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JP2016087700A - 負荷情報の設定を確認する機能を備えた制御装置 - Google Patents

負荷情報の設定を確認する機能を備えた制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】負荷情報が適切に設定されていることを簡易な方法で確認できるようにした制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置10は、サーボモータ34から付与されるトルクによって自動機械の姿勢が保持される静止状態にあるときに、予め設定された負荷情報に基づいて、姿勢を保持するのに必要な推定トルクを計算する推定トルク計算部12と、姿勢を保持するのに実際に付与されている実トルクを計算する実トルク計算部13と、推定トルクと実トルクとの誤差を予め定められる第1の閾値と比較するトルク比較部14と、誤差が第1の閾値を超えた場合に、自動機械の以降の動作を停止させる停止処理部15と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロボット又は工作機械などの産業用機械を制御する制御装置に関する。
サーボモータにより駆動されるロボット、又は工作機械などの産業用機械において、追従遅れを低減するために、フィードフォワード制御が広く採用されている。フィードフォワード制御を適切に実行するためには、制御対象の動特性を正確に把握する必要がある。そのため、ロボット又は工作機械が付加的な物体を備えている場合、例えば加工ツールを備える場合、又はワークを把持したりする場合には、それら物体(以下、「負荷」という。)の質量、重心位置、慣性行列(以下、「負荷情報」という。)を取得する必要がある。一般的に、負荷情報は、ユーザによって手動で入力されるか、又は推定機能を利用して求められる。
特許文献1には、サーボモータで駆動される複数の軸を有するロボット又は工作機械を制御する制御方法において、フィードフォワード制御を実行する際に使用される、負荷重量のパラメータを推定することが開示されている。この公知技術によれば、既知の条件を含む複数の異なる条件下で対象の軸についてトルクを測定し、モーメントの釣合いを表す複数の連立方程式を解くことによって、負荷重量のパラメータが求められる。
特許文献2には、ロボットによって把持されるワークの重量及び重心位置を推定する負荷推定方法が開示されている。この公知技術によれば、ワークの重量を考慮せずにモータに対して送出されるトルク指令と、ワークの影響を受ける実際のトルクとの間の差異に基づいて、ワークの重量を推定する。
特開平9−091004号公報 特開2011−235374号公報 特開2005−088140号公報
特許文献1又は特許文献2に記載された公知技術は、未知の負荷情報を設定する際に有用である。しかしながら、ロボット又は工作機械などの自動機械の運転時には、ツールが交換されたり、ワークが把持され、若しくは解放されたり、又は複数の種類のワークが無作為に扱われたりするので、負荷が随時変化することがある。そのため、状況に応じて変化する負荷に合わせて、負荷情報を随時切替える必要がある。負荷情報が適切に設定されていない場合、意図した制御を実行できなくなったり、機構部が損傷を受けたり、又は自動機械が不必要に低速で動作してサイクルタイムが増大したりする。そこで、負荷情報が適切に設定されていることを確認する必要がある。
特許文献3には、物体に付与された無線ICタグを介して、情報サーバから物体処理用情報を取得し、その物体処理情報に基づいて、当該物体に対する処理を実行する物体処理方法が開示されている。この公知技術によれば、形状及び重量などの物体固有の情報を無線ICタグに記憶させることができるので、処理しようとする物体の負荷情報を随時取得できる。
しかしながら、特許文献3に記載された公知技術によれば、対象物に無線ICタグを付与する必要があるし、タグリーダ、サーバなどの付加的な要素が必要になるので、容易に導入することができないし、コスト増大につながる。そこで、負荷情報が適切に設定されていることを簡易な方法で確認できるようにした制御装置が求められている。
