
これによって、立体像表示装置1Eは、立体像表示装置1Dと同様の効果を奏するとともに、視覚的に解像度を向上させたカラー立体像を表示することができるため、カラー立体像の奥行き再現性をさらに高めることができる。
以上、本発明の実施形態に係る立体像表示装置1,1B,1C,1D,1Eについて説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
以下、本発明の変形例について説明する。
〔変形例1〕
ここでは、立体像表示装置1(図1)は、照射方向変更手段であるプリズムアレイ4を構成するプリズムPを、図2に示すように、平面視(図2(c))で台形形状とし、水平方向の視域を拡大する構成とした。
しかし、図13に示すように、側面視(a)および平面視(c)の両方で台形形状となる、例えば、四角錐台のプリズムPを用いてもよい。
その場合、表示制御手段5(図3)が、プリズムPの出射面の数(図13の場合は“5”)に応じて、第1要素画像群から第5要素画像群を順次切り替えるとともに、それらに対応する第1点光源群から第5点光源群の点灯を順次切り替えることとすればよい。
これによって、立体像表示装置1(図1),1B(図7),1C(図8),1D(図9),1E(図10)は、水平のみならず、垂直方向においても視域を拡大させることができる。
もちろん、垂直方向にのみ視域を拡大したい場合は、図2に示したプリズムPを側面視で台形形状となるように、水平方向と垂直方向とが逆になるように回転させて用いればよい。
〔変形例2〕
また、ここでは、立体像表示装置1(図1)は、照射方向変更手段としてプリズムアレイ4を用いたが、この照射方向変更手段は、照射方向を変更するものであれば、プリズムアレイに限定されるものではない。例えば、図14に示すようにレンズアレイ4Bを用いてもよい。
すなわち、図14に示すように、点光源パネル3とレンズアレイ4Bとを、点光源パネル3(より詳細には、点光源の位置)からレンズアレイ4Bを構成する凸レンズ(集光レンズ)Leの焦点距離だけ離間して配置する。さらに、表示パネル2とレンズアレイ4Bとを、レンズLeの焦点距離よりも離して、予め定めた要素画像の大きさの領域を照射するように配置する。
そして、表示制御手段5(図3)が、図14の(a)から(c)に示すように、第1点光源群L,L,…の点灯および他の点光源群の消灯と、第2点光源群L,L,…の点灯および他の点光源群の消灯と、第3点光源群L,L,…の点灯および他の点光源群の消灯とを時分割で切り替え、それに同期して、第1要素画像群e,e,…、第2要素画像群e,e,…、および、第3要素画像群e,e,…を照射位置に対応する位置に切り替えて表示する。
立体像表示装置1B(図7),1C(図8),1D(図9),1E(図10)においても同様に、レンズアレイ4Bを用いることができる。
なお、図2に示したプリズムPを図14に示すレンズアレイ4Bとする場合、使用するレンズは、水平方向にのみ曲率を有するシンドリカルレンズを用いればよい。また、図13に示したプリズムPを図14に示すレンズアレイ4Bとする場合、使用するレンズは、円形凸レンズまたは水平と垂直の長さが同じ矩形凸レンズを用いればよい。
〔変形例3〕
また、本発明は、図15に示すように、点光源パネル3とプリズムアレイ4との間に、開口部(アパーチャ)Hを備えた開口アレイ(アパーチャアレイ)6を備えて構成してもよい(立体像表示装置1F)。
開口アレイ6は、点光源L(L,L,L)ごとに開口部Hを設け、開口部Hの範囲で光を通過(透過)させ、それ以外の範囲で光を遮断することで、点光源Lの照射範囲を限定するものである。
開口部Hは、点光源Lが表示パネル2に照射する領域を、対応する要素画像eのみに限定する。すなわち、図15に示すように、開口部Hは、点光源Lの光の広がり角度θが大きい場合でも、点光源Lに対応する要素画像eの領域のみに照射する。
この開口部Hの形状は、要素画像に照射する領域の形状であればよく、矩形、円等である。
このように、開口部Hによって、対応する要素画像以外の要素画像への漏れ光を防ぐことで、クロストークやサイドローブの立体像の発生を抑えることがきる。
また、立体像表示装置1は、図16に示すように、点光源パネル3とプリズムアレイ4との間に、透過率分布を持つ開口部(透過率分布開口部H)を備えた開口アレイ(透過率分布アパーチャアレイ)6Bを備えて構成してもよい(立体像表示装置1G)。
