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JP2015193918A - 摺動部材および摺動機械 - Google Patents

摺動部材および摺動機械 Download PDF

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Abstract

【課題】摩擦係数の大幅な低減と優れた耐摩耗性を発揮する摺動面を有する摺動部材を提供する。
【解決手段】本発明の摺動部材は、基材と、基材の表面を被覆して摺動面を構成する摺動膜とからなり、潤滑油の存在する湿式条件下で用いられる。本発明に係る摺動膜は、基材の表面上に形成された下地層と下地層上の少なくとも一部に形成された最表層とからなる積層膜である。この最表層は、最表層全体を100原子%としたときに4〜50%のBと5〜50%のHを含む特定ホウ素含有非晶質炭素(特定B−DLC)からなることを特徴とする。この特定B−DLCは、摺動時に自ら摩耗して摺動面を平滑化し、優れた低摩擦性を発揮する。特定B−DLCの下地層は、摺動膜の耐摩耗性向上に寄与する。
【選択図】図4

Description

本発明は、大幅な摩擦低減と耐摩耗性の確保を両立できる摺動面を有する摺動部材およびそれを備えた摺動機械に関する。
自動車に搭載される内燃機関などは、多くの摺動部材(例えばカムとカムフォロア、シリンダーとピストン、種々の軸と軸受け)からなる。このような摺動部材を備える機械(摺動機械)では、各摺動部における摩擦係数を減少させ、摩擦損失の低減等を図ることが強く要求されている。
これを実現するために、例えば、摩擦係数の低減を図れるダイヤモンドライクカーボン膜と呼ばれる非晶質炭素膜(適宜「DLC膜」という。)を摺動面に形成することが提案されている。これに関連する記載が下記の特許文献1〜4にある。
特開2011−32429号公報 特開2011−26591号公報 特開2007−99949号公報 特開2007−23356号公報
特許文献1〜3は、ホウ素(B)を含有した非晶質硬質炭素膜(適宜「B−DLC膜」という。)を摺動面に形成した低摩擦摺動部材を潤滑油中で用いることを提案している。しかし、これらの特許文献で提案されているB−DLC膜は、水素(H)含有量が少ない硬質な被膜である。硬質なB−DLC膜で被覆された摺動面の摩擦係数をさらに低減するには、成膜される基材表面を予め表面粗さ(Ra)0.1未満の鏡面にしておく必要があった。
特許文献4は、ケイ素(Si)を含有した非晶質硬質炭素膜(適宜「Si−DLC膜」という。)で被覆された摺動面を有する摺動部材を潤滑油中で用いることを提案している。また、基材表面に形成した硬質なSi−DLC膜上に軟質なSi−DLC膜を積層して摺動面を形成することも提案している。もっとも、そのような摺動面の摩擦係数は未だ0.07以上であり(特許文献4の[0072]、図9)、必ずしも摩擦係数が十分に低減されているとはいえない。これはSi−DLC膜による低摩擦係数の発現機構が、その表面に生成されるシラノール(Si−OH)による吸着水層に依っているためと考えられる([0011]等)。なお、特許文献4では、Si−DLC膜が形成される下地面の表面粗さやその膜厚については詳述されていない。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、摩擦係数の大幅な低減と十分な耐摩耗性の確保を両立できる摺動面を有する摺動部材と、その摺動部材を備えた摺動機械を提案することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、従来とは異なる新たな組成からなるB−DLC膜を摺動面に設けることにより、潤滑油の存在する湿式条件下において非常に低い摩擦係数が得られることを新たに見い出した。このB−DLC膜を硬質な下地層上に形成することにより摺動面の耐摩耗性も確保できることがわかった。これらの成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《摺動部材》
