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JP2016225531A - 液冷式冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却液がケーシング内を流れる際の圧力損失の増大を抑制した上で、小型化を図りうる液冷式冷却装置を提供する。【解決手段】液冷式冷却装置1は、内部を冷却液が流れるケーシング2と、ケーシング2に固定された放熱器3とを備えている。ケーシング2の頂壁2a外面が発熱体取付面4となる。放熱器3は放熱基板14と、放熱基板14の一面に一体に設けられてケーシング2内の全体に点在する複数のピンフィン15とよりなる。ケーシング2の底壁2bに、冷却液流入部12と冷却液流出部13を放熱器3のピンフィン15が設けられている部分に臨むように形成する。ケーシング2に、冷却液流入部12に通じる入口パイプ9と、冷却流出部13に通じる出す出口パイプ11とを接続する。入口パイプ9および出口パイプ11の管路のケーシング2側端部の流路面積を、ケーシング2に向かって徐々に大きくする。【選択図】図2

Description

この発明は、たとえば半導体素子などの電子部品からなる発熱体を冷却する液冷式冷却装置に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、図2の上下を上下というもとのとする。
たとえば、電気自動車、ハイブリッド自動車、電車などに搭載される電力変換装置に用いられるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのパワーデバイス(半導体素子)を冷却する液冷式冷却装置として、本出願人は、先に、頂壁および底壁を有しかつ内部を冷却液が流れるようになっているケーシングと、ケーシングに固定された放熱器とを備えており、ケーシングの頂壁に開口が形成され、放熱器が、ケーシングの開口内に配置されてケーシングに固定され、かつ第1面がケーシング内に臨ませられるとともに第2面が発熱体取付面となされている放熱基板、および放熱基板の第1面にケーシング内に突出するように一体に設けられかつケーシング内の全体に点在する複数のピンフィンからなり、発熱体取付面に取り付けられた発熱体から発せられる熱が放熱器の放熱基板およびピンフィンを介してケーシング内を流れる冷却液に放熱される液冷式冷却装置を提案した(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1記載の液冷式冷却装置においては、冷却液がケーシング内を流れる際の圧力損失が増大するという問題がある。
このような問題を解決するには、ケーシング内の一端部に入口ヘッダ部が設けられるとともに他端部に出口ヘッダ部が設けられ、さらに両ヘッダ部間に冷却液流路が設けられ、頂壁における冷却液流路に臨む部分に開口が形成され、放熱器のピンフィンがケーシングの冷却液流路内のみに突出するように設けられた形態とすることが考えられる。しかしながら、このような液冷式冷却装置においては、ピンフィンが設けられておらず、したがって冷却液への放熱に寄与しない入口ヘッダ部および出口ヘッダ部の部分が無駄なスペースとなって液冷式冷却装置全体が大型化し、液冷式冷却装置の設置状況によっては好ましくない。
特開2009−277768号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、冷却液がケーシング内を流れる際の圧力損失の増大を抑制した上で、小型化を図りうる液冷式冷却装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)頂壁および底壁を有しかつ内部を冷却液が流れるようになっているケーシングと、ケーシングに固定された放熱器とを備えており、ケーシングの頂壁外面および底壁外面のうちいずれか一方が発熱体取付面となされ、放熱器が、発熱体取付面に取り付けられた発熱体から発せられる熱を受ける放熱基板と、放熱基板の一面に一体に設けられてケーシング内の全体に点在する複数のピンフィンとからなり、発熱体取付面に取り付けられた発熱体から発せられる熱が放熱器の放熱基板およびピンフィンを介してケーシング内を流れる冷却液に放熱される液冷式冷却装置であって、
