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JP2016108498A - 導電性接着剤組成物及び半導体装置 - Google Patents

導電性接着剤組成物及び半導体装置 Download PDF

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JP2016108498A
JP2016108498A JP2014249220A JP2014249220A JP2016108498A JP 2016108498 A JP2016108498 A JP 2016108498A JP 2014249220 A JP2014249220 A JP 2014249220A JP 2014249220 A JP2014249220 A JP 2014249220A JP 2016108498 A JP2016108498 A JP 2016108498A
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裕喜 岩瀬
Hiroyoshi Iwase
裕喜 岩瀬
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Kyocera Chemical Corp
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Kyocera Chemical Corp
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Abstract

【課題】熱伝導性が高く、かつ薄型化半導体チップであってもその上部への這い上がりを抑制できる導電性接着剤組成物、及びこれを用いた高信頼性の半導体装置を提供する。【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)銀粉、及び(D)希釈剤を含有する組成物であって、(C)銀粉を組成物全体の67〜97質量%含有し、EHD型回転粘度計により測定した粘度(25℃、0.5rpm)が50〜250Pa・sであり、かつチクソ指数η0.5rpm/η2.5rpmが4.0以下である導電性接着剤組成物。また、そのような導電性接着剤組成物により半導体チップが支持部材上に接着されて成る半導体装置。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性接着剤組成物、及びそれを用いた半導体装置に関する。
従来、IC、LSI等の半導体素子(半導体チップ)をリードフレームやガラスエポキシ配線板等に接着するために、ダイアタッチペーストとも称する導電性の接着剤組成物が使用されている。
近年、IC、LSI等の半導体チップ(以下、単にチップともいう)は集積度が高密度化し、チップ自体の発熱量が多くなり、その熱を放熱するために、熱伝導性の高いダイアタッチペーストが使用される傾向にある。また、半導体装置チップ自体の放熱性を高めるため、チップの薄型化も進められている。具体的には、厚さ0.1mm以下のチップが使用されてきている(従来は、0.2〜1mm)。
このチップの薄型化により、従来のダイアタッチペーストでは、チップ上部までぺーストが這い上がり、チップ表面の配線部と接触してリーク不良等が起こる可能性が示唆されている。
そこで、ダイアタッチペーストの這い上がりを防止するため、いわゆるダイアタッチフィルムの使用が検討されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、ダイアタッチペーストに匹敵する高熱伝導性を有するものは未だ得られていない。
一方、基板上に余分な銀ペーストを接着区域外へ導く溝を形成して、銀ペーストのチップ上部への這い上がりを防止する方法(例えば、特許文献2参照)、基板に銀ペースト塗布し、チップを搭載した後、加熱温度を調節して銀ペーストの粘性を高く維持する方法(例えば、特許文献3参照)等も提案されている。しかしながら、これらの方法はいずれも煩雑な工程が必要である。
特開2011−77436号公報 特開2001−240004号公報 特許第3793413号公報
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、熱伝導性が高く、かつ薄型化半導体チップであってもその上部への這い上がりが生じることがない導電性接着剤組成物、及びこのような導電性接着剤組成物を用いた高信頼性の半導体装置を目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、導電性フィラーとして銀粉を使用し、その含有量を特定するとともに、粘度及びチクソ性を特定することにより、高熱伝導性で、かつチップ上部への這い上がりを抑制できる導電性接着剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の一態様に係る導電性接着剤組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)銀粉、及び(D)希釈剤を含有する導電性接着剤組成物であって、前記(C)銀粉を導電性接着剤組成物全体の67〜97質量%含有し、EHD型回転粘度計により、温度25℃、回転数0.5rpmで測定した粘度が50〜250Pa・sであり、かつチクソ指数η0.5rpm/η2.5rpm(ここで、η0.5rpmはEHD型回転粘度計により、温度25℃、回転数0.5rpmで測定した粘度であり、η2.5rpmはEHD型回転粘度計により、温度25℃、回転数2.5rpmで測定した粘度である。)が4.0以下であることを特徴とするものである。