1番目の発明によれば、予め設定された負荷情報に基づいて、サーボモータによって駆動される複数の軸を有する自動機械を制御する制御装置であって、前記サーボモータから付与されるトルクによって前記自動機械の姿勢が保持される静止状態にあるときに、前記負荷情報に基づいて、前記姿勢を保持するのに必要な前記サーボモータの推定トルクを計算する推定トルク計算部と、前記姿勢を保持するのに前記サーボモータによって実際に付与されている実トルクを計算する実トルク計算部と、前記推定トルクと前記実トルクとの誤差を予め定められる第1の閾値と比較するトルク比較部と、前記誤差が前記第1の閾値を超えた場合に、前記自動機械の以降の動作を停止させる停止処理部と、を備える制御装置が提供される。
2番目の発明によれば、1番目の発明に係る制御装置において、前記トルク比較部が、前記誤差を予め定められる第2の閾値と比較するように構成されており、当該制御装置が、前記誤差と前記第2の閾値との比較結果を通知する通知処理部をさらに備える。
3番目の発明によれば、1番目又は2番目の発明に係る制御装置において、前記実トルク計算部が、前記サーボモータのフィードバック電流及び前記サーボモータのトルク定数に基づいて、前記実トルクを計算するように構成される。
4番目の発明によれば、1番目又は2番目の発明に係る制御装置において、前記実トルク計算部が、前記自動機械に取付けられたトルクセンサによる計測結果に基づいて、前記実トルクを計算するように構成される。
5番目の発明によれば、1番目から4番目のいずれかの発明に係る制御装置において、前記推定トルク計算部は、既知の負荷が付与される状態、又は無負荷状態において前記自動機械の姿勢を保持するのに必要なトルクを求めることによって計算される静摩擦トルクに基づいて、前記推定トルクを補正するように構成される。
6番目の発明によれば、1番目から5番目のいずれかの発明に係る制御装置において、前記第1の閾値が、前記推定トルクの大きさに応じて設定される。
7番目の発明によれば、2番目の発明に係る制御装置において、前記第2の閾値が、前記推定トルクの大きさに応じて設定される。
8番目の発明によれば、1番目から7番目のいずれかの発明に係る制御装置において、前記第1の閾値が、既知の負荷が作用する状態、又は無負荷状態において前記自動機械の姿勢を保持するのに必要なトルクのばらつきに基づいて設定される。
9番目の発明によれば、2番目の発明に係る制御装置において、前記第2の閾値が、既知の負荷が作用する状態、又は無負荷状態において前記自動機械の姿勢を保持するのに必要なトルクのばらつきに基づいて設定される。
10番目の発明によれば、予め設定された負荷情報に基づいて、サーボモータによって駆動される複数の軸を有する自動機械を制御する制御装置であって、前記サーボモータから付与されるトルクによって前記自動機械の姿勢が保持される静止状態にあるときに、前記負荷情報に基づいて、前記姿勢を保持するのに必要な前記サーボモータの推定トルクを計算する推定トルク計算部と、前記姿勢を保持するのに前記サーボモータによって実際に付与されている実トルクを計算する実トルク計算部と、前記推定トルクと前記実トルクとの誤差を予め定められる閾値と比較するトルク比較部と、前記誤差が前記閾値を超えた場合に、前記負荷情報が不適切であることをユーザに通知する通知処理部と、を備える制御装置が提供される。
これら及び他の本発明の目的、特徴及び利点は、添付図面に示される本発明の例示的な実施形態に係る詳細な説明を参照することによって、より明らかになるであろう。
本発明に係る制御装置によれば、予め設定された負荷情報に基づいて算出される、自動機械の姿勢を保持するのに必要な推定トルクと、実際に姿勢を保持するために出力されている実トルクとを比較し、その比較結果に基づいて、負荷情報が適切であるか否かを自動的に判定する。制御装置は、負荷情報が不適切であると判定されたときは、機械を停止させたり、又は異常をユーザに通知したりするように構成される。それにより、不適切な負荷情報に起因して機械が誤作動したり、機構部が損傷したりするのを防止できるようになる。
本発明を適用可能なロボットシステムの構成例を示す図である。 一実施形態に係る制御装置の機能を示すブロック図である。 一実施形態に係る制御装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。 別の実施形態に係る制御装置の機能を示すブロック図である。 また別の実施形態に係る制御装置の機能を示すブロック図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。同一又は対応する構成要素には、同一の参照符号が使用される。