(1)本発明の摺動部材は、基材と、該基材の表面を被覆して摺動面を構成する摺動膜とからなり、潤滑油の存在する湿式条件下で用いられる摺動部材であって、前記摺動膜は、前記基材の表面上に形成された下地層と該下地層上の少なくとも一部に形成された最表層とからなる積層膜からなり、該最表層は、該最表層全体を100原子%(単に「%」という。)としたときに4〜50%のホウ素(B)と5〜50%の水素(H)を含む特定ホウ素含有非晶質炭素(以下、「特定B−DLC」という。)からなることを特徴とする。
(2)本発明の摺動部材は、基材表面に設けられた下地層上の少なくとも一部に、BおよびHを比較的多く含む特定B−DLCからなる最表層が存在する積層膜により構成された摺動面を有する。この摺動面は潤滑油の存在する湿式条件下で優れた低摩擦性を発現するため、本発明の摺動部材を備えた摺動機械は、運転時に必要な駆動力や摩擦損失等が大幅に低減され、摺動機械の性能向上や省エネルギー化が可能となる。
(3)本発明に係る摺動面、特に最表層が著しい低摩擦性を発揮し得る理由は必ずしも定かではないが、現状では次のように考えられる。本発明に係る特定B−DLCは、BおよびHの含有量が多いため(特にH量が多いため)、相対的にC量(特にsp混成軌道となるC量)が少なく、従来のB−DLCよりも摩耗し易い。このため下地層上に形成された初期の特定B−DLC膜は、摺動開始後からから徐々に摩耗を生じ、それに応じて摺動面は平滑化されその表面粗さは非常に小さくなる。これにより、本発明に係る摺動面上では、介在する潤滑油によって流体潤滑が安定的に生じるようになり、混合潤滑や境界潤滑等に伴う固体接触が殆ど生じなくなる。これに特定B−DLC自身が有する良好な摺動性が加味されて、本発明に係る摺動面は、湿式条件下で著しい低摩擦性を発揮するようになったと考えられる。
なお、本発明に係る摺動面の平滑化は、特定B−DLC(膜)が下地層と協働しつつ摩耗することによって生じると考えられる。例えば、下地層の表面粗さが算術平均粗さ(Ra/JIS B0601:’01)で0.1以上(または0.1超)、0.15以上さらには0.2以上のように比較的大きくても、下地層の表面上にある微細な凹部に特定B−DLCが充填された状態となり、表面粗さがRaで0.05以下さらには0.04以下という超平滑な摺動面が形成されると考えられる。ちなみに、その平滑な最表面は、最表層(特定B−DLC膜)のみから形成される場合でも、最表層と下地層が融合して形成される場合でもよい。
このように本発明に係る摺動面は、摺動過程中に平滑化されるため、摺動前の最表層は表面粗さが多少大きくてもよい。この点は下地層または基材表面についても同様である。但し、摺動膜の摩耗抑制を図る観点から、それらの表面粗さは摺動前から小さいほど好ましいことは当然である。例えば、下地層の摺動前(成膜時)の表面粗さは、Raで0.3以下さらには0.1以下であると好ましい。
(4)本発明に係る積層膜が上述した低摩擦係数を安定的に発現し続けるには、その耐摩耗性の確保も重要となる。例えば、下地層として、最表層または特定B−DLCよりも硬さまたは弾性率の大きな耐摩耗層を設けることにより、摺動面における低摩擦性と高耐摩耗性を高次元で両立することが可能となる。このような下地層は、基材表面に直接的に形成された浸炭層、窒化層等の硬質層でもよいが、基材表面を被覆する硬質膜であると耐摩耗性のさらなる向上を図れる。このような硬質膜は、例えば、窒化物(CrN,TiN等)、炭化物(CrC等)または硬質非晶質炭素等からなる。
特に硬質非晶質炭素として、例えば、特定B−DLCとは組成の異なる硬質なホウ素含有非晶質炭素(硬質B−DLC)、ケイ素(Si)を含有したケイ素含有非晶質炭素(Si−DLC)、H非含有かH含有量の少ない各種の非晶質炭素(HフリーDLC)等がある。これら硬質非晶質炭素からなる下地層は、その表面硬さが20GPa以上、23GPa以上さらには25GPa以上であると好ましい。
なお、下地層は、最表層の摩耗により部分的に最表面に露出する場合もあり得る(図1A〜図1C参照)。このため、下地層は単に耐摩耗性に優れるのみならず、低摩擦係数で摺動性に優れるほど好ましい。ちなみに、本発明に係る下地層は、一層に限らず、二層以上であってもよい。