また、本発明の他の一態様に係る半導体装置は、上記導電性接着剤組成物により半導体チップが支持部材上に接着されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、熱伝導性が高く、かつ薄型化半導体チップであってもその上部への這い上がりが生じることがない導電性接着剤組成物、及びこのような導電性接着剤組成物を用いた高信頼性の半導体装置を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の導電性接着剤組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)銀粉、及び(D)希釈剤を含有するものである。
本発明に用いられる(A)成分のエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のグリシジル基(エポキシ基)を有するものであれば、特に限定されることはなく、公知のエポキシ樹脂を使用することができる。
使用可能なエポキシ樹脂の例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、アルキル置換ビスフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。エポキシ樹脂としては、なかでも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、アルキル置換ビスフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましく、特にビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明に用いられる(B)成分の硬化剤は、従来、エポキシ樹脂の硬化剤として使用されているものであれば、特に制限されることなく使用することができる。
使用可能な硬化剤の例としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類やα−ナフトール、ベータナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合または共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、ポリパラビニルフェノール樹脂、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類とジメトキシパラキシレンから合成されるキシリレン基を有するフェノールアラルキル樹脂等のフェノール樹脂硬化剤;無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水メチルハイミック酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等のアミン硬化剤;2‐エチル‐4‐メチルイミダゾール、2‐ヘプタデシルイミダゾール、2‐メチルイミダゾール、2‐エチルイミダゾール、2‐フェニルイミダゾール、2‐フェニル‐4‐メチルイミダゾール、4‐メチルイミダゾール、4‐エチルイミダゾール、2‐フェニル‐4‐ヒドロキシメチルイミダゾール、1‐シアノエチル‐2‐メチルイミダゾール、1‐シアノエチル‐2‐エチル‐4‐メチルイミダゾール、2‐フェニル‐4‐メチル‐5‐ヒドロキシメチルイミダゾール、2‐フェニル‐4、5‐ジヒドロキシメチルイミダゾールな等のイミダゾール化合物;ジシアンジアミド(DICY)、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン酸、イソフタル酸、p−オキシ安息香酸等の潜在性硬化剤、イソシアネート化合物、カチオン系硬化剤等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。硬化剤としては、なかでも、粘度、耐熱性等の点から、フェノール樹脂硬化剤、アミン硬化剤、ジシアンジアミドが好ましく、特にフェノール樹脂硬化剤が好ましい。
この(B)成分の硬化剤の配合量は、上記(A)成分のエポキシ樹脂中のエポキシ基1当量当たり、フェノール樹脂中のフェノール性水酸基当量が0.1〜1.0当量となる範囲が好ましく、0.2〜0.5当量となる範囲がより好ましい。0.1当量未満であると、硬化が十分に進行せず、接着力が低下し、また1.0当量を超えると、未反応のフェノール樹脂の残留により、耐湿性、耐熱性等の特性が低下するおそれがある。