図1は、本発明を適用可能なロボットシステムの構成例を示す図である。ロボットシステム1は、ロボット3と、ロボット3を制御する制御装置10と、を備えている。ロボット3は、アーム31の先端に設けられた手首32を備えている。手首32には、ツール、例えば図示されないワークを把持するのに使用されるハンド33が取付けられている。ツールは、要求される処理に応じて適宜交換可能であり、例えば溶接ガン、塗装ガン、工作機械の刃などの種々の加工ツールであってもよい。ロボット3は任意の公知の構成を有する。例えば、ロボット3は、図示されるような6軸の垂直多関節ロボットである。本発明は、サーボモータによって駆動される複数の軸を有する任意の自動機械に対して適用可能である。
制御装置10は、通信ケーブル4などの公知の通信手段でロボット3に接続される。制御装置10は、ロボット3の関節軸を駆動するサーボモータに制御指令を付与することによって、ロボット3の位置及び姿勢を制御する。制御装置10は、CPUと、RAMと、ROMと、入力デバイス及び表示デバイスなどの外部機器との間で信号及びデータを送受信するのに使用されるインタフェースと、を備えた公知のハードウェア構成を備えている。
図2は、一実施形態に係る制御装置10の機能を示すブロック図である。制御装置10は、負荷情報設定部11と、推定トルク計算部12と、実トルク計算部13と、トルク比較部14と、停止処理部15と、通知処理部16と、動作指令部17と、を備えている。
負荷情報設定部11は、ロボット3に付与されている負荷について負荷情報を設定する。負荷には、ロボット3の手首32に取付けられる種々の加工ツール、又はロボット3のハンド33、或いはハンド33及び該ハンド33によって把持されるワークなどが含まれる。負荷情報は、ロボット3に付与される負荷の質量、重心位置、慣性行列などの負荷パラメータを含んでいる。負荷情報は、ユーザによって入力される既知の情報であってもよいし、又は公知の推定機能(例えば特許文献1又は特許文献2参照)を利用して求められてもよい。信号又はプログラムによって切替えられる複数の種類の負荷情報が設定されてもよい。負荷情報が制御装置10に予め設定されている場合、初期設定がそのまま使用されてもよい。
推定トルク計算部12は、負荷情報設定部11によって設定された負荷情報と、現在のロボット3の姿勢と、ロボット3の機構部の力学的パラメータと、に基づいて、ロボット3が静止するよう姿勢を保持するのに必要なトルク(以下、「推定トルク」と称する。)を計算する。ここで、ロボット3が「静止」するとは、ブレーキなどの別個の制動手段が作用していない状態において、サーボモータ34の出力トルクによってロボット3の姿勢が一時的に保持される状態を意味する。ロボット3の姿勢は、例えばサーボモータ34に対して付与される位置検出器、例えばエンコーダの計測結果から求められる。機構部の力学的パラメータは既知であり、予め設定される。なお、推定トルクがフィードフォワード制御に用いられている場合、推定トルク計算部12は、推定トルクを別途計算する代わりに、フィードフォワード制御のために計算された推定トルクを代用してもよい。
実トルク計算部13は、ロボット3を実際に静止状態に維持するのに出力されているトルク(以下、「実トルク」と称する。)を計算する。実トルクは、例えばサーボモータ34のフィードバック電流及びサーボモータ34のトルク定数、並びに機構部の力学的パラメータに基づいて、公知の方法に従って計算される。なお、トルク定数は状況に応じて変化するので、別途取得される温度情報に基づいて適宜調整されてもよい。或いは、サーボモータ34に対するトルク指令から実トルクを計算してもよい。このように、サーボモータ34の動作情報又はサーボモータ34に対する指令を利用することによって、センサを別個に設ける必要がないので、コストを削減できる。しかしながら、別の実施形態において、実トルク計算部13は、サーボモータ34の出力部に取付けられるトルクセンサによる計測結果に基づいて、実トルクを計算するように構成されてもよい。この場合は、トルク定数の影響を受けることなく実トルクを正確に求められる利点がある。
動作指令部17は、ロボット3のサーボモータ34を動作させる制御指令を作成する。推定トルク計算部12及び実トルク計算部13が推定トルク及び実トルクを計算する際に、動作指令部17は、ロボット3が静止状態になるようサーボモータに対する指令を作成する。ロボット3を静止させるための指令は、推定トルク計算部12によって計算される推定トルクに対応する指令であってもよい。別の実施形態において、動作指令部17によって作成される、ロボット3を静止させる指令に応じて出力されるトルクが、推定トルクとしてトルク比較部14に入力されてもよい。この場合、動作指令部17は、推定トルク計算部12としても機能することになる。