(5)ところで、本発明に係る摺動面は、最表層となる特定B−DLC膜が相手材の形状(主に外径)に応じて摩耗することで平滑化される(図1A)。このため、安定した高摺動性(低摩擦化と高耐摩耗化)を得るためには、少なくとも摺動開始前の最表層(特定B−DLC膜)が十分な層厚を有すると好ましい。但し、過大な層厚を形成することは現実的ではなく、また、摩耗の進行と共に摺動面間のクリアランスを過度に増大させるため好ましくない。
本発明者の研究調査によれば、高摺動性が安定的に維持されるためには、最表層が形成される下地層の算術平均粗さ(Ra)に基づく表面粗さ(R2)に対する最表層の(初期)層厚(T1)の比である層厚比(T1/R2)が、3〜200、4〜100さらに5〜50であると好ましいことがわかっている。この場合、最表層がもっとも摩耗する部位(図1Aの破線囲み部分)において摩耗が進行しても、下地層が部分的に相手材を支承し、最表層が下地層の凹部を充塞した状態でその摩耗の進行は留まる。その結果、平滑な最表面(摺動面)による低摩擦化が維持される(図1B)。逆に、初期の最表層が下地層の表面粗さに対して薄い場合(層厚比が過小な場合)、下地層の表面粗さに起因した凹凸が摺動面の最表面に出現し、最表面(摺動面)の平滑化が図られず、摺動面間の摩擦係数が低減しない(図1C)。
なお、本明細書でいう層厚比は、摩耗前(摺動機械の運転開始前)の最表層の層厚(T1/初期厚さ)に基づいて特定する。但し、摺動機械の運転後でも、相手材と殆ど摺接していない領域(摩耗が進行していない領域)があれば、その最表層の層厚(T1)を層厚比の算出に用いることができる。層厚(最表層に限らず下地層も同様)の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)により摺動面の断面を観察し、各層の境界を判別した後、SEM像に基づいて行う。なお、下地層と最表層が同質で両者の境界判別が容易でないときは、例えば、摺動面の断面を元素分析等して、その境界を判定する。また、下地層の表面粗さが最表層の層厚に影響するとき、その境界(層厚の測定基準位置)は算術平均粗さ(Ra)から求まる中心線とし、その中心線から最表面までの厚みを層厚と決定する。このようにして定まる層厚を、無作為に抽出した10点で測定し、各測定値を相加平均したものを最表層の層厚とする。
《摺動機械》
本発明は摺動部材としてのみならず、それを用いた摺動機械としても把握される。すなわち本発明は、相対移動し得る対向した摺動面を有する一対の摺動部材と、該対向する摺動面間に介在し得る潤滑油と、を備えた摺動機械であって、前記摺動部材の少なくとも一方は、上述した本発明の摺動部材からなることを特徴とする摺動機械でもよい。
《その他》
(1)本発明に係る特定B−DLCは、C、HおよびBの他、特性改善に有効な元素(改質元素)を適宜含み得る。また、コスト的または技術的な理由により除去困難な「不可避不純物」を含有し得ることは当然にある。
本発明でいう「層」は、適宜、「膜」と換言できるが、必ずしも連続した膜状である必要はない。例えば、本発明に係る最表層は、摺動前に下地層を完全に被覆する連続した膜状でも、摺動後に断続した状態となってもよい。つまり、下地層が部分的に最表面(摺動面)中に出現(露出)した状態となってもよい。このように本発明に係る摺動面は、最表層のみで構成されても、最表層と下地層が混在して構成されてもよい。
(2)本発明に係る摺動面は、その具体的な平滑度(表面粗さ等)、摩擦係数、耐摩耗性等を問わない。それらは、摺動条件(摺動面間に作用する荷重、相手材の材質や形状、用いる潤滑油の種類等)により変化するためである。本発明に係る摺動面の摩擦係数(湿式条件下)の一例を敢えていうと、例えば0.01〜0.05となる。
(3)本発明の摺動機械の運転時に用いられる潤滑油は、その種類や組成を問わないが、通常、基油(ベース油)の他に種々の添加剤を含む。例えば、潤滑油は、全体を100質量%としたときに、モリブデン(Mo)、硫黄(S)、リン(P)、亜鉛(Zn)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ナトリウム(Na)、バリウム(Ba)または銅(Cu)などの一種以上を合計で500ppm以上含み得る。