ケーシングの頂壁および底壁のうち外面が発熱体取付面となっていない壁に、ケーシング内に冷却液を流入させる冷却液流入部およびケーシング内から冷却液を流出させる冷却液流出部が、放熱器のピンフィンが形成されている部分に臨むように形成され、ケーシングに、冷却液流入部に通じかつケーシング内に冷却液を送り込む入口パイプと、冷却流出部に通じかつケーシング内から冷却液を送り出す出口パイプとが接続され、入口パイプおよび出口パイプの管路のケーシング側端部の流路面積が、ケーシングに向かって徐々に大きくなっている液冷式冷却装置。
2)入口パイプおよび出口パイプが横断面円形であり、入口パイプおよび出口パイプのケーシング側端部が、ケーシングに向かって大径となったテーパ状となっている上記1)記載の液冷式冷却装置。
3)放熱器の放熱基板が、ケーシングの頂壁および底壁のうち外面が発熱体取付面となされている壁を兼ねている上記1)または2)記載の液冷式冷却装置。
4)ピンフィンの先端が、ケーシングの頂壁および底壁のうち外面が発熱体取付面となっていない壁の内面における冷却液流入部および冷却液流出部を除いた部分に接合されている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の液冷式冷却装置。
上記1)〜4)の液冷式冷却装置によれば、ケーシングの頂壁および底壁のうち外面が発熱体取付面となっていない壁に、ケーシング内に冷却液を流入させる冷却液流入部およびケーシング内から冷却液を流出させる冷却液流出部が、放熱器のピンフィンが形成されている部分に臨むように形成され、ケーシングに、冷却液流入部に通じかつケーシング内に冷却液を送り込む入口パイプと、冷却流出部に通じかつケーシング内から冷却液を送り出す出口パイプとが接続され、入口パイプおよび出口パイプの管路のケーシング側端部の流路面積が、ケーシングに向かって徐々に大きくなっているので、冷却液が入口パイプから冷却液流入部を通ってケーシング内に流入する際、および冷却液流出部を通って出口パイプに流出する際の抵抗が低減される。したがって、放熱器のピンフィンを、ケーシング内の全体に点在するように設けたとしても、冷却液がケーシング内を流れる際の圧力損失の増大を抑制することができる。また、ピンフィンが設けられておらず、したがって冷却液への放熱に寄与しない入口ヘッダ部および出口ヘッダ部をケーシング内に設ける必要がなく、液冷式冷却装置全体の小型化を図ることができ、液冷式冷却装置の設置スペースの省スペース化を図ることができる。
上記3)の液冷式冷却装置によれば、発熱体取付面に取り付けられた発熱体からピンフィンへの熱伝導性が向上し、ひいては発熱体から発せられる熱のケーシング内を流れる冷却液への放熱性能が向上する。
上記4)の液冷式冷却装置によれば、ケーシングの耐圧性が向上する。
この発明の液冷式冷却装置を示す分解斜視図である。 図1の液冷式冷却装置の垂直断面図である。 図2のA−A線断面図である。 液冷式冷却装置のケーシングの変形例を示す図3相当の図である。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
この明細書において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
また、以下の説明において、図2の左右を左右といい、図3の上側を前、これと反対側を後というものとする。
図1〜図3は液冷式冷却装置の全体構成を示す。
図1〜図3において、液冷式冷却装置(1)は、頂壁(2a)、底壁(2b)および周壁(2c)を有するアルミニウム製ケーシング(2)と、ケーシング(2)に固定されたアルミニウム製放熱器(3)とを備えており、ケーシング(2)の頂壁(2a)および底壁(2b)うちのいずれか一方の壁、ここでは頂壁(2a)の外面が発熱体取付面(4)となされている。
ケーシング(2)は、底壁(2b)および周壁(2c)を構成する上方に開口した箱状のアルミニウム製下構成部材(5)と、下構成部材(5)の周壁(2c)を構成する部分の上端部に設けられた外向きフランジにろう付され、かつ頂壁(2a)を構成する板状のアルミニウム製上構成部材(6)とよりなる。
ケーシング(2)の底壁(2b)における前後方向中央部の左右両端部にそれぞれ円形貫通穴(7)(8)が形成されている。左側の円形貫通穴(7)内にケーシング(2)内に冷却液を送り込む横断面円形のアルミニウム製入口パイプ(9)の端部が挿入されるとともに、右側の円形貫通穴(8)内にケーシング(2)内から冷却液を送り出す横断面円形のアルミニウム製出口パイプ(11)が接続され、両パイプ(9)(11)がケーシング(2)の底壁(2b)にろう付されている。