トルク比較部14は、推定トルク計算部12によって計算される推定トルクと、実トルク計算部13によって計算される実トルクとの誤差を計算する。さらに、トルク比較部14は、それらトルクの誤差を予め定められる第1の閾値と比較する。誤差が第1の閾値を超える場合、トルク比較部14は、負荷情報設定部11によって設定されている負荷情報が不適切であると判定する。誤差が閾値以下である場合、トルク比較部14は、現在の負荷情報が適切であると判定する。トルクの誤差と閾値との比較は、互いの絶対値を比較することによって実行されてもよいし、又はトルクの誤差が正の値になるか、又は負の値になるかに応じて、大きさが異なる閾値を用いてトルクの誤差と閾値との比較が実行されてもよい。なお、推定トルク及び実トルクは、比較可能な対応関係が維持されるように、一方のトルクが減速機を介した後のトルクである場合は、他方のトルクも減速機の減速比及び伝達効率を考慮して適宜計算される。
停止処理部15は、トルク比較部14において、負荷情報が不適切であると判定されたときに、動作指令部17に信号を出力し、ロボット3を停止させる。その場合、予定されていたロボット3の以降の動作は中止される。ロボット3の停止状態は、例えばユーザが所定の操作を実行することによって解除される。
通知処理部16は、トルク比較部14による比較結果をユーザに通知する。比較結果は、例えば制御装置10に接続される表示デバイスに文字、記号などで表示される。或いは、比較結果は、ランプの点灯、アラーム音、外部機器に対する信号の送信などを介して、ユーザが知覚可能な任意の態様で通知される。
図3は、一実施形態に係る制御装置10によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。図3を参照して後述する処理は、負荷情報設定部11によって設定される負荷情報が適切であるか否かの判定処理である。このような判定処理は、例えばロボット3を静止させるよう指令が送出される度に実行されてもよいし、或いは、プログラムに従って、外部信号に応答して、又はユーザの操作に応じて、実行されてもよい。
ステップS301において、動作指令部17がロボット3を静止させるよう停止指令を作成する。ステップS301において送出される指令は、例えばロボット3の移動量がゼロになるような位置指令、又は速度がゼロになるような速度指令である。静止指令が入力された後においても、重力などによってロボット3が動作してしまう場合、必要に応じて位置又は速度をフィードバックし、エラーが積分項として蓄積する結果として、ロボット3は静止するようになる。
ロボット3が静止状態になると、ステップS302に進み、推定トルク計算部12が負荷情報設定部11によって設定される負荷情報、ロボット3の現在の位置及び姿勢、ロボット3の機構部の力学的パラメータなどに基づいて、推定トルクを計算する。
ステップS303において、実トルク計算部13が、実トルク、すなわちロボット3の姿勢を保持するために実際に出力されているトルクを計算する。
ステップS304において、トルク比較部14が、推定トルクと実トルクとの間の誤差を、予め定められる第1の閾値と比較する。ステップS304においてトルクの誤差が第1の閾値以下である場合、負荷情報設定部11によって設定された負荷情報は適切であると判定され、省略可能なステップS306に進む。ステップS306において、通知処理部16によって、負荷情報が適切であることがユーザに通知される。負荷情報の判定処理が終了すると、ロボット3は、予定されていた以降の動作を実行する。
他方、ステップS304においてトルクの誤差が第1の閾値を超えている場合、負荷情報は不適切であると判定され、ステップS305に進む。ステップS305では、停止処理部15が停止信号を出力し、ロボット3を停止させる。それにより、ロボット3の以降の動作が中止される。さらに、省略可能なステップS306において、通知処理部16によって、負荷情報が不適切であることがユーザに通知される。
実際に付与されている負荷から乖離した負荷情報が使用される場合、安全に動作可能な加速度よりも大きい加速度でロボットが動作したりして、機構部を損傷させる虞がある。或いは、実際の負荷よりも大きい負荷に対応する負荷情報が設定された場合、ロボット3が不必要に低速で動作して、その結果としてサイクルタイムが増大して生産性が低下する。また、制御装置10が、負荷情報に基づいて外部の物体との接触の有無を検知する機能を有する場合、検知機能が正常に動作しない虞がある。しかしながら、本実施形態に係る制御装置によれば、ロボット3の制御に使用される負荷情報が適切に設定されているか否かを自動的に判定でき、必要に応じてロボット3を停止できるようになっている。それにより、不適切な負荷情報に起因する前述した種々の問題を防止できる。