本発明に用いられる(C)成分の銀粉は、比表面積が0.1〜1.5m/g、平均粒径が5.0μm以上、タップ密度が4.0g/cm以下で、かつ形状がフレーク状(鱗片状)または不定形状(針状、粒状、樹枝状、繊維状等)であることが好ましい。比表面積が0.1m/g未満では、チクソ性が低下して這い上がりが発生しやすくなり、1.5m/gを超えると、高充填が困難になる。また、平均粒径が5.0μm未満であると、這い上がりが発生しやすくなる。また、タップ密度が4.0g/cmを超えると低チクソとなり這い上がりが発生しやすくなる。さらに形状が、フレーク状及び不定形状以外の形状であると、チップに傾きが生じやすくなる。
銀粉の比表面積は、0.3〜1.2m/gであることがより好ましい。また、銀粉の平均粒径は、5.0〜25.0μmであることがより好ましく、5.0〜12.0μmであることがより一層好ましい。また、銀粉のタップ密度は、0.5〜4.0g/cmであることがより好ましく、2.0〜4.0g/cmであることがより一層好ましい。ここで、銀粉の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定した個数積算分布における50%粒径(D50値)である。
なお、銀粉全量の15質量%を超えない範囲であれば、フレーク状または不定形状以外の形状のものを使用してもよい。しかしながら、本発明の目的のためには、フレーク状または不定形状のもののみを使用することが好ましい。銀粉の形状の「フレーク状」、「不定形状」、「球状」、「針状」、「粒状」、「樹枝状」、「繊維状」は、次のように定義される。
「フレーク状」とは、板のような形状であり(JIS Z2500:2000参照)、鱗片状とも言われる。「不定形状」とは、対称性がない形状である(JIS Z2500:2000参照)。「球状」とは、略球に近い形状である(JIS Z2500:2000参照)。「粒状」とは、不規則形状のものでなく略等しい寸法を持つ形状である(JIS Z2500:2000参照)。「樹枝状」とは、枝葉に分かれた形状である(JIS Z2500:2000参照)。「繊維状」とは、規則的または不規則的に糸状になっている形状である(JIS Z2500:2000参照)。
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、必要に応じて、銀粉以外の導電性フィラーを配合してもよい。銀粉以外の導電性フィラーとしては、銅粉末、銀コート銅粉末、ニッケル粉末、アルミニウム粉末等が挙げられる。
この(C)成分の銀粉末の配合量は、導電性接着剤組成物全体の67〜97質量%であり、好ましくは75〜97質量%、より好ましくは85〜95質量%である。67質量%未満では、導電性の確保等が困難になり、97質量%を超えると、後述する(D)成分の希釈剤の使用量を多くする必要が生じ、硬化物内のボイドの発生原因となるため、信頼性が低下する。
本発明に用いられる(D)成分の希釈剤としては、例えば、n−ブチルグリシジルエーテル、4−(t−ブチル)フェノールグリシジルエーテル、レゾルシングリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3,3−ペンタメチルシロキサン、N−グリシジル−N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、グリシジルメタクリレート、等のモノグリシジル化合物、2−(3,4)−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のモノ脂環式エポキシ化合物、スチレンオキサイド、ジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールグリシジルエーテル、ブタンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、l,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、ジオキサン、ヘキサン、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、シクロヘキサノン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル等も使用可能である。
これらは1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
この(D)成分の希釈剤の配合量は、上記(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、30〜250質量部の範囲が好ましく、70〜200質量部の範囲がより好ましい。30質量部未満では、粘度が上昇し、作業性が低下する。また、250質量部を超えると、硬化不良や硬化物内にボイドが生じ、電気特性が低下するおそれがある。
本発明の導電性接着剤組成物には、上記(A)成分と(B)成分との硬化を促進する目的で、硬化促進剤を配合することができる。
硬化促進剤としては、イミダゾール類、第3級アミン類またはその塩、有機ボロン塩化合物等が挙げられ、なかでもイミダゾール類が好ましい。
イミダゾール類の具体例としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、2−ウンデシル−1H−イミダゾール、2−ヘプタデシル−1H−イミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−ウンデシルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール塩酸塩、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト等が挙げられる。