入口パイプ(9)および出口パイプ(11)のケーシング(2)側端部が、ケーシング(2)に向かって大径となったテーパ状となっており、入口パイプおよび出口パイプの管路のケーシング側端部の流路面積が、ケーシングに向かって徐々に大きくなっている。すなわち、両パイプ(9)(11)におけるケーシング(2)側の開口端寄りの部分でかつ底壁(2b)の円形貫通穴(7)(8)に連なった部分に、一定の長さを有しかつケーシング(2)に向かって大径となったテーパ部(9a)(11a)が設けられており、テーパ部(9a)(11a)の開口端に設けられた短い円筒状部が円形貫通穴(7)(8)内に挿入されて底壁(2b)にろう付されている。そして、入口パイプ(9)の円形貫通穴(7)内に挿入された部分の管路が、ケーシング(2)内に冷却液を流入させる円形の冷却液流入部(12)となり、出口パイプ(11)の円形貫通穴(8)内に挿入された部分の管路が、ケーシング(2)内から冷却液を流出させる円形の冷却液流出部(13)となっている。
放熱器(3)は、放熱基板(14)と、放熱基板(14)の下面に下方突出状にかつ千鳥配置状に一体に設けられてケーシング(2)内の全体に点在する複数の円柱状ピンフィン(15)とからなる。放熱基板(14)は、ケーシング(2)の上構成部材(6)、すなわち頂壁(2a)を兼ねており、その下面周縁部が下構成部材(5)の周壁上端の外向きフランジにろう付されている。放熱基板(14)の上面が発熱体取付面(4)となっており、IGBTなどのパワーデバイスや、IGBTが制御回路と一体化されて同一パッケージに収納されたIGBTモジュールや、IGBTモジュールにさらに保護回路が一体化されて同一パッケージに収納されたインテリジェントパワーモジュールなどからなる発熱体(P)が、絶縁部材(I)を介して発熱体取付面(4)に取り付けられる。ピンフィン(15)は、放熱基板(14)のケーシング(2)内に臨んだ部分において、4側辺が周壁(2c)の近傍に位置する四角形の範囲内に設けられている。当該四角形は、左側辺が冷却液流入部(12)の外側(左側)にあり、右側辺が冷却液流出部(13)の外側(右側)にある。また、前記四角形の前後両側辺と周壁(2c)の前後両側壁部との間隔は、前記四角形の左右両側辺と周壁(2c)の左右両側壁部との間隔とほぼ等しくなっていることが好ましい。また、ピンフィン(15)の高さはすべて等しく、その先端はケーシング(2)の底壁(2b)における冷却液流入部(12)および冷却液流出部(13)を除いた部分ににろう付されていることが好ましいが、これに限定されるものではなく、一部のピンフィン(15)の先端はケーシング(2)の底壁(2b)にろう付されていなくてもよい。
上記構成の液冷式冷却装置(1)において、冷却液は、入口パイプ(9)から冷却液流入部(12)を通ってケーシング(2)内に流入した後に、ピンフィン(15)間のすべての冷却液流通用空隙に分流して冷却液流出部(13)側に流れ、冷却液流出部(13)を通って出口パイプ(11)に送り出される。発熱体(P)から発せられる熱は、絶縁部材(I)、ケーシング(2)の頂壁(2a)、すなわち放熱器(3)の放熱基板(14)およびピンフィン(15)を経てケーシング(2)内を流れる冷却液に放熱され、発熱体(P)が冷却される。
図4はケーシングの変形例を示す。
図4において、ケーシング(2)の底壁(2b)における前側端の左端部および後側端の右端部にそれぞれ円形貫通穴(20)(21)が形成されている。その他の構成は、上述した実施形態のケーシング(2)と同様である。
上述した実施形態のケーシング(2)においては、底壁(2b)における前後方向中央部の左右両端部にそれぞれ円形貫通穴(7)(8)が形成されており、その結果冷却液流入部(12)が底壁(2b)の前後方向中央部の左端部に設けられるとともに、冷却液流出部(13)が底壁(2b)の前後方向中央部の右端部に設けられ、上述した変形例のケーシング(2)においては、底壁(2b)における前側端の左端部および後側端の右端部にそれぞれ円形貫通穴(20)(21)が形成されており、その結果冷却液流入部(12)が底壁(2b)の前側端の左端部に設けられるとともに、冷却液流出部(13)が底壁(2b)の後側端の右端部に設けられているが、冷却液流入部(12)および冷却液流出部(13)を設ける位置は、ケーシング(2)内全体の冷却液の流れが均一化されるように、適宜変更可能である。