前述した実施形態の変形例において、制御装置10のトルク比較部14は、推定トルクと実トルクとの誤差を、第1の閾値よりも小さい第2の閾値と比較するようにさらに構成される。トルクの誤差が第2の閾値よりも大きく、かつ第1の閾値よりも小さい場合、通知処理部16は、負荷情報が不適切である可能性があることをユーザに通知する。トルクの誤差が第1の閾値よりも大きい場合は、前述したように、停止処理部15によってロボット3が停止され、予定されていた以降の動作が中止される。また、第2の閾値は、ロボット3が損傷する虞はないものの、ロボット3が最適な動作を実現できない可能性があることをユーザに通知できるように設定されてもよい。
このように、本変形例によれば、負荷情報が不適切な場合に、実際の負荷との乖離の程度に応じて、ロボット3を停止するか、又はユーザに対する通知が実行される。トルクの誤差と第2の閾値との比較は、第1の閾値との比較と同様に、各々の絶対値を比較することによって実行されてもよいし、又はトルクの誤差が正の値になるか、又は負の値になるかに応じて、大きさが異なる第2の閾値を用いてトルクの誤差と第2の閾値との比較が実行されてもよい。
また別の変形例において、停止処理部15は、選択的に無効化され得るように構成される。或いは、制御装置10が停止処理部15を備えていなくてもよい。この場合、ユーザは、通知処理部16によって負荷情報が不適切であるときに通知を受けられる一方で、ロボット3が自動的に停止されなくなる。このような構成を有する制御装置10は、ロボット3の動作を停止させることが望ましくない用途において有用である。
図4は、別の実施形態に係る制御装置10の機能を示すブロック図である。本実施形態において、制御装置10は、静摩擦計算部18をさらに備えている。
静摩擦計算部18は、既知の条件下における推定トルクと、実トルクとの誤差を静摩擦トルクとして計算する。静摩擦トルクは、負荷情報設定部11によって設定される負荷情報の判定処理を実行する前に計算される。具体的には、既知の負荷が付与された状態、又は無負荷状態、すなわち負荷情報が正確である場合に、当該負荷情報から求められる推定トルクと、静止しているロボットの姿勢を保持するのに実際に必要な実トルクとの誤差を計算することによって、静摩擦トルクが計算される。静摩擦計算部18によって求められた静摩擦トルクは、推定トルク計算部12によって計算される推定トルクを補正するのに使用される。したがって、本実施形態によれば、推定トルク計算部12は、ロボット3の機構部に固有の静摩擦トルクを考慮して推定トルクを計算するので、より正確な推定トルクが得られるようになる。
静摩擦計算部18による静摩擦トルクの計算は、複数の異なる既知の負荷条件、又は複数の異なるロボット3の位置及び姿勢において実行されるのが好ましい。それにより、より信頼性の高い静摩擦トルクが得られる。
図5は、また別の実施形態に係る制御装置10の機能を示すブロック図である。本実施形態において、制御装置10は、閾値設定部19をさらに備えている。本実施形態によれば、負荷情報が正確である場合に推定トルクと実トルクとの間に生じる誤差を考慮して、トルク比較部14によって用いられる第1の閾値及び第2の閾値の少なくともいずれか一方が補正される。
既知の負荷が付与された状態又は無負荷状態、すなわち負荷情報が正確である場合に、当該負荷情報から求められる推定トルクと、静止しているロボットの姿勢を保持するのに実際に必要な実トルクとの誤差を計算する。それらトルクの誤差に応じて、閾値設定部19は、第1の閾値又は第2の閾値を設定する。例えば、負荷情報が正確であるときでもトルクの誤差が大きい場合には、閾値設定部19は、比較的大きい閾値を設定する。反対に、トルクの誤差が小さい場合には、比較的小さい閾値を設定する。このように、第1の閾値又は第2の閾値をロボット3に固有のトルクのばらつきを考慮して設定すれば、より精度の高い判定を実行できるようになる。
さらに別の実施形態において、閾値設定部19は、推定トルク計算部12によって計算される推定トルクの値に応じて、トルク比較部14による比較処理に用いられる第1の閾値又は第2の閾値を設定する。例えば、推定トルクの値が大きい場合、すなわち負荷が大きい場合には、閾値を大きくすることによって誤判定を防止できる。この場合、閾値設定部19は、予め定められる推定トルクの値と閾値との間の関係に応じて、第1の閾値又は第2の閾値を適宜設定できるように構成される。閾値設定部19によって設定される閾値は、推定トルクが増大するのに従って、段階的に増大するようになっていてもよい。或いは、閾値設定部19は、推定トルクが増大するのに従って一定の割合で増大するように閾値を設定してもよい。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、当業者であれば、他の実施形態によっても本発明の意図する作用効果を実現できることを認識するであろう。特に、本発明の範囲を逸脱することなく、前述した実施形態の構成要素を削除又は置換することができるし、或いは公知の手段をさらに付加することができる。また、本明細書において明示的又は暗示的に開示される複数の実施形態の特徴を任意に組合せることによっても本発明を実施できることは当業者に自明である。