硬化促進剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。その配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、5.0質量部以下とすることが好ましく、0.5〜2.0質量部の範囲がより好ましい。5.0質量部を超えると、硬化促進効果はさほど変わらずに、常温での保存安定性が低下する。
本発明の導電性接着剤組成物には、さらに、カップリング剤、接着力向上剤、消泡剤、その他の各種添加剤を、導電性接着剤組成物の機能を阻害しない範囲で配合することができる。
カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤の他、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコート系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤等が挙げられる。これらのなかでも、シランカップリング剤が好ましく、特に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
カップリング剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。その配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、1.0〜5.0質量部の範囲が好ましく、1.5〜3.0質量部の範囲がより好ましい。配合量が1.0質量部未満では、接着性を改善する効果が小さく、逆に、5.0質量部を超えると、揮発分が多くなり、硬化物中にボイドが生じやすくなる傾向がある。
本発明の導電性接着剤組成物は、上述したような(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)銀粉、及び(D)希釈剤と、必要に応じて配合される各種成分とを十分に混合した後、さらにディスパース、ニーダ、三本ロールミル、遊星撹拌機等により混練処理を行い、その後、減圧脱泡することにより製造することができる。
(B)成分の硬化剤は、予め溶剤に溶解させて使用するようにしてもよい。ここで用いることができる溶剤としては、例えば、ジオキサン、ヘキサン、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、シクロヘキサノン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の導電性接着剤組成物は、EHD型回転粘度計により、温度25℃、回転数0.5rpmで測定した粘度が50〜250Pa・sである。EHD型回転粘度計により、温度25℃、回転数0.5rpmで測定した粘度が50Pa・s未満であると、半導体チップ上部への這い上がり性が悪化する。また、EHD型回転粘度計により、温度25℃、回転数0.5rpmで測定した粘度が250Pa・sを超えると、糸引き等により作業性が低下し、生産性に悪影響を及ぼすおそれがある。EHD型回転粘度計により、温度25℃、回転数0.5rpmで測定した粘度は、50〜200Pa・sであることがより好ましい。
また、本発明の導電性接着剤組成物は、チクソ指数η0.5rpm/η2.5rpm(ここで、η0.5rpmはEHD型回転粘度計により、温度25℃、回転数0.5rpmで測定した粘度であり、η2.5rpmはEHD型回転粘度計により、温度25℃、回転数2.5rpmで測定した粘度である。)が4.0以下である。チクソ指数η0.5rpm/η2.5rpmが4.0を超えると、半導体チップ上部への這い上がり性が悪化する。チクソ指数η0.5rpm/η2.5rpmは、1.0〜4.0であることが好ましく、2.0〜3.5であることがより好ましい。
本発明の導電性接着剤組成物は、半導体装置の製造や各種電子部品の接着に好適に用いることができる。例えば、半導体装置の製造に用いる場合、導電性接着剤組成物をディスペンサ等を用いて、またはスクリーン印刷法により、配線基板、半導体チップ等の支持部材上に吐出・印刷し、導電性接着剤組成物を介して半導体チップを支持部材上にマウントした後、導電性接着剤組成物を加熱硬化させる。加熱は、通常、100〜200℃で1〜2時間程度行われる。その後、支持部材上の電極と半導体チップ上の電極とをワイヤボンディング等により接続し、次いで、これらを封止樹脂を用いて封止することにより、半導体装置が製造される。
このように製造される半導体装置においては、支持部材に搭載した半導体チップが厚さ100μm以下という薄型化半導体チップであっても、その上部へ導電性接着剤組成物が這い上がることはなく、また、導電性接着剤組成物は高い熱伝導性を有しているため、従来に比べ信頼性の向上を図ることができる。
次に、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において使用した銀粉及び銀粉以外の材料を表1及び表2にそれぞれ示す。