もっとも、環境負荷低減の観点から、Moの含有量が100ppm以下であると好ましい。より具体的にいえば、従来から摩擦調整剤等として用いられてきたジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)を実質的に含まない潤滑油(適宜「MoDTC非含有オイル」という。)の使用が好ましい。
MoDTC非含有オイルを用いた場合、摺動面間の摩擦係数が上昇すると一般的にいわれている。しかし本発明の場合、潤滑油がMoDTC含有オイルであるかMoDTC非含有オイルであるかを問わず、摺動面間の摩擦係数が大幅に低減される。このような摩擦低減効果が得られる理由は必ずしも定かではないが、上述した平滑化に加えて、特定B−DLCが高摺動性の特殊な境界膜を摺動面間に形成することに寄与していることも考えられる。
(4)特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を、新たな下限値または上限値として「a〜b」のような数値範囲を新設し得る。
摺動面(積層膜)の近傍を示す説明図である。 最表層の層厚が下地層の表面粗さに対して十分な場合を示す説明図である。 最表層の層厚が下地層の表面粗さに対して不足な場合を示す説明図である。 成膜装置を示す模式図である。 リング・オン・ブロック摩擦試験の様子を示す説明図である。 各試料の摩擦係数を摩耗深さと共に示す棒グラフである。 摺動面における初期表面粗さと摩擦係数の関係を示す分散図である。 摺動面における初期表面粗さと摩耗深さの関係を示す分散図である。 各試料の摺動面を観察した顕微鏡写真である。 試料1の摩擦試験後の摺動面を示す図である。 試料2の摩擦試験後の摺動面を示す図である。 試料3の摩擦試験後の摺動面を示す図である。 試料4の摩擦試験後の摺動面を示す図である。 試料C4の摩擦試験後の摺動面を示す図である。 摺動面における層厚比と摩擦係数の関係を示す分散図である。 試料5の摩擦試験後の摺動面を示す図である。 試料6の摩擦試験後の摺動面を示す図である。
発明の実施形態を挙げて本発明をより詳しく説明する。上述した本発明の構成に本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成を付加し得る。本明細書で説明する内容は、本発明の摺動部材や摺動機械のみならず、その製造方法にも適用され得る。製造方法に関する構成は、プロダクトバイプロセスとして理解すれば物に関する構成ともなり得る。なお、いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《最表層》
(1)本発明に係る最表層は特定B−DLC(膜)からなる。特定B−DLCは、Bが4〜50%、23〜50%、24〜40%、25〜35%さらには27〜33%含まれると好ましい。またHが5〜50%、26〜50%、27〜40%さらには28〜35%含まれると好ましい。B、Hは特定B−DLCの硬さひいては摩耗性に影響し、それらが過少ではB−DLCの硬さが過大となり、過多ではB−DLCの硬さが過小となり、いずれにしても最表層の平滑化が妨げられる。
ちなみに、Oの含有量が過多になると、特定B−DLCは過度に軟化したり、良好な成膜が困難となり得る。そこでOは6%未満さらには3%未満であると好ましい。なお、特定B−DLCは、適宜、Al、Mn、Mo、Si、Ti、Cr、W、V、Ni等を含み得る。これら元素の含有量は問わないが、合計で8原子%未満さらには4原子%未満であると好ましい。なお、特定B−DLCの組成は、最表層の厚さ方向に関して、均質的でも多少変化していても、さらには傾斜していてもよい。
(2)本発明に係る摺動面は、特定B−DLC膜が相手材との摺動により徐々に摩耗して平滑化されるため、摺動開始前の表面粗さ(初期表面粗さ)は特に問わない。このため、摺動面の初期表面粗さは0.1μm以上、0.15μm以上さらには0.2μm以上でもよい。もっとも、その初期表面粗さも小さいほど好ましく、例えば、Raで0.4μm以下さらには0.3μm以下であると好ましい。
自己平滑性を発現する特定B−DLCは、その表面硬さが、例えば25GPa以下、20GPa以下であると好ましい。ちなみに、熱処理された鉄鋼基材の表面硬さは8GPa程度である。