また、上述した実施形態および変形例においては、入口パイプ(9)および出口パイプ(11)の端部が円形貫通穴(7)(8)(20)(21)内に挿入されているので、入口パイプ(9)の円形貫通穴(7)内に挿入された部分の管路が、ケーシング(2)内に冷却液を流入させる冷却液流入部(12)となり、出口パイプ(11)の円形貫通穴(8)内に挿入された部分の管路が、ケーシング(2)内から冷却液を流出させる冷却液流出部(13)となっているが、入口パイプ(9)のテーパ部(9a)の開口端の内径、および出口パイプ(11)のテーパ部(11a)の開口端の内径をそれぞれ円形貫通穴(7)(9)の直径と等しくしておき、入口パイプ(9)および出口パイプ(11)のテーパ部(9a)(11a)の端面が、両パイプ(9)(11)の管路の端部開口が円形貫通穴(7)(8)と合致するようにケーシング(2)の底壁(2b)外面に当接させられてにろう付される場合もある。この場合、円形貫通穴(7)(8)が冷却液流入部(12)および冷却液流出部(13)となる。
また、上述した実施形態および変形例においては、ケーシング(2)の底壁(2b)に円形貫通穴(7)(8)(20)(21)が形成されているが、これに限定されるものではなく、ケーシング(2)の底壁(2b)には楕円形や方形の貫通穴が形成されていてもよい。この場合、入口パイプ(9)および出口パイプ(11)としては横断面円形のものが用いられ、そのケーシング(2)側の開口端の形状が貫通穴の形状に合わせられるとともに、入口パイプ(9)および出口パイプ(11)の管路のケーシング側端部の流路面積が、ケーシングに向かって徐々に大きくなるように加工が施される。
さらに、上述した実施形態においては、放熱器(3)の放熱基板(14)がケーシング(2)の頂壁(2a)を兼ねているが、これに代えて、放熱器(3)の放熱基板(14)とケーシング(2)の頂壁(2a)とが別体であり、放熱基板(14)が頂壁(2a)下面にろう付されていてもよい。また、ケーシング(2)の頂壁(2a)および底壁(2b)のうち底壁(2b)外面が発熱体取付面(4)となっていてもよい。
この発明による液冷式冷却装置は、電気自動車、ハイブリッド自動車、電車などに搭載される電力変換装置に用いられるIGBTなどのパワーデバイスを冷却するのに好適に用いられる。
(1):液冷式冷却装置
(2):ケーシング
(2a):頂壁
(2b):底壁
(3):放熱器
(4):発熱体取付面
(7)(8)(20)(21):円形貫通穴
(9):入口パイプ
(9a):テーパ部
(11):出口パイプ
(11a):テーパ部
(12):冷却液流入部
(13):冷却液流出部
(14):放熱基板
(15):ピンフィン

Claims (4)

  1. 頂壁および底壁を有しかつ内部を冷却液が流れるようになっているケーシングと、ケーシングに固定された放熱器とを備えており、ケーシングの頂壁外面および底壁外面のうちいずれか一方が発熱体取付面となされ、放熱器が、発熱体取付面に取り付けられた発熱体から発せられる熱を受ける放熱基板と、放熱基板の一面に一体に設けられてケーシング内の全体に点在する複数のピンフィンとからなり、発熱体取付面に取り付けられた発熱体から発せられる熱が放熱器の放熱基板およびピンフィンを介してケーシング内を流れる冷却液に放熱される液冷式冷却装置であって、
    ケーシングの頂壁および底壁のうち外面が発熱体取付面となっていない壁に、ケーシング内に冷却液を流入させる冷却液流入部およびケーシング内から冷却液を流出させる冷却液流出部が、放熱器のピンフィンが形成されている部分に臨むように形成され、ケーシングに、冷却液流入部に通じかつケーシング内に冷却液を送り込む入口パイプと、冷却流出部に通じかつケーシング内から冷却液を送り出す出口パイプとが接続され、入口パイプおよび出口パイプの管路のケーシング側端部の流路面積が、ケーシングに向かって徐々に大きくなっている液冷式冷却装置。
  2. 入口パイプおよび出口パイプが横断面円形であり、入口パイプおよび出口パイプのケーシング側端部が、ケーシングに向かって大径となったテーパ状となっている請求項1記載の液冷式冷却装置。
  3. 放熱器の放熱基板が、ケーシングの頂壁および底壁のうち外面が発熱体取付面となされている壁を兼ねている請求項1または2記載の液冷式冷却装置。
  4. ピンフィンの先端が、ケーシングの頂壁および底壁のうち外面が発熱体取付面となっていない壁の内面における冷却液流入部および冷却液流出部を除いた部分に接合されている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の液冷式冷却装置。
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