Figure 2016108498
Figure 2016108498
実施例1
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(JER(株)製 商品名 YL983U)100質量部、ジシアンジアミド(JER(株)製 商品名 DICY 7;硬化剤II)1質量部、硬化促進剤2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業(株)製 商品名 2P4MHZ−PW))1質量部、銀粉(福田金属箔粉工業(株)製 商品名 AgC−GS;銀粉I)1636質量部、及び希釈剤ジエチレングリコールジエチルエーテル110質量部を十分に混合し、さらに、三本ロールミルで混練して導電性接着剤組成物を調製した。
実施例2〜5、比較例1〜4
組成を表3に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして導電性接着剤組成物を調製した。なお、銀粉として、実施例2及び比較例2では、いずれも表2に示す銀粉I、銀粉III、銀粉IVを混合して用いた。また、比較例1及び比較例4では、それぞれ銀粉II及び銀粉IIIを単独で用い、比較例3では、銀粉I、銀粉III、銀粉IV、銀粉Vを混合して用いた。さらに、実施例5は、硬化剤として、ジシアンジアミドに代えて、ポリ−p−ビニルフェノール(丸善石油化学(株)製 商品名 マルカリンカーM;硬化剤I)を使用した例である。
上記各実施例および各比較例で得られた導電性接着剤組成物について、下記に示す方法で各種特性を評価し、その結果を表3に併せ示した。なお、表3に記載した銀粉の平均粒径、BET比表面積及びタップ密度は、1種を単独で使用した場合は、用いた銀粉それ自体の物性であり、複数種の銀粉を併用した場合は、それらの混合物について測定された物性である。
(1)粘度
東機産業(株)製のEHD型回転粘度計((3°コーン)を用い、温度25℃、回転数0.5rpmの条件で測定した。
(2)チクソ性
東機産業(株)製のEHD型回転粘度計(3°コーン)を用い、温度25℃、回転数2.5rpmの条件で粘度(η2.5rpm)を測定し、上記(1)で温度25℃、回転数0.5rpmの条件で測定された粘度(η0.5rpm)との比η0.5rpm/η2.5rpmを算出した。
(3)這い上がり性
Agめっき/Cuフレーム上に導電性接着剤組成物をディスペンサーにより接着後の厚さが50〜100μmになるように塗布し、その上に縦2mm、横2mm、厚さ0.3mmの半導体シリコンチップを、速度400mm/sec、マウント圧50gでマウントした際の、導電性接着剤組成物のチップ側面への這い上がり量をユニオン光学(株)製の焦点深度計により測定し、這い上がり量が100μmを超えて不良と判定された試料の数を計数し、下記の基準で評価した(n=10)。
○:不良試料数 0または1
×:不良試料数/試料総数 2以上
(4)塗布作業性
ディスペンス試験(24Gニードル、塗布圧130MPa)、吐出時間100msec、吐出数300shot)を行い、糸引きが発生した試料の数を計数し、下記の基準で評価した(n=5)。
○:糸引き試料数 0(なし)
×:糸引き試料数 1以上(あり)
Figure 2016108498
表3からも明らかなように、実施例に係る導電性接着剤組成物は、這い上がり性及び塗布作業性に優れており、このような導電性接着剤組成物を用いることにより、放熱性に優れた信頼性の高い半導体装置を得ることができることが確認された。

Claims (5)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)銀粉、及び(D)希釈剤を含有する導電性接着剤組成物であって、
    前記(C)銀粉を導電性接着剤組成物全体の67〜97質量%含有し、EHD型回転粘度計により、温度25℃、回転数0.5rpmで測定した粘度が50〜250Pa・sであり、かつチクソ指数η0.5rpm/η2.5rpm(ここで、η0.5rpmはEHD型回転粘度計により、温度25℃、回転数0.5rpmで測定した粘度であり、η2.5rpmはEHD型回転粘度計により、温度25℃、回転数2.5rpmで測定した粘度である。)が4.0以下であることを特徴とする導電性接着剤組成物。
  2. 前記(C)銀粉は、比表面積が0.1〜1.5m/g、平均粒径が5.0μm以上、タップ密度が4.0g/cm以下で、かつ形状がフレーク状または不定形状であることを特徴とする請求項1記載の導電性接着剤組成物。
  3. 前記(A)エポキシ樹脂が、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2記載の導電性接着剤組成物。
  4. 前記(B)硬化剤が、アミンまたはジシアンジアミドを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の導電性接着剤組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の導電性接着剤組成物により半導体チップが支持部材上に接着されていることを特徴とする半導体装置。
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