また、自己平滑性と共に靱性を確保する観点から、特定B−DLCの弾性率は、例えば200GPa以下、170GPa以下さらには150GPa以下であると好ましい。もっとも、弾性率が過小になると硬さも低下するため、弾性率は100GPa以上さらには120GPa以上であると好ましい。
《下地層》
本発明では、下地層の種類を問わないが、下地層は摺動面に露出することがあり得るため、耐摩耗性に優れると共に摺動性(低摩擦性)にも優れると好ましい。最表層の平滑化により摺動面の低摩擦化が図られるため、本発明では下地層の表面粗さは問わないが、その表面粗さはRaで0.6μm以下、0.2μm以下さらには0.1μm以下であると好ましい。なお、下地層の層厚は問わないが、例えば1〜5μm程度であると、下地層が形成される基材の表面粗さの影響を吸収でき、安定した低摩擦摺動が確保され得る。
《基材》
摺動面が形成される基材はその材質を問わないが、通常、金属材料、特に鉄鋼(炭素鋼または合金鋼)材からなる。基材表面は、適宜、窒化、浸炭等の表面処理がなされていてもよい。その表面粗さは問わないが、Raで0.3μm以下さらには0.1μm以下であると好ましい。また下地層の密着性を向上させるため、基材表面にCrやCrC等からなる中間層が一層以上形成されていてもよい。
《各層の生成》
最表層および下地層の生成方法は問わないが、最表層となる特定B−DLCや下地層となるSi−DLC、B−DLC、TiN等は、例えば、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、スパッタリング法(特にアンバランスドマグネトロンスパッタリング法)等により効率的に形成され得る。
例えば、直流プラズマCVD法により特定B−DLC(膜)を形成する場合、下地層が形成された基材が配置されている真空容器内へ反応ガスおよびキャリアガスを導入する。そして、放電によりプラズマを生成させ、反応ガス中のプラズマイオン化されたC、CH、B等を被処理面(基材表面または下地表面)に付着させ、特定B−DLCを形成する。この際、(i)処理温度の低温化と、(ii)プラズマ制御とを行うことにより、水素量が多く、摩耗によって平滑化されやすい特定B−DLC膜が容易に形成され得る。
具体的にいうと、処理温度の低下により、プラズマ密度が低下し、原料ガス中の水素を多く取り込んだ高水素含有特定DLCとなる。また、放電の負グローが互いに重なり合う状態にプラズマを制御することにより、反応ガスとして用いられる炭化水素ガスが分解され易くなり、Hが多く、適切な割合でsp混成軌道となるC(Csp)をもつ特定B−DLCが形成され易くなる。
反応ガスには、メタン(CH)、アセチレン(C)、ベンゼン(C)等の炭化水素ガスの他、B源となるTEB(トリエチルホウ素)、TMB(トリメチルホウ素)、B(ジボラン)などを用いることができる。キャリアガスは、アルゴンガスでもよいが、水素ガスを用いれば、生成中のB−DLC表面へのイオン衝撃が低減され、Hが多く、適切な割合でCsp をもつ特定B−DLCが生成され易くなる。
なお、B源となるガスをSi源となるTMS(テトラメチルシラン)等に変更して処理条件を調整することにより、特定B−DLCと同様に直流プラズマCVD法によって下地層となるSi−DLCも形成され得る。さらに、B源となるガスをTi源となるTiCl(四塩化チタン)等に変更して処理条件を調整することにより、特定B−DLCと同様に直流プラズマCVD法により下地層となるTiNも形成され得る。
《用途》
本発明の摺動部材は、その具体的な形態や用途を問わず、多種多様な摺動機械に用いることができる。このような摺動部材として、軸と軸受、ピストンとライナー、噛合する歯車、動弁系を構成するカムとバルブリフタ若しくはフォロワ、バルブとバルブガイド、ロータとロータハウジング等がある。また摺動機械として、例えば、自動車等に搭載されるエンジンや変速機等の駆動系ユニット等がある。
《試料の製造》
表1Aおよび表1B(適宜、両表を併せて単に「表1」という。)に示す種々の試料(摺動部材)を製造した。各試料は、基材であるブロック試験片(15.7mm×6.5mm×10mm)の摺動面となる一面に、種々の被膜を形成したものである。但し、試料C1は、基材の研磨面をそのまま摺動面とした。