1 ロボットシステム
10 制御装置
11 負荷情報設定部
12 推定トルク計算部
13 実トルク計算部
14 トルク比較部
15 停止処理部
16 通知処理部
17 動作指令部
18 静摩擦計算部
19 閾値設定部
3 ロボット
31 アーム
32 手首
33 ハンド
34 サーボモータ
4 通信ケーブル

Claims (10)

  1. 予め設定された負荷情報に基づいて、サーボモータによって駆動される複数の軸を有する自動機械を制御する制御装置であって、
    前記サーボモータから付与されるトルクによって前記自動機械の姿勢が保持される静止状態にあるときに、前記負荷情報に基づいて、前記姿勢を保持するのに必要な前記サーボモータの推定トルクを計算する推定トルク計算部と、
    前記姿勢を保持するのに前記サーボモータによって実際に付与されている実トルクを計算する実トルク計算部と、
    前記推定トルクと前記実トルクとの誤差を予め定められる第1の閾値と比較するトルク比較部と、
    前記誤差が前記第1の閾値を超えた場合に、前記自動機械の以降の動作を停止させる停止処理部と、を備える制御装置。
  2. 前記トルク比較部が、前記誤差を予め定められる第2の閾値と比較するように構成されており、
    当該制御装置が、前記誤差と前記第2の閾値との比較結果を通知する通知処理部をさらに備える、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記実トルク計算部が、前記サーボモータのフィードバック電流及び前記サーボモータのトルク定数に基づいて、前記実トルクを計算するように構成される、請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記実トルク計算部が、前記自動機械に取付けられたトルクセンサによる計測結果に基づいて、前記実トルクを計算するように構成される、請求項1又は2に記載の制御装置。
  5. 前記推定トルク計算部は、既知の負荷が付与される状態、又は無負荷状態において前記自動機械の姿勢を保持するのに必要なトルクを求めることによって計算される静摩擦トルクに基づいて、前記推定トルクを補正するように構成される、請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
  6. 前記第1の閾値が、前記推定トルクの大きさに応じて設定される、請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置。
  7. 前記第2の閾値が、前記推定トルクの大きさに応じて設定される、請求項2に記載の制御装置。
  8. 前記第1の閾値が、既知の負荷が作用する状態、又は無負荷状態において前記自動機械の姿勢を保持するのに必要なトルクのばらつきに基づいて設定される、請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置。
  9. 前記第2の閾値が、既知の負荷が作用する状態、又は無負荷状態において前記自動機械の姿勢を保持するのに必要なトルクのばらつきに基づいて設定される、請求項2に記載の制御装置。
  10. 予め設定された負荷情報に基づいて、サーボモータによって駆動される複数の軸を有する自動機械を制御する制御装置であって、
    前記サーボモータから付与されるトルクによって前記自動機械の姿勢が保持される静止状態にあるときに、前記負荷情報に基づいて、前記姿勢を保持するのに必要な前記サーボモータの推定トルクを計算する推定トルク計算部と、
    前記姿勢を保持するのに前記サーボモータによって実際に付与されている実トルクを計算する実トルク計算部と、
    前記推定トルクと前記実トルクとの誤差を予め定められる閾値と比較するトルク比較部と、
    前記誤差が前記閾値を超えた場合に、前記負荷情報が不適切であることをユーザに通知する通知処理部と、を備える制御装置。
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