透過率分布開口部Hは、異なる透過率の分布を有する部材であって、例えば、ガラス、フィルム等である。ここでは、透過率分布開口部Hは、開口中心から周辺にいくほど透過率が高いものを用いることとする。
点光源Lは、光の配光角により、照射される要素画像の周辺ほど輝度が暗くなる。そこで、開口中心から離れるにつれて透過率が高い透過率分布開口部Hを用いることで、要素画像に照射する輝度をほぼ一定に保つことができる。
これによって、開口アレイ6Bを備えた立体像表示装置1Gは、観察者が立体像を正面や斜め方向から観察しても、一定の輝度分布の立体像を表示することができる。
ここでは、立体像表示装置1(図1)に対して、開口アレイ6,6B(図15,図16)を備えた例を説明したが、立体像表示装置1B(図7),1C(図8),1D(図9),1E(図10)に、開口アレイ6,6Bを備えることとしてもよい。
なお、立体像表示装置1D(図9)、1E(図10)のように、各色を発光する点光源の組で構成されたカラー点光源Lcを用いる場合、カラー点光源Lcに対して1つの開口部H,Hを割り当てることとする。
〔変形例4〕
以上説明した立体像表示装置では、表示パネル2に透過型の空間光変調器で構成されたディスプレイを用いた。しかし、この表示パネル2を、反射型の空間光変調器で構成されたディスプレイとしてもよい(立体像表示装置1H)。
この場合、図17に示すように、立体像表示装置1Hは、表示パネル2とプリズムアレイ4との間における点光源Lの光路上に偏光ビームスプリッタ(Polarization Beam Splitter:以下、PBS)7を備える構成とすればよい。
PBS7は、入射光をその偏光成分に応じて分離するものである。ここでは、PBS7は、点光源からの光(ここでは、S偏光とする)については反射させて対向する表示パネル2の要素画像eを表示するSLM(空間光変調器:不図示)に照射する。また、PBS7は、SLMからの反射光(P偏光)については透過させて観察者M方向に出射する。
このように、立体像表示装置1Hを構成しても、表示制御手段5(図1)の制御は同じである。すなわち、立体像表示装置1Hは、図17(a)に示すように、点光源パネル3の点光源Lのうちで、第1点光源群L,L,…を点灯し、第2点光源群L,L,…および第3点光源群L,L,…を消灯している間に、表示パネル2に第1要素画像群e,e,…を表示する。
また、立体像表示装置1Hは、図17(b)に示すように、点光源パネル3の点光源Lのうちで、第2点光源群L,L,…を点灯し、第1点光源群L,L,…および第3点光源群L,L,…を消灯している間に、表示パネル2に第2要素画像群e,e,…を表示する。
また、立体像表示装置1Hは、図17での図示を省略するが、点光源パネル3の点光源Lのうちで、第3点光源群L,L,…を点灯し、第1点光源群L,L,…および第2点光源群L,L,…を消灯している間に、表示パネル2に第3要素画像群を表示する。
これによって、立体像表示装置1Hは、視域を拡大した立体像を表示することができる。
なお、ここでは、立体像表示装置1(図1)の表示パネル2を、反射型の空間光変調器で構成されたディスプレイとする変形例で説明したが、立体像表示装置1B(図6),1C(図7),1D(図8),1E(図9),1F(図15),1G(図16)についても同様である。
1 立体像表示装置
2 表示パネル(表示手段)
3 点光源パネル(照明手段)
4 プリズムアレイ(照射方向変更手段)
5 表示制御手段
50 切り替え信号生成手段
501 要素画像切り替え信号生成手段
502 点光源切り替え信号生成手段
51 要素画像切り替え手段
52 点光源切り替え手段
6 開口アレイ
7 PBS(偏光ビームスプリッタ)
H 開口部

Claims (8)

  1. インテグラル立体方式により立体像を表示する立体像表示装置であって、
    透過型の空間光変調器で構成された表示手段と、
    前記表示手段を背面から照射する複数の点光源で構成された照明手段と、
    前記照明手段の前面に配置され、予め定めた数の前記点光源の組に対して、当該組に含まれる点光源の照射方向を広げる方向にそれぞれ変更する照射方向変更手段と、
    前記表示手段への前記照射方向に対応する要素画像群の表示と前記照明手段における前記照射方向に対応する点光源群の点灯とを同期して行う表示制御手段と、を備え、
    前記表示制御手段は、