〈基材〉
試料C1の基材には、浸炭鋼(JIS SCM420)の焼入れ焼戻し材(HV700±50)を用いた。試料C1以外の基材には、マルテンサイト系ステンレス鋼(JIS SUS440C)の焼入れ焼戻し材(HRC58)を用いた。なお、各基材の表面(被処理面)は、成膜前に、表1に示す表面粗さ(Ra)に研磨した。なお、本実施例でいう表面粗さは全て、特に断らない限り、JIS B0601:’01に準拠した算術平均粗さ(Ra)に基づく。
〈成膜〉
(1)試料1〜4および試料C8〜C11は、基材表面にSi−DLC膜(下地層)とB−DLC膜(最表層)を順に成膜して積層膜を形成したものである。これらの成膜は、表1Aに示す成膜条件下で、図2に示す成膜装置1を用いて、直流プラズマCVD(PCVD)法により行った。具体的には次の通りである。
成膜装置1は、ステンレス製の容器10と、導電性を有する基台11と、ガス導入管12と、ガス導出管13を備える。ガス導入管12には、バルブ(図略)と質量流量制御器(マスフロー)14を介して、各種のガスボンベ15が接続されている。
またガス導入管12には、バルブ(図略)と質量流量制御器(マスフロー)16を介して、ヒーター17で加熱可能な原料保存容器18が接続されている。ガス導出管13には、バルブ(図略)を介してロータリーポンプ(図略)および拡散ポンプ(図略)が接続されている。
成膜装置1を用いた成膜は次のような手順で行った。成膜装置1の容器10内にある基台11上に基材19を配置する。その後、容器10を密閉し、ガス導出管13に接続されたロータリーポンプおよび拡散ポンプにより、容器10内を真空排気する。この真空排気された容器10内へ、表1Aに示す所望組成に調整したガスをガス導入管12から導入する。この容器10内へプラズマ電源から電圧を印加する。こうして基材19の周囲にグロー放電環境110が形成される。
成膜手順をより具体的にいうと次の通りである。先ず、放電加熱、イオン窒化およびプレスパッタリングを順に行った(前処理工程)。このときの各処理条件(使用ガスの種類と各ガスの導入量、容器内圧、基材温度、印加電圧を表2に示した。なお、これらの処理は、いずれの試料についても同様に行った。
次に、前処理工程後に連続して、Si−DLC膜を形成する合成処理工程を行った。これに続けて、B−DLC膜を形成する合成処理工程を行った。これらの処理条件は表1Aに示した通りである。
Si−DLC膜の原料ガスとなるTMS(テトラメチルシラン)またはB−DLC膜の原料ガスとなるTEB(トリエチルホウ素)は、それぞれ別々に設けた原料保存容器18に入れてヒーター17で加熱し、蒸発させて供給した。なお、組成(SiまたはBとHとの含有量)は、TMSまたはTEBとCH との比率(流量比)および合成温度を表1に示すように調整することにより制御した。
(2)試料C2およびC3は基材表面にSi−DLC膜のみを形成したものであり、試料C7は基材表面にB−DLC膜のみを形成したものである。これら単層膜も、上述した積層膜と同様に、表1に示す処理条件に沿って成膜した。
(3)試料C4、C5は、アンバラスドマグネトロンスパッタ装置(株式会社神戸製鋼製)を用いて、基材の被処理面に、スパッタリングによりB−DLC膜を合成したものである。具体的にいうと、基材の表面にCr系中間層を形成した後、BCおよびグラファイトターゲットをArガスでスパッタリングすると共にCHガス(炭化水素系ガス)を導入して、B−DLC膜を形成した。
(4)試料C6は、基材表面に二硫化モリブデン系被膜(東洋ドライルーブ株式会社製:MK−4190)を形成したものである。
(5)試料5および試料6は、試料1〜4のSi−DLC膜をTiN膜(窒化物膜)へ変更し、その下地層上にB−DLC膜(最表層)を成膜したものである。これらの積層膜も、基本的に試料1〜4と同様に、表1Bに示す条件下で行った。但し、既述した前処理工程後にTiN膜(下地層)を形成する際、TiCl(四塩化チタン)を原料に用いた。TiCl(四塩化チタン)は、試料1〜4で用いたTMSと同様に、原料保存容器18に入れてヒーター17で加熱し、蒸発させて供給した。そしてTiClとN等の比率(流量比)および合成温度を表1Bに示すように調整してTiN膜を成膜した。
《測定・観察》
表1に示した各試料について、各特性をそれぞれ測定し、その結果を表1に併せて示した。具体的にいうと、表面粗さ(Ra)は、白色干渉法非接触形状測定機(New View 5022、ザイゴ株式会社製)により測定した。膜厚(層厚)は、精密膜厚測定器(CALOTEST、CSEM社製)により測定した。被膜中のB量とSi量はEPMA分析(日本電子製、JXA−8200)により測定し、H量はRBS/HFS分析(National Electrostatics Corporation製、Pelletron 3SDH)により測定した。
《摩擦試験》
上述した各試料の被覆面(試料C1を除く)を摺動面として、リング・オン・ブロック型摩擦試験機(LFW−1、FALEX社製)により摩擦試験を行った。この様子の概略を図3に示した。具体的にいうと、各試料に係るブロック試験片21の摺動面21f(15.7mm×6.5mm)を、潤滑油Lが入った浴槽20内で回転するリング試験片22の摺動面22fに押圧しつつ摺接させて、そのときの摩擦係数と試験後の摩耗深さを測定した。リング試験片22には、浸炭材(SAE4620、φ35mm×8.8mm、表面粗さRa0.2±0.1μm)を用いた。潤滑油は、トヨタ自動車株式会社の純正エンジン油(トヨタキャッスル SN 0W−20/ILSAC規格:GF−5、MoDTC非含有)を用いた。また、リング試験片22に対してブロック試験片21を押圧する荷重F:133N、両試験片のすべり速度:0.3m/s、潤滑油の油温:80℃(一定)、試験時間:30分間とした。なお、摩擦係数は、試験終了直前の1分間における平均値とした。また摩耗深さは、白色干渉法非接触形状測定機により得られた形状から、非摺動面から摺動面の最深部までの深さとして算出した。こうして得られた結果を表1に併せて示した。
《評価》
(1)摩擦係数
表1Aの各試料に係る摩擦係数を図4に対比して示した。図4および表1Aから明らかなように、摺動面(最表層)に特定B−DLCが存在する試料1〜4と試料C7は、他の試料よりも群を抜いて小さい摩擦係数を発現した。例えば、試料1は摩擦係数が0.01以下であり、超低摩擦特性を発現することが明らかとなった。
また試料1では、摩擦試験前の最表層の初期厚さ:0.7μmに対して、その摩耗深さも0.7μmとなっているため、摺動面の一部で最表層のB−DLC膜が殆ど摩耗した状態となることがわかった。しかし、試料1の摩耗は、最表層の初期厚さ以上には進行しておらず、下地層により耐摩耗性が確保されていることもわかった。従って試料1では、最表層を構成するB−DLC膜が摺動後に摩耗して平滑な摺動面を形成すると共に下地層を構成するSi−DLC膜が耐摩耗性を確保し、両層が相乗的に作用して、著しい低摩擦特性が安定的に発揮されるようになったと考えられる。
また表1Aに示した試料2〜4の層厚と摩耗深さを比較するとわかるように、最表層を構成するB−DLC膜の層厚が十分なときは、摩耗深さが層厚よりも小さくなっている。これは、B−DLC膜の摩耗により摺動面が十分に平滑化されて摩擦係数が著しく低下すると、その後は実質的に摩耗しなくなったためと考えられる。
(2)初期表面粗さの影響
摩擦試験前の摺動面(最表層)の表面粗さ(初期表面粗さ)と摩擦係数の関係を図5Aに、その初期表面粗さと摩耗深さの関係を図5Bにそれぞれ示した。これらから、初期表面粗さが小さいほど、摩擦係数および摩耗深さは小さくなる傾向にあることがわかる。但し、試料C4または試料C5と試料1〜4とを比較するとわかるように、初期表面粗さが同じでも、摺動面を構成するB−DLC膜の組成(B量、H量)により、摩擦係数は大きく異なることもわかる。
また、試料2、試料C4および試料C5について、摩擦試験後の摺動面の様子を図6に示した。試料C4および試料C5のようにB量やH量が少なく硬質なB−DLC膜の場合、初期表面粗さの影響を大きく受けて摺動性が悪く、膜剥離を生じ易くなることがわかった。一方、試料2のようにB量やH量が比較的多い特定B−DLC膜の場合、初期表面粗さが大きくても、平滑な摺動面が安定して維持され、膜剥離等は生じないこともわかった。