    前記照射方向ごとに対応する要素画像群を切り替えて前記表示手段に表示する要素画像切り替え手段と、
    表示対象の要素画像群に対応する照射方向の点光源群のみを点灯するように、前記要素画像群の表示と同期して、点灯対象の点光源の点灯と他の点光源の消灯との切り替えを行う点光源切り替え手段と、
    を備えることを特徴とする立体像表示装置。
  2. インテグラル立体方式により立体像を表示する立体像表示装置であって、
    反射型の空間光変調器で構成された表示手段と、
    複数の点光源で構成された照明手段と、
    前記照明手段の前面に配置され、予め定めた数の前記点光源の組に対して、当該組に含まれる点光源の照射方向を広げる方向にそれぞれ変更する照射方向変更手段と、
    前記照射方向変更手段で照射方向が変更された光を入射して前記表示手段に反射するとともに、前記表示手段の空間光変調器からの反射光を透過する偏光ビームスプリッタと、
    前記表示手段への前記照射方向に対応する要素画像群の表示と前記照明手段における前記照射方向に対応する点光源群の点灯とを同期して行う表示制御手段と、を備え、
    前記表示制御手段は、
    前記照射方向ごとに対応する要素画像群を切り替えて前記表示手段に表示する要素画像切り替え手段と、
    表示対象の要素画像群に対応する照射方向の点光源群のみを点灯するように、前記要素画像群の表示と同期して、点灯対象の点光源の点灯と他の点光源の消灯との切り替えを行う点光源切り替え手段と、
    を備えることを特徴とする立体像表示装置。
  3. 前記空間光変調器は、赤色、緑色および青色のカラーフィルタを備えたサブピクセルを1画素とする画素構造であって、
    前記表示制御手段が前記表示手段に表示する前記要素画像群を構成する要素画像は、画素ごとに赤色、緑色および青色の各階調を有するカラー要素画像であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立体像表示装置。
  4. 前記空間光変調器は、赤色、第1緑色、第2緑色および青色のカラーフィルタを備えたサブピクセルを1画素とする画素構造であって、
    前記表示制御手段が前記表示手段に表示する前記要素画像群を構成する要素画像は、画素ごとに赤色、第1緑色、第2緑色および青色の各階調を有するカラー要素画像であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立体像表示装置。
  5. 前記点光源は、赤色光源、緑色光源および青色光源の組で構成され、
    前記要素画像切り替え手段は、
    前記表示対象の要素画像群を表示する時間区間において、当該要素画像群を構成する赤色、緑色および青色の各色の要素画像群を時分割で切り替えて表示し、
    前記点光源切り替え手段は、
    前記各色の要素画像群の表示時に、当該要素画像群を構成する要素画像の位置に対応する点光源のうちで、表示対象の要素画像群と同じ色の光源のみを点灯することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立体像表示装置。
  6. 前記点光源は、赤色光源、第1緑色光源、第2緑色光源および青色光源の組で構成され、
    前記要素画像切り替え手段は、
    前記表示対象の要素画像群を表示する時間区間において、当該要素画像群を構成する赤色、第1緑色、第2緑色および青色の各色の要素画像群を時分割で切り替えて表示し、
    前記点光源切り替え手段は、
    前記各色の要素画像群の表示時に、当該要素画像群を構成する要素画像の位置に対応する点光源のうちで、表示対象の要素画像群と同じ色の光源のみを点灯することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立体像表示装置。
  7. 前記照明手段と前記照射方向変更手段との間に、前記点光源ごとの光を透過する開口部を有する開口アレイを備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の立体像表示装置。
  8. 前記開口部は、開口中心から周辺にいくほど透過率が高い透過率分布を有することを特徴とする請求項7に記載の立体像表示装置。
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