(3)摺動面の変化
試料1〜4と試料C4について、摩擦試験前後の摺動面の様子を図7〜図11にそれぞれ示した。なお、各図の左側に示した立体図と右側に示した立体図断面における表面粗さ曲線は、白色干渉法非接触形状測定機により測定して描いたものである。
図7〜図10から明らかなように、試料1〜4に係る摺動面(B−DLC膜)は、摩擦試験前の初期表面粗さが大きくても、摺動相手材に応じた外形状に変化し(つまり、馴染み)、著しい低摩擦性を発揮することがわかる。一方、図11から明らかなように、試料C4に係る摺動面(B−DLC膜)は、摩耗による摺動面の平滑化が小さく、初期表面粗さが試料2〜4よりも小さいにもかかわらず、摩擦係数はあまり低下しないこともわかる。
(4)層厚と摩擦係数の関係
試料1〜4と試料C4、C8〜C11について、層厚比と摩擦係数の関係を図12に示した。図12から、試料1〜4のように層厚比の範囲が適切であると、低摩擦化を十分に図れることがわかる。但し、試料C4のように層厚比の範囲が適切でも、硬質なB−DLC単層膜では、低摩擦化を十分に図れないこともわかる。
以上から、BおよびHを比較的多く含有した特定B−DLCからなる最表層と、耐摩耗性または摺動性に優れる下地層とからなる積層膜を摺動面に設けることにより、低摩擦性と耐摩耗性を高次元で両立した摺動部材が得られることが確認された。
これらのことは、試料1〜4のように下地層がSi−DLC膜である場合に限らず、試料5および試料6のように下地層がTiN膜である場合でも同様であることが表1Bからわかる。具体的にいうと、試料5および試料6についても、試料4(図10)等と同様に、摩擦試験前後の摺動面の様子を図13および図14にそれぞれ示した。これらから明らかなように、下地層がTiN膜の場合でも、摺動面(B−DLC膜)は、摺動相手材に応じて馴染み、著しく低摩擦性を発揮することがわかる。なお、試料5および試料6についても、層厚比と摩擦係数の関係を図12に追加して示した。これら試料でも、層厚比の範囲が適切であると共に特定B−DLCからなる最表層を有することにより、十分な低摩擦化が図られていることがわかる。

Claims (8)

  1. 基材と、
    該基材の表面を被覆して摺動面を構成する摺動膜とからなり、
    潤滑油の存在する湿式条件下で用いられる摺動部材であって、
    前記摺動膜は、前記基材の表面上に形成された下地層と該下地層上の少なくとも一部に形成された最表層とからなる積層膜からなり、
    該最表層は、該最表層全体を100原子%(単に「%」という。)としたときに4〜50%のホウ素(B)と5〜50%の水素(H)を含む特定ホウ素含有非晶質炭素(以下、「特定B−DLC」という。)からなり、
    該下地層の算術平均粗さ(Ra)に基づく表面粗さ(R2)に対する該最表層の層厚(T1)の比である層厚比(T1/R2)は3〜200であることを特徴とする摺動部材。
  2. 前記層厚比は5.8〜37.5である請求項1に記載の摺動部材。
  3. 前記層厚比は12.6〜23.3である請求項2に記載の摺動部材。
  4. 前記最表層は、該最表層全体を100%としたときに23〜50%のBと26〜50%のHを含む特定B−DLCからなる請求項1に記載の摺動部材。
  5. 前記下地層は、前記最表層よりも硬質な窒化物、炭化物または硬質非晶質炭素からなる請求項1〜4のいずれかに記載の摺動部材。
  6. 前記下地層の硬質非晶質炭素は、ケイ素(Si)を含有したケイ素含有非晶質炭素(以下、「Si−DLC」という。)である請求項5に記載の摺動部材。
  7. 前記下地層の表面粗さはRa:0.1μm以上である請求項1〜6のいずれかに記載の摺動部材。
  8. 相対移動し得る対向した摺動面を有する一対の摺動部材と、
    該対向する摺動面間に介在し得る潤滑油と、
    を備えた摺動機械であって、
    前記摺動部材の少なくとも一方は、請求項1〜7のいずれかに記載の摺動部材からなることを特徴とする摺動機